○田渕
委員 率直に申しますが、私の聞かんとするところは
責任の所在であります。要はわずか百万円くらいの金で、
国有財産を
契約の更改もせずにや
つて来たということは、どこにこの
責任があるか、といえば、いかなる事情があろうとも、われわれとしてみれば
契約当事者である
山口県を追究する以外にない。しかもこの
契約書並びにそれから来たところの協定書にはつきり協定ができて、この第一回の金が渡されたならば火薬の使用を許そう。火薬の使用は県が握
つておるのだから、この金の払いをしなければ葛西の方は火薬の使用ができない。そこで私どもこの七百万円という金を現認したものではありませんけれども、これはブローカーから集めたものだということを聞いております。
陸奥は大きなものだから金を貸せというので、ブローカーから何百万円を集めて、その金を田中に與えておるのであります。だから大言壯語をしておるということは、もちろん
西日本サルベージの名前を世界的にあげようというような、精神的な名誉をとろうという点もあ
つたかもしれませんけれども、利益があるからであります。少くともこの七百万円という金を集めたのは、当時の朝鮮動乱によ
つて非常にスクラツプの値段が上
つて来たというので、ブローカーから金をと
つてこれを田中に與えた。そしてうるさい田中と手を切らして、この金が一回でも行
つたならば葛西の方に火薬の使用を許そうということで厖大な火薬を與えた。一体食糧やガソリンや何かを出すために倉庫を破
つて行くのでありますから、そうたくさんの火薬はいらぬと思うのであります。それを六箇月の間に二トン五分といえば二千五百キロです。二千五百キログラムの火薬を與えておるとするならば、結局一年とすれば五千キロのものを與えておる。こういうようなことで、
山口県は
自分の沖にあるものだから、今となれば
建設省の
指示だとかどうとか言
つてあなた方は逃げるけれども、結局田中という者によ
つて陸奥の位置がわかり、それによ
つて山口県が骨を折
つてあれらにやらす、結局
山口県と田中との間に、あなたは知らぬかもしれぬけれども、
最初契約した当時に、
山口県にも幾分の利益を與えるのだというような意味から、だんだん以前の
賠償課長時代から悪因縁ができて来て、それがあなたに
なつて
機構改革で解散して、この
引継ぎがあ
つて、あなたは
契約の更改もせずにまたこれに二千五百キログラムの火薬を與えて、どんどん厖大な、想像もつかぬほどの火薬を與えた。しかも七百万円のブローカーから集めた金を田中に提供した。こんなところに
山口県がタツチした。これは国会としても、私個人としても非常に不可解なのであります。これはどこまでも
山口県の
責任だと思う。
山口県の
責任はすなわち知事の
責任であると同時に、担当官のあなたがこれは
責任を負わなければならない。五千万円と言
つておりますが、今日計算すれば一億になるかどうか、まだわかりませんので、数字をはつきり出してみましよう。また将来
陸奥がサルベージによ
つて揚げられたらどれだけこわれてお
つたということがわかる。卵に仮定すれば半分こわれているかどうかわか
つて来る。そうするとこれが、あるいはやみでスクラツプとしてどこへどれだけ流れたかということがわかり、結局
国有財産の不正、不当な
処分をしたということは、あなた方の
責任ではないか。だんだんその
責任を前任からついて行くとそうなる。だから拔打ち的に
調査に行
つたのだと言
つておるけれども、それは拔打ち的に
調査に行
つたのではないと私は推察する。どんどん厖大な火薬を與えてやらすものだから、その辺の魚が死んでしま
つて、その辺の漁民から猛烈な陳情が国会にあ
つた。
山口県に行
つても問題にならぬので、何とかしてくれという陳情をわれわれ水産
委員として受けた。それでわれわれは
陸奥の
状態を調べてみようということまでや
つた。だからどう考えても拔打ち的に、国家の
財産を完全にするために見に行
つたということは、先ほど私が言
つた通り、水産
委員の方へ陳情があり、国会がやかましく言うから行
つたのであ
つて、決してあなたの
責任、何とか
国有財産を有利に
処分しなければならぬという
責任感から行
つたのではないと、私の心では伺
つておる。あなたはそういうつもりで行
つたのじやないかもしれぬ、水産課の方にうるさく言われてしようがないというので行
つたかもしれぬけれども、私はそう思います。結局五千万円なり、あるいは何千万円になるかしれませんがその
責任をかりに
山口県が負うとしたら、知事が負うのですか、あなたが負うのですか。あるいは
山口県条例、あるいは今日の日本の会計法とか、あるいは支出負担行為というようなことで、これは
中国財務局長に
責任があるのか、この点をはつきりするのが当
委員会の
目的であると思う。この点をひ
とつはつきり伺いたいのです。われわれが伺
つておるところでは、あなたは
責任を
建設省に負わせている。
建設省の
指示によ
つてや
つたと言うがいずれ他の
証人を呼べばわかるでしよう。現職のあなたが、つまり二十五年の五月からかか
つて、すでに朝鮮動乱が起きて、どんどん物価が上
つて行くときである。こういうような意味から考えてみると、どうもあなた方のや
つて来たことが、
国有財産を完全に、いわゆる国家のために、民生安定のために使
つたと、私ら思えないのです。一部のブロカーあるいは一部のこういう不正な者――これは実際に不正をや
つたのです。不正な業者と結託してや
つてお
つた。たまたまこの問題が起きて来て国会で調べたら、あなたは結論としてそう逃げておるけれども、この点率直に
責任があなたにあるのか、知事にあるのか伺いたい。もちろんあなたにあることは、知事にありますが、その点をひ
とつはつきりしてもらいたい。これはどこまでも
建設省の
責任だ、
山口県の
商工課の
責任でないならないとはつきり言うならば、われわれはさらに追究して行きます。