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1952-02-22 第13回国会 衆議院 運輸委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十二日(金曜日)     午後一時三十五分開議  出席委員    委員長 岡村利右衞門君    理事 黒澤富次郎君 理事 滿尾 君亮君    理事 山崎 岩男君       稻田 直道君    大澤嘉平治君       尾崎 末吉君    關谷 勝利君       玉置 信一君    坪内 八郎君       中野 武雄君    山口シヅエ君       江崎 一治君  出席政府委員         運輸政務次官  佐々木秀世君         運輸事務官         (大臣官房文書         課長)     岡本  悟君         航空庁長官   大庭 哲夫君  委員外出席者         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 二月二十日  委員山本猛夫辞任につき、その補欠として中  野武雄君が議長指名委員に選任された。 同月二十二日  委員山口シヅエ辞任につき、その補欠として  松本七郎君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 二月十八日  阿仁合線を比立内まで延長の請願石田博英君  紹介)(第七八七号)  北條駅に準急列車停車請願川端佳夫君紹  介)(第七八八号)  長崎駅構内施設整備拡充に関する請願(本多  市郎君紹介)(第七八九号)  敦賀警備救難署海上保安部に昇格の請願(奧  村又十郎君紹介)(第七九〇号)  佐賀港修築工事促進等に関する請願長野長廣  君紹介)(第七九一号)  猪谷、松本間鉄道敷設請願岡村利右衞門君  紹介)(第八一四号)  北野隧道東口に関川駅設置請願小西英雄君  紹介)(第八一五号)  日南線全通促進請願田中不破三君紹介)(  第八一六号)  民間航空路開設等に関する請願坂田英一君外  三名紹介)(第八四七号)  三重村今福地内に駅設置請願大澤嘉平治君  紹介)(第八四八号)  石巻、柳津間鉄道敷設請願角田幸吉君外一  名紹介)(第八四九号)  上山田、川崎間鉄道敷設請願淵上房太郎君  紹介)(第八六〇号)  余市、余別間及び岩内、古平間鉄道敷設請願  (小川原政信紹介)(第八六一号)  八代港を重要港湾指定等請願坂田道太君  紹介)(第八六二号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 同日  富士山頂ケーブル建設反対に関する陳情書  (  第五一六号)  長岡市に国立測候所設置に関する陳情書  (第五一七号)  釧路、美幌間鉄道敷設促進に関する陳情書  (第五一八号)  裏日本民間航空路線及び航空機発着場設定に関  する陳情書(第五  一九号)  日本海浮流機雷に関する陳情書  (第五二〇号)  列車内に行先と各駅名標示に関する陳情書  (第五二一  号) 同月二十一日  宇野、高松間貨物輸送力増強に関する陳情書  (第六一五  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  ポツダム宣言受諾に伴い発する命令に関する  件に基く運輸省関係命令措置に関する法律  案(内閣提出第一六号)  航空に関する小委員長より小委員会における経  過の中間報告聴取に関する件  運輸省機構改革に関する件     ―――――――――――――
  2. 岡村利右衞門

    岡村委員長 これより会議を開きます。  ポツダム宣言受諾に伴い発する命令に関する件に基く運輸省関係命令措置に関する法律案を議題といたし、質疑に入ります。質疑通告があります。江崎一治君。
  3. 江崎一治

    江崎(一)委員 ポツダム宣言受諾に伴い発する命令に関する件に基く運輸省関係命令措置に関する法律案提案理由説明の中で、航海制限等に関する件についての提案説明のときに、あまり十分な説明がなされなかつたように思うのです。これがなぜこういうように改正いたさなければならないかということについて、いま少し詳しく説明を承りたいと思います。
  4. 岡本悟

    岡本政府委員 航海等制限に関する件でございますが、これは現在の航海制限等に関する件というポツダム命令は、実は非常に広汎な権限運輸大臣に与えております。こういう広汎な権限を与えておる命令というものは、講和條発効後はできるだけ廃止するということが望ましいとは思いますけれども、改正のところにあげておりますように「国際間ノ紛争二際シ日本船舶ノ安全ヲ保持スルタメ其ノ他緊急ノ必要アリト認ムルトキハ」というふうに制限いたしましたし、それから「航路又ハ区域指定シテ日本ト日本以外ノ地域トノ間又ハ日本以外ノ地域相互間二於ケル」というふうに改めまして、非常に大臣がその権限を発動し得る場合を制約いたしました。つまり現行の航海等制限に関する命令によりますと、どういう場合でも運輸大臣は必要な命令を出して、航海制限または禁止をすることができますけれども、講和條約の発効後は特にそれを制約いたしまして、国際間の紛争に際し、日本船舶の安全を保持するために、あるいはその他緊急の必要があると認むるときに限つて、しかも今までは日本の内地におきましてもこれを制限し、あるいは禁止することができるというふうになつておりましたのを、日本日本以外の地域、または日本以外の地域相互間におけるというふうに、非常に制限したわけでございます。
  5. 江崎一治

    江崎(一)委員 ただいまの御説明によりますと、運輸大臣権限について相当制限をしたのだから、その点がポツダム政令の廃止の線に沿つておるのだというような御説明であつたのですが、実質はこれと大分違うのじやないかと思うのです。日本船舶に対して、国際間の微妙な状態を考慮して、この国際間の紛争に巻き込まれるということを故意に強調しておるところに、問題があると思うのです。この国際間の微妙な状態ということは、どういうことをさすのか、具体的に説明を願います。
  6. 岡本悟

    岡本政府委員 国際間の紛争に際してというのは、これはいろいろな場合が将来想像されると思いますけれども、この具体的な場合というのは、われわれとしては目下のところはつきりとはつかんでおりませんけれども、そういう場合に、日本船舶保護を必要とするというような場合が出て来はせぬか。その場合には、必要なる命令を出せるのである。しかもそれは保護のためですから、それ以外に何ら目的はない、こういうふうに考えまして、この命令を出し得る根拠はこういうことであつて、その方が非常に妥当じやないかというふうに考えたわけでございます。
  7. 江崎一治

    江崎(一)委員 法律というものは非常に便利なもので、保護という名目で検束する手もあります。これと同じたぐいで、日本船舶の安全をはかるためだといつて日本の自由な貿易をこれで制限する危険があると思うのだが、その点はどういう見解ですか。
  8. 岡本悟

    岡本政府委員 これは今後の問題であつて、われわれとしてはそういう事態が来るかどうかということは、はつきり判断いたしかねます。もつぱら船舶の安全を保持するためという見地からやつて行きたい、こういうふうに考えております。
  9. 江崎一治

    江崎(一)委員 やはり今の御答弁は、先ほどの見解むし返しにすぎないと思います。私は新しい観点から、こういう危険があるということについて、そういう危険がないかどうか、このポツダム政令をそのまま残しておくことによつて、特定の国との貿易をこれによつて阻害する、意識的に阻害するという道具に使われる危険はないかということについてお伺いをしておるわけです。その点はどうですか。
  10. 岡本悟

    岡本政府委員 そういう場合につきましては、われわれとしては、今そういう事態が来るかどうかということは判断いたしかねますが、先ほど来繰返して申し上げましたように、船舶保護という見地から考えておるだけでありまして、その他のことは別に考えておりません。
  11. 江崎一治

    江崎(一)委員 やはり先ほどの御説明から一歩も出ておらぬ。もう一度同じことを聞いてもこれは同じ答弁だと思いますが、国際間の紛争というのは、ソビエトあるいは中国を明らかに仮想敵国としての考え方のように受取れるが、その点はどうですか。
  12. 岡本悟

    岡本政府委員 国際間の紛争と申しますと、非常に広い意味にもとれますし、あるいは狭義の戦争という意味にもとれまして、きわめて明確に定義しようといたしましても、むずかしいことだとは思いますけれども、とにかく日本船舶の安全を保持する必要がある場合に限るのだ、こういうふうにわれわれはその運用を厳重に規制したい、こう思つております。
  13. 江崎一治

    江崎(一)委員 どこの商船会社も、自分の船が沈没したり、損傷を受けたりすることは好まないことは、きわめて明らかであります。そういう危険水域に危険を冒して、わざわざ出かけて行くというようなことは考えられない。それをわざわざこういうように法文化するというところに、別の意図があるとわれわれは断ぜざるを得ない。そういう点について、あなたの説明はちつとも核心に触れておらぬ。私が聞くのじやなく、日本国民が聞きたいのです。
  14. 岡本悟

    岡本政府委員 別にそういうことは考えておりません。もつぱら船舶保護という見地からやりたい、こういうことであります。
  15. 江崎一治

    江崎(一)委員 私はこういう第一條は必要ないじやないかという意見です。みずから危険を冒してそういう危険なところへ行く商船はないと思います。だからわざわざ大臣がこれを指定するという、こういう條項は必要ないと思う。従つて私の意見としては、こういう政令を廃止すべきだという意見であります。その点のあなたの見解はいかがですか。
  16. 岡本悟

    岡本政府委員 もちろん海運業者として、そういうように危険なところへ出て行かないということは一応考えられますけれども、政府としてはそういう危険水域に近づけない措置を、命令をもつてする必要がある場合があるというふうに考えておるわけです。
  17. 江崎一治

