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1952-04-19 第13回国会 衆議院 経済安定委員会 第18号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十七年四月十九日(土曜日) 午後二時一分
開議
出席委員
委員長
前田
正男君
理事
志田 義信君
理事
多田 勇君
理事
永井
英修
君
理事
有田
喜一
君 岩川
與助
君
小野瀬忠兵衞
君 圖司 安正君 奈良 治二君
福田
喜東
君 渕 通義君
笹山茂太郎
君 林 百郎君
出席政府委員
経済安定政務次
官
福田
篤泰君
経済安定事務官
(
総裁官房長
)
平井富三郎
君
経済安定事務官
(
外資委員会事
務局長
)
賀屋
正雄君
委員外
の
出席者
専 門 員
円地與
四松君 専 門 員
菅田清治郎
君
—————————————
四月十九日
委員横田甚太郎
君辞任につき、その補欠として 林百郎君が議長の指名で
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
外資
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(内 閣提出第一三一号)
—————————————
前田正男
1
○
前田
委員長
これより
会議
を開きます。
外資
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
を議題とし、質疑を継続いたします。
有田喜一
君。
有田喜一
2
○
有田
(喜)
委員
実は
周東安本長官
にお尋ねいたしたいと思
つて
いたのですが、
ちようど
本日御旅行中のようでございます。幸い
福田政務次官
が見えておりますから、
福田政務次官
にお伺いしたい。
福田政務次官
はなかなか大
政治家
であり、大
政務次官
でありまして、特に
吉田総理
の側近でもあられるので、ひ
とつ
政府
の代表として明確なる御
答弁
をいただきたいと思うのであります。 まず第一にお伺いしたいことは、
吉田総理
がこの間の
施政方針演説
で、
外資導入
の
必要性
を非常に力説され、
わが国経済
の急速なる復興と
発展
は、
外資導入
に待つにあらざればこれを望めないと、こう言われた。そうして本年の
政治
の目標は実に
外資導入
にあるというような印象を強く與えられた。続いて
安本長官
、あるいは
大蔵大臣
、また過日の
予算委員会
における
吉田総理
の御
答弁
なんかから伺いますと、
外資
に非常に大きな
期待
をかけられておる。またいわゆる
政治借款
が今にも成功するように言われておる。私もこの
委員会
で、
周東安本長官
に対して、
電力外資
の
見通し
について
伺つた
が、その結論として
周東安本長官
は、非常に
見通し
は明るいという御
答弁
があつた。ところが過般の
マーカツト声明
によりますると、
政治借款
の不可能は明らかと
なつ
た。その後いろいろと
政府
にただしてみますと、どうも
政府
の御
答弁
があいまいなのであります。
政府
の御
答弁
は、
外資導入
に非常に
期待
がかけられておる間は、その
必要性
を大いに力説され、少し危うくな
つて
来ると、
外資
が入
つて
来ればいいがというような
程度
であ
つて
、非常にその辺のところがあいまいである。そこで私はこの際伺いたいのですが、一体
外資導入
の問題に対して、
政府
はいかなる
考え
を持
つて
おられるか。
わが国経済
の
自立
のために、また
日本経済
の
発展
のために、どうしてもいわゆる
大量外資
といいますか、まとまつた
外資
の
導入
の必要があるということを
考え
られておるとは思うのだが、その点の
考え
方は依然としてかわ
つて
ないか、
政府
の
根本
的の
所見
を承りたいと思います。
福田篤泰
3
○
福田
(篤)
政府委員
お答え
いたします。
外資導入
の
必要性
につきましては、今次第三次
吉田内閣
ができまして以来、
総理
がしばしば言明された
通り
でありまして、
有田委員
の御
指摘
の
通り
であります。そして御
質問
の第一の
趣旨
である、一体今後独立後の
日本経済
の
再建
のために、大量の
外資
が必要であるかどうかという点につきましては、御
質問
の
通り
でございまして、
吉田総理
以下
関係
の者も、この
外資導入
の必要を痛感いたしておる次第でございます。 第二の御
質問
の
趣旨
である、しかし見込みはどうかという点でございますが、これにつきましては、
総理
また
周東安本長官
も
お答え
いたしております
通り
、
政府
といたしまして、
見通し
をも
つて
、時期並びに金額につきましては、まだ申し上げる時期ではないだろうと
考え
ますが、その必要に基いて何とかしたい、また何とかするという
考え
であることは明らかであろうと思います。
有田喜一
4
○
有田
(喜)
委員
この前の私の
質問
に対して
周東安本長官
は、
電力外資
の問題も、おそらく
電源開発促進法案
が出る前には、そのいずれか
はつ
きりするであろうということを言われた。ところが御
承知
のように
電源開発促進法案
も出ておるが、一向
外資
の方は明るみに出ない。いずれそのうちとおつしやるが、いつまでた
つて
も同じことを
政府
は繰返しておられる。もちろん
相手
のあることですから、何月何日とは私は言いませんが、いやしくも
