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1951-10-26 第12回国会 参議院 労働委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月二十六日(金曜日)    午前十時四十三分開会   —————————————  委員氏名    委員長     中村 正雄君    理事      一松 政二君    理事      原  虎一君    理事      波多野林一君            大屋 晋三君            宮田 重文君            赤松 常子君            重盛 壽治君            椿  繁夫君            高橋龍太郎君            早川 愼一君            岩男 仁藏君            堀木 鎌三君            堀  眞琴君   —————————————   委員の異動 十月二十五日委員岩男仁藏君辞任につ き、その補欠として林屋亀次郎君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中村 正雄君    理事            原  虎一君            波多野林一君    委員            宮田 重文君            赤松 常子君            重盛 壽治君            椿  繁夫君            堀木 鎌三君            堀  眞琴君   政府委員    労働政務次官  山村新治郎君   事務局側    常任委員会専門    員       磯部  巖君    常任委員会専門    員       高戸義太郎君   説明員    労働大臣官房国    際労働課長   橘 善四郎君    労働省労働基準    局長      亀井  光君    労働省職業安定    局長      齋藤 邦吉君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○連合委員会開会の件 ○公共企業体労働関係法第十六条第二  項の規定に基き、国会の議決を求め  るの件の付託に関する件 ○労働行政実情に関する調査の件  (電力不足による労働問題の実情調  査に関する件)  (行政整理による失業者救済対策  に関する件)   —————————————
  2. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 只今から労働委員会開会します。  本日の議題に入ります前に、お諮りしたい件がございます。その一つは、国際労働機関憲章受諾について承認を求めるの件という法案が提案されております。これは外務委員会に付託されておりますが、労働委員会にも関係がありますので、実は二十七日に外務委員会におきまして、この法案をどういうふうに取扱うかということにつきましての委員会を開くようなつておりますので、合同審査を申込むかどうか、一応本委員会において決定しなければならないと考えております。どうしたらいいでしようか。
  3. 原虎一

    原虎一君 大体現在の情勢政府当局から簡単に説明願つて、その上で連合審査を必要とするものかどうかおきめ願つたらどういうものでしようか。
  4. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 今原委員からお話がありましたが、一応現在の情勢を聞いて、連合審査を申込むかどうかということを決定したらというお話があるわけでありますが如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 中村正雄

    委員長中村正雄君) では国際労働課長の橘君にお願いいたします。
  6. 橘善四郎

    説明員橘善四郎君) ではお答え申上げます。国際労働機関は、一九一九年国際連盟が創立するときにその専門機関として創立されたものでございます。爾来、一九三八年まで我が国締盟国であり、常任理事国を務めて参つたのでありますけれども、一九三八年の十一月の二日におきまして、国際労働機関との協力終止を通達いたしまして、それからずつと現在まで脱退しておるという状態であるのでございます。国際労働機関の使命、目的国際労働機関憲章の前文にもありまする通り、なお又一九四四年の第二十六回の総会において採択されましたフィラデルフィア宣言にも示されておりますように、世界における恒久の平和は、社会正義を確立しなければならない、社会正義を基礎としなければならない、で社会正義基機とするためには、どうしても労働条件の改善、生活水準の向上ということから出なければならないという目的の下に行われ、運営されておるところの機関でございまして、尤も国際機関といたしましては、三十何年という古い歴史と光輝ある権威を持つたところの機関ということになつております。現在では一九四六年の憲章の改正以来、国際連合専門機関なつておるのでございます。  それから国際労働機関我が国との現在の関係について少しばかり申し上げて置きたいと思います。今年六月ジユネーヴにおきまして第三十四回の総会が開かれたのでございます。我が国からは正式なる代表が派遣されました。そうして加盟申請書を明らかなる見通しの下に提出する機会が与えられまして、そうして加盟申請書は幸いに国際労働機関憲章手続によりまして、我が国加盟申請承認されたのでございます。従つて本国会におきまして承認求むることができまする晩におきましては、我が政府ILO事務局長に対しまして、ILO憲章の義務の正式の受諾を通告いたしましたときに発効するということになつておるのでございます。
  7. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 只今説明がありましたが、如何ですか。
  8. 原虎一

    原虎一君 御説明程度のことは、どなたも御存じであるので、加盟手続がどういう形においてなされるべきものであるか、この点を一つ伺つて見たいと思います。
  9. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 原さんどうですか、そういう関係があるから、連合審査を申込んで向うで一緒にやつたらどうですか。
  10. 原虎一

    原虎一君 御異議がなければ私は結構です。
  11. 中村正雄

    委員長中村正雄君) やはり外務委員会だけじやこういう 関係はわからないと思います。一応労働委員会としては外務委員会に対してこの案件について連合審査を要求するということに決定してよるしうございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 中村正雄

    委員長中村正雄君) それではさように決定いたします。   —————————————
  13. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 次にもう一つお諮り申上げたい点があるわけでございますが、この前の委員会国鉄に関しまする仲裁委員会裁定が出た場合に当委員会に付託願いたいということを決定いたしまして議事部に通告いたして置きましたが、又今般専売に関しまする裁定国会に提案になりましてこれをどこに付託するかということで今議運で審議中でありますが、勿論前の国鉄と同じように当然労働委員会担当委員会であるのでこちらに廻るようになると思いますけれども、前の例もありますので一応当委員会でも決定して成規申出をしたほうがいいのじやないかと思いますので申出をしようと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 中村正雄

