運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-02-13 第13回国会 衆議院 決算委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月十三日(水曜日)     午後一時三十九分開議     —————————————  出席委員    委員長 中垣 國男君    理事 大上  司君 理事 菅家 喜六君    理事 三宅 則義君 理事 畠山 重勇君       高橋 權六君    多武良哲三君       田中 角榮君    船越  弘君       井之口政雄君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局次長) 東條 猛猪君         食糧庁長官   東畑 四郎君         経済安定事務官         (総裁官房会計         課長)     小笠原喜郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局公団清         算室長)    辻畑 泰輔君         大蔵事務官   永尾 福藏君         大蔵事務官   濱岡 好人君         農 林 技 官         (農政局肥料課         長)      長尾  正君         検  査  官 下岡 忠一君         会計検査院事務         官         (検査第四局         長)      大澤  實君         肥料配給公団経         理局主計課長  工藤 忠吾君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 二月九日  委員田中角榮辞任につき、その補欠として天  野公義君が議長指名委員に選任された。 同月十一日  委員天野公義辞任につき、その補欠として田  中角榮君が議長指名委員に選任された。 同月十二日  委員田中角榮辞任につき、その補欠として天  野公義君が議長指名委員に選任された。 同月十三日  委員天野公義辞任につき、その補欠として田  中角榮君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十四年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十四  年度政府関係機関収入支出決算     —————————————
  2. 中垣國男

    中垣委員長 ただいまから決算委員会を開きます。  昭和二十四年度政府関係機関収入支出決算を議題とし、今日は公団決算中、肥料配給飼料配給及び食料品配給の各公団について、順次審議を進めます。  報告書二百十五ページ、食料品配給公団審議に入ります。未収金報告番号七一三、七一四、商品代金回収処置当を得ないもの。報告書二百十六ページ、予算経理報告番号七一五、七一六、架空の名義で支払いこれを給与等に充当したもの。報告書二百十七ページ、資金管理報告番号七一七ないし七二一、資金管理当を得ないもの。報告書二百十九ページ、不正行為報告番号七二二、職員不正行為に因り公団損害を与えたもの。以上十件を便宜一括して公団関係者から説明を願います。大蔵省事務官辻畑説明員
  3. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 食料品配給公団について御説明申し上げます。  七一三の件につきましては、その後未済回収努力いたしまして、昭和二十六年一月末に回収未済額は千百八十九万二千余円になつておるのでありまして、その後公団清算結了までに三十九万二千円を回収いたしまして、現在九百七十五万余円が残つておるのでありますが、その後の回収せつかく努力中でございます。  次の七一四のことにつきましては、その後第一に回収未済額を検討いたしましたところ、二百九十万一千九百五十七円三十七銭になつたのでありますが、公団結了の二十六年の三月末までに百七十七万八千円を回収いたしまして、その後十二万七千円を回収して現在に至つておる次第であります。  次に七一五につきましては、会計検査院検査報告通りでありまして、こういうような経理をいたしましたのは、当時の事情やむを得なかつたのでありますが、まことに遺憾でありまして、なお当時の責任者については、厳重に注意を促した次第でございます。御了承願いたいと思います。  次に、七一六の問題につきましても、目下検察当局において取調べ中でありますが、当時寒冷地に対します手当が法令化しないために、昭和二十三年春ころから、全官公庁職員組合と連繋いたしまして、その実現に組合側は活動いたしました。八月にようやく人事院勧告案の発表がありまして、その案に基いて、支部職員組合はその半額に当る七十万円の前借方を要求して来たのでありますが、冬分におきまして高騰する燃料費事情を考慮いたしまして、九月に一応役職員立替金をもつて支出いたしました。その後人事院勧告の確定が遅れまして、燃料費は高騰を続けたため、残りの半額の借用方の要求が職員組合から再三ありましたので、当時公団よりの立てかえ払いは禁じられていたのでありますが、他より一時借用して十一月にこれを支払つたのであります。しかしながら、十一月に至りまして実際決定した寒冷地並び石炭手当は、さきの人事院勧告をはるかに下まわつたのであります。そこでその差額金につきまして、職員組合から支払い猶予方を嘆願され、やむを得ず同年上期の未払荷役費より流用いたしまして、前二回の貸与金の整理と残額越年資金等のために給与したものでありまして、これは荷役費支払い先了解を得て寄付を受けたものであるのでありますが、まことに遺憾なことでありまして、責任者に対しては厳重に注意を促したのであります。御了承いただきたいと思います。  次の七一七につきましては、醤油局事務は、全国に分散する六千余の生産者及び四十七都道府県支部並び関係団体と、当時緊密な連絡を保ち、運営しなければならなかつたのでありますが、実際の運営費予算額はきわめて少額でありましたので、完全な業務運行はもとより、その結果配給が困難になることをも憂慮して、やむを得ず御指摘のような経理をして不足を補つたのでありまして、これまたまことに遺憾であります。責任者に対しては厳重な注意を促しまして、その後本件は東京地検において取調べ中でありましたが、起訴に確定しておるような次第であります。  次の七一八の第一のことにつきましては、融資相手方であります村上廣雄並び林田健一等の三名の連帯債務即決和解により、弁済契約書を作成いたしまして、回収努力しておる次第でございます。  第二のものにつきましては、使途不明の九十六万五千六百六十二円五十八銭は、経理課員小高某というのが領得費消したことが判明いたしましたので、損害賠償訴えを提起中のところ、昭和二十六年三月より毎月千円ずつ弁済する條件のもとに即決和解が成立いたしまして、その後回収いたしまして、現在回収残額が九十四万三千八百六十二円ということになつておる次第でございます。  それから次の七一九につきましては、会計検査院検査報告通りでありまして、この一及び二は、いずれもアミノ酸局経理課長飯田某の、自己の地位を利用して行つた不法処理でありまして、まことに遺憾な点でございます。これは御了承願いたいと思います。  それから七二〇につきましては、本日資金管理が当を得なかつたことはまことに遺憾でありまして、新舎某に対しましては厳重に戒告するとともに、昭和二十五年の九月に退職させた次第でございます。  次の七二一の件につきましては、不正融資者美和商工株式会社に対しまして、公正証書による弁済履行方について、厳重督促いたしまして、昨年十二月末までに二万九千円回収いたしまして、残額についても極力回収努力しておる次第でございます。  次に七二二の件につきまして、その第一の、石本某外二十六名の事案につきましては、石本某外二十六名でしようゆ代金を配分費消いたしました百八十五万一千二百八十五円に対しましては、公団清算結了昭和二十六年三月三十一日までに、七十七万二千二百十三円を回収いたしまして、差引残額を国に引継いだのであります。昨年の十二月末までに三万二千八百十八円を回収いたしまして、現在百四万六千円残つておるのでありますが、公正証書弁済條項に基きまして、国の方において鋭意回収努力しておる次第であります。  同項の第二の、鎌瀬某並びに杉生がしようゆ代金を横領し、藤本不正融資をしました二百三十七万八千円につきましては、藤本に対して二十六年の二月に返還請求訴えを提起いたし、二十六年の四月に勝訴の判決がありまて、今後国において回収せつかく努力いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  4. 中垣國男

    中垣委員長 ただいま一括説明があつた食料品配給公団の直接監督に当られた食糧庁当局から、そのいきさつに関して詳細説明を求めます。政府委員東畑食糧庁長官——批難事項の分は総裁官房会計課長出席を待つて説明を聞くことにします。  この際会計検査院側補足的説明があれば、これを許します。
  5. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 ただいま説明員の方から御説明がありました点で、大体尽していると思いますが、ただ一点、七一六号の荷さばき料架空払いの問題であります。御説明によりますと、荷役費支払い先了解を得て寄付を受けたものである、こういうふうに御説明なつておりますが、実地検査の際調査したところ、及びその際の照今回答の資料を総合してみます。ると、これは正当に支払うべき運賃を支払わないで、寄付を受けたという事態でないように見られるのであります。具体的に申し上げますと、当時本部の方からしようゆ一石につき六十円、みそ十貫目につき八円の範囲内において荷さばき料を払え、こういう指示がありました。そうして実際に北海道の方でその指示された金額で計算しますと、全体で約六百万円の金額になる。ところが実際に荷さばき料として相手方支払つたのは四百数十万円で、その開きが約二百万円あつた。これは支払うべきものというよりも、支払い得るといいますか、契約を更改すれば支払い得る一つのわくとしてあつたわけです。そこで未払金に計上しておいて、その未払金荷さばき料として支払つたというように書類をつくりまして、これを職員給与に充てている。こういう事態でありまして、正当に支払つた荷さばき料相手方からいわゆる寄付を受けて、リベートを受けて職員給与に充てたということとは、事態が異なるのではないかと思います。その点補足いたしまして、ほかの点はただいま説明のあつた通りだと思います。
  6. 中垣國男

    中垣委員長 この際質疑を許します。
  7. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は本日の質問の初めにあたりまして、会計検査院並び大蔵省に申し上げます。前の委員会で申しておきました通り会計検査院検査官大蔵省は主管でありますから、主計局長もしくは次長の御出席がなければ散会、こういうことを強く主張いたしておきましたところ、本日はようやく御出席になりましたから、その問題は今後も慣例にいたしたい、かよう思いますから、われわれといたしましては、それを強く要望いたしておきます。  まず第一に東條主計局次長おいでになりましたから、申し上げておきますが、昨年は、いわゆる二十四年度の決算説明につきまして、この説明書きをお出しになつたのでありまして、非常に参考なつた。本年もさだめしこれに増しましたような説明書きができることと思いますが、本日二十五年度の決算の御提出があるはずでありますが、これにつきまして、どのような御準備がありますか、まず第一に承りたいと思います。
  8. 東條猛猪

    東條政府委員 お答え申し上げます。昭和二十四年度の決算の御審議にあたりまして、何らか御参考に供しようと思いまして、かねて国会の方からも御要請がございましたので、たいへん内容において未熟でもありますし、そまつなものでありますが、何らか御参考意味ごらんに供したわけであります。それにつきまして、ただいまお言葉をちようだいいたしたのでありますが、昭和二十五年度の分につきましては、いま少しく詳細な内容がよろしくはなかろうか。申し上げるまでもなく、事柄が決算の非常に詳細なる御審議参考材料として提出申し上げますので、できますればいま少しく詳しい内容のものにしたいということで、政府部内におきまして、各庁各省の御協力をいただきまして、ただいまいろいろと準備いたしております。何さま御承知のように新しい試みでもございますし、せつかく努力はいたしておりますが、なかなか手間取りまして、かつまた集まりました内容を正確を期すがために、いろいろ検討いたしておりまして、目下実はこの作製の途中でございます。なるべく早く御参考までにごらんをいただきたいと思つておりますが、右に申し上げましたような事情で、今日までのところ、まだ実は正式の印刷にかけるまでの稿本ができ上つておりません。部内におきましていろいろとただいま検討を加えております。私どもといたしましても、でき得る限り急ぎまして作製に当りたいと思つておりますが、右のような事情でございますことを御了承願いたいと存じます。
  9. 三宅則義

