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1952-03-27 第13回国会 衆議院 運輸委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月二十七日(木曜日)     午後一時四十三分開議  出席委員    委員長 岡村利右衞門君    理事 黒澤富次郎君 理事 滿尾 君亮君    理事 原   彪君 理事 淺沼稻次郎君       岡田 五郎君    片岡伊三郎君       關谷 勝利君    玉置 信一君       坪内 八郎君    前田  郁君       飯田 義茂君    江崎 一治君       木村 俊夫君  出席政府委員         運輸政務次官  佐々木秀世君         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運輸事務官         (海運局海運調         整部長)    国安 誠一君  委員外出席者         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 三月二十六日  委員山本猛夫君辞任につき、その補欠として中  野武雄君が議長指名委員に選任された。 同月二十七日  熊本虎三君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 三月二十六日  海外からの日本国民の集団的引揚輸送のための  航海命令に関する法律案内閣提出第一一六  号)  道路運送車両法の一部を改正する法律案内閣  提出第一一八号) 同月二十七日  捕獲審検所検定の再審査に関する法律案(内  閣提出第四七号)(参議院送付) 同月二十六日  岩尾に船入ま築設の請願玉置信一紹介)(  第一六三五号)  甲浦港修築に関する請願長野長廣紹介)(  第一六三六号)  土管、炊事用陶器及びかわらの運賃割引継続等  に関する請願中野四郎紹介)(第一六三七  号)  戸井線敷設促進請願川村善八郎紹介)(  第一六三八号)  秩父地区東京鉄道管理局管内復帰請願(  阿左美廣治紹介)(第一六五九号)  小型貨物自動車運送営業免許簡易化に関する  請願外十三件(前田種男紹介)(第一六六〇  号)  伊東線熱海和田地区駅設置請願畠山鶴  吉君紹介)(第一六九八号)  小松島市に海運局支局設置請願岡田勢一君  紹介)(第一六九九号)  日南線全通促進請願瀬戸山三男君外五名紹  介)(第一七三〇号)  岡崎、多治見間鉄道敷設請願千賀康治君外  九名紹介)(第一七三一号) の審査を本委員会に付託された。 同日  観光局設置に関する陳情書外二件  (第一〇二四  号)  同  (第一〇二五号)  同(第一  〇二六号)  木船事業育成振興に関する陳情書  (第一〇二七  号)  日本海海運局設置に関する陳情書  (第一〇二八号)  秩父地方東京鉄道管理局復帰陳情書  (第一〇  二九号)  国鉄甲府長野間ディーゼル電気機関車の運転  に関する陳情書(  第一〇三〇号)  天草郡本渡瀬戸運河開さくに関する陳情書  (第一〇三一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  捕獲審検所検定の再審査に関する法律案(内  閣提出第四七号)(参議院送付)  海外からの日本国民の集団的引揚輸送のための  航海命令に関する法律案内閣提出第一一六  号)  道路運送車両法の一部を改正する法律案内閣  提出第一一八号)     ―――――――――――――
  2. 岡村利右衞門

