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1952-02-25 第13回国会 衆議院 運輸委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十五日(月曜日)     午後一時四十三分開議  出席委員    委員長 岡村利右衞門君    理事 黒澤富次郎君 理事 滿尾 君亮君    理事 山崎 岩男君       稻田 直道君    岡田 五郎君       尾崎 末吉君    片岡伊三郎君       關谷 勝利君    玉置 信一君       坪内 八郎君    飯田 義茂君       江崎 一治君  出席国務大臣         国 務 大 臣 大橋 武夫君  委員外出席者         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君 二月二十五日  委員松本七郎君辞任につき、その補欠として山  口シズエ君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 二月二十三日  岡崎、多治見間鉄道敷設請願千賀康治君紹  介)(第八九七号)  日南線全通促進請願外十件(田中不破三君紹  介)(第九〇三号)  小型貨物自動車運送営業免許簡易化に関する  請願)(坪内八郎紹介)(第九三七号)  茨木駅北方ガード切下げ並びに幅員拡張に関す  る請願)(井上良二紹介)(第九三八号)  船舶気象無線通報独立強化に関する請願(  松井政吉紹介)(第九三九号)  長野原上田間鉄道敷設請願小淵光平君紹  介)(第九七〇号)  長野原整備拡張請願小淵光平紹介)(  第九七一号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  運輸省機構改革に関する件     —————————————
  2. 岡村利右衞門

    岡村委員長 これより会議を開きます。  運輸省機構に関する件について議事を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。關谷君。
  3. 關谷勝利

    關谷委員 大橋大臣行政機構改革につきまして、日ごろ非常に御努力になつておられる点につきましては、私たちは敬意を表しておるのであります。巷間伝えられると申しますか、新聞紙上等に伝えられておりまするところを見ますると、私たち考えておりまする事柄とは、非常に開きがあると申しまするか、一致点を見出し得ないような改革案が、新聞紙上等では報道せられておるのであります。まず私は第一番に、結論からお尋ねしたいのでありまするが、大橋大臣海上保安庁というものを予備隊と一本のものにするとか、あるいは併立したものというふうなことで、これに治安省というものをつくつて、その中へ吸収をして、運輸省から切り離そうというふうなことが伝えられておるのでありまするが、これが事実であるのかどうか、なおまたそういうふうなお気持を持つておられるのかどうか、まず結論から先にお尋ねいたしたいと思います。
  4. 大橋武夫

    大橋国務大臣 御質問に対してお答えを申し上げます。警察予備隊増強並び海上保安庁増強に関連いたしまして、国内治安機構のうちで、特に一般警察以上の武器を使用する面を一元的に統一してはいかがであろうか、こういう考えが、ただいま政府部内における一つ研究題目と相なつておるわけでございます。もとよりこれについての結論は、いまだに政府部内においても出してはおりません。この結論を出すにつきまして準備のために海上保安庁並びに警察予備隊双方の実情を調査いたしまして、何らかこの一元化についての案があつたならばその案を準備すると、こういう仕事を私特に閣議において委囑せられておりまして、さような研究を続けておる次第でございます。従いまして現在警察予備隊並び海上保安庁の両者を統合いたしまして、一つの新しい機構をつくるという問題を研究をいたしておるのであります。結論につきましてはいまだ何らの考えを持つておりません。
  5. 關谷勝利

    關谷委員 研究をしておられるということで、もう相当研究ができておられると思いまするが、私は大体この海上保安庁というものを、警察予備隊というものと併立したと申しますか、同じような性格のものであるというふうに考え間違つた基礎に基いて、治安省というようなものをつくるということになると、それこそ私はたいへんであるというふうに考えておるのであります。大体陸上におきましては、国家警察あるいは自治体警察等がありまして、そうして一般警察行政をやつており、別に予備隊というそれと任務の異なつ別途のものがそこに設けられておるのであつて海上保安庁というものは、これは一般陸上におきますところの国家警察あるいは自治体警察と同じような仕事をやつておるのでありまして、警察予備隊とは全然性格を異にするのであります。この性格の異なつたものを一つにするということが私は一つの大きな間違いである、こういうふうに考えておるのでありまするが、この点もあと大橋大臣の御所見を承りたいのであります。なおただいま大臣が言われまするのは、一般以上の武器を使用する面を一つにする、こういうふうなお話でありまするが、私はこれはまことに不可解なことであるというふうに考えるのであります。こういうふうな観点から、武器というものの程度によりましていろいろ区別をするということになりますると、そこに武装ではないか、再軍備前提ではないかというふうな疑いが起きて来るのでありまして、目的からこれを判断すべきものであつて、たといどのような武器を持とうとも、その目的によつてそれが軍備ともなりあるいは軍備ではないということになつて来ると思うのであります。海上保安庁の今持つておりまする装備をもつていたしましては、とうてい一般警察行政というふうなこと、人命尊重人命救助というようなことがとうていでき得ないので、もう少し整備をしなければならぬ。新聞等Y計画というようなものが出ておりまするが、それだけの程度のものを海上保安庁が持たなければ、上現在海保安庁仕事ができない。そのためにこれは持つべきものである、こういうふうに私は考えておるのであります。あのY計画というものが、これがただちに私は警察予備隊と同じ性格のものになつて行くというふうには考えてないのでありまして、現在海上保安庁仕事をするために、それだけのものを持たなければやれないのだ、こういうふうに私は考えておるのであります。ただ少しく威力のある武器を持ちますると、それがただちに海上保安庁性格がかわつて来たというふうに考えるところに、私は大きな間違いがあるのじやないか、こういうふうに考えますが、大橋大臣がどのように考えておられるか。この点ひとつ御所見を承つておきたいと思います。
  6. 大橋武夫