    江崎(一)委員 ひとつ意見を求べておきましよう。今通産省で、日本国内法であるところの輸出貿易管理令について、相当大幅にソビエト中国向けの品物を制限し、これに禁止措置を講じようとしておる。これと同じ考えから、この商船の方を運輸関係で、その足をひつさらつてしまおうという考え方から、こういうポツダム政令改正が行われたものとわれわれは解釈しております。この点が一番重大な点だとわれわれは考えております。これでは日本の自由なる貿易はできない。日本アメリカの特需にたよつては、日本の経済はめちやくちやになる。そういう点から、日本国民が切実に要求していることだから、私はあえてこのことを主張するのです。こういう点についてはもつとまじめに答えてもらいたい。あなたも日本人として、はつきり将来の見通しの上に立つてつていただきたいと思います。答弁はいりません。
  18. 岡村利右衞門

    岡村委員長 速記をやめて。     〔速記中止
  19. 岡村利右衞門

    岡村委員長 速記を始めて。  本案に対する質疑は終了いたしました。討論の通告もございませんので、これを省略するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 岡村利右衞門

    岡村委員長 御異議がなければ、さように決定いたします。  ポツダム宣言受諾に伴い発する命令に関する件に基く運輸省関係命令措置に関する法律案について採決いたします。本案賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立
  21. 岡村利右衞門

    岡村委員長 起立多数。よつて本案は原案通り可決いたしました。  本案に対する委員長報告につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 岡村利右衞門

    岡村委員長 それではさよう決定いたしました。  この際暫時休憩いたします。     午後一時五十五分休憩      ————◇—————     午後二時十六分開議
  23. 岡村利右衞門

    岡村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  航空に関する小委員長より、小委員会審議経過につき中間報告を求められておりますので、これを許します。尾埼小委員長
  24. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 航空に関する小委員会における審議経過中間報告を申し上げます。  当委員会は去る二月十三日、十五日、十九日及び二十一日の四回に亘り会議を開きまして、航空法案制定審議会における審議経過状況航空機輸送事業航空機生産事業航空行政組織航空保安施設航空要員及び外国航空事情その他航空関係各般につきまして、航空庁長官から詳細な説明を聴取し、これを対し各委員から熱心なる質疑が行われ、慎重な審議がなされたのであります。特に十九日には航空機生産事業関係者として、新日本汽船株式会社専務郷古潔君、富士産業株式会社社長野村清臣君を、航空機輸送事業関係者として日本航空株式会社専務松尾静鷹君を、学識経験者としては明治大学教授小川太一郎君等、航空関係権威者参考人として招致いたしまして、おのおの専門的立場からの忌憚ない意見を徴し、各委員から熱心な質疑応答がとりかわされました。  次に論議中心となりましたおもなるものから申し上げます。先ず第一に取上げられましたのは、航空機生産事業に対する行政官庁所管問題であります。この問題はすでに航空法案制定審議会における審議過程において論議されたのでありますが、きわめて少数、すなわちただ一人の反対があつたのみで、大多数の賛成を得て、運輸省主管が適当であることを前提として審議が進められた上、運輸大臣に答申されたのであります。航空機工業主管運輸省とすべき理由は、航空行政中心航空機安全性を確保することが第一條件であります。これは国際民間航空條約第三十一條において、各国航空機の耐空性を検査し、それに基いて発給する証明書を受有するものでなければ、航行の用に供することはできないように規定されていることから考え合せましても明らかであります。御参考船舶検査の例をとりましても、海上における人命及び貨物の安全を確保するため、国際條約に基いて運輸省安全検査を行い、これを合格しなければ航海できないことに規定されております。しかも航空機船舶に比較して、さらに高度の安全性が要求されることは申し上げるまでもありません。この高度の安全性を保障するためには、航空機のような複雑かつ精密な総合機械につきましては、その製造または修繕過程において厳密な検査を要しますが、かかる厳密な検査は、航空機輸送について全責任を負い、かつ常時運航の実態を把握している運輸省が行わなければ、その万全は、とうてい期し得ないのであります。また沿革的に考察いたしましても、現在の航空庁の前身である元逓信省航空局で、元来航空に関する一切の行政を担当して参りましたが、太平洋戦争勃発後、軍需省が新設され、航空機生産事業監督はもつぱら軍事的な理由により同省に移管され、そのまま終戦となり、一切が廃止されまして今日に及んだのであります。今再び航空機工業が始められるにあたり、現通産省機構内にはこれが生産事業に関与する部局は一切包含しおらず、軍の存在しない現任運輸省主管するのが当然であると確信する次第であります。なおこの問題につきましては、参考人はいずれも声をそろえて、航空行政の一元化を強く要望されており、またアメリカにおきましてもCAAが航空行政を一元的に担当している実状であります。  次に航空輸送事業保護助成について論議がかわされましたが、御承知の通り航空輸送事業政治経済活動能率化国際交通促進、文化の交流、あるいは科学技術振興等に重大な役割を果すものでありまして、世界各国いずれも直接あるいは、間接に政府助成策をとつております。たとえば最も航空輸送事業発達しておりますアメリカでさへ、四十九州のうち大州を除いた各州では、ガソリン税を免除あるいは減税し、いかに政府航空輸送事業保護育成に力を注いでいるかがうかがえるのであります。わが国航空輸送事業終戦と同時に壊滅し、過去六箇年の空白を経て新たに事業を開始したのでありますが、わが国地理的位置特殊性にかんがみまして、諸外国以上にその使命は重大なるものがあるといわねばなりません。しかるに日本航空会社の実績によりますと、本年一月における旅客の利用率は、東京、札幌間七三%、大阪、福岡間九一%、東京大阪間七四%を示し、開業初期としては相当の成績を上げているにもかかわらず、月約六百万円程度の赤字が出ております。よつて少くともその事業開始初期においては、政府航空輸送事業の健全なる発達をはかるため、ガソリン税通行税の減免あるいは資金確保のあつせん、さらに必要なる場合は補助金交付等事業保護育成について適切な措置を講ずべきであると考えられます。  次に航空機生産施設について郷古潔君及び野村清臣君の意見を徴しましたが、従来わが国航空機生産軍用機を主とし、民間機は従として行われて来たもので、軍のない今日、政府から相当な補助を受けなければ、はたして企業として成り立つかどうか、また施設は戦災あるいは腐朽のため、これが復旧に要する費用は一工場当り約十億から十五億円を要する見込みで、今ただちに航空機生産は困難で、維持修理程度の作業なら可能であるとの意見が述べられました。  次に航空機乗員の養成について説明を聴取いたしました。現在行われている国内航空は、外国人操縦士に依存しておりますので、年間約七千万円に近い多額な外貨を支払つており、これが節約をはかるため、日本人操縦士を養成する必要がありまして、昭和二十七年度において三千万円の予算をもつて民間から約二十名の操縦経験者を選抜し、米国航空訓練所に留学させる計画が立てられているとのことであります。  次に小川太一郎君のわが国航空技術の現況並びに見通しについての意見の概略を申し上げます。わが国航空技術は一九四〇年までは大体欧米に追従して来たが、その以降十二年間はまつたく立ち遅れている。しかしながらこの立遅れは、国家の施策がよろしきを得れば、日本人の能力と相まつて、数年のうちにはとりもどし得るものと確信すると、力強く述べられたのであります。  また松尾静麿君から米国航空輸送事業会社運営状況について意見を聴取いたしたが、その概況は、米国航空輸送会社は、地上施設を完備し、予備機をなるべく少数として、航空機をフルに活用するとともに、コーチ・サービスに重点を置き、きわめて能率的かつ合理的に運営されているとのことでありますが、これはわが国といたしましても大いに学ぶべき点であると痛感する次第であります。  以上が審議会経過の概要でありますが、審議を通じ特に問題となりましたのは、航空機生産事業に対する所管航空機輸送事業並びに航空機生産事業保護育成の二点でありまして、この問題につきましては、慎重に審議の結果、一、航空事業の健全なる発達と円滑なる軍営を期するため、航空に関する一切の行政航空庁に一元化すること。二、政府航空輸送事業並びに航空機生産事業保護育成をはかるため、すみやかに有効適切な措置を講ずること。  右の趣意目的に基いた航空法案をすみやかに国会に提出すること。  右の通り一応結論を得た次第でございます。  以上はなはだ簡単でありますが、航空に関する小委員会中間報告を終ります。
  25. 岡村利右衞門

    岡村委員長 ただいまの報告につきまして、尾崎委員長に対し質問があればこれを許します。
  26. 江崎一治

    江崎(一)委員 ただいまの御報告によりますと、日本でもいよいよ航空機部品製造が始まるようでありますが、この部品製造を進めて行きまして、完成した飛行機の生産にまで進んで行くつもりなのか。航空機生産を実質的に始めることを予定して部品の製作を始めるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
  27. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 ただいまの御質問にお答えいたします。先ほどの報告の中で申し上げましたように、資金の点、設備の点、その他各般事情によりまして、今ただちに航空機生産することは困難な事情にあるのであります。しかしながら従来あつた工場等設備の改善、あるいは新しい機械設備、その他航空機製造に必要なる設備をいたしますならば、やがて航空機生産することができるという模様であります。しかしながらこれはわずかの航空機をつくりましても、その収支が償わないのでありますから、やがて外国等から大量の注文がある時期になりますれば、航空機生産というところまで進んで行くようでありますが、現任のところでは、今まであつた工場に若干の修理あるいは増補等をいたしまして、それによつて質問の御趣意のごとく、部品製造あるいはまた修理あるいは再製品の一部、そういう程度のことを行つて行く、そういう程度のことであろうかと思うのであります。
  28. 稻田直道

