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1952-06-25 第13回国会 衆議院 外務委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月二十五日(水曜日)     午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 仲内 憲治君    理事 足立 篤郎君 理事 近藤 鶴代君    理事 佐々木盛雄君 理事 並木 芳雄君    理事 戸叶 里子君       大村 清一君    菊池 義郎君       北澤 直吉君    中山 マサ君       守島 伍郎君    山本 利壽君       小平  忠君  出席政府委員         警察予備隊本部         次長      江口見登留君         総理府事務官         (特別調達庁管         理部長)    長岡 伊八君         中央更生保護委         員会事務局長  斎藤 三郎君         外務政務次官  石原幹市郎君         大蔵事務官         (主計局長)  河野 一之君  委員外出席者         專  門  員 佐藤 敏人君         專  門  員 村瀬 忠夫君     ————————————— 六月十九日  委員立花敏男辞任につき、その補欠として林  百郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十日  委員並木芳雄辞任につき、その補欠として柳  原三郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十四日  委員柳原三郎辞任につき、その補欠として並  木芳雄君が議長指名委員に選任された。 同月二十五日  並木芳雄君が理事補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  国際情勢等に関する件     —————————————
  2. 仲内憲治

    仲内委員長 ただいまより外務委員会を開会いたします。  国際情勢等に関する件について質疑を行うことといたします。質疑通告順にこれを許します。戸叶里子君。
  3. 戸叶里子

    ○戸叶委員 私は、朝鮮事変のことについて関連して伺いたいと思います。ちようど今日で朝鮮事変が始まりまして二周年になります。これによつて北鮮軍それから中共軍及び国連軍犠牲者がたくさんあると思いますが、もしもそれがおわかりになりましたら、教えていただきたいと思います。
  4. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 ちよつとただいまここに数字を持つておりませんので、あと調べましてお答えいたします。
  5. 戸叶里子

    ○戸叶委員 それでは次にお伺いいたしたいのは、きのうとおとといにわたりまして、国連軍水豊ダムその他四つのダム爆撃がありまして、何となく不気味なシヨツクを世界に投げかけております。全産業の死活権を握り、その動脈をなしているダム爆撃というものは、非常にゆゆしい問題であり、遠距離である英国の議会でも、けさのラジオを聞いておりますと、この爆撃に対して同意を持たないというような見解すら、ベヴアン氏によつて披瀝されておりますけれども日本英国よりもはるかに近距離の地点で行われておりまして、この爆撃に対しては、私どもは無関心であり得ないと思うのです。この爆撃日本に駐留する国連軍司令官によつて命令されたものと思われますが、その爆撃を断行した飛行機というものは、朝鮮基地とするものによつてのみ行われたかどうか、その点お調べになつておりましたら、知らせていただきたい。
  6. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 本件につきましても、まだ何ら正確なものを聞いておりませんので、ここでちよつと申し上げることは私どもとしてはできないのであります。
  7. 戸叶里子

    ○戸叶委員 こんなに重要なことで、しかも近くに行われていることに対して、知らないということで済まされるでしようか。それともおわかりになつているけれども、それは言えないとおつしやるならば、それはまたわかりますけれども、全然そういうことはおわかりにならないのでしようか。
  8. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 爆撃が行われたということは承知いたしておりますが、どこの飛行機が出てどうしたかというようなことにつきまして、まだ詳細のことを承知していない、こう申したのであります。
  9. 戸叶里子

    ○戸叶委員 それではまだそういうことは調べてない。私がそれを懸念いたしますのは、実はもしも日本基地からでも出て行つた飛行機があるといたしますならは「非常に日本報復爆撃を受けやすいと思うのでございます。なぜそういうことを私が心配するかと申しますならば、実は立川方面では、もうすでに燈火管制協力要請されておるそうでございます。それに対して、あそこらに住んでいる人たちが非常に不安におののいておりますので、この燈火管制協力要請されているその措置は、どういう機関で一体なされているかを伺いたいと思います。
  10. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 燈火管制の問題につきましては、いわゆる向う施設並びに区域内におきましては、アメリカの方でやつておるようであます。そりれからその他につきましては、つまりそこだけやりましても効果はないのでありまして、付近協力を得なければなりませんが、その点は先方協力方要請もあり、外務省を通じまして付近市町村協力方を連絡してやつておる。こういう状態であります。
  11. 戸叶里子

    ○戸叶委員 これから朝鮮事変が悪化したり、あるいはそういうようなことによつて燈火管制というものがさらに続けられるのじやないか、強化されるのじやないかというようなことを伝えている人もありますけれども、そういうことはどうでありましようか、それを伺いたいと思います。
  12. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは今後の情勢にもよることでありますが、そういうことは非常に必要であるというような事態に立ち至りましたならば、その際何らかの方法を日本としても考えなければならぬわけである、かように思います。
  13. 戸叶里子

    ○戸叶委員 聞くところによりますと、七月には東京全体にわたつて三日間されるとかなんとかいうようなことまで伝えられておりますけれども、そういうことは今後ますます強化されるものでありましようか、実は立川地域に住んでおります人たちが、非常に不安な気持を持つておりまして、これは協力方要請されて、従わなければならないものらしいけれども、一体これからどういうふうな状態になつて行くのだろうかという非常な不安な気持、またそれを非常に煽動する人たちがあつたりしまして、国民がはつきり知つておきませんと、不利な点があると思いますので、一応御説明願いたいと思います。
  14. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 先ほども述べましたように、これは一に朝鮮事変なりあるいは国際情勢推移によると思うのであります。休職でも成立すれば、もちろんそういうことは論議する必要はないことになると思いますが、非常に惡化して来れば、何らかの措置日本としても考えなければならぬ、こういうことに相なるかと思うのでありますが、ただいまのところでは、先ほど申し述べましたように、いわゆる基地向う施設区域の中は先方が自分でやつておる、付近に対しては外務省を通じて協力方の懇請があり、それを外務省付近市町村に連絡いたしまして協力要請しておる、こういう段階でございます。
  15. 戸叶里子

    ○戸叶委員 それではこれからもたびたびこういうような燈火管制が行われると見なければならないでしようか、その点を確かめたいことと、それからもしもそれに対して協力をしないような人が出て来た場合には、一体どういうことになるのでしようか。
  16. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 朝鮮事変が片づかない限りは、燈火管制とか、そういう懸念といいますか、そういうことがやはりあり得ると思います。それから協力要請に対して従わない者がある場合にどうするかということは、これはただいま法律燈火管制を行つているわけでもないのでありますから、法的にどうこうということは申し上げられませんが、これは本人良識といいますか、集団生活社会生活をやつている者の当然の良識上の行為ではないかと思うのでありまして、今後の推移によりまして、日本としていろいろの措置を考えなければならぬということを申し上げているわけであります。     〔「法務委員会の問題でしよう」と呼ぶ者あり〕
  17. 戸叶里子