    大橋国務大臣 今回の機構の問題につきましては、一般警察予備隊とを区別して取扱つておりまする点は、御説の通りでございます。これは現状においてすでに区別せられておるわけでございまして、警察につきましては、地方自治として警察権を運用いたして参るということが根本になつておりまするので、政府責任におきまして、中央において管理をするというような組織には、一般警察はなつておりません。これに反しまして予備隊につきましては、中央政府一つ機構として、中央政府責任において管理をすとるいう機構になつておるわけでございます。また海上保安庁について考えますと、海上保安庁それ自体が、一つ中央政府機構として発達をいたして参つておるのでございまして、従いましてこれらの二つ機構というものを一緒にするということが必ずしも理論上不合理であるとは私は考えておらないのでございます。結局問題は、海上保安庁予備隊を所轄するところの保安機構一緒にする方が便宜である。あるいは現在のごとく運輸省所属せしめることが便宜である。私は理論上の問題にあらずして行政便宜の問題である、こういう趣旨をもつてただいま研究をいたしておる次第でございます。
  7. 關谷勝利

    關谷委員 今大臣の言われまするのは、陸上警察というものは、あるいは地方自治である、こういうふうに言われまするが、地方自治体というふうなものは、行政区画というものが県あるいは市というふうにはつきりいたしておりまするために、そういうふうにやつておるのでありまして、海上ではそういうような区分がつけにくい。やむを得ぬので、こういうふうに中央で一元的にやるという方法をとつておるのでありまして、これがどこの県の所属というようなことが——公海といいまするか、三海里でしたか、それを離れますと、それの所属がどの県のものでもないというようなことから、そういう区域でありまするがゆえにこれを一本にしてあるだけであつて、これは分割をすることができない。地方自治というようなことで、区画がはつきりどの点からどの点までというふうなことで、分割線で表わすことができました場合はおそらくこれは地方自治というようなことでやり得るのでありましようけれども、そういうことができないために中央でやつておる、こういうことで、やる仕事性格というものは、国家警察あるいは自治体警察と同じようなものであると私は考えておるのでありますが、それを今度は中央で一元的に予備隊もやつておるのだ、海上保安庁も一元的にやつておるのだから、それが同じようなかつこうだから、これを一本のものにしてさしつかえない、こういうふうな議論は私はどうもおかしいと考えるのでありますが、大臣はこの点どういうふうに考えておられますか、御所見を承りたいと思います。
  8. 大橋武夫

    大橋国務大臣 私の申し上げましたる理由は、警察の方は地方自治的に運用するという建前になつておりまするので、他の中央において一元的に統制するような仕事一緒にはやりにくいものでありまして、従いましてこれはすでに国家公安委員会なり、自治体警察というものは、中央統制機構からは現在すでにはずした別途組織を持つておるわけでございます。これに反しまして警察予備隊海上保安庁は、いずれも中央政府の統制し得るような形になつておりまして、固有の意味におきまするところの政府中央行政機構でございますから、これにつきましては、一般行政機構をいかに整備するかという観点から考える余地があるのではなかろうか、こう存ずるのでございます。その場合におきまして、これを一緒にする方が行政機構として適切であるか、あるいは現状のごとく別々にしておくことが適切であるか、この問題は別の問題でございまして、これについてはなお研究中である、こういうことを申し上げておきます
  9. 關谷勝利

