○林(百)
委員 これは実に笑いごとではないので、
同僚委員の
諸君にもよく考えていただきたいと思います。実は私の方の党で日ごろ注意していたことですが、
警視庁の人が
バッジをつけてしよつちゆう
国会の中をうろついているといいますか、
委員会を傍聴するがごとく、せざるがごとく歩いておる人がある。私の方としては、衛視の人に立ち会
つてもらい、さらに
警務部長にも立ち会
つてもら
つて調査したところが、
警視庁の
広報課の
連絡係の
長島貞夫という警部補だそうですが、これが
公務員のバツジをつけておりましたので―
公務員の
バッジは御
承知の
通り、各官庁と
国会との公務の
連絡のために
国会で出しておるわけです。そこで
上司からどういう
指示を受けてどういう
連絡のために来ておるんだということを聞きましたところが、別に
上司から
指示を受けておらない。ただ私は
国会へ来て傍聴をしたり、あるいはこの中にいればいいということで来ておると言う。よく調べましたところが、この人は元
警備課の第二係にいたんで、この第二係には、私の方の党の
事務員が検挙されておるのでありまして、こういう経過から見ますと、はつきり言えば、スパイのために
国会の中へ入
つて来ておるという嫌疑が非常に濃厚に
なつて来たわけであります。これは古い
同僚諸君は御
承知の
通りに、
政友会の少数のころでも、
帝国議会のころですら、警察官が
立法府である
国会に入り込んだということが非常に重大な問題に
なつております。私、最近
新聞協会から配布になりました
治安維持法制定のころの
自由党の
星島二郎氏の演説なんか読んでみますと、あのときには、
言論の自由を守るために、
治安維持法のごときはどうしても廃止しなければならない、
立法府の使命は
言論の十分な
伸達にこそあれ、それを制限する
ような、こういう
立法には
反対だということで、
立法府のことを非常に真剣に考えておられた。こういうことを見ましても、どうも最近の
国会のあり方が、こういうことを無関心で許しだおることは、
国会の
権威のためにも好ましくないのではな
いか、しかも
警視庁には、
バッジが十四個
国会から出ておるということがはつきりしたわけです。こういうことは、われわれお互いに
国会の
権威のため許しがたきことだと思いますので、ひとつ厳重に取締りをすると同時に、これに対する何らかの
処置をしてもらいたいということで、
同僚の
諸君の
意見をもあわせて承りたい
思つて、わざわざ
発言を求めたわけであります。