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滿尾委員 ただいまの御
説明では、行政
方針だ、自由裁量の範囲だという
お話でありますが、
日本の行政官庁の自由裁量も決してほしいままなる自由ではないのであります。もとよりその国の行政でありますから、これは條理の
原則に従わねばならぬ。明らかに條理の拘束がある。
従つてこれは行政
方針の範囲だからおれはか
つてにきめるのだ、どんな業者にどんなやり方をしてもいいのだというお
考えがあるならば、これはも
つてのほかである。官庁はその事柄自体において悪をなすことはできない。
従つて外貨を割当てるについては、一定の根拠に基いて公平に扱わなければならぬ、機会均等に扱わねばならぬから、役人が好きなように、おれが好きなように外貨を割当てるとい思想があるならば
——まさかそういうことはないと思いますが、それはおかしい。外貨を割当てられるにつきましても、われわれは條理の
原則に照して批判をするのです。
従つて法律上では、なるほどそのデイーラーが
日本人に売
つてもその売買を違法なりとはしていないのです。確かに
法律上の根拠はないから、あなたは
日本人に売ることは法規上悪いと言うことはできない。
従つてこの次のことで手を締めるぞ、手を締めるということは、
日本人には売らさないという事実上の効果を発生する。あなた方は形式的に逃げるかもしれませんが、実質的効果から言えば、
日本へは米国製新車に乘るべからずという制札を立てられている。これは実質的に
考えて国民の華本的権利を侵害している。
自動車そのものの
輸入を禁止すればいいのです。門戸を開いておいて事実上は米国製新車に乘らさぬということはおかしい。もしそういうことをあなた方がお
考えにな
つて、国の政策上必要がないとすれば、ぜひ
法律的
手続をと
つて公明正大にや
つていただきたい。国の行政
方針というだけで、行政官庁の局長の
通牒だけでさようなことが行われることが私は非常におかしいと思う。もしそうなら
稀少物資云々ということを、
法律の條項の附則別表にでもお入れにな
つて、必要な
手続を覆んで、堂々とやられるところに
わが国の法治国たる価値があると私は思う。その点を省略して、簡單にそういう重大な効果が発生する、その効果の発生した結果がどう
なつたかというと、五二年のビユーイツクは新車で二百五十万円しかしない。ところが五一年のビユーイツクが今日
日本の市場で三百万円以上する。こんなばかげたことが世の中にありますか。世界中絶対にない現象のよ
つて来たことは、この
通牒の効果がしからしむることであ
つて、国民経済の上に非常に損害をこうむ
つているとわれわれは
考えている。
従つてドルを回收したい、なるほどその気持はわかります。このOASデイーラーの
関係、あるいは外貨のタクシーの
関係等におきましては、十分なる
ドルはかせいでいるのです。なるほど
国際收支も大事です。
ドル貨のバランスも
考えなければならぬ。しかしその
ドルのバランスを
考えるのもいいが、全部
自動車だけに
ドルをしわ寄せしておられるようにわれわれは感ずるのですが、他の
物資等については、どういう
措置をと
つておられるか。
自動車だけがえらくその点目のかたきにされているようにひがむのでありますが、これは私のひがみであるか、御
説明願いたいと思います。