運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-03-25 第13回国会 衆議院 運輸委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月二十五日(火曜日)     午前十時五十六分開議  出席委員    委員長代理 理事 黒澤富次郎君    理事 滿尾 君亮君 理事 淺沼稻次郎君       大澤嘉平治君    岡田 五郎君       關谷 勝利君    玉置 信一君       坪内 八郎君    前田  郁君       山本 猛夫君    山口シヅエ君       江崎 一治君    木村 俊夫君  出席政府委員         運輸政務次官  佐々木秀世君         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運輸事務官         (船員局長)  山口  伝君  委員外出席者         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 三月二十五日  委員田代文久君辞任につき、その補欠として江  崎一治君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 三月十八日  船舶運営会船員退職手当に関する交付金を  船舶所有者に交付する法律を廃止する法律案(  内閣提出第八三号) 同日  観光局設置に関する請願外一件(岡村利右衞門  君紹介)(第一五一九号)  上野、青森間に急行列車運転請願外二件(清  藤唯七君外二名紹介)(第一五三五号)  横堀、鳴子間鉄道敷設請願飯塚定輔君紹  介)(第一五三六号)  長岡市に国立測候所設置請願外一件(丸山直  友君紹介)(第一五七〇号)  道路運送法の一部改正等に関する請願前田正  男君紹介)(第一五七一号)  小型貨物自動車運送営業免許簡易化に関する  請願外五件(淺沼稻次郎紹介)(第一五七二  号)  牛根、百引間に国営自動車運輸開始請願(前  田郁紹介)(第一五七三号)  真岡線にガソリンカー復活請願佐藤親弘君  外一名紹介)(第一五七四号)  米沢、熱塩間及び荒海、今市間鉄道敷設促進の  請願牧野寛索君外二名紹介)(第一五七五  号)  木船事業育成振興に関する請願玉置實君紹  介)(第一六一二号)  風見山に燈台設置請願山本利壽紹介)(  第一六一三号) の審査を本委員会に付託された。 同月十九日  観光局設置に関する陳情書  (第九三六号)  同(第九三  七号)  同(第九三八  号)  同(第九  三九号)  同(第九四〇  号)  同外五件  (第九四一号)  同(  第九四二号)  木船事業育成振興に関する陳情書  (第九四三  号)  同  (第九四四号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  商船管理委員会解散及び清算に関する法律案  (内閣提出第七六号)  船舶運営会船員退職手当に関する交付金を  船舶所有者に交付する法律を廃止する法律案(  内閣提出第八三号)     ―――――――――――――
  2. 黒澤富次郎

    黒澤委員長代理 これより会議を開きます。  委員長不在でありますので、理事の私が委員長の職務を行います。  船舶運営会船員退職手当に関する交付金船舶所有者に交付する法律を廃止する法律案及び商船管理委員会解散及び清算に関する法律案一括議題とし、まず船舶運営会船員退職手当に関する交付金船舶所有者に交付する法律を廃止する法律案につき、政府より提案理由の説明を求めます。佐々木政務次官
  3. 佐々木秀世

    佐々木(秀)政府委員 船舶運営会船員退職手当に関する交付金船舶所有者に交付する法律を廃止する法律案提案理由を御説明いたします。  旧法が施行されました昭和二十四年四月一日以前の船舶国家使用形態は、いわゆる裸用船契約と称するものでありまして、国家船舶使用料船舶所有者支拂い船員給與その他船舶運航経費等はすべて国家負担であつたのでありますが、昭和二十四年四月一日から定期用船契約へ切りかえまして、船舶運営会は、戦時海運管理令に基く裸船舶国家使用解除し、同時に船舶運航管理令により船舶所有者と新たに定期用船契約を締結いたしました。その際解除船舶乗組船員は、形式的には運営会退職することとなりますので、運営会といたしましてはこれらの船員退職手当支拂うはずでありました。しかしながらこれらの船員は、船舶運営会退職いたしましても、引続き各船舶所有者に雇用されることになり、しかも定期用船料という名目のもとに、船員費は国庫より継続して支出されることになつておりますので、関係方面ではこの場合の退職がきわめて形式的である等の理由によつて、この退職手当は一括して船舶運営会から各船舶所有者に交付して保管せしめ、他日当該船員と、当該船舶所有者との雇用関係が消滅いたしましたときに、船舶所有者がこれらの船員に対し現金で支給することとするように指示して参りました。この指示内容を実現いたしましたのが旧法であつたのでありますが、右に述べました沿革に徴しまして明らかなように、旧法は形式的にはポツダム命令ではありませんが、実質的にはまつたく関係方面指示に基くものでありまして、講和を目前に控え、ポツダム命令の整理が全般的に行われるこの際、同様の見地から検討いたしました結果、関係船員のかねての要望でもあり、この際旧法を廃止いたしましてその拘束を解除し、本人の手に渡るようにすることが妥当であると考えられるのであります。  以上簡單ではありますが、この法律案提案理由を御説明申し上げまりした。何とぞ愼重審議の上すみやかに御可決あらんことを切望いたします。
  4. 黒澤富次郎