    稻田委員 ただいまの尾崎委員長報告は、微に入り細をうがつた報告でありまして、まことに敬服いたしましたが、ただ航空庁に今後の航空関係行政なり運用なりを一任するという程度の御報告でありました。その航空庁所管運輸省にするのであるか、あるいは通商産業省にするのであるかというようなことがはつきりしておりませんが、これは百尺竿頭一歩を進めまして、われわれ運輸省関係の者といたしましては、自動車交通事業の最近の著しき発達にかんがみまして、道路行政のごときも運輸省所管に入れなければならぬと思つております。将来の航空事業発達を予想いたしましても、航空事業を取締るべき航空行政は、ぜひともいい航空機をつくらなければならぬとか、その航空機をどういうふうに運用して、国内あるいは国際間の空を飛ばなければならぬかというようなことを、すべて運輸省行政の面において運用する以上は、その製造運輸省がつかさどらなければならぬというような観点から申しまして、もう遠慮することはないから、航空庁というものが将来設けられまするならば、その航空庁所管運輸省に持つて来なければならぬということを、小委員長はなぜはつきり答申せられないのか、これにつきまして小委員長なり政府の御意向を承つてみたいと思います。
  29. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 非常に熱心な御質問を伺いまして力強く思いますが、航空庁はすでに運輸省に属しております。運輸省所管にあるのであります。でありますから、事新して航空庁所管をどの省にすべきかということよりも、もうすでに運輸省の中にちやんとあるのでありますから、その点は御心配なく、ひとつ御安心を願いたいと思います。  なおつけ加えて申しますのは、予算委員会の第三分科会、すなわち運輸、電通、郵政、建設の各省に関する第五分科会におきましても、航空機生産から運行に至るまで、その行政はすべて一元化する必要がある、そしてこれはいわゆる運輸省所管航空庁の中に持つて行かなければならぬということを強調されまして、それがそれぞれ正式に報告されることに相なつておるのでありまするから、もはや航空庁の所属につきましては、別に御心配はいらないかと思うのであります。
  30. 稻田直道

    稻田委員 ごむりごもつともと思います。より以上には老婆心のようなことは申しませんが、もつとも聞くならく、通商産業省の方でとりたいというような考えを持つておるようでありますから、念のためにお伺い申し上げたのであつてはつきりとひとつ報告があつた方がいいと思います。
  31. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 ただいまの稻田委員の御質問の要旨に対しまして、私ちよつとつけ加えたいと思うのでありますが、ただいまの航空庁自体に対するところの所管の問題について、稻田委員はお尋ね申し上げたのでなくして、航空機製造機関に関する監督権限がどの省に属すべきかということに、その論点があるかと思うのであります。従いまして尾崎委員長報告されました中に、航空機行政はもちろん運輸省において取扱うべきものであるけれども、同時にその航空機生産機関に関する監督権限をも運輸省が持つべきものなのだ、その点をなぜはつきりしなかつたか、この一点にあると思います。通商産業省におきましては、その点ははつきりしておるように私は思います。運輸省におけるところの航空庁関係並びに航空機行政機関までも、通商産業省においてこれを自分所管として要望しておるのではなくして、飛行機の製造自体に関する問題を取上げて、通商産業省委員会その他において論議しておるやに聞いておるのであります。そこで私どもとしましては、飛行機の製造過程に関するいろいろな問題を取上げて論じて、この間小委員会を設けたわけなのでありまするから、この際思い切つて尾崎委員長におかれましては、その点までつつ込んで、私どもの決議を明確にいたしまして、通商産業省並びに通産委員会その他に対しまして、強烈なる申入れをする必要がある、それを要望するわけなのであります。この点についての小委員長の御意見を承りたいと思います。
  32. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 お答えいたします。いわゆる生産、運航その他に関する監督という点を強調された御質問でありますが、生産から運航に至るまで、一切行政航空庁でやらなければいかぬ、こういう一切の行政の中に今の監督に対する権限はむろん入つておるわけであります。それからあるいはお聞き漏らしになつたのかもしれませんが、報告の中にもそれらの点は相当強調いたしておりますので、その点も御安心願いたいと思います。  なお一言つけ加えて御答弁申し上げますことは、通産省が主張するいわゆる生産行政の中には、生産に関する監督もむろん入つておるのでありますが、これを主張する理由は、いわゆる資材、原料というものの計画や割当は、御承知の通り安本でやつておるのでありますが、その後の資材、原料の配給を通産省がやつておる。だから資材の配給ということと生産ということを一緒にしなければいかぬ、こういう主張をしておるだけでありまして、その他には、こうした精密機械に属するところの総合生産というものについては、通産省が従来やつて来たのだからという、きわめて薄弱な理由以外には何ものもないのでございます。報告の中に申し上げました通りに、国際民間航空條約の中にもありますところのいわゆる耐空性というものが最も大事であるから、耐空性というものをはつきりするためには、運行の任に当る者が生産の方においても間違いのないものかどうか、すぐれておるものかまずいものか、こういうところを一々信頼ができなければいけないわけなのであるから、従つて国際民間航空條約に規定してありますところの耐空性を遵守して行く、こういうことに相なりますれば、むろん生産の方もこつちの方に移つて行かなければいかぬことに相なつておるようであります。それらの点は相当報告の中にも書いておいたわけであります。大体通産省が主張する点というものは、ほとんどとるに足るべき理由はないようでありますから、これらの点をはつきりいたして参りますならば、所管争いなどということはほとんど雲散霧消して行くべき問題だ、こういうふうに確信をいたす次第であります。
  33. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 尾崎委員長にもう一点お伺いいたしますが、しからばただいまここにおきまして、私どもが小委員長報告を了承し、これを推進して行かなければならぬ事態のものでありますが、これに対しましてどういう手を打つか、どういう手段によつて私どもの目的を達成しようとするか、それに対する小委員長の御抱負を承りたい。
  34. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 御質問にお答えできる点と、この席ではお答えいたしかねる点があるのでありますが、大体は今御報告いたしました趣意に基きまして、本委員会において御承認を願いますならば、それに基いて第一に考えられますことは、いわゆる与党の政務調査会にこれをはかりまして、政務調査会の承諾を得、これをさらに党の役員会にかけまして、役員会において党の方針としてこれを決定するという行き方と、一面におきまして、さつき御質問のように、通産省の方からも申出があつたために、この問題の解決が、官房長官が多忙なため、官房副長官の方で結論をつける、こういうことに相なつておりまして、従いましてそういう方面にも正しい主張をして参る、こういういわゆる正論によつて進む。それからさつき申し上げましたように、すでに予算委員会の方におきましても、このことが強調された報告書に相なつておるのでありますから、それらのいわゆる表向きの公式によるやり方を強化して行くことはもちろんでありますが、その他その趣意を徹底せしめるために、三つほどのやり方があるようであります。その点は一応ひとつ委員長並びに私小委員長あるいは委員会理事の方々におまかせを願いますれば、最善と信じる方策は立てておるわけでありますから、しばらく御了承願つて、ひとつおまかせを願いたいと思うのであります。
  35. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 ただいまの小委員長の御意見でございますが、与党側の自由党の政務調査会並びに総務会等に諮りまして、私どもの党議をきめる、これはまことにけつこうな次第であります。その通りつていただきたい。さらにまた術の中には術がありまして、秘中の秘ということがある、そのことは委員長並びに小委員長及び運輸委員会理事等にまかせてほしい、こういうことのようでありますから、その点もそれでは了承いたしましよう。しからばこの際政府委員といたしまして、政務次官は政府部内においてどういうお考えをもつてこれを進めて行かれるか、御所見を承りたい。
  36. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 お答えいたします。航空機生産につきましてはいろいろございますが、大体二つにわけられるのじやないかと思います。部品生産と組立ての生産、こういうことになるのじやないかと思います。現在までの通産省の主張等を聞いて参りますと、飛行機をつくるジユラルミンは通産省がやつておるじやないか、あるいはナットの一本、これも通産省じやないか、あるいはコードその他のものも通産省じやないかというような意見をわれわれ聞いておるのであります。御承知の通り飛行機の生産というものは、何万種類もある部品の組立てによるものでありまして、航空庁といたしましても、また運輸省といたしましても、そうした末端のものまでも全部運輸省監督してやろうというのじやないのであります。要するに組立てをしまして飛ばすまでの過程生産と申しまして、そうした運行をやる航空庁運輸省が、その組立ての責任をも負わなければならない、これが航空行政の一体化じやないかと考えておるのでありまして、運輸省の主張しているところは、決して無理な主張でありませんので、ただいま小委員長の御報告にあつたように、また御抱負の中にあつたような進み方に持つてつていただくならば、必ず御了解いただけるのじやないかと考えております。
  37. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 ただいまの政務次官の御答弁でございますが、政府部内におきまして、この問題について、たとえば政務次官同士の間で、あるいは大臣同士の間において、御交渉なされた例がございますか。
  38. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 政務次官会議におきましては、今日まで約二回にわたりまして、通産政務次官と私との間に、この問題についていろいろ話合いをして参つております。しかしいまだ一致した結論にまでは到達していないのでございます。
  39. 稻田直道