    關谷委員 先ほど大臣は、理論的にはともかくも、便宜上から、取扱う面から、いずれが便宜であるかということから、そういうふうなことを研究しておる、こういうふうに言われておるのでありまするが、これは非常に大きな問題でありまして、ただ便宜上からだけ考えるべきものではないというふうに考えるのであります。これを予備隊と並列したようなかつこうになりますと、予備隊というものは再軍備前提ではないか、再軍備ではないかというふうなことが非常に議論をせられておつて、私たちも再軍備でないというふうには承知をいたしておりますけれども、とかく間違われるのであります。そこへ持つて来まして、今の一般警察行政のような性格仕事をいたしまするところの海上保安庁というものを並列して、二本建であつても、それを一つにするということになりますと、再軍備前提ではないかというふうに、これまた誤解を受けるおそれがある。そういうふうな非常に疑点を残すような機構改革というものは、やるべきものではない。これが現在の通り運輸省所管である場合には、完全にこれは再軍備ではないのだということが、世間もその所属から判断いたしまして、そういう感じを持つであろう、こういうふうに私は考えまするので、誤解を招かざる点から行きましても、現在の海上保安庁を取除くというふうな、治安省へ持つて行くことは考えなければならないのではないか、こういうふうに考えておりますが、これも大臣の御所見を承りましようし、なおまたこういうふうな事態が起きて来ると思うのであります。海上保安庁というものは、人命救助が使命であります。最近しきりに漁船あたりが拿捕せられるのでありまするが、この拿捕せられますることを、どうしても防がなければならぬ。そういうことになりますと、Y計画というふうなことをいわれておりますが、あの程度——十九ノツトとか、あるいは砲が何ミリ、ああいうものを持つておらなければ、ほんとに人命尊重というようなことはできない。そうしてそういうふうな武器を積んだからというて、大体はそれを使用するのが目的ではないのでありまして、そういう装備をやること自体で、その目的が達成せられる。積極的にそれを使うものではない、万やむを得ざる場合、消極的に使うべきものでありますゆえに、決して軍備ではない、私はこういうふうに考えておるのでありますが、その場合、かりにY計画というふうな装備を持ちまして、漁船あたりの保護に出て参りました場合に、ソ連接触をする、こういうふうな場面はないとも限らぬと思うのでありますが、そういうふうに接触をした場合に、これが運輸省所管であつてほんとう人命尊重する、人命を救助するための方法としてこれを持つておるのだ。これはほんとう警察であるということになりますと、ソ連あたり接触した場合においても、感情的に非常に好結果をもたらしますし、さらにまたソ連とは講和条約を調印いたしておりませんので、現在休戰ということになりますか、その辺のむずかしい議論は知りませんが、日本の武装解除をいたしておるのでありますから、ソ連接触した場合に、それを軍備というふうに認定されますと、武装解除をせられるおそれがありますが、運輸省所管であつてほんとう警察的な仕事である、こういうことがはつきりいたしておりますと、向うも了承して、武装というふうなものに間違われるおそれがなくして、スムーズにやれるのではないか、こういうふうなことも考えてみますると、どうしてもこれを治安省というふうなところに持つて行かずして、現在の運輸省に置くべきものであると考えておるのであります。再軍備と間違われないようにするために、これは運輸省から切り離すべきものではない、また切り離した場合には、そういうふうな不便が起つて来る、そういうふうな誤解に基いた武装解除に類似したような行為が起つて来るのではないか、こういうようなことも考えるのでありますが、この点大橋大臣はどのように考えておられるが、御所見を承りたいと思います。
  10. 大橋武夫

    大橋国務大臣 再軍備と間違わないかという点につきましては、私は警察予備隊も、かねて申し上げてありまする通り、再軍備ではないと思うのでありまして、警察予備隊といえども、再軍備と間違われては困ることは海上保安庁と同様でございます。再軍備と間違われて困るもの同士が一緒なつたからといつて、別にそれがために再軍備と間違われる可能性がふえるとは考えておらない次第でございます。それから外国軍艦等接触をいたした場合に、運輸省所属しておるか、あるいは新しい機構におるか、それによつて扱いが違うおそれはないかという点の御質問でございまするが、これも先ほど申し上げましたる通り警察予備隊そのものがすでに再軍備ではないわけでございまして、その点についても特に格段の取扱いの差があろうとは予想しておりません。
  11. 關谷勝利

    關谷委員 その点は理論的にはそうでありましても、大臣はそのように考えておられましても、外からの感じというものは非常に違う、こういうふうに私は考えております。それは所管警察予備隊にいたしましても、再軍備でもなければ武装でもない、軍備ではない、こういうふうなことは、これはよく私たち承知をいたしておりますけれども、しかしながらこれをとやかく言おうとする一部の者もあるのでありまして、そういうふうなことを無理にでもしようとする者が、あるいはそういうふうなところへ無理にこじつけて、そういうふうな挙に出ないとも限らぬということも、私たちはよく考えるのでありますが、そういうようなことは全然ないというふうに大臣考えておられるか、伺つておきたいと思います。
  12. 大橋武夫

    大橋国務大臣 まことにごもつともな点でございまして、警察予備隊は再軍備ではないのでありまするが、再軍備ではないかという疑問を持たれておることは事実であります。ですからそれと一緒にすると、なおさら問題がめんどうになるのではないかという御心配は、これは私もあながちあり得ないこととは存じません。しかしながらこの行政機構改革の問題は、行政上におきまする能率の改善並びに経済的な連帯という面があるわけでございまして、この面からいろいろ考えておるわけでございます。御心配をいただいておるような誤解の点につきましては、その誤解があるがゆえに、能率経済その他の見地から、改善すべき事項を改善しないで置くということも、一つの行き方ではあろうと存じます。しかしながら能率上、経済上改善すべき点は改善し、他面さような誤解については、一般の理解を深めるような措置を講ずることによつて誤解の発生を予防して行く、こういう方法を並行してとるというのも、一つ方法ではなかろうかと存じておるのであります。御指摘の点は、この機構の考案の上におきまして、非常に重要な点でございまするから、私といたしましては、なお十分これらの事項研究いたしまして、誤りなきを期したいと存じております。
  13. 關谷勝利

