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1952-01-29 第13回国会 衆議院 建設委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年一月二十九日(火曜日)     午前十時五十四分開議  出席委員    委員長 松本 一郎君    理事 田中 角榮君 理事 村瀬 宣親君    理事 前田榮之助君       逢澤  寛君    淺利 三朗君       上林榮吉君    瀬戸山三男君       高田 弥市君    西村 英一君       増田 連也君    池田 峯雄君       河口 陽一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 野田 卯一君  出席政府委員         総理府事務官         (特別調達庁財         務部長)    川田 三郎君         総理府事務官         (特別調達庁管         理部長)    長岡 伊八君         総理府技官         (特別調達庁次         長)      堀井 啓治君         建設事務官         (大臣官房会計         課長)     植田 俊雄君         建設事務官         (都市局長)  八嶋 三郎君         建 設 技 官         (河川局長)  目黒 清雄君         建 設 技 官         (道路局長)  菊地  明君         建 設 技 官         (住宅局長)  大村巳代治君  委員外出席者         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  昭和二十七年度建設省並び特別調達庁関係予  算に関する説明聴取     —————————————
  2. 松本一郎

    松本委員長 ただいまより建設委員会を開きます。  この際小委員会設置の件についてお諮りいたします。すなわち昨日の御協議に基き、水道に関する小委員会を設置し、審議を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松本一郎

    松本委員長 御異議なきものと認めましてさように決します。  次にただいま設置せんとする小委員会の小委員並びにその数及び小委員長選任についていかがいたしますか、お諮りいたします。
  4. 前田榮之助

    前田(榮)委員 小委員長及び小委員の指名は、委員長一任といたしたいと思いますから、御指名願いたいと思います。
  5. 松本一郎

    松本委員長 ただいま前田君より右の動議が出ました。いかがはからいましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松本一郎

    松本委員長 御異議なきものと認めます。それでは小委員の数は十五名ということにいたしたいと存じます。  小委員を申し上げます。    逢澤  寛君  淺利 三朗君    内海 安吉君  上林榮吉君    鈴木 仙八君  瀬戸山三男君    田中 角榮君  西村 英一君    三池  信君 藥師神岩太郎君    村瀬 宣親君  中島 茂喜君    前田榮之助君  田中織之進君    池田 峯雄君右十五名を御指名いたします。小委員長には上林榮吉君を御指名いたします。     —————————————
  7. 松本一郎