政府
が
外資導入
の
見通し
が明るいとか、近くそれが実現するというならば、大体二月先とか、三月先には何とかなると言わないと、漠然と、いずれはいずれはというようなことを繰返されても、私は承服できない。ことに
外資導入
に対して各
方面
で
期待
する向きは非常に
期待
しておる。
見通し
がないのならば、またそのように
対策
を立てなければならぬ。
福田政務次官
は近く何とかなるだろうとおつしやるが、それは何か
根拠
があ
つて
言われておるのか、ただ漠然とそうなるという
一つ
の
期待
なのでありますか、その辺をひ
とつ
もう少し
はつ
きり伺いたい。
福田篤泰
5
○
福田
(篤)
政府委員
各商社間におきまして、いわば
政治借款
にあらざる
外資
の
導入
は、
技術援助
その他の形で活発に行われ、ふえておることは、
有田委員
のよく御
承知
の
通り
であります。御
質問
のいわゆる
政治借款
的なまとまつた
政府
間の
話合い
というものにつきましては、一体
根拠
はどこにあるかという点になりますと、私どもといたしましてはまことに遺憾ながら、
はつ
きり
根拠
を申し上げる資料もございませんし、また問題が大きいものでございますので、
長官
と、また
総理
ともよく御連絡して、統一した
お答え
をいたしたいと
考え
ます。
有田喜一
6
○
有田
(喜)
委員
政府
を代表してというつもりで聞いたのですが、
政務次官
は
総理
や
安本長官
と相談した上でとおつしやる。それ以上無理に
答弁
しろとは申しませんが、しかし今まで
政府
が
外資
の問題について折衝されておるその
経過
を見ると、これはどうも私は明らかに失敗であつたと思う。
アメリカ
の方でも
日本政府
の今まで要請した計画というものは、
日本側
の非常に甘い
考え
であるということで嘲笑しておるようです。どうもその間を取次ぐ人は、だめだということがわか
つて
お
つて
も、できそうなことを言いたがるものである。
従つて
その報告なんかも、真に
アメリカ
の
考え
を伝えておるかどうかということは、
相当
疑問視されておる。
アメリカ
の方でいろいろ聞いてみますと、そんなことがあつたのかというようなことで、われわれが
国内
で聞いておることと非常に違
つて
おることが非常にある。
政府当局
はこの
外資
に対して、その後いかなる手を打
つて
おられるか。その手の打ち方を具体的に示せということは、あるいは困難かもしれませんが、ともかくもう少しわれわれの納得の行くような
方法
で御説明を願いたい。
福田篤泰
7
○
福田
(篤)
政府委員
御
承知
の
通り
にまだ
占領下
でございまして、
司令部
の
管理下
にある現状にありますので、
外資
の
導入
の問題も、あるいは
司令部
との
関係
もあり、あるいは本国と直接のルートもあるように拜見いたしておりますが、その後いかなる手を打
つて
おるかという具体的な問題につきましては、
先ほど
お答え
いたしましたように問題が
相当
デリケートでありますし、ことにいわば
経済再建
に対する現
内閣
の大きな
——有田委員
のおつしやつたような
一つ
の公約というと強くなりますが、抱負とな
つて
おりますので、その点ははなはだ遺憾でありますが、
総理
、少くとも
安本長官
と十分打合せて責任のある具体的なお話を聞いて
お答え
いたしたいと思います。
有田喜一
8
○
有田
(喜)
委員
最後は
総理
と
安本長官
と相談の上で御
答弁
ということで、実は私も
質問
に困るのですが、これは
委員長
にも
言つて
おきます。それではこの
外資法
の
法律
の通るまでに、これは
福田政務次官
からで
けつ
こうでございますから、
総理
と
安本長官
とよく打合わされて、責任ある御
答弁
を願いたいと思います。 それから次に進みますが、
先ほど
来申しますように、一口に
外資導入
と申しましても、いろいろな形がある。しかし現在何と申しても一番問題とな
つて
おるのは、
外貨資金
をある
程度
まとめて入れるいわゆる
電源開発
のための
外資導入
、あるいは最近また
農業開発
のための
外資導入
というようなことがいわれておるが、そういうまとまつた
外資
のことが一番問題にな
つて
おる。ところが
電源開発
にいたしましても、また
農業開発
にいたしましても、何ゆえに
外資導入
を必要とするのか、
根本
的の
目的
が
国民
の間にあまり明らかにされておらない。でありますから、この際
政府
としまして、かくかくの次第で
外資導入
が必要なんだという
政府
の
根本
的の
考え
を、ひ
とつ
はつ
きりと明示していただきたいと思います。それに対する
お答え
をいただきたいと思います。
福田篤泰
9
○
福田
(篤)
政府委員
外資導入
も御
承知
の
通り幸い
にまとまりました場合には、重要な原材料でございますとか、あるいは重要な
機械
でありますとか、そういうような形で
相当
入
つて
来ると予想されますので、たとえば
電源開発
の例をとりましても、まだ国際的の基盤のない
日本
の
通貨
では、御
承知
の
通り力
がないわけであります。その意味合いで、まとま
つた額
の
外資
の
話合い
をし、
導入
し得た場合には、
電源開発
についても非常に強力にかつ迅速にできるわけであります。これは單なる
電源開発
だけの話でございますが、その他の
重要産業
にいたしましても、
日本
が
金融制度
を確立し、また
為替市場
におきましても、国際的
