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1952-06-10 第13回国会 衆議院 議院運営委員会 第58号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月十日(火曜日)     午後零時四十六分開議  出席委員    委員長 石田 博英君    理事 倉石 忠雄君 理事 福永 健司君    理事 土井 直作君    飯塚 定輔君       岡延右エ門君    岡西 明貞君       鹿野 彦吉君    菅家 喜六君       島田 末信君    田中  元君       田渕 光一君    中川 俊思君       柳澤 義男君   山口喜久一郎君       石田 一松君    椎熊 三郎君       松井 政吉君    梨木作次郎君       林  百郎君    田中織之進君       羽田野次郎君  出席国務大臣         建 設 大 臣 野田 卯一君  委員外出席者         副  議  長 岩本 信行君         事 務 総 長 大池  眞君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案撤回  につき承諾を求めるの件  決議案取扱いの件  回付案取扱いの件  緊急質問取扱いの件  運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件  日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求め  るの件  北海道開発審議会委員指名の件  万国郵便会議議員を派遣するの件  本日の本会議議事に関する件     ―――――――――――――
  2. 石田博英

    石田委員長 それでは本日の議院運営委員会を開会いたします。  最初に、回付案取扱いの件を議題にいたします。公共事業令の一部を改正する法律案は、前会から保留になつておりましたが、これは本日も保留するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石田博英

    石田委員長 さよう決定いたします。  次に、農業共済基金法案道路交通取締法の一部を改正する法律案が回付せられて参りました。事務総長から御説明を願います。
  4. 大池眞

    大池事務総長 お手元回付案を差上げてありますが、農業共済基金法案参議院修正の点は、農業共済組合連合会出資金の点でありまして、この連合会出資金払込みについて、原案では「五年以内に出資払込をしなければならない。」と規定してありますのをむしつて、定款の方に讓つてしまつてあります。それと、第一回の払込金を「一億円を下つてはならない。」つまり一億円以上になつておりましたのを、一億円を越えてはならないということになつて、「一億円をこえない範囲内においてするものとする。」というように修正して帰つて来ております。  それから道路交通取締法の一部を改正する法律案参議院修正は、今まで無謀な運転等に対する罰則を、原案の方では懲役罰金の刑、この二つでありましたのに科料を加えて来た。懲役罰金に当らない場合には、それ以下の科料でもよろしいというように加えて来たのであります。
  5. 椎熊三郎

    椎熊委員 道路の方は大したことはないが、農業共済基金法案の方は、改正要点が、一億円を下つてはならないというのと、一億円を越えてはならないというのですから、本質的に違つているので、これは一応党に帰つて相談してからにしたいと思います。
  6. 石田博英

    石田委員長 それでは、きようはこれは留保しておきましよう。本日この両件を留保するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 石田博英

    石田委員長 さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  8. 石田博英

    石田委員長 次に、運輸審議会委員任命につき同意を求める件を議題にいたします。事務総長から御説明を願います。
  9. 大池眞

    大池事務総長 これは、現在運輸審議会委員をやつております木村隆規君と三村令二郎君、この二人が今月十二日に任期が満了いたしますので、さらに再任をいたしたい、こういう申出であります。
  10. 石田博英

    石田委員長 これを本日上程するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 石田博英

    石田委員長 さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  12. 石田博英

    石田委員長 次に、日本銀律政策委員会委員任命につき同意を求めるの件を議題にいたします。
  13. 大池眞

    大池事務総長 これは、やはり岸喜二雄さんが日本銀行政策委員会委員をやつておるわけでありますが、これがこの六月十六日に任期が終りますので、これも荷任をいたしたい、こういう申吊でございます。
  14. 田中織之進

    田中(織)委員 これは次会まで留保してください。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 石田博英