    松本委員長 次に昨日、本日に保留されております特別調達庁所管予算について説明を聴取いたすことといたします。川田政府委員
  8. 川田三郎

    川田政府委員 昭和二十七年度特別調達庁所管予算についての御説明を申し上げる次第でありますが、本年度は、昨年の当初予算を御審議願いました当時とかおりまして、特別調達庁の現在取扱つておりまする連合国進駐軍のための調達経費、すなわち当昭和二十六年度までに提案され、執行して参りました終戦処理費予算というものが、昭和二十七年度におきましては計上いたされてありません。ただ現在行政協定の線によりまして予想されております講和條発効後の駐屯軍日本国内におきまして需要いたしまする役務、設備その他いわゆる特別調達とされておりましたものに対する従来の事業費的予算に相当いたしますものが、本年度総理府所管としてでなく、大蔵省所管として計上されてございます。防衛支出金六百五十億円、これが現在特別調達庁中央地方において執行いたしておりまする終戦処理費事業費予算内容とほぼその性質において、つまり提供いたされます施設ないし役務、購買いたされます物品、そういうものの性質において同様なもの、つまり物において性質が同じ目的を持ちまする予算でございます。従つて今後これが日本政府予算として執行いたされまする場合に、日本政府機関によつて処理調達されることは想像されるわけでございますが、ただいま今日の段階におきましては、これがただちにもつて辞別調達庁予算になる、こうは明言いたしかねる次第であります。しかし予算書によつても御了承のごとく、この防衛支出金移しかえ、すなわち一つの省から他の省ないしは予算所管庁国会の御承認を経まして移しかえができる仕組みになつております。この移しかえを受けました際には、この防衛支出金は、あたかも当初の予算において総理府所管、部局といたしましては、特別調達庁が所掌いたしまする今後の駐屯軍調達予算として移管される次第であります。その移管の程度内容いかなるものになりまするかは、今回のところでは明らかにされておらない次第であります。従来当委員会におきましては、できる限り私どもは詳細にその内容を御説明申し上げて御参考に呈しておつた次第でありますが、本年は総金額防衛支出金において六百五十億円という事業費予算が現在提案をしてあるというだけのことしか判明しておりません。またこれと関連をいたしまする予算に同じく大蔵省所管といたしまして平和回復善後処理費百十億円並びに安全保障諸費五百六十億円というものが今回の提出予算のうちにございます。これが特別調達庁事務いかなる関連になつて参りまするかは、やはり詳細に知悉いたしておらないのでありますが、ほぼ類推されまするところでは、現在接収しておりまする不動産解除が行われました場合に、現在終戦処理業務費として計上いたしております予算、これによつて解除不動産に対する損害の補償をいたすことになつております。終戦処理費という予算がなくなりました後においても、この仕事はいたさなければなりませんので、その方面経費をただいま申し上げました三種類の予算の中から、どれによつて支出するかという点につきまして申し上げますと、これは防衛支出金からは支出されないものと判断いたします。私どもの現在予想しておりまするところでは、平和回復善後処理費によつて解除不動産補償が行われる、これは接収を受けておられました方々に対して、ぜひこの予算執行は確保いたしまして、その方面の御迷惑を少しでも緩和いたしたいと存じておる次第であります。従来当委員会におきましては終戦処理事業費内容につきまして適当なる方法をもつて少しでも早い時期に御了解いただくようにして参つたわけでございますが、本年度は現在諸種の協定が進行中でありまするために、特別調達庁が所管しておりますると同様のもの、ないし役務講和條発効後においていかに行われるかという点につきましては、今日申し上げ得る資料を入手できない次第でございます。まことに不十分ではございますが御了解願いたいと存じます。これをかいつまんで申しますならば、終戦処理事業費的のものが防衛支出金六百五十億円のうちから出るということであります。ただ、すでに昭和二十六年度においても、大部分転換をいたしました事業費の中の労務関係経費でございます。これは本年度においても約二百八十億円の切りかえが行われまして、わずかに百五十億円程度終戦処理事業費による労務費負担があつた次第でありますが、終戦処理費というものが全然なくなりましては、その後において現在の終戦処理費による部分的の労務費負担というものもなくなるべき筋合いと存じます。これは防衛支出金からは負担されませんで、現在終戦処理事業費を転換いたしました回転資金、すなわち日本政府が支出いたしましただけの金額アメリカ側からドルをもつて償還をされる、この資金に切りかえられまして、労務費全額回転資金によつて支弁される。一口に申せばドル負担になる。これだけが発効後の一つかわり方であると存じます、従つて事業費は、全面的に労務費ドル負担となり、その他のものにつきましては、防衛支出金に対応いたしまして、いかなる割合になるかは、現在明らかにいたしませんが、駐屯軍が必要といたしまする調達ドル負担においても行われるということもほぼ現在推定いたされます。  以上をもつて、今回の事業出費関係の御説明としてはなはだ不十分ではございますが、御了承を願いたいと存じます。
  9. 松本一郎

    松本委員長 次に、昨日に引続きまして、昭和二十七年度建設省並び特別調達庁予算について調査を進めたいと思います。通告順によりまして質疑を許します。前田榮之助君。
  10. 前田榮之助

    前田(榮)委員 建設大臣お尋ね申し上げますが、大体私のお尋ねしようと思います件は、昨日村瀬委員から質問された点とたいへん似通つておりますので、多少の関連は持ちますが、重複を避けましてできるだけ簡単にお尋ねを申し上げておきたいと思うのであります。  昨日村瀬委員からの質問に対して建設大臣は、関門トンネル継続事業についていわゆる資金運用部資金をもつてこれを行うというお答えであつたのでありますが、この資金運用部資金で行いますやり方について私は一つの不平を持つております。これは主として国家資金中心とした、一般公共事業費中心とした事業であり、それに地方負担をもつて受益者負担の形において行われる資金と併合して従来行われておつたのでありますが、それを今度資金運用部資金でやることになります結果、地方負担の点で地方公共団体から、ややともすると資金運用部わくをふやしてくれという根強い意見国会並びに政府に出されておることは御承知通りでありますが、そのために地方起債等に圧力が加わるのじやないかしわ寄せが来るのじやないかという心配があるわけなのでございますが、そうすることが建設事業一つのやはり支障を来すおそれなしとしないのではないか、この点に対する建設大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  11. 野田卯一