なつ
ながりを持つた円となるまで、またなりましても、力がつくまでは、
ドル
なら
ドル
、
ポンド
なら
ポンド
の国際的な力を持つた
外資
が、やはり
日本経済
の
再建
を促進する上において絶対必要であるという
考え
を持
つて
おります。
有田喜一
10
○
有田
(喜)
委員
どうも端的に表現されないものですから、
はつ
きりつかめないですが、
日本
の
個々
の
企業
の
立場
から見るなれば、ただ
必要資金
を
調達
するために
外資
を入れようという場合があるだろうと思う。ところがその場合は、実は
外資
であろうが、
国内資金
であろうが、その
個々
の
企業
とすればそれはかまわない。どちらでもいい。
資金
さえ
調達
できればいい。またある場合には、
国内資金
を
調達
しようと思えばできないことはないが、
金利負担
を軽くするために
外資
を入れたいというような場合もあるでしよう。また
さつきちよ
つと言われたように、
機械
とか
原料
とかの
輸入資金調達
のために
外資導入
を希望する場合もあるでしよう。ところが
国民
経済
的に見るならば、
外資導入
は
国際收支
の
不足
を埋めるところに最大の
目的
があると私は
考え
る。
従つて国際收支
が
黒字
であるならば、
個々
の
企業
の
立場
からすれば
外資
を入れた方が有利であ
つて
も、国家としては
外資導入
を許さない場合もあるだろうし、またその逆に、
国際收支
が
赤字
であるとか、あるいは
外貨
が足らないというような場合には、
個々
の
企業
としては
国内資金
が
調達
できても、国としては
外資
を
導入
することを好む、
外資導入
をしなければならぬという場合があると私は思います。過去の
外資導入
の例から見ても、か
つて電力
会社が
相当
外債を募りましたが、あの場合も、もちろん多少
外資
の方が低
金利
であるということも
考え
られたが、その直接入れる
資金
は、決して
機械
とか器具とかいうようなものに充てられたのでなくて、国が
国際收支
の
赤字
を埋めるために
使つたの
である。それが大きな
目的
である。ところが現在
わが国
は必ずしも
国際收支
は
赤字
でない。また
外貨
の
手持ち
も
不足
していない。それにもかかわらず
外資導入
、
外資導入
とやかましくいわれておるのは、
政府
の
外資導入
に対する
根本方針
が
はつ
きりしていないところから来ておる場合が
相当
ある。何だか
国民
は
外資導入
ということに非常に魅力を持
つて
おるのだが、どうも
政府
の方の
根本方針
が明らかでないためにその辺がもやもやしており、へんな感じを與えておる面もある。またほかの面から言うならば、
国内通貨金融政策
が
混乱
しておるから
外資
にまたなくちやならぬということを
考え
ておる人もある。その辺のところを
政府
はもう少し明確に、
国際收支
はこうであるが、しかしかくかくの次第で
外資導入
がいるのだ。いらなければ入れないでいいが、いるならばかくかくの次第だということを、もつと明確に
国民
に知らしめる必要があると私は思う。ひ
とつ
福田次官
においてはこの際その点をもつと明確に
意思表示
をしていただきたい。
平井富三郎
11
○
平井
(富)
政府委員
ただいまの御
質問
に対しまして
福田政務次官
から概括的に
お答え
申し上げました点を、多少補足いたしまして申し上げたいと思います。
外資
の
導入
の問題につきましては、ただいま
有田委員
からお述べになりましたような次第で、
国際收支
の上における
外貨不足
という点を補う場合、あるいはまた單に
設備
の
近代化
であるとか、あるいは新
技術
を
輸入
いたすとかいうような面から、いわゆる物的の
必要性
から
外資導入
をいたすような場合もあるわけであります。現在のところにおきましては、大体
設備
の
輸入
であるとか、あるいは
技術
の
輸入
であるとかいう点につきまして、
外資
の
導入
が必要とな
つて
おります。
先ほど
来から御
質問
のありましたような
相当多額
のまとまつた
外資
、こういう点になりますと、必ずしも物の
輸入
、あるいは
技術
の
輸入
、あるいは
設備
の
輸入
に関連のない、
資金
的な意味の
外資導入
が問題にな
つて
来るわけであります。こういう点におきまして、現在
日本
の
ドル
、
ポンド等
の、いわゆる
外貨
の
手持ち
が累増しておる際に、そういう
外資
を受入れることが必要であるかどうか、こういう議論も当然出て来るわけであります。しかしながら現在の
外貨
の
手持ち
の累増の
原因
を見てみますると、これは基本的には現在の
国際情勢
から発しておるわけでありまするが、直接的には、あるいは
朝鮮動乱
というような、それに直結した
特需
の受注というような、いわば臨時的な
外貨收入
というようなものによ
つて
、現在
外貨
が累増しておるわけであります。現在
ドル圏
から、一年間に大体十二億
ドル
程度
の
輸入
を必要といたしますのに対しまして、通常の
ドル圏
に対する輸出というようなものは、三億
ドル
から四億
ドル
程度
でございます。従いまして、その残余の七、八億
ドル
というようなものが、臨時的な性格を持つ
收入
でまかな
つて
おるわけであります。こういう面から見まして、できるだけ
日本
の
国際收支
の状況、特に
ドル
の
不足
という面に対して安定した
施策
をと
つて