    ○戸叶委員 法務委員会の問題というような御発言もございましたが、私は日本戦争放棄をいたしまして、何も日本だけの問題だつたならば、国内燈火管制などする必要はないと思うのです。ただ外国の駐留軍がいる、また朝鮮への国連軍がおりますために、こういう問題が起るのでありますから、結局外務省がその元締めであつて外務省管轄だと思いますので、それを聞くのですが、今後もやはり燈火管制の問題は外務省管轄と思いますが、もう一度念のために私は伺つておきたいのです。
  18. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 燈火管制をいろいろ法律でやるとかいうことは、これは外務省の問題じやないと思います。しかしただいまの段階において協力方要請があり、あるいはそれを伝達する、そういう取次といいますか折衝する、こういうことは外務省の所管の問題だろうと思います。
  19. 戸叶里子

    ○戸叶委員 私はもう一点伺いたいのですが、それは国連加盟の問題です。国連加盟政府としての見通しは非常に困難に思われますか、それともどうであるかを伺いたい。
  20. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これはどうもわれわれ何とも言えないのでありまして、従来の普通の常識の判断からいえば、相当に困難ではないかと考えられるのでありますが、しかしこれはいろいろの複雑な国際情勢の間にかけひきといいますか、いろいろのこともあるようでありまして、急転、非常ないい見通しにならぬとも限らないのでありまして、ただいまのところでは何ともここではつきりした見通しを申し上げることはできないのであります。
  21. 戸叶里子

    ○戸叶委員 国連加盟のことに対しまして、私どもがよくいなかをまわつておりますと受ける質問の中に、国連憲章の中にいろいろ国連加盟した場合の義務規定が書いてありますから、そういう点はわかりますけれども、また一部の人たちが、いよいよ国連加盟になると、国連の方から、あるいは軍事協力というようなものが條件に出されるかもしれない、そういうような場合には、日本が一体憲法を改正してそういうことをするのかどうかということを聞かれます。私どもは私どもの立場でそれに返答しておりますが、一体政府も、その必要は絶対に今の国連憲章規定の中ではないということを、はつきりおつしやれるかどうかを承りたい。
  22. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは国連加盟のときにもいろいろ議論がございまして、たびたび申し上げた思うのでありますが、国連の原加盟国の中にも軍備のないものもありますし、その後軍備を持たないで国連加盟を認められた国もあるのであります。日本憲法において軍備を持つてないということは、重々よくわかつているのでありますから、それを前提のもとに国連協力なり加盟のことをやつておるのでありまして、これは現状のもとにおいては、軍備を持たなければ国連に入れないとか、あるいは軍備を持つことを條件づけられるというようなことは私はないと、かように確信いたしております。
  23. 仲内憲治

  24. 並木芳雄

    並木委員 アラスカ森林開発という問題ですけれども、これは私は非常に耳寄りな話だと思うのです。ただ新聞で知るだけですが、このいきさつはどういうふうになつておりますか。
  25. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは事の発端は、アラスカから木材資源といいますか、原木で木材を輸入したいということをいろいろ話し合つてつたのでありますが、最近に至りまして、米国政村の方から具体的な開発計画を立てて、そうして伐採権の申請を国務省を通じて出願されたいという旨の勧告といいますか、好意ある向うの通報があつたのであります。そこでこれをどういう形で、つまりどこがアラスカ開発を事実上はやるか、あるいはまた資金関係はどういうふうになるか、あるいはまた労務——人の問題、現在の移民法のもとにおいて、はたして多数の人が行けるのかどうか、また賃金の問題といろいろ関連するところの問題が非常にありますので、目下日本政府におきましても、関係各省協力いたしまして、開発計画構想を練つておる、でき得べくんば、これはアラスカ木材資源開発に乗り出したい、こういう気持である段階でございます。
  26. 並木芳雄

    並木委員 実現すれば、どのくらいの人数が日本から行くようになりますか、もう少し具体的にわかつていたら構想だけでも伺いたい。
  27. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは現在の移民法のもとにおいては、人が向うへ入り込んで行くということは、相当困難なのではないかと考えられるのでありまして、どのくらいの人が行き得るか、また行くことになるか、そういうことはただいまのところではまだわかりません。
  28. 並木芳雄

    並木委員 先般来問題になつておりましたまぐろ輸入関税、これが否決されたというような報道をちよつと聞いたのですが、政府として何か公電、公報があつたかどうか、まぐろ関税その他いろいろ関税の問題で、懸案のものがありますけれども、その点ひとつ伺いたい。
  29. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは本日在米の大使館から、上院の本会議で四十三対三十二で否決された、こういう公電が入つておるのであります。問題になつておりましたまぐろ関税も、これで、上院で否決されたということになつたのであります。
  30. 並木芳雄

    並木委員 警察予備隊のことで質問をしておきたいと思います。先般来募集をしておりました警察予備隊幹部並びに一般隊員募集は、もう終了したと思いますけれども、その結果を知りたいのです。それに関連して沖繩から警察予備隊志願したいという申込みがあるそうですけれども、この沖繩から志願に対して、政府としてはどういう態度で臨んでいるか、日本国内一般隊員募集がうまく行かないから、沖繩の方に募集の手を伸ばしたのかどうか、その辺の事情は詳しくわかつておりませんか。
  31. 江口見登留

    江口政府委員 三万五千人の増員に伴いまして、隊員及び幹部になるべき者の募集をやつたのでありますが、そのうち幹部は約二千人を予定しております。二千人に対しまして約一万一千数百名の応募者がございました。これは非常に応募者数が多いのでありまして、その中からきわめて優秀な幹部選考できるものと考えております。ただいま選考の最中でございまして、いろいろ調査しておるところでございます。それから一般隊員募集は、一応三万二千五百名を入れたいと思いまして、募集事務に当つたのでありますが、それに対しまして大体九万入を越える志願者があつたのでございます。三倍近い数字でございますので、これも大体予定通り相当青年採用できるものだ、かように考えております。これらもいずれも目下選考中でございまして、いろいろの調査を進めておりまして、七月の半ばごろには入隊させたい、かように考えております。  沖繩の問題でありますが、これは日本におきまする応募状況が悪いから、こちらから向うへお願いしたというような筋合いのものではないのでございます。この四月、五月ごろでありましたか、今回の三万五千人の増員に対しまして、沖縄方面代表者と申しますか、そういう方が見えまして、沖縄青年でぜひ日本警察予備隊隊員になりたいというのが、相当にいる。だから今度の募集にもぜひ加えてもらいたいというお申出がございました。そういうことが可能であるかどうかという点につきまして、外務省とも打合せて参つたのでございますが、唐突の申出でございましたために、今回の募集にはそういう計画実現するに至らなかつたのでございます。その後直接にはわれわれの方には何ら申出がございませんが、新聞で見ますところによりますと、やはりこの後におきましても、引続き沖繩青年予備隊入りを志望しておる者が、たくさんおるということが出ておりましたが、ただいまのところ三万五千人の増員は、大体終了しようとしておる最中でございますので、とりあえずの問題としてそれを取上げることにはなるまいと思つております。しかしこの秋には、すでに二年の任期を終えて退職する者が二万人になろうかと想定いたしておりますので、現在そういう問題が実現可能かどうかということを、あらためて外務省ともよく相談の上処理して行きたい、かように考えております。
  32. 山本利壽

    山本(利)委員 予備隊の問題でちよつと関連してお尋ねをいたしたい……。今度三万五千人増加するので、それを選抜中とのことでありますが、今のお話で、今までに入つております者で希望する者はそのまま残るのでしようか。大分やめる者もあると思うのですが、その多分やめるであろうという予想が二万人くらいでございますか、先ほどのお話で……。
  33. 江口見登留