    野田国務大臣 関門トンネル建設は、昭和二十七年度におきましては約五億七千万円の金を投じまして、いわゆる積極的な建設を再開することになるわけでありますが、この資金調達方について御疑問を提出されたわけであります。一般公共事業費からこの六億の金を関門にさくということは事実上なかなかむずかしい、もし一般公共事業費から出すとすれば工期が非常に遅れるというようなことに相なるのであります。それよりはむしろ資金運用部資金を使いまして、できるだけ早い期間に完成を期した方がきわめて重要な箇所でありますからよろしいというふうに今考えておるわけであります。  なおこういう金を資金運用部資金で使うために、地方起債わくがそれだけ圧縮されるのではなかろうかというようなお尋ねでありますが、御承知のように昭和二十七年度におきましては、地方起債わくは二十六年度の五百億に対しまして六百五十億に拡張いたしております。政府といたしましては即刻昭和二十七年度におきましてはさよう起債わくを広める考えを持つております。  なおこれは私のここだけの意見とお聞き流しを願いたいのでありますが、われわれといたしましては貯蓄増強運動を盛んにいたしまして、そういたしますれば当然郵便貯金等がふえて参りますので、必要資金をふやして行く、私は地方起債わくが六百五十億で万全だとは考えておりません。その足らざる部分をさらにまたそれで補つて行きたいというように考えております。
  12. 前田榮之助

    前田(榮)委員 関門隧道を積極的に行われる点については私も大いに賛成するものでありますが、ただいまのやり方についてはいろいろ意見もありますけれども、これはまた特別会計の形で遂行されるものだと考えているわけでありますが、それに違いはございませんか。
  13. 野田卯一

    野田国務大臣 特別会計の形で実行、したいと思います。
  14. 前田榮之助

    前田(榮)委員 そうでありますならば、その点で後日いろいろ御意見をお聞きし、またわれわれの所見を述べたいと思いますから、これはこのくらいにしておきます。  それから公共事業、ことに災害復旧費の問題でありますが、昨日の御答弁によりますと、いわゆる物価値上り等によるところの工事量の減退は——大体物価横ばい傾向のために工事量は減らない、かようにお聞きいたしたのでありますが、なるほど物価の点については横ばい傾向にあるものもありましようが、私の心配いたしているのは人件費ことに労働者賃金の問題であります。御承知のように主食その他生活必需関係値上りから、すでに公務員のベース・アツプも行われ、また今日においても不十分であるからなお進んで公務員その他の賃金値上げを要求されている実情から考えますと、当然労働者賃金が本年と同様な形で行われるということは非常に不合理だと思うのであります。従つて工事量を減らさないということで行いますと、他の物価の多少の値上りは当然ある面においてはありますが、そういうものが勢い労働者賃金の方にしわ寄せをやられるおそれが多分にあるように考えられるのであります。そういう点において、生活必需品等物価値上りによる労働者賃金の増額ということも見込まれての考えでありますか、その点お伺い申し上げたいのであります。
  15. 野田卯一

    野田国務大臣 昨日もお答えいたしましたように、大体諸物価、労賃も含んでの意味でありますが、そういうものをつつ込みまして、大体政府横ばいに持つて行きたいと考えております。その考えのもとに今年の予算が編成されているのでありまして、公共事業費予算におきましてもその趣旨は取入れられているわけであります。今後いろいろな物価の情勢、いろいろな内外の影響を受けると思いますが、極力高騰を押えまして、予算が、金額がぶえたけれども事業量が減るということがないように、いわゆる金額がふえれば事業量もふえるという方向に持つて行きたいと思つております。
  16. 前田榮之助

    前田(榮)委員 次にお尋ね申し上げておきたいのは、いわゆる災害復旧費の三、五、二の比率の問題でございますが、昨日の御答弁におきまして、三、五、二を理想と考えておるので、極力その実現方努力したけれども、現下の国家財政の事情から、きわめて不十分な状態になつたことは不本意なことであるというように承つたわけでございます。この三、五、二の比率につきましては、野田建設大臣が初めて考えられた意見ではなしに、歴代の建設大臣は大体そういう考えを持ち、ことに前増田建設大臣は強く主張されたわけであります。しかしながらただこれがから念仏に終つておるのでありまして、そういうから念仏は、いわゆる国務の責任を持つておる人々としては、あまりわれわれに対しては言つてもらいたくないのでありまして、実際実現する、責任を持つた方針を明確にして、そうしてその明確にされたる方針は必ず実現をはかるという決意を持つて進んでもらわなければ、ただ三、五、二などというような美辞を連ねただけでは三文にもならぬのであります。現在の実情からいたしますると、三箇年で災害復旧工事の完了ということは困難な現実であるように見受けられるわけでありますが、そういう場合におけるところの、災害国とも言われる今の日本といたしましては、せつかく国費使つて工事を行いながら、再びこの工事箇所が翌年また翌々年において災害に見舞われて水に流されるようなことがあつては、国費の濫費になることは当然なのであります。そういう点において、ほんとうに災害復旧を行う点から、もつと真実な、積極的なやり方をやらなければならぬと思うのでありますが、現在の国家財政現実に即しては、どのくらい程度に、つまり四箇年で二、三、四、一とかいうようなことになるのか、その見通しをひとつ建設大臣から承つておきたいのであります。
  17. 野田卯一