行く必要があるのではないか。それがためには、ただいま申し上げましたような
特需
、あるいはこれに類する
外貨收入
を安定化し、長期化して行くことは、もちろん必要でありまするが、それと同時にこの際
外資
を入れまして、それによ
つて電力
でありますとか、あるいはその他の
産業
の
近代化
あるいは拡充をはかりまして、将来にわたりまする
日本
の
国際競争力
というものを強めて行くということが、必要ではなかろうかと思います。従いまして
資金
的にも、また
設備
なりあるいは
技術
なりという物的な面から見ましても、この際できるだけ
外資
の
導入
をはかるということが、将来の
日本
にと
つて
必要ではないか、こういうふうに
考え
ております。
有田喜一
12
○
有田
(喜)
委員
もちろん現在の
国際收支
は、
特需
その他の
臨時收入
によ
つて黒字
にな
つて
おる。これはわかります。
国際收支
、ことに
ドル收支
について見ると、
貿易面
ではおつしやる
通り
大きな
赤字
にな
つて
おる。しかも現在の
手持ち外貨
も、今後の
国際收支
から
考え
ると、まだまだこれは十分でないとも言えるでしよう。
従つて
ここに
外資
を大々的に
導入
して、
外貨
の
手持ち
をもつとふやして、そうして
日本
の
産業
の
近代化
、
合理化
を促進する。それはよくわかります。しかしともかく現在十億
ドル
、
ドル貨
だけでもたしか六億五千万
ドル
ですか、
相当
の
外貨
を持
つて
おることは、これまた事実なんです。それにもかかわらず、
外資導入
、
外資導入
とこう叫ぶのは、
国内
で必要な
資金
が
調達
できないから、そういうことを叫んでおる
企業家
も
相当
私はあると思う。ことに
農業開発
などは、おそらく
輸入原料
といいますか、飼料といいますか、そういうものは、ほとんど必要とする部分がないと
言つて
も過言でないと思います。それにもかかわらず、
農業開発
に
外資導入
を非常に
期待
しておる面もあるのであります。それは結局
国内資金
の
供給
が押えられているために、やむを得ず
外資
に
期待
する結果とな
つて
おるのではなかろうかと私は推定する。われわれは決して
外資導入
に反対するものでもなく、むしろ
外資導入
を歓迎するものであるが、しかし
国内
で
資金
の
調達
を妨げて、必要以上に
外資
に頼るということを余儀なくされていることは納得できない。そこで
外資導入
、
外資導入といつて
もなかなか具体的に
はつ
きりしない面があるのであります。そこで
国内資金
の
供給
の面ももつとしつかりや
つて
、そして
日本
の
経済
を
発展
、膨脹せしめる必要があるが、この際
国際收支
の
見通し
とよくにらみ合せて、そして
政府
は
外資導入
に対する
根本方針
を明らかにして、それに応じた
国内金融政策
を確立して行くことも、私は必要だと思います。それは
相手
のある
関係
もあるのだから、あまり無理も言えない面もあるのだけれども、あまり掛声ばかり多くて、一向
外資導入
の目鼻がつかない、そして一方そういうことにおかまいなく
国内金融
を締めて行く。そして
国民
といいますか、
企業家
といいますか、各
方面
で漫然と
外資導入
、
外資導入
と非常に
期待
している面がある。そのために
相当
日本
の
自立精神
といいますか、
日本経済
の
発展
の上において、阻害している面もあると思う。私はこの際
政府
が
外資導入
に対する
根本方針
を明らかにされて、そして
先ほど
言いますように、
国際收支
の
見通し
とにらみ合せて、それに応じた
国内金融対策
も立てて、そして
日本
の
産業
の
発展
を促進するということが必要だと思いますが、この際それらに関する
政府
の御
意見
があるならば、拜聴いたしたいと思います。また御
意見
がなかつたらそれでも
けつ
こうですが、私の
意見
を述べるとともに、
政府
の御
意見
があれば承りたいと思います。
福田篤泰
13
○
福田
(篤)
政府委員
有田委員
の、
先ほど
来の一貫した
外資導入
に対する、いわば
国民
に対する啓発、啓蒙と申しますか、
政府
の
方針
をもう少し具体的に方向づけて、
はつ
きりさせろと言われる御
趣旨
につきましては、全然同感でありまして、
相手
方のあることで、いろいろむずかしい問題もありますが、少くとも原則的のものにつきましては、できるだけ早く、御
指摘
の
通り政府
といたしましても、その
外資
の
必要性
、それから
導入
後の内容につきましても、明確に
国民
の前に知らせるように努力いたしたいと思います。
有田喜一
14
○
有田
(喜)
委員
それでは
先ほど
言いましたように、不日
福田政務次官
が、
総理大臣
並びに
安本長官
ともよく打合わされて、これらの問題を明らかにするということでありますから、その問題はこの
程度
にとどめまして、他日の発表を待ちます。他日といいましても、この
外資法案
が通る前の近い他日であります。 そこで今度問題は、少しこまかくなるがお伺いしたいのは、
外資
の入
つて
来ない
原因
です。それは
わが国経済
の安定がまだ十分でないからということが、
一つ
の大きな
根本
だと思います。しかし今まであれだけ
外資
々々といわれたのだから、何かもつと
期待
できるものが具体的にあつたのだが、それがどういう
事情
で入らないかということがあるに違いない。その
外資
の入
つて
来ない
原因
をこの際お知らせ願いたいと思います。
平井富三郎