    江口政府委員 その通りでございます。この秋、おととし入りました者は二年の任期、去年入りました者は一年の任期が来るわけでございまして、その中で何人ぐらいやめるだろうかという調査も目下進行中でございますが、最近までの見込みですと、二万名までにはなるまいと思います。やめて行く者が、一万五、六千人にとどまるのじやないだろうかという数字がだんだん固まつて参つております。お話通りでございます。
  34. 山本利壽

    山本(利)委員 そうしますと、九万の応募者の中から、三万二千五百人を選考というのでなしに、その一万五千ないし二万の者も加えたほどおとりになつておかなければ、総計において不足するということになりませんでしようか。
  35. 江口見登留

    江口政府委員 七万五千が三万五千増員されまして、定員が十一万ということになつております。従いまして十一万を越えるわけには参らぬと思うのであります。従いまして七月の半ばごろまでには十一万にしたい。それから先ほど言いましたように、時期が来ますと任期が来た者はやめて行きますので、そのやめた者に対しては別の募集事務を開始いたして行きたい、かように考えております。
  36. 山本利壽

    山本(利)委員 そこでお伺いいたしたいのは、今の警察予備隊というものは軍隊ではないという建前で、今の政府はおられますけれども、実質的にいつて自衛軍といいますかに違いない。今後この秋または将来においてこれが一つの軍隊と改編されるということは、予想にかたくないところでありますが、現在応募する者等においては、そのことは重大関心事であると思うのであります。そういうことについておとりになるときに、あるいは試験問題の中、口頭試問等において、これが軍隊になつてもそのままおる覚悟があるかどうかといつたような点についても、念が押してあるのか。ということは、今後自衛軍——ほんとう軍隊というものがかりに創設される場合、志願兵とかなんとかいうことがあり得るかどうかという、そのバロメーターになり得ると思うのですが、そこらのところは全然今まで通りの、前回募集のときと同じような態度で、警察予備隊だとしてお調べになつておるのでありましようか。かりに将来軍隊になつても、とどまつて行くという意味の念を押してのことでありましようか。
  37. 江口見登留

    江口政府委員 現在の法律範囲内におきましてのこういう実力組織でございますので、その範囲内の説明もし、その範囲内の問題であるということを了承しつつ、みな応募して来るのだと存じます。ただいまお話の出ましたような将来の点につきましては、もちろんだめ押しをするとかいうようなことはいたしておりません。将来どういうふうになるかわからないものを、その前提でそういうことを話をして、條件付で入れるというふうなことは、全然いたしておりません。
  38. 山本利壽

    山本(利)委員 初めの募集のときには、二年間勤めれば六万円やろうといつたような條件があつたのでありますが、今後入つて来ます者についても同じような待遇でございますか、待遇の相違があるかどうか。
  39. 江口見登留

    江口政府委員 一昨年募集しましたときには、六万円の特別退職金を支給しよう。それから昨年募集しました際には、任期を一年といたしましたから、三万円の特別退職金を支給しよう。今回募集します際におきましては、その條件がかわりまして、退職金は大体二万円程度、これは金額で出しておりません。つまり本人が二年たつてやめる際の俸給を基礎にして、その何日分を支給するというふうにただいまなつておりますから、大体二万円前後になるであろうと思います。そういうことを募集條件として広告しまして入隊して参つたものでございます。の秋にまた募集します際におきましても、そういう條件をつけなければなるまいと思つておりますが、その点は財務方面との折衝もありますので、まだ未確定でございます。
  40. 山本利壽

    山本(利)委員 あとから装備のことでお聞きしたいのですが、関連ですから、一応これでやめます。
  41. 並木芳雄

    並木委員 警察予備隊幹部の、今度二千人とる大部分が旧軍人であるということを聞いておりますが、そのようになる予定ですか。今後は幹部として旧軍人はとらないということが報ぜられておりますけれども、そういう方針で進んでおられるかどうか。
  42. 江口見登留

    江口政府委員 二千人の採用人員に対しまして、一万一千数百人の応募者がございましたが、その七、八割までは旧陸海軍軍人であつた者でございます。従いまして二千人の確定名簿ができました際に、はたしてその割合で二千人のうち、六、七割までが旧軍人であるかどうかという数字はまだ出ておりませんが、非常に旧軍人志願した人が多うございまして、従つてやはりこの二千人の人員確定いたします際にも、旧軍人がその半ば以上を占めるのじやないか、かように考えております。
  43. 並木芳雄

    並木委員 将来は……。
  44. 江口見登留

    江口政府委員 ただいまのところ、一応この程度採用を終りますれば、大体十一万に対する幹部の配置は完了するであろうと考えております。従いまして、今後その幹部の中からだんだんやめて行く者が出ました際におきましても、大体現在おります下級幹部の中から、上級幹部を養成することができると考えておりますので、新たにもうこれ以上外部から幹部として——特別の技術的な面、医者とかそういうものは別でございますが、一般幹部として外部から募集する必要はなかろうか、かように考えております。
  45. 並木芳雄

    並木委員 警察予備隊装備の点でございますけれども、本年度に入つて、従来使つておらなかつた装備で、注文を出したものをお伺いしたいのです。たとえばジープとか、鉄かぶととか、いろいろ注文が出ておるようですけれども、その注文数量、用途などについて伺いたい。
  46. 江口見登留

    江口政府委員 予備隊装備につきましては、一定の装備計画を頭に描きながら、この二年近くの間装備を充実して参つたのであります。もちろん前から計画にはありながら、いまだにその計画実現ができなかつたものもあリますので、そういつたものについてはあるいは新規に装備をしたように見えるかもしれませんが、実際は当初からの予定がなお実現中であるというふうに考えております。本年度になりましてから、今までなかつたものでどういうものを装備する予定であるかという点につきましては、詳細な表を持つて来ておりませんが、ただいまのお話通りジープにつきましては五百台を注文いたしました。これはこの秋ごろには納入になると思つております。それからまた御指摘になりました鉄かぶと、これも装備いたしたいと思つて目下購入計画を準備中でございます。それ以外におきまして、もう少し詳細に報告してもらいたいということでございますれば、また別に表を書いて差上げてもけつこうだと存じます。
  47. 並木芳雄

    並木委員 それではお願いいたします。  それからカービン銃だとか、バズーカ砲、迫撃砲というものにかわるべき、日本で製造する日本独得装備、これに対する計画はどういうふうに進んでおるのですか。前から問題になつておりましたが、アメリカから貸與されている装備というものは、まあなるべく早くこれを打切つて日本独得装備にした方がいいとわれわれは思うわけです。またそれができないならば、アメリカと対等の協定を結んで、借りるというならばいいのですけれども、いつまでもだらだら借りておるということは、魂の入らない予備隊になつてしまうのじやないかということが、重要課題つたのですが、その点どうなつておりますか。
  48. 江口見登留