    三宅(則)委員 東條主計局次長の真心こめた御答弁と解釈いたしますから、ひとつなるべく早目に出していただきたいと思います。なぜかと申しますと、会期はもちろん三月、四月までございますが、われわれ審議の上におきましては、なるべく三月初めには二十五年度にかかりたい、こういうような気持でおるわけです。そのおつもりで願いたいと思います。  次に、もう一つ東條主計局次長お尋ねをいたしますが、御見解を御発表願いたい。しばしば会計検査院の御報告にあります通り批難事項がどちらかというと山積している。会計検査院下岡検査官の御答弁によりますと、会計検査院批難事項の多くなつた原因は、会計検査院の能率が上つて来た、こういう点も考えられる。——御説の通りでございましようと思いますが、私はここにひとつ立法議会といたしましての決意を示したいと思うのであります。こういう批難事項がたびたびある。いつも遺憾であるの連発でありまして、何らこれに対する制裁といいますか、追究といいますか、確固たる処分が十分にとりはかられていないと思うのであります。こういうものは、今の法律体系からいたしましては——専門家東條次長にお伺いするわけでありますが、このままでいやいやながらも承認しなければならぬものであろうか、不承認ということを表明いたしたらどうなるか、これをひとつ承りたい。
  10. 東條猛猪

    東條政府委員 お言葉通りに、経理の不正ないし不当な事案が、しかも毎年累増的にふえておるということは、私どもといたしましても、まことに遺憾に存じ、また恐縮に存じておる次第であります。しからば、この原因はということに相なつて参るのでありますが、これはもう三宅委員承知通りに、国の会計の乱れております原因は、実に広汎で、また多岐にわたつておりまして、一つ対策でもつてこれが的確な対策を尽し得るということには相ならないのであります。法規の上から、運用の上から、あるいは物心両方面にわたりまして、いろいろの点で常に毎日怠りなくこの対策を検討し、また実行して参るということが必要であると、私ども実は確信をいたしております。予算執行職員責任が、そういう意味におきまして非常に重大なわけでありますが、これにつきましては、御承知通り責任に関する法律というものが、過般国会で議決せられまして、それが施行に相なつておることも御承知通りであります。従いまして、私どもといたしましては、これらの案件が非常にふえておるということを十分存じておりますし、これが対策はわれわれといたしましても、日夜非常に努力をいたしておるつもりであります。従いまして国会におかれましても、これらの案件原因あるいは対策につきまして、政府考えていることがもし適切でない、あるいは足りないという点がございますれば、当委員会その他におきまして御叱責を願いまして、私どもに実は御援助をいただきたいというふうにお願い申し上げる次第であります。  従いましてごらんをいただいております決算につきまして、これはぐあいが悪いといつて不承認にしたらどうかというお言葉でありますが、むしろこの対策の重点は、そういう点よりも、原因を究明し、その対策を立てるという、いま少しく全般的な観点からごらんをいただきまして、政府に対しまして御鞭撻をお願いいたしたい、私かように存ずる次第でございます。
  11. 三宅則義

    三宅(則)委員 事務当局でありますから、詳しいことはどうかと思いましたが、一応の構想を承つたわけでありまして、私どもはさらにお伺いいたしたいと思うのであります。決算に関しましては、私はたびたびこの席上で申し上げておりますが、私は毎国会というか、国会のかわるごとに、新規議案といたして研究する、こういうのが原則であると考えております。たとえて申し上げますならば、請願にいたしましても陳情にいたしましても、毎国会やつている。法律案に対しましても、その法律案が前の国会において審議未了の場合におきましては、これは流してしまつて、あらためて審議する。これは毎国会あらためてやるということになつておるわけでありますからして、多少ダブる点があつて、前の国会で言つたことを、もう一ぺん繰返しておるということもあると存じますが、お許し願いたいと存ずるのであります。およそ大蔵省予算をつくるところであります。また原案をつくるところであると承知しておりますが、決算もやはり大蔵省監督しておると考えております。予算の方には、大臣初め主計局長次長等が毎日お出になる、また各省大臣もお出になる。しかるに決算の方になりますと、重大な案件にかかわらず——私経済の法人においては、社長、副社長、専務、常務全部出て参りまして、株主総会のときには全部これを報告し、質問応答をする。こういうのが私経済原則なつている。公経済になりますと、予算の方にはまことにやかましく言うのでありますが、決算の方になりますと、幽霊の玉が消えたようにわからぬ。こういうのが今までの慣例であると思うのであります。しかし私が決算委員を拝命しました以上は、どうかひとつ予算にも増しまして、これを忠実に審議いたして——この損害等のありました場合には、全部われわれの血税で補つておるのである。これはよく認識しなければならぬ。国の決算であるから、いかなる損害がありましても、使い込みがありましても、裁判所にまわせばそれでよろしいというような単純な観念であ一つてはならぬ。これは私の衆議院議員といたしての熱望であります。せつかく民間と公経済とがマッチするように、すべての案件は正直にいたして、納得の行く線に持つて行きたいというのが、われわれの希望であります。私は大蔵委員も拝命いたしておりますから、納税税金をとる方にも関係を持つておるわけでありますが、納める立場から考えてみますと、むだな方面に納める税金は納めたくない。これは当然のことであります。有効にして必要欠くべからざるものには。われわれは十分納税しなければならぬし、また取上げなければならぬ、こういう点に考えを及ぼしておるわけであります。大蔵当局、特に今日は局長代理として主計局次長東條さんがおいでになりましたから、その範囲を拡大いたしまして、今後の決算委員会には、必ず主計局局長もしくは次長が出て来て監督するという線を堅持せられたいと思いますが、これに対する答弁をいただきたい。
  12. 東條猛猪

    東條政府委員 まことに仰せ通りでありまして、予算は単に編成で終るのではありませんで、執行面がこれに劣らず大事なことと思います。従いまして予算あわせて決算ということを十分尊重しなければならぬということは、もう仰せ通りでございます。いろいろな事情がございまして、ただいままで主計局長ないし私どもが当委員会にまかり出ませんでしたことは、恐縮に存じます。今後は仰せ通りいたしたいと存じます。
  13. 三宅則義

    三宅(則)委員 この前の委員会でありましたか、公団清算室長というものが大蔵省にあるはずです。実は公団清算室長の御答弁説明がありましたから、一応私も質問しようと思つておりましたところ、公団清算室長という相当な地位にある人が、この委員会清算室の明細な説明書を持つて来なかつた。まことになめた話でありまして、そういうような無責任公団清算室長は、私の個人的な意見でありますが、私は賛意を表しがたい。あなたは確かに大蔵省の高官であると思いますから、公団清算室長というものはどういう責任があるものか、ただ月給をもらつて飯を食つておればよろしいものであろうか、もう少しつつ込んで真に国を思い国策に順応してやるという態度でなければならぬと思いますが、この辺について主計局次長の御答弁をいただきたい。
  14. 東條猛猪

    東條政府委員 公団清算室長職責は、もう私からお答えを申し上げるまでもなく、公団清算に当り、責任を持ちましてこれが万端の処理に当るわけでございます。従いまして、大蔵省の中でも管財局に、特にそういう意味合いをもちまして公団清算室が置かれ、またりつぱな清算室長が現に仕事に当られておるわけであります。私その書類云々のこまかい点は存じないのでありますが、あるいは何らかの過失その他のことはあつたかと思います。同じ同僚の大蔵省清算室長でありまして、現在の清算室長も、私こういう席で申し上げては恐縮でありますが、人格識見あるは職責の上におきまして、申分のない清算室長でございますので、当決算委員会で今後とも御叱責を仰ぐことが多いかと存じますが、よろしくお願いいたしたいと存じます。
  15. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は個人的にだれを恨むとか、憎むという考えは少しも持つておりません。国のためになるべく経済活動を潤滑にいたし、納税事務の妥当なる指導をいたしたい、こういう意味合いで発言をいたしておるわけでありまして、個人の何がしを糾弾するという意味ではございません。どうかそのつもりで政府もお聞きとり願いたいと思います。  各種公団がありますが、各種公団は、経済事情等もいろいろ混乱しておりましたと思いますが、非常に欠損をいたしておることが多かつた。これは過去のことでありますけれども、おそらくすべての公団と申してさしつかえないと思います。薪炭需給調節特別会計のごとき、あるいは食糧公団あるいはその他のものにいたしましても、およそ民官にまたがりましたような公団営団等におきましては、相当国損を来しておるわけであります。この国損原因は一体どこにあるかということを心配いたしておりまして、過日下岡検査官にも質問したことがありますが、大蔵省といしましては、この原因がどこにあつたか、またどう監督しておられたか、これについておわかりでしたならば御答弁願いたい、わからなければ、あとで御答弁なつてもけつこうですから承りたいと存じます。
  16. 東條猛猪

