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国務大臣(
周東英雄君) いろいろと御親切な御忠告有難く承わります。併し私
どものほうは今無
計画ではや
つておらんのでありまして、講和後において新らしく出て来るところの負担の
増加というようなことを頭に置きつつ、それに応ずるために、
日本の産業をどつちに持
つて行
つたらいいかということについての
計画を進めておるわけです。何としても
貿易の
規模の拡大ということが必要でありまするが。それに対しては、
原材料の
確保ということと、電力の問題と、
価格の問題が大きな
影響を持つわけであります。
原材料の
確保等につきましては、
計画的にどの地方から何を、
日本の産業をどつちに持
つて行くためにどのくらいの
数量が必要だということで案を
立てておるわけであります。これについては、私
どもは決して手放しの楽観はしていないが、そう悲観もしないのであります。これは手の着け方によ
つては入
つて来るのでありまして、よく尋ねられまする東南アジア開発ということは、單に日米
経済協力とか、或いは
経済上の事情においてのみこれが問題になるにあらずして、将来とも
世界人類のために、今開発されている資源だけでは足らないのでありますから、そういう意味におきましても、あらゆる地域の資源を開発して、それを全人類のために商品化する、
日本は確かに未稼働の設備を持ち、余剩の労力を持
つているのですから、これが一番適当だと
考えて推進して行く
考えであります。これによ
つて、講和後の
日本の
経済復興と共に東南アジア地域における民族、国家の福祉の増進に資することが肝要であると私は
考えます。こうすることが結局
日本の
経済をよくし、
日本の
国民生活水準を上げることにもなると思います。ただその際に
計画として
考えられることは、御
指摘の
通り動力の問題であります。実はえらい今年電力の危機等があ
つて、無
計画でなか
つたかというお叱りのようでありますが、成るほど今年は少しくごたごたしましたが、併しこれも六十年と言いますか、以来ない異常渇水であ
つたために、水力電気の供給源が二〇%減
つたということであります。若し平水であるならばこの危機は突破し得たでありましようし、最近までにおける
自立経済三カ年
計画に盛られた
鉱工業生産以上に出て来た七月の一四〇の線と共に、現在まで平水なりせば、水力電気並びに火力発電による電力の供給力がかつかつ間に合
つてお
つたのであります。たまたま今年異常渇水による減が二〇%、
生産が異常に伸びたための減が九%ほど、合計二九%ほど足らないということが起
つたのであります。この点に鑑みまして、とにかく早く発電をさせ、電源を開発することの必要性はよくわか
つておるのでありまするので、
只今のところ、これは急速に、突貫工事ででも、本年度内に予想してお
つたものをもう少し早く繰上げてやらなければならん、又自力発電、自家発電等についてできるものは許したらよかろう、從来の電力会社の発電のみならず許すことがよろしい、その間に処するいろいろな細かい手続上のことは、これを皆認めたらどうかというようなことにもなり、大
規模発電についても、從来はもう少しあとに着手することにな
つておりますが、現在の
計画としては、二十七年、二十八年両年に着手するように
考えて施策を整えておるのであります。この点については思い切
つた資金の操作をいたして、このほうに
資金を向けるつもりでありまするし、先ほど一部触れましたが、これを推進するに必要な銅線、セメント等の資材の
確保についても、電力の開発については優先的に
考えなくちやならんと今
考えておるのであります。なお石炭等についての
計画は持
つておるのでありますが、今年も実は重要産業の減
つたという
お話でありますが、これはもう実は去年三千九百二十三万トンの出炭量を挙げましたが、これは実績であります。それの一割三分増の四千五百万トン
計画が、今年は見事これが完成できる八月、九月までの
状況にあ
つたわけであります。たまたま水力電気における異常渇水のために、そのほうの補いのために炭を片寄せなければならんことから起
つた産業への
影響であります。石炭の
生産についての
目標は、大体二十六年度は四千五百万トン
計画が実現の途上にあ
つたわけであります。現在炭鉱のかたがたには異常渇水による電力不足というものを少しでも取返させるために、それ以上の増産を皆要求し、足らんところを
外国輸入炭に仰ごうとする
計画を進めておるわけであります。私
どもは、以上申上げた点は、要するに
堀木君の
お話のように、基礎産業については急速に
計画的に進めて行くつもりであります。