    江口政府委員 武器につきましては、本年度になつて新しく借り受けるというようなものは、まだ具体化しておりません。しばしば御説明申し上げております通り、従前の迫撃砲程度のもので今のところ装備を続けて行けるものだ、かように考えております。それ以上の重装備がいつごろどういうふうにまかなえるかということにつきましては、まだ計画はございません。  それからアメリカから貸與を受けずに、日本独自のものを持つようにしたらどうかという御注意でございますが、まだ日本の生産工程などから考えまして、こういうようなものを独自で調達するということは、はなはだ困難であろうかと存じております。なお当分の間は米軍のものを使用して行くというより方法はないと考えております。ただその方法につきまして、現在は事実上使わせてもらつておるという状態でございますので、特にはつきりしたとりきめなどをいたしておりません。これらの点につきましては、もう少し具体的なものにした方がいいのじやないか、こうわれわれは考えておりまして、アメリカの顧問側と目下相談中でございます。
  49. 並木芳雄

    並木委員 そうすると、やはり貸與を受けているものは無償ですか。
  50. 江口見登留

    江口政府委員 われわれ無償であると考えております。
  51. 並木芳雄

    並木委員 駐留アメリカ軍と共同して演習するなどという話合いはございませんか。
  52. 江口見登留

    江口政府委員 そういう話合いはございません。
  53. 並木芳雄

    並木委員 今度海上警備隊の方で艦船を買い取るという話がありますけれども警察予備隊としてはやはり艦船なども必要の場合があるのじやないかと思いますが、海上に使う装備についてはどういうふうになつておりますか。
  54. 江口見登留

    江口政府委員 警察予備隊といたしましては、海上で使う装備のことはただいま考えておりません。ですからそれらのものをアメリカから借りるということは、全然問題になつておりません。
  55. 並木芳雄

    並木委員 あと私は特別調達庁と大蔵省に質問がありますが、一応これで打切つておきます。
  56. 仲内憲治

    仲内委員長 菊池君。
  57. 菊池義郎

    ○菊池委員 私はあとから参りまして、質問が重複するかもしれませんが、今月十七日にアメリカの下院の軍事委員会で、日本にフリゲート艦十八隻、その他小型の上陸用舟艇五十隻を貸興する法案を可決したということでありますが、日本と米国との間にはもちろん折衝があつたろうと思います。その辺の事情をお伺いしたい。
  58. 江口見登留

    江口政府委員 私は警察予備隊本部の次長でございまして、船のことにつきましては所管外でございますので、海上保安庁の方へお尋ねいただきたいと思います。
  59. 菊池義郎

    ○菊池委員 外務省の方でわかつておりましよう。別にこれは発表したつてちつとも惡いことではない。
  60. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 まだ最後的の折衝に、正式にどういう形でどうというところまでは行つていないようでありますが、先方と話合いがされておるということは事実でございます。
  61. 菊池義郎

    ○菊池委員 それから運送に使う船で、アメリカから借りている、よく兵隊を運ぶ船がありましたが、リバテイ・シツプというのですか、あれはもうどのくらい借りておるか。ドイツあたりは百隻も借りているという話ですが……。
  62. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 ただいまちよつとここで数はわかりませんから、調べましてお答えいたします。
  63. 菊池義郎

    ○菊池委員 それから保安大学はこれからできるのでございますか、もうできて、あるのですか。
  64. 江口見登留

    江口政府委員 ただいま参議院で御審議を願つております保安庁法がもし施行になりますれば、その後保安大学を設けたい、かように考えておりまして、その準備は進めておりますが、まだ緒についたわけではございません。
  65. 菊池義郎

    ○菊池委員 それはどこにできるのですか。
  66. 江口見登留

    江口政府委員 場所は大体東京近郊、かように考えておりますけれども、新しく施設をつくつてそういうものを開校して行くということになりますと、相当期間も要しますので、当初は、久里浜にあります現在警察予備隊の総隊学校と申しておりますが、そこへ付設して行くより方法はないのではないか、かように考えております。
  67. 菊池義郎

    ○菊池委員 それでは別の質問でございますが、国連加盟の場合、ソ連の方では現在加盟を申請している十四箇国と一緒でなければ、日本加盟することを承知しないであろうと言われておるのですが、そういう点に対する外務官の観測をちよつとお漏らし願いたいと思います。
  68. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これはさつき戸叶委員からも御質問がございまして、ソ連側は前々から一括加入を主張しておる。それからアメリカは主として個別的に申請をやるべきである、こういうことで議が合わないでずつと今日までに至つておることは御承知の通りであります。今後日本が新たに加入を申請いたしまして、それをどういうふうに取扱うかということにつきまして、従来の経緯等もございますし、ここではつきりした見通しを申し上げることはできないのでありますが、ソ連が日本に対してどういう対策を今後とるかという考え方によりまして、この問題が相当かわつて来るといいますか、いろいろの動きがあると考えられますので、一に今後のソ連の対日政策といいますか、日本に対する考え方いかんということが大きなかぎを握つて来るのぐはないかと一応推測いたされるのであります。
  69. 菊池義郎

    ○菊池委員 それから今度の国連軍の水豊爆撃に関して、何かこの際特に日本政府に対して、向うの方で協力方を申し入れたことはございませんか。
  70. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 われわれの承知しておる範囲では、全然ございません。
  71. 菊池義郎

    ○菊池委員 もう一つ。これは別な話ですが、沖繩その他の信託統治地域の教育は、アメリカのかつてアメリカ式の教育を施すのですか。たとえば日本が南洋群島の委任統治をやつておりましたときには、日本流の教育を施したのでございますが、委任統治と信託統治はほとんど似たり寄つたりの統治形式でありますが、そういうことになるのですか。
  72. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 南方地域の信託統治の問題につきましては、まだ先方から何らの申入れはないのでございます。そこでかりに将来そういうことがありましても、いわゆる教育行政、教育方針について、どういう考え方をとるかによつてわかれて来るところと考えます。日本政府といたしましては、沖繩その他の地域の教育につきましても、大体内地と同じようにやりたいと希望しておる、これはひとり教育に限らず、すべての部面において、内地と同様にやつて行きたいということを、常に希望しておる次第でございまして、今後もそういうことを希望して参りたいと思います。
  73. 菊池義郎

    ○菊池委員 向うへ申し入れてありますか。
  74. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは正式ということになれば問題があると思いますが、常々向うと連絡をとつております。
  75. 菊池義郎

    ○菊池委員 これは永久に信託統治になつているわけでもないでありましようし、いつかは日本に返るものであるということを、われわれは期待せざるを得ないわけでありますから、せめて教育だけは純日本式にやつてもらうように、今日から外務省向うに強く申し入れておいていただきたいと思います。
  76. 山本利壽

