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1952-07-26 第13回国会 衆議院 建設委員会 第49号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月二十六日(土曜日)     午前十一時二十八分開議  出席委員    委員長 松本 一郎君    理事 鈴木 仙八君 理事 村瀬 宣親君    理事 前田榮之助君       逢澤  寛君    淺利 三朗君       宇田  恒君    高田 弥市君       内藤  隆君    西村 英一君       中島 茂喜君    増田 連也君       佐々木更三君  出席政府委員         建 設 技 官         (河川局長)  目黒 清雄君  委員外出席者         参議院議員   田中  一君         建設事務官         (住宅局住宅企         画課長)    鬼丸 勝之君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ――――――――――――― 七月十一日  井田、山田両河川国直轄改修工事施行請願  (内藤隆紹介)(第四〇五三号)  住宅金融公庫法による土地の標準価額増額に関  する請願安部俊吾紹介)(第四〇八五号)  倉敷米子線道路国道に編入の請願門脇勝太  郎君紹介)(第四〇八六号)  吉井川下流改修工事促進請願大村清一君紹  介)(第四〇八七号)  鰍沢町排水路改修工事施行請願鈴木正文  君紹介)(第四一一一号)  四宝地区総合開発に関する請願福井勇君紹  介)(第四一一三号)  国道四十一号線改修工事施行請願世耕弘一  君紹介)(第四一一四号)  金岡地内吉井川西岸堤防修築に関する請願(逢  澤寛紹介)(第四一四四号) 同月二十三日  国道一号線中磐田市内改修工事施行請願(  足立篤郎紹介)(第四一五八号)  住宅調整法制定に関する請願大石ヨシエ君紹  介)(第四一七六号)  道路費予算追加計上に関する請願江崎真澄  君紹介)(第四三一一号)  台風ダイナ等による災害応急措置に関する請願  (江崎真澄紹介)(第四三六三号)  府県道湯本元箱根線及び特二号国道改修工事施  行の請願(小金義照紹介)(第四三九一号)  日光川改修工事促進等に関する請願江崎真澄  君紹介)(第四三九九号) の審査を本委員会に付託された。 同月十一日  災害復旧事業国庫補助増額並びに工事急速  施行に関する陳情書  (第二七一〇号)  同(第  二七一一号)  災害復旧工事財源措置に関する陳情書  (第二七一二号)  公共土木施設災害復旧事業費の一部改正等に関  る陳情書  (第二七一三号)  ダイナ台風被害復旧に関する陳情書  (第二七一四号) 同月二十五日  治水対策確立に関する陳情書  (第二八六八号)  公共土木事業補正予算増額に関する陳情書  (第二八六九号)  災害復旧促進に関する陳情書  (第二八七〇号)  瀬戸内海地域総合開発推進に関する陳情書  (第二  八七一号)  災害復旧事業費国庫補助急速交付に関する陳情  書(  第二八七二号)  長良川本堤決壊に伴う緊急措置に関する陳情書  (第二八七三  号)  既往災害緊急復旧措置に関する陳情書  (第二八七四号)  ダイナ台風被害原因究明に関する陳情書  (第二八七五号)  ダイナ台風による災害復旧に関する陳情書  (第二八七六号)  治水対策に関する陳情書  (第二八七七号)  公共土木災害復旧事業促進に関する陳情書  (第二八七八号)  過年度災害復旧工事に対する国庫負担金増額の  陳情書(第二八七  九号)  戦災復興都市計画事業促進に関する陳情書  (第二  八八〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  公営住宅法の一部を改正する法律案参議院提  出、参法第一三号)  派遣委員より報告聴取  小貝川改修計画に関する件  建設行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 松本一郎

    松本委員長 それではただいまより建設委員会を開きます。  北陸地方豪雨による災害調査のため、去る七日より一週間にわたりまして、本委員会より委員を派遣いたしたのでありますが、これより派遣委員よりその調査報告を聴取いたしたいと思います。内藤隆君。
  3. 内藤隆