    東條政府委員 各種公団経理におきまして、国損を及ぼした事例が非常に多い、この原因についてどういうふうに考えるか、また具体的に監督はいかなるものであつたかというお尋ねと拝承いたします。公団制度がとられます場合、実はこの公団制度というものが、日本の当時のいろいろな情勢から見まして、適当な形態であるかどうかということにつきましては、実は当時根本的な議論があり、はたして実行がうまく行くかどうかということにつきましては、相当疑問を提出せられた向きが多かつたということを、私は今思い出すのでございます。先ほどもちよつと申し上げましたように、普通の国家公務員の最近におけるような会計経理の不正ないし不当な事例が累年出ておりますことは、非常に遺憾であり恐縮でありますが、これは事実でございます。この原因は、私からくどくど申し上げるまでもなく、各般にわたり、非常に長い間のまた錯雑した原因から出ておると響確信いたしますが、公団の場合におきましては、その一般的な原因のほかに、公団である あるいは公団職員であるということのゆえに、さらに一段とそういう特殊性がつけ加えられたのではなかろうかと存じます。一例をあげて申し上げますれば、公団に現金がございます。公団に預金があるということを考えてみますと、従来はこの公団預金は一般の市中銀行に預託せられておつたのであります。そういたしますと、これが国庫金に準じた扱いのように日本銀行に預託せられます場合に比較いたしまして、遺憾ながらこの市中銀行に預託せられております場合におきましては、いろいろな話合いないし不当な事柄がかもされやすいというようなこともございます。従いまして、公団の預金につきましては、きわめて時期が遅れたのでありますが、国庫金並の扱いにするということから日本銀行の預金に振りかえられたのであります。それから、話は前後いたしますが、公団職員の身分関係、これらにつきましても、御承知のように公団職員は、従来から純然たる国家公務員である場合よりは、むしろ従来は実際は民間の実業家であられた方々を、公団をつくりましたときに公団職員といたしまして採用した事例が非常に多かつた。従いまして、そういうことは遺憾なことではありますが、ややもすれば国家公務員としての責任あるいは職分ということよりも、従来の民間における実業家であつたというような惰性が大きかつた。従いまして、事務の取扱い方あるいは実際の仕事のやり方等におきまして、国家公務員のような心構えで仕事が行われない事例が相当あつた。あるいはこの公団制度が、国家機関に準ずるものでありまして、純粋な国家機関でない。経済安定本部長官その他各省の長官が、その公団の性質によりましては監督の立場に立つておつたかと思いますが、その監督の面におきましても、直接の部下を監督指導するようには行かなかつたという、その公団独自の性格があつたというようなこともあろうかと存じます。従いましてそういう公団経理というような、一般の国の場合と違つた色合いのあるものがここに附加せられました結果、この公団経理におきまして不当不正な事例が非常に多かつた、国損が現われたことが多かつたということもあろうかと存じます。  それからこれらの公団に対する監督方法といたしましては、私抽象的なことしかただいま御即答申し上げられないのでありますが、それぞれの公団の設立に関する法律がございまして、事業計画にいたしましても、あるいは決算にいたしましても、それぞれ監督主務官庁の認可を受けるということに相なつております。またそういう正式の認可でございませんでも、事柄の比較的重要なものにつきましては、実行上それぞれ各省各庁の意見を聞き、また指示を仰いだということも、各公団におきまして実際行われたことと存じております。  なお公団給与につきましても、これまた御承知通りに各公団法に規定がございまして、通常は一般官吏の例によるということに相なつておりまするけれども、場合によりましては、監督官庁の認可がございますれば、これに関する特例を設けることができるという定めに相なつております。業務の内容あるいはこれを動かすべき各種の規定、あるいは今申し上げましたような給与の面、それぞれにつきまして主務大臣監督は行われているのでありまするが、一般の官庁の上下の関係というような、何と言いますか非常に近い意味での監督が、公団については必ずしも行われ得なかつたというような実情もあろうかと存じております。
  17. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は今の東條さんの御意見も、ある程度まで参照いたします。ここに問題になりまするのは、食糧公団、あるいは鉱工品公団等もあつたわけでありまするが、早船事件のごとき、何千とか何億というものを、つまみ食いであるというふうなあやしげな言葉を吐いててんとして恥じない。もちろん裁判所の方にまわされることは事実でありましようが、そういうふうに弛緩しておつたという事柄は、やはり公のものを自分でかつてにしたということになるわけであります。また肥料配給公団のときは、総裁までも一応裁判所にひつぱられるというようなこともあつたわけでありまするが、これはむしろそういうような立場にある公団職員、あるいは総裁に至りますまでが、私利私欲を中心に考えて、少くとも公に殉ずるという精神が欠如しておつたかと思うのであります。そういう欠如しておつた場合におきましては、相当に損を与えた以上は、これを厳重に取立てるということが至当であると思いますが、今までの例によりますると、取立ては非常に少い、また緩慢である。しかたがないというように思いまして、国損は全部国民が負うのである、こういうことになつているような次第でありまするが、政府当局といたしまして、東條さんは、何かそういうことを防ぐよい方法と、またかりに誤まつて損を出した場合に早く回収する方法がないかあるか。今の法律では全然できないものかどうか。裁判にかかつても、二年三年かかつて、取立てるころには時代がかわつてしまうということもあろうかと思いまするが、もう少しく活溌にそういうような弊害を除去する方法がないかどうか。またした場合においては、回収はどうするか、この二つについて、ひとつ率直な意見をあなたから承りたい。
  18. 東條猛猪

    東條政府委員 不正事件がございまして国損の生じた場合におきましては、この国損の回復のために、政府といたしましてはできるだけの手段を講じまして、またできるだけすみやかにこの回収償還に当るということに努力いたしております。国損金額が巨額に上り、いざそういう手続をとつてみますると、個人の資産が十分でないということの結果として、国損が生じているということは、まことに遺憾でございまするが、事実でございまして、私どもといたしましては、その金額をできるだけ少くするという目的をもちまして、事後の措置といたしましては、できるだけの措置を講ずべきであるし、また講じていると存じております。  それから予防手段の問題でありまするが、三宅さんからもお話がございましたように、根本は道義観念と申しまするか、公僕である、これはみんなの血税の金である、できるだけこれを正しく有効に合理的に使わなければならぬという性根が過去において失われつつあつたということが、基本的な問題だろうと思います。これはひとり公団のみならず、一般の国家公務員の場合におきましても、この性根が、もと根さえしつかりすわつて来ましたならば、事態はよほどかわつて来る。あと会計制度が複雑であるとか、あるいは手続がめんどうであるとかいうようなことは、ある意味におきましては——そういうことを申しては失礼でありますが、いわば末の問題でありまして、もとは道義観念の問題であろうと思います。そして道義の高揚ということは一日も忘れてはならないので、私どもといたしましても、会計職員の技術的な問題でありまするが、研修でありまするとか、そういう会計職員予算執行の責任をみんなが痛感しなければならないのだということについては、根本的な、あるいは困難な問題でありまするが、ぜひやらなければならぬと考えております。  なお技術的な問題になりまするが、なるべく不正を防止するために、たとえば予算執行面において適当な監査制度を設けるとか、監督官庁の取締りを重点主義にやるとか、いろいろ技術的な点もあると思うのでありまするが、根本はそういう責任観念に立脚した経理ということであろうと思います。技術的な面にわたりますれば、予防手段は多々あると思いまするが、お尋ねの御趣旨は決してそういう点でないと思いまするので、私の平素考えておりますることを申し上げて、お答えにかえたいと思います。
  19. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 ただいま三宅委員東條さんですかの応答をなさつているのを拝聴しておりますと、実に当局の上位として御心労の点は、十分わかるのでありますが、先ほどおつしやつているうちに、元商人上りを使つた、普通の役人であつたらよくわかつていると、こうおつしやるが、昔の武士、後の侍というか、侍があきないしたやつに、もうかつたためしがない。侍のあきんど、私らの親類で堂々たるところの豪族であつたやつが、たくさんの田畑を持つていたのを、番頭にかつがれてすぐなくしてしまつた。ある親類は、またいろいろなあきんどのなれないことをやつて、なくした。ところが今東條さんのお話を承ると、商人を使つたから失敗したようにおつしやるが、これは私らは実際商人の家に、そして後に商人になつておつたから研究しておりますが、かえつて前提をかけておつた人間を使う方がよかつた、役人を使うから間違いができる。但し今の答弁によつては、どういう程度御注意なつたか、それをひとつ聞いてみてから言いたかつたが、少しは言つておかぬと、あまり簡単でわかりにくいからちよつと予備知識を上げておきたいと思つたわけだが、どのくらいの御調査によつて、そういうものをやつたから損したか、不行届きになつたかをちよつと承つてみたいと思う。
  20. 東條猛猪

