○關谷
委員 私、大体佐々木政務次官が同感であると言われたので、多くを申し上げる必要はないと思いますけれども、特に私たちは、これから
運輸省が
行政機構の改革に当
つておりまする各
大臣と折衝をせられます上に、特に強調していただきたいと思います点は、まず第一番に
海上保安庁の問題でありますが、ほんとうの保安庁の仕事というものが理解されていないように思われるのであります。この間
海上保安新聞というようなところから座談会に出てくれというようなことで、私そのときにも率直に
意見を申し上げておいたのでありますが、この保安庁の仕事というものは、あくまでも陸上の予備隊と同じものである、こういうふうに間違われておるのでありまするが、決してそうではないのでありまして、あくまでもこの
海上保安庁の性格といいますものは、現在の一般警察——予備隊にあらざるところの国家地方警察、自治体警察、この両方がや
つておりますところの一般警察と同じ任務を持
つておるのであ
つて、決して予備隊的な性格を持
つておるものではないのだ、だからこれは統合すべきものではないということをよく強調をしていただきませんときには、あるいは将来漁船の
保護等の上で問題が起る。いろいろな装備等は、私たちは拡充しなければならないと
考えております。よその党で
反対する党もありますけれども、現在保安庁の仕事をやります上に、これは再軍備でも何でもない、保安庁の任務を遂行するために装備を充実し、整備しなければならぬ、こういうふうに
考えておるのでありますが、その装備をいたしまして、その結果漁船の拿捕等を防ごうとして出ました場合にでも、ソ連あたりは
日本と
講和條約等を締結しておりませんので、予備隊的な性格のものであるというふうに、
国内治安というような、そういうような動乱的なものに対しましてもこれが出動するというふうな性格のものと間違われますと、これは武装解除をすることにな
つておりますので、ソ連あたりから、警察でないということになりますと、武装解除というようなことが起
つて参りますので、この点はどういたしましても、あくまでも一般警察と同じ性格のものである、こういう点を強調すべきものであると
考えております。
従つて、そういたしますと
所管はおのずから
運輸省である、こういうことにな
つて来るわけであります。いろいろ
アメリカのフーヴアー・ミツシヨンといいますか、それあたりにおいて
意見を述べておりますのも、
運輸省が
所管するのが最も適当であるというふうに言われておるのでありまして、巷間伝えられておるように、大橋国務相あたりは、予備隊と併立すべきもの、対等のものであるというように
考えておるのではなかろうかというように、私たち新聞を見ておりますととられますので、こういうふうな誤解のないように、極力説得をしていただきたい、かように私たちも
考えるのでありまして、これにつきましてはあとで政務次官から、この点に対しましての御所見を承
つておきたいのであります。
なおまた船員局と海運局を一つにする、こういうことは対外的にも対内的にも非常に悪いと
考えておるのでありまして、
国内的に
考えましても、これは船員の連中がいろいろ言うておりますのは、今までこれが普通の労働者と同じように扱われておつたのが、努力したあげく船員局というものができて、
運輸省の
所管にな
つて非常に満足しておるのが、これがもし船主側と同じ局の中へ統合せられるというようなことになりますと、海員組合の連中も非常にこれに不満を持
つて参るのでありまして、そこにも一つの問題があると存じますし、さらにまた対外的に
考えますと、
日本政府というものはまた使用者側の海運局に船員局を吸収した、また再び安い賃金で雇い入れて、そうして運賃ダンピングをやるようなことにな
つて来るのではなかろうかというようなことで、非常に対外的にも刺激するのでありまして、こういうふうな点はよく
考えなければならないのであります。おそらくこれは
行政機構の改革に携わ
つておられる三人の方には、おわかりになることがないと思うのであります。こういうふうなことはよく説いていただきたいと思いますが、これらに対してどの
程度に努力が払われておるかということを、これもあとで一括して承
つておきたいと思います。なお私の意向が間違
つておるかということについても、御所見を承
つておきたいと思います。
なお港湾局はすでに
論議がせられておりますが、これを国土省へ持
つて行く、あるいは
建設省へ持
つて行くというようなことは、も
つてのほかでありまして、そういうふうにつくり上げたものを利用する者がこれがつくらなかつたら、とうていその利用に適するようなものはできない。か
つて内務省のありましたときにつくりました港湾局というものが、
運輸省の
所管になりましてから、これは悪いというふうなことで、これをやりかえてむだな経費を出したことがたびたびあるのでありまして、一番私が身近に感じておりますのは、私の松山市において、そのようなことが具体的にあつたのであります。そういうふうなことに陥らないとも限りませんので、この点もよく、野田
建設大臣あたりも大蔵系でありまして、あの人がそういう方面に理解があるとも私たちは思えないのでありまして、こういう点認識を深めるような御努力を願いたいと存ずるのであります。
航空庁のことは先ほどありましたので、これはやめておきますし、道路局の関係もありましたから、これは長くなりますので、省略をいたしますけれども、こういうふうなこと、さらにまた郵政省あるいは電気通信監理局というものができて、これが
運輸通信省の中に入
つて来る、こういうようなことに伝えられておりますけれども、そのようなことになつた場合には、
運輸大臣と併立してもう一人
大臣を置いて、両
大臣を一緒に置いておかなければならぬというふうなかつこうにもな
つて来るのではないかと思いまして、全国の労働問題を一手に引受けなければならぬというようなことで、
大臣は
運輸行政あるいは通信
行政というようなことに対して、努力する間も何もないということにな
つて来るのではないかということを非常に憂えております。こういうふうな点を私が強調いたしますと、必らずこの
行政改革の衝に当
つております人々も納得をして、あのような案を出さぬのではないか、こういうふうに
考えられるのでありますが、新聞紙上等ではそれがしきりに報道をせられて、おるのでございまして、あるいはこれが具体的に実現化しようとしておるのではなかろうかということを懸念をしておるのであります。こういうふうな点につきまして、どの
程度の努力が払われておるか、これについてはどのような
考えを持
つておるかということを、
はつきりこの際事務次官もおられますし、新官房長はこの間かわられたばかりでありますので、もし何でしたら旧官房長——鉄道
監督局長がおられますので、そのあたりから御
意見なり
経過なりを承ることができますならば、仕合せと存じます。