    内藤(隆)委員 去る六月二十九日より七月一日にかけ、北陸地方襲つた豪雨による災害状況につきましては、衆議院規則第五十五条に基きまして、瀬戸山三男君、増田連也君並びに内藤隆は、富山石川新潟の三県を調査して参りましたので、御報告申し上げます。なお専門員室より今野君、建設省より広田君が同行いたしました。最初に各県の被害状況につきまして簡単に申し上げます。  まず富山県でありますが、六月三十日夜半から県下襲つた豪雨は、奥地の融雪などの悪条件も加わり、県下一円にわたり、橋梁田畑家屋流失道路堤防決壊、山くずれなどをもたらし、罹災者総数八万人以上に達しております。この雨の降り方を見ますと、温暖前線と寒冷前線が相次いで通過したため、三十日と一日と相次いで強烈な降雨を見、河川の水の出方も洪水のピークが二度生じたという現象を呈しております。この降雨は、県東部において最もはげしく、四百五十ミリ、西部において二百ミリ、多いところでは時間雨量六十ミリの記録を示しております。これがため、黒部川は警戒水位五万個に対して十七万個という脅威的な出水によつて決壊したのを初めとして、小川、片貝川、布施川、角川、早月川、白岩川上市川常願寺川、神通川、庄川小矢部川、上庄川土川等の諸河川は、いずれも警戒水位を突破し、各所に災害を惹起したのであります。しかも、この災害様相は、急流河川である関係上、田畑砂礫におおわれ、河川はその流路を変更する等、まことに惨烈をきわめております。特に小河川の氾濫と土砂の排出が目立つておりました。この災害内訳は、河川八百七十四箇所約二十億円、道路八十四箇所約三億円、橋梁二百九十箇所約三億三十万円で、総計土木関係被害額は、二十六億円を突破し、その他農地関係等被害を合せますと、約五十億円になんなんとするものであります。   次に石川県でありますが、降雨量は、平地において百ミリを越し、山岳地帯においては二百ミリに達し、石川県としては、三十年来の豪雨でありまして、その被害は、各河川流域及び山麓部落に多く、特に金沢市及び河北郡は家屋浸水田畑流失、埋没、橋梁流失、山くずれによる家屋倒壊等  の惨禍を現出したのであります。災害内訳は、県及び国関係で、河川三百四十一箇所、約三億三千万円、道路橋梁四百箇所約二億円、その他市町村工事を合せて、土木関係被害額は、七億八千万円に産するものでありまして、農地関係等を合せると、十三億七千万円に達しており、特に被害甚大なる河川は、金沢市を貫流する犀川と浅野川及び森本川、大海川等であります。  なお、本県最大直轄河川手取川は、警戒水位を越え危険に瀕したが、決死的な水防により、被害を食いとめたことは不幸中の幸いであり、その他河川についても、失業対策事業による河状整理行つていたため、被害を僅少に食いとめております。  次に新潟県でありますが、本県降雨の特徴は、津川と長岡を結んだ軸が最大雨量を示し、百五十ないし百八十ミリ程度と相なつており、内陸部平野地帯に多かつたのであります。この比較的限られた範囲に集中的に降つた雨のため、洪水の到達はきわめて早く、ために河川の破堤、溢水により、下流低地部の広大な面積が冠水し、数日の湛水の憂目を見たのであります。この耕地に対して甚大なる被害を与えた河川は、加治川、加茂川、大平川、鵜川、鯖石川、柿崎川、黒川、能代川、能生川であり、被害の内容は、河川四百箇所約五億五千万円、道路橋梁二百五十八箇所約一億九千万円、計土木関係被害額は八億円に達し、その他農地関係等を含めまして、十三億六千万円の被害額を示しております。以上三県の被害の概況に関して簡単に申し述べました。  次に調査の結果の所見について申し述べたいと存じます。  第一は、災害復旧費早期支出についてであります。各県においては、災害後ただちに地元民の協力のもとに、応急復旧に当り、相当の効果を上げておりますが、一日も早く本復旧をなし、次期出水に万全を期さねばなりません。従いまして、早急に査定を終了して、八十億円の予備費より早念に復旧費を支出いたし、民心の安定をはかる必要があります。従来の例よりしますならば、この予備費は出し惜しみをする傾向にありますが、かかる弊風は是正すべきであります。  第二は、超過工事の件であります。先般公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部が改正されて、超世工事という概念はなくなつたのでありまして、これは原形復旧することが不適当な場合に、これにかわるべき施設をするに要する費用は、原形復旧費と同様に取扱うことといたしたものでありますが、今回の災害を見ましても、たとえば各被害河川のほとんどの木橋は流されておりまして、特に急流河川にあつては、これを原形復旧するならば、再度災害を繰返すことはきわめて明瞭であります。この際、先般の一部改正法にのつとつて、その円滑なる施行をはかることが必要であると痛感いたした次第であります。  第三は、河川改修工事効果についてであります。三県とも各河川は相当の出水を見たのでありますが、河川改修工事施工した効果は実に顕著なものがありました。すなわち、今回の災害は、主として、河積狭少、屈曲はなはだしい河川に多かつたのに反し、改修工事を実施した河川は、ほとんど被害を受けていないのであります。  さらに局部改良維持工事等施工区域においても同様でありまして、このことは、河川改修維持工事の早急なる施工によつて、かかる災害防止可能であるという証左でもあります。