    東條政府委員 私が申し上げました趣旨は、元民間の実業方面に従事しておつた人を使つたから、公団の損がふえたということを申し上げたつもりでは、実はなかつたのであります。公団経理は、お話のようにある意味において民間の商売のようなものでありますから、やはり民間の実業方面にタツチしている方の経験を活用する、そういう方に来てもらうということでやりましたのが、公団制度のできた根本のねらいでございまして、その意味におきましては、高橋委員のお話のように、役人の士族の商法よりは、民間の経験者の人に大いにやつてもらおうというのが政府の心づもりであつたことはお話の通りであります。ただ私が申し上げました趣旨は、国家公務員でありますと、財政法、会計法あるいは会計規則というような、非常に技術的な法規に初めからなれている。ところが、中間から国家公務員なつた場合におきましては、そういう法規に必ずしも習熟しておらない、なれておらない。それで結果的には不当な、あるいは不正な経理が行われる事例が多い。それから、もともと国家公務員である場合におきましては、こういうものは公務員法上の責任を問われるのだということが、かねて明瞭でありまするけれども、中間から公務員になられた方につきましては、その辺の考え方が必ずしも十分でない場合がある。その結果、やはり国家公務員法の関係から見て、違反の事例のあることが多いという趣旨のことを申し上げたつもりであります。
  21. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 当つているところも、当つていないところも大いにありますが、そういう商売に明るい人間は、もうかつて損をしないのです。あきんどは損をして蔵を建てという。いつも、損しました、損しましたと言つて、損してあげますと言つてもうけて蔵を立てたり、ぜいたくをしておる者がたくさんある。そういうこともありますから申し上げますが、もう一つ、なぜ進んで正義な心を打込まなかつたか。だらしのないところがあつたならば、その点を引締めるべきだ。これはあなた方が、はなはだ職務怠慢だといわなければならない。そういうことは精神修養が足りないからだ。実際そういう失態——ここで見ますと、架空の支出をしたとか、三宅委員も申し上げました通りに、私らは血や汗をしぼつて納めた税金なんだ、それをこういうことになるから、共産党あたりはそれに乗じて煽動するのだ。そういうことが大いにある。それとともに、いつの新聞を見ても、公団と役人の悪いことばかり。もう今日では電車に乗つても、そばに役人がいると、これも悪いことをしはせぬかと、私はその人と接するのが、からだにあわ立つほど、身振いするほどになつておるのであります。私は今後日本国の新聞には、どこに親孝行があり、どこの役人が金をとらないで仕事してくれたということを、毎日書いてもらいたいと思う。昔はちやんと家を建てるには、大工は何々棟梁である、左官は何々棟梁であるといつて、金を残すより名を残した。このごろの役人は、仕事をしないで金をとることばかり考えていはしないか。暑いときは木の下陰、寒いときはストーヴ。寒冷地手当をやるならば、われわれ九州人には暑気手当をなぜやらぬか。今も毎日新聞へ征伐に行つて帰つて来たところですが、これからまた朝日新聞に行きます。とにかく新聞に役人がこういういいことをしたということが毎日載るようにしていただきたい。いつ見ても悪事は役人だ。それで私は役人を採用する場合には、少しくフレノロジー——骨相学でも研究して、骨相学上、これは不正義なやつだという者は採用しない。代議士でもだれでも、私は正義心の強い人と正義心の強くない人とあるのがよくわかる。あなたはどういう御精神かということもよくわかつておる。非常に神経質であるが、陽気な方であろう、あの東條次長は。そうして顔に似合わず度胸のあることもわかつておる。怒つたらぼいんと張り倒すぐらいの度胸がある。お父さんに似ておる。それで、そういうようにして人を採用する場合には、正義心の強い者を採用する。学問のほかに、理外の理というものがあります。いつも私が申すように、加藤清正は高等数学を知らぬでも、地震でびりつともしない大阪城を築いた。あの石をどうして持つて来たか。これは駄弁になるが、参考に申し上げておきます。あの大阪城の石は、昔起重機も何もない時代に持つて来た。どうして四国から持つて来たか。私らの先祖から伝わるところの五尺というものがある。その五尺というのは、二十三、四石も入るところの大きな酒おけです。その五尺やら木の丸太を使つて浮かばせて、そうしてまん中に大きな石をくくりつけて、船で引張つて来たから、楽々と大阪城まで持つて来た。こういうことは、高等数学は知らぬが、昔の人間は偉い。今の人間は、りくつばかり言つて、遊んで金をとることばかり考えておる。あなた方はその限りではありませんけれども……。そういうことから考えて、今後その局に当る上の方々は、そういうことに注意してもらいたい。先日、東條次長おいでなつておつたかどうかしらぬが、広島のことで、住宅金融公庫総裁が、金を出すなと言つたにかかわらず、たくさんの金を出した。あとから私に面会を申し込んで来られたくらいの問題がある。ああいうことがあるのです。からだ一つしかない者が約四千八百万円中、一千二百万円ばかり金を引出しにかかつて、これを警告を与えたにかかわらず、こんなことを言つて来たといつて、金を持たせて帰した。そういうことにも、私は上位に立つ人間はメンタルテストして、そうしてその上に骨相学から研究してもらつて、上位に立つてもらいたい。これはじようだんじやない。われわれはこういうことをされるから、思想のへんなやつらがこれを悪用して日本国を乱そうとする。一番大切なるものは精神であります。私の九段の議員宿舎にいらつしやい。富士見町二丁目一番地、元の山階宮邸の跡にできているあの宿舎にいらつしやい。私は、ごはんをいただくあの台は、これは皆さん日本国民の器なんだから、鏡のように毎日手入れしております。ほかの議員さんのは知らぬが、私はしみがついたのをふきとるぐらいに心配しておる。これは自分の器にあらずして国民の器である。あなた方も出している税金、私らも出している税金でこしらえた日本国民の公器であるところのこの器に、私は熱い湯のしみ一つつけておらぬ。よそのお客さんが帰つたら、私はすぐきれいにふき上げている。うそじやない、鏡の台にするくらいてかてか光つている。そのくらいな精神でやつたらいい。私は会計検査院並び大蔵当局は、もう少しく正義心の強い者を使つて、出そうしてそういう方面を明るくしていただきたい。国民あつての国家である。ドイツが何であんなに隆々たる国にただちになるか、個人おのおのが偉い。一軒の家は数人の人間によつてでき、その数軒の家が固まつて一部落、すなわち社会が成り立つ。その社会が成り立つて都道府県になる。その都道府県が一致して国家というものが成立するのである。すなわち国が隆盛になるといなとは、個人の人格のいかんによるものであります。そういうことから考えまして、私は今後会計検査院当局も大蔵省当局も——私は予算よりも決算委員が大事だと思う。今ごろの代議士は決算委員になるのをいやがるが予算というよりも決算のくくりが大事だ。すなわちこの決算委員というものが一番大事だということを感じて、私は決算委員に出ていますが、この決算委員というものは、飾りもので出るのではない。常に国民の代表として立つている。われわれは常にそういうことを感じておるのであります。どうか今後は、きようからでもいいから、ひとつ大蔵省当局は大蔵省当局として、会計検査院会計検査院として、徹底的に、こういう不正がもう今からでもなくなるように、よく遺憾々々といつて、漢語で遺憾といえばあつさり片づくかしらぬが、こんなむずかしい字を使つて遺憾と言わなくとも、絶対に今後そういうことのないようにしましたということを言つていただきたい。私はあとにまだ質問したいことがありますが、こうずつと見ていると、頭痛の種ばかりだ。こういうことで思想の悪化を来す材料を当局がこしらえていはしないかと思う。国家というものは、おのおの提携して行くもので、あなた方は御承知でございましようが、人間の手一本とつてもそれは満足ではない。足、目、耳、品、すべての人間の生理学上必要なるところの部分が一つ欠けても、それは満足ではない。すなわちこれが日本の国の生理であるから、一人でもつむじ曲りのような考えを持つている者があつたら、たたきなおさなければならぬ。もし気違いになつたら、瘋癲病院へ入れてなおしてやらなければならぬ。そういうことを考えて私はお願いするのでありますから、この次いろいろ当局から答弁をしていただくことに、さらに先日から申し上げておることを保留をいたしておきまして、今後答弁なさるにも、ただ答弁をうまくすればいいではいかぬ。一たびお宅を出られたならば、自分は国のためのからだだ。妻子を忘れて大いにやつてもらいたい。高橋權六は、妻を大学病院において火葬に付して骨にして、だれかに運んで来られるまで帰らなかつた。そのくらい誠心誠意を持つておる衆議院議員を、ある人間は、高橋樺六はこの次の選挙に出るために、一回も議会に出ぬなどと言つておる。またオイカ予算とか、片山オレグチなどと言つたのはほかにあるにかかわらず、高橋權六が言つたと毎月々々出しておる。石田一松君なども、こんなことを書いておるが、実にけしからぬ。また白たびについても、高橋先生は総理大臣のまねをしているかと言うから、自分は三十年前から白たびをはいておる、吉田さんは外交官で、このごろ帰つて来てはいていられるので、決してあのまねじやないと言つたのだ。どうか私は熱心にお願いするから、答弁でも検査でも誠心誠意でやつていただきたいのであります。どうも長くなりまして済みませんが、私のほんとうのお願いをここで申し上げておきます。
  22. 中垣國男

    中垣委員長 先ほど食料品配給公団決算批難事項に対しまして、説明が留保されておりましたが、ただいま経済安定本部より小笠原政府委員出席されましたので、この際説明を求めます。
  23. 小笠原喜郎

    ○小笠原政府委員 食料品配給公団につきましては、安定本部の所管外でございます。
  24. 中垣國男

    中垣委員長 それでは委員長から東畑食糧庁長官お尋ねしますが、決算経理面を抜きにいたしまして、長官はこの違反事件について、批難事項等に対して、どういうふうにお考えなつておられるか、一応所見を聞きたいと思います。
  25. 東畑四郎

    東畑政府委員 食料品公団食糧公団、油糧公団等につきまして、食糧庁といたしましては、当然これを監督する責任がございます。従いまして、ここにございます批難事項等で、食糧庁等に関係いたしますものにつきましては、われわれといたしましても、十分責任を感じておる次第でございます。また直接関係なきものにいたしましても、監督上不行届きの点等につきましては、十分食糧庁といたしまして責任を感じておる次第であります。
  26. 中垣國男

    中垣委員長 質疑の続行を願います。
  27. 三宅則義

    三宅(則)委員 それでは最初に、先ほど事務当局から御説明のあつた食料品配給公団につきましてお伺いいたします。これは二十四年も五年も、相当カン詰会社と結託してやつておつたものがあるのでありまして、この七一二におきましても、未回収が相当あると聞きます。その後回収なつたということも書いてございますが、七一二によりますと、あと何千万円も残つておると思いますが、どういうふうになつておりますか、承りたいと思います。
  28. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 七一三の問題につきましては、先ほど申しましたところでありますが、昨年の十二月末日現在におきまして、未回収の残つておりますものが、九百七十五万円で、それ以外の分につきましては、今まで努力いたしまして回収をいたした次第であります。
  29. 三宅則義

    三宅(則)委員 九百何十万円であつたかしらんということでありますが、回収しておるのはどのくらい回収しておるか、ただ努力しておるというだけではどうにもならぬ。こういうような、相当信用を置けるものとやつておつたにかかわらず、一体どこに原因があるか。事務当局でわからなければ、局長から御答弁願います。
  30. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 二千四百九十一万八千七百七十九円五十六銭の売掛残額ができたというのが、検査院の御指摘のようでありまして、そうしてその後回収を急ぎまして、現在残つておるのが九百七十五万円、こういうことであります。今後も極力努力いたしたいと思います。
  31. 三宅則義

    三宅(則)委員 今後もやるということですが、九百何十万円をどういうふうにして回収するかということがわからぬ。ただやつておりますではわからぬ。私どもは民間のことはよく知つておるけれども、官庁のことは知りません。どういうふうにやつていただくのか、毎月入つておるのか入つておらぬのか、もう少し真剣に御答弁願いたい。
  32. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 この点につきましては、当初二千四百万円につきまして公正証書をつくりまして、その弁済條項を履行しておりまして、毎月二十五万円ずつとりまして現在に至つておるので、今後も財務局におきまして、その回収努力して参る次第でございます。
  33. 三宅則義

    三宅(則)委員 これは一般の政府当局に申し上げまするから、どなたか代表して、少しく誠意ある答弁を願いたいと思う。すべて国家経済でありまして、財務局にも報告せられることは当然であると思いまするが、もう少し、少くとも批難事項に上つたことだけでも、精細に報告する用意がなければならぬと思う。またおそらく会計検査院といたしまして、批難事項以外のことでも相当ある。——これは当然問題になつたものだけでございまして、おそらく目こぼれもあるというふうに私ども考えております。批難事項に上つたことでも、ただ、遺憾である、回収中であるというくらいのことでは遺憾ですから、これらの問題は書類でもこしらえて、何年同月何日にこれだけ回収して、あとどれだけ残つておると、もう少し民間の事業会社と同じように、親切にやるようにしなければ、とうてい進歩はありません。私ははなはだしつこいようでありますが、当局も国家の血税ということを思えば、そんななまぬるいことはしておられないと思う。私は大蔵委員として、税金をとる立場にありますから、無理な税金はとりたくない、こういうことを念願いたしておる。はなはだきようは言が過ぎたようでありますけれども、どうか国家のために、ひとつ親切に、もう少し国損の少くなるようにやつていただきたい。これを当局に要望いたしますから、どなたかひとつ責任ある答弁を願いたい、かように考えます。
  34. 東條猛猪

    東條政府委員 私からお答え申し上げるのはいかがかと存じますが、ただいま問題になつております、御指摘のございました食料品配給公団の東京罐詰株式会社に対する売掛金の問題は、公正証書によりまして弁済條項がきまりまして、毎月二十五万円ずつ納めることになつておる案件であろうと思います。従いまして財務局等において、この弁済條項に従いまして、回収をしつつあるというふうに、私はこの案件考えております。なお御指摘の通りに、こういう国の売掛金の残額がありますものは、へたをすると国損になることはお話の通りであります。私どもといたしましても、たとえばこの案件で申しますれば、弁済條項ができたからそれでいいというのではなくて、そこの会社の経理の状況はどうか、よくなつておれば、また相談をしてこの條項も直さなければなりませず、実際一応証書面で話合いができましても、もしその後の情勢の変化によつて、二十五万円だけとれないということであれば、またその事態に即応した解決方法もとらなければならぬというふうに、決して一ぺん話合いができたから、それでいいのだというようなことではなく、常々こういう問題につきましては怠りなく、欠損を一銭でも減らすという心持で参らなければならぬことは御指摘の通りでありまして、個々の案件につきまして、あるいはこの席におきましては、御納得の行かぬ点があるかも存じませんが、政府といたしまして、そういう考え方で当つておるということをお答え申し上げます。
  35. 三宅則義