    石田委員長 それでは次会まで留保いたします。     ―――――――――――――
  16. 石田博英

    石田委員長 次に、北海道開発審議会委員が六月三十日で任期が満了いたしますので、その指名の件を議題にいたします。
  17. 大池眞

    大池事務総長 これは現在衆議院議員として小川原政信君、苫米地英俊君、玉置信一君、椎熊三郎君、高倉定助君、この五名がなつておられます。
  18. 田中織之進

    田中(織)委員 これはこの次まで留保してください。
  19. 林百郎

    ○林(百)委員 一、二問題があるから、次まで待つていただきたいと思います。
  20. 石田博英

    石田委員長 それではこれも次会まで留保することにいたします。     ―――――――――――――
  21. 石田博英

    石田委員長 次に、決議案取扱いの件を議題にいたします。最初に、領土に関する決議案、これはいかがいたしましようか。
  22. 倉石忠雄

    倉石委員 本日は保留
  23. 石田博英

    石田委員長 本日留保することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 石田博英

    石田委員長 さよう決定いたします。  次に、木村法務総裁不信任決議案でございます。
  25. 林百郎

    ○林(百)委員 これは、もう出してからずいぶんだつているから、早くやつてもらいたい。
  26. 土井直作

    土井委員 これはきようやりましよう。
  27. 石田博英

    石田委員長 きようやれという御意見ですが、いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 石田博英

    石田委員長 それではさよう決定いたします。     ―――――――――――――
  29. 石田博英

    石田委員長 次に、緊急質問の件を議題にいたします。
  30. 大池眞

    大池事務総長 これはお手元にあると思いますが、この前残つておりました小林運美君の肥料需給に関する緊急質問と、社会党二十三控室坂本泰良君から出ました教育政策推進に関する緊急質問でございます。
  31. 田中織之進

    田中(織)委員 私の方の坂本君の問題は、今問題になつている義務教育費国庫負担法の問題、その他教育政策に関連する重要法案取扱いの問題がとかくの問題になつておるので、そういう点から、これを推進したいという意味でございますから、できればきようお許し願いたいと思います。
  32. 倉石忠雄

    倉石委員 きようは、警察法とかいろんなものが上つて来て、討論者が相当多いようだから、次会に御相談することにしたらどうですか。
  33. 石田博英

    石田委員長 それでは本日これを留保するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 石田博英

    石田委員長 さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  35. 石田博英

    石田委員長 次に、本会議議事に関する件をお諮りいたします。
  36. 大池眞

    大池事務総長 本会議議事旧程に入る前に、先ほどきめていただきました運輸審議会委員木村隆規君と三村令二郎君の再任の件、この人事の件をお決議願いまして、それから先ほどおきめ願いました木村法務総裁不信任決議案上程をお願いいたしたいと思います。これについての趣旨弁明は……。
  37. 林百郎

    ○林(百)委員 高田富之君が趣旨弁明をやります。
  38. 福永健司

    福永(健)委員 本案に対しては、わが党において鍛冶良作君が反対討論を  いたします。
  39. 大池眞

    大池事務総長 それから議事日程に入りまして、日程第一は、懸案になつておりました畜犬競技法案でございますが、これは松浦東介君が委員長報告をいたしまして、竹村奈良一君の反対討論、こういうことになつております。
  40. 倉石忠雄

    倉石委員 本案については、もう少し検討したいという議がありますので、御賛成を得ますれば農林委員会にもう一度さしもとして、さらに検討をしてもらいたい、こういう動議を出したいと思います。
  41. 石田博英

    石田委員長 暫時懇談に移ります。     〔速記中止
  42. 石田博英

    石田委員長 懇談をとじます。  この件については動議が出ましたので、この動議を本会議で取扱うに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 石田博英

    石田委員長 さよう決定いたします。  その動議に対して反対討論申出があります。これを一括して椎熊三郎君に許すに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 石田博英

    石田委員長 さよう決定いたします。
  45. 大池眞

    大池事務総長 それから日程第二は、運輸委員長岡利右衞門君が御報告になりますが、これは全会一致でございます。それから緊急上程を本日お願い申し上げたいという法案があります。それは、地方行政委員会から国会議員選挙等執行経費の某一準に関する法律の一部を改正する法律案、それから警察法の一部を改正する法律案、それと集団示威運動等秩序保持に関する法律案、この三案が上つて参りますので、緊急上程をお願いいたしたいと思います。これは一括上程になりまして、地方行政委員長金光君の御報告あと修正案が出ております。それは、警察法の一部改正に関しまして藤田義光君から修正案が出ておりますので、その修正案趣旨弁明があります。それから討論には改進党の鈴木幹雄君、社会党門司亮君、共産党立花敏男君、社会党二十三控室八百板正君、この四名が原案反対討論者でありまして、自由党川本末治君が賛成討論、従いまして藤田君の修正案説明後、川本君の賛成鈴木幹雄君、門司亮君、立花敏男君、八百板正君、こういう順序で討論があります。採決に入りまして、採決はただいまの警察法修正案をまず採決いたしまして、次に委員長報告をとりまして、それから集団示威運動の方と国会議員選挙の方を別々にとります。
  46. 林百郎

    ○林(百)委員 これは重要な法案が三案一括して上程されるのでありますから、討論の時間が少いという各委員の方の話で、地方行政委員長の方から、議運の委員長に話があるということでございましたが……。
  47. 石田博英