    野田国務大臣 前田委員からお示しの通りに、三、五、二というのは前の建設大臣増田氏も熱心に主張しておられたところでありまして、またその前の益谷さんもその通りであると思つておるのであります。私もそれを受継ぎまして、自分のできるだけの努力をいたしまして、今後もその目標に持つて行きたい。ただ一ぺんに持つて行けなかつたということは私は遺憾に思いますが、漸次できるだけその目標に近づくように今後も日夜努力して行く考えでおります。それで昨日もお話し申しましたように、前の案績が当年度では一割二、三分であつたものを昨年のルース台風以前のものについては一割七分くらいに上げる。それからルース台風は二割二、三分に上つて来たと思いますが、これは私ども政府側努力だけではなかなかできないのでありまして、議員方々の熱心な御支持を得まして、できるだけこの目標に持つて行きたい、こういうふうに考えておるわけであります。私は、この点に特に皆さんの御後援をお願いして、閣僚といたしまして全力を尽すつもりであります。  それから三、五、二のルース台風について、五ということも考えたのでありますが、ルース台風だけでありますと、二十七年度に五の修復はできないことはございません。しかし過年度分が累積しておりますので、やはりこれとの権衡がありまして、ルース台風だけ五やるというよりも、過年度と合せて平均してやつた方がよいという、そういう意見政府部内にもあり、特に議員方々の間、国会の側にそういう意見が強いように聞いておりますので、そういう御意見も十分しんしやくいたしまして、大体過年度三割という程度に大まかなところなつて参つたのであります。それで災害を早く復旧しなければならぬという点につきましては、各方面相当認識を深めていただいたように私は考えております。われわれも今後機会あるごとに皆さんの御後援をいただきまして早く直して行きたいと思つております。これから何年ではたして直るかということでありますが、私は一番の根本といたしましては、災害の起ること自体をできるだけ少くしたいというふうにも考えております。災害自体につきましては、初年度と翌年度くらいに危い所は大体手当をしてしまうという方向に進みたいと考えております。  それからもう一つは、治山治水の点におきまして、今各地で防災のダムをつくつておりますが、これが発電事業とからんで、こういうものも二十七年度におきましては相当力強く推進して行きたい。これは単に国家みずから直轄でやつておるもののほかに、地方団体のやつておるものもございます。あるいは電力会社のやるようなものもあると思いますが、そういうようなダムを大いに建設いたしまして、元の山の上流部から出て来る水をなるべく緩慢にするというような方法をとりまして災害を少くする。両方の方法をあわせ用いて進んで行きたいと思います。三年ぐらいの間には修復を完了したいという気持についてはかわりはございませんけれども、できるだけその方向に進んで行きたいという考えでおります。
  18. 前田榮之助

    前田(榮)委員 次にお尋ね申し上げておきたいのは、本年度予算継続事業につきましは、われわれ野党のものとしては、継続事業になつたのに文句をつけておるわけでございますが、これは継続事業を行うそのものに反対ではない。この予算計上の仕方について、今憲法や財政法等の問題から問題が起つておりますが、少くとも建設事業のようなものは、継続で計画的にきちつとやるということが正しいのではないかと実は私は考えておるわけでございます。そういう観点から、今継続事業に計上されたもの以外に、たとえば国道改修——今度道路法が今国会に出ることになつておるわけでございますが、その中で純然たる国庫負担たるべき、いわゆる国道一級線というようなものは、全面的に計画を立てて、年次の予算継続事業で行うべきものではないかと思うわけでございますが、そういうことに対するところのお考え建設大臣はお持ちかどうかということを、この際お聞かせ願いたいと思います。
  19. 野田卯一