15
○
平井
(富)
政府委員
ただいままでの
外資
の
導入
の
実績
の
経過
を見ましても、最近
技術援助
その他あるいは
株式投資
、あるいは
外貨
の
貸付等
にいたしましても、
日本
の
経済
の立ち直り、あるいは
外資導入
の
受入れ態勢
の整備に
従つて
、最近非常に累増して参
つて
おるわけであります。結局
投資家
の
立場
からいたしますれば、
投資
をしたこと自体が有利か不利か、あるいはその
投資
について、
経済
的なあるいは
政治
的不安があるかどうかというような点が、
投資家
のまず
考え
ることであろうかと思います。それらの諸
條件
が逐次整備されて参りましたので、今後いわゆる
外資
、特に
民間
の
外資
につきましては、
相当
な成績を上げるのではないかと
期待
しておるわけであります。要は
終戰直後
における
経済
的な
混乱
、
産業
的な
混乱
というものが逐次改善されますと同時に、
外資
もふえて来ておる、こういうことでございますので、今後の
日本経済
の運営上の
実績
が
外資
に反映して参る、かように
考え
ております。
有田喜一
16
○
有田
(喜)
委員
その
民間外資
の問題ですが、
民間外資
がだんだん入りつつあることは私も認めるのです。しかしその
民間外資
がもつとしつかりと入
つて
来るというのには、ここに提案されておるように
外資法
を
改正
して、こういうように寛大な、
外資
を優遇するような
措置
を講ずると、どんどん入
つて
来る、というところに重点があるのか。私は
日本
の
経済
がもつと立直
つて
、
企業
が堅実にな
つて
来れば、あまりこんな
改正
をせぬでも、もつと入
つて
来ると思うのだが、
安本当局
ではどちらに重きを置かれておるか。これは人の
考え
にもよるが、必ずしも
外資法
を
改正
したからとい
つて
、
外資
が入
つて
来るとは思わぬ。私はむしろ
日本
の
経済
が立直ることが先決だと思いますが、そこいらについては
安本
としてどう
考え
ておられるか、御
所見
を承りたい。
平井富三郎
17
○
平井
(富)
政府委員
基本的には、
日本
の
経済
が立直るということが必要であります。
外資
の
導入
を容易ならしむる
方法
といたしましては、今回の
外資法
の
改正
のようなこともやはり
必要條件
であり、
外資
を受けるその実態と
方法
とが、両方かね備わりました際に、大いに
期待
し得るのではないか、かように
考え
ております。
有田喜一
18
○
有田
(喜)
委員
今回の
外資法
の
改正
は、
外人投資
の
認可制度
を思い切
つて
緩和された、そして
送金保証制度
を大きく拡張しておられる。かような
改正案
は、
相当
外資
を優遇しておると私は思うのですが、これほどまで
外資
を優遇した
法律
は、
世界
にあまり類例がないように思う。
安本当局
は
世界各国
のこういう
情勢
はよく御
調査
にな
つて
おることと思うが、かようにまで優遇しておる国がはたしてあるのかどうか、その辺のところをお示し願いたい。
平井富三郎
19
○
平井
(富)
政府委員
今回の
改正案
を立案いたしますにつきまして、
各国
の
外資導入
に対する
施策
ということも検討いたしまして、同時に今の
日本
の
経済
の
実情
からして、できるだけ
外資導入
を容易ならしめたいという点から立案したのであります。大体
各国
の
経済
の
実情
、
外資
を必要とする
事情
、これによ
つて各国
ともいろいろニユアンスがございます。大体におきまして、
外資
を必要とする
国等
における
立法例等
も参照して、今回の
改正案
を立案した次第であります。
従つて
大いに
外資
を歓迎する国の
立法例
と大体似たようなものである、かように
考え
ております。
有田喜一
20
○
有田
(喜)
委員
私の乏しき
調査
によると、ここまで
外資
を優遇しておる
法律
はあまり見当らないように思う。私はそういう事例についてとやかく言うものではないが、ただ私の懸念するのは、
先ほど
もちよつとお伺いしましたように、もちろんかように
外資
を優遇する
法的措置
を講じたり方が、いくらか
外資
が入りやすくなることは認めるが、それよりももつと
日本
の
経済
が安定して
行つて
、
日本
の
企業
に対する信頼を受けることが
根本
だ、それさえできるならば、こんなにまで
外資
を優遇せぬでもいいように思う。あまり優遇し過ぎて、かえ
つて
あとで困る場合があるのではないか。そこを私は懸念して
質問
しているのです。少し優遇の行き過ぎではないかと
考え
ますが、
政府
はどういうお
考え
ですか。
平井富三郎
21
○
平井
(富)
政府委員
ただいままで入りました
外資
のいろいろな償還の額その他から
考え
まして、今回の
改正案
によ
つて相当民間外資
がふえる、こう
考え
ましても、それによ
つて
将来の
日本
の
国際收支
に悪影響を及ぼすというようには
考え
ておりません。最近のような
実績
で
技術援助
なりあるいは
設備
なり、あるいは
外貨
が入
つて
参りまして、
アメリカ経済
のすぐれた
産業
的な
技術
その他を入れて、
日本
の
産業
の
近代化
をはかるということが、むしろ将来の
日本
の
国際收支
を改善して行く早道ではないかというふうに
考え
ております。
有田喜一
22
○
有田
(喜)
委員
外資法
を
改正
して、どんどん
外資
が入
つて