    石田委員長 そういうことはございませんから、さようなことは考えておりません。
  48. 大池眞

    大池事務総長 ただいま申し上げましたのは地方行政委員会の三案でございますが、そのほかに、経済安定委員会から事業者団体法の一部改正法律案が上つて参りました。これは別に討論の通告はございません。
  49. 土井直作

    土井委員 これは全会一致ですか。
  50. 大池眞

    大池事務総長 共産党反対でございます。
  51. 田中織之進

    田中(織)委員 私の方は経済安定に出ておりませんので、この賛否の態度は本会議場で申し上げます。
  52. 大池眞

    大池事務総長 それから、まだ上る予定法案が四件あります。
  53. 土井直作

    土井委員 それは出て来たら、場内一でやつたらどうですか。
  54. 大池眞

    大池事務総長 一応申し上げておきますと、厚生委員会から児童福祉法の一部改正日本赤十字社法案……。
  55. 倉石忠雄

    倉石委員 日本赤十字社法案は、早く向うに邊らなくちやならんから……。
  56. 石田博英

    石田委員長 上つて来たら、場内交渉でやりましよう。
  57. 大池眞

    大池事務総長 それから農林委員会から、開拓者資金融通法の一部改正連載委員会から、道路交通事業抵当法案、この四件が上る予定になつておりますから、これが上りましたら場内で御交渉願います。
  58. 林百郎

    ○林(百)委員 それから定足数については、やはり自由党は責任を持つてもらいたい。念のために申し上げておきます。     ―――――――――――――
  59. 石田博英

    石田委員長 次に、郵政委員会より派遣される委員海外出張の件についてお諮りをいたしたいことがございます。それは、前会に三人を派遣することにきまりましたが、準備の都合から、具体的に決定しておきたいと思うのであります。第一に、派遣せられる人は郵政委員会において御決定になつて申出があつた人にきめるという申合せ最初にしておきたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 石田博英

    石田委員長 さよう決定いたします。  それから派遣日数は、八十何日というお申出が一応非公式にございましたけれども、少し長きに失するように思われますので、御再考を願いたいという旨を一応申しておきました。これははなはだ独断でございますが、私からさような旨を申しておいたのであります。それにつきまして、万国郵便会議は七月十四日まででございまして、出発が六月二十日前後、国会の閉会直後になるわけでございます。そこで七月十四日に済みましてからすぐというわけにも参りませんから、跡始末の日にちを尾ましてなおその帰途各国郵政事情調査して参りたいという御希望でございますので、その日にち等も見て、一応六十日間ぐらいが適当ではないかと実は私は考えるのでありますが、この点をお諮り申し上げたいと思います。
  61. 椎熊三郎

    椎熊委員 八十何日ということを郵政委員会から言つて来たのは、会議だけに一箇月もかかるし、せつかくあそこまで行くのですから、欧洲各国郵政事情等もあわせて視察して来てもらいたい、そういう意味でそういう長い日数をやつたのです。しかし三箇月もかかるわけはないのですから、八十日が長いとなれば十日ぐらい減らして、七十日ぐらいというわけに行かぬでしようか。
  62. 田中織之進

    田中(織)委員 委員長のとりはからいに私は賛成です。六十日間でも私はまだ長いと思います。これはやはり国民負担において出かけるのですから、会議の前後の処理日数を計算に入れても、私は六十日間よりまだ短縮すべきだと思います。
  63. 椎熊三郎

    椎熊委員 そのついでに、各国郵政事情を視察するという使命があるのです。
  64. 石田博英

    石田委員長 ちよつと懇談いたします。     〔速記中止
  65. 石田博英

    石田委員長 懇談をとじます。  いかがでしようか、これを六十日間とすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 石田博英

    石田委員長 六十日間に決定いたします。  次に、これを期日に基いて計算いたしますと、四千三百六十ハドル四十セントになるそうであります。詳細なことは、あとで必要なら事務総長から御説明を願います。
  67. 大池眞

    大池事務総長 これは精算しますと少し狂うかもしれませんが、大体四千三百六十八ドルぐらいになると思います。
  68. 石田博英

    石田委員長 約四千四百ドル程度のところで大蔵省に請求することを御了承願いたいと思います。
  69. 大池眞

    大池事務総長 そのうち、実際使う航空賃が二千六百六十ドルぐらい入つておりますので、大体一日三十ドルにはつきませんが、ほぼ三十ドルに近いことになつております。いずれ具体的な日程をつくつていただきまして、それに基いて大蔵省の方に請求いたします。
  70. 林百郎

