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1951-11-08 第12回国会 参議院 予算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月八日(木曜日)    午後一時四十二分開会   —————————————   委員の異動 十一月七日委員下條恭兵君辞任につ き、その補欠として山田節男君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    理事            平岡 市三君            佐多 忠隆君            藤野 繁雄君            櫻内 義雄君            東   隆君            岩間 正男君    委員            泉山 三六君            石原幹市郎君            小野 義夫君            加納 金助君            郡  祐一君            溝淵 春次君            白波瀬米吉君            深水 六郎君            内村 清次君            波多野 鼎君            松浦 清一君            山田 節男君            飯島連次郎君            高良 とみ君            小林 政夫君            結城 安次君            岩木 哲夫君            西田 隆男君            深川タマヱ君            堀木 鎌三君            矢嶋 三義君   政府委員    人事院事務総局    給与局長    瀧本 忠男君    行政管理政務次    官       城  義臣君    行政管理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁管理    部長      中川  融君    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君   事務局側    常任委員会専門    員       野津高次郎君    常任委員会専門    員       長谷川喜作君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十六年度一般会計予算補正  (第一号)(内閣送付) ○昭和二十六年度特別会計予算補正  (特第一号)(内閣送付) ○昭和二十六年度政府関係機関予算補  正(機第二号)(内閣送付)   —————————————
  2. 東隆

    理事東隆君) それではこれから委員会を開会いたします。  今日は給与行政整理、雑件を中心にしてやります。最初に人事院のほうから説明を求めますが、人事院からは給与局長瀧本忠男氏が来ております。
  3. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) それでは人事院が去る八月二十日に勧告いたしました給与水準改訂内容並びに極く最近それを法制化するためにはどういうふうな法律案にして頂いたらよろしいかということにつきまして、意見申出行つたのであります。その御説明を申上げたいと思います。  本年の一月一日から給与ペース改訂がございまして、それは昨年の五月の水準によるものでありまして、即ち随分時期が遅れて実現がされたわけでありますが、その昨年の五月以降におきまして、経済事情は大変変動いたしたのであります。そういう事情はつきり消費材にも現われて参つたというので、昨年も年末に押して迫つてでございますが、その後人事院はいろいろ検討して見ました結果、やはり給与水準改訂が必要であるということで、本年の五月の水準に基きまして給与改訂をしてもらいたいと、こういう意見申出をしたわけであります。即ち人事院は本年の五月の状況に基きまして、給与ベース改訂をしてもらいたいということを申上げるのでありまして、昨年の五月から一般物価がどれくらい上つておるかというようなこと、或いはそのときを基準にしまして、生計費が何割上つておるかということで、今回のベース・アツプというものをそれに従つて何割上げて頂きたいと、こういうことを申上げるのではない。飽くまで本年の五月の事情基礎としまして、そのときの民間給与水準は一体どういうふうであつたか、又我々が給与ベース算定一つ基礎にしておりまする標準生計費というものは、そのときにおいてはどういうものであるかということを基礎にいたしまして、そういう事実に基きまして俸給表というものを作り、こういう渣給表にして頂きたい、こういうことを申出ておるのであります。即ち我々が給与ベース改訂の際に、二大根幹といたしておりまする標準生計費について見まするならば、本年の五月におきまして単身成年者は、この勤務地手当支給のない地域につきまして四千二百円要る、こういう事情が明らかになりました。この四千二百円というものは、これは税込の額であります。従いましてこの四千二百円がどういうふうに算出されたかということを簡単に御説明申上げる必要もあるというふうに思うのであります。