従いまして、改修工事の早急なる断行が必要であり、さらに県財政現状にかんがみ、維持工事に対しましても国庫補助あるいは起債の道を開き、河川管理の万全を期し、災害未然防止に努める必要があると考えます。たとえば富山庄川を初めとして、今回は大した出水がなかつた河刀で、明らかに災害河川様相を呈している河川が相当多いようであります。災害が生じてから手をつけるのでは、おそいのであります。被害を受ける前に若干の手入れをすることで、数倍の費用の節約になるのでありますから、かかる河川に対しては早急なる改良ないし維持工事をなす必要があろうと考えるのであります。  第四は、災害助成事業についてであります。さきに申しましたように、今回は未改修河川がおもに被害を受けたのでありまして、その全川にわたる災害状況たるや実にさんたんたるものであります。特に富山県におきましては、片貝川角川上市川白岩川新潟県におきましては、黒川能生川等災害箇所が連続して生じ、単なる災害復旧では再度の災害は必至でありまして、一定計画のもとに災害助成事業として改良工事を行う必要があろうかと考えられます。  第五は、渓流砂防についての問題であります。これは冨山県上市川調査いたしたのでありますが、上市川下流部中小河川として改良済みでありまして、上流の未着手部分が相当被害を受けたのでありますが、問題はさらに上流の山地において、高さ四メートル、五メートル、七メートル、四メートル、幅それぞれ二十メートル、三十メートル、三十メートル、三十メートルという農林省施工にかかる四つの砂防堰堤がいずれも決壊しておることであります。しかして、その下流県土木部施工した高さ八・五メートル、十メートル、幅それぞれ六十メートル、五十二メートルの二つの砂防堰堤がありまして、これは何の被害も受けず、上流砂防堰堤決壊による下流への影響を僅少にとめたものと考えられるのであります。  私どもは水行政の一元化という考えから、砂防建設省において一元的になすべしとする主張をして来たのでありますが、現在は山腹砂防農林省渓流砂防建設省という協定になつているのであります。しかるに、これは実に堂々と農林省渓流砂防堰堤施工しておるのであります。しかもおそらく施工が不手ぎわのため、このような災害をもたらしたのではないかと推察されるのであります。かくては河川管理の万全を期すこともむずかしくなるのでありまして、かかる公共物の設置は、あくまで一元的に総合的に計画され、施工する必要があると存ずるのであります。もし事情やむを得ざるときは、河川管理者委託施工を行うとか、あるいは厳重なる監督をなす必要があります。その他われわれが調査した中には、常願寺川において、用水の取入口が原因決壊した例、さらに小矢部川において、排水樋門の操作の不完全による決壊等、相当これに類した問題が多いのでありまして、河川管理には万全を期して災害の発生を防がねばならないと痛感いたした次第であります。本問題は河川法改正にあたつても特に留意しなければならぬものと信じます。  第六は、北陸地方特殊河川についてであります。北陸地方河川は、黒部川、常願寺川を初めとして、その他主要河川が、急勾配のまま滝のごとく海に注いでおりますために、砂礫排出が盛んであり、河相は乱流をきわめ、一旦破堤するや、その被害はまことに凄惨であります。  この急流河川改修にあたつては、タワー・エキスカーの使用、その他特殊水制等特殊工法がとられておりますが、いまだ緒についた程度であります。ことに、今回の出水にあたつては、ピストル水制のごとき、非常にきいておつたようであります。従いまして、今後ともに、砂防工事推進とあわせて、これら急流河川に対する工法の改善と積極的なる改修が望ましいのであります。  最後に、これは特に新潟県において感じたことでありますが、灌漑排水事業河川工事とのアンバランスであります。すなわち近年灌漑排水事業が漸次強化され、単作を二毛作となし、また湛水被害最小にしようとする努力が払われ、排水路の整備、自然ないしはポンプによる排水事業が着々として進行中でありますが、排水幹川としての河川そのものは、天井河川であり、河積狭小であるため灌漑排水事業効果はきわめて小さくされざるを得ないという状況が至るところにあるのであります。すなわち河川工事灌漑排水事業が総合的に実施されていないのであります。言いかえれば、河川改修がはなはだしく遅れており、ひとり排水事業のみが跛行的に進んでいるということでありまして、国費の有効なる使途の上から十分に考慮しなければならない重要問題であります。  水田地帯二毛作化湛水被害の根絶は排水幹川としての河川の蛇行の是正と、河床低下と、河口処理による河口閉塞防止によつて洪水の疎通を便ならしめ、洪水継続の時間を最小にすることが必要であり、かくして初めて灌漑排水事業効果も十分に発揮され、災害をも軽減できると考えられるのであります。  以上きわめて簡単でございましたが、現地調査所見中心にして御報告いたした次第であります。なお、個個の具体的な問題、ないしは要望に関しましては、委員長のもとに、書面を提出いたしましたから、よろしくおとりはからい願いたいと存じます。  以上で報告を終りますが、調査結果の所見に関しまして、建設省当同より、御意見を伺いたいと存じます。
  4. 松本一郎