    稻田委員 最近の新聞を見ますと、通商産業省航空機製造に関する審議会を設けるとか、その他講和発効後における航空機の件につきまして、いかにも自分所管のごとき態度をとつて、いろいろ発表をしおりまする点にかんがみまして、航空庁運輸省所管にありましても、最近機構の大改革をやらんとしておるようなやさきでもありますので、とられないように、ひとつ運輸委員会におきましても、尾崎委員長におかれましても、政府におかれましても、通商産業省がわがもの顔にやつておりますから、こういう機構改革の節でもありますからして、ひとつ御油断なく、百尺竿頭一歩を進めて、これは将来運輸省が必ず所管すべきものであるということを発表してもらいたいという私の老婆心なのであります。なお今申しましたような、通商産業省の出過ぎた新聞広告なんかに対しましても、何らかの手を打たれるべきことを私は希望しておく次第でありますが、小委員長並びに政府のこれに対する御意見を承つておきたいと思います。
  40. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 この小委員会における審議過程におきまして、先ほど御質問のごとく、一方において審議をやりながら、片一方においてはこれと並行いたしまして、この趣旨を貫徹するための努力を相当にやつてつておるのであります。そのやつてつておる過程から考えますならば、今にわかに新聞報道等を利用いたしまして、通産省と対抗をするというようなことをやらなくても、目的は達成し得るのじやないか。いわゆる潮どきというものがありますから、この潮どきということをはかつて、御主張のような方法をとろうと思つております。それはあまり長い将来ではなくて、ごく最近のうちにそういう挙に出ようと思つておりますが、その前になすべきことがまだ二、三ありますので、本日の委員会終了と同時に、ただちにそのなさんとする計画に移つて行きたい、こういうふうな考えでありまして、初志を貫徹することには相当強い確信を持つておりますから、この上ともひとつ御鞭撻を希望いたしております。
  41. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 先ほど申し上げました通り航空行政は一本でなければならないという信念は、政府におきましても決してかわつておりませんし、またその信念を持つておりますので、今後とも御意見のごとく、当然これは運輸省所管すべきものであるという方針に向つて進みたいと思います。またせつかく航空委員会が設けられておるのでありますから、航空委員会の各委員の方々、あるいは運輸委員会の皆様方等と緊密なる連絡をとりまして、御趣旨のように進みたいと考えております。
  42. 江崎一治

    江崎(一)委員 ダグラス調査団が、約一箇月にわたつて日本の旧航空機会社の設備を視察して行つたようでありますが、その結果、日本の旧航空機生産工場はどれくらい使えそうだという結論が出ておりますか。もしわかつておりましたらお知らせ願いたいのであります。
  43. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 私も相当研究をいたして参つたつもりでありますが、なお航空庁長官がその点最も詳しいようでありますから、長官から御答弁をさせることにいたします。
  44. 大庭哲夫

    ○大庭政府委員 昨年確かにダグラスの調査団が組織的に日本に来て、調査をいたしましたが、その結論は、ダグラスの調査団として国防省の方へ御報告をしたというのが、私の方へ通じているだけでありまして、その後いかようになつておるか、私といたしましてまだ詳細を存じていないのであります。
  45. 江崎一治

    江崎(一)委員 尾崎委員長も大分研究をなさつたそうですが、どれくらいありますか、その名前を具体的にあげていただきたい。
  46. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 大庭政府委員答弁された通りであります。
  47. 江崎一治

    江崎(一)委員 先ほどの答えと大分様子が違つておるようでありますが、そこでこの部分品を生産するについても、今の設備だけで行けるのかどうか、この設備に対して相当金がいるのかどうか、その点はどうなんでしよう。
  48. 大庭哲夫

    ○大庭政府委員 部分品は修理過程におけるものでありますが、航空機修理を引受けた際に、どういう部品が故障を起しておるか、それはときどきによつてかわつて来るわけであります。今私たちは航空機修理だというふうに考えておるわけでありまして、そのときどきによりまして、その部品について修理をやつて行きたいと考えております。
  49. 江崎一治

    江崎(一)委員 それは答弁のための答弁です。私は技術者でありますので、そういう答弁は受取れないのです。アメリカの今の航空機が、どういうような設計になつておるということはわかつております。ですからこういう機械がいるということははつきり知つている。それについて今の残存設備でやれるのか、新しい設備を入れなければならぬのかということです。これがわかつていなければ話にならぬ。航空庁長官は勤まらぬでしよう。これがわからなければやめたらいいです。
  50. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 私がかわつて答弁申し上げます。ちようど江崎委員が御質問になつたような点について調査をせよという話が向うからあつたそうでありまして、今調査をいたしておるところでありますから、調査が完了いたしましたら適当の時期に御報告申し上げることにいたしたいと思います。
  51. 江崎一治

    江崎(一)委員 将来完成した飛行機をつくるということにでもなつたら、どれくらい生産して行けば航空機製造企業として採算がとれるのか、そういう点について何か意見がありませんですか。
  52. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 まだそこまで進んで行つていないのであります。航空機事業の元のものが全部壊滅しておりまして、今新しい航空法案考えておる程度でありますので、しばらく時期をお待ち願いたいと思うのであります。
  53. 江崎一治

    江崎(一)委員 航空機生産工場を再建するための国庫補助の問題が大分やかましくいわれているようですが、どういう案、どういう計画、どういう希望があるのか、その点について小委員会では大分お話があつたようですが、その点の御報告が詳しくなかつたようでありますから、御説明願いたいと思います。
  54. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 ただ希望というか、話合いというか、その程度の話は若干出たようでありましたが、まだ国家が航空機生産にどういう補助をするとか、どういう計画を立てるとか、そこまでは行つていないのであります。
  55. 江崎一治

    江崎(一)委員 将来日本航空機工場をつくるとして、民間航空を対象として企業が成り立つて行くかどうか、その点あなたの見通しはどうでしよう。
  56. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 将来のことはやはり将来にならないとはつきりわからないと思うのであります。今のところではよほど調査研究してみませんと、どのくらい生産すれば収支が償うか、そういうところまでまだ参つておりませんので、せつかくこれから研究してみたいと思います。
  57. 江崎一治

    江崎(一)委員 政務次官の御意見はいかがですか。
  58. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 ただいま小委員長の御答弁通りでありまして、私ら運輸行政に携つているものといたしましても、現在すでに民間航空が開始されているのでありますから、これに無関心でいるわけには参らぬのであります。将来のことにつきましては、今後とも十分研究して参りたいと思います。
  59. 江崎一治

    江崎(一)委員 われわれの考えから行きますと、民間航空だけを対象とした航空機生産工場は成り立たないと思うのです。どうしても直接アメリカ空軍の航空機の需要がない限り成り立たぬと思うのです。今後われわれが心配することは、アメリカ空軍の飛行機をつくる工場日本国内にたくさんでき、そこで現在のPD工場のような形で日本の労働者が使用されるようなことになると、ゆゆしき問題であると思います。現在のPD工場においては、労働組合をつくることさえ許されないのです。口では日本の労働三法が適用されると言つておりますけれども、現状はそうではなく、アメリカ監督官が入つております。また会社の保安課から直接労働者に対する取締りがある。そのほか特審関係から工員となつて、このPD工場の労働者の中に入つております。その上まだ直用という形で、各職場に労働者に対するスパイ網を張られている。従いまして各PD工場の労働者の気持は非常に暗いのです。まつたく奴隷労働のごとき状態である。アメリカ空軍の航空機生産工場がやはりこういつたようなことになると、日本民族として大きな問題でありますので、この際この日本航空機生産工場が、今申し上げたPD工場のような形にならないように十分に注意をし、これに対して監視をして行かなければならぬと考えるわけであります。一言希望を述べておきます。
  60. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 御希望でありますから、御答弁の必要はないわけでありますけれども、私から一言今の御希望に対しまして私の意中を申し上げておきます。PD工場等の実情から御心配になつているようでありますが、御承知の通り現在はまだ被占領下であるのでありまして、日本の憲法でさえもいわゆる占領命令に従わなければいかぬときでありますので、従来そういうふうであつたから将来も心配だ、こういう御心配は当らないと思うのであります。なおまたPD工場等における実情も、私どもの耳に入つているところでは、従業員はむしろ給与もよいし、喜んで行つているということであります。ものは見方によりますから、御心配もあるでありましようが、そういうことでありますから、平和條約が発効いたしますれば、日本は完全な独立国となりますから——現在進行中の行政協定等におきましては、やはり日本の主権のもとに、日本法律によつてすべてのことをはからつて行く、こういうことで進行中のようでありますので、講和條発効後においては、そうした心配は毛頭いらないと思うのであります。
  61. 岡村利右衞門

    岡村委員長 尾崎委員長中間報告に対する質疑は終りました。尾崎委員長報告を了承することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 岡村利右衞門