来れば、今、
平井
政府委員
の言われたようなことになるかもしれないが、いくら
外資法
を
改正
しても、しばしば申しますように
日本
の
産業
、
企業
の基盤がしつかりとできておらないと、なかなか入
つて
来ない。そこを私は御注意申し上げておるのですが、これは多少はいたちごつこになるでしよう。
外資
が入
つて
来てますます基盤が固まるということも言えるが、しかしややともすると、一般
国民
にしても、
企業
にしても、
外資
に甘え過ぎておるような感じを受ける。その点は
政府
もぬかりないであろうが、しつかり気をつけられて、
国民
に対しても、また
企業家
に対しても、今あなたの言われるように、真に
外資導入
の効果が上るように、
企業
の
合理化
あるいは
機械
設備
の改善ということをおやりになるように重ねて希望を申し上げます。 そこで次にお伺いしたいのは、今回の
改正
でいわゆる乘りかえ承認と申しますか、あるいは送金保証の拡大をされておりますが、
日本
の
経済
がだんだん基盤が実るとともに、外人の投機活動も
相当
はげしくなるという面も
考え
られる。今すぐはどうかわからぬが、
日本
の
企業
がだんだん発達して来ると、おそらく
相当
外人が投機活動にも乗り出して来るだろう。また株式などの投機のことを
考え
てみると、かえ
つて
外資
が入つたその元金より上まわる
外貨
を送金しなければならぬというようなはめに陥らぬとも限らない。かような問題が起きたときに、
政府
はいかような
対策
をも
つて
臨まんとされておるか、そのお
考え
を承りたい。
賀屋正雄
23
○
賀屋
政府委員
御説の
通り
、今回の
外資法
の
改正
におきましては、いわゆる乘りかえと申しますか、ある種類の
投資
から他の種類の
投資
に再
投資
いたす場合があり得るわけでありまして、これを認めることにいたしましたし、また株式等につきまして、元本の持帰りを認めたということはあるのでありますが、この点につきましては、制度の上にも今度の
改正案
に明らかにな
つて
おりますように、いろいろ配慮を加えまして、たとえば乘りかえの場合にも、必ずしも無
條件
に許すということではなくして、次の新
投資
につきまして、やはり
政府
の認可がいることにな
つて
おりますのみならず、その認可申請をいたす期間についても、一箇月という期限を設けまして、いたずらに市場の株価の変動を目当とするような投機的な活動は、できるだけ排除するという配慮を加えております。また元本の持帰りの点につきましても、一時に全部送らせない、五年間にわか
つて
二〇%ずつ送らせるというような
措置
をと
つて
おりますので、この点は認可の制度を通じまして、また制度的にも十分投機活動を押えるという道が残されておるのであります。支障ないように運用して行くつもりであります。
有田喜一
24
○
有田
(喜)
委員
なるほど認可にはな
つて
おりますけれども、私のこの
法律
を読んだ気持といたしましては、認可基準にかなうもの、すなわちここに明記されているものは、おそらくそのまま承認されるのではなかろうかという気持でこれを読んでおります。おそらく乘りかえの場合に、お前は元本よりも、それを処分して
手持ち
の方が多くな
つて
いるから、これは送金ができないとか、そういうような認可によ
つて
抑制することはできないじやないか。
一つ
の例でいうならば、本州製紙なら本州製紙の株を、百円で何万株買う。それがだんだん上
つて
二百円に
なつ
た。そうすると、それを売却してその倍の
資金
を獲得する、それが
ドル
資金
として、もちろんある年限を刻んで売らなければならぬけれども、とにかくそれを送金することを抑制することはできないだろうし、それからまたその大きな金は、預金制度か何かであるのだから、とにかく初め外国から入
つて
来たときよりも、株の値上り等によ
つて
、かえ
つて
多く返さなければならぬ場合が出て来ると思う。はたして認可によ
つて
そういうものが抑制できるかどうか、また抑制する
考え
でおられるかどうかということを明らかにしていただきたい。
平井富三郎
25
○
平井
(富)
政府委員
ただいまの株式の乘りかえの問題でございますが、その認可の基準につきましても、
日本経済
に対して非常な悪影響を及ぼすというような場合につきましては、これを押える手も
考え
られまするが、基本的にいいまして、現在の状況、あるいはこの
外資法
を
改正
いたしましてどの
程度
の
株式投資
があるか、こういう問題になるわけであります。これによ
つて
相当
増加することを
期待
いたしましても、現在の
日本
の上場されております株式銘柄について
考え
ましても、これが非常に大きな投機の対象になり、それによ
つて
非常な損失を
日本
の
経済
が受ける、こういう心配は、まず現在のところする必要がないじやないかというふうに
考え
ておる次第でおります。要は、できるだけ多額の
外資
を早く
導入
したい、これがやはり
日本経済
の復興につきまして非常に望ましいことである、こういう前提に立
つて
おるわけであります。そういう意味におきまして、今回の
外資法
の
改正
によ
つて
、株式につきまして投機が行われ、ひいては
日本
の
経済
に非常に悪い影響をもたらす、こういうことは万々あるまいというふうに
考え
ておる次第であります。
有田喜一
26
○
有田
(喜)
委員
私の懸念するのは、今日のような
日本経済
の状態では、
外資
はなかなかそう簡單に入らない。さればこそ