    松本委員長 ただいまの内藤委員調査報告、並びに先般来の御調査といい、たいへんありがとうございます。感謝いたします。ただいまの調査報告に対する政府当局意見をこの際伺つておきたいと思います。目黒政府委員
  5. 目黒清雄

    目黒政府委員 まず第一に、北陸地方に対する災害補助早期支出の問題でありますが、御承知の通りに、査定をやりますと、なかなか時間がかかるのであります。もちろんもう災害地には査定官行つて逐次やつておりますが、なかなかそれには時間を要し、補助を出すまでには相当な期間を要するのが現実の事実であります。そこでわれわれとしては、これに対してやはり早く仕事をやつていただくために、つなぎ資金融資ということを考えておるのであります。ただいままで決定されましたのは、ダイナ台風以来、七月の二日の豪雨までであります。ちようど七月一日から二日にかけました北陸豪雨でありますが、それに対して十二億三千万円のつなぎ融資が決定されたのであります。その一番大きいのは富山県の四億であります。これで一応仕事をやつていただき、その間にほんとうの査定をやりまして、補助を決定して行きたい、こう考えておるのであります。  次に超過工事の問題でありますが、これは幸いにして法律ができました関係で、非常に楽に相なつたのであります。われわれとしては再び災害を繰返さぬように、必要なところには超過工事を認めて、りつぱな仕事をして行きたいというのが査定方針になつております。もちろん災害の根本を直すためには、排水工事促進というのは御説の通りでありまして、われわれもこれに対して相当予算要求を続けて参つておりますが、なかなか改修が進捗を見ない現状であります。富山県、あるいはその他の県の今度の災害におきましては、改修工事をやりましたところは災害がありません。未改修河川にのみ災害が起きるというのが現状であります。でありますから、改修工事促進が非常に効果を上げているということはわれわれも十分認識しております。また一方災害の起きました応急措置として、超過工事以外に、それにプラスーアルフアをして根本的な改修をこの際やつてしまうという、いわゆる災害復旧助成仕事を大いに進めて参りたいと考えております。砂防工事農林省建設省分野の不一致のために起つて来たいろいろの弊害があります。われわれもそれを認めておりますが、さしあたつてわれわれとしてこれを是正して行く方法としては、林野庁と定期的に会合をいたしまして、区域の分割というか、責任を協調して参る以外には手はないのでありまして、それは今話合いで進めておるつもりで、あります。しかしながら第一線に行きますとなかなかそう簡単には参らぬこともありますので、場合によりますと渓流砂防分野林野庁が入つて来るということも事実であります。できるだけこれは協調いたしまして、その混雑のないようにいたしたいと考えております。  河川改修工事排水事業アンバランスというのは、われわれもとうに気がついております。結局排水工事をやりましても、幹線河川ふん詰まりの状態になりますれば、その効果は達せられないというのが現状と思いますので、この点もわれわれは強く主張いたしまして、今後の予算要求の資料にいたしたいと考えております。  急流河川、特に常願寺を中心とした富山県の急流河川につきましては、最近改修効果あるいは工法の研究が進められて来ておりますので、われわれはある程度これによつて自信をつけたつもりであります。従つてこの工法を他の河川にもある程度拡大して行きたいと考えております。
  6. 内藤隆