    關谷委員 その点、大臣も御了解願つたようであります。今能率あるいは経済というふうなお話が出たのでありまするが、海上保安庁仕事といいまするものは、これは現在相関連して、その人命救助のためにやらなければならないところのいろいろな部面ことごとく、人命尊重人命救助警備救難というふうなこと、これが基礎になつてでき上つておるのでありまして、これを今持つて行くといたしますると、私はその関連性から申しまして、もしこれをY機構ならY機構というものだけを切り離すというふうなことになりますると、経済的に非常に——二重にそういうものをまた海上保安庁の中にも持つておらなければならぬと、こういうふうなことになるのでありまして、これを動かすものである場合には、今ありまする機構をそのままことごとくを動かさなければならぬ、こういうふうなことになるのでありますが、かりにY機構にいたしましても、私は保安庁機構から見ますると、きわめて小さい部面に属するというふうに考えておりまするし、この治安維持というふうな方面に利用せられまするところの部面というものは、海上保安庁で、現在の人員その他から申しますると、一割程度にしかすぎないわずかの部分しか、その方へ利用はできないというふうな状態にありまするので、現在相関連して、巡視艇あたりもなるべく少くして仕事がやれるというふうにやつておる。しかもなおまたそれでさえも現在は整備してないというふうなことになつておりまするのに、これがそういう治安維持というふうな面だけを切り離すといたしますと、私はY機構あるいは警備救難に当つておる一部だけであろうと思いまするが、そういうふうなものを切り離して、そしてまたあとあと機構が十分動け得るようにするためには、やはりそれは類似したようなものを、二軍に重複して持たなければならぬというふうなことになつて来ると思うのでありまするが、この点大臣はどのように考えておられますか。今まで研究しており、よくおわかりだろうと思いますのでこの点大臣の御意見を伺つておきたいと思います。
  14. 大橋武夫

    大橋国務大臣 この問題はただいま關谷委員のお述べになりました通りでございまして、海上保安庁におきまして、治安確保のために新たに増強すべき部分、この部分をただいまY機構とお述べになりましたが、かりにこれY機構と名づけておきますると、このY機構というものは、現在の警備救難事務の執行の上におきましても役立ち得る部分でありますし、またY機構任務を遂行いたしまする場合におきましても、現在ありますところの警備救難用船舶というようなものも、また全然ないよりはある方が仕事が楽になるという、いわば車の両輪のごとき関係があるわけでありまして、このものをかりに二つ別々にするということになりますと、しからば別々にいたしました後において、いかにしてその協力関係を確保するような道を講ずるかという点を十分に考慮した上でなければ、これはできないだろうと思うのでございまして、自然お話のように、この両方を別々に二つ中央の省庁にわけるというようなことは、事実上においてなかなか困難がありはしないか、こう考えておるのでございます。その辺を目下研究をいたしておる次第でございます。
  15. 關谷勝利

    關谷委員 大臣はその点よくわかつておられまするので、私は重ねて多くを申し上げる必要はないのでありまするが、便宜の上から申しましても、誤解を招かない点から申しましても、能率経済というような点から申しましても、この海上保安庁は、これは従来海上保安庁運輸省であるがゆえに、私たちはこの権限争いというふうなつもりで申し上げるのではないのでありまして、アメリカのフーヴアー・ミツシヨンと申しまするか、何かにも、運輸省所管することが最も望ましい形態であるということが述べられておるとは私はつきり聞いておるのでありまるすが、外国あたりから考えましても、そういうふうにすべきだといわれておりまするものを、わざわざこの際行政機構改革をやつて、それが簡素になり、そうして非常に能率がよくなつて経済的にもそれがよいというのならともかくも、これを治安省へ持つて行つて所管がえをしたからというな、決して私は簡素化もしなければ、能率化もしない、そういうふうに考えておりまするし、先ほど申しましたように、ことさらこれを再軍備であると主張しようとするような人さえある際でありますから、私はこれを現在の運輸省から取り離すというようなことは、大臣が慎重に考慮されて御一考願いたいと思うのであります。なおまた外国あたりから見ましても、フーヴアー・ミツシヨンにいわれておりますのにも、やはり運輸省所管が一番理想的であるというふうにいわれておるので——これは別にそういうことを外国言つたから、そう通りにしなければならないというわけではないのでありますが、その点よく御考慮の上で、この海上保安庁の問題につきましては、愼重なる御措置をお願いいたしまして、私は質問を打切りたいと思います。
  16. 岡村利右衞門

  17. 玉置信一

    玉置(信)委員 大橋国務大臣にお尋ねいたしますが、ただいま關谷委員の御質問に対しての大臣の御答弁の中に海上保安庁の今後の機構に対して、予備隊を所轄する保安機構に含めるような行政機構研究し、構想を練つておられるということでありますが、しかしだんだん質疑応答をされておる中に、やはり關谷委員が申されたような、従来の機構をもつてつてもいいように受取れるような御答弁があつたのですが、私の伺つておるところによりますと、政府においては、やはり海上保安庁、それから予備隊とを一元的にしたところの治安機構を確立するという方向に進んでおるということでありますが、その点はいかがなのでしようか。
  18. 大橋武夫

    大橋国務大臣 これは政府といたしましては、まだ結論を出しておることではございません。研究をいたしてをるところでございます。
  19. 玉置信一

    玉置(信)委員 もし国内治安の面から見て外部よりの侵略を受ける場合、海上保安庁は、しからばどういう部分が発動するのでありますか、たとえばその地区のものが、その地区に起つたものに対して出動して、鎮圧抑制の任に当るのであるかどうか。もちろんその治安を乱す程度、あるいは侵略を受ける場合の規模の大小によつて異なるものであろうとは思うのでありますがそれには特定の、いわば予備隊的な組織機構のもとにある構成メンバーが出動して、その鎮圧抑圧の衝に当るのであるか、この点を明確に承つておきたい。
  20. 大橋武夫

    大橋国務大臣 私は海上保安庁の、侵略に際しての任務というものは、直接鎮圧に当るというよりは、さような際におきましては、航海の安全を保護するということが主たる任務になるのではないかと考えております。
  21. 玉置信一