    ○林(百)委員 念のために伺いますが、四千三百幾らというのは一人ですか。
  71. 大池眞

    大池事務総長 そうでございます。これは旅費規程その他から出て来たものです。
  72. 石田博英

    石田委員長 いかがでしようか。この件について御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 石田博英

    石田委員長 さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  74. 椎熊三郎

    椎熊委員 実は、先般も委員長の留守中の委員会ちよつと懇談にもなつて非常に気にしておるのですが、国会法改正の問題で、寄り寄りみな心配して研究などもしておるのです。これはやはり軌道に乗せて、公式な研究に移した方がいいだろうと思います。従つて当然当委員会の担当すべき事項ですから、当委員会の中で小委員会でもつくつたらどうですか。それでひとつ研究してもらつて、次の国会あたり成案を得る。そういうことで、何も急がなくてもいいし、選挙後の国会から改正してやつて行くような態勢をとる。そういう方針のもとに小委員を三、四人、委員長を含めて四人ぐらいということにしてやつてもらつたらどうかと思います。
  75. 林百郎

    ○林(百)委員 国会法改正というのは非常に重要な問題ですから、なるべく各党から参画者を出すことを心がけながら、その小委員会をつくつてもらいたい。
  76. 椎熊三郎

    椎熊委員 これはほんとうの草案というか、研究要点等を摘出する程度の、今個々にやつておるものを認めて行くような形にしたらいいのじやないか。そうして成案を得れば全体会議を開いてやらなければならぬ。それが一ぺんや二へんできまる問題ではないと思います。常に本委員会と接触をとりつつやらなければならぬのだから……。
  77. 土井直作

    土井委員 実際上の問題としては、原案をつくるのだから、人数は少くてもさしつかえないのだが、それぞれ各党利害関係等もありますから、この委員関係はやはり三、四人ということではなくて、共産党も入る、二十三控室は小会派を代表して入るということの方がいいの、じやないですか。
  78. 石田博英

    石田委員長 これはあとで御相談申し上げることにいたします。     ―――――――――――――
  79. 石田博英

    石田委員長 住宅金融公庫法の一部改正法律案政府から撤回せられたいという申出があります。これについて御質疑があるという御要求でございましたので、野田建設大臣出席を求めたのであります。これについての質疑を許します。
  80. 林百郎

    ○林(百)委員 まず、政府が一旦国会に提出なざつたものを撤回される理由、それから、もし予算上の理由があるということなら、予算上どうなるか、どういう考えから撤回されたか、その理由説明してもらいたいと思います。
  81. 野田卯一

    野田国務大臣 住宅金融金庫法の一部改正法律案撤回理由ですが、これにつきましては、この改正法律案の内容につきまして四つばかりポイントがあります。第一点は、住宅金融公庫は金を貸しますが、これは住宅建設資金として金を貸すわけでありまして、その金の貸付利率を、現行の五分五厘を年六分に引上げる、これが第一点、それから災害補償制度というものを設けまして、住宅金融公庫から金地借りた人が、一定の金を毎年々々払い込みますと、その金を借りて建てた家が、あるいは焼けたり流れたりというような災害にあつた場合に、あと借金を免除してもらえるという、こういう制度をつくろうというのが第二点であります。第三点は、償還年限を延長しようというのであります。第四点は、家をつくつて、それを分譲することを主たる業務とするものについても、住宅金融公庫の金を貸し付けることができるようにしようじやないかというのであります。第一に重要なのは利率引上げ、その次に重要性を持つておるのは災害吉補償でございますが、現行の五分五厘の貸付利率を年六分に引上げるということにつきましては、財政当局の強い要望もありまして、これを認めるに至つたのであります。それをいろいろ検討し、また住宅金融公庫でも十分研究してもらいました結果、昭和二十七年度においては、この利息引上げなくてもやれるという見通しが最近つくに至つたのであります。そうすると、国民大衆といたしましても、利息はなるべく安い方がけつこうでございますから、この点大蔵当局話合いがつきましたので、一番大きな重点がなくなつたのであります。第二点の災害補償制度につきましては、大体利率にいたしまして千分の三・五の補償費住宅金融公庫に払い込みますと、その借りて建てた家が焼けたり流れたりした場合などに、借金を払わなくてもいいということになりますが、これについては、千分の三・五がよいかどうかということについても疑問があります。これはもちろん提案の場合相当研究はいたしたのでありますが、その後なおいろいろな角度から国会論議を通じていろいろ検討いたしますと、三・五でよいかどうかという点について幾分疑問の点も生じました。またこれはまつたく新しい制度だけに、なお一層掘り下げて研究し、実施した方がいいじやないかという意見も出て、かれこれ勘案した結果、もうしばらく研究したいという結論に達したのであります。そういうわけで、本案の最も重要な点をなす第一点、ややそれに近いような第二点につきまして、ただいま申し上げたような結論に到達いたしましたので、これを撤回いたしたいということを申し出た次第でございます。
  82. 林百郎