    内藤(隆)委員 ただいまの目黒河川局長の御説明は十分了承するのでありますが、特に私の申し上げた助成河川と申しますか、改良復旧という意味を加えた河川があります。新潟県では黒川能生川等がそこに入れて適当な河川ではないかと思われます。また富山県では片貝川角川上市川白岩川等が適当ではないか、当時同行されました広田技官もこれを認めておられるところであります。これに対してどういうお考えか、承りたい。
  7. 目黒清雄

    目黒政府委員 もちろんこの助成河川は来年度の予算に相なりまするので、これから実地調査をいたしまして、これを決定する段階に相なりますが、大体助成河川一つ方針としましては、災害が非常に多い。これをまたそのままやつたのでは災害費をむだに使うということになりますので、災害費プラス一般改修費が大体同額になる程度のものというのが条件の一つになつております。従つてそういうものを調査いたしまして、これらが該当しておるとすれば、われわれは採用するつもりでおるのでありますが、まだ現地調査報告も来ておりませんので、ここでこれらを決定するという段階までは参つておりません。十分調査しまして処置して行きたいと思います。     —————————————
  8. 松本一郎

    松本委員長 それでは次に公営住宅法の一部を改正する法律案参議院提出参法第一三号を議題といたします。本案につきましては、前会においてすでに質疑を終了いたしております。ただいま淺利三朗君より委員長の手もとに本案に対しまする修正案が提出されております。まず提出者より修正案の趣旨の説明を願いたいと思います。淺利三朗君。
  9. 淺利三朗

    淺利委員 公営住宅の一部を改正する法律案に対して修正いたしたいと思います。  その修正部分は、すでにお手元に印刷物をもつて配付申し上げてあります。まずこれを読上げます。  公営住宅法の一部を改正する法律案を次のように修正する。  第二条の改正規定に関する部分を削る。  第五条第三項の改正規定中「の主要構造部耐火性能を有する構造」を「を耐火性能を有する構造のもの」に改める。  第十三条第三項の改正規定中「事業主体は、」の下に「前項の規定による家賃の定又は変更について」を加える。  第十五条の改正規定中「省令」を「建設省令」に改める。  第二十四条第三項の改正規定中『「災害に因り」を「災害その他の事由に因り」に』を『「災害に因り著しく損傷した場合において、これを補修すること」を「災害その他の特別の事由に因りこれを引き続いて管理すること」に』に改める。  以上の通りであります。  その理由はきわめて簡単であります。まず順序として第五条第三項の改正規定に対する修正でありますが、本条の改正につきましては、「公営住宅及び共同施設主要構造部耐火性能を有する構造とするよう努めなければならない」という精神規定であります。これはすべての公営住宅耐火構造にするということはもとより要望するところでありますが、今日の現状からあまり厳格にするということは、すでにできている公営住宅の三箇年計画から見ましても、一概には実施し得ない点もあるのでありますから、ことさらに「主要構造部」とするほどの厳密な規定の表現は必要がない、こういう点から今のように修正いたしたのであります。従つて第二条の改正規定を削るのであります。本条は「主要構造部」の用語規定でありますから、第五条第三項の修正に関連して当然不必要となるのであります。  第二十四条第三項の改正規定に対する修正でありますが、公営住宅用途を廃止することができる場合の範囲をさらに広げようとするものであります。すなわち改正案では、災害以外の事由によつて損傷した場合まで含むように拡張したのでありますが、単に損傷した場合のみにとどまらず、都市計画法に基く区画整理あるいは河川改修等の場合においても用途を廃止することが適当である場合が生ずるのであります。かかる場合まで拡張せんとするがために、この修正をいたしたのであります。  その他は条文の整理であります。  以上きわめて簡単でありまするが、修正案の大要を御説明申し上げます。
  10. 松本一郎