    岡村委員長 異議なしと認めまして、さよう決定いたします。     —————————————
  63. 岡村利右衞門

    岡村委員長 次に運輸省の機構に関し、稻田君より発言を求められておりますので、これを許します。稻田君。
  64. 稻田直道

    稻田委員 目下政府においては大規模な行政機構の改革を行わんとしておるのであります。わが国行政機構は、戦争中から戦後に及びまことに複雑多岐でありまして、これが不合理であり、不適当であるということは、われわれも日夜考えておる次第であります。この不合理、不適当なる行政機構を改革いたしまして、行政を簡素化し、能率の向上をはかり、かたがたもつて国民の負担を軽減するの挙に出でるということには、何ら反対はありません。双手を上げて賛成するところでありまするけれども、その行政機構の改革を一歩誤りまして、事実に反し、合理に反し、りくつに反し、のりを越え、合すべきものを合せず、合すべからざるものを合せましたような、いわゆる機構を改革せんがために無理な改革を行うというようなことがありましたならば、表面においては、行政が簡素化されたようでありましても、事実の運用上におきましては、非常に能率を害するというようなことが、必ず私は起りはしないかと思うのであります。すなわち木に竹を継いだような行政機構の改革をやつたりいたしましたならば、必ずや行政運用政府全般にわたりまして乱れて来ることは、火を見るより明らかであります。こういう意味から、今日俎上に上つておりまする運輸省管轄内の行政機構の原案を一瞥いたしまするのに、たとえて見まするならば、海と陸との接合点でありまする港湾局を国土省に持つて行く。港湾をつくるという大工の仕事は国土省にふさわしいというような簡単な考えから、これを国土省に持つて行こうというような、法律をかじつておる木村さんや、金の取扱いをして来たところの野田さんあたりが、簡単に考えてこれを行おうとしておるがごとき機構いじり、あるいはまた今日航空事業が非常に長足の進歩を来しまして、そうして講和発効後においては、飛行機の製造事業等が非常に盛大にならんとしておるのに、先ほども申しましたごとく、通商産業省がこれにくちばしを入れんとしておるがごとき、これは今日の機構には載つておりませんけれども、自動車交通の今日の発達に目をおおい、耳をおおいまして、なおかつ道路の行政を国土省が依然として占有せんとするがごとき機構の改革方法は、私は百害あつて一利なきものに陥りはしないかと思うのであります。その他いろいろこの機構改革におきまして、運輸省内の問題におきましても、改悪ではないかと思わるるものがあるのであります。こうした点におきまして、本日は大臣その他運輸省関係のお方々の意向を承りまして、そうしてわが運輸委員会といたしましては、相当なる意思表示を政府に対してなさなければ、悔いを後日に残すのうらみなきにしもあらずと思うのであります。本日大臣は欠席をしておられまするが、政務次官さんでもよろしい。この運輸省の機構改革に対しまして、政府の意のあるところを、さしつかえない範囲において承りまして、それを土台といたしまして、運輸委員会において相当なる意見をまとめまして、そうして最近の機会において木村法務総裁、野田建設大臣をここに招致いたしまして、わが運輸委員会の意のあるところを、厳正にただすべきはただしまして、そうして意思表示をしなければならぬと思うのであります。ここに運輸専門員より参考のためにつくられました案が配付されておりまするので、これを基礎として研究いたしまして、それに対して大臣その他政府当局の御意向を承るようにしてもらいたいと思います。委員長において、適当なる審議の方法によつて、議事を進行せられんことを希望いたします。
  65. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 ただいま稻田委員より行政機構の改革に対しますお話がございましたが、運輸省といたしまして、今日まで知る範囲におきましては、内閣におきまして、ただいまお話のごとく野田建設大臣、木村法務総裁、あるいはその他の人による行政機構の改革に対する案なるものが、検討されつつあるということを承つておるのでありますが、今日まで運輸省に対しまして正式なる、こういう機構にするということの通達は受けていないのであります。ただ新聞その他の面に対します点を見ますと、お話のように港湾局を国土省に移すとか、あるいはその他現在運輸省所管しております各局のいろいろな配分が伝えられておりますが、われわれといたしましては、港湾局などを国土省に移すということにつきましては、現在了解しにくいのであります。ことにまた行政の改革といたしますと、申し上げるまでもなく行政能率化あるいは簡素化ということが主でなければ、行政改革の根本目的は達せられないと考えております。ただいま稻田委員の申される通り、かえつてそういうことで行政が複雑多岐にわたるようなことでありますならば、われわれといたしましても、これにただちに賛成するというようなことはできないのでありまして、今後この行政改革に対しましては、時間を追うて逐次われわれの前に示されるであろうと思いますので、運輸委員の皆様方と緊密な連絡をとりまして、行政能率化あるいは簡素化のために、よりよき運輸行政の行われるように、皆様方の御協力をいただきたいと考えております。
  66. 關谷勝利

    ○關谷委員 今政務次官の御答弁を聞いておりますと、案が示されてからそれについていろいろ研究をし、賛成すべきかどうかを決定する、こういうふうなまことに御上品と申しますか、消極的な御意見のようでありますが、すでに新聞紙上等にも報ぜられておりますので、大体どのように政府が意図しておるかというようなことが漏れておるのでありますから、それに対しまして、運輸省としてはかくあるべきである、こういうようなことを考えておるのだ、ぜひこういうふうにしてもらいたいというふうな、積極的な方向に進んでいただきたい。案を示されてから後ということになりますと、やはり案を示しますと、面子というようなことも考えまして、非常にこれにこだわるのが官僚の常であります。非常にその点むずかしくなつて参りますので、まず運輸省の方が積極的に、野田、大橋、木村というような行政機構の改革に当つております各大臣に対しまして、積極的に御交渉を願いたいということを、まず希望として申し上げておくのであります。  なお私は今運輸省の機構の改革で問題になります点を、結論から先に申し上げたいと思います。将来運輸省がいろいろ各大臣と交渉せられます上におきまして、こういうふうにしてもらいたいという希望も申し上げますし、なおまたこれに対します政務次官あるいは担当の方々の所見も承りたいと考えるのでありますが、一番大きく取上げられておりますのは、保安庁の問題であります。結論から先に申し上げますと、保安庁を予備隊と一本にして治安省をつくるということは、これは保安庁のほんとうの仕事と申しますか、任務を知らない者が言うのではなかろうか、このように考えておるのでありまして、この点まず運輸省に置くのが最もよい、このように考えております。第二には船員局でありまするが、これは海運局と統合すべからざるものである、こういうふうに考えております。さらに港湾局は絶対に建設省あるいは国土省へ移管すべきものではない、こういうふうに考えております。さらに航空局、これは航空庁を局にするというのでありまするが、たとい局になりましても、この航空局が先ほど問題になりました航空機生産事業というものは当然所管をすべきものである、このように考えておるのであります。さらにまた運輸省へ吸収すべきものといたしましては、現在建設省にありますところの道路局、これは吸収すべきもの、これは先ほど稻田委員から申し上げた通り、私も同感であります。さらにまた船員あるいは船舶に対しますところの保険行政というものが、今まで非常に複雑になつておりますので、所管運輸大臣にすべきものである、こういうふうにも考えておるのであります。巷間伝えられておりますところのこの機構改革に対して、私たちがこれを吸収すべからざるものである、こういうふうに考えておりますのは、まず第一番に郵政省であります。なおまた電気通信監理局というようなもの、これは新聞に出ておりますので、このようなことをほんとうに考えておるのかどうかというようなことはわかりませんけれども、この郵政、電通というふうなものは、これは吸収すべからざるものである、こういうふうに考えておるのであります。これは結論から先に申し上げたのでありますが、これに対しまして政務次官がどのような考えを持つておられるか、さらにこれに関係しておられるところの理事者がどのように考えておられるか、まずこれを承つて、それから後に一つ一つの所見を私申し上げたいと存じます。
  67. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 お答えいたします。關谷委員の申されます通り、この行政機構の改革につきまして、ただ案が示されてから運輸省考えるというようなことは消極的じやないか、まことにその通りでありまして、運輸省といたしましては、決してただ傍観しているわけではないのであります。内内におきましては、お互いが各立場からいろいろな考え方をわれわれのもとにも提出されております。しかしお話のあつたごとく、たとえば海上保安庁の問題にいたしましても、はたして治安省ができて、その中に加える意向があるのかどうか、あるいは海上保安庁をある程度わけるのかどうかというような点につきましても、いまだにその行政機構の衝に当つておる人の中で、最後的な決定を見ていないように承つております。そうした点につきましては、お話のように十分に運輸省運輸省としてかくなければならないというようなことにつきましては、御趣旨のように積極的にひとつ研究を進め、万全を期して行きたいと考えております。また後段にありました問題、あるいは個々にわたりまして、道路局を運輸省に持つて行くべきじやないか、港湾局はやるべきではないというような御趣旨、一々ごもつともでございます。また後段にわたりました郵政省等の合併につきましても、御意見のように、われわれといたしましてはこれをただちに合併すべきであるということに対して、双手を上げて賛成だなどというようなことは考えておりません。むしろお話のように、こうしたものを一本にまとめますことによつて、はたして運輸行政の簡素化がなされるかどうかということを考えますれば、非常な疑問があるのであります。むしろ疑問というよりも、それに対するところの、いろいろな問題の複雑さが出て参りまして、たとえば労働問題を取上げましても、現在すでに運輸省におきましては、国有鉄道その他を合せまして六十万近い従業員がおるのであります。郵政省等を加えますと、百万以上になる。この大きな組織になつて、はたして労働組合等に対する行政がうまく行くかどうかということを考えますれば、多分の懸念があるのでありまして、こうした点につきましても、關谷委員と同感であるということを申し上げておきたいのであります。
  68. 關谷勝利