    山本(利)委員 先ほど戸叶委員からの質問に答えて石原次官の御答弁によりますと、内地にある飛行場、たとえば立川のようなところで燈火管制その他について周囲の人々に協力を求められた場合に、それに沿わない場合にはどうなるか、協力する者はけつこうであるが、協力しない人があつた場合に、それは違反であるかどうかという質問が出たのに対して、法的にはこれはしかたのないことで、それぞれの人の良識に訴える以外にないという意味の答弁があつたのでありますが、これは私はまことに重大な問題だと思うのであります。日本アメリカと講和條約を結び、さらに安保條約を結び、そうして国連協力することになつておる。それですでに国連軍においては水豊ダム付近の発電所を爆撃しておる。その爆撃機が先ほどの質問では日本内地から出たものか、あるいは朝鮮の飛行場から出たものかという質問がありましたが、これはわからないということであります。その答弁はわからないでけつこうでありますが、日本においてもわからないぐらいであるから、共産軍においてこれは日本の飛行場から飛び出したものであると判定してもさしつかえないわけです。そういうことはあり得る。だからその報復手段として日本の内地の各飛行場、ことに東京付近の飛行場というものは大爆撃を受ける可能性がある。だからことにそれが全部自由党の人であるとか、あるいは普通の常識を持つておる者であるならば、周囲の人々は要請されなくても、協力的な態度に出るかもしれないけれども、現在日本内地においては、共産党もあれば暴力革命に協力しようとしておる者もある。だからそういう国内の状況において、これに違反した場合のことを少しも考えないで、違反しても法的には何らのこともなし得ないといつたような措置が、国連軍協力であるかどうか、そういうことはほとんど常識的に現在の政府の処置としては私はあり得ないと考える。重ねて聞きますが、こういう場合にだれかが燈火管制その他に協力しないでも、それは何ら法的にとがめられることはないのでありますかどうか、その点お尋ねいたします。
  77. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは現在の国内法のもとにおきましては、ただいまのところでは何らの措置を講じ得ないと思うのであります。そこで今後朝鮮事変なり、国際情勢推移によりまして、国内の防衛といいますか、治安確保の上から必要であるという事態に立ち至りましたならば、何らかの措置を講じなければならぬ、かように考える次第であります。
  78. 山本利壽

    山本(利)委員 今後の情勢に応じて何らかの手段は講ぜなければならぬといつたようなことが事実であれば、石原次官が御存じないというなら別問題だけれども日本政府として、現にこの問題について国民は非常な不安を感じておるのに、そういつたようなことではまことに現政府の手の打ち方の鈍さ、物事に対する感覚の甘さということを非難されるであろうと私は思う。しかし重ねての御答弁でありますから、この点はおきます。  それでは、きようで朝鮮動乱が起つてから満二週年を迎えて、今度第三年目に入ろうとして、現在休職会談が行われており、その大体の見通し等については、それぞれの報道機関によつてあれこれ伝えられておりますが、この際、外務次官の朝鮮休戰会談に対する見通しを、お伺いいたしたいと思います。
  79. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 どうもこれは関係当事者ですら、はつきりした見通しが立て得ないというのが、事実ではないかと思います。関連の深い国々でもわからないのでございまして、ただいまわれわれの方としても、はつきりとした見通しは、わからないと申し上げる以外にないのであります。
  80. 山本利壽

    山本(利)委員 それでは、水豊ダム付近爆撃されたということは、これはすでに事実である。水豊ダム付近爆撃以外に、陸上においても戰闘が行われておるのか。その他の戰闘は目下のところは全然ないのであるか、そこらのところを、この程度はおわかりだろうと思いますから、御質問申し上げます。
  81. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 朝鮮で行われておりますいろいろの推移その他につきましては、外務省として一々詳細に連絡を受けているわけでもございませんし、またこれは軍の軍事行動のいろいろ機密もあることでございまして、ここで外務当局としていろいろ申し上げるところでないと思います。
  82. 山本利壽

    山本(利)委員 どこの谷で撃ち合いをしているとか、どこの町を爆撃しているとかいうことは、戰術的に機密であるかもしれませんけれども、隣の朝鮮の動乱が、場合によつては第三次世界大戰へのきつかけともなるかもしらぬというような重大な問題を、現在戰闘行為が行われておるのか、おらないのかさえも言えないということは、私はまことに無責任であると考える。御答弁を促すためにさらに申し上げますが、あの休戰会談が継続している間に、ジエツト機を含めて北鮮軍においてはもう二千の飛行機が整備された、戰車は四百台が増加された、兵員は五十万ないし百万が増加されたということは御承知であろうと思いますが、そういう状況においてわれわれが懸念することは、北鮮軍はただ休戰会談をえさにひつぱつておいて大攻勢に出る意図であろうか、あるいは双方の協力によつて無事に休戰会談は成立し得るものであろうか。しかもこの休戰会談が成立するかしないかということは、一に中国本土における国内情勢ということと関連してわれわれは考えなければならない。先般われわれは日華條約を承認したのである。その際も台湾とか、澎湖島とかいつたような小さい範囲に限つてわれわれはこれを承認するのではなくして、政府の位置は台北に移つているけれども、まだ四億数千万の中国民衆の中には全部が共産主義者ではなくして、台湾政権というものを支持する者も多数あるとわれわれは考えて、これに承認を與えるということを申したのである。そうしたら、あれだけの五十万ないし百万の大軍を送り、すでに今日まで相当数の犠牲者を出している。それになおこういう方向をたどるということは、中国本土における政治情勢において、あるいは経済情勢において、私は相当の逼迫を来しておるであろうと想像するのは常識的な考え方だろうと思う。ことに日本の金に直して八百億円からのたくさんの献金を中国の民衆はさせられておる。そういうことを材料にして、日本外務省は、この中国本土における情勢か、共産主義政権にとつてどういう影響を與えておるか、そして国民政府側のゲリラ隊が相当数中国本土に散らばつておる。これも今後相当の見込みがあるといつたような情報をたびたび聞かされておるのでありますが、それら全体をひつくるめて見て、今朝鮮に来ておる中共軍の進退ということについて、わが政府、ことに外務当局は、どういうふうな見通しをつけておられるか、お伺いいたしたい。
  83. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 今いろいろお話かございましたが、外務省としても情報してはいろいろのことを承知し、聞いてもおります。それからまた朝鮮会談の将来その他についても、いろいろな観測が行われておることも承知をしておるのでありますが、しかしこれは問題が重大であるだけに、私はここでいろいろ無責任なことをかえつて言えないと思います。それからまた大陸の中の動き、台湾の動き等につきましても、これはむしろいわゆる中国全体としての国内問題等でもあり、それに対して外務省がいろいろな発言をすることもどうかと考えられますので、重ねて申し上げますが、問題が重大であるだけに、私はむしろ無責任なことはここで言えない、こういうふうに思います。
  84. 山本利壽

    山本(利)委員 ただいまの御答弁を聞きますと、石原次官はずいぶんだくさんの情報をお持ちのようであります。それで国際情勢というものは刻々に動くものでありますから、結末においてかくかくになるということをお述べになることはまことに無責任でありますけれども、現在の状況はかくかくであるということを、あなたのお持ちになつておる豊富な材料をもつて、われわれ外務委員にお知らせ願うことは、日本の国策についていささかでも貢献しようとして集まつておるわれわれ外務委員にとつて、まことに当然なお願いであると考えます。あなたの責任にたるような場合は、われわれこぞつて御支援いたしますから、お持ちになつておる情報をここでお述べ願いたい。
  85. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは私個人というより、外務省としてはいろいろ情報を持つておるということを先ほど申し上げたのでありまして、そういう情報についていろいろの話ということであれば、これは別の機会に、(「一席設けて」と呼ぶ者あり)また一席設けてお話をしたいと思います。(笑声)
  86. 山本利壽