    委員長中村正雄君) それではさように決定いたします。打合せいたしたい点は以上でございます。   —————————————
  15. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 次に通告いたしてあります本日の議題について審議に入りたいと思いますが、本日の議題は通告いたしてありますように、一つ電力不足による労働問題の実情調査に関する件、もう一つ行政整理による失業者救済対策に関する件、この二つであります。  一応順序に従いまして電力不足による労働問題の実情調査、これは前回の委員会におきまして電力不足により惹起されております種々の労働問題に関しましてその実情調査対策を研究することを決定いたしましたが、労働省においては本委員会の要求によりまして電力不足とそれに関連をする労働問題の実情調査いたしておりますので、その経過並びに現在労働省がとつております方針につきまして説明を先に求めたいと思います。
  16. 亀井光

    説明員亀井光君) 電力の各地方におきまする状況並びにそれが賃金の面におきまして影響いたしますることにつきましては、各県の情報が大分集まつて参りまして、その中でも最もひどいと思われます兵庫県並びに大阪府の状況が判明をいたしましたので、皆様のお手許に参考資料として差上げている次第であります。  その状況について先ず御説明いたしたいと思います。兵庫県の調査調査工場の大中小規模別調査をいたしておりまして、七月を一〇〇といたしまして、先ず生産につきましては八月、九月、十月と出ておりますが、この中の十月分は十月十五日現在におきまする生産高減少数字を二倍いたしまして推計をいたしております。従いまして九月までの分は正確な数字でございまするが、十月分の数字推計がそこに加わつているということを申上げて御了承を得たいと思います。この表で御覧下さいますように、兵庫県におきましても特に金属工業化学工業、この面におきまして相当影響生産の面において来たしているようでございます。  次の頁は大阪府の状況でございます。大阪府の調べ方は備考に書いてございますように専ら中小企業電力関係の直接影響を受けておろうと思われまする三百二十四の工場につきまして調査をいたしたのでございまして、ここに挙げておりまする数字は七月を一〇〇といたしまして九月の実績をここに掲げているのでございます。大阪調査を、一番下に計と出ておりますが、中小企業関係が主体でございまするので、その影響は平均的に兵庫よりもきついという状況生産の面で現われている次第であります。  これらの生産減少賃金にどういうふうに影響して来ているかというのが第二の調査でございます。兵庫県におきまして御覧下さいますとわかりまするように、この十月の分も先ほどの生産高と同じように、十月十五日現在の実数を二倍いたしまして算出いたしました推計でございます。従いまして九月の分が正確ではないかと考えるわけであります。この数字を見ますると生産高の落ちております割合に、賃金の面におきましてさほどの、それに正比例するほどの影響は受けてない。このことは休電日におきましても、使用者のほうで或る程度生活保障と申しまするか、特別の手当を支給しているのではないかということが窺われるのでございます。  次は大阪でございまして、大阪調査生産高と同じように七月の実績を一〇〇としまして九月の実績を現わしたのでございます。この表で、「ない」「ある」とございます。三百二十四の事業場の中で、電力関係によつて賃金面影響のないものが百十三、影響のあるものが二百九と出ておりまして、その二百九の内訳が以下に出ているのでございます。影響のおる分につきましては中小企業関係もございまするか、影響のあるものにつきましては二〇%近くの減収がここで数字として現われているのでございます。  次に、これらの全体的な傾向に並行しまして、具体的な事業場におきましてどういう賃金状況であるかということを大阪につきまして調べましたのが第三の賃金支払状況についての具体的事例というところでございまして、これも大阪全部の事業場を調べたわけではございませんが、一応電力影響のあろうと思われまする事業場をつかまえまして大中小に分けまして調べているようでございます。それで御覧下さいますように、電休日の場合の手当も出しているところが相当数ございまするし、又一人平均賃金額を比べましても、七月に調べましてさほどの低下を来たしていないようでございます。