外資
をこれほどまで優遇するところの
外資法
改正
をしてまで
外資導入
をはか
つて
おられるのだと私は思う。現在では今、
平井
政府委員
のおつしやる
通り
なんだが、しかし
先ほど
来
指摘
しておりますように、
日本
の今日の
経済
状態は、かような不安定な状態で行けない、もつともつと
日本
の
経済
を早く復興、
発展
せしめなければならぬ。
経済
がだんだん安定し、復興して、
企業
が健全化すると、これは
相当
外資
も入る。そのときに困りはせぬか。今
指摘
いたしましたように、乘りかえ承認というようなことをや
つて
、認可でうまく押えられればよいが、大体
法律
上容認しているものを、その認可によ
つて
わが方に有利になるように、そんなに押えられるかどうかということは、私は非常に疑問だと思うので、くどいようだけれども、その点をひ
とつ
、押えるなら押えると
はつ
きりしてほしい。
平井富三郎
27
○
平井
(富)
政府委員
先ほど
申しましたように、現在のところ、この
外資法
によ
つて
、外国
投資家
による株式に対する投機というものを通じて、
日本
の
経済
の復興なり拡充に悪影響はない、かように
考え
ている次第でありますが、この
改正
後の
外資法
におきましても、
日本経済
の復興に悪影響を及ぼすものと認める場合につきましては、認可をしないという点が
はつ
きりいたしておりますので、制度的にもその点に対する保障をし得るものと
考え
ております。
有田喜一
28
○
有田
(喜)
委員
今の、
はつ
きり押えられるということは、何か
法律
の上でそうな
つて
いるのか、第何條にどうな
つて
いるかということをお示しを願いたい。
賀屋正雄
29
○
賀屋
政府委員
先ほど
平井
政府委員
から
お答え
申し上げましたように、認可基準というのが現行
外資法
の第八條に規定してございまして、第八條は一項、二項とわかれておりますが、一項は、いわば積極的な基準と申しますか、こういう場合に認可をするという規定でございます。第二項の方で、こういう場合に該当するときは認可をしてはならないという規定がございまして、その
一つ
に、第三号として「
日本経済
の復興に悪影響を及ぼすものと認められる場合」という條文が明記してあるのであります。しかのみならず、少しさかのぼりまして、第五條に「負債超過又は支沸困難のおそれのある場合の
措置
」という見出しで、この点につきまして制度的にある
方法
をと
つて
おるのでありまして、これは一項、二項、三項、四項とわかれておりますが、要するに、何らかの
原因
によりまして、
日本
の
国際收支
のバランスが非常にあぶなく
なつ
たというような場合におきましては、
内閣
においてこれに対処する
方針
を決定いたしますまでは、将来に対して外国に対して負債を負いますような
外資導入
について、認許可等の行政処分を一時ストツプする、そうして
内閣
において新しい
方針
がきまりました場合に、それに従つた処分をしなければならぬ、こういうような制度が第五條に明記してあるのでございます。その点は、
日本
の
経済
に不利なことが起らないようにという点を十分に注意したことに基いてあるのであります。
有田喜一
30
○
有田
(喜)
委員
大きく
日本
の
経済
に悪影響を及ぼすという場合は、これはここに明記してあるから、私もわか
つて
いたが、さつき
指摘
いたしましたように、たとえば百万
ドル
なら百万
ドル
外資
が入つた、それが株の値上りなんかによ
つて
、倍の二百万
ドル
に
なつ
た、そういう場合は、この規定によ
つて
押えることはできないと思うのであるが、それはこれで押えられますか。
平井富三郎
31
○
平井
(富)
政府委員
お触れになりましたように、乘りかえによ
つて
得た利益というようなものは、元本の償還あるいは利息の償還ということで償還されるわけであります。しかしそういう
方法
が認められてこそ、今日一番
外資
を必要とするときに、
外資
が入
つて
来るのではないかというように
考え
る次第であります。そういうことが、現在
外資
を必要としている
日本
に対して適切な処置ではないだろうか。今後御説のように
日本
の
経済
が安定し、あるいは非常に拡充されたあかつきにおきましては、その際としてまたとるべき
措置
はいろいろあるかと思われますが、ここ当分の間、できるだけ
外資
を
導入
して行くという方策をとることが適切であろう、かように
考え
ております。
有田喜一
32
○
有田
(喜)
委員
今の御
答弁
を聞くと、先へ
行つて
日本
の
経済
が安定したらまたこの
外資法
を
改正
してもいいようにとれたんだが、それを
言つて
しまうと味もそつけもなくな
つて
困るから、まあそれ以上は言いませんが、今私が申し上げましたようなことも
相当
懸念しておる向きもあるようです。それで
外資
を歓迎することも必要でありますから、この法案を悪いとは申しませんけれども、やはり運用上で私は注意しなくちやならぬ面が
相当
あると思う。さつき言いますように鶏と卵のようなもので、
日本
の
経済
が安定してしまえば
外資
がいらぬということになるし、
外資
が来れば
経済
も安定するということにな
つて
来るのですけれども、
相当
私はこの法案は
外資
を優遇し過ぎておるという懸念も抱いておるのですから、よほど将来の運用について御注意を賜わりたい。 もう一点聞きたいことは、外国の資本参加によ
つて
国内
産業