    松本委員長 ただいまの修正案について御質疑はありませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 松本一郎

    松本委員長 御質疑がなければ、これより淺利君提出修正案並びに原案を一括して討論に付します。
  12. 西村英一

    西村(英)委員 本案並びに修正案につきましては、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。
  13. 松本一郎

    松本委員長 ただいま西村委員より、討論を省略して、ただちに採決すべしとの動議が提出されました。この動議のごとく決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 松本一郎

    松本委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  これより採決いたします。まず淺利君提出修正案賛成諸君起立をお願いします。     〔総員起立
  15. 松本一郎

    松本委員長 起立総員。よつて修正案は可決されました。  次に、修正部分を除く原案賛成諸君の御起立を願います。     〔総員起立
  16. 松本一郎

    松本委員長 起立総員。よつて本案修正案通り修正議決すべきものと決しました。  なおこの際お諮りいたします。本案に関しまする委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんが。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 松本一郎

    松本委員長 それではさように決します。     —————————————
  18. 松本一郎

    松本委員長 次に小貝川改修計画に関しまして、調査を進めたいと思います。しばらくこのまま御懇談願いたいと思います。速記をやめてください。     〔速記中止〕
  19. 松本一郎

    松本委員長 それでは速記を始めてください。引続き会議を開きます。  本件に関しましては、次会にまた引続き調査をいたしたいと思います。     —————————————
  20. 松本一郎

    松本委員長 ただいまより建設行政一般に関する質疑を行うことといたします。村瀬宣親君。
  21. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 六月から七月にかけて豪雨のために各県に相当の水害があつたようであります。新潟県は六月の三十日から七月の一日、石川県も七月の十日ごろ、愛媛県も七月の八日、十一日、相当の豪雨被害があつたのであります。これらに対する総括的な御報告を承り、またどういう処置をとられたか、つなぎ資金等についても御説明を願いたいと思います。なおこれは八十億円の予備費があるのでありまして、いつも災害があると、あわてて補正予算とか何とかやりくりをいたすのでありますが、今度は予算はたつぷりあるのでありますから、十分早目にこの復旧をしていただきたいと存ずるものでありまするが、できる限り詳細な復旧方針、たとえば査定はいつごろ終るとか、その金額はどのくらいであるとか、ともかくも八十億円あれば十分できる程度災害でありまするから、それに関する御説明を承りたいと思います。
  22. 目黒清雄

    目黒政府委員 ダイナ台風からの話でありますが、ダイナ台風が五十四億、その次の七月一日、二日というものが七十七億、最近の十一日から十六日に起りましたものが七十億になつております。これは一応の報告だけでありますが、これをこれから査定をやつて行くのでありまするが、現在査定が進んでおりますのがダイナ台風であります。その次に引続いて七月一日、二日の水害が七十五億円で、大体の予定といたしましては八月いつぱいぐらいでこれを片づけたいというつもりでおりますが、こういうふうに査定は時間がかかりますから、その間のつなぎを現在お願いしてあります。第一回目には五億二千五百万円がダイナ台風に出してございます。その次の七月の一日、二日の災害に十二億三千万円が決定されております。そこで最後のものを最近要求をいたしまして、また出していただくという段取りになつております。現在手当のついていないのは七月の十一日以降の災害がまだ手当がついていないという状態でございます。
  23. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 もう十四、五日にもなるのでありますが、今ならば非常に早くいろいろな応急措置もできるのでありまして、日を経るほど、また万一降雨その他の台風がぶつかつて来ますと、傷がますます大きくなるということになるわけであります。また今までたいてい早いのは一週間ぐらいでつなぎ資金が決定した例もあります。十日ぐらいの間には大体つなぎ資金がきまるはずでありますが、どういう関係で遅れておるのでありますか伺いたい。
  24. 目黒清雄