これは先ほどの全体的な趨勢、特に中小企業だけをつかまえましたものとの関係におきましては、多少そこが違つて参つているということが数字の上で言えると思うのであります。  次にこの電力関係におきまして、解雇その他雇用関係にどういう影響が来ているかということにつきましては、兵庫から調査が参つておりますので、それをここに掲げているのであります。この調査しました事業場につきまして調べました結果は、解雇労働者数としまして、金属工業の面におきましては常傭臨時工におきまして出ておりまするし、化学工業におきまして僅かながら出ております。又更に食品工業におきましてもいろいろと出ております。更に一番下の欄は従来雇つておりました日雇労働者の雇い上げを停止或いは中止するというような場合の一月間におきまする延雇用数を一番下の欄に書いてございます。それからその具体的な事例といたしましての解説を次の(二)のところで書いてございますので、これを御覧下さいますればわかると思います。これらのことと併せまして賃金の遅欠配と申しまするか、そういう状況がどういう状況なつているか、これも兵庫県が詳細な調査をいたしております。その他の県につきましてはまだ調査漏れのところもございますが、一応わかりましたところを追加資料として差上げておる次第でございます。兵庫県におきましては遅払が十日から二十日の間においてなされておりますし、又岐阜、富山、宮城、秋田という県におきましては、九月分一カ月分の賃金の遅配がなされておるというふうな状況でございます。これらの問題に対しまして、然らば労働省として如何なる方策を考えておるかという点でございまするが、我々としましてはできるだけ電力不足に伴いまする稼働率低下労働時間の短縮を防ぐ意味におきまして、公益事業委員会に対しまして、電力の配給を計画的に行いまするよう申入れをいたすと共に、更に地方基準局長に対しましては、公益事業委員会から各地方配電会社に対しまする通牒と並行的に、各地方基準局長が各地方配電会社と直接折衝をいたしまして、その地方実情に即するような計画的な電気の供給の調整を図るようというふうな指示をいたしておる次第でございまして、更に又電力関係につきましての我々の要望としましては、枠をはめられまする電力の量の中におきまして、就業時間内に使いましてもなお余裕があるというふうな場合につきまして、それを電休日、或いは五時から十時までの電気使用制限時間内にこれを流してもらうということにつきまして、かねて折衝をいたしておりましたところ、二十二日公益事業委員会から各地方配電会社に対しまして、これを地方的に処理して差支えないといえ通牒が出されております。従いまして我々も各地方基準局長を通じまして折衝をいたしたいと考えておるのでございます。このことは女子年少者の深夜業の問題と関連するのでございまして、電力割当量から申しますると、十時半以後なおまだ電力を使える状態にありながら深夜業ができないというために、その電気を放出しなければならんというふうな事態がございまして、我々としましては深夜業の問題は慎重に考慮すべき事柄もあり、軽々にこの問題を取扱うべきではないという見地からいたしまして、強く公益事業委員会申入れをいたしておつたのであります。それが今回実現になりまして、十時半以後余りました電力は、次の休電日の一部、或いは五時かち十時の電気使用制限時間内にこれを放出するという了解がつきまして、この問題につきましては我々としては非常に喜んでおる次第もございます。更に又與えられました電力の枠の中におきまして、如何にして労働時間を調整し、その稼働率を高めて行くかということにつきましても、地方基準局長をしてそれぞれ経営者を指導するようにいたしておる次第もございます。なお今後電力事情が更に悪化をいたしまして、只今差上げました調査の以上に賃金低下が現われて参りました場合に、如何なる措置をとるかという問題が起るのでございまして、これにつきましては資力ある使用者につきましてはできるだけ労働者生活の安定、生活保障のために諸手当を出して頂くように我々としてお奨めをして行きたいと考えておりまするし、更にそういう生活保障をしたいという意欲はありながら、資金がないためにできないというふうな経営者につきましては、何らかの方法によりまする融資という問題も考えたいと思いまして、目下その問題を研究をいたしておる次第でございます。   —————————————
  17. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 次に電力事情失業情勢につきまして、安定局長から御説明願います。
  18. 齋藤邦吉