    黒澤委員長代理 これより両案を一括して質疑に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。岡田君。
  5. 岡田五郎

    岡田(五)委員 簡単に二、三お尋ねいたします。船舶運営会所属船員に対する退職手当四億五千万円が準備せられ、船舶所有者に一時寄託されておるようでありますが、この四億五千万円の対象である船員の数はどのくらいあるのでございますか、まずお尋ねいたします。
  6. 山口伝

    山口(伝)政府委員 運営会から定用船契約に切りかえられたために、船主の方に返すべき船員の数は四月一日大部分解決されましたが、その後期間輸送解除が将来に残されておりましたので、それらを含めましてこの法律の予定しました対象船員数は約三万二千人であつたと思います。
  7. 岡田五郎

    岡田(五)委員 配付になりました資料によりますと、二十七年一月現在までに退職または死亡したとみなされる船員は一万三千五百三十八名ということになつておるようでありますが、そうするとこの法律によりまして船主から船員に交付されるその対象船員は約一万八千幾らと見てさしつかえないのでありますか。
  8. 山口伝

    山口(伝)政府委員 お手元に配付した資料につきまして若干御説明しておきます。お手元にお持ちのものは収入としまして四億九千五百二十二万何がしという数字が出ておると思います。この場合の総額は、法律にあります四億五千万円をオーバーしておりますが、実はこれは御説明しないといけないのでありますが、法律で定用切りかえのために予定せられた船員のほかに、その後別途に米般アメリカに返しました関係で、運営会余剰船員ができましたその都度、これらに対しまして退職金を出しておりますが、その際船主に返した場合にはたまたまこの法律で予定されておる退職條件と同じ扱いをいたしましたので、それと一緒に合算した資料が出ておるのでございます。従つて先ほど申し上げました三万二千のほかに、その後米船返還分等が加わりましてふえております。それで前のお話の金として現在合算したものとして残つておる金が、同じような扱いをいたしました関係で、一月末現在で三億八百五十二万何がしかが残つておりますが、関係船員として残つておりますのは約二万人であります。この二つの分を一緒にして出した資料で、ちよつと見にくいかと思いますが、そういうような関係であります。
  9. 岡田五郎

    岡田(五)委員 そうするとこの二万人に対して三億数百万円が退職手当として交付される、かように考えられると思うのでありますが、その退職手当船員の月給の大体何箇月分くらいになつておるのでありますか。概算でよろしゆうございますから、ちよつとお知らせ願いたいのであります。
  10. 山口伝

    山口(伝)政府委員 二十四年四月一日の定用切りかえ当時におきましては、船員の月額総収入ベースとして大体八千円ベースでございましたが、現在ではすでにそれが逐次改正されまして、今日では一万六千円ペースということになつております。ところが船主協会の方はこのベースに若干給與上のアルフアーがつきまして、実際のところは一万七、八千円のところが相場でございます。従いましてここに残つておりますところの預けてある金は、約二万人に対して三億でございますから、平均いたしまして一万五千円、大体一箇月にちよつと足らない平均額になつております。
  11. 岡田五郎

