○山崎(岩)委員 ただいま当局からまことに御懇篤なるところの御
説明を承りまして、地方民といたしましてはまことに感謝にたえない次第なのでございます。昨日も実は
運輸大臣にこの点につきまして
お話申し上げましたところが、
運輸大臣といたしましても、将来の
日本の立
つて行かなければならぬ
見通しという点から
考えまして、この旧海軍工廠をいかにして利用するかということについては、いろいろ
考えておる。そこで大蔵大臣にもその点についてはお耳に入れておるような次第であるから、近くまた当局の方々とよく打合せをしたいという
お話でございました。大臣もそのようにお
考えにな
つておるのでございまするが、所管の長官である柳澤長官並びに大蔵省の管財局の当局が、ただいまのような
お話でございますので、ぜひこれはひ
とつそのようにしてお
考えをまとめていただかなければならない。ところが末端の大湊の地方におきますところの管財の役人の方々になりますと、何でもかんでもこれは換金してしまわなければならぬ。財政難といつたような
立場もありますので、
一つの財務局に対しては、お前のところで一体今年は何億万円の処分をしろ、大湊に対しては五億なら五億という割当がある。そこで何としてもこれは急いでやらなければわれわれの面子が立たぬといつたようなやり方でも
つて、売急ぎをしておるような傾向が見えるのであります。そうな
つて参りますと、
先ほど長官が
お話になりました
通り、せつかく基地に使いましても、それは船のことでありますから、当然修理というものが伴
つて来るのであります。ただいま上程されておりまする
造船といつたような大きな仕事でなくても、りつぱに修理ということが伴
つて来る仕事なのであります。修理のないところであれば、基地にいたしましてもその効果というものは半減するのであります。それがかりに横須賀であるとか、呉であるとか佐世保であるとかいつたような大都市でありますと、地方のどの工場を持
つて行
つても間に合うわけであります。ところが大湊というところは辺陬の土地であ
つて、おそらく海軍の基地であるがゆえに持
つて行くところなのであります。これが海軍といつたようなものでなかつたら、今まで利用されて来るわけのものではないのであります。それが
国家的の大きな機関であつたがために、今日まで残されて来たということにもなるわけでございますが、どうかそういう点をひ
とつ御勘案くださいまして、一体工作部というものの機関がなくなれば、これはもうよそへ持
つて行くということになればどこへ持
つて行くか、おそらくは函館へ持
つて行
つて修理するより方法がない。そうすると莫大な費用をかけなければならぬ。基地にいたしましても修理がそこでできないということに
なつたらたいへんだから、そうな
つて来ると、何を犠牲にしても工作部を置かなければならぬ。また造機工場を設けておかなければならぬ。ところがその際においてはもう機械というものはない、たいへんな値上りにな
つて来るということになれば、かけなくてもよい国の費用をかけて行くということになりますので私は
見通しとしてはまことに下手なやり方であろうと、かように
考えるのでございます。
そこで長官のお説のように、現
段階としてこれを使うという見込みがなくても、ここ一年、二年の後において、どうしてもこれは修理して行かなければならぬことになると思うのでございます。かりに警備隊においても、海上保安庁においても、難破したところの船をひつぱ
つて来る。その難破した船を基地へひつぱ
つて来て、そうしてそれを修理して独航させまして、元の港へ帰してやるということにいたしましても、基地のそういうりつぱな施設がおるということとないということではたいへんな開きがあるかと
考えますので、どうかこの点ひ
とつ牧野
説明員におかれましては、局長さん、大臣、次官等ともよく御相談くださいまして、それからまた柳澤長官の方ともよく御連絡くださいまして、そつのないような御計画のもとに、何とぞこの工場を全面的に生かすような緊急の処置を賜わるようお願いを申し上げたい。この点についてひ
とつそのお覚悟を漏らしていただければ、まことに好都合だと思います。