    説明員齋藤邦吉君) 私から、最近の電力事情悪化雇用及び失業に対して与えております影響並びにこれに対処いたしまして労働省対策として考えておりますことを申上げたいと思います。先ず雇用及び失業に及ぼしている影響の問題でありますが、全国的な詳細な状況はまだ全部資料を集めることができておりませんが、今日まで、十月二十三日現在までに電力事情悪化原因といたしまして人員整理をいたしましたものの集まりましただけの数の報告をいたしますと、事業場総数におきまして十六カ所、整理せられました数は六百人を超すという状況だけが、一応報告を受けておりますが、更にこの数は増加するものと考えられております。なおこの場合の整理のやり方でございますが、人員整理は、これらの事業場におきましては大体臨時工日雇労働者が先ず第一人員として整理せられておりまして、常傭労働者につきましては、まださして深刻な整理は行われてない状況に相成つている次第でございます。全国的な統計が逐次集まつておりますので、又全部まとまりました際に改めて御報告を申上げたいと思いますが、特に電力事情悪化の激しい京都大阪兵庫、この地方の三地方につきまして一応まとめましたので、この分を中心に御報告申上げたいと思うのであります。この三地方、三府県常傭労働者並びに日雇労働者雇用失業に及ぼしている状況を申上げて見たいと思うのでありますが、先ず常傭労働者のほうから申上げます。この二府一県におきましては、常傭働者のほうにおきましては、一言で申しますればまだそれほど深刻な状況は見ていないと一言で言えると思います。特に常傭労働者新規求人におきましては、新規求人の面を見ますと、電力事情悪化した八月以降におきましても、七月に比しまして大阪京都はむしろ増加いたしているよう状態でございます。即ち京都の七月の常傭新規求人は三千百九十一人ありましたが、九月におきましては四千五百六十一人に殖えております。更に大阪におきましては八千五百六十六人の常傭新規求人が八千九百三十七人に増加いたしている次第でございます。併しながらこうした総数におきましては増加いたしておりますけれども、京都におきましては、電力事情悪化理由といたしまして、求人申込を取消したものが二件、数にいたしまして八十二名、兵庫におきましては四十七件、募集計画を中止いたしましたものが十件あるのであります。そういうふうな実情にありまして、求人におきましては多少新規求人の途中の取消等もありますけれども、求人申込傾向におきましてはまださしたる影響は見受けられない状況でございます。併しながらその半面、求職件数並びに一般失業保険初回受給資格認定件数は、徐々でありますけれども増加いたしているのでございます。即ち新規求職者件数が殖えましたことは、賃金の不拂等を恐れまして、もつといい仕事があればそちらにかわりたいという希望の申出中心なつておるものと考えておるのであります。即ち、京都におきましては七月九千三百七十二人が九月になりますと一万二百八十九人の求職申込があり、大阪におきましては二万八千が二万九千、約千人ほどの求職申込が殖えておるのであります。更に又、多少でありますが、人員整理が響いて、これは臨時工中心になると思いますが、響いておりまして、初回受給資格認定件数京都におきまして七月千二百六十九件が九月千四百二件、約百四十件ほど増加いたし、大阪におきましては三千五百十三件が四千九百四十二件と増加いたしております。兵庫はむしろ三千三百五十件が二千八百八十九件、これは減少をいたしております。即ち、常傭労働者におきましては求人の面ではまだ差当り深刻に現われておりません。求職関係では新規求職者京都大阪兵庫三県とも多少でありますが増加し、失業保険におきましても兵庫は一部減少しておりますが、京都大阪では増加をいたしておるような次第でございます。以上が常傭労働者雇用失業影響でございますが、日雇の問題になりますと、これは相当深刻な現実的に影響を受けておる状況でございます。先ほども申上げましたよう電力事情悪化理由とした人員整理は、臨時工日雇が大体第一順位になつておりまする関係もありまして、当然日雇にその影響が出ておるのであります。日雇のほうの状況を申上げますと、新規登録者の数はむしろ減少しておる形でありますけれども、民間の求人減少いたしておりまするために、就労日数減少する、こういう形に相成つておるのであります。この状況を申上げますと、日雇労働者就労状況を申上げますと、八月京都におきましては二〇・六日、九月におきまして、それが一五・六日に減少いたしております。大阪におきましては八月平均就労日数二三・六日が九月が一九・三日に減少し、兵庫におきましては二三・八日が九月一八・七日、一八・七というふうに減少をいたしております。八月から九月に比較いたしますと平均就労日数といたしましては、四日まで大阪は違つておるのでありますが、それは、八月は特にお盆関係で、お盆に当つておりましたそうした関係上、八月は特に就労日数をよくしたことも一つの差が目立つ原因かと思いますけれども、いずれにせよ、九月におきましては二十日を割るよう状態なつております。大阪は特に二十日を割りまして、一九・三日になりましたのは、これは全く電力事情悪化によるものであります。ただ兵庫は二三・八日が一八・七になりましたのは電力事情悪化という理由もありますけれども、九月に至りまして港湾荷役が極めて停滞し、減少いたしたことも兵庫日雇就労日数減少した一つの大きな原因であると考えておる次第でございます。なおこれらの二府一県におきまして、十月の上旬の状況を調べて見たのでありますが、十月上旬の状況のままに労働省で何らの手も打たないで推移するとするならば、京都におきましては現在のままならば一五・二日、大阪では一八・七日、兵庫におきましては一六・三、こういう平均就労日数になると推定されておる状況であるのであります。これが一応の状況でございまして、日雇には相当深刻な影響が与えられておると私どもは考えております。なお将来の見通しでありますが、明年春の豊水期まで今のよう状態相当続くといたしまするならば電気亜船、その他の化学工業綿糸業等相当大きな影響を与え、需要は減じ、新規求人の手控え、更に積極的には人員整理ということが相当行われるのではないだろうか、特に日雇労働者並びに臨時工につきましては、豊水期までの間相当離職者が出るのではないだろうかと予想されておるよう状況でございます。これに対しまして、労働省といたしまして目下考えておりますことは、日雇労働者に直接直ちに深刻な影響を与えておる現状に鑑みまして、失業対策事業の枠を拡げることといたす、これが根本であると考えておるのでありまして、先ほど申上げました大阪兵庫の十月上旬の状況で、十月中このまま推移するとすれば、一八・七日、兵庫は一六・三というふうな、二十日を割る就労日数になりますので、国のほうにおきましては、先般両県の労働部長を呼びまして、二十日就労確保ということで、その枠を拡げることといたしたのでありますが、その他の府県におきましても、若し臨時工、或いは日雇労働者が明年春の豊水期までに相当整理せられました場合には、失業対策事業を必要に応じ拡大して、二十日程度前後就労を確保するという線で進んで参りたい、こういうふうに目下考えておる次第でございます。なお臨時工につきましては、勿論失対事業に必要によれば吸収するのでありますが、御承知のように、二カ月以上継続して働きました場合の臨時工は、一般労働者と同じように、六カ月間の失業保険金の支給を受けることができまするので、これらの臨時工につきましては、豊水期まで失業保険制度の運用によりまして、その生活を安定せしめますと同時に、日雇労働者その他につきましては、失対事業をできるだけ拡大いたしまして、これによつて就労日数の改善を図つて行く、こういう方針で善処いたして参りたい、かように考えておる次第でございます。  以上最近の状況と、考えておりますことを申上げた次第でございます。
  19. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 電力不足関係しまする労働省側でお調べになつておることと、並びにその対策につきましてのお話がありましたが、これにつきまして御質問がありましたら……。
  20. 赤松常子