    三宅(則)委員 今東條政府委員のお話でございますが、今までは決算委員会を軽く見ておつた、こう言われておる。私は軽いものではないと思う。たびたび言うことでありますが、法人の会社における決算報告の総会は、一番重要に考えております。でありますから、今の東條さんの言の一部分を利用いたしますならば、公正証書なつたとか、和解調書ができたからそれでよろしいというようなことは、一時のがれでありまして、官吏の責任回避には最も適当かもしれぬが、われわれ国家を思う念からすると、不満足である。こういう意味合いにおきまして、以後かくのごとき案件につきましては、いつ和解ができたか、公正証書なつたか、その後今日に至りますまで、どういう状況で、入つているか入つていないかということの表をお出しなさらなければ審議はしない、私はこういうことを委員長を通じて申し上げますから、どうか政府当局の意見を委員長に御回答願います。
  36. 東條猛猪

    東條政府委員 ごもつともなお話でございます。あるいは個々の案件によりましては、そういう調書が、ある特定の時期には間に合わないということがあるかもしれませんが、できるだけそういう御趣旨に沿いますように、資料は整えたいと思います。
  37. 中垣國男

    中垣委員長 食糧品配給公団関係につき、ほかに御質問ございませんか。——ただいま三宅委員審議を留保した点がございますが、その点は次会に審議するごとにいたしまして、以上で食糧品配給公団審議を一応終りたいと思います。
  38. 中垣國男

    中垣委員長 次に報告書二〇九ページ、肥料配給公団予算経理報告番号六九六、架空の名義で支払いこれを給与に充当したもの、報告番号六九七、規定外の給与等を雑損に処理したもの、及び報告番号六九八、予算の制をみだつたもの、右三件を便宜上一括して公団関係者より説明を願います。
  39. 永尾福藏

    ○永尾説明員 私肥料配給公団清算係のものでございますが、お許しを得まして一言ごあいさつ申し上げたいと思います。ごあいさつでもございませんが、当時の経理局長はすでに退職いたしまして、親しく御説明申し上げることができないのでありますが、その当時からおりました主計課長が現在も在職いたしておりまして、事案内容につきましては、詳しく承知しておるはずでございますので、その内容につきましては、便宜主計課長から御説明申し上げることを御了承を得たいと思います。
  40. 工藤忠吾

    ○工藤説明員 御説明申し上げます。  六九六号、架空の名義で支払いこれを給与に充当したもの——これは検査院の報告通りでございまして、まことに遺憾でございます。従つて当時責任者であるところの大阪支部長を東京本部に呼びつけまして、既定配分予算内ではあつても、それは支給してはならないものであるということを厳重に警告いたしまして、今後は絶対にやつてはならぬということによつて、本人を戒告したわけでございます。その後調査いたしましても、これらに類した支出はいたしてございません。  それから六九七号、規定外の給与等を雑損に処理したもの——これは昭和二十三年、同二十四年、両年度にわたりまして、二億一千十六万余円の規定外給与を支給したのでございます。これは検査院のお示しの通りでありまして、不当な支出であります。従つてこれに対しましては、その後検察当局の調べがございまして、起訴され、しかもこれが最近に至りまして判決がございました。すなわち昨年の昭和二十六年十二月判決がございまして、責任者であるところの当時の鈴鹿総裁、これは二年六箇月、それから古江副総裁、これは一年八箇月、それから池田経理局長は一年六箇月、これらの人は、ともに執行猶予三箇年という刑の言渡しがございました。なおこれにつきましては、鈴鹿総裁は服罪し、他の二名は目下控訴中でございます。ところで当時の状況を御説明いたしますと、労働攻勢と肥料の国家的重要性にかんがみまして、ストライキ等のことによつて、重要な食糧政策の上に問題を起すことは遺憾である。もしそういうことでもあれば困るということによりまして、どうしてもその要求を拒否するというわけに参りませんで、やむなく支出したものでございます。  それから六九八号の予算の制をみだつたもの——これは予算の策定にあたりましては、当時の司令部のゼーハスさん、この方の大体査定を受けたわけでありますが、当時の査定の方法は、きわめて実情に沿わない、要するに通信機関の発達とかなんとか、そういうアメリカ式の方法にとらわれまして、日本の実情をくんでもらえなかつたという事情もあつたと思います。従りて五百五十九に達するところの出張所、あるいは五十何箇所に達する支所等に対して、予算はとうていまかない切れなかつた。しかも政府の要請によりまして、と申しますのは、資金回収によつてインフレを食いとめるというようなことが要請されまして、緊急配給とかいうようなものが再三行われまして、とうてい従来の予算ではできなかつた。では、なぜそれを補正予算に持つて行かなかつたかということになりますが、それも当時の状況からいたしまして、二十四年度は補正予算ができておりますが、二十三年度はそれができなかつたという事情にありますので、やむなく事業運営費からそれらの経費を支出いたしまして、どうにかこうにか公団の運営を続けて来たという実情であります。  以上でございます。
  41. 中垣國男

    中垣委員長 ただいまの説明に対しまして、直接監督に当られた農林当局より、その説明を求めます。農林省農政局肥料課長長尾説明員
  42. 長尾正

    ○長尾説明員 ただいま六九六、六九七、六九八の件につきまして、工藤説明員から御説明がありましたが、農林省としましては、肥料配給公団の、特に配給面におきまして重大なる関心を持ち、またその方面において、経済安定本部から指示されました数量の的確なる配給という点に重点をおいて、肥料配給公団を指導して参つたわけであります。ただいま工藤説明員から説明がありました点については、いろいろ当時の肥料の状況としまして、時期に間に合わすという観点からして、公団当局へ適期配給という点をいろいろ指示して参つたのであります。ここに掲げてあります点の中で、直接予算の点ということになりますと、これは二十四年度からは、普通の国家予算と同じく、公団大蔵省と折衝されまして、予算内容を規定されるというときでありました。いろいろその間こういう事態が起つたことにつきましては、農林省としましてははなはだ遺憾であり、またかかる事柄の惹起されました点については、その都度公団から報告を受けまして、今後の戒めといたしますとともに、特にそれが肥料の配給に支障を来さないように、十分当時監督して戒めて参つたわけでありますが、こういう点が会計検査院から指摘されましたことは、まことに遺憾でありまして、この点御了承いただきたいと思います。
  43. 中垣國男

    中垣委員長 会計検査院側に何かありましようか。
  44. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 別にございません。
  45. 中垣國男

    中垣委員長 それでは御質疑を願います。
  46. 田中角榮

    田中(角)委員 六九六に対して、会計検査院に二、三質問を行います。六九六は、金額にしては小さい問題でありますが、私たちが常にこの問題を取上げておりますので、特に肥料配給公団というものでなく、一般的なこの種のものに対する会計検査院の見解をただしたい、こう考えております。これは予算を費目流用をしたという六九八と違つて、ある意味においては特別給付、すなわち詐欺行為を行つた、こういうふうに見られるのでありますが、これに対して会計検査院はどういうふうに処置をせられたか。なおこの種の批難がたくさんあります。なおこういうふうなことを行つておるものが、現在まだ刑事事件として引続き係争中のものもあるのでありますが、これに対する見解があれば、承つておきたいと思います。
  47. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 ただいまの御質問でございますが、六九六の案件に関しましては、記載してあります通りに、架室名義で支払つて、はなはだ不当な経理なんでありまして、これに関しまして、まず第一にこの検査報告に掲げまして、国会の皆様の御審議を願うこととしたのであります。なおそのほかに、ただいまの御質問は何か懲戒処分か弁償処分か、そうした処置をしておるかどうか、こういう御質問かと思いますが、この公団に関しまして、検査院として弁償の検定をなし得るという、いわゆる予算執行職員等の責任に関する法律というものが出ましたのが二十五年の五月でありまして、官報が発送されましたのが六月であります。それからあとの分に関しましては、本件のような例に対しましては、懲戒処分の要求なり、ことによつては弁償の検定なりいたすことにして、着着現在審理されております。本件に関しましては、その法律の公布前でありました関係もありまして、この検査報告に掲げた以外の処置は講じていない次第であります。
  48. 田中角榮

    田中(角)委員 会計検査院は、予算費目を変更して流用したというのではなく、厳密な考えからいうと、刑事訴追を受けるとも解釈せられるこの種の案件に対して、現在の状態でお考えになると、どういうふうなお考えを持つておられますか。
  49. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 本件のような事態が、現在ありました場合、これは当然まず第一に法令に違反した支出をしたことになります。といいますのは、公団職員に関しましては、定期乗車券購入資金を交付することができるという規定はございません。それで法令違反の支出で国に損害を及ぼした、こういうことになりまして、当該支出を決定した職員に対しまして、弁償の検定をして弁償を要求するか、あるいは——これは検査官の会議によつて決することでありますが、当該事案が法令に違反しているけれども、いろいろな事情からいつて、いわば予算目的外の支出と考えられるような支出であれば、弁償処分の要求までは行かずに、しかしながら懲戒処分の要求は当然しなければならない、こういうふうに考えております。
  50. 田中角榮

    田中(角)委員 これは最高裁判所の方々にお聞きすれば、一番いいのでありますが、こういうことは、あなた方会計検査院は違法性を指摘すればいいのでありますが、さらに一歩進めて、悪質なものに対しては会計検査院法を発動しなければならぬ。しかしながら、あなた方はなかなか発動されないようであります。しかしあなた方が検察庁の役目をやられるのではないのですから、おやりにならなくても、あえて申し上げられないのでありますが、いわゆる違法性という場合に、あなた方が十分お考えなつておつて、いわゆる刑事訴訟法上の責めを負わなければならないではないかというような費目を流用したというのはありますが、私は前にも申し上げたのですが、いわゆる予算費目を変更して高級車を購入した、それからいろいろな宴会費、接待費に流用した、しかしこれは究極は国家のために使つたのだ、こういう事例がたくさんありますが、いわゆる特定の職員に対して特定な恩恵を与える、また特定の職員だけが特定の給付を受けるということは、ある意味において、私は公金横領であり。詐欺であると思うのです。この問題に対しては、相当むずかしい問題があります。私は大蔵大臣も、会計検査院もお呼びして、別な委員会で相当問題を起したこともあります。こういうことが年々歳々あるのですから、会計検査院もこういう問題に対しての見解は、相当はつきりされてよろしい。金銭の多寡によらず、こういう問題は会計検査院法を発動する、こういうふうにされたらよいと思うのですが、どういうふうにお考えなつておられるか。私はあなた方には何回か申し上げているのですが、これに対して、はつきりした見解をいまだ披瀝されておらないようであります。どういうふうにお考えなつておられるか。
  51. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 先ほど申し上げました通りに、予算執行職員等の責任に関する法律が施行されましてあとは、こうした事態は少くとも全部懲戒処分の要求をいたしております。現在これが、逐次それぞれ出つつあります。その中の特殊なものといいますのは、それが国のために使われたのではない、どうも特定の個人の利益のために使われたものと、いろいろな証拠で認められたものは、当該支出官なり、資金前渡官吏に対しまして、弁償の検定をいたしております。これもすでに新しい予算執行職員法律の手続に従い、決定いたしたものがございます。
  52. 田中角榮

