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椎熊委員 私は、最近の
参議院の
態度というものは、
会期の
延長をしても解決できないような状態であると思う。ことに
参議院の院内において集団的暴力行為なんかが出現する今日、しかもきようなんかは、
参議院の三階の窓から赤旗などが掲示されておる。メーデー以来各地に起る暴動的な様相が、遂に
国会の内部にまでも波及しておるという現状は、一体何から来ているか。これは私は、やはり当面の最高の責任は
政府にあると思う。吉田総理の
国会軽視の行動が、ここまでこじらせて来ておる。この政局を打開するのに、
会期の
延長ぐらいでは解明するものではないと思う。
従つて私
どもは、一昨日
政府不信任決議案を出しましたが、これは少数にして敗れました。やむを得ません。この際は、ほんとうに講和後における日本の民主主義政治の面を確立するために、
政府は勇断をもつて
衆議院を解散せしむべし。これが
参議院を反省せしめる一番いい方法だと思う。だらだら一箇月も延ばしておいても、
衆議院はほとんど
審議すべき議案がない。そんな状況で、まるでわれわれが自然休会みたいな形でやつて行くようなことで、
参議院があの
通りのことを継続して行
つたら、
国会の威信はどこにあるのだろうか。ま
つたく日本の
国会というものは、信用地を拂つてしまうと私は思う。これは
自由党とか
野党とかいうようなことでなしに、われわれはこの段階において、ほんとうに日本の民主主義、議会政治を守るということに観点を置いて、この機会にせめて
衆議院だけでも一新すべし。そのために協力して、ひ
とつ国会解散の決議でもやつて、堂々たる選挙の結果、
国会を洗い清めようじやないか。三十日だらだら
会期を
延長して何のためになるか。こういう
意味で、私
どもは三十日の
会期延長には
反対です。しかも今度の
反対は、突如として
反対するのではない。さきに一箇月
延長の第一回のときは、私
どもも、これに協力して
反対の意を表さなか
つた。その次の二週間のときは、念を押して、これ以上なお
会期を
延長するようなことは、この情勢ではあり得ることだから、二週間ぐらいの
会期の
延長ではいかぬというのであのときは
反対した。今度の十日のときは、向うからわれわれの指摘した
通りの現実が現われて来て
諸君に反省を促した。もうこの段階では
会期の
延長は無理だと言
つたが、十日の
延長があ
つた。この上さらに三十日
延長するということは、日本
国会の信用を失墜して、日本の議会政治はたよりにならぬという印象を深めたならば、それは
自由党とか改進党とかいう党派の問題でなく、日本の国家がどうなるかという問題である。この
意味において、私
どもはほんとうに議会政治を守るという
意味から、ここで解散して総選挙に臨む、そういう態勢をととのえようじやないか。その
意味において一箇月の
会期延長には
反対いたします。