    玉置(信)委員 それでは大臣は、陸における暴力革命というようなことが今日しばしば唱えられておるのでありますが、そこまで行かなくても、海上においての暴動的な、治安を乱すような事態が起るというようなことはないと思いますか、あるいはそういうふうなこともあり得ると考えておられますか。
  22. 大橋武夫

    大橋国務大臣 あつてはならないと考えております。
  23. 玉置信一

    玉置(信)委員 あつてはならないということは私も同感なんですが、そういうふうな事態は絶対起り得ないと思いますかどうか。それによつて私はただいまの關谷委員の御質問に関連して、次の質問に移りたいことがあるのです。
  24. 大橋武夫

    大橋国務大臣 ちよつと御質問の意味がよくわからないのでありますが、警察予備隊は、さような場合において国内治安を確保するための組織であるわけであります。大体こういうものは、あるかないか必ずしもわからないので、むしろあつてはならないものですが、そのあつてはならない場合に備えるというのが、こうしたものの一般の使命ではないかと考えます。
  25. 玉置信一

    玉置(信)委員 もちろん海上保安庁任務は、出入国取締り、漁船の保護、あるいは拿捕される場合の保護取締り、換言すれば警備救難の衝に当るのが主たる目的でありますので、結論的に申しますと、關谷委員が申された通りであります。しかし今日の予算面から見ますと、保安庁の人員の面におきましても、あるいは装備の面におきましても、かなり強化拡充を期するようになつておるわけであります。そこで私は話を転じてお伺いいたしますが次の問題も先般滿尾委員から海上保安庁長官にただされたのでありますが、私はそれではまだ納得行かない面がありますので、重ねてここに責任ある大臣にお伺いするのですが、海上保安庁では今度やはり予備隊と同じように、幹部養成という面にも相当意を注いでおられるようでありますが、幹部の教育は、思想的な面においてどういうふうな方向に幹部を指導して行く御方針であるか、この点をまずお伺いしたいのでございます。
  26. 大橋武夫

    大橋国務大臣 私は職責といたしましては、海上保安庁につきましては、先ほど申し上げましたごとく、海上保安庁の全部または一部のうちのいかなる部分警察予備隊と統合して一つの新機構にすべきであるか、この問題について研究を命ぜられておるのでございまして、現在の海上保安庁の業務の運営につきましては関知いたしておりませんので、どうぞ主管大臣におただしを願います。
  27. 玉置信一

    玉置(信)委員 そうすると大橋大臣におかれては、まだ海上保安庁行政機構改革というようなことについては、はつきりと関係大臣との間には御相談されておられないのですか。
  28. 大橋武夫

    大橋国務大臣 先ほど申し上げました通り、私といたしましては研究の段階にございまして、この問題についてまだ村上運輸大臣と御相談する段階になつておりません。
  29. 關谷勝利

    關谷委員 ただいま玉置委員大橋大臣にお尋ねいたしましたのは、陸上の暴動あるいは動乱のようなものが海上には起らないかというふうなことで、それは起らないというような大橋大臣の御答弁でありますが、私も海上においてはそういうふうなことが起り得る余地はほとんどないというふうに考えておるのであります。そういたしますと警察予備隊というものは、暴動あるいは動乱というようなものに対処するために設けられたもので、海上保安庁がそうではないということがはつきりそこで言い得られるのであります。そういたしますとただ中央で一元的に扱うだけで、その理由をもつてただちに予備隊保安庁一つにする、こういうことは私は理論としても筋が通らない、なおまた経済的に申しましても、決して負担の軽減にならないというふうなことをはつきりと申されておるようでありますので、予備隊と相匹敵するものというふうな考え方は根底から除いて、この行政機構改革に当つていただきたい、こういうふうに私は考えるものであります。  なおこの機構改革につきましては、従来運輸省海上保安庁というものの所管をいたしておつたのでありまして、いろいろ運輸委員会におきましても意見があるのでありますので、大臣研究の段階が終られました場合には、このような研究の結果が出て来たということを、大臣がただちに原案をつくつてそれを発表して強制するようなことでなくて、私たちは運輸委員会にもこういうふうな結論が出ておるがどうかというようなことで、なおまた運輸委員会の意見も聴取して、その上で機構改革の案をきめていただく、こういうふうにお願いいたしたいと思いますが、大臣のこれに対しまする御答弁を伺つておきたいと思います。
  30. 大橋武夫

    大橋国務大臣 私といたしましては、研究の上、案を付して行政管理庁に提出するように命じられておりまするから、それ以外の事柄につきましては、行政管理庁長官にお話をいただいた方がけつこうだと思います。
  31. 玉置信一