    岡村委員長 これより会議を開きます。  海外からの日本国民の集団的引揚輸送のための航海命令に関する法律案及び道路運送車両法の一部を改正する法律案一括議題とし、政府より提案理由説明を求めます。     —————————————
  3. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 ただいまから海外からの日本国民の集団的引揚輸送のための航海命令に関する法律案提案理由を御説明申し上げます。  従来海外からの日本国民集団的引揚げについては、連合国最高司令官の覚書、すなわち帰還輸送に関する基本指令に基き、これに関する海上輸送商船管理委員会が行つて来ました。しかし同委員会は、本年三月末日をもつて解散の予定であり、従つて今後の帰還輸送は、一般船舶運航業者の協力にまたねばならなくなるのであります。このため政府といたしましては、予算的措置を講じた上、大阪商船株式会社契約を結び、同社所有高砂丸を待機せしめ、そのための航海に当らしめる方針でありますが、将来の引揚者の量、あるいはその他の事情により、右の措置をもつてしては船舶に不足を生ずることもあり得ないことではなく、このような場合にはさらに他に船腹を求めなければならないのであります。しかるに通常の契約をもつてしては所要の船舶を調達できないような場合も、万一の場合として予想せられないではありませんので、このような場合に備えて、運輸大臣船舶運航事業者に対し、強制命令を発して必要な船舶を就航させることができるようにすることが必要であると考えられるのであります。これがこの法律案を提案する理由であります。  もちろんこの強制命令については、完全補償を行い、当該船舶運航事業者が、経済的損失をこうむらないようにする必要があります。この法律案はかかる強制命令を発する権限を運輸大臣に與えるとともに、あわせてその補償に関する事項を規定しようとするものであります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。  続きまして、道路運送車両法の一部を改正する法律案提出理由について御説明いたします。  この法律案は、現在施行しております道路運送車両法に基く行政事務のうち、自動車等登録及び検査制度簡素化いたしまして、行政能率化及び簡素化をはかるとともに、応益の要素を考慮して、新たに車両検査に関して手数料を徴収しようとするものでありますが、その骨子は次の通りであります。  第一に、二輪の小型自動車及び軽自動車についての登録制度と、軽自動車についての車両検査制度を廃止いたすことといたしました。これに伴いまして従来、登録の際に定めておりました車両番号車両検査または使用の届出のときに指定されることとなります。  第二には、車両検査証有効期間を変更することであります。現在すべての自動車について一律に一年となつておりますが、自家用の乗用自動車等につきましてはこれを二年に延長いたし、バス、タクシー等旅客運送事業用自動車につきましては、自動車の整備を向上し、運送の安全をはかるために、九箇月に短縮することになつております。なおトラックについては従来通り一年とするものであります。第三に、原動機付自転車と軽車両に関しましては、現在行つております車両検査と、この際行われる車両番号指定制度を廃止いたすことになつております。これに伴いましてこれらの車両は、車両保安基準の適用が残るだけでありまして、官公庁に対する手続は一切不用になるのであります。  第四には、伴来無料で行つておりました自動車車両検査について、手数料を徴収することにいたしたことであります。  以上がこの改正法律案の大要でありますが、行政能率化及び簡素化をはかりますために、この法律の制定を必要とするものと考えますから、何とぞ十分御審議の上、可決されるようにお願いいたす次第でございます。
  4. 岡村利右衞門

    岡村委員長 これより海外からの日本国民の集団的引揚輸送のための航海命令に関する法律案につき、質疑に入ります。質疑通告がありますので、これを許します。江崎君。
  5. 江崎一治

    江崎(一)委員 海外からの日本国民集団引揚げをやろうというのでありますが、この集団引揚げのために船を準備しなければならないほど、現在どこにどれくらい未帰還邦人が残つているのか、その点を具体的にお示し願いたいと思います。
  6. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 未帰還者の数につきまして、二十六年度初頭に厚生省が発表いたしましたのは三十一万二千九百七十六名であります。二十六年度の引揚げ予定数厚生省は十五万二千名というふうに計上いたしております。それがどの程度実施されましたか、今ここに資料を持つております。二十六年七月の新聞発表によりますと、外地残留者のうち生存者は七万七千六百三十七名ということが発表されております。その他行方不明または死亡、それからその後外務省引揚げ白書によりますと、生存者は八方一千、他は不明ということになつております。二十七年度厚生省で一応予定しております引揚者は約一万名、こういうことであります。
  7. 江崎一治

    江崎(一)委員 政府予定という数字を知らしていただいたのですが、この政府の発表された数字が、どこにどれだけおるのか。生存者がこれだけおるのだということについて、具体的にお示し願いたいと思います。特にソビエトや中共に過大な未引揚げ邦人がおるというふうに宣伝されております。この際具体的に国民がきわめてよくわかるように説明を願いませんと、この法案審議するわけに行きません。もつと具体的に各府県別にどのくらいおるのだということを発表してもらいたい。
  8. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 運輸省ではその点明確にお答え申し上げかねます。
  9. 江崎一治

    江崎(一)委員 でありますので、私が先ほど何回も要求したのであります。外務省引揚げ関係、あるいはまた厚生省援護庁あたり政府委員を、どうしても呼んでもらいたいということを要求しておいたのです。そういたしませんと、この法案の本元を審議することができない。今のような資料では審議できません。至急に呼んでもらいたいと思います。
  10. 玉置信一

    玉置(信)委員 ただいま江崎委員の御質問なつたことも、関連性はありますけれども、未帰還者の数その他のことについては海外引揚委員会においても、あるいは厚生委員会においても、あるいは外務委員会等においても、それぞれ質疑を重ねられて、よく御承知のはずであります。どの程度の答弁を求めたかということも、私ども上述委員会においてもよく拝聽して了承いたしておりますが、ここでこの問題を取扱うということは、私は議事進行の上から見て、ちよつと無理でないかと思いますので、本土程された案についての質疑をされて、進行されるようにとりはからいを願いたいと思います。
  11. 關谷勝利