    山本(利)委員 それでは問題を移しますが、先ほど並木委員から質問がありましたように、警察予備隊装備というものは、個人的にアメリカの兵隊から借り受けておる。これでは、日本予備隊として、いつ引揚げられるかもわからないから、この貸與については法を設けて処理すべく、目下交渉中であるという答弁でありましたが、そういう交渉というものは、外務省を通じないで、警察予備隊そのものから直接にしてよろしいものであるかどうか。これは一国と一国との間の重大な交渉であると考えるから、そういう場合においては、私は当然外務省の手を通じてなさるべきであると思うが、その点についての外務次官の御答弁を承りたい。
  87. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは協定をしてやるとか、條約を結んでやるとかいうようなことになりますれば、当然外務省がその仲介といいますか、間に入るべきでありますが、ただいままでのところは、一つの事実行為といいますか、行政権の範囲内で事実行為として借りたり貸しておるというようなことであろうと思うのでありまして、この問題については、外務省は今日までのところは関係していないのでございます。
  88. 山本利壽

    山本(利)委員 それでは同じ関係に立ちますから、先ほど菊池委員から御質問のあつた日本へ艦艇六十八隻を貸與するという問題についても、この前及び今日の答弁では、海上保安庁の者が来ておらぬからわからぬということであつたが、かりそめにも艦艇六十八隻を借りよう、しかもこれは二十七年度においてである。そういうような問題も、海上保安庁がかつてに交渉しておるだけであつて外務省は關與しないものであるかどうか。その点について御答弁を願いたい。
  89. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これも現在のところ先方と話合いでありますが、大体普通の私法上の契約でやろうというようなことが話合いの中心のようでございまして、外務省としても、海上保安庁の方から相談なり連絡は受けておりますが、外務省がただいま当面の責任者としていろいろやつておるという立場ではないのでございます。
  90. 山本利壽

    山本(利)委員 それではこの問題は、先ほど申しますように多数の艦艇の問題であるから、当然これは外務省においてもタツチされておるであろう、間接的にもタツチしておるということのお話でありましたが、大体今年度六十八隻を借りる。二十八年度においての予定及び今後数年間かかつての総計に対する大体の御計画を承りたい。
  91. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは海上保安庁の方からお聞き取りを願いたい。
  92. 山本利壽

    山本(利)委員 それではこまかいことは海上保安庁に聞きますから、借りた艦艇に対して、これはやはり警察予備隊装備のごとく無料でありますか、金を出すのでありますか、その点たいへん大ざつぱの問題でありますから、次官において御答弁を願いたい。
  93. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これはおそらく有償であろうと思います。
  94. 山本利壽

    山本(利)委員 それではこの六十八隻を有償で借りる場合の予算措置は、今年度の予算のどの費目にとつてありますか。
  95. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 そういうことは、やはり海上保安庁の方からお聞き願つた方がいいと思います。
  96. 山本利壽

    山本(利)委員 それではあなたに何をお聞きしても……。
  97. 仲内憲治

    仲内委員長 山本君、大分時間もたちましたし、あと二人ばかりあります。きようはいろいろの都合上ひとつ早目に終りたいと思いますから……。
  98. 山本利壽

    山本(利)委員 それでは時間の関係もありますので、この程度にしておきますが、次会が開かれるならば、海上保安庁の方においでを願つて、御質問申し上げたいと思いますが、非常に重大な問題であり、国民がすべて聞かんとする問題でありますから、政府当局の方がすべて無責任にのがれられないように、いかに與党の守島委員の懸命なる応援がありましても、国民の目はだますことができません。私の質問を一応終ります。
  99. 仲内憲治

    仲内委員長 中山マサ君。
  100. 中山マサ

    ○中山委員 政務次官にお伺いしたいことは、この間からここでも問題になつておりました対日理事会に来ておられますソ連代表部のことでありますが、新聞で見ておりますと、このたびキスレンコ氏が香港経由で中共に寄り、本国に帰つた、その旅券の要請が出ておるということが書いてございましたが、この動きというものは、今ソ連がやつておりますところの外交官の大異動の一つの場面と申しますか、あるいはまた外務省から申入れをなさいましたソ連大使館の日本駐在の理由が解消したということに対するところの一つの答えでございますか、それを承りたい。
  101. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これはどうも先方の動きのことでありまして、こちらとしても、はつきりしたことは何も事実わからないのでございます。外交部大異動の一環としてのあるいは動きであるかどうかも、はつきり申し上げることはできません。これは今後のソ連の出方、対日政策をどういうふうにとつて来るかということによつてそれを見なければ、はつきりしたことをここで申し上げることはできないと思います。
  102. 中山マサ

    ○中山委員 この間国連に、加盟国のことにつきまして、ソ連の代表が、十二箇国でございましたか、日本をも含めての国連加盟を許可すべしという申入れをしておつたのでありますが、これはむろん中共をそこに持つて行くのに対する反対の連中を封ずるための行動であつたとも思いましたけれども日本をも含めるという、この点をも考えてみますと、近ごろ、むろん片方ではずいぶん侵略行為のうしろだてのように見られる点もございますけれども、片方では平和攻勢ということをやつておりまして、対日平和攻勢の一環ではなかろうかとも思います。いろいろと私どもが取結びました平和條約に対して、世間の御批判もございますけれども、お正月にスターリン氏が日本に対してのメッセージを送つて来たこと、いろいろとこのごろソ連の政策がどうも少しかわつて来たように私は見ておるのでありますが、私といたしましては、キスレンコ氏がもし帰りましたならば、この間外務省がおつしやいましたように、もう一度代表としての入国は、外人登録によらなければ許可できないというようになつて参りますと、向うとしても相当の考えがなければ、こういう動きは私はできなかろうと思うのでございますが、外務省ともあろうところが、しかも情報局をお持ちになる外務省が、こういう大きな政治の、日本に対すると申しますか、世界に対するところのソ連の政策の変換を、私ども別に情報も持ちませんところの者すらも考えておりますのに、お考えにならない、それについて少しも集めていない、空中を走つていますところのいろいろな情報の網もございますのに、どうしてそんなことを御聽取にならないのか、これは與党から申しますのは申しにくいことでございますけれども、私はこれについて承服できかねるということを申し上げたいので、もう少し活動をしていただきませんと、まつたく私どもとしてはしんぼうができないようなことになつて参りますので、この点全然ないのですか、そのほかの努力をしていないのですか。やはり聞かしておいていただきたいと思います。
  103. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これはただいまお話になりましたように、最近いろいろの平和攻勢の手を世界的にも打つておるわけでありますが、ことに日本にも対して打つて来ておるということは、これはただいまお述べになつ通りであろうと思います。それからソ連の動きその他につきまして、外務省としても全然何にも知識がないというわけではございませんが、これも先ほど申し上げましたこととやや似る問題でありますが、いろいろのことをここで言うことがまたいろいろに反響を生みまして、また向うが声明する、こういうことになりますので、これはちよつと今外務省がえらいばかものみたいな形になりますけれども、しばらくごしんぼう願いまして、大局から、どうすれば利益であるかという判断から、私は進んで行きたいと思うのであります。
  104. 中山マサ

