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三木説明員 六六五号は、北海道におきまして職員が証拠書類を不正につくりまして、公金を騙取した
事件であります。そのうち十一万二千円は補填されましたが、
残りの十九万四千円は、分割して納付させるようにいたしております。これは退職資金の例でございますが、その直接の例ではございませんけれ
ども、給料につきましても、戦後非常に毎たび給与改正がございまして、ベース・アップであるとか、あるいは勤務地手当の改変であるとか、いろいろなものがございまして、もしそういう扱い者の粗漏のために、騙取をされるような事例が起きましては、本人に対しても非常に気の毒であるし、もちろん
国有鉄道として、そういう不当な金を騙取されることがあ
つてはならぬことでございますので、昨年から各人別の給与額を台帳につくりまして
——、戦前はそれをいたしてお
つたのでありますが、戦後給与改正がたびたびあるのと、従事員が非常にふえたというような
関係で、や
つておりませんでしたものを、整然と整備いたしまして、こういう
事件が起きないようにと考えて、そういうふうにいたしました。
六六六号は、車両局工場の経理が当を得ないというおしかりでございます。その一は、ま
つたく正当な経理でないのでございまして、なぜこういうことをいたしたかと申しますと、
予算偏重と申しますか、
工事に対して
予算が出してあります。それに対して、もしそれ以上い
つたならば、当然決算はその
予算の改定を求めて、成規に決算すべきであるにもかかわらず、その成規の手続をしないで、
予算額にその
工事を合せるために
——車両工場は車両の修繕、改造等をや
つておるわけでありますから、そういうふうにや
つたのでございます。こういう
予算にとらわれた決算の仕方ということは、どうしても古い官庁会計と申しますか、そういう点の残澤がありまして、非常によくないことでありますが、いまだにそういうものが残
つておる証拠でございますが、こういうものをなくさなければならぬと思
つております。
予算が足りなければ、成規に
予算増配の手続をと
つてやるべきであ
つて、
予算内でやるということでは、形だけや
つておるので、な
つていないと思います。
その二つの成規の取扱いによらないで、所要
物品と余
つた物品との交換をいたしましたことは、これも非常に間違
つたことでございますが、当時におきましては、非常に
物品の入手が、戦後のことで順調に参りません、配給の機構も十分に動かないために、
仕事がかわいいからというので、不要な
物品と交換に所要の
物品を取入れた、そのこと自体が悪いばかりでなく、
物品の準備なり配給なり、そういう事務が円滑に行
つていないということを証明することでありまして、こういう点については、一層
研究とくふうを重ねまして、最小の貯蔵品で、そして適時に適当な
品物が適当な数量入るというふうにやらなければいけないと思います。今年度の試みとしましては、第二貯蔵品というものをつくりまして、ウォーキング・ストックと申しますか、常に所要な
品物をその
工事をする場所に貯蔵させまして、それがある部数不足して来たら、第一貯蔵品から補填を受ける、こういうふうにしたらば、もう少しうまく
品物がまわらないか、こういうような考えで、第二貯蔵品という制度をつく
つたのも、そういう考えから出発いたしておるのでございますが、いまだに十分に適時に適品が適当する数配給されるというところまで参
つておりません。特にオープン・ビッドを採用いたしましてから、報告の時間なり、あるいはビッド後のネゴシエーシヨン、そういうようなものに相当の日数がかかりますのと、もう
一つは中央調達をいたしまして、
納入箇所が非常にたくさんわかれるというような
関係も、相当考慮しなければならぬのじやないかというふうに考えております。現在におきましても、うまく行けるというような実情でありますが、さらにくふうを重ねて、
——もちろん形式的に
物品をほしいままに交換するというようなことは、や
つてはならないことでありますが、さらにその
物品の配給ということについて、十分
研究しなければならぬと思
つております。
六六七号は、ま
つたくこれも非常に粗漏なことでありまして、
価格が改訂にな
つておるのを、旧
価格のままでや
つてお
つたということでありまして
関係者に対しては厳重に
注意を喚起いたしました。
六六八号、これは御承知の
通り、山田線が台風によ
つてこわれてしまいまして、そして不通にな
つたのでございますが、あそこには御承知の
通り製鉄に非常に大事な鉱石が出るのでございまして、せめてそれだけでも出して、塩釜の港から船積みしてやらなければ、製鉄に非常に大きな支障を来すというので、急いでその復旧をや
つたのであります。その急いでや
つた際のはしけだの、輸送方法についてのおしかりでございます。当時はあそこに貨物定期船がございませんで、機帆船だけであ
つたわけであります。それで機帆船の単価で
契約を結びましたが、高い単価であ
つたものでありますから、鋼船を船会社の方でまわして、そして積んで行
つたのでございます。
会計検査院で言われるように、もつと鋼船について、定期航路はありませんけれ
ども、何かこういう途中で便宜寄港することができるかできないか、
研究を怠
つたことは、非常に申訳ないのでございますが、非常に急を要したのと、定期船がないので、なかなか鋼船を探すということもむずかしいというので、機帆船の単価で運賃を出しました。ところが現実には船会社の方へ鋼船で一時納めてや
つたということでございます。こういう
予定価格をつくる場合には、そういう点も
注意しなければならぬと思います。
それから六六九号は、ドラムカンの借入料についてでありますが、報告書にも書きました
通り、借料について公定
価格がございませんので、
昭和二十三年九月十四日の物価庁の告示によりまして、そういうものを参考といたしまして、一箇月の借料の基本を二百円としたのでございます。しかしそれには掃除代、修理代というようなものを引くべきであるというので、年間三百円、一箇月二十五円というのをそれに当るものと考え、それだけ差引いた百七十五円というので、
契約いたした次第でございます。
六七〇号の海底ケーブルの引揚げ
契約及び監督当を得ないもの
——契約自体も、
会計検査院では、海軍のものと電通省のものと、もつと
契約内容を
はつきりしておけばいいのに、非常に漠然たる、どちらも入るような
契約のやり方で、
契約の内容がよくないという御
意見でございます。しかし、実際は海軍のものも電通省のものもあ
つたそうでございますが、ともかくも、それよりもむしろ引揚げ請負
業者が引揚げたものの検収をするのに、検収が非常に
——電通省のものと海軍のものでは、違うわけでありますから、当然そこには特段の
検査技術者を配置して
検査すべきにもかかわらず、そういう措置を講じないで、ただ気をつけろというくらいで十分な
技術的の判断ができる人を特に配置するとか、そういうものに検収させるというような手段が講じてないのであります。しろうとにはなかなかこれは鑑別がむずかしいのでございますし、特に検収係というようなものの定員も非常に少いので、特にこの
注意を喚起しない場合には、員数の検収ぐらいしかできないのであります。その性質なり性能なりの検収というものは、相当特に
注意をいたさないと、粗漏になりがちなのでありますが、当時におきましては、特にそういう欠員も、そう熟練者もありませんでしたし、そういう
事情で間
違つて引揚げたものをそのまま納めさせて、
あとで電気通信省から抗議を受けて気がついた、こういうはなはだ申訳ない実情でございます。