    ○林(百)委員 二点ほどはつきりしておきたいと思います。そうすると、改正案は、貸付金利率が六分だつたのを、その後大蔵当局との話合いで五分五厘でよいということになつたから、この点を白紙にもどしたいという点が一2それから災害による補償金を、千分の三・五が安過ぎるから、もう少し利率を上げようというのですか。
  83. 野田卯一

    野田国務大臣 その点は、私の方では、ざつくばらんに申し上げますと、千分の三くらいでよいと思つておりましたが、その後研究して千分の三・五くらいになつたのであります。しかし新しい制度でございますから、危険率をいろいろ見ますと、千分の一・五でも、なおもつと検討を要するのじやないかということになつたのであります。これは安ければ安いほど民間の方には利益です。高ければそれだけ負黒が重くなるのでありますから、三・五というのは、なお検討を要するということになつたのであります。
  84. 田中織之進

    田中(織)委員 第二点の災害補償の場合の免除規定の問題ですが、火災保険業者から政府の方に横やりが入つたということが伝えられておりますが、真偽のほどはどうですか。
  85. 野田卯一

    野田国務大臣 私の方には、何もそういうことは言つて来ておりません。
  86. 田中織之進

    田中(織)委員 これはやはり火災保険業者保険業務との関連があることは事実です。これは現在の千分の三・五より低い方が、公庫利用者としては助かることは助かるのですが、現行のこの法案に盛られておる千分の三・五でやる場合でも、この制度のできることが、公庫利用者にとつては非常にいいことです。それから改正の第一点の貸付利息引上げの問題について大蔵当局が了解して、従来通り五分五厘ということになるということなら、これもまた公庫利用者にはいいわけです。従つて、その点は一旦提案されたものですから、政府の方で、あるいは委員会修正することによつて、この法律住宅政策の見地から見て成立をは加らなければならないことではないかと思います。その点から見て、政府撤回せられるということについては、われわれは理解に苦しんでおる。その点、委員会において修征するなり、あるいは政府の方で提案修正するという形で、この法律をそのまま本国会審議にかけて成立させることに対して、政府はさらに再考する余地がないかどうか、この際建設大臣に伺います。
  87. 野田卯一

    野田国務大臣 今の災害補償制度の問題でありますが、これが千分の三丁五でやれるかどうかという点につきまても、もつと深く研究いたしたい。なお今のところ疑問がありますので、さらに検討した上にいたしたいと考えております。
  88. 林百郎

    ○林(百)委員 これは一旦政府として提出したものですから、それを修正するとか……。
  89. 石田博英

    石田委員長 同じ質問はおやめ願います。
  90. 林百郎

    ○林(百)委員 そういう形でなぜ処理ができないかということです。それについての答弁がないわけです。
  91. 野田卯一

    野田国務大臣 これは先ほど申し上げたように、初めてのことでありますから、その後一応論議になつて多少疑問の点が出て来た以上、われわれとしてもいろいろな方向からさらにデーターを集めて愼重に検討し、各方面の意見も十分聞いて今度は絶対動かぬものにしたいというわけです。
  92. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、この法案を出すまでの調査はずさんだつたから、もう一度調査をやり直さなければならぬということですか。
  93. 野田卯一

    野田国務大臣 今までも時間の許す限りやつて参つたのでありますが、さらに検討いたしますと、もつと検討したい面があるということでございます。
  94. 石田博英

    石田委員長 それでは、この政府撤回申出を本日の議題にするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 石田博英

    石田委員長 さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  96. 大池眞

    大池事務総長 それでは日程第一に入る前の、木村法務総裁不信任決議案の次に、この撤四をやることにお願いいたしたいと思います。
  97. 石田博英

    石田委員長 先ほどの椎熊申出の件は、人数等については次会に御検討願うことにいたします。  次回の本会議は明後日定刻より。運営委員会は午前十一時、に御参集を願います。  討論の時間は前例通り十分以内。本日の本会議は二時ということにいたします。  本日の議院運営委員会はこれにて散会いたします。     午後一時四十二分散会