    關谷委員 南方の島あたりにいまだに日本人が残つておるということも、たびたび新聞紙上等でも見ておりまするので、そういうふうな引揚者があることだけは確実なのであります。なおどこにどれだけおるということが確定しておれば、それに対する輸送計画が当然立つわけであります。それが明確にならざるために、もしそのような大量の引揚者があつた場合に、その際にというので備えるためのこの法案でありますので、いずれにいたしましても引揚げなければならぬということに対しては反対する者——おそらく日本国民である限り、共産党はどうか知りませんが、反対する者はないと思いますので、この法案について数がどうであるというふうなことは、これはほかの委員会審議すべきものでありまして、運輸委員会におきましてもそれだけのものを追究する必要はないのであります。そこで私たちは、引揚げねばならないというこめ原則に反対の人ならばともかくも、それ以外の人であるならばこの法案に反対する者はないと思いますので、私はこれ以上の無意味な質疑等は継続することなく、質疑を打切りまして、討論を省略して、採決せられんことを望みます。動議提出いたします。
  12. 岡村利右衞門

    岡村委員長 闘谷君の動議賛成の方の起立を願います。     〔賛成者起立
  13. 岡村利右衞門

    岡村委員長 起立多数。右決定いたしました。  これより本案を採決いたします。本案原案通り可決するに賛成の方の起立を願います。     〔賛成者起立
  14. 岡村利右衞門

    岡村委員長 起立多数。よつて本案原案通り確定いたしました。  なお本案に対する委員長報告については、委員長に一任を願いたいと存じます。異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 岡村利右衞門

    岡村委員長 異議ないと認めます。さよう決定いたします。
  16. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 私、議事進行で申し上げるのですが、多数と言うけれども、一体全体の頭を数えたらどうなります。今ここで多数で動議が成立したけれども、また可決したけれども、員数はどうなります。過半数に達しておりますか。だからそういうことはやはり話合いをつけてやらぬと、結局多数できめて、慣例だからいいというけれども、過半数に達してないという異議を申し立てられればいけなくなるので、そこら辺はあまり無理しないで、江崎さんのこともそう押えないで、大体そういうところだというような話がついてやられた方が——きめたことだから私は異議は申し上げませんけれども、あまり強くやらぬようにひとつ願いたいと思います。
  17. 岡村利右衞門

    岡村委員長 ちよつと速記をとめて。     〔速記中止
  18. 岡村利右衞門

    岡村委員長 速記を始めてください。
  19. 江崎一治

    江崎(一)委員 この際一般運輸行政についてお伺いをしておきたいと思います。お答えは運輸次官けつこうだと思いますが、この三月末日で……。
  20. 岡村利右衞門

    岡村委員長 江崎君の発言は議題外だと思いますので、御遠慮願います。     —————————————
  21. 岡村利右衞門

    岡村委員長 次に捕獲審検所検定の再審査に関する法律案議題とし、質疑に入ります。質疑通告がありますので、これを許します。岡田君。
  22. 岡田五郎

    岡田(五)委員 簡単に一つだけ承ります。捕獲審検審査委員会というものがこのたびできるようでありますが、この委員会委員任期が二年ということにきめられておるのであります。しかもこの法律を見ますと、大体三年間有効にする、こういうようにきまつております。三年間法律が有効であるにかかわらず、審査委員任期を二年ときめられておる。どういう理由委員任期を二年とされたか、どういう理由法律の施行を三年とされたか、これについての政府説明を求めたいのであります。
  23. 国安誠一

    国安政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。この法律によりまして、捕獲審検審査委員会期限を三年にしておりますが、これは特に三年ということに重大なる意義があるわけではありませんで、われわれといたしましても、この問題はなるべく早く処理してしまいたいというふうに考えております。一応三年で区切つておりますが、われわれとしましても、出て来る案件の数にもよりますが、大体二年ぐらいを予定して、問題を処理して参りたいというように考えております。これは外務省からも相手国に、そういうことでいろいろ交渉してもらおうと思つておりますが、そういう関係もありまして、一応委員会としては期限を三年といたしておりますが、学識経験者委員任期も、三年では少し長いようでありますので、二年ぐらいでよかろうというので、一応二年としたような次第であります。
  24. 岡田五郎

    岡田(五)委員 けつこうです。
  25. 岡村利右衞門

    岡村委員長 他に質問はありませんか。——なしと認めます。
  26. 關谷勝利

    關谷委員 質問もないようでありますから、本案討論を省略して、ただちに採決されたいという動議提出いたします。
  27. 岡村利右衞門

    岡村委員長 關谷君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 岡村利右衞門

    岡村委員長 御異議なしと認めます。  これより本案について採決いたします。本案原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立
  29. 岡村利右衞門

    岡村委員長 起立多数。よつて本案原案通り可決いたしました。  なお本案に対する委員長報告については委員長に御一任あらんことをお願いいたします。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 岡村利右衞門

    岡村委員長 御異議なしと認めまして、さようとりはからいます。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時八分散会