    ○關谷委員 私、大体佐々木政務次官が同感であると言われたので、多くを申し上げる必要はないと思いますけれども、特に私たちは、これから運輸省行政機構の改革に当つておりまする各大臣と折衝をせられます上に、特に強調していただきたいと思います点は、まず第一番に海上保安庁の問題でありますが、ほんとうの保安庁の仕事というものが理解されていないように思われるのであります。この間海上保安新聞というようなところから座談会に出てくれというようなことで、私そのときにも率直に意見を申し上げておいたのでありますが、この保安庁の仕事というものは、あくまでも陸上の予備隊と同じものである、こういうふうに間違われておるのでありまするが、決してそうではないのでありまして、あくまでもこの海上保安庁の性格といいますものは、現在の一般警察——予備隊にあらざるところの国家地方警察、自治体警察、この両方がやつておりますところの一般警察と同じ任務を持つておるのであつて、決して予備隊的な性格を持つておるものではないのだ、だからこれは統合すべきものではないということをよく強調をしていただきませんときには、あるいは将来漁船の保護等の上で問題が起る。いろいろな装備等は、私たちは拡充しなければならないと考えております。よその党で反対する党もありますけれども、現在保安庁の仕事をやります上に、これは再軍備でも何でもない、保安庁の任務を遂行するために装備を充実し、整備しなければならぬ、こういうふうに考えておるのでありますが、その装備をいたしまして、その結果漁船の拿捕等を防ごうとして出ました場合にでも、ソ連あたりは日本講和條約等を締結しておりませんので、予備隊的な性格のものであるというふうに、国内治安というような、そういうような動乱的なものに対しましてもこれが出動するというふうな性格のものと間違われますと、これは武装解除をすることになつておりますので、ソ連あたりから、警察でないということになりますと、武装解除というようなことが起つて参りますので、この点はどういたしましても、あくまでも一般警察と同じ性格のものである、こういう点を強調すべきものであると考えております。従つて、そういたしますと所管はおのずから運輸省である、こういうことになつて来るわけであります。いろいろアメリカのフーヴアー・ミツシヨンといいますか、それあたりにおいて意見を述べておりますのも、運輸省所管するのが最も適当であるというふうに言われておるのでありまして、巷間伝えられておるように、大橋国務相あたりは、予備隊と併立すべきもの、対等のものであるというように考えておるのではなかろうかというように、私たち新聞を見ておりますととられますので、こういうふうな誤解のないように、極力説得をしていただきたい、かように私たちも考えるのでありまして、これにつきましてはあとで政務次官から、この点に対しましての御所見を承つておきたいのであります。  なおまた船員局と海運局を一つにする、こういうことは対外的にも対内的にも非常に悪いと考えておるのでありまして、国内的に考えましても、これは船員の連中がいろいろ言うておりますのは、今までこれが普通の労働者と同じように扱われておつたのが、努力したあげく船員局というものができて、運輸省所管になつて非常に満足しておるのが、これがもし船主側と同じ局の中へ統合せられるというようなことになりますと、海員組合の連中も非常にこれに不満を持つて参るのでありまして、そこにも一つの問題があると存じますし、さらにまた対外的に考えますと、日本政府というものはまた使用者側の海運局に船員局を吸収した、また再び安い賃金で雇い入れて、そうして運賃ダンピングをやるようなことになつて来るのではなかろうかというようなことで、非常に対外的にも刺激するのでありまして、こういうふうな点はよく考えなければならないのであります。おそらくこれは行政機構の改革に携わつておられる三人の方には、おわかりになることがないと思うのであります。こういうふうなことはよく説いていただきたいと思いますが、これらに対してどの程度に努力が払われておるかということを、これもあとで一括して承つておきたいと思います。なお私の意向が間違つておるかということについても、御所見を承つておきたいと思います。  なお港湾局はすでに論議がせられておりますが、これを国土省へ持つて行く、あるいは建設省へ持つて行くというようなことは、もつてのほかでありまして、そういうふうにつくり上げたものを利用する者がこれがつくらなかつたら、とうていその利用に適するようなものはできない。かつて内務省のありましたときにつくりました港湾局というものが、運輸省所管になりましてから、これは悪いというふうなことで、これをやりかえてむだな経費を出したことがたびたびあるのでありまして、一番私が身近に感じておりますのは、私の松山市において、そのようなことが具体的にあつたのであります。そういうふうなことに陥らないとも限りませんので、この点もよく、野田建設大臣あたりも大蔵系でありまして、あの人がそういう方面に理解があるとも私たちは思えないのでありまして、こういう点認識を深めるような御努力を願いたいと存ずるのであります。  航空庁のことは先ほどありましたので、これはやめておきますし、道路局の関係もありましたから、これは長くなりますので、省略をいたしますけれども、こういうふうなこと、さらにまた郵政省あるいは電気通信監理局というものができて、これが運輸通信省の中に入つて来る、こういうようなことに伝えられておりますけれども、そのようなことになつた場合には、運輸大臣と併立してもう一人大臣を置いて、両大臣を一緒に置いておかなければならぬというふうなかつこうにもなつて来るのではないかと思いまして、全国の労働問題を一手に引受けなければならぬというようなことで、大臣運輸行政あるいは通信行政というようなことに対して、努力する間も何もないということになつて来るのではないかということを非常に憂えております。こういうふうな点を私が強調いたしますと、必らずこの行政改革の衝に当つております人々も納得をして、あのような案を出さぬのではないか、こういうふうに考えられるのでありますが、新聞紙上等ではそれがしきりに報道をせられて、おるのでございまして、あるいはこれが具体的に実現化しようとしておるのではなかろうかということを懸念をしておるのであります。こういうふうな点につきまして、どの程度の努力が払われておるか、これについてはどのような考えを持つておるかということを、はつきりこの際事務次官もおられますし、新官房長はこの間かわられたばかりでありますので、もし何でしたら旧官房長——鉄道監督局長がおられますので、そのあたりから御意見なり経過なりを承ることができますならば、仕合せと存じます。
  69. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 お話の中にありましたように、海上保安庁の問題につきましては、運輸省といたしましても重大なる関心を持つております。御趣旨のように海上保安庁のあり方というものは、どこまでも海上警察の立場でなければならないという点においては、かわりないのであります。しかしながら海上保安庁の現在の装備状況から申しまして、御承知のごとく船の速力にいたしましても、その他の問題につきましても、ポツダム政令によつてある程度制限が加えられておるのでありまして、こうしたことでは十分な海上警察としての任務を達成するには、非常に不備な点があるのであります。そこで速力の問題、あるいは装備の問題につきましては、今後ともにそれに適するだけの改良設備等をいたさなければならないと考えております。ただ新聞紙上で伝えられておりますような、保安省なりあるいは治安省というふうな、予備隊的な組織の中にこれを入れられるということにつきましては、われわれといたしましてもこれに同意するわけには参りません。どういたしましてもやはり海上保安庁は、人命尊重ということが、海上保安庁の使命であろうと考えまするので、その線に向つていかなる交渉を続けておるかというお話でありましたが、先般私は大橋国務大臣に面会いたして、もしこういうことになつたとすれば、運輸省といたしましてはこういう考えを持つておる、海上保安庁というものはどこまでも海上警察であり、人命尊重の任務達成のあり方でなければならないということは、強く伝えておきました。しかしながら大橋国務大臣といたしましても、今日最後的な決定を見ておりません。     〔委員長退席、黒崎委員長代理着席〕 今後ともわれわれといたしましては、十分御意見のような趣旨に向つて努力をいたしたいと考えております。その他いろいろお話がありましたが、こうした各担当の部門につきましては、今後とも御趣旨のような線に沿うて努力を続けたいと考えております。
  70. 關谷勝利

    ○關谷委員 私どもが申し上げたことにつきまして、全部政務次官も同感であるというふうなお話で、それ以上また個々の方々にお尋ねを申し上げる必要もないので、その線に沿つて進んでいただきたいと存じます。行政機構の改革ということになりますと、いつも俎上に上りますのが運輸省でありまして、とかく運輸省が弱いと申しますか、そうではないとは私たちも考えておるのでありますが、どうも表面から見ますと、運輸省というところはものを動かしさえすればいいというようなことで、きわめて何と申しますか、入口までというようなことにつきましては、だれでもわかるようなところでありまするが、そうしてそういうような人々が奥深くこれを研究しておるかと申しますと、決してさようではないのでありまして、奥深くこれを研究しておるというような人は、ほとんどないと言つてもさしつかえないというようなことで、現在の機構改革を担当いたしております大臣等においても、非常に誤解が多い、この誤解を解くことの努力があるいは欠けておるのではなかろうかと、こういうように申し上げますと——まことに努力が足らぬと言うのではありませんが、極力やつていただいておるのでありましようが、主張をするというより、まず私はこれらの人々の誤解を解くようなところへ重点を置いていただきたい。ほんとうに運輸省というものがどのようなものであるか。現在運輸行政でやつておるのは、こういうふうなところへ重点を置いて、このようにやつておる、そのためにこれの所管というものは運輸省であらねばならない。そうしで対外的、対内的にということをよく深く掘り下げて考えた場合にはこうならないということを、誤解を解きましたならば、まずこの行政機構改革につきまして、運輸省というものがうんと浮び上つて来ると考えておりますので、まず誤解を解くという点につきまして、極力御努力願いたい。もしもこの誤解に基いていろいろ機構を改革せられるというふうなことになつて参りますと、その際におきます混乱というものは、非常に大きなものが出て参るのでありまして、直接国民大衆と非常な関係があります運輸省所管の業務が、混乱に陥ることがありましてはたいへんでありますので、この際それぞれ手わけをいたしましてでも、どういたしましてでも、私はこの誤解を解くという点に重点を置いていただきたい。そういうふうにいたしますならば、必ずそこには結論が出て来る。そこでわかつたならば、結果において必ず好結果が出て来るのではないかと考えておるのであります。もしもそういうふうな経過がこの席上でいろいろ言われないということになりますると、あるいはそういうふうな点が皆様の立場上お苦しいというふうなことがあるのかもしれませんが、そのような場合には、私たちといたしましては、この運輸委員会といたしましては、深く運輸省行政に対しましては、理解を持つておるのでありまして、でき得る限りの御協力を申し上げたい、どのようなことでもいたしたい、このように考えておりますので、委員が寄りますると、絶えずそのような話が出て参つておるのでありまするから、私はこの誤解を解く点に重点を置いていただきたい。なおまた皆様方が動きにくいような場合には、積極的に運輸委員会に御相談願いたい、こういうふうなことを申し上げて、私の質問を打切ります。
  71. 坪内八郎