    野田国務大臣 前田委員より継続費というものについて賛成の御意見を承つて私まつたく愉快に思うのでありまして、おそらく御出席委員全体もこれをやらなければならぬという御意見だと思います。私も継続費はぜひやれという意見で、終戦司令部といろいろ交渉して来た当該の責任者でもあつたのであります。ようやく案現を見たのは愉快であります。私はもつと本年度継続費を指定したいと思つたのでありますが、何せ数年間曲絶しておつた制度を復活する際でありますので、大蔵省としてもステツプ・バイ・ステツプにしてもらいたいということであの程度にとどまつたのであります。しかし継続費を認めなければならぬという気持考え方大蔵省も共通でありますので、今後年とともにもつとふやして行きたいと思つております。
  20. 松本一郎

  21. 池田峯雄

    池田(峯)委員 最初に資料を要求しておきたいと思います。事業量比較表として、二十五、二十六、二十七年度事業量がどういうふうにふえておるのか、減つておるのか、数字的に表わしてもらいたい。さらに鉄鋼セメント木材等基礎資材を二十五、二十六、二十七年度にどれだけ使つているか、使う予定であるか、それから二十五、二十六年度と人夫を何人使つておるか、二十七年度においては何人使う予定であるか。この基礎資材がわかりませんと、本年度予算を検討することができないわけですから、できるだけ詳しくこれを出していただきたい。もう一つ、第二の資料としては、土地収用による補償額が本年度相当額に上るのではないかと思うのでありますが、この補償額が本年度建設省事業費の中にどれだけ含まれておるか。この二つの資料を要求しておきたい。  建設大臣は、物価は騰貴しない、横ばいという推定のもとに今年度予算を組んであるから、昨年度に比較して事業量が減るとかいうことは考えられないというような意味答弁をされておりますが、もし物価上つた場合にはその物価指数に応じて、たとえば物価が二〇%上つた場合には、二〇%事業費を増額する、そういう補正予算を組むという答弁であると理解してさしつかえないですか。
  22. 野田卯一

    野田国務大臣 物価上つてつたときに、同じパーセンテージで補正予算を出すかどうかということは、財政全局とのにらみ合いによつて考えて措置すべきものだと私は考えております。
  23. 池田峯雄

    池田(峯)委員 たとえば物価が上る、セメントが上り、鉄鋼が上り、木材上つて、また給与べースも上つたという場合に、その上つた比率に応じて予算を組み直す、あるいは補正予算を出すというのがあたりまえだと思うのですが、そういう言明はおできにならないのでしようか。どうして財政当局と折衝しなければできないのですか。それでなければ事業量を絶対に減らさないということにはならないと思うのです。だから物価が上ればそれに応じて予算を増額する、これはあたりまえの話だと思うのですが、この点どうなんですか、もう一ぺんお尋ねしたい。
  24. 野田卯一

    野田国務大臣 政府としてはできるだけ物価横ばいに持つて行つて事業量の減るのを防ぎたい。もし物価が下れば事業量はふやせますが、物価上つたときには必ず比例的に予算をふやすかどうかということは財政状況全体とにらみ合せ、各種の費目との関係をよく調和して行くべきものだと考えております。今まででもそういうふうにやつて来ておるわけであります。従来の考え方かわりはないわけであります。
  25. 池田峯雄

    池田(峯)委員 そうしますと、やはり私どもの観測によれば、本年は軍需生産が拡大して、鉄鋼セメントのような基礎資料が相当暴騰する、さらに二十八年度以降は警察予備隊三十一万というようなことを考えますと、さらに物価が高騰するということが考えられます。そういたしますと、総体的に公共事業費は縮減せざるを得ない運命にあるものだと断定せざるを得ないわけなのですが、この点はあとで経済閣僚も呼びまして大いにやつてみたいと思います。  第二に、行政協定がきまりますと、この行政協定内容ですが、これはもちろんまだわからないのだから、政府としてもそれと公共事業費との関係については詳細な答弁はできないかもしれませんけれども、しかし概略的に行政協定と特に建設公共事業費との関系がどういうふうになるか、大体大臣の頭の中では予想ができているのではないかと思うのです。それについてひとつ大臣のお考えを述べていただきたいと思います。
  26. 野田卯一

    野田国務大臣 行政協定内容は、御承知のようにまだきまつておりません。ただ現在この予算建設省の所管に上つております経費と、今度行政協定で何かきまつた場合の経費との関係でございますが、原則として行政協定によつてきまるものは、安全保障諸費というような経費から出ることになるのではなかろうかという感じを持つております。
  27. 池田峯雄