    ○中山委員 それじや了承することにいたしまして、もう一つ、これは別な問題でございます。これも新聞情報ですから、知らないと言われれば、それまででありますが、この間アメリカのどこでございましたか、日本の国防分担金を一〇〇%使うという答弁を、向うの議会かどこかでしたように私は読んだのでありますが、これはどういうことを言つておるものでございましよううか。まずこちらの——さつき船の問題も出ましたが、そういうことに、日本の分担金をまず使つてから、向うの方の分担金を使うという段取りにするという、いわゆるアメリカの孤立主義的政治家に対する答弁であつたかどうか、もし御存じならば教えていただきたいと思います。
  105. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 そういう問題につきまして、他の政府委員に聞きましても、ここではつきりしたことを申し上げることができないと思います。よくわからないのでございます。
  106. 中山マサ

    ○中山委員 それでは終ります。
  107. 並木芳雄

    並木委員 法務府の中央更生保護委員会の事務局長の斎藤さんに、戰犯のことでお伺いしておきたいのです。それは英国戰犯などの場合には、英国の管理と巣鴨における管理とは異なつておるということです。たとえば英国の終身刑というものは二十一年と解しておるけれども、巣鴨の方では二十一年としたものもあるし、終身刑としたものもあつて、つまり英国の終身刑は二十一年だということがわかつていなかりたために、不公平を生じておる、こういう事例がずいぶんありますけれども、こういう点は十分おわかりかどうか。それから戰犯関係の処理がはかどらないようですけれども、何ゆえにはかどらないでいるのか。それと問題になつておる朝鮮とか台湾の住民の戰犯者は、勾留の基礎がないのだから即時釈放すべきであるというような声も出ておりますが、それに対してはどういうふうな態度をもつて臨んでおるか。
  108. 斎藤三郎

    ○斎藤(三)政府委員 ただいまお尋ねの点についてお答え申し上げます。巣鴨プリズンの、アメリカ管理当局におきましては、イギリスの独特の法律的な立場で、終身刑を言い渡された者は、二十一年と解するというふうな制度があつたのを、認めないという立場をとつておられたようでございます。この問題につきましては、私ども非常な関心を持つておりまして、独立回復後、その点について外務省からお願いをいたしまして、イギリス政府の見解をただしております。ただ今日までその点についての返答はございませんので、われわれとしては二十年と解していいのではないか、こういう見解のもとに、赦免なり減刑なりあるいは仮出所なりについて勧告をいたしたり、個々的の具体的なケースによつて先方の意向を確かめたい、かように存じて、それぞれ準備いたしております。この戰犯のかどで拘禁されております人々の問題につきましては、法務府におきましても、まことに困つた不幸な事態である、一日も早くこの問題を解消いたしたいと存じまして、極力この問題の解消について努力ば拂つておりますが、平和條約の第十一條によりまして、この戰犯に問われておる人々の問題につきましては、日本国の勧告と関係国の決定によつて、初めて仮出所なり減刑なわ赦免ができる、こういう條約が結ばれておりますので、法務府といたしましてはこの勧告に必要ないろいろな、先方が納得されるような事情を発見することに調査を極力進めておりまして、今日まで調査が進んでおりまして、関係国に仮出所の勧告をいたしておるのも相当ございます。ただ先方がまだそれについての態度がはつきりいたしておらない、返答がないという関係で、外見的に具体的な結果を見ないということは、まことに遺憾に存じておりまして、今後全般的に調査を進めまして、赦免なり減刑なりに値するものは、極力これを外交折衝によつて実現をはかりたい、かように努力を拂つておるような事情でございます。  なお朝鮮人の問題、あるいは台湾に籍のある人の問題につきまして、平和條約におきましてはへ日本国内に拘禁されておる日本国民に対して刑を執行する、裁判を受諾する、こういうことになつておりまして、いろいろその解釈について問題がございまして、昨年の秋以来それぞれ検討いたしまして、結局裁判時における日本国民について刑を執行する、こういう解釈になりましてさような解釈のもとに現在、平和條約発効後、二十九名の朝鮮の人、一名の中国の人を巣鴨のプリズンにおいて拘禁をいたしております。これについて、最近代理人から、東京地方裁判所に対して、人身保護令状の請求がございまして、近くその公判が開かれるそうでございます。私ども法務府といたしましては、いろいろ検討の結果、この條約はやはり裁判時における日本国民に対して、日本が刑の執行を受諾した、かように解釈いたして、現在まで執行いたしておるような状況でございます。
  109. 並木芳雄

    並木委員 戰犯に関する立法措置を考えておられるかどうか。それからフィリピンにおける死刑囚の人々に対しては、法務府としてはどういうふうに望んでおられるか。
  110. 斎藤三郎

    ○斎藤(三)政府委員 戰犯者の執行につきましては、條約において、日本が連合国の戰争犯罪法廷の科した刑を受諾する、そうしてそれを執行するという條約がございますので、これを巣鴨プリズンにおいて執行いたすことにいたしております。  なおその後段において、戰争犯罪者のかどによつて執行を受けておる人々の赦免、減刑並びに仮出所につきましては、日本国の勧告、リコメンデーシヨン及びそれぞれの関係国の決定によつて日本がそれを実行し得る、こういう平和條約の第十一條がございますので、その手続等につきまして、今国会において御審議を願いました法律第百三号、平和條約第十一條による刑の執行及び赦免等に関する法律において、この手続を進めておりますので、現在のところ、さらにそれ以上に立法措置を要するものとは考えておりません。この法律は附則におきまして、ただいまお尋ねのような刑の計算等につきましては、それぞれ関係国と日本との折衝によつて決定をする。たとえばアメリカにおきましては、戰争犯罪の嫌疑によつて抑留された期間、及び検察官から起訴されて判決の確定するまでの未決期間を、刑の執行の期間と勘定をする。それから執行を受けて後、反則のない場合には刑期を短縮する。これもいろいろ限度がございまして、一番長い十年以上の刑の人は、三十日勤めれば四十日と計算する。こういうような計算方法、これらを法律では望ましいことであると存じまして、そういう計算も一応とる。しかしこれらの刑期の計算については、違つた法制の国がございずすので、それぞれの関係国との折衝によつて決定する。こういう附則を設けまして、御審議を願いすして、そうして平和條約発効の日にこの法律が公布施行になつております。ただちに私ども外務省にお願いいたしまして、それぞれの関係国にこの法律で行くか、あるいはそれとも他のそれぞれの国の法制にかなつた、しかも日本のわれわれの希望するような方法でやつてくれるかどうかということを、折衝いたしておるのでございますが、それについても返答がまだありません。それからあまり長くなりますので、私ども調査も着々進んでおりますので、漫然と待つておるわけにも参りませんから、それぞれの具体的なケースによつて関係国の態度を知ろう、こういう考えで、今月の十二日以後、それぞれの関係国に仮出所の勧告を外務省にお願いいたしましていたしております。これにつきましての返答はまだございませんですが、さような方針でありますので、これ以上立法措置は一応要しないのじやないか、かように存じて、現在調査を進め、今後さらに広く赦免なり減刑なりの勧告もいたしたい、いたさなければならぬと考えて、準備を進めておる次第でございます。  それからフイリピンの死刑囚の問題につきまして、私どもといたしましては、当然平和條約の効力を発生したという現在の状態において、執行は考え直していただきたいと存じておりますが、これにつきましては、法務府といたしましては当該の所管事項でございませんので、外務省からそれぞれ適切な手を打つていただいておる、かように存じておる次第であります。
  111. 並木芳雄