    赤松常子君 この間私の関係いたしております組合の者が申しておりましたのですが、電力不足によつて休業いたしました場合の賃金補償に関して、これは天災であるからというような解釈のできるような意味の御通牒労働省から出ていて、賃金補償が如何ようにも解釈できるような、或いは又経営者側では賃金補償をする必要がないというふうに解釈いたしまして、今まで規定による六〇%の賃金補償を得ております所もそれを打切るような所も出ておるのであります。これに関しまして、一応労働省にお尋ねしたようでございます。それに対しての御回答も頂いておりますのですが、まだ徹底いたしておりませんようでありますので、その辺の事情を詳しくお聞きしたいと思います。
  21. 亀井光

    説明員亀井光君) 今のお話は、法律の第二十六条に規定しておりまする休業手当の問題だと存じますが、法律の第二十六条によりますると「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。」という規定がございます。この電力の問題が、使用者の責に帰すべき事由による休業かどうかという問題が解釈上あるわけでございます。これにつきましては、昭和二十三年の電力危機の場合におきまして労働省としてとりました解釈、即ち電力の供給不足によつて休業せざるを得なくなつた場合は、それは使用者の責に帰すべき事由ではないという解釈が昭和二十二年出されておりまして、現在も引続きその解釈はとられておるのでございます。但し使用者の面におきまして、労働者生活保障という意味におきまして法律上の休業手当という形ではないにいたしましても、電休手当その他の名称で何らかの生活保障して参つておるのが実情でございます。我々の通牒の趣旨を使用者のほうで誤解されて、従来の出されておつたそれらの実質的手当を打切られたというふうなことも一、二耳にいたしましたので、直ちにそれに対しまする誤解を解きまする通牒を出したのでございまして、その通牒の趣旨は、十月十一日に出されました通牒というのはできるだけ電力不足による労働時間の短縮、稼働率低下を防ぐために労働時間のやり繰り、或いは休日の振替え、就業時刻の変更等につきましてできるだけそういう措置を講じて労働時間を従来の通り維持するようにという趣旨であつて、決して休業による生活補償を打切るということを勧める意味じやないのだ、それに藉口して使用者にそういうことがある場合には、無用の摩擦が起るのだからその摩擦を起きないようによく指導して頂きたいという趣旨の通牒でございまして、この趣旨は週刊労働におきましても出されておりまするので、周知徹底は十分行われておる、かように考えておるわけであります。
  22. 赤松常子

    赤松常子君 その今まで払つておりまする六〇%の補償を打切るとか、或いはそれに関連した文字はお使いにならなかつたのでございますか。
  23. 亀井光

    説明員亀井光君) 文字としては使つておりません。ただ法律の解釈といたしまして、電休によつて休業した場合に、休業手当を払わなくてもそれは法律違反ではないのだという表現でございます。文字としては……。
  24. 原虎一

    原虎一君 それに関連があるのですが、こういう解釈をああいう事態のときに労働省が出さなければならないということが僕には理解できない。そこが問題なんです。法律解釈はわかつておつたにもかかわらず、ああいうときに法律解釈を出さなければならないというわけがどこにあつたかということが問題になつて来る。
  25. 亀井光

    説明員亀井光君) この問題につきましてはかねがね電力悪化いたしました当初から地方基準局長或いは使用者側等から質問が私のほうにたくさん参つておりまして、時期的にしましては、これに対する二十二年の解釈をもう一度はつきり再確認すると申しますか、出さなければならない時期であつたわけでございまして、たまたま十月十一日から電力規正が強化されましたその時期と一緒になりましたので、お話ようなことが起つたのではないかと、かように考えます。
  26. 原虎一

    原虎一君 労働省側が法律解釈に対して声明をしなければならないこともありましようが、そういうことをするためにどういう影響を与えるか、それから逆に申しますれば、法律解釈がはつきりしないために社会不安が起きるとか、非常に地方的に騒擾事件等が起るというような危険性があるときは私は当然出さなければならないと思いますが、一体法律解釈が明文になつておるのを、電気状態悪化は今度の場合におきましては当然これは使用者の責任ではないということは常識上誰にもわかる。そのときに特に休業手当を支給しないでもいいというような法律解釈を出さなければならないほどの社会情勢であつたかということなんです。私のお聞きしておるのは……。逆の結果が起つておる。今言つたたように、手当をやめてもいいという声明を労働省が出すことによつて、すでに六〇%、法律解釈がどうあろうとも会社が経営上出しておるものまでもやめるという結果になつておる。私は、法律解釈を明確に出さなければ非常に社会不安を起すよう状態であればそういう解釈をもつと明確にして注意を与えることも必要と思いますが、これはどうも議論に亘るようでありますので……。あの声明は適当な声明ではなかつたのではないか。むしろ法律通りであるということでいいのではないか。結局どうも新聞の取上げ方も余り感心できなかつたかも知れませんけれども、労働省当局の声明も、あのときに何が一番大事かというと労働不安を防ぐことである。労働不安を防ぐという点から見れば逆の結果を来たしておるものと、こう思うのであります。これは意見に亘るようで何ですが、ざつくばらんに申上げますると、そういう結果が出ておるのではないか。そこで私は具体的に安定局長のほうにお伺いしたいのですが、まだ今の情勢では電力事情はよくないと思います。そこで臨時工の首切り問題が起きておると思うが、そこで日雇労働者の就業範囲を拡大されると言われますが、予算的に申しますれば、何%程度増加し得るか、或いは人員にして何千人程度雇入れられる措置ができるか、この点について具体的に御説明願えれば願いたいと思います。
  27. 齋藤邦吉