    玉置(信)委員 私は劈頭に前提として申し上げましたように、海上保安庁の一部が予備隊所管する保安機構の中に含まれるものでないかというような観点からお尋ねをし、漸次幹部の養成の点まで進展して行つたのであります。大橋国務大臣はそこまで関係大臣すなわち運輸大臣との話合いも進んでいないということであるので、これ以上御質問申し上げるのはどうかと思いますが、もしそうなつた場合のことを考えまして、私はすでにラジオ放送等によりますと予備隊的なものが今回海上保安庁にもできたというようなことがありますので、先ほどのような質問に勢いなつたわけであります。もしそういうことになりますと、かつての日本の軍隊と申しますか、軍組織というものが、陸軍大臣あるいは参謀総長、教育総監というような三本建で、軍を統率いたしておりました点にかんがみまして、海軍は海軍、陸軍は陸軍というふうに、海上保安庁あるいは予備隊を、言葉の表現は悪いが、指揮する司令官というようなものが二元的に生れて来るのではないか、そこに幹部の養成というものが非常に大事になつて参りますので、特に幹部教育という面は、教育総監部というようなものに類似したものによつて、徹底的な高度な人格陶冶その他の点においての教育を施す必要があるというふうな点まで、私は突き進んで参えておつたのでありますが、目下のところ大橋大臣におかれてはそこまで何も考えないで、ただ機構の面において草案を管理庁長官に出すだけだ、こういうお話でありますからそこまでつつ込んでお伺いするのもいかがかとは思いますが、しかし何かそこに構想があるのではないかと思いますので、もしお漏らし願えるならばこの機会にお漏らし願いたい、かように思うわけであります。
  32. 大橋武夫

    大橋国務大臣 お話の御趣旨はこの海上保安庁におきましても、あるいは警察予備隊におきましても、幹部の教育を今力を入れておる次第でございます。これらの教育については、特に注意をしてほしいという御主張であつたと存ずるのであります。現在どちらにつきましても、幹部の教育ということが、将来の拡充強化の上から行つて基礎に相なりまする関係上、予備隊においてはこれに非常に力を入れております。そうしておそらく海上保安庁においても同様だろうと存ずるのであります。警察予備隊におきましては、この幹部の教育というものを二色に区分いたして考えております。その一つはすでに警察予備隊の隊員に現在なつている人たちを教育する場合であります。このなつている人たちを教育する場合におきましては、この予備隊の制服部隊によつて、教育を進めて行く。これは現在開設いたしてありまする幹部学校であるとかあるいは各種の特殊の技術的な学校はそういう仕組みになつておりまして、これは制服部隊でありまするので、総隊総監の管轄下において教育を実施いたしております。ただいま俗に士官学校といつてこの間新聞に伝えられたことがありまするが、これは高等学校を卒業いたしました程度の若い方を新しく募集をいたして、そうして予備隊において教育をいたした上、その教育の済んだ後に幹部として警察予備隊で採用しよう、こういう計画をいたしております。そういう点において幹部となつた人の教育でない、幹部になろうとする人の教育でありまするから昔の士官学校のごときものでございます。これにつきましては制服部隊の最高指揮官でありまする総隊総監のもとにおいて教育せしむるのではなく制服を着ていないところの行政官、そういう人たち管理のもとにそうした教育をいたすよういたしたい、こう考えているわけでございます。この趣旨は制服部隊によりまして、あまりにも予備隊の使命なり性格なりということに教育の重点を置きまする結果として一般国民として、あるいは一般の指導者としての一般的素養において、欠くるようなことがあつてはいかぬのである。こういう意味におきまして、制服部隊を離れました行政管理面を担当いたしておりまする制服を着ない部局においてこの教育を責任を持つ行てく、こういうふうにいたしたい、こう考えているような次第でございます。
  33. 滿尾君亮

    滿尾委員 ただいま国務大臣から予備隊の教育のことにつきまして、いろいろ御配慮なつてにいることを伺つて安心したのでありまするが、もう一言さらにつつ込んでお伺いいたしたいのは、いかにもお話のごとく行政官の人に教育をやつてもらつている。かつてのわが国の幼年学校、士官学校、陸軍大学、この三教育系統によつてできました人の考え方はきわめて偽狹であり、かたくなであり、世界の大勢を誤つたところに間違いが存したと思ひます。その点について十分御配慮になつていることは非常にけつこうだと思うのでありますが、私は問題はまだかようなことはどちらから申せば末節のことである。一体わが予備隊の幹部教育のほんとうのイデオロギーをどこに求めているか。将来のわが国の民主的な政治体制というものと、この予備隊幹部の組織体制の根本理念というものを、どういうふうに調和させて行こうとしておられるのであるか。その点が将来のわが国の運命を決する最も大きなポイントであると考えるのでございます。わが国は軍備を放棄しております。しかし今度の予備隊はある程度武装をせられる。私は武装があるとかないとか、あるいは武装程度というようなことを越えて、とにかくここに一つの力が国内に発生する。この力を握つている人たちが、また常軌を逸し、政治的常識を越えて、いろいろそれ自体の動きを示すようになりますれば、ありし日の日本の姿を再現する危険がないとも言えない。ここでわが国の将来にとつて一番心配な問題は、もちろん外からの脅威も非常に大きいのでありますが、内においてかくのごとく発生せしめた力に対して、これをわが国の政治上の安静と申しますか、調和と申しますか、そのいうものとどう調整して行くようにイデオローギをお立てになるのであるか。その点についてのお考えをお漏しになれば幸いだと思います。
  34. 大橋武夫