    ○坪内委員 議事進行について……。行政改革の問題につきまして、運輸省所管の関係につきまして、各委員よりいろいろと真剣な御意見が出ておりまするが、ちよつと議事進行について私は発言いたしたいと思います。  大体本日の行政機構改革の問題につきましては、昨日の航空委員会のときに問題になりまして、現在運輸省関係行政機構改革案というものが、木村、大橋、関係大臣のもとに案があるらしいから、その案に基いて、われわれはいろいろ関心が深いのでありまするから、この際ある程度態度をはつきりしておきたい。それがためにはまず運輸省所管大臣なり、あるいは関係事務官、あるいは政務次官も来ていただいて、はつきり運輸省考え方をまず聞いておく必要があるのじやないかということで、今日おいでを願つたのであります。しかるに先ほど稻田委員より話がありましたが、この案というものは、専門員室から出た行政改革の案に基いて、運輸省が、佐々木政務次官以下の方が、御説明しておられるように、私の感違いかどうかわかりませんが、承るのであります。従つてただいままでの佐々木政務次官以下のいろいろなお話は、この専門員室から出ておる調査資料に基く案であるのか。さらにまた運輸省独自の考えのもとに立つての案であるかということを、まず私ははつきりしなくちやいけないと思う。聞くところによると、何か内閣官房長官のさしずによつて、そういつた改革案につきましては、局長以下は委員会において答弁まかりならぬというようなことが出ておるというようなことを承つておるのですが、そういうことが事実であるかどうか。この二つの点について、まず私は佐々木政務次官の御意見を承つておきたい。
  72. 關谷勝利

    ○關谷委員 ただいま坪内委員から専門員の案というふうなお話がありましたが、私たちが今言うておりましたのは、専門員の案というのではなくして、読売新聞記載の案を中心にやつたのでありますから、その点は誤解を解いておきたいと思います。なおまた、これも坪内委員から今お話のありました局長以下答弁してはならぬというふうなことを言われたということは、おそらく私はそういうふうなことはないと思うのでありまして、いろいろ機構改革について策動するようなことはしてはならぬということであろうと思いますので、私は発言をしてはならぬ、答弁をしてはならぬということではないと思いますから、その点ひとつ関連しておりますのでお尋ねしておきます。
  73. 坪内八郎

    ○坪内委員 ただいま關谷委員からそういつた話がありましたが、大体さつき稻田委員のお話では、この専門員室の案が新聞記事に出ておるから、これによつて適当に委員長に議事の進行をはかつてつてもらいたいという発言があつたのですが、その点ちよつと食い違つておるようですが、私がお尋ねしておるのは、この案に基いて佐々木政務次官以下が答弁しておるのか、あるいは運輸省独自の案があつて答弁しておるのか、そういう点についてお尋ねしておるのであります。誤解じやないということを申し上げます。委員間でちよつとひそかに話があつたのですが、それではこれは読売新聞に掲載した事項の点についての御答弁ですか、それとも運輸省独自の立場に立つての改革案に対する意見であるのか、その点をはつきりしておきたい。
  74. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止
  75. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 速記を始めてください。
  76. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 先ほどお答え申し上げた通り行政改革につきましては、野田、木村、その他の行政改革の衝に当つておる方々が、いろいろ検討されておるということは聞いておりまするし、またそれに対しまして運輸省といたしましても、内外におきまして、相当考えは持つておるのでありますが、最後的な行政改革の担当でありまする方々から、正式な通知を受けておりませんので、運輸省といたしましての最後的の案をお示しするというところまでは、まだ到達していないわけであります。そこで先ほどから各委員の方々から、たとえば海上保安庁の問題あるいは港湾局の問題等に対しまして、いろいろただされましたので、われわれの現在の考えておることを率直に申し上げた、この程度でございます。
  77. 關谷勝利

    ○關谷委員 最後の案はこれはできていない、もちろんこういうふうな行政機構の改革というふうなことは、これはいろいろ折衝をし、政治折衝等があるわけでありまして、第一次の案というふうなものを運輸省が持つておりましても、これが第二次案、第三次案というふうに、あるいはかわつて来るというようなこともまた予想せられるのでありまして、最後の案ができていないというようなことがありましても、運輸省が現在どのような機構改革を希望するかということは、私はなければならぬと思う。その案を私たちは一応きようでなくてけつこうでありますが、資料を委員会に対して配付を願いたい、これを要求いたしておきます。
  78. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 先ほど来各委員の御質問に対して、政務次官からの御答弁を承つたのでありますが、結論的に申しますと、最後的な案もまだできていないようでありますが、しかし質疑応答の内容等から見まして、私は次の点を誘導質問のようになると言われるかもしれませんが、一応お伺いしておきたいと思います。  それは行政機構という問題は、現政府の早くからの一貫した方針であり、私ども所属しております自由党としても、これは基本的な考えである。当然というよりも、これは必然的にやらなければならぬ機構改革でありまするが、この機構改革に対して、運輸省といたしまして現行の機構制度そのままを存続し、変更、改革等はやる意思がないという考えを持つておるかどうか。あるいは改革案を示された場合は、ある程度譲歩すべきものがあるのであろうかどうか、この点をまず先にお伺いして、次の質問に移りたいと思います。
  79. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 ただいまの御質問に対しまして、運輸省としてどうだという最後的なお答えにはならないのではないかと思いますが、今まで申し上げましたいろいろな段階がありまして、現に最後的な方針を示されておりませんので、結論を申し上げかねるのであります。ただ先ほどから各委員の御発言になりましたような、たとえば運輸省といたしましては自動車行政等から考えまして、道路局などというものを運輸省に統合するというようなことは、最も理想的な考え方だと思いまするので、こういう点につきましてはわれわれといたしましては、非常な賛意を表するのであります。そうした点におきまして、現在の運輸省の機構そのものを一歩も動かしてはいかぬというふうな考えは持つておりません。よりよく改革される点につきましては、それに対しましては賛意を表します。
  80. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 そこでお伺いいたしたいことは、先ほど關谷委員の御質問に対して、政務次官も關谷委員の御質問の内容の線に沿うたようなお答えがあつたのであります。ところで目下大橋国務相が衆議院、参議院の予算委員会その他の委員会答弁されておるところの内容をしさいに検討してみますると、海上保安庁の機構は、先ほどの政務次官のお話にもありましたが、一応保安隊ができた場合に、海上保安庁の一部がその機構の中に包含されるというようなことを言明しておるのであります。そこで政務次官も、海上保安隊はあくまでも海上警察の立場において運営をして行くことを理想としておられるのでありますが、しかしこれも目下の情勢では好むと好まざるとにかかわらず、どうやら海上保安隊といいますか、予備隊と海上保安庁とを合せた治安の機構、あるいは保安の機構の中に一部を含められるように私は見通しをつけておるのであります。そこで最近すでに海上保安庁の中に海上予備隊というようなものができたというようなことも承つておるのでありますが、好むと好まざるとにかかわらずそこへ行くというようなことに対して、政務次官はどういうふうにお考えになつておりますか。そういうような情報をキヤツチしておりませんかどうか、また前段に申し上げましたように、海上予備隊というものがすでに発足しでおるとさえ私ども耳にしておるのでありますが、この点に関して御所見をお伺いしたいのであります。
  81. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 海上保安庁の中に警察予備隊的な組織があるかどうかということにつきましては、現在ないのであります。ただ先ほどから申し上げます通り、現在の海上保安庁の状態においては、海上警察の任務を達成することが十分でありませんので、いろいろ装備の問題あるいはその他の問題について、海上保安庁の強化をはからなくちやならぬということに進んでいるのであります。そういうような状態におきまして、現在の海上保安庁ですらも海上警察の十分な任務の達成のできない今日、その中からある部分のものをさいて、保安省とか治安省とかの方に持つて行くというようなことになりますれば、今日の海上保安庁の活動というものが一層弱体化するという結果になりますので、その点につきましてただちに持つて行かれることが、もう既定の事実のごとく伝えられておると申されておりますが、われわれの知る範囲においては、まだそうしたことが確定していないということであります。従つて今日それにわけられるかどうなるかということにつきましては、お答えをするのにちよつと時間を要するかと思います。
  82. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 これは私は關谷委員とはちよつと見解を異にいたしておりますが、海上保安の面から考えまして、漁船の取締り等に対してのことは、あくまでも従来の警察的な行為でよろしいが、しかし国内的の大きないわゆる治安維持という面から考えてみますと、単なる警察というようなことでは真の治安が保たれないのではないか。たとえば陸の面において暴動が起つたという場合には陸の予備隊が活動し、また海の上において治安を乱すような暴力行為が起つた場合においては、海上保安隊というようなものが出て治安の維持に当るというような、もつと高度な組織のもとにこれを切りかえて行かなければならぬのではないか。そういう点から今の保安省とかいうものに統合されるというような機運が醸成されて来たのではないか、私はかように考えるのであります。海上予備隊という問題については、ただいまの御答弁によりますと、まだそこまで現実には参つておらないというお話でございましたが、実は私ラジオ放送も承りましたし、それから海上保安関係の人からもちよつと耳にしたこともあります。さらに今日予備隊は予備隊としてそうした治安上の拡充計画を進めておるのに並行して、海上保安庁においても組織がえをすべく、指揮系統をかつての軍隊組織のように一元的にすべきであるとか、二元的にやつていいとか悪いとかいうような論議さえ重ねられて、すでにそうした計画が事務的には進んでおるということを私承つておるのであります。運輸省の外局であり、大臣の直接監督のもとにある保安庁がそこまで進んでおるにもかかわらず、大臣、政務次官にこれらの実情の連絡がないということは、まことに私は不可解千万に思うのであります。この経過をもしお話できるものならばお話をいただきたい。お話ができないというなら、しいて御答弁を願うわけじやないが、私の聞いておるのは実はそれぞれの機関において耳にいたしたことであるので、事実じやないか、かように解してお聞きするのであります。
  83. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 海上保安庁の強化をはからなくてはならぬということについては、ただいま国会において御審議をいただいておりまする予算の中にも現われているのであります。予算に現われているような海上保安庁の整備拡充強化は、われわれといたしましても十分知つておりまするし、またその方向に進めておるのであります。しかしながらただいまお話のような一つの防衛隊的な行き方に対してどうかということになりますれば、現在われわれといたしましてはその点に対しては関知していないのであります。
  84. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 行政機構改革につきましては、いずれ委員会独自の立場で皆さんと御相談して、われわれが関与する立場から運輸省に協力を申し上げたいと実は考えておりますので、これ以上御質問いたしませんが、ただ行政機構改革に伴つて、一つお伺いしておきたいことは、必然的に行政整理というようなことも生れて来るのではないかと思いますが、政府としては行政機構改革に伴う行政整理ということも考えあわせて、何らかの手段に出るというようなお考えがありますかどうか。  次に委員長にお願いしたいことは、次回の運輸委員会に大橋国務大臣海上保安庁長官の御出席を求めるように御手配をお願いいたしたい。
  85. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 お答えいたします。行政機構の改革はございますが、それに伴う人員整理のことかとお聞きしたのでありますが、人員整理につきましては、前国会において通過いたしましたあの定員による人員整理は、現在行いつつあるのであります。それ以上今度の行政改革によつて運輸省なら運輸省としてそれに加える人員整理の考えがあるかどうかということでありますと、現在のところまだ持つておりません。
  86. 江崎一治

