○
塩見政府委員 北洋漁業の
許可の問題については、
資源保護というような
観点に立
つて、国際的に見て非常に重大な問題であり、ことにこれがおそらく
平和條約が成立して、
平和国家の第一出発の国際的な進出という形をとると思いますので、この点非常に重要な点であり、また御指摘の
通りに
底棲性、あるいは遡
河性の魚類であ
つて、繁殖上非常に
考慮を要するという点は十分考えて参らなければならぬと考えておりますが、
政府の
独断に陥らないように、この問題の進め方については、われわれの方としましても
関係業界の
意見を十分内部的にも検討してもらいながら、進めてもらうような
措置をと
つております。その
関係上
業界の中にもいろいろな
意見もありますし、
利害関係等もあるために、遅れているという
状態にな
つておりますけれ
ども、これはどうも
政府の方でと
つております
方針によ
つて、できるだけ
関係業界と
一体にな
つて国際的な併用を増すような形で、ことに
かに工船等については二
船隊等というような話もありましたけれ
ども、大体どう見ても、手がたく考えた場合に一
船隊以上はいかぬ、こういう
方針は堅持したいと思
つておりますし、
鮭鱒等については、百ばい以内にしてくれ、こういうような
意見もございましたけれ
ども、
水産庁当局としましては、その半分の五十隻以内という手がたい形で相談をし合
つている。こういうような形で
関係業界の方に懲通しております。この問題については、もちろんいろいろ経営上の問題もございますし、過去の経験者の
意見も十分尊重しなければならないことでございますから、できるだけ
政府の
独断に陷るというようなことのないように、
関係業界の
意見を十分に練
つてもら
つて、その上で
政府の
方針を決定して参りたいと思
つております。この
委員会等においても、御
意見等ございますれば、十分伺
つて、それを農林大臣にもお伝えし、それに対処して参りたいと考えております。
それからもう
一つ、
ソ連の
日本漁船の拿捕についての御
質問でございますけれ
ども、私従来からのずつと長い
経過というものは、ここに書類を持
つておりませんので存じておらないのでございますけれ
ども、
水産庁当局といたしましては、時々問題があるたびに、外務省を通じて正式に総
司令部の方へ連絡するとともに、天然
資源局の方を通じて、外交局の方へ
内容的に必要な部分は十分連絡する。それで適当な処置をと
つてもらうように常に連絡は怠
つていないつもりで、個々の問題についての通報は時々しておる、こういう
状態でありますが、総
司令部としての対処策については、総
司令部の方で決定されることでありますので、決定あり次第、あるいは外務省を通じ、あるいは天然
資源局を通じまして、直接GHQの方の対処策を伺
つて参り、その都度こちらの方も
意見を申し上げる、こういう形にな
つております。その点について今後、ことに平和克復後マツカーサー・ラインというふうなものが、これは占領政策上必要で行われたものでありますから、占領政策終結とともに当然これは撤廃されるという
関係になりますれば、またそういう拿捕、臨検その他の国際的な
関係はあるいはますますむずかしくな
つてくるかもわかりませんし、そういう点について、これから意気込んで出漁しようという
日本の
漁業者の勇気というか、進取の気持というか、そういうものをくじかせる点があ
つてはいかぬと思うので、私も非常に憂慮しておるわけであ
つて、その点については、今後ともなお一層の努力を傾けて参らなければならぬ、こう考えております。