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野田国務大臣 住宅金融金庫法の一部
改正法律案の
撤回の
理由ですが、これにつきましては、この
改正法律案の内容につきまして四つばかりポイントがあります。第一点は、
住宅金融公庫は金を貸しますが、これは
住宅建設資金として金を貸すわけでありまして、その金の
貸付利率を、
現行の五分五厘を年六分に
引上げる、これが第一点、それから
災害補償制度というものを設けまして、
住宅金融公庫から金地借りた人が、一定の金を毎年々々払い込みますと、その金を借りて建てた家が、あるいは焼けたり流れたりというような
災害にあつた場合に、
あとの
借金を免除してもらえるという、こういう
制度をつくろうというのが第二点であります。第三点は、
償還年限を延長しようというのであります。第四点は、家をつく
つて、それを分譲することを主たる
業務とするものについても、
住宅金融公庫の金を貸し付けることができるようにしようじやないかというのであります。第一に重要なのは
利率の
引上げ、その次に
重要性を持
つておるのは
災害吉補償でございますが、
現行の五分五厘の
貸付利率を年六分に
引上げるということにつきましては、
財政当局の強い要望もありまして、これを認めるに
至つたのであります。それをいろいろ
検討し、また
住宅金融公庫でも十分
研究してもらいました結果、
昭和二十七年度においては、この
利息を
引上げなくてもやれるという見通しが最近つくに
至つたのであります。そうすると、
国民大衆といたしましても、
利息はなるべく安い方がけつこうでございますから、この点
大蔵当局と
話合いがつきましたので、一番大きな重点がなくな
つたのであります。第二点の
災害補償制度につきましては、大体
利率にいたしまして千分の三・五の
補償費を
住宅金融公庫に払い込みますと、その借りて建てた家が焼けたり流れたりした場合などに、
借金を払わなくてもいいということになりますが、これについては、千分の三・五がよいかどうかということについても疑問があります。これはもちろん
提案の場合
相当研究はいたしたのでありますが、その後なおいろいろな角度から
国会の
論議を通じていろいろ
検討いたしますと、三・五でよいかどうかという点について幾分疑問の点も生じました。またこれはまつたく新しい
制度だけに、なお一層掘り下げて
研究し、実施した方がいいじやないかという
意見も出て、かれこれ勘案した結果、もうしばらく
研究したいという
結論に達したのであります。そういうわけで、
本案の最も重要な点をなす第一点、ややそれに近いような第二点につきまして、ただいま申し上げたような
結論に到達いたしましたので、これを
撤回いたしたいということを申し出た次第でございます。