    江崎(一)委員 この運輸省関係行政改革案なるものは、先ほどの御意見をいろいろ聞いておりますと、これは運輸委員会の専門委員室の案であるともいわれ、またこれは運輸委員の一部の意見であるともいわれ、また読売新聞の意見であるともいわれ、あるいはまた政府意見であるともいわれ、提案責任者が非常に不明確だと思います。こういう不明確な形で委員会に持つて来るということは、まことに許すべからざることだと思いますが、その点はどうなんでしようか。その趣旨をはつきりしておいてもらいたい。
  87. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止
  88. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 速記を始めて。
  89. 坪内八郎

    ○坪内委員 この際政務次官にお尋ねいたしますが、そういうことで当委員会は今日開かれたのです。従つて運輸省当局の考え方を聞きたいというのが当委員会目的だつた。しかるに最初からこの行政改革案に関する意見というものが、読売新聞の掲載を中心としての資料が専門委員室から出たので、これに基いての質疑応答であつて、私は今日の委員会審議中心にはずれておると思う。従つて先ほどからの佐々木政務次官のいろいろな御答弁というものも、これに対しての御答弁であるので、その点はわかるのでありますけれども、われわれが昨日申し合せたことは、今委員長のお話になつた通り、大体運輸省当局の原案を聞こうというのが目的であつた。そこで二つの点を佐々木政務次官にお尋ねしたいのでありますが、この専門委員室から出ている資料のような意見に対して、現在の運輸省考え方は同感なのか、あるいはこれより以上に飛躍した考え方を持つておるのかということが第一点、それから第二点は、運輸省の原案というものはいつごろ大体まとまるのかということを、この際お尋ねしておきたい。     〔黒澤委員長代理退席、岡村委員長着席〕
  90. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 先ほどからいろいろ委員の方々の御質問があつたのでありますが、われわれといたしましては、最後的な案というものをまだ持つておりませんし、委員各位の御意見に沿うて、それに対してお答え申し上げていたのであります。ただ今二つの御質問を得たのでありますが、新聞記事に出ているあの行政改革に対して、運輸省がどう考えるかということでありますか。
  91. 坪内八郎

    ○坪内委員 われわれの手元に配付された案というものが、いろいろ事情があつてちよつとミスがあるらしいのですけれども、この読売新聞掲載の案に対しての意見はどうかということと、それから運輸省当局のそういつた行政機構改革に関する原案というものがいつごろできるかという二つをお尋ねしたい。
  92. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)政府委員 衆議院の運輸委員会専門員室から出してわれわれの手元に来ておりますこの案は、われわれとしてはなかなか理想的な案だと考えております。それから運輸省といたしましては、今後いつごろ最後的な結論を得、原案ができるかということにつきましては、現任もうしばらくお待ちを願わなければお答えできないのであります。
  93. 坪内八郎

    ○坪内委員 それでは委員長にお尋ねいたしたいと思います。委員長は昨日ちようど委員会におられなかつたので、その間の事情が十分連絡がとれていなかつたのではないかと思います。しかし大体のことは連絡があつたと思うのですが、今日は大体運輸省当局のそういつた基本的な考え方を聞こうというので開会された。しかるにこういつた新聞記事みたいな資料を出して、何らつかみどころのないような議論を非常に貴重な時間を費してやつているわけですが、その辺の連絡が非常に不十分だと私は思つているのです。昨日われわれが申し合せた委員会におきましては、運輸省当局の案を聞こうというのが目的であつて、その辺の連絡が非常に不十分だと思いますが、その点はつきりしていただきたい。
  94. 岡村利右衞門

    岡村委員長 その点につきまして、実は私は昨日休みましたので、その辺は詳細に知らないのであります。本日は稻田委員から機構改革に対する発議がありましたので、それを入れたということでございます。それにつきましていろいろ意見が出たと私どもは思つております。
  95. 坪内八郎

    ○坪内委員 そうするとその資料は一体だれが出したのですか。
  96. 岡村利右衞門

    岡村委員長 これは専門員室から出ているのであります。
  97. 坪内八郎

    ○坪内委員 専門員室の人は、専門員室から出ていないと言う。
  98. 稻田直道

    稻田委員 最初にお話申し上げましたように、本日ことに大臣その他政府の当局のお方にお集まり願いまして御意見を聞きたい。なおその意見を聞くのに、この運輸専門員がつくつておられます資料を基礎にして、それによつて政府の御意向を聞きたい、こういう注文をいたしたのでありまするが、關谷委員より、この案に盛られてあるような條項をここに申し述べられまして、大体それに対する意向も政務次官等を通じて出たようでありまするしいたしますので、今坪内さんから本日のこの委員会質疑応答がピントをはずれておるじやないか、議事の進行だというのでお話もあつたのでありまするが、ごもつともなことだと思います。最初から私の出しました案をはずれまして、いろいろ申されておるのですが、大体大同小異な、この案に沿うた質疑応答でありますので、私もやむを得ぬと思つておるようなわけであります。坪内委員も不満足でありましようけれども、私といたしましては、大体關谷君がこの案に盛つてあるようなことをお尋ねになつて政府の御意向もわかつたという意味合いにおいて、本日は御散会を願いまして、あとで委員長並びに理事の方々がお集まりになりまして、二十五日なら二十五日に木村法務総裁並びに野田建設大臣など、政府の原案を考えておられる方々においでを願いまして、意見をただされまして、そして運輸委員会といたしましては、それによつて委員会の意向を決議とまで行かないでもよろしゆうございますが、政府に注文すべきは注文し、ただすべきはただし、また自由党の総務会なり政務調査会なりにただすべきはただしまして、そしてこの行政機構の改革にあたりまして、運輸省所管といたしましての改革を万遺憾なきを期せられたらどうかと思います。一言申し述べて、委員長参考に供します。
  99. 岡村利右衞門

    岡村委員長 本日はこの程度で散会したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 岡村利右衞門

    岡村委員長 御異議なしと認めます。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時五分散会