    大橋国務大臣 御質問の要点は、教育上の配慮において政府と部隊との関係をどういう角度で理解させておるかというような点であつたように承つたのであります。この点につきましては、警察予備隊組織いたしましたる当時、すでにさような点を配慮いたしまして、かつての日本の軍隊というものが、統帥権の独立という憲法解釈によりまして、政治の外にありながら、政治によつて支配されずに、逆に政治を支配するというような体制をつくり上げておつた。これは明らかに今日の新憲法下においては、軍国主義として断じて排斥しなければならぬ傾向であるわけでありまするから、予備隊機構をつくる際におきましても、予備隊はその一切の事項につきまして、内閣総理大臣の完全なる統制下に立つべきものであるという趣旨をもつてつくつておるわけでございます。その後におきまする隊務の運営につきましても、常に前閣総理大臣並びにそれの代理者でありまする国務大臣、あるいはその指揮によつて動くところの予備隊本部長官この統制のもとに制服部隊というものは動くべきものである。これを根本にいたしておるのでありまして、このことはひつきよう内閣総理大臣という政府の付表者は、国会によつて指名されたものでありますがゆえに、国家の最高機関たる国会の意思に連なるものであり、同時に国会の背後には主権者たる国民があるわけでございますからして、完全なる主権者たる国民によつて統制されるところの実力組織、その任務分担者たることをもつてこの予備隊の幹部教育の根本といたしておるわけでございます。特に御指摘の点は私どもといたしましても力を外れておる次第でございます。
  35. 玉置信一

    玉置(信)委員 次の段階で御質問申し上げたいと思つておつたことを、ただいま滿尾委員からただされたので、私はこれで打切りたいと思いますけれども、なおいろいろお伺いいたしたことがあります。先ほどからたびたびの大橋国務大臣の御答弁によりますと、今研究中であるということでありますが、幸い關谷委員からの、草案ができたときに事前に当委員会に御連絡を願いたいということに対して、大橋国務大臣も賛意を表せられておるのでありますから、またその機会にその案によつて詳細御質問申し上げたいと思います。本日の質問はこれで打切つておきます。
  36. 滿尾君亮

    滿尾委員 一言お伺いしますが、わが国の憲法はいまだ改正になつておりませんし、従つて軍備というものはないし、われわれはあくまでも現行の憲法のもとにおいてものを考えておるのでありますが、ここで一言伺つておきたいと思いますることは、軍備を持たないわが国の現状におきましても、もし外国からの侵略行為があれば、事理当然として自衛権の発動というものがあると考えるのでございまするが、いかがでありましようか。
  37. 大橋武夫

    大橋国務大臣 憲法の解釈につきましては、法務総裁からお聞きを願いたいと思うのでありまするが、せつかくのお尋ねでありまするから特に申し上げます。従来の一般の解釈といたしましては、憲法上軍備の所持は制限せられておりまするがしかしわが国もまた独立国として自衛権は当然持つておるこういうふうに解釈をせられております。しかしながら自衛権をほんとうに有効に行使するには軍備がいるわけでございまするから、そう意味において持つておる自衛権を、軍備がないために真に有効に行使することは、事実上不可能な状態にあると説明をされておるようでございます。
  38. 滿尾君亮

    滿尾委員 自衛権があることは御説明によてよくわかつたのであります。われわれは軍備を持つておりませんから、有効適切な自衛権の発動ができない。しかしながらかりに軍備がなくても、いわゆる潜在戦力というものがある。つまり侵略に対しては現状をもつてしましても、いろいろな方法である程度の抵抗もできるし、戦う力はあると思う。まあポテンシヤル・エナージイというものがあると思う。そこでそのポテンシヤル・エナージイの戦力についてのことでございまするが、将来航空というものもその一つの面だと思う。海上保安隊というものも一つの潜在戦力の資格を持つておる。もちろん警察予備隊も持つておると思う。でりますからかような意味において、将来わが国が侵されたような場合に、いろいろな潜在戦力が発動するという広義の国防というものが、現在でも存在すると思うのですが、さような意味の広義の本質的な国防と、いわゆるコースト・ガードと申しますか、沿岸警羅と申しますか、そういうものとの間に、性質上の差があるということをお考えつておりまするかどうかをお伺いいたしたい。
  39. 大橋武夫

    大橋国務大臣 実は非常に微妙な点でございまして、私もまだ、先ほど申し上げましたるごとく、機構問題についてのみ今研究をいたしておる次第であります。御質問になりましたような事柄は、むろん機構考える上からいいまして、ぜひとも研究しなければならぬ重大な問題でございまするので、なお研究中でございまするから、この際お答えを申し上げることはお許しを願いたいと思います。
  40. 滿尾君亮

    滿尾委員 御研究中だそうでございまするから、あえて私は追究いたしませんが、この問題は結局本日の大臣に対するわれわれの質問の核心に触れておる。そのコースト・ガードの性格というものを、特別にお認めになるかならぬかだけが、われわれがお伺いしたい要点であつたわけでありますから、本日は無理にとは申しませんけれども、十分この点について、外国の例も御参照いただいて御研究、御決心のほどをお願い申し上げて、質問を打切つておきます。
  41. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 前々回のこの委員会で、海上保安庁の問題について村上運輸大臣に詳細にお伺いしたのだけれども、かんじんのところへ来ると、私はほんとうのところわからぬのだというようなお答えでありました。そこで大橋国務相は治安関係責任を持つておられる大臣でありますから、この点についてずつと研究しておられるので、この際詳しくお伺いしたいと思うのです。  現在海上保安庁は明らかに運輸省所管であります。従つてこの問題については運輸大臣がすべて知つておらなければならぬのです。ところが実際問題になりますと、ここから向うはよくわからぬのだとお答えになる。ですからこの問題についてあえて大橋国務相にお伺いするわけです。この海上保安庁を、今度は中央に統合して治安省のような保安機構に改編されようとしておられるようですが、将来の機構についてもう見通しを持つておられるのかどうか、その点をお伺いします。
  42. 大橋武夫