    岡田(五)委員 もう一つ伺います。この四億五千万円なり、また現在残つておる三億円でございますが、この金の運用はおそらく船主がやつていたに相違ないのであります。また廃止されます法律の第三條の二項によりますと、船主がこれらの資金運用して得た金銭上の利益または利子は、運輸大臣の指定する用途に使用しなければならない、こういうことになつておるのでありますが、この利子及び船主の得た金銭上の利益というものは大体どのくらいになつておるのか、また運輸大臣はどういう福利厚生施設その他具体的事項にお使いになりましたか、その辺のところを明らかにしていただきたいと思います。
  12. 山口伝

    山口(伝)政府委員 この退職手当のための交付金が実施されました際に、ただちに船主協会海員組合協定を結びまして、これらの船主に対する交付金管理方につきまして話合いができたわけでありますが、内容船主側船員側とさらに役所の人も加えまして、退職交付金管理委員会申しますか、そういうものをつくつて、そこで直接に船主に渡さないで、一括船主協会名義で預金をして、それの保管運用につきましては、その委員会が当るという協定が実はできたわけであります。一方その当時並行いたしまして船員厚生協会というものが、これまた船主組合側とで話合いが進みまして設立されたわけでありますが、これにも役所側が参画いたしております。それでその船員厚生協会は、名前の示す通りに船員厚生に関する施策をすることになつておりますが、この協会はそれ自体で厚生事業をやりませんで、それぞれ船員に対する厚生事業が外部にありますのに対して資金を補助したり、もしくは融資をしたりすることに建前上いたしたわけであります。従つてこの退職金利子につきましては、その管理委員会が一方にできました船員厚生協会の方の事業資金醵出する。そのことが利子運用としては最も適切であるということでさように方針がきまりまして、爾後毎月定例の会議がございますが、適当に厚生協会の方に醵出することにいたしたわけであります。厚生協会はこの利子醵出されて来る分と、ほかに船主当該船主に所属する船員一人当り月五十円を別途に船員厚生協会醵出することに話合いができまして、この両原資がまとまつて船員厚生協会の計画する資金なつたわけであります。ちようど昭和二十四年四月一日からこの退職金保管をいたしておるわけでありますが、その利子の総收入が、先ほど申し上げたようにその後の別途の分も加えてございますが、本年の一月末現在で五千九百二十二万円余になつております。その中から厚生協会向け醵出いたしました金額が、同じく一月末現在で五千二百四十五万円となつております。厚生協会はこの金の醵出を受ける一方、先ほど申しました船員一人月五十円の金額、この目標としてはその利子醵出額と見合うようにいたしたわけでありまして、若干延納その他で遅れておりますが、ともかく船主が別途に出しました金と、ただいま申し上げた約五千何がしのものと合せて、約一億近い金が船員厚生協会事業資金になります。その金はどういうふうに使われたかと申しまとす、各港々につくられた船員会館船員ホーム、あるいは寮というようなものでございますが、それから約三十五箇所に対して六千二百五十五万円ばかりの醵出をいたしております。これは補助金で補助しつぱなしでございます。そのほかに船員幅利厚生に関する研究事業に類するもの、それらに千二百九十万円補助しております。なお融資も若干いたしました。日本海員会館その他すべてこれは船員厚生関係のものでありますが、融資額が二千百四十五万円ございます。大体さような使い方になつております。
  13. 黒澤富次郎

    黒澤委員長代理 満尾君。
  14. 滿尾君亮

    滿尾委員 ただいま第三條の利益金使い方について御報告がありましたが、本人たち支拂いを猶予し、その間船主の方において運用した退職資金に対する金利考えていなかつたのでありますか、お伺いいたします。
  15. 山口伝

    山口(伝)政府委員 それは現在行われておる法律に、将来船員当該船主から退職した場合に、別表により計算されたところの金額を拂えばよろしいということに一応なつております。
  16. 滿尾君亮

    滿尾委員 そういたしますと、貨幣価値相当変動いたしますような今一の経済状態において、もし貨幣価値か下落したような場合には、本人たちに不当な損害を與えることになつて現行法律は非常な穴が明くようになります。当時そういう法律を立案せられたことに、どうもお考えの足らぬところがあつたのじやないかというきらいがある。  さらにもう一つお伺いいたしたいのでありますが、今度船舶所有者にこの退職金を引継いで、本人が何年かたつてやめる、そうすると民間の船舶所有者雇用契約のある船員支拂われます退職資金の率というものは、運営会時代年数通算継続するような措置考えておられるのかどうか。それともまつたく運営会時代は打切つて捨ててしまつて、ただ預かつておる金を添加してやるというだけのお考えであるか、お伺いいたします。
  17. 山口伝