    池田(峯)委員 例をあげると非常に小さな問題になつてしまうのですが、たとえば甲という米軍の基地が新たにつくられ、さらに乙という既存の米軍基地が引続き米軍に使用され、甲から乙の基地に自動車の交通量が激増する。たとえば今の甲州街道のように、向うの軍事輸送がひんぱんになつて、これを横断するのが非常にむずかしいというような箇所が、全国各所に出て来るといつたような場合に、道路の交通量が激増したから、従つてここは国道ではあるけれども、この国道をさらに幅員を広げなければならぬといつたような事態が発生した場合に、道路の幅員を広げる費用は建設省の道路事業費から出るのか、それとも安全保障諸費の方から出るのか。今行政協定を折衝している政府としては、そういつた場合を当然想定して折衝に当つていると思うのですから、そういう点はどうなるのか、ひとつ政府考えを述べていただきたいと思います。
  28. 野田卯一

    野田国務大臣 行政協定ができましてから、その行政協定内容と、建設行政で現在われわれが計画しておりますいろいろの問題とよくにらみ合せながらやつて行きたいと思つております。
  29. 池田峯雄

    池田(峯)委員 そういういろいろな場合が、私のようなぼんくら頭でも想定されるのです。たとえば甲から乙に至る道路がある、この道路はもちろ国道であつた。その途中に橋があつて、この橋は木造の橋であるけれども、これが非常な重量の車が通るので、既存の木造の橋ではとうてい耐えられない従つてこれを鉄橋にしなければならない。しからば鉄橋にする費用は安全保障諸費の方から出るのか。もちろんこれは民間の車もここを走つておるのだ、しかし大部分は何といつてもタンクなど向うの車なんだ。この場合にどつちが払うのか。これは私のような頭でもどうしたらよいかという疑問が起るのです。従つて今向うと行政協定を折衝しておる政府として、また建設大臣としては当然そういうことを考えておらなければならない問題だろうと思ううのです。建設大臣としてはこれをどうするかという見解を政治家として持つておられるはずだと思う。従つてひとつその考えを述べていただきたい。こう私は申し上げておるのです。どうなのですか。
  30. 野田卯一

    野田国務大臣 先ほど来申し上げた程度を出ないのでありまして、行政協定できまりました内容と、現在われわれがやらんとしておるいろいろな建設事業との関係を見合せまして、善処して行きたいということであります。
  31. 池田峯雄

    池田(峯)委員 新聞で見ますと、あなたは行政協定折衝の日本側代表の一員になられておるはずですが、そういうことを全然考慮に入れないで御出席なさつて、向うさんの言いなりほうだいで、はあそうですがと言つて盲判を押して帰つて来るつもりですか。それともそういうことは考慮に入れてはおるが、ここではしやべれないというのですか。その点をひとつお聞かせ願いたい。
  32. 野田卯一

    野田国務大臣 行政協定内容が、お示しのようにこまかくきまるものかどうかも、私は全然存じないのであります。
  33. 池田峯雄

    池田(峯)委員 あなたはアメリカとフイリピンが結んだ軍事協定をお読みになつたでしようが、あの協定によりますと、そういうことがこまかく出ております。ところが日本の安全保障條約はわずか五箇條か六箇條の、きわめて簡単な條約です。ところが米英軍事協定、あるいは米比軍事協定によりますと、非常にこまかく出ております。今度の日本との行政協定内容も、米比軍事協定といつたものが相当参考になると思う。従つて私は読んでおります。建設大臣としても読まないはずはない。これを読めば当然私が先ほど言つたような疑問が起つて来るのです。そういう点をどういうふうにされるのか。御存じないとすればこれ以上質問はしないのですけれども建設大臣として御抱負の一端を述べられないという法はない十分納得の行くように述べてくれというのは無理かもしれませんが、少くとも行政協定に参画している大臣として、抱負の一端ぐらい述べられないという法はない。もしそれが絶対に述べられないとすれば、これは本委員会に対する侮辱であるというふうに考えてもよいと思う。ひとつ述べていただきたい。
  34. 野田卯一

    野田国務大臣 行政協定内容がどうきまりましても、それについて私そんなにくつたくはしないつもりです。別にそうむずかしいことでもないと思うのでありまして、御承知のように予算は、建設省の予算安全保障諸費の中から出るのでありまして、財源はある程度きまつておるのであります。それをどこでどうやるかということは具体的な事実に即して、適当に善処すれば足ると私は考えております。今どこでどうなるか内容はさつぱりきまつておらないのでありまして、あまり先のことを考えてもいたし方がないし、またどうきまりましても、そう困難なしにやつて行けるというふうに考えておるわけであります。
  35. 池田峯雄

