○澁江
政府委員 まずお尋ねの第一点の完全保証の問題でございますが、実はこの前の国会におきまして保険業法の
改正がございまして、請負保険
制度というものが実は開かれたのであります。これは請負保険と申しましても
内容はいろいろにわかれております。その
一つに履行保証保険
制度という
制度が実は開かれておりまして、現に保険会社の中の数社がこの
制度を採用いたしまして、すでに保険約款等をつくりまして、業界と契約をし得る直前の段階に来ておるのでございます。この履行保証保険
制度は、ただいま
西村委員の御指摘になりました完全保証の
制度でありまして、
業者が
工事の途中におきまして
工事放棄、契約の解除というものが
業者の責めに帰すべき理由によ
つて起きたような場合におきましては、これをこの保険会社が保証するという仕組みにな
つておるのであります。そこでこの
法律といたしましては現在保険業法で行われ、しかも保険会社がすでに実行の段階にな
つております今の履行保険
制度とタイアツプいたしまして、むしろ前拂金保証にこの道を開く措置をと
つたのでございます。従いまして御
質問ご出ました完全保証の仕組みは今の請負保険による履行保証保険がこれを十分カバーする、こういう
建前にな
つておるので御了承願いたいと思うのでございます。ございますが、実は私ども聞いておりますところではこの
法案の
立案の過程におきましては、もちろん業界方面の意向を打診いたしております。打診しております過程におきまして、業界方面におきましても、この
法律の通過を待
つて会社を説立する企画もいろいろ
考えられつつあるように承知いたしておるのでございますが、それによりますと、おおむね全国に一社の保証
事業会社を設立するという計画のように聞いておるのでございます。ただいま
西村委員の御指摘になりましたような
業者の対象といたしましては、これはもちろん中小
業者も対象といたしておるのでございますから、従いましてそのために全国的な
業者の信用調査を東京とか大阪の一箇所の営業所を持つ機関が、それだけで完全な調査ができるはずはございません。それぞれ本社はかりに東京ないし大阪にあ
つた場合におきましても、その信用調査をいたすことも関連いたしますし、それから業界等の便宜、利便ということも
考えつつ、各
府県にそれの機関といたしまして、あるいは出張所あるいは営業所とい
つたような仕組みが設立されるのではないかというふうに
考えているのでございます。
それから大
業者中心か小
業者あるいは小
工事が中心かという問題も、今の私の申し上げました点で御了解いただけたことと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、現在の金融に依存する状況におきましてはどうしてもやはり大
業者中心にならざるを得ない。これは金融機関等の信用を見る見方からいいますと、どうしても大
業者偏重主義にならざるを得ない。むしろこの保証
事業会社というものが生れることによりまして、前金拂い制はこれは先ほど申し上げましたように、五十万円以上の
工事であればいかなる場合といえども国、
公共団体としては出し得る仕組みが
考えられますが、その場合において保証すべき対象は、これはこの
事業会社の運営、信用がくずれない限りにおいてはできるだけ広く活用すべきものであると私どもは
考えているのであります。そうい
つたような意味におきまして、中小
工事の場合といえどもこの信用を保証するという運営にむしろだんだん進んで行くようにな
つてほしいというふうに
考えているの皆ございます。