    田中(角)委員 農林省にこの問題に対してお伺いいたしますが、監督の責めに任じておられる農林省は、肥料公団大阪支部に対していかなる処置をとられたか。
  53. 永尾福藏

    ○永尾説明員 お答え申し上げます。この点につきましては、当時公団の方からこういう話がありまして、特に公団責任者を呼びまして十分今後を戒め、またそれが他の公団職員に十分今後の戒めになるように訓戒をいたしたと思います。
  54. 田中角榮

    田中(角)委員 そうすると、訓告、戒告だけであつて、退職を命じたり、懲戒免官にしたというような例はないのでありますか。
  55. 永尾福藏

    ○永尾説明員 その職員については、総裁が任免される権限がありまして、私の方からは、その処置を命じたことはありません。
  56. 田中角榮

    田中(角)委員 私はただこの六九六だけをとらえて言うのではなく、こういう問題にはつきりした定義を監督官庁が持つておられないというところに問題があります。先般も本委員会でもつて、国鉄の小さな問題を掘り下げたのでありますが、いもゆる運輸省の監督権限というものが非常に稀薄になつておる。それで特に例をあげて、場合によつたら一部皮肉つたような言い方になりましたが、どうも監督官庁そのものが、ルーズなと申しますか、戦後特殊な事情下に生れたものの中に、まつたく栄転でもして行くようなつもりで人事異動が行われておる。こういうような状態を続けたならば、日本の行政機構は、いわゆる新憲法下、ほんとうに新しい目的を持つてうまく運営せられて行かない、こういうふうにも考えるわけであります。昔の批難事項を見ますと、御承知通り、大体起訴か、不起訴かというものが批難せられたのでありますが、戦後は非常に経理がむずかしくなつたのと、いろいろな法律が出まして朝令暮改式な状態がたくさんあつたという意味で、被疑事件になるのか、ならないのかというような見解はお互いに違うとは思いますが、会計検査院として違法性を指摘し、国会報告する場合には、たくさんの数の中から載せなければならぬ。こういうことは好ましくないことである、こう思いながら、会計検査院法を発動するまでには行かない。私はこういう問題に対して、少くとも国民の血税をもつて執行しておられる行政官庁というものは、相当強い責任を持つてもらわなければいかぬ。私たちは自由党でありますが、行政整理を行う、機構の再編成、簡素化を行う、こういうときになると、まつ向から反対であります。まさに自由党が反動であり、首切り役であるようなことを言いながら、こういう予算費目を流用する、パスは買う、家は買う、高級自動車は求める、待合の勘定はお前払えという議決を突くにやらせておいて、その責めはみな自由党であるといわかたのでは、これはどうにもならない。私たちはそこを言つておるのであります。われわれは自由党なるがゆえに、今自分が予算を組むためにいろいろな難局に逢着しておるから、特に八つ当りをするようなことではなく、非常にわれわれが無理をして、実際今問題になつておる遺家族の問題などは、一人何千円、何百円という問題でもつて、毎日党では会議を開いております。私はこういう批難事項を見るときには、少くとも各委員会を通じてみて、決算委員会ほど説明員出席をせられる委員会はありませんが、悲しいかな、常設委員会がたくさん設けられてから、決算委員会委員出席率はあまり芳ばしくありません。この問題は非常に大きな問題であり、あなた方は相当に辛辣に突つつかれるとお思いになつて、これだけのメンバーをおそろえになつておられるのでありましようが、委員の不勉強もありましよう、私たち自身も戒慎しなければならないところはたくさんあるのですが、こういう同じものを、何時間も説明せられておつて、以後気をつけますと言つても、一つも気をつけておられないということでは、私は掘り下げなければならないと考えておる。私は午前中予算委員会で、経済問題の非常に困難な問題の質問を行つたのでありますが、予算をきめるときは、非常に大きくやりますが、決算ということになると、もう使つてしまつたんだからしようがない。決算委員会も、あやまれば何とか通してくれるだろう。とにかく国会が承認を与えても与えなくても、いわゆる現行憲法下においては、会計検査院が最終確定を行うのだから、要は一応報告すれば足りるのだ、こういうのであつては、私はもうどうにもならないと思う。だから、少くとも批難されることは、みな悪いことであつて、何もあやまられる必要もないし、またわれわれも全部掘り下げようとは思つておりません。私はこの六九六だけを言つておりますが、——六九七のような大事件もあるのですが、要は六九六に対して、主務官庁である農林省が優柔不断な処置をとつておられる。しかも長いこと私たちも申しておるのでありますが、これに対して明確な考えをおきめになつておらない。会計検査院は、憲法の許すところ、違法性を指摘すれば足りるのである。こういうのであれば、私は過去四、五年間にわたり、本委員会で、会計検査院の権限拡大を説きはしないのであります。憲法で明記された、ただ一つしかない会計検査院の使命というものは、違法性を指摘するだけでなく、いかに国費の執行を適正ならしむるか、こういうところにあるのであつて、こんな問題はどうですということを、少くとも検察庁とも御連絡願つて、あなた方がこの種のものを批難事項としてあげられる場合には、明確なる結論を御発表になれるようなところまで行つてもらわないと、私は国費の適正執行はできないと思います。私はあえてこれ以上申し上げません。私が野党であれば、もう少し掘り下げるのでありますが、何分にも与党でありますし、私たちは実際今の状態でもつているくなことを批難られ、批判せられておるとき、自由党の党員としては、公団批難事項でも掘り下げて行けば実にうまいのです。これはみんな社会党の時代につくられたのだというくらいなことで掘り下げて行けば、実におもしろいのですが、そういう考えを持つておるわけではない。しかし実にいろいろな経済的な混乱の時代もありましたし、好むと好まざるとにかかわらず、この種の機構でもつてやらなければならなかつた時代でありますので、いろいろなマイナス点はありますが、公団組織ほど日本に偉大なるマイナスをもたらしたものはありません。いかにインフレの状態であつても、全部の公団を合せると数百億円に上るということであつたならば、これはたいへんな問題であります。防衛費などの問題をやるよりも、われらは翻つて公団の実態をつくべしというところにあるのであります。かような問題にかかわらず、監督官庁の方々は、もう古い問題であるし、しかも全然その当時は処罰をしておらなかつた。しかも会計検査院は、当時予算執行職員等に関する法律云々というお話もありましたが、私はそうではなく、議会の議決を経た国民の金を執行するには、これはやはり寸毫も汚職があつてはならぬ、こういうふうに考えます。われわれは自分の金を選挙に使つてもとやかく言われるのに、月給をもらいながらいろいろ違法なことをやられても、しかもそういうような支出をしても処罰を受けないという感覚は、徹底的に改めなければならぬ。私は一ぺんずつ、批難されておる各官庁の方々に申し上げておるのです。だからこれだけに申し上げたのではなく、私は今まで各省が参りますと、同じようなことを一回ずつ憎まれ口を言つておるのですが、委員会において、ただ答弁がうまく通ればいい、われわれもただ大向うをうならせるような演説をすればいいということでなく、いかにして困難な日本を切り抜けて行くかということに対しては、お互いに熱意を持たなければならぬ、あなた方が熱意を持たれるならば、あえて刑法を犯した人さえも、訴追を受けた人たちでも、講和條約が発効したあかりきには大幅な大赦が行われるというときに、私たちはこんな、場合によつてはどうにもならない、決算はもう最終確定を会計検査院において行つたものだというようなことを掘り下げようとは思わないのです。われわれの言うのは、ただこれからほんとうにお互い同士の力でもつて、うまくやつて行かなければならぬ。しかも非常に国民に信頼せられる官吏になる、国民に信頼せられる代議員になるというためには、お互い自身やはりいやなことも言い合つて、こういうことは再び出さない、これも前のことは言わず、少くともこれからこういう事態があつたならば、厳重なる処罰を行うというくらいなおふれは当然出さなければなりません。私も決算委員だけはずつとやるつもりでありますので、この種の問題を同じ方々が、来年にも、再来年にも、しかも私が発言してから以後においても、こういうものが陸続と批難せられるというような場合には、私は相当突つ込んだ、場合によつてはきらわれるいじめ方もやりたい、こう考えております。だから、こういう問題は、私たちや与党の大臣が出ておりますので、大臣にも厳重に申しますが、あなた方もお帰りになられたら、きようは決算委員会でうんとやられて来た、二度とやつたら承知しないぞ、こういうお話がありましたということは御報告なつていただいてけつこうです。けつこうというよりも、当然やつていただいて、そうして私たちが、決算というものは国会報告をされなくても、会計検査院にまかせておいて楽楽とやれるというようなことになれば非常にいい。  もう一つ最後に申し上げますと、今までの状態で行くと、これはだめだ。国費の支出が適正を期さないから、経済調査庁をつくろう、査察庁をつくろう、検察陣を入れよう、公共事業監察法をつくろう、こんなことを言つておつたならば、官吏はふえるばかりであり、行政権限の紛淆を来すようなおそれがある。だから私は絶対にこれに反対して来た。そうして今までうるさいといわれながらも、会計検査院の権限拡大の法律に対しては、私は熱意を持つて四、五年やつて参つたつもりです。だから、そういう意味で、これ以上手数をかけたり、これ以上国民に信を失うようなことは、お互いに慎まなければならない。私も与党の議員でありまして、この一半の責任は、当然今の憲法下では負わなければならないと思つておるのでありますが、これくらい有能な方々が、何にもならないことでこれだけ顔を並べて、いやな一日一日を毎日やるということを考えたら、これは偉大なる国損であります。あなた方が、こういうことは絶対にしませんということが、もし言えるならば、決算委員会は、もつともつと簡単でいいはずだ。しかも各省の心臓を押えておられる、各省のほとんど全部の金庫を背負つておられる方々が、一日全部ここにお並びなつておられるではありませんか。私はそういう意味で、少くとも今非常に忙しいときであり、大事なときであるだけに、皆さんがフルに動いて、私たちと皆さんの間でいやな思いをしないでもいいように、国民の前に大手を振つて歩けるようにやつていただきたい。私の希望を申し上げておきます。
  57. 中垣國男

