○池田国務大臣 前の
質問で、具体的に大蔵大臣が答えないからというお話でございますが、今大蔵大臣として具体的には答えられない。これは一家の家庭にしましても、非常に借金もある、これらうんと働いて行かなければならない、子供もふえて来た、今こういう商売をしているが、材料をどれだげ買い入れて、そうして製品にして売ろう、しかしそれだけでは、子供がふえるから、もつと商売をふやさなければいかぬ、そして工場も建増ししよう、今の在庫品を売
つて金がどれだけ入るか、それからその売れようによ
つてどれだけの工場の建て増しをやるか、こういうことは常に
考えて行かなければならぬ。そこで私はこれだけ借りたいのだとい
つても、それだけの在庫品の問題、あるいは新規
計画を立ててや
つて、そうして
見通しがついて、みんなが競争して借りるのでございますから、その時と額と
見通しをつけなければならぬ。今軽々しくこういうようなところにこういう金を借りたいというようなことは、大蔵大臣としては言うときではないのであります。それは電源開発、その他いろいろな
計画もございますが、それを言えとおつしやることは私は無理だと思います。また言わない方がいい。しかもまた今言つたように、
日本は今、特殊な事情ではありますが、非常に
ドルをかせいでおるときなのであります。先ほど申し上げましたように、とにかく非常な国際的な信用を博しつつある。あなたは
日本が平和的でないから外資は来ないというようなことをおつしやいますが、だんだん毎年来るのがふえて来ている。四千万
ドルの輸出入
銀行の綿花借款のごときは、これは信用を博しているからでございます。あなた方の議論は実際と少し遊離しているのではないかという気がいたします。
それから今の御
質問の、国際
通貨基金に入ることは
日本の為替相場を拘束されるのではないか、こういう話がございました。まず三百六十円のレートをかえる必要があるかどうかという問題について、いろいろの議論があるようでありますが、私は昨日も、ある
アメリカの相当な役人と会いましたが、今
アメリカを除いて一番為替
関係で強いのは、しこうしてまた一番国際收支で信用のあるのは、第一カナダ、第二スイツツアランド、第三
日本、ベルギーはその下じやないか、こういうことまで言
つておるのであります。これはもう信用がございます。
日本のこのような躍進は——これは私が言うのではありません。きのう会つた相当の
日本通が言
つておるのでございます。そういう状態でありまして、決して御心配になる必要はないし、それから他の
委員会でも、もし国際
通貨基金に入る場合には、一
ドル三百六十円でなしに、一
ドル四百円くらいになるのではないかという変な
質問がありましたが、これはとんでもないことであ
つて、一
ドル三百六十円というのは、
加入する国の大蔵大臣が
決定するのであります。向ろから何ら拘束を受けません。拘束を受ける筋はない。しかもまた
ドル三百六十円というのは適正で、ほかの国にもあまり見ないほどの、いわゆるやみ相場も少いし、りつぱな
地位を保
つておるのであります。もちろん国際
通貨基金に入りますと、か
つてに為替レートを上げ下げすることは困るという思想はございまして、多分規定にも二割を越える場合につきましては、
加盟国の了解を得るとかいう規定もあつたと思います。しかしこれにいたしましても、
経済というものは生きもので、実態に沿うのが必要なのでございますから、一昨年の秋、イギリスは二割余りの引下げをやつたと思うのであります。一応の
考え方といたしましては、国際
通貨基金に入りますと、為替レートの大幅な変更については
承認を得るというふうな規定がございますが、われわれは今申し上げましたように、一
ドル三百六十円というのは強い相場であります。フラン上かポンドとは違うのでございますから、あなたの御心配のような点はないことを私はここで断言いたします。