    説明員齋藤邦吉君) 只今の御質問にお答え申上げます。大体考え方といたしましては臨時工のほうは、先ほどもちよつと申上げましたように二カ月以上継続しております臨時工一般失業保険と同じように離職前受けておりました俸給総額の百分の六十を六カ月間支給する。臨時工のほうは大体そうした線で行くことが適当ではないだろうか、こういうふうに考えます。勿論そればかりでできないで失対事業に来るというものも当然吸収して行かなければならんと思います。日雇労働者はこれはもう失対事業で吸収して行くより仕方がありません。本年度成立いたしております七十七億五千万の金は七分の一ずつ切つて毎期に使用しております。そして或る程度のリザーブをしながら失業情勢と睨み合せながら使つて行くということを根幹としてこの予算の執行に当つておるのでありまして、勿論将来電力事情のほかに、先般の災害等によりまして収獲皆無といつたふうな場合の日雇労働者就労対策等もありますので、全部が全部電力悪化によつて解雇される日雇労働者のみに使うということは勿論できないのでありますけれども、現在或る程度リザーブしながら来ております金を今月以降六カ月といたしますと、六カ月間にまるまる全部そうしたものを使つて行くとするならば、はつきりした計算をいたしかねるのでありますが、大略大体二万五千人くらいを新規に吸収し得るものと考えておる次第でございます。現在の日雇労働者総数のほかに二万五千から三万人というものを新規に吸収して行ける状況になると考えております。而もそれは予算の建て方が二十五日としての計算でございまして、全国平均二十日就労ということになりますと、もつと多くなると思いますが、大体二万五千人から三万人は本年度成立いたしました予算によつて吸収することは可能である、計算上はそういうことになると存じております。
  28. 原虎一

    原虎一君 そうすると調べていませんが、追加予算には盛られていない本年度の予算の節約と言いますと、他の府県の、例えば二十二日平均就労をこれを二十日にして節約して、関西地方電力不足地帯に廻すというような結果になるのじやないですか。
  29. 齋藤邦吉

    説明員齋藤邦吉君) 現在の全国の平均就労日数は二一・九、九月は二一・一の平均就労日数なつておりますが、私の今申上げましたのは、よそが仮に二十二日になつた場合にそれを二十日に下げるという前提でなくして、現在のままに続けて行くとして、そのほかにプラスして二十日くらい稼働させるとして今申上げた三万人を吸収し得る、こういう考え方でございます。
  30. 赤松常子

    赤松常子君 私ちよつとお尋ねしたいのでございますけれども、そういう経営者側の理由によらざる場合に賃金不払の起るような場合、そういうときの賃金補償は国家補償で考えられておる点がございましようか。将来どういうふうにその点をお考えでございましようか。もう一つは折角今まで六〇%払つておりますのに、ああいう通牒が出たために打切られたというような場合でございますね。それはどういうふうに処置すればいいのでしようか。ちよつとその辺のことを伺いたいと思います。
  31. 亀井光