    中垣委員長 大上委員
  58. 大上司

    ○大上委員 当委員会に私は東條さんが出て来る必要はないと思つておつた。また私自体が大蔵省へわざわざ御丁寧に連絡しておいたのですが、お見えになつておるので、そんなに出たいものなら二、三お尋ねしたいと思います。  まず第一にお尋ねしたい点は、これは予算編成の上からであります。公団等においての経理の扱い方が、これは俗語で申しますれば商業簿記と申しますか、単なる複式的な利潤追求物簿記の形式によつておらない。いわゆる財政法、会計法その他から見れば、まつたく官庁会計なつておる。そこで機動性を持たない、こういう点が欠損の一つの大きな原因になりはしないか。また清算事務を履行させた今日、それが非常に障害がありはしないか。それでその当時のこれに関係した立法をなさつたお方を、特に委員長に要求して、当委員会に出てもらいますと同時に、東條さんにお尋ねしたい点は、今日のわが法治国上、またあらゆる法律から見まして、これを訂正することは非常に不可能だと思うのですが、そこで特に指定してみます。肥料公団については、非常に私は文句がある。そこでこの公団では、かつて二十四年度の——清算前でもけつこうです、以前に皆さんの本省の方へ特別会計またはそれに類する予算を申請なさつたと思うのです。これは公団がもしもそういうふうな措置になつておらなかつたら、農林省の方でけつこうですが、大蔵省の査定と、お出しになつた要求額とに相当ギヤツプのあることは、われわれ常識的によく聞いておるのです。それでこの会計年度になるべきものの内容、それからそれの査定された額、その査定された理由を見せていただくならば、次の批難事項なつている六九七の規定外の給与を出すというようなことはなかつただろうと思うのです。その点特に資料としてお願いしたい。答弁はいりません。  次にお伺いしたいのは肥料配給公団ですが、どうも解せぬことが多い。まず第一に、昨年の二十三年度の検査報告の折りの批難事項等から見て、解散直前七、八十万トンと心得ておりますが、それだけの滞貨があつた。そこで農林委員会の方におきまして国政調査をして、それを議長に提出しております。それは特に肥料在庫状況調査ということになつておるのですが、その当時の委員長は千賀康治君でございます。これについて三重、愛知、岐阜等を調査の結果、在庫肥料の貯蔵方法が非常に悪い。どういうふうに悪いかと申しますと、ばら積みのまま集積されているものがある。それから会社が製造しておりますから、自社分と政府分との区分がまつたく不明瞭である。また数量の確認が行われておらぬものがある。こういうふうなことを指摘しております。この公団は二十五年七月三十一日に解散になつておりますから、二十三年度の会計検査報告に基いてわれわれが決算委員会でやつたのはその以前のものです。その折りの速記録を見ますと、特に清算人の、大蔵省からどなたか出ておられましたが、お見受けしますと、きようも出ております。そこで、さいぜん田中委員がおつしやつたことをむし返すわけではないのでありますけれども清算人は、これに対して一体どんな考えでおやりになつているか。特に清算といわず、まずこれの監督をなさつた農林省からお尋ねしてみたいと思います。
  59. 長尾正

    ○長尾説明員 ただいま肥料配給公団清算段階に入りますときの在庫、これが適正でないというお話であつたのでありますが、この点お話のように農林委員会で問題になりまして、その際肥料配給公団清算人の方で、在庫報告をいたされたと記憶いたしておりますので、その点は清算人の方からお答えいただけばけつこうかと思います。
  60. 濱岡好人

    ○濱岡説明員 ただいま清算に入りました際の肥料の在庫量につきまして御質問がございましたが、当時調査いたしました在庫と、処分いたしました実量とまつたく一致しておりまして、当時の在庫調査がまつたく正確であり、清算人が責任を持ちましてこの商品を全部売却いたしたのでありますが、その数量もまつたく合致しておりますことを御報告申し上げます。
  61. 大上司

    ○大上委員 そうなると、これはゆゆしき問題が出て来ると思うのです。それで農林委員長の喚問までは行きませんでしようけれども、対決をお願いしたいと思います。国会法上許されるならば、本委員会出席を求めたい。まずそれの資料を全部提出してもらいたい。各地ごとに自社分と政府分の確認が行われておらぬと、はつきり言つているのに、計数だけがぴつたり合うというのは、どうもふしぎである。そこでこの分についての資料を全部要求します。それに関連してお伺いしておきます。さいぜん三宅委員からお話があつたと思いますが、二十二年度から二十四年度に至る間職員に規定外の給与を二億一千万円支出している。しかも名義ははつきり給与ということになつているが、これの源泉課税はいかなる方法でやつておられるか。それから公団は源泉課税を今日まで行われなくて、これを債権債務と見ておるか。いろいろな問題がありますが、まずその点からお尋ねいたします。
  62. 濱岡好人

    ○濱岡説明員 ただいまの問題は清算公団に入ります以前のことでございまして、われわれが御説明いたしますのはいかがかと存じます。
  63. 工藤忠吾

    ○工藤説明員 二億一千万円の問題につきましては、これは源泉徴収いたしておりません。はなはだ遺憾なことでございますが、現在までに源泉徴収として大蔵省内に税金を納めてございません。  それからもう一つ、先ほどのお話にありました在庫調査のことでございますが、従来も各事業年度末におきまして在庫調査をやつておりましたが、従来の在庫調査というものは、遺憾ながら形式に流れる面が多かつたので、最後の二十五年七月の解散の時期になりますと、それが処分されることによつて数量がはつきりしなければならぬということで心配いたしまして、従来と違つた方法で行こうということで、たとえば経済調査庁あるいは大蔵省の管財の地方の財務部等の職員の皆様にお願いいたしまして、各在庫場所について実際に当つてもらつて、そして公団の帳簿と、それから実際保管されている商品と合うかどうかということについて厳重に調査いたしました。その結果、保管者からは——合わないものはどの辺で合わないか——合うものはそれでもちろんけつこうでございますが、合わないのが相当あるのでございます。これにはいろいろな状態、たとえばものがなくなりましたり、盗難にあうとかいうふうなことも、ございましようし、それから欠量等のこともございます。そういうことで相当食い違いがあつた。それはその当時それぞれの方法によつて、欠量のものは欠量というふうにいたしまして、保管者からはつきりした在庫証明書をとりまして、それの集計いたしましたものが八十二万トン、これははつきりと在庫証明書、いわゆる預かり証をとつているものから順次落して売却された数量で、現在におきましては処分が完了いたしましたのでゼロになつておる、こういうふうに考えております。
  64. 大上司

    ○大上委員 そこでただいま答弁がありましたが、前段の項というよりも、後段を先に申し上げます。先に資料の問題でありますが、これは特に三軍、愛知、岐阜の三県だけを地域的に要求いたしまして、資料が出てから再質問いたします。  そこで元の問題にもどつて参りますが、ただいまの御答弁によりますと、源泉課税はできてない、はなはだ遺憾だ。——ここで次の委員会に大蔵大臣出席を要求します。大蔵省当局は一体これをどう考えているが、これははつきり私は要求します。そこで次に、清算人はこれについてどのような処置をとつているか、現在まことに申訳ないでは済まぬ、どのような処置をとつているか、実例を聞かせてもらいたい。
  65. 濱岡好人

    ○濱岡説明員 ただいまの件につきましては、先ほど工藤説明員説明いたしました通り、当時の責任者でありまする総裁、副総裁、経理局長などが起訴せられまして、その後昨年の十二月一十五日でございましたか、判決があつたわけでございます。その判決によりまして、三人に関連する責任と思いまするけれども、そのうち総裁の鈴鹿氏だけはその判決に服しまして、他の副総裁、経理局長におきましては、目下控訴中でございます。そういう事情でございまするので、清算段階の今日といたしましては、その裁判の判決によりまして考慮するよりほかいたし方がないと考えております。
  66. 大上司

    ○大上委員 そうすると、私、次に尋ねる点も、また非常に関連性が多いし、答弁が満足なものが得られぬと思うのですが、それではちよつと前のことで、ただいまの御説明のお方がわからぬかとも思いますが、当時お引継ぎをなさつた折りに、源泉課税を徴収しておつたかおらないか、それをひとつお尋ねします。
  67. 濱岡好人

    ○濱岡説明員 当時の引継ぎといたしましては、こういう問題は具体的には引継ぎを受けていなかつた次第であります。
  68. 大上司

    ○大上委員 まつたくもつてこれは無責任と申しますか、われわれ唖然とします。なぜなれば引継ぎの折りに、いやしくも爾後こういうふうな問題、しかも計数を扱つておる問題——法理論的な解釈上の問題ではないのです。これは計数上の問題なんです。それをいわゆる引継ぎ事項に入れていなかつたということは、われわれは唖然とせざるを得ない。そこでまず引継ぎ事項のおもだつたものの資料を提供してもらいたい。そこで肥料配給公団については今日は質問しない。資料が出てから質問することにいたします。
  69. 中垣國男

    中垣委員長 この際清算人に委員長から要求いたしますが、肥料配給公団解散当時の引継ぎ在庫表並びにその後の経過と、もう一つは引継ぎ当時の給料に関する一切の書類等につきまして、資料を次会に提出を願いたいと思います。
  70. 濱岡好人

    ○濱岡説明員 ただいま私の説明が一部足りなかつたと思いまするので、ちよつと補足申し上げます。ただいまの六九七号に出ておりまする規定外の給与等につきましては、引継ぎの当時は、まだこういう事件があつたかないかということがわからなかつたのであります。それでありますので、自然引継ぎ事項には入つていなかつた、こういう意味でございますから御了承を願います。
  71. 大上司

    ○大上委員 それはただいまわかりましたが、一応文書で出してもらいたい。文書の出た上で、会計検査年度引継ぎの時期及び事象の年月日等を調査すればおのずから出るのだから、まず資料を出していただきたい。
  72. 中垣國男

    中垣委員長 次に報告二百十ページ、資金管理報告番号六九九及び七〇〇、資金管理当を得ないもの、並び不正行為報告番号七〇一、七〇二、職員不正行為に因り公団損害を与えたもの、以上四件を一括説明願います。
  73. 工藤忠吾

