○田渕
委員 私はまず新
長官を迎え、新
委員長を迎えまして、本年の春
日本が
独立するという想定のもとに、われわれ
水産委員会として、また
日本の
水産行政において画期的な
進出をすることについて、飯山元
長官、家坂元
長官、藤田前
長官にかわ
つて新しく
就任された
塩見長官に非常な期待を持つものであります。同時にいい
長官を迎えたと大いに喜んでおる一人であります。ことにまた
委員長は積極性に富み、勇猛果敢であり、難局の
水産行政に対し積極的な
立法措置を講ぜられることを期待いたしまして、新
委員長、新
長官に心からの敬意を表し、また期待するところ大きいのであります。先ほど同僚
鈴木先輩、田口先輩からいろいろお話がありましたので、詳しくは申し上げません。ことに本日わが党では議員総会があり、また一時から
総理の演説がありますので、大体私は簡單に要点を二、三お伺いし、次会にゆつくりお答え願いたいと思うのでございます。
新
委員長に申し述べる点につきましては、次会に讓ることにいたしまして、新
長官にお伺いいたしたい問題は、一昨日わが自由党第五回年次大会における各地区のわが党の
代表の活発なる意見のうち、
水産金融に対するところの農林中金のい
かにも因循姑息なる、あるいは優柔不断なる点に対する率直なる意見があり、大会運営
委員会におきましては、これを取上げまして善処するという約束をいたしておるのであります。この点につきましては、田口
委員、
鈴木委員からもお話がありましたから、ひ
とつ十分
考慮願いたい。
漁業制度の改革に基くところの
漁業権証券におきましても、たとえば私の和歌山県宇久井村においては、まだ手元に渡
つていないという陳情を受けております。かような点については、ま
つたくわれわれが最初構想いたしましたように、
水産銀行というものをつく
つて、みずからここに
水産金融の施策をひ
とつ講じなければならぬ。この点は従来いろいろの変化があり、いろいろな善処
措置があ
つて今日の結果にな
つておりますが、これは大いに積極的にや
つていただきたい。そうせぬとこの疲弊せるところの
沿岸漁民が立
つて参りません。加えて非常に
金融の梗塞がありまして、どうしたらよいかという問題に追い込まれているということは、党大会における率直なる地方党員の意見の発表によ
つても
はつきりしておることであります。この点をひ
とつ次の
委員会までに十分御
検討を願いたい。
水産金融につきましては、とうてい農林中金や
開発銀行をたよ
つてお
つてはいかぬ。大蔵
当局並びに農林
当局、ことに所管庁の
水産庁として、新
長官はどういうような積極的な施策を持
つておられるのかという点について、まずひ
とつ御
考慮願いたい。それについては、従来の三
長官及び
水産事務
当局が、往々いまだ官僚独善的に、問題をみずからつく
つた後において
委員会に付議する。そのために過去三箇年われわれ
水産委員会において、
委員と
水産庁
当局との対立論争となり、ときによれば歴代三
長官をつるし上げにするような、まことに見にくい醜態にも
なつたのであります。
水産委員会の運営という
意味においても、新
日本とての行き道として積極的、建設的に、しかも実を結ぶという線において、ほんとうに腹を打割
つて相談してもらいたい。まず民主政治は納得する政治である。われわれ
委員としてはこう思うが、
水産長官は行政面でどう思うか。また行政
当局としてはこう思いますが、
委員会としてはどうでございましようかというようにお互いに事前の打合せを数回やる。そうして納得したものを
委員会に出す、プリントを出すということならば、刺激、摩擦はなか
つたであろうというような点も反省してみれば考えられます。過去のことは申してももどりませんが、いよいよ本年の春を期して
独立する。その後における自立経済の線というような点において、問題は
日本の経済は地上
資源で行くべきか、
水産資源で行くべきか、はたまた地下
資源で行くべきかという
資源の問題に対して
検討を加えて行かなければなりません。ここに安本
当局、農林
当局、大蔵
当局、あるいはまたその関連
当局との間の総合的な連絡がありましよう。けれども私は、少くとも自由党の内閣として、自由党の党員として、食糧統制
撤廃をやらなければならぬというような問題に追い詰められているときに、穀類蛋白ばかりでなく魚族蛋白で行くとするならば、大いに
水産資源に力を入れなければならぬと思う。ここにおいて
沿岸の漁港、防潮あるいは船だまり、種々の施設において遅れている面においては、十分大蔵
当局と
予算の獲得について
折衝しなければならぬ。
昭和二十七年度の
予算を見ましても、廣川農政といいましようか、廣川農林大臣の政治的な圧力によ
つて、八千五百二十七億というわくの中において農林省が獲得した
予算については、私は彼の政治力を見上げておるのでありますが、なお本年八月までに一切の準備をして、
昭和二十八年度こそはここに持
つて行かなければならぬとするならば、
長官及びわれわれ
委員会がひ
とつ十分なる
検討を加えて、日常忙しい
——ことに講和
独立後における
立法措置、国内の改革、治安の維持、問題は多々ありますけれども、
水産資源に対する
予算の獲得面に対しては、もう八月ではありません、今日からその準備をし、今日からその大きなスローガンのもとに政策を立て、施策を立てて準備をして行かなければならぬと思いますので、そういう点もひ
とつ希望として申し述べておきます。
なお昨年行政監察特別
委員会の
委員として派遣されまして、北海道の根室半島並びに納沙布燈台等を見、
マッカーサー・
ラインの三海里という点を見ましたときに、
ソ連、
中共を疎外した多数講和でや
つておることに対して、これにいやがらせを持
つて来るのに、
ソ連として最も
日本を痛い目に合わすのは、
北洋漁業であります。この
北洋漁業に対する施策は、これから
ソ連並びに
中共との、
講和条約発効後における
交渉において何とか善処できましようけれども、これとても
サンフランシスコ会議におけるより以上の有利な
条件ではできないということは
平和条約に規定されているのでございます。私
はつらつら思いますのに、根室の陳情を受けたことを今想起いたしておりますが、皆さんは内地で戰災にあ
つた、土地は燒かれ、家は燒かれしたけれども、われわれは町の半分は燒かれ、さらに職場をほとんどとられてしまうた、今まで自由にできた歯舞付近における
漁業はとられてしま
つた、職場をとられたのである。こういう根室町民の涙を流しての陳情を受けたときに、大いに考えさせられるところがあ
つたのであります。あに根室半島ばかりではありません。根室半島から稚内に至る線
——本日同僚松田
委員が欠席しておりますから、出て来ればいろいろ申し述べるであろうと思いますが、私から申し述べますが、
ソ連の三海里に対する取締り監視船は、少しく暴に至ればいかなる
措置でもできるのであります。私はこれに対して、北海道には特別の
措置を講じなければならぬ、国警をふやさなければならぬことはもちろんであるということを行政監察特別
委員会に報告し、
国会に勧告いたしておるのでありますけれども、少くとも
講和条約発効前及び後における
連合国の好意ある
措置によ
つて、
連合国なりアメリカの駆逐艦によ
つてこの線を守
つてもらわなければ、いやがらせがいやが上にも増して来て、
北洋漁業に対する彈圧が加わるのではないかということも考えられますので、これらに対しては
外務省並びに内閣官房長、その他と十分横の連絡をと
つて善処されんことを希望するものであります。
ともあれ、ます先輩
鈴木委員、田口
委員が十分盡くされておりますから、私は簡單に申し上げまするが、大略の見通しをつけまして、最も期待する新
長官、新
委員長にこれらの点を申し上げまして、十分なる施策と善処をされんことをお願いする次第であります。