    説明員亀井光君) 第一の問題につきましては先ほども申上げましたと思いまするが、現在使用者が資金のありまする限りは生活の安定、生活保障をするたちに何らかの名目におきまする手当を支給をいたしております所も相当ございます。これは我々としましても今後も望ましいところでございまして、そういう方向に進んで行くつもりでございまするが、そういう生活保障をしたいという意欲はありながら資金がないというよう使用者につきましては、国家的な何か融資の方法を今研究をいたしております。できるだけこの途が開かれますように我々としては事務的に努力をいたしたいと思つております。第二のこの前通牒で休業手当を打切られたものについてどうするかというお話でございますが、我々の情報に入りましたところでは、現実の面としましてすぐその場で打切られたというふうなお話はまだ入つていないのでございまして、今後の問題として今折衝をしておるというふうな情報は入つておりますが、今すぐ打切られたというふうなお話はまだ聞いておりませんし、これは又そういうものだけについての補償というのではなくして、やはり第一段で申上げましたように、資金がなくてそういう補償ができないという使用者に対する融資という問題として取上げて見たいと存じております。
  32. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 今赤松君から御質問の点に関連してでありますが、この通牒が出ましてから、これまで払つていた所が払わなくなつ事例大阪にたくさんございます。地方の基準監督局長の方針としては成るほどこれは法律違反にはなるまいけれども、その事業の資金繰りがつく限りは最小限度の生活保障するようにと、この指導を行うような立場をとつておられたと思う。それがこういう解釈が本省から出ましたために、法律違反ではないのだ、だからこれは払わなくてもいいのだということが、この通牒が出されたことによつてこの支払をしておりました工場すら払わなくなつて来たことは事実であります。そこで私はこれは労働省関係ではないか思うのですが、政府全体としてこういう通牒を出される場合には基準法の精神を守るという意味からいつて、融資対策などについてお考え頂くことも一つの方法でありますが、電力事業家というものに対して供給責任というものが今ないのですね。この供給責任を電力事業者に負わせなければ根本的な対策にはならんというようなことを私は政府としてお考え頂くべきであつて、こういう川下のほうに起つた問題について労働省がただこの枝葉の解釈を発表してそれで満足しておられるということでは、総合的な抜本的な労働対策ではないとこう思うのです。これは政務次官から一つ御意見を承わりたいと思います。  それから基準局長に伺いたいのですが、経営者の責には帰さないという解釈を、ここで電力不足による休業は経営者の責に帰すべきものではないという解釈を確定されたのでありますが、この経営者の責に帰しないようなことは、電力不足というようなことは今年或いは二十二年に起つたたことであるが、そのほかは天災というようなものが、大体こういう場合の法律釈の対象になつておつたのじやないかと思うのです。そうしますとこれは基準法で規定する休業手当ではない、電力休暇手当とか何とかいろいろ名目を変えて支払われておるものに対して、この甲種勤労所得税の課税対象として私は当然除外さるべきものではないかと思うのです。経営者の責に帰さないというふうにちやんと解釈を確定される政府が、一方僅かこの基本給の六割くらいをもらつておる者に対して、やはり課税の対象には依然としてなつておるのですね。こういう点も私は政府としては、労働省というよりも政府としては、経営者の責には帰さんという解釈を確定されるのなら、それならこういう手当は甲種勤労所得税の課税の対象から除外さるべきだというような解釈が、共に政府部内において協議されて公表さるべきものではなかつたかと思う。こういう点については御相談になつたことはありますか。又御見解を承わりたいと思います。
  33. 山村新治郎

    政府委員(山村新治郎君) 電力不足によつて休業中の手当支給に関する問題等が起つて来るときに、労働省からのこの解釈の問題についての影響がいろいろ御心配を受けておりますことにつきましては、誠に申訳なく思つておるような次第でありますが、先ほど基準局長から御説明がありましたように、本当に最初は事務的な問合せに対する答弁というようなことでありましたが、従いましてこれに対する何ら深い意味のものではないのでありまするが、併し結果といたしまして相当大きな影響をもたらしておるということも承わつておりますので、それに対しましては再通牒を発したような次第でございますが、なお今後ともそれに対する誤解のありまするような場合におきましては、十分基準局等を通じましてその誤解のないようにいたしたいと存ずる次第であります。なお電力の問題につきましての抜本的な問題について政府は考えるべきじやないかという御意見は全く同感でございまして、この点は確かに末節の、起きたあとの後始末をするという意味で……根本的にはやはり電力事情の問題をどうするかという問題になるのでありますが、政府全般といたしましても、なお公益事業委員とも十分連絡をいたしまして、一日も早くこの問題の解決を図りたいと存ずる次第であります。それから融資並びに課税の問題についての御意見がございましたが、只今これは局長から御説明がございましたが、個人的には誠に同感でございまして、特に融資の面は所轄の直接担当ではございませんが、関係の省に連絡をとりまして十分今後努力いたすつもりでございます。なお基準局長から御説明をいたします。
  34. 亀井光