    ○工藤説明員 これは、当時公団職員は、宿舎の設備がございませんので、職員が漸次増加して参りまして、安心して職務に精励できるようなことを必要としたものでございますから、宿舎の買得をして、これを大蔵省に買い上げてもらつて、そうして安心して職務に精励できるようにしたいという考え方が、ございました。しかしその前に大蔵省から公団の基本金として六千五百万円借りておつたので、これを千五百万円だけいろいろ捻出をしてお返しいたしまして、これらによつてこういうふうな宿舎あるいは庁舎のようなものる建てていただくつもりで、われわれの方から千五百万円の金をお返ししたような次第でございます。ところが、その後順次状況がかわつて参りまして、これらの宿舎——庁舎は別でございますが、宿舎なりは全部買い受けてもらえるという状態でなかつたのでございます。従つてわれわれは、そういうふうな買上げを期待したのにかかわらず、買上げができなかつたために、一時仮払いの形をもちまして宿舎を買つたものがございましたので、ここにあります公団内部の共済会総連合会という組合に対して金を貸したものといたしまして、実は公団が建物を現実には建てたのでございます。これは検査院の御指摘の通りでございます。それでこれの回収にはどうするかということになりますが、現在清算段階に入りまして、売払い等によつて若干回収したものと、それからそれを処分することによつて大きなマイナスになるというものにつきましては、現物でもつてお引継ぎをするようにするのが有利だと思われるものがございますので、これは現物のままで引継ぐということに現在なつておる次第でございます。  それから後段の、「昭和二十五年三月に本部鈴鹿総裁に対し関係先立替金として七十三万円を支出したが目下返還交渉中であり近く具体的方法が決定する見込みである」というこの件につきましては、鈴鹿総裁、古江副総裁、池田経理局長、これらが横領したものなりというふうに検察当局から見られまして、そうして最近の公判におきましては、先ほど申し上げましたような結果になりまして、これは貸付金ではないというふうに裁判上はなつておるわけでございまするが、これらについきましては、古江副総裁、池田経理局長は控訴中でございます。  それから第七〇〇号、これは奈良支所におきまする問題であります。(一)の方に三十方円というのがございます。この三十万円につきましては、総体的には百十三万五千九百七十五円でございますが、そのうちの三十万円は、これは明らかに本人が横領いたしまして、そうして他の貸しつけたものでございます。従つてこれにつきましては、公正証書等をつくりまして極力回収に努めました結果、昨年の十月末に全額回収することができました。  それから農林中央金庫の奈良県代理所、これから預金を引出した者がありましたが、これはそのうちで九万六千六百七十円は出納簿の誤りでございましたので、これを訂正し、ただ保管料等に支払つたものでございまして、これは仮払いであつたのでございますが、要するに仮払いという資産勘定と負債勘定とを相殺したような形になつておりまして、これはあとで訂正いたしました。  それから二十三万円、これは相手科目のない出金伝票によつて出納簿から払い出したものがあるというような文面の御指摘でございますが、これは先ほど申し上げました規定外給与に関連があるのでございまして、会計検査院から御指摘になりました場合に、これはやみ給与であるというようなことで、よそに影響が来るということで、その支所係員が答弁に窮しておるというようなものであつたのであります。  それから(四)のあと四十万五千円というものは、これは勘定仕訳の誤り、要するに係員の事務不手ぎわによるものであつたということが判明いたしましたので、それぞれ処理いたしました。  それから職員不正行為に因り公団損害を与えたもの——これは目下損害賠償の民訴を提起しておるものが大部分でございまして、その中でも赤尾敬勇と窪田博雄、この責任連帯の分につきましては、回収額が二十七万六千九百十円三十五銭でありまして、現在二百十万三千二円八十三銭、これだけの残がございまして、これは回収に努めましたが、結局現在におきましても回収できませんので、これは大蔵省の方にすでに引継ぎになつております。  それから子島春男、この分につきましては、その後回収になりましたのが五万八千七百三十二円五十八銭残りが三十万一千八百五円六十六銭。これも右と同様に大蔵省管財の方に引継ぎ、資産として引継いでございます。  それから片岡利夫の分、これはその後全額入りまして、今はゼロでございます。  それから村上勇、この分につきましては、回収がございませんで、そのまま三十二万四千百三十円は大蔵省の方に引継いでございます。  それから山内某ほか十一名の商品代金横領にかかる件でございますが、これはその内訳を申し上げますと、中山保、これの分がその後回収に至りましたものは、五十九万二千七百六十五円四十銭で、残額八十三万八千七百六十四円九十二銭、これが現在残つておりまして、これも大蔵省に引継ぎ中でございます。  沢田進、これが回収額が一万四千九百二十一円、残額三十四万九千百七十一円七十五銭、これも大蔵省に引継ぎ中でございます。  それから榊原邦徳、この分は十一万三千六百六十七円の回収がありまして、その後の残は大蔵省に引継いでございます。  それから笠原義男、これは全額回収に至りまして、現在ゼロであります。  それから豊島長友、これが二十八万余残つておりまして、これが引継ぎになりました。  山内和三郎、これが一万三千六百十六円回収いたしまして、六百五十八万四千八百三十六円七十五銭、これを大蔵省に引継いでございます。  それから片岸清一、これにつきましては全然回収ございませんでそのまま引継ぎになりました。  それから瀧北一夫、この分につきましては八千円だけ回収になりまして、四十一万九千三百十三円は大蔵省に引継ぎになつております。  松本勇、この分は回収ございませんで、そのまま引継ぎになりました。  荻原一夫の分、この分につきましては回収ございませんで、全額大蔵省に引継ぎになつております。  岩間滋、この分は十五万六千七百三十八円を回収いたしまして、六十万四千九百二十八円三十九銭を残額として引継ぎました。  奥野梅吉、この分は回収ございませんで、全額大蔵省に引継ぎになつております。  以上のようなことで回収に努めましたが、回収がきわめて困難でございまして、その中で保証人等からも若干弁償等を受けまして、納めたものもございました。
  74. 中垣國男

    中垣委員長 ただいまの説明に対し直接監督に当たられました農林当局からその説明を求めます。長尾説明員
  75. 長尾正

    ○長尾説明員 ただいま工藤説明員から説明のありました資金管理不正行為の件であります。六九九号並びに七〇〇号、いずれも会計検査院報告通りでありまして、その点につきまして、監督の不十分であつたことを遺憾に存ずる次第であります。また不正行為の件でありますが、それは先ほど工藤説明員から説明しましたように、公団清算段階に入りまして、いろいろ徴収をやつていただいておるようであります。いずれも懲戒免職いたしまして処理したのでありますが、これも非常に監督の不十分であつた点、まことに遺憾に存ずる次第であります。
  76. 中垣國男

    中垣委員長 会計検査院側説明を願います。
  77. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 特に補足すると申すわけではありませんが、七〇〇号の案件であります。検査院の報告しました数字がわからないということで、検査報告としてはなはだ徹底しないように、あるいは見られるかと思いますが、これは実地検査に参りまして、こうした事態を発見いたしまして、当時の責任者であります松井某というものを追究したのであります。当時この松井某が呼吸器疾患で病臥しておりまして、どうもはつきりしないということでしたが、結局三十万円というものを当人がほかに流用しているということがわかりました。これは不正行為としまして、当然告発その他の手続をとるべきでありましたが、当人がすぐ必ず返すというので、告発して返さぬよりも返すならばそれまで待つたがよかろうというので待ちまして、これは結局最後は全部回収されました。あとの点がわからないので、再三再四、奈良支所に参るだけのこちらの余力もありませんでしたので、肥料配給公団の本部の方に厳重な調査方を依頼しました。その結果がただいま工藤説明員報告になりましたような結果になつておる次第であります。一応補足いたしておきます。
  78. 中垣國男

    中垣委員長 質疑を許します。田中君。
  79. 田中角榮

    田中(角)委員 簡単に一つ……。肥料公団が解散になつてから、この関係の方々が現在農林省関係におもどりになるとか、お入りになつたというような事例はありませんか。
  80. 長尾正

    ○長尾説明員 ありません。
  81. 田中角榮

    田中(角)委員 なければ非常によいのであつて、私はあると言つたら少しやろうと思つたのですが、これはこういうことなんです。またどこかでお顔を合せると思いますので、申し上げておきますが、大体、相当な翻臨を来す、これが普通の事業会社でありますと、株主総会で、事のいかんを問わずその軍役、社長は罷免であります。簡単にそうであります。会社の株主に損害を及ぼした行為、これは新商法では非常に強く言つておりまして、簡単に次の役員改選でお払い箱になつてしまうのでありますが、官庁はその点非常にうまくできておるのであります。大体訓告を非常にたくさん受けるような人が出世をするのであります。もちろん、訓告を受けるような方々は、出納官吏であり、係長であり、課長であるわけである。どこの省でありましたか私は次官か何かに申し上げましたが、あなたの経歴をほんとうに見たら、順調な経歴ではなく、訓告と戒告の連続じやありませんか、こういうことを申し上げた。そのとき御答弁はなかつたのでありますが、こういうことをたくさんやられておつても、局長になり、次官になるというような道が許されておりました。それで私は、そういう意味で、少くともこういう国損を招いたものは、それが回収に相当努力をされておる。ただ一片の戒告処分をしたり、実際まつたく名目だけの減俸処分にされたぐらいで、このままにしておくならば、全然こういうことは改まるところはない、こういうふうに考えておりますが、この問題に対しては、全然行政庁との人事の交流はないというのですから、これはまことに慶賀にたえないと思います。もしこれが農林省が監督不行届きなどということを言つておりながら、その幹部を農林省が全部引取るというようなことでありますれば、これは事件であると思いますが、そうでなければこれは幸いだと思います。  もう一つ簡単に申し上げますが、七〇〇の第三項の二十三万円、これは小さな問題ですが、会計検査院に伺いたいと思います。これは規定外給与をほかの伝票に切りかえたのでありますが、こういうものは合法的な費目流用なんですか。こういう問題に対して、あなた方の定規で考える場合、違法性を指摘すれば足りるのでありますが、たくさん同じようなものがあつても——横領とかいろいろなものは刑事訴追を受けますから、これは裁判所が決定することであつて、私から実は申し上げることはありませんが、いわゆる表に出して見ても、今までの判例では、悪質なもの以外は有罪にはなつておらぬ。実際幽霊人夫でやつたり、いろいろなことをやつております。しかしこれは判例としては横領を含まざるもの——特に悪質なものを除いては、有罪の判例はありません。そうすると、これは出して見ても大したことはない、まあ出さないに越したことはないということになると、これは一つの知能犯であり、もう一つはなはだしい言葉で言うと、共同謀議により同損を来すもの、こういうことになるのですが、こういう問題に対しては、私はいくらりつぱな人々でも、また厳重にかぎをかけておつても、外部から入るどろぼうが全部除かれるわけではありませんし、職員が不正をするということなどは、実際において今までのように非常にむずかしい機構の中で、全部が全部取締るということはできませんので、その責任を全部追究するということは無理かもしれませんが、こういう謀議をした者が一つの刑事訴追を受ける事件になりますと、犯人隠匿罪とか、偽証罪とか、証拠秘匿とか、いろいろな問題が起きるのであります。こういう問題に対して、会計検査院は特に会計検査院法を発動するというところまで行かなくとも、相当この種のものに対しては、厳重な通告をせられるのが至当であると思うのですが、特別なる処置をとられておるかどうか、
  82. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 ただいまの七〇〇号の三の点は、当時におきましては不明であつたというのであつて、その後の調査によつて、規定外の給与であるということになりました。規定外の給与であつたということが、わかりますれば、当然規定外給与を出すことは不当でありますから、規定外給与を出すことは不当であると検査報告に掲げることが一つ。それから先ほど申したことにもどるのでありますが、二十六年六月以降に、こうした事態がありますれば、予算執行職員責任に関する問題でありまして、懲戒処分の要求、次第によりましては弁償の検定をいたすというようなことになつております。現に二十五年度の検査報告の詮議につきましては、各案件につきまして予算執行職員等の責任に関する法律に該当するかどうかということを一々チエツクしまして、その分はただいま申しましたように、去年の末に終つたものもありますが、ただいま主としてそれの懲戒処分の要求の案を起案し、あるいはまた検定の案を起案する、こういう状態になつております。
  83. 中垣國男

    中垣委員長 本日はこの程度としまして、次会は二月十五日、午後一時から開会し、大上委員から資料が要求されておる点、並び質問が留保されておる部分、及び飼料配給公団、油糧配給公団、産業復興公団の三公団について審査をいたします。   これにて散会いたします。     午後四時七分散会