が外国に牛耳られることはないか、これもまた懸念いたしております。もちろん今日株式の
投資
と申しますか、株式の保有について
国内
法におきましてもある
程度
限定されておるから、その懸念がないといえばないといえるかもしれぬ。しかしそれは、
相当
合法的の脱法行為ができる。うつかりすると外国資本によ
つて
国内
産業
が牛耳られるということも
考え
られる。これに対する
政府
は何らかの方策を
考え
ておられるか、ひ
とつ
お聞かせ願いたい。
平井富三郎
33
○
平井
(富)
政府委員
外資
の
導入
という問題を
個々
の
企業
から見ますれば、これは当該
企業
の自主的な運営にまつわけでありまして、各
企業
におきまして、あるいは
政府
による干渉をいやがるというような、
企業
としては
企業
の自主性を貫いて行くというのが、各
企業
を経営する責任者の
考え
方であろうと思うのでありますから、いたずらに
外資
ということで、会社の経営自体を全然外国の手にゆだねてしまうということが非常に広汎化して来る、こういうおそれはまずないんじやないかというように
考え
ておるわけであります。
有田喜一
34
○
有田
(喜)
委員
日本
の
経済
の規模が非常に小さくて、しかも資本蓄積が非常に貧弱な現状では、外国資本が少し入
つて
来るということでその
企業
を牛耳ることも割合簡單であります。ことに
株式投資
ということも
相当
認められる。それは
国内
法によ
つて
株式の
投資
は、あれは百分の五でございましたか、それ以上は出ないということにな
つて
おりますが、それは合法的の脱法が
相当
できる。一旦入つたものはそれを乘りかえなんかも自由にできることにな
つて
おるために、いろいろと他人名義を使いながらうまくその会社を牛耳ることも私はできるように思うのであります。それは
経済
界においても
相当
懸念されておると思います。
平井
君はそんな心配はないと簡單に言われておるが、必ずしもそうじやない。ちつとそつとの会社を牛耳ることはわけなくできると私は思うが、もう少し御検討を願
つて
しつかりと御
答弁
を願いたい。
平井富三郎
35
○
平井
(富)
政府委員
ただいま今回の
外資法
の
改正
によ
つて
非常に有利となると思われます一般の株式の取得という
実績
を見まして、ほとんど全部の例を調べても大部分一%以下の取得率でございます。これによ
つて
会社の経営が左右されるというふうにはとうてい
考え
られないのであります。特殊な例として、現在までの
調査
で三%
程度
にな
つて
おりますものが一社あるのみであります。その他は大体〇・六、〇・三あるいはそれ以下のようなものが多いようであります。今回の
改正
によ
つて
日本
の株式構成に非常に大きな変化を来すというようには
考え
られないのであります。
有田喜一
36
○
有田
(喜)
委員
今あげられた例は今までの
実績
なんでしよう。けさいただいた資料にもそれがありますけれども、
外資
が入りやすいように今度
外資
の
法律
の
改正
をされるので、今までの
実績
がこうだからとい
つて
、そんなに会社を牛耳られるところまで簡單に行かないと思う。そういうことだつたら何も
改正
する必要はない。
外資
が入りやすいように
相当
株式の
投資家
を優遇している。だから
外資
が入る。しかし私の懸念するのは優遇し過ぎて
日本
の
企業
が向うに牛耳られやしないか。そこに何かの押えがなければならぬと思うが、その押えがこの
法律
でしてあるかどうか。そこを私はお尋ねしている。またそこまでに
外資
の入
つて
来ることを
期待
されると同時に、また押える点もなければならぬと思うが、そこらの
法律
上のねらいがどこにしておられるかという点をお聞きしたい。
平井富三郎
37
○
平井
(富)
政府委員
この
法律
のねらいは、現在の
外資導入
を数層倍活発にいたしたいというのがねらいでございまして、おつしやるようにその弊害面が目立
つて
来るように
外資
が入
つて
参りますれば、これはある意味から行けば、
日本経済
が非常に速急に回復して来たこと、及び回復する力を示すことになるわけであります。そういうような兆候が非常に顯著になります場合には、
先ほど
賀屋
局長から御説明申し上げましたような制度的な
方法
によりましてもチエツクすることができますし、またそのときの状況において、その後の
外資
の受入れにつきましてはまた別な検討ができて来るじやないか、かように
考え
ております。
有田喜一
38
○
有田
(喜)
委員
大分時間も来たからこれ以上申しませんが、今二、三
指摘
したような点は、
相当
各
方面
で憂慮されておる面もあるのです。これは一にかか
つて
運用の面とそれから今後残された先の問題だらうと私は思います。
政府
は今日の場合、かようなお
考え
をお持ちになりますのは、これは私もある
程度
了解できるのでありますが、しかしあまり行き過ぎるということは、また一面において弊害が出て来るもととなりますから、十分今後の運用を御注意されまして、そうして万遺憾なきを期せられるように希望いたしまして私の今日の
質問
は終ります。
前田正男
39
○
前田
委員長
本日の
会議
はこの
程度
にとどめまして、次回は二十二日、午後一時より
委員会
、午前十時より建設
委員会
と連合審査会を開会することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午時三時散会