    山口(伝)政府委員 退職金期間通算の問題でございますが、法律が出ましたときにいろいろ論議がございましたが、運営会としましては、総動員法に基く動員令解除いたしましたのが、二十二年の三月でございます。そのときにその打切りにつきまして、戦時中からその当時までの在職に対する退職金に当るようなものを一応計算して手当が出たわけでございます。従つてこの前法律ができましたときには、そのときから計算しまして、長い者でも三年か四年になる者はなかつたわけでありますが、その期間に見合う退職金交付金として支出したのでありまして、政府としては一応そういうことで打切りました。最後に船主に行きましてから運営会当時の期間通算するかしないかという問題は、船員船主との間の話合いできまるわけでございますが、船員にとつては非常に気の毒なわけでございますが、実情を見ますと、船主の中で非常に理解のあるところでは通算して考えているところもあるようでありますし、それを全然考えないでやつておるところもあるということになつておりまして、政府としては一応動員あるいはその後運営会に在職されたというようなところを見て、これだけの金を当時用意したということであります。
  18. 滿尾君亮

    滿尾委員 私は船員の究極の利益はいかに保護されておるかという角度からこの法律考えて見ますと、ただいまの政府委員の御答弁では、国家船員退職資金について考慮が足らぬように思います。これでは退職資金を預かつて当分本人には渡さない。渡さないけれどもその間の貨幣価値変動危険負担は、まつたく本人に属するのだ、そして最小限度金利さえもめんどうを見ないのだ、それでは何のことだかわからない。船員利益を無視するもはなはだしいものと言わなければならぬ。  さらに今度は船舶所有者の方になりましたときに、船員船舶所有者との関係当事者話合いにまかしておくと、金のある割のいい船主めんどうを見るかもしれぬけれども、運が悪くて、資力の乏しい話のわからぬ船主のところの船員は、打切られてしまつて通算利益がなくなる、これはどの角度から見ても、これでは船員は気の毒だと思う。むしろこういう法律をお考えになるよりも、退職資金は預かられたけれども、通算してもらうときには年数の積算によつて夢がよくなるようにして渡すというならば、十分に話の筋が通るように思うのであります。国家はそれは当事者間の話合いにして、おれは知らぬから、とりあえず昔の退職資金だけ渡してやろうということで、船員退職に対する勤続年数——形式的に国家の何であろうと、運営会であろうと、あるいは個人の船舶の何であろうと、勤労の実態というものは継続してかわらない。それを国家の政策によつてさようなぐあいにこま切れにして、しかも実質的な利益角度についての御考慮が十分拂われておらぬということは、非常におかしなことだと思うのでありますが、政府委員はそれらの点についてはどういうふうにお考えになつておりますか、お伺いいたしたい。
  19. 山口伝

    山口(伝)政府委員 お考えに対しては私も同感ではございますが、別表に示されておりますような退職金を出すことに、当時相当折衝上苦労いたしまして、当時としてはやつとそういつたところまで持つて行つたわけであります。それから通算の点につきましては、経営者が違うたびに、最終的に支拂船主通算を強制するわけにも参りませんので、われわれとしてはできる限りそういつた欠点を緩衝するにとどまるしか方法がないと考えておるのであります。
  20. 滿尾君亮

    滿尾委員 私は船舶というものは独特の形態であり、船員もまた独特の身分関係を持つているものであり、その利益を確保するために国家が個々の船舶所有者に対して、かような問題について通算を要求する立場が十分あり得ると思うのでありますが、政府委員はさようなことはできないというようなお考えでありますか、お伺いいたしたい。
  21. 山口伝