経済安定本部が作成いたしました一九五一年の食糧のバランス・シートによりますると、国民は一人一日当り平均千九百三十七カロリー、こういうカロリーを取り得ることになつておるのであります。この千九百三十七カロリーというものは、昨年の我々が給与水準計算いたしましたときの千八百六十カロリーに比べますと増しております。昨年は千八百六十カロリーというものを基礎にいたしまして、いわゆるマーケツト・バスケツトというものを作つたのでありますが、今回はこの国民一人当りカロリーが殖えておるのでありまするが、その殖えました千九百三十七カロリーというものを基礎にいたしまして、マーケツト・バスケツトというものを作り、そうしてそれから金額計算するということにしたわけであります。従いまして我々が計算いたしました標準生計費は、昨年に比べまして物価の値上りということがございまするから、そのために金額が上つている部分があります。併しながらカロリーが殖えているのでありまするから、当然そのために値段が上つて来るということもあるのであります。この国民一人当りカロリー、即ち千九百三十七カロリーというものを、これを昨年の単身男子に直して見ますると、二千三百三十六カロリー、こういうことになるのであります。軽労働に従事いたしまする単身成年者が一日に所要いたしまするカロリーは二千四百カロリーだというふうに言われております。これは二千五百カロリーが適当であるというふうに変えておられまするが、従来一般に信じられておりました軽労働に従事いたしまする場合に、単身男子一日の所要カロリーは二千四百カロリーでありまするから、今回の勧告におきましては、それにもう大分近付いたということが言い得るであろうというふうに思うのであります。ちなみに昨年度はこのカロリー数は二千三百十一カロリーであつたわけであります。即ち二十六カロリー殖えている、こういうことになります。これを基礎といたしまして、いわゆるマーケツト・バスケツトというものは食糧費等について作りまするから、そのほかの被服費光熱費住居費というようなものにつきましては、これはいわゆるCPSから一人当り金額を算出するのであります。そのようにいたしまして、東京におきまして、どれだけかかるかということをやつてみますると、一月当り四千四百九十円という数字になるのであります。これを勤務地手当の付かない地域に換算いたしますると、三千五百九十二円ということになります。ところがこれだけの手取りがなくつてはならない。我々が給料をもらいますると税金も差引かれまするし、そのほかいろいろな共済組合の費用でありますとか、そのほかが差引かれますわけであります。これを全部加えて差引かれた残りが三千五百九十二円ということになりまするためには、どういうふうな金額であつたらいいかという計算をいたしてみますと、それが四千二百、こういうことになります。昨年はこれは三千三百四十円であつたわけであります。繰返して申上げますると、これでカロリーが殖えておりますのと、それから価格が上つている両ほうのために、こういうふうに金額の違いが相当大幅に出て来ている、こういうことになります。この四千二百円というものを一体如何なる人に保障したらいいかということでありまするが、これは従来から満十八才の人に保障すべきである、こういうふうに考えられておつたのであります。満十八才をどこに押えるべきかということになるのでありますが、現在公務員職務級別平均年令というものを出してみますると、この二級というところの平均年令が十八・六才ということになるのであります。二級に号俸がずつとございまして、その中間は四号ということでございまするから、二級の四号というところは十八・六という年令に該当する。こういうことになります。従いまして、十八・五というものはそれより幾分低いわけでありまするが、これは二級三号に抑えるのが適当である。こういう結論に達しまして、二級三号のところを四千二百円とする、こういうことを一応きめたわけであります。これは標準生計費、一方民間給与調査ということになるのでありますが、この民間給与調査労働省で毎月勤労統計というものがございます。この統計によりますれば、民間平均給与額幾らであるかということがわかります。併し我々が今求めたいというものはそういうような平均ではございません。公務の場合におきまして、課長、まあいろいろ課長にもありまするが、その職務内容、責任の度合というものが大体同じであるような職務に従事しておりまする者の給与は一体どういう給与であるかというようなことを知る必要があるのであります。こういう調査は今国がいろいろやつておりまする統計の中にございませんので、人事院はみずから自分でこの統計を作成しておる次第でございます。その統計と言いますものは、即ち現在の職務の級、一級に該当するような職務内容民間給与事情はどうなつておるか。又二級、三級、四級とずつとその職務級別に、この公務員の場合と同様の職務内容を有する者の給与平均はどうなつておるかというようなことを仔細に調査いたしまして、その平均を求めて、大体平均を繋いで、そうしてこの職務給与別平均的な給与はどういうふうであるかということを算出いたしたのであります。