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吉橋証人 ただいまの御発言に対しまして、われわれの立場から、またひいては各警察、
検察庁も含めた治安機構の面から見て、国会へ御要望をしたい
事項は幾多ありますが、これは一応国家予算という面にも掣肘されますので、われわれの厖大な要望はもちろんいれられないと思うのであります。
特審局の例をとりますと、すぐ特審がどうしたと言われておりますが、現実に
特審局員として従事しておる者は、全国で七百名にすぎないのであります。しかも所管しておる事務は非常に広
範囲にわたり、
調査面において、また情報収集面において、第一線の
調査官は苦しい立場をも顧みず、最近においては非常に確信を持
つて、国家に奉ずるという信念のもとに
活動しておりますので、われわれは非常に喜んでおる次第であります。それでいろいろな要望もありますが、まず最も御要望申し上げたい点は、この
調査官の待遇問題であります。現在
特審局の
調査官は、一般公務員の待遇がちよつと是正された程度でありまして、一般
警察官よりかはるかに低い。これがいわゆるまる腰で、しかも非常にむずかしい、また一部から見られると非常にいやな仕事に従事しておる。また第一線の
調査官の家庭などへいろいろ脅迫文が来たり、あるいはいろいろなものが投げ込まれる。そのために、こんな安月給で
特審局におるよりか、外へかわ
つた方がいいんじやないかというようなことを、今までしんぼうし切
つた妻子から言われておるような者が、各地方にも出ておるような状態であります。にかかわらず、各
調査官は最近において大部分非常に国家に奉ずる信念に燃えて
活動をしつつあります。さらにもちろん教養の面その他においては、十分な民主的な見解や思想を持
つための研修もあわせて現在行
つておりますので、まず待遇の問題で少くとも最小限度の待遇を与えて、後顧の憂いなく、この
職務の
遂行ができるように、ひ
とつ国会におきまして格段の御配慮を得たいと思う次第であります。