    池田(峯)委員 困難はないでしよう。また私は困難ということを聞いておるのではないのです。たとえばこの前の毎日新聞を見ますと、霞ケ浦飛行場が新たに米軍の基地になるということが出ております。そういたしますと、陸前浜街道の交通量が従前よりふえるということはこれはもう明らかでございます。そうなつた場合に、この霞ケ浦が新たに米軍基地になつたがために、陸前浜街道の道路の改修費が、増額される。そうなりますと、道路予算というものは限定されておりますから、その範囲において陸前浜街道の方に費用がとられると、他の道路の改修費、補修費というものが削減されるようなことになりはせぬか。従つてこの費用を安全保障諸費の方から出すならば、建設省の予算は何ら影響はうけないけれども、そうでないとすれば、当然他に影響して来る。これはほんの一例で、そういう箇所が全国各所に出て来るということが予想されるのだが、そういつたことについて建設大臣はどう考えておるのかという質問なんです。この点も建設大臣の方に行政協定について、あとでもつと詳しくお聞きする機会を得たいと思つておりますから、このくらいにいたします。  次に機構改革の問題をお聞きしたい。これは予算とも非常に関係があると思うのですが、建設省の機構を元の内務省のような、内政省とでもいいまますか、つまり土木行政と、それから国警、自治体警察を把握したいわゆる内務行政と、今問題になつております公選知事を廃止して官選知事にするといつた地方自治体を一手に掌握する、この三部門から成立した昔の内務省といつたものを復活せしめる意図があるやに聞いているのでありますけれども建設大臣はこの点についてどういう抱負を持つておられるかお聞きしたいと思うのです。
  36. 野田卯一

    野田国務大臣 行政機構改革の問題につきましては、まだ審議中でありまして申し上げる段階に至つておりません。ただ私は個人的の意見として地方の公選制を廃止してしまうことは考えておりません。
  37. 池田峯雄

    池田(峯)委員 地方の公選制は廃さないということをお考えになつておる、けつこうなことだと思うのですが、たとえば今度の道路法の改正の中に、地方の府県知事の権限を中央に移管して、中央が一手に握るといつたことを建設省の方で強く要望している。道県も国道にしてしまう、そしてそれを建設——中央で一手に握つてしまう。これは明らかに府県知事の権限を一つ奪うことになるのではなかろうか、こういうふうにも考えられる。こういつた一つの動きを全体として総合して考えました場合に、先ほど私の言つたように、建設省が漸次昔の内務省へ復活しつつあるように考えられるのであります。その点について、まだ協議中で結論が出ないといつておられますけれども、大臣としてはやはり一つの抱負は持つておらなければならないはずだと思う。しかも建設大臣として、一つの抱負を持つていないことはないと思うのでありまして、協議中ではありましようけれども建設大臣としてどういう抱負を持つておられるか、それをひとつお聞きしたいと思います。
  38. 野田卯一

    野田国務大臣 これは新しい憲法のもとにおいて、府県知事をどう見るかということにもかかつておるのでありまして、ただ道路法であるとか、あるいは河川法という建設省所管の行政だけの問題でなく、日本の新しい行政組織において府県知事をどう取扱うか、どれだけの権限を与えどういう地位を認めて行くという根本方針の問題だろうと私は思います。その根本方針に即応して法律等もつくるべきではなかろうかと考えております。
  39. 松本一郎

    松本委員長 次は高田弥市君。
  40. 高田弥市

    ○高田(弥)委員 二十七年度予算関連しまして、特に河川総合開発事業について若干の御質問をいたすものであります。予算書公共事業費として載つておりますのは、直轄河川総合開発事業費六億、鬼怒川総合開発事業費五億、猿ケ石川総会開発事業費五億二千万、物部川総合開発事業費四億三千万円となつておるのでありますが、事業費としては河川総合開発事業費補助九億六千万と相なつております。第一に直轄河川分六億円の内容についてお伺いいたしたいと思います。
  41. 目黒清雄