これは本年は特に三月分につきましてこの調査を行なつております。即ち、我々はこの昨年の年末広におきまして、もはや給与ペース引上げる必要があるのではないかというような事情を感じておつたものでありますから、例年でありますれば、毎年五月に行ういまするこの民間給与調査というものを特に繰上げまして、三月分についてこの調査を行なつたのであります。ところがその後いろいろ検討しておりました結果、新らしい資料の入手というようなこともございまして、やはり五月の水準においてこれを行うのが適当であるということから、三月に行いましたものを五月の水準に直しまして、この民間給与調査というものを引直しまして、それを基礎にいたしまして俸給表を作つた。ただ先ほど申上げましたように、標準生計費というものは、二級三号のところに保障いたしたいというのでありますから、民間給与調査とこの両者をうまく結合いたしまして、そうして俸給表を作つておる。こういうことになるのであります。そういうふうにして作りました俸給表、それを現在の国家公務員級別号別の人員という分布があるわけでありまするが、そういう人に適用いたしましたならば、一体幾らになるであろうかと逆計算してみます。一人平均どういうふうになるであろうかということを計算いたして見ますると、それが本年の八月一日におきましては一万一千二百六十三円、こういう数字になる。こういうことを人事院は申しておるのであります。従いまして人事院が言いたいところは、この俸給表自体の問題でございまして、一万一千二百六十三円という数字ではない。これは計算してみればそういうふうになる。我々が勧告したいところの俸給表はたくさんございまして、級号別にいろいろ数字がございます。それを一口に申上げるのはなかなか困難でございまするから、仮にそういう俸給表を全員に適用して、そうして一人平均の額を算出してみればどうなるかということをやつてみますと、八月一日では一万一千二百六十三円、こういう数字になる。これを申上げておるのであります。ところで現在の給与法というものによりますると、先ず俸給表というものがある。それから又昇給昇格基準というようなものがそれに附随していろいろ規則できめてございます。で、現在の給与法を適用しておりましても、この昇給昇格基準等がございまするので、これは給与水準がおおむねいつでも一定の場所に固定されておるということはないのでありまして、おおむね四半期経過いたしますると、一人平均七十円程度上がるというような状況になつております。従つて我々は五月の水準計算したのでございますが、この計算基礎に、その当時におきまして確定しておつた米価改訂ということは見込んであるのでありますが、これを八月一日から適用して欲しいということを申出ておるわけであります。従つて、八月一日においてこの平均はどうなつておるかというと一万一千二百六十三円、こういう数字になつておる。こういうことを人事院は申しておる。こういうペースを適用して欲しいという、こういうことを申上げておる次第であります。給与水準につきましては、単に只今概略申上げたようでありますが、今回は特にこの電通、郵政等独立採算制によつておられまする企業官庁につきましては、その事業に適用いたしましたような俵給表を作つてもらいたいということを申出たのであります。即ちそういう新らしい俸給表一つ作つてもらいたいということを申出ております。又こういう職員につきましては、特に能率を挙げる必要上奨励手当制度を設けてもらいたい。こういうことを申出ております。又従来年末手当法というものによつて支給されておりまする年末手当は〇・五カ月でございまするが、我々が民間事情を調べてみました結果は、平均的に申しますると、毎月きまつて支給されまする給与のほかに、年間を通じまして、これは多いところも少いところもいろいろありまするが、平均とつてみますると、おおむね一・四カ月分ぐらいのいわゆる賞与的な臨時の給与というものが出ておるのであります。日本におきましては、年末でありまするとか、或いはお盆というようなときには、特に出費のある国民慣習というものもあるわけでありまして、こういうことが公務員にだけ許されないというのもおかしなものであります。国民全体にあるところの慣習というものは、公務員も当然そういう慣習に即応するような給与の支払いがなされて然るべきではなかろうかというようなことを考えておる次第であります。昨年の勧告におきましても、人事院は十三回払いということを申上げまして、その一回分を年末に支給してもらいたいということを申出たのでありますが、これは〇・五カ月分の年末手当となつております。民間状況を調べてみましても、平均的には一・四カ月分出ておるというような事情もありまするし、昨年は一カ月分の年末手当を出して欲しいということを申出たこともありまするので、今回はまあ取りあえず年間を通じまして、一カ月分の特別な手当を出してもらいたい。その中で〇・八カ月分を年末に支給してもらいたい。〇・二カ月分を六月に支給してもらいたい。この支給につきましては、これはおおむね生活給的なものではありまするが、併しやはりそこに幾らかメリツト的なものを加味してもいいのではないかと思いまして、或る程度成績を吟味する余地を残した。こういうことが今回人事院勧告いたし、又極く最近法律案意