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政府委員(
東條猛猪君) お答え申上げます。政府が今回
専売の
裁定は
予算上不可能であるという
考えの下に国会で御
審議願うべく議案を提出いたしておりまする
理由、或いは
趣旨につきましては、先ほど監
理官のほうから申上げました
通りでありまするが、先ず形式的に申上げますると、御
承知の
通り公社法におきまして、公社の
給与は
予算に定めるところの
給与総額の範囲内でやる、言葉の表現は実は今法律が
手許にございませんので表現は間違
つておりまするが、
趣旨は
予算で定めるところの
給与総額の範囲内において
給与額はとどめるのだ、
給与総額は
予算で定めるのだということが
公社法に規定いたしてございます。その
公社法の規定に基きまして、政府が国会の提出をいたしまして御
審議を頂きまするところの
政府関係機関の
予算の
予算総則に、それに国鉄と
専売につきましては、
給与総額は本年度においては幾ら幾らとするということを提出を申上げまして御
審議を頂いておるわけであります。それで二十六年度の当初
予算ではいわゆる
給与総額の
金額は四十一億七千九百万円余でございます。そこで政府は今回の議案におきましては、このすでに成立いたしておりまするところの四十一億七千九百万円を超ゆる
部分は
予算上不可能であるという
趣旨の議案をつまり提出いたしておるわけであります。これは
公社法並びにそれを受けましたところの国会で議決をして頂きました
予算ということから当然出て参る結論であります。そこで併せて提案
理由の
説明におきまして、
補正予算案が国会におきまして議決を経、成立をいたしましたならば、四十一億七千九百万円の
金額は四十八億五千九百万円と相成りまするので、その場合は四十八億五千九百万円を超える
部分は
予算上不可能であるという
意味の修正をお願いいたす
予定であるということも併せて提案
理由におきまして、政府の
方針を申上げておる次第であります。そこで形式的に申上げますれば、
予算上不可能とは、公社を受けまして
予算で定めておりまするところの
給与総額を超えるが故に
予算上不可能であるという
趣旨の政府といたしまして提案を申上げておる次第であります。
次に
只今お話のございました僅かな四億なり、或いは五億
程度の金をこれにプラスするという
程度のことであるならば、公社の実際の
経理の画においてこれは可能じやないか、
従つて仲裁委員会或いは
公共企業体労働関係法の精神という点から
考えて、何でこれを可能ならしめるところの措置をとらないのか、とるほうが適当ではないかという御
趣旨の
質問と、先ほど来向
つておるわけでありまするが、政府といたしましては、
専売公社の
職員の
給与の問題につきましては、
一般の
国家公務員、特に国鉄公社の
給与の問題と併せ考慮いたすべきであろうという見解をと
つておるわけであります。御
承知の
通りに国鉄につきましては調停がございまして、四月以降一万八百二十四円という平均
給与で双方措置したらどうかという調停が出ておることは御
承知の
通りでありまして、今回政府が提案をいたしておりまするところの
補正予算におきましては、この一万八百二十四円が本年八月以降実施できる
内容の
給与額を相定めまして、これを
補正予算の中で
給与総額といたしまして提出をいたしまして、御
審議を頂いておるわけであります。そこで国鉄のこの調停の一万八百二十四円を八月から実施いたすという前提で組んでおりまするところの
給与総額は、これを少しく立場を変えて検討してみますると、仮に国鉄の
職員のかたがたが
国家公務員であつたならばどういう
給与になるべきであろうかという
観点から角度を変えまして検討いたしてみますると、今回御
承知の
通りに
国家公務員は十月以降
ベースの引上げをお願いいたしておるわけでありまするが、十月以降
ベースの
改訂を実施いたしました場合とほぼ同様の
給与額に相成るということに相成るのでありまして、そういう
観点もございまして、国鉄の
職員につきましては八月から調停案を実施するということでこの
補正予算の国鉄に関する
給与総額を定めておるわけであります。政府といたしましては、この
専売と国鉄の
給与につきましては、両者同じ公社であり、この
給与の間におきましては均衡を保
つて参りたい、
専売を重しとし、これに比べまして国鉄が比較的軽くなるというようなことに相成
つてはならないという
考え方の下に、
専売につきましても
給与水準は幾らかであるべきかという算定をいたしておる次第でありまして、先ほど監
理官から申上げました九千三百二十三円という
給与水準を十月から実施することにし、そうしてこの九千三百二十三円の
給与水準を前提といたしまして、年末
手当〇・八を支給するということが、国鉄との
関係においても、
給与総額の
関係において適当であるという実質的な
給与の
金額につきまして判断をいたしておるわけであります。従いまして
専売の
関係は葉
たばこを収納いたすとか、或いはたくさんの
経費をかけて製造するとか、或いは塩を収納し輸入するとか、
事業費におきましては
相当の
歳出もございます。又先ほど来
お話のございましたように、間接税の形において、実質的には間接税になるところの
専売益金というものは巨額のものを
一般会計に繰入れてはおりまするけれども、私どもといたしましては、そういう
歳出、
事業費は巨額に上り、又
益金は巨額に上
つておりまするけれども、
給与の問題につきましては、特に同じく公社である国鉄との間の権衡を紊ることは適当でないであろうという実体的な
給与問題に関する
考え方をいたしておる次第であります。そういう
意味合いにおきまして、一面におきましては形式的に政府が目下提案をいたしておりまする
補正予算案が仮にあの
通り議決するといたされましても、なお
裁定には不可能な
部分が残るし、実体的には今申上げました
給与水準の問題から、今回の
裁定は誠に遺憾でありまするけれども、そのまま実施することができないであろうという見解を以ちまして
予算上不可能である、こういう
趣旨の議案を国会に提出いたしまして御判断を抑ぎたいと、こういう
趣旨に相成
つておるわけであります。