    並木委員 主計局長が見えましたから、私は特調との関係において、農地、宅地、山林などの借上料、買上料について、一点お尋ねしておきたいと思うのです。最近新聞に出ましたあれが大体原案がございますかどうか。原案であるにしても、大分大蔵省の方に難色があつて、あの通り金を出さないという点も報道されておりますが、まず長岡管理局長に借上料、買上料についてお尋ねいたします。
  112. 長岡伊八

    ○長岡政府委員 借上料並びに買上げの問題につきましては、取急いで基準を定めたいと考えまして、関係省と目下打合せ中でございます。現に昨日も朝から夜おそくまで打合せた次第であります。いろいろこれにはむずかしい点がございますので、まだ各省の意見が一致したというところまでは参りませんけれども、近く決定を見るものと考えております。
  113. 並木芳雄

    並木委員 大体原案は新聞に報道されたものでございますか。
  114. 長岡伊八

    ○長岡政府委員 まことにうかつな話でございますが、新聞を承知いたしておりませんので……。
  115. 並木芳雄

    並木委員 じや見せましよう。これです。
  116. 長岡伊八

    ○長岡政府委員 今これを見ましても、ちよつと急にこの通りであるかどうかということは、判断いたしかねますが、大体におきまして、従来よりもやり方をかえまして、基準を上げるということは、大体意見の一致を見ておると見ましてさしつかえないと存じます。
  117. 並木芳雄

    並木委員 ではごく大ざつぱに常識的に言つて、おしなべて今までの何倍ぐらいになりましようか。借上げの場合、買上げの場合……。
  118. 長岡伊八

    ○長岡政府委員 まだ何倍になるということは、はつきり申し上げる段階になつておりません。
  119. 並木芳雄

    並木委員 今まで過去に終戰処理費から拂つた金額の合計額と、今度の原案で行く合計額との違いはどのくらいになつて参りますか。そういう計算はできておりますでしよう。
  120. 長岡伊八

    ○長岡政府委員 従来の接収地域と今後の分との関係もまだはつきりしない次第でございますし、はなはだ申訳ない次第でございますが、私数字のことになりますと、まことに頭が悪くて覚えませんので、今ちようどどのくらいになつておるかということは申し上げかねますことを、まことに恐縮に存じます。
  121. 並木芳雄

    並木委員 主計局長にお尋ねします。大蔵省としては、新聞の報道によると、難色があるというのですけれども、その難色があるというのは、例の防衛分担金の中の九十六億円でしたか、九十二億円でしたか、あれを超過するおそれがあるから、難色があるというようなことですか、その辺のいきさつを伺いたい。
  122. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 必ずしもそういうわけでございませんで、新聞にどういう報道が出ておるか存じませんが、補償の基準のとり方について、農林省、大著、特調等で、現在いろいろ相談をいたしておるわけでございまして、まだ完全なる一致を見ません関係上、的確なことを申し上げる段階に立ち至つておりません。
  123. 並木芳雄

    並木委員 この際主計局長にお伺いしておきたいのですけれども、安全保障費の明細が今まできまつておらなかつたのです。しかし新しい年度になつて四月、五月、六月と三箇月近くもたちます。今まで安全保障費から支出されたおもな項目と金額、それから今後支出さるべき予算というものは明細がきまつておるはずでありますので、それを説明していただきたいと思います。
  124. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 安全保障費の明細がきまつていないというお話でありますが、これはほかの予算のように的確にはつきりきまつていないというのでありまして、全然内容のないものだというわけではないのであります。これは過般予算審議の際におきまして、予算委員会でもたびたび申し上げた通りでありまして、営舎の建築であるとか、あるいは通信施設、巡視船の設備拡張、それから治安機構の拡充とか、あるいは道路、港湾といつたものでありますが、これは現実に今まで幾ら出たかということになりますと、まだ出ておりませんが、現在の段階においていろいろお話合いをいたしております。但し、これは御承知のように施設の関係がおもでありますので、この施設の移転関係がなかなか最終的な妥結にまで至つておらないわけであります。双方の間にいろいろな言い分もございますので、ことに今までの段階におきましては、いわゆる軍政関係というものはなくなりまして、大体一箇所にキヤンプその他に集まるような傾向になつておりますので、そういつた関係で特に今これをきめなければならぬというようなものは大して起つておらないのでありますが、そのほかにおきまして、接収地等の関係において、道路でありますとか、あるいは解除になりました港湾の補修の問題でありますとか、そういうようなことで相当問題が起つております。それからアメリカからのパトロール・フリゲートも最近出してくれるようになりましたし、そういうふうなことで相当具体的な話はあるのでありますが、今さしあたつて幾ら出せるという段階には至つておりません。
  125. 並木芳雄

    並木委員 この防衛分担金と安全保障費の見通しとしては、本年度さらに増額の見込みがあるかどうか。
  126. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 防衛支出金はこれ以上ふえる見込みはございません。これ以上ふやそうという考えもございません。安全保障費は本年度はこの程度で足りるのじやないか。これに対して追加予算をするというようなことは全然考えておりません。
  127. 並木芳雄

    並木委員 要するに、農地にしても、山林にしても、宅地にしても、みな忍ぶべかざるものを忍んで安く買い上げられたりしておる。ですから、少しは補正予算を組んでもよいから、十分満足の行く借上料、買上料を出してもらいたい。これを要望しておきたいのです。  最後に長岡さんに質問しておきたいのですが、借りるよりも買つてもらつた方がむしろ得だ。いつまでもだらだら接収されていてはかなわないという声もずいぶん出て来ている。これなどはほんとうに気の毒な声ですが、今度の借上料、買上料でわかつている基礎、たとえば新聞に出ている固定資産の登録価格に対して〇・〇八をかけるとか、〇・〇六をかけるというような基礎について、基本的なものでもけつこうですから、この際御説明を願つておきたい。
  128. 長岡伊八

    ○長岡政府委員 先ほども申し上げました通り、今お示しになりました数字についてどうなるかということは、いましばらく申し上げることを差控えたいと存じます。  それからただいまお話のありました、借り上げるよりも買つてほしいという希望のあることは、場所によりまして事実であります。それで従来は買上げ措置というものは講ぜられておら参なかつたのでありますが、講和條約発効前から、土地の形質を変更いたしておりますもの等につきましては、買上げ措置をとつて来たものも多少ございます。現に羽田飛行場の一部を買い上げたものもございます。それから先般今議会を通過いたしました土地等の使用等に関する特別措置法におきましても、関係者に買上げ請求権を認めている條項がございます。その條件に合いますならば、買上げ措置を講ずることがあると存じております。     —————————————
  129. 仲内憲治

    仲内委員長 次に理事補欠選任の件についてお諮りいたします。理事並木芳雄君が去る二十日委員辞任せられまして、二十四日に再び委員に選任せられました。従いまして理事が一名欠員となつております。それでこの際理事補欠の選挙を行いたいと存じます。これは先例によりまして、委員長より指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  130. 仲内憲治

    仲内委員長 御異議がなければさように決定いたしまして、並木芳雄君を理事指名いたします。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。     午後零時十七分散会