    目黒政府委員 これは御承知の通り報告でありますが、この報告が各省いろいろまちまちに出て参りますので、一応安本でとりまとめて、安本が各省のものを一括して県を単位にして融資をするという行き方で行つておりますが、大分進んでおりますので、近く出るのではないかと考えております。その額は今安本において計算中だと考えております。この災害は十一日から十六日までに連続して参つたので、その報告もその都度非常に変化を来しております。最初のものとまたタブつて出て参りましたりなんかして、いろいろ長い連続したようなものがあつたものですから、報告資料の整理に時間がかかつたのであります。
  25. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 各県への査定はいつごろお出しになる計画でありますか。それから三割、五割、二割、つまり初年度三割という計画を野田大臣は幾度も発表なさつておられますが、こういう早い時期に起つた災害については四割でもやれないことはないと思うのでありますが、八十億からどのくらいとるかという問題になるわけでありますが、三割を確保なさるおつもりでありますか。年度の初めであるから、なるべく考慮するということで四割でもやろうという方針でありますか、それもお伺いいたしたい。
  26. 目黒清雄

    目黒政府委員 査定は各県まちまちでありまして、ただいま各県の査定の日取りの資料は持つてつておりませんが、大体予定といたしましては遅いところで今月末というつもりでおります。もう少し早くしたいと考えておりますが、もう現在査定に出ております。出ておりますのは、ダイナの次の七月一日あたりが近く出るつもりでおります。そういう段取りになつております。そこで大体三割という線は、査定額の報告ではあつたのですが、査定額の四割の国庫補助分、大体六割になりますが、国庫補助分をまず出そうという計算の基礎になつております。ただいろいろ報告が来るのみでありますから、査定をやりまして、報告をいろいろあんばいしておりますから、報告額だけで考えると非常に少いのでありますが、そんな方針融資を願つております。
  27. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 査定をしないで報告額でつなぎ資金を出した例があると思うのでありまするが、今度は査定がきまらねばつなぎ資金は出せないのでありますか。
  28. 目黒清雄

    目黒政府委員 そういうことになりますると非常に時間をとりまするので、実は報告額を結局査定いたすのであります。この査定の基礎は非常に異論がありまるが、まあまあ今までの過去の報告額から実際の査定の金額とを対照いたしまして、過去の実績から報告額をこの程度にすれば査定額になるだろうということをやつて、その額を基礎にして三割あるいは六割——三割かける六割というつもりでやつております。
  29. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そういたしますると、つなぎ融資については、机上査定でというわけで、それが非常にいいわけでありまするが、——非常にいいというのは早いからいいわけでありますが、最後の五億などはもう出ておらねばならぬと思いまするが、電話ででも夜中に各土木部とはいつでも連絡はついているわけですから、すぐそれはわかると思います。きようはもう二十六日でありますが、大体何日ごろまでにつなぎ資金を御決定になるのでありますか。
  30. 目黒清雄

    目黒政府委員 御承知の通りつなぎ資金は大蔵省が出さなければならぬもので、大蔵省の方に対して——安本もその間に介在いたしますが、われわれとしてはできるだけ早くその方に折衝いたしまして、つなぎ資金を出してもらうということにいたしたいと考えております。私のところで何日ごろということは見当がつきませんが、われわれの方からはできるだけ早く出してもらいたいという要望をいたしておるつもりでありますが、帰つたらまたいたすつもりであります。そういうわけで、私の方からはここではつきり申し上げにくいのであります。
  31. 松本一郎

    松本委員長 本日はこの程度で散会いたします。次会は公報でお知らせいたします。     午後零時四十二分散会      ————◇—————