    山口(伝)政府委員 御趣旨に対しては私もできればそうしたいのでありますけれども、経営が違う場合にそれを実現するためには、技術的にも非常にむずかしい点もあります。一方、これは話が少し違いますけれども、船員保険のごときものは継続してやつておりますから、そういうものはずつとつながつております。退職金について、船主を異にした場合にそれを通算して拂わせるということは、負担をどういうふうに計算して持たせるかという点でちよつと簡單には出て来ないので、船員という職業が多くの場合、転船すると同時に船主もかわるわけでありますから、理想としては海上勤務通算できるようにしてあげたいという気持はございますけれども、技術的にちよつとむずかしいのではないかと思います。
  22. 滿尾君亮

    滿尾委員 もちろん現行法の範囲においてそういうことでございましようが、立法的にこの点についてもう少しめんどうを見なければ、今回の措置船員に対して非常に気の毒だと思う。少くともこれは金利くらいのことはめんどうを見て行かなければ、何年かたつてしまつて、昔のままの高い金を今度の安い金で裸でぽつきり渡すというつもりでありますかどうか、その点について考慮の余地はなかつたかということをお伺いしておきたい。
  23. 山口伝

    山口(伝)政府委員 その点はこの際前の法律の延長ということで、かねがね船員が早く拂つてくれということで、今回やつとこの元金を拂うことにたどりついたので、利子のことまで振り返つて直そうという気はございません。
  24. 江崎一治

    江崎(一)委員 ただいま岡田委員の質問におきまして、大体利息相当する金額が五千九百万円余ということを言つておられるのであります。これは四億五千万円からの元金に対して、大体二年十箇月近くの利息相当する金額にしてはあまりに少いと思いますが、その点はどういう運用をしておつたのですか、具体的に御説明願いたいと思います。
  25. 山口伝

    山口(伝)政府委員 これは先ほど申しましたように、この元金管理運用をはかるために、政府も加えまして労使三者構成委員会ができまして、そこで最も有利ということと、それからいろいろ海事金融等のこともありまして、一流の銀行あるいは信託もしくは興業債券等もやつて利子は最大限には行つておりませんが、非常に安全な保管という意味からは、十分委員会論議をして、その決定に従つた管理運営で出た金利がこれだけなのであります。
  26. 江崎一治

    江崎(一)委員 船舶運営会船員退職手当に関する交付金船舶所有者に交付する法律案が本委員会に上程されました昔、われわれ共産党初め野党は全部これに反対して、ただちにこれらは船員に交付すべき性質のものであるということを特に強く主張したのでありますが、これは與党諸君意見によつて通過された。ところが今日聞いてみますと、與党滿尾君も、これはけしからぬじやないか、価格の変動船員の危険において運用されておるという意見が出ている。国会でこういつたようなものを検討するときには、與党諸君もはつきりした見通しを持つて意見を言い得る国会でなくちやならぬのであつてアメリカ代弁者になるようなことはきわめて危険なことであり、日本の将来を誤るものであると思う。一事が万事、これからもそういうことがありますから、これらの法律案の審議には十分に御留意を願いたいと考えます。
  27. 關谷勝利

    關谷委員 この商船管理委員会解散については、基礎法であります戦時海運管理令は二十二年の三月に廃止され、その後総司令部の指令と申しますか、それで行つてつたのでありますので、講和発効に備えまして解散をするということは当然であろうと思います。解散をいたしますと、これに伴う清算規定でありますので、これは問題はないのであります。これに伴いまして船舶運営会退職手当に関する交付金船舶所有者に預けておりましたのを回収いたしまして、船員に渡すこともまた当然であり、ただいま江崎君が言つておりましたように、当時野党諸君はただちにこれを船員に渡せと言つてつたのでありますから、これまた反対もないと思いますので、この際質疑を打切り、討論を省略して、採決せられんことの動議を提出いたします。
  28. 黒澤富次郎

    黒澤委員長代理 關谷君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」「反対」と呼ぶ者あり〕
  29. 黒澤富次郎

    黒澤委員長代理 御異議なければ、さよう決します。  これより両案を一括して採決いたします。両案を原案の通り可決するに賛成諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立
  30. 黒澤富次郎

    黒澤委員長代理 起立多数。よつて両案は原案の通り可決いたしました。  なお両案に対する委員長報告については、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 黒澤富次郎

    黒澤委員長代理 御異議なければさよう決します。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時三十一分散会