    ○目黒政府委員 直轄河川総合開発費は、今までやつております。北上川、物部川等でありますが、これは本年度から別に継続費と相なつたのであります。鬼怒川外二河川総合開発というのは、鬼怒川、猿ケ石川、物部用、この三河川になつておるのであります。それから北海道の幾春別は北海道の中に継続費となつております。六億幾らという直轄河川総合開発事業費というのは、新規の河川と継続の河川で、継続河川は二河川であります。胆沢川は来年度で完成いたす予定でありますから、継続費になる必要はありません。これは六億の中に入つております。それから和歌山の十津川は直轄継続でありますが、補助として本年度まで、取扱つて来たものを、直轄に肩がわりしたのであります。その他新規河川が四河川ばかりこの中に含まれておつて、六億ということになるわけであります。それから補助の分は、すでに継続しております十一河川と、新規がさらに二河川程度ふえるだろうと思いますが、これらのものがここに含まれてあるのであります。それで総合開発はこれらを合せますと、昨年度の比較を申しますとわかるのですが、本年度はそれらを合算いたしまして、公共事業費から三十五億円ばかり、それに起債が六十五億円、きのうお話ししました通りに、何か特殊会社か公社あたりからさらに幾ばくかの金が入りますと、すでに百億を突破する総合開発事業費ができるわけであります。昨年度はこれが四十億円程度でありますから、おそらく七、八十億の増加ではないかとわれわれは見ております。われわれとしてはこれに非常に力を入れておるという現われと御承知を願いたいのであります。
  42. 高田弥市

    ○高田(弥)委員 次に昨日大臣より若干の御説明がありましたように、これらのダムは多目的なダムであります。公共事業費のほかに電源開発資金が投下されなければならぬのであります。これら公共事業費のほかにどの程度の開発費が考えられておりますか、伺いたいのであります。すなわち電源開発のための地方起債わくいかほどであるか。さらに現在考えられている電源開発株式会社百十億の中より建設省所管の河川総合開発にどの程度まわしたいと考えておりますか。これらの点についてできるだけ明快に伺いたいのであります。
  43. 野田卯一

    野田国務大臣 今政府考えております電源開発に関する特殊法人がどこを開発するか。われわれといたしましては現在政府が直轄でやつておりまする多目的ダムの水力発電部分、こういうものは原則としてこの特殊法人でやつてもらいたいと考えております。その他のものにつきましてはまだ考究中でありまして、きまつておりません。  なお地方団体が行います発電事業につきましては、二十七年度におきまして六十五億円の金を資金運用部から出すことに相なつております。この内訳はほぼきまつておりますが、まだ確定しておりませんので、ここでごひろうすることになつておらないのでございます。
  44. 高田弥市

    ○高田(弥)委員 御説明でよくわかりましたが、先ほど私質問いたしました胆沢川の石渕ダムについてさらに若干の御質問をいたしたいと思います。本ダムは胆沢川の防衛の堰堤の措置として昭和二十一年度に着工したのでありまして、ダム築造費は約十二億円と聞いておりますが、その大半は完成し、来年度一億七千万円程度公共事業費で完成いたすのであります。従いまして本委員会におきましてもしばしば問題となりましたように、発電事業者をかりにだれにするかが問題であります。この問題は東北興業、東北電力、県営あるいは国営といういろいろなる線で参つたのであります。ダムが完成しても発電ができないようでは困るのであります。  そこでお尋ねいたしたいのでありますが、地方起債六十五億円のうち、発電用起債として六十億円考えられておるということでありますが、この六十五億円の地方起債の中に胆沢川の発電事業考えられておりますかどうかという点と、もし考えられていないとすれば、電源開発株式会社百十億の中に考えられておるかどうか。さらにこれが不可能とすれば、国営発電というところまで考えられておるかどうかをお尋ねしたいのであります。
  45. 野田卯一

    野田国務大臣 今お示しの具体的な問題につきましては、ただいまのところ特殊法人で担当していただきたいと考えております。
  46. 高田弥市

    ○高田(弥)委員 次に水利権の問題についてお尋ねいたします。現在河川法におきましては水利権は地方行政庁の許可を受けることになつておると聞いておるのであります。従いまして県営発電の希望のきわめて強い県が、他の企業者に水利権の許可をしないために、せつかくの発電ができない状態に陥ることも考えられるのであります。この点どのように考えておりますか、伺いたいのであります。
  47. 野田卯一

    野田国務大臣 政府方針といたしましては、今後必要があれば、法令を改め、あるいは解釈の確定によりまして、そういう場合には建設大臣が県知事に指令をし得るという方向に進みたいと思います。
  48. 松本一郎

    松本委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。    正午散会