    説明員亀井光君) 電休日におきまする何らかの手当が出された場合に、それに所徴税を課すべきか、或いは税の減免をなすべきかという問題につきましても、我々も真剣に検討いたしまして、大蔵省の主税局とも折衝をいたして参つたのでございます。現在これに対します法律としましては、天災地変等の災害によつて家屋その他有体物に損害が生じた場合に、その限度において租税の減免を行うというのが現行法でございます。従いまして所得そのものにつきましては直接その法律の適用はないのでございまするが、こういう電力不足という、いわば非常の事態であるのだから、これに対するその拡張解釈はできないかということを中心としまして折衝を進めて参つたのでございます。ところが現在の所得税の体系から申しますると、いやしくも所得のあまりましたものにつきましては、その所得の限界において税が課せられるという、この原則は所得そのものについての基本的な線である。これは家屋その他の有体物の損害の場合と全然性質が違うんだ、それが如何なる名称で出されようとも、本人の懐に入る所得になりますることについては変りはないんだということでございまするし、又電休その他によりまして賃金低下すればそれだけの税金は下つて参る。そうなりますると賃金の低い同じ程度賃金をもらつておる他の労働者、即ち電力関係を受けなかつた労働者との衡平の問題もそこから生じて来るんではないかと考えます。又若し電力のみを取上げまして、そういう所得について租税の減免をするとすれば、或いは石炭不足によつて事業を縮小しなければならん、或いは統制の強化によりまして転廃業をするような場合において所得が減つて来るというような場合はどうするか、一々政府の責任においてなされた結果がそこに企業に影響をし、その面からする賃金低下というふうなことがあつた場合に国家責任でこれを賄うということは、現在の税の体系から言つて適当ではないという解釈であります。更に最後には今度の所得税法の改正によりまして、四人家族のものにつきましては、年十五万円、月にいたしますと約一万二千円程度までは所得税がかけられなくなるので、家際的におきましても税の減免をするとしても、その恩恵を受ける者は非常に僅かではないかというふうな見解でございまして、まだその点私らの希望が結論的に大蔵省との折衝におきまして結論付けられていないというふうな現状でございます。
  35. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 電気事業の供給責任問題でありますが、これは政務次官も大体考えとしては同感だということでありましたが、了承はいたしますが、政府としてこういう通牒を出される場合に、私は労働省労働者の立場に立つていろいろ総合的に国策をお考え頂く場合に、当然これは関係当局に折衝して頂いてきめて頂きませんと経営者も困つておるわけであります。続いて従来員が非常に困つておるわけです。それでいて一方電力の需用家と供給者との間の責任関係というものは、需用家の責任はありまするが、供給者のほうの責任というものは今日法律上何らないことになつております。ですからこれは労働省としてもこういう通牒を出されたあとではありますけれども、今後なお社会不安、労働不安、産業不安の非常に大きな原因をなしておりますから、なお一段と一つ政府部内の総合的な対策を進めて頂くようにお願いをいたして置きます。
  36. 赤松常子

    赤松常子君 この間基準局長に全繊維労働組合本部から要請に参つた問題がございまして、富山県に起きました労働監督官の不正収賄事件、それに関する調査要請を本省にお願いいたしたのでございますが、中小企業の多い所にそういう収賄、それから饗応が行われたということ、それからこちらの調査でございますが、その収賄が四十五万円にも上つたというようなこと、こういうことにつきましてどういうその後御調査をなさいましたでしようか、その結果はどういうふうになさいましたでしようか、それを明確にちよつとお知らせ下さいませ。
  37. 亀井光

    説明員亀井光君) 富山県の労働基準局並びに富山監督署、高岡監督署の事件につきまして、誠に我々監督者といたしまして申訳ないと思つております次第であります。この事件につきましてはすでに六名の者が起訴を受けておりまして、これは裁判の経過におきましてその状況が判明するのではないかと思つております。そのほかの者につきましては取調べを受けておりましたが、釈放を受けておるのでございます。併し我々としましていやしくも監督官がその身を持すること厳でなければならない立場にありながら、かような不祥事件を起しましたことにつきまして、我々としましては非常に衷心遺憾の意を表すると共に、又この措置につきましては直ちにその善後措置を考え十月一日附を以ちまして、監督の直接の責任でございまする富山の基準局長並びに監督課長につきましては、進退をはつきりいたさせまして、更に又富山の監督署長並びに高岡の監督署長につきましても併せまして新らしい人材をきめまして、新らしいスタツフによりまして立て直しをし、社会的なそういういろいろの御迷惑をおかけしましたことに対して、謝罪をいたしたいとかように思う次第であります。
  38. 赤松常子

    赤松常子君 これはたまたま一例が出たに過ぎないと私は思つておるくらいなのでございます。どうぞ今後非常に厳重に御監督御指導願いたいと思つております。  もう一つ政務次官にお尋ねいたしたいのです。この間突如として総理府に婦人児童庁の設置をするという吉田総理の談話が出ておりました。私どもはついその前まで婦人少年局の、僅か一つの局の存置撤廃で大騒動いたしまして、非常にこういう政府の行政方針に対して疑惑を持つていた際でございました。その後こういうような棚からぼた餅みたいな誠に結構なお話を吉田総理自身が言われたというようなことを新聞で見たのでございますが、労働省といたしまして、そういう構想に対して御参加なさつたものか、或いはそういう吉田総理のお考えを事前に労働省に話されたものか、どういうような経緯になつておりますかお尋ねいたします。
  39. 山村新治郎

    政府委員(山村新治郎君) 多分赤松委員お話は総理のお話より橋本さんのお話が問題の因を発しておるのではないかと思つておりますが、その児童庁の設置につきましては、具体的には何ら御相談を受けておらない次第であります。従つてこれに対してとやかく申すことはできないのであります。お蔭様で今般の行政整理によりまして、婦人少年局の問題が相当俎上に上つたのでございますが、幸い全面的な留保を保ち得たのでございます。従つて労働省といたしましては、この婦人少年局の仕事の伸張することは希つておりますが、この婦人児童庁の設置につきましては私たちは存じておりませんが、大いに発展することについては心掛けてやつている次第でございます。
  40. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 先に御決定を願いました外務委員会との連合委員会の開催につきましては、その方法なり時期は、一応委員長に一任してもらつて如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 中村正雄

    委員長中村正雄君) じやさように決定いたします。  それから本日予定しておりました行政整理によりまする失業者救済対策、この議題は次の委員会に廻しまして、本日はこれで散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 中村正雄

    委員長中村正雄君) それでは散会いたします。    午前十一時五十五分散会