    大橋国務大臣 これは先ほど關谷委員にお答えを申し上げた通りでございまして、この問題について研究をいたしておる次第でございます。こういうふうにしようというような結論をまだ出す段階に至つておりません。
  43. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 しかし機構をどう改めるということにつきましても、この全体の内容を知り、将来に対して見通しがつかないと、機構いじりはできないはずです。機構の改編を計画される大臣が、その内容についても、方針についても、さつぱりわからぬのだからお話にならぬと思いますが、大臣はそれでよろしゆうございますか。
  44. 大橋武夫

    大橋国務大臣 わからぬのでなくて、研究中なんでありまして、まだ機構改革をやろうというのじやない。やろうとしておるから、そこでわからなければやれないから、わからないことを研究してわかろうとしておる段階だというのであります。
  45. 岡村利右衞門

    岡村委員長 大橋国務大臣はちよつと約束があるそうですから、簡單に願います。
  46. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 先ほどの御発言の中に、非常に重大な問題があつたと思うのです。Y機構と現在の海上保安庁機構とを並列で発展させて行つて、それを統一して何ら支障がないばかりかコースト・ガードとしての使命を達成する上に、非常にプラスになるのだというようなお話があつたのであります。そうしますと、たとえば装備についてどの辺までをコースト・ガードとしての水準以内に、どの程度を水準として考えておられるのか、それ以上になれば再軍備になるのだといつたような限界について、どういう考えを持つておられるか。たとえば去年の末にアメリカの駆逐艦十隻を初め、その他警備艇五十隻ばかりを海上保安庁に移管される話が済んでおるそうでありますが、このフリゲイトなどは三インチ砲くらいの主砲を持つているようです。これはそのままコースト・ガードの武力としてお使いになるために必要と考えておられるのか、その点をお伺いいたします。
  47. 大橋武夫

    大橋国務大臣 海上保安庁につきましては、私は海上保安庁のどれだけの部分——もしかりに警察予備隊一緒にするならば一緒にすべきである。そうして一緒にした場合に、どういうふうな機構にすればよいかという点だけを研究いたしておるのでございまして、海上保安庁の現在やつておられまする政策面につきましては、何ら関係をいたしておりませんので、どうぞ所管大臣からお聞きをいただきたいと思います。
  48. 玉置信一

    玉置(信)委員 先ほど発言申し上げた中にちよつと食い違いがあるようであります。それは大橋国務大臣は、案ができたならば当委員会に示すと言つたのではなくして、管理庁にそれを出すということであつたようであります。従つて私の発言した内容も、管理庁に出た案を主管庁から重ねてお伺いするということに訂正をいたしたいと思います。
  49. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 大橋国務相にお伺いしますが、二月八日にリツジウエイ総司令官と、吉田さんと一緒においでになつてお会いになりましたか。
  50. 大橋武夫

    大橋国務大臣 これは渉外事項でございまして、発表の限りではございません。
  51. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 朝日新聞紙上で見ますと、吉田首相が木村、大橋、岡崎、保利官房長官を引具いたしまして、リツジウエイ総司令官に会つたとありますが、この内容は、将来における日本の保安隊に関する具体的な話合いをしたというように報じておりますが、それを渉外事項であるがゆえに話せぬということになると、国会はつんぼさじきということになる。私の質問に対して答えができぬということではなくして、国民に対して秘密外交をやろうということ、こういうことは絶対に差許せぬ問題だと思う。あなたの御返答は不満足です。
  52. 大橋武夫

    大橋国務大臣 総司令部より発表を禁止せられている事項でございまして、ただいま占領中やむを得ざることと存じます。
  53. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 もう一つ、将来の治安省について計画を持つておられる大橋国務相のことでありますから、おそらくはつきりした定見をお持ちにならなけれなばらぬと思うのです。この海上保安庁の問題は将来非常に大きな問題に遭遇する諸問題が横たわつております。前回もこの委員会で発言したのでありますが、マツカーサー・ラインの問題です。ソビエト及び中共地区においてマツカーサー・ラインがどうなるかということはきわめて重大な問題であります。太平洋方面は漁業協定によつて、この問題が事実上解決されるでありましよう。しかしながら東支那海や、ソビエト連邦近くの海岸におけるマツカーサー・ラインについて、海上保安庁がどういう方針をとるかということは非常に大きな問題であります。日本の船がこのラインを越して向うへ行くときに、この武力を持つてもつと向うへ行けというように応援するのか、それともこれを越しちやいけないといつて、日本の船を押えるのか、その点どつちか、ひとつあなたの御見解を承りたいと思います。
  54. 大橋武夫

    大橋国務大臣 先ほど申し上げました通り、現在海上保安庁の施策につきましては私何ら関係いたしておりませんから、お答え申し上げかねます。
  55. 岡村利右衞門

    岡村委員長 大橋国務大臣は約束があるそうですから、きようはこの程度で散会いたしたいと思います。御異議ありませんか。     〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
  56. 岡村利右衞門

    岡村委員長 ではさように決定いたします。  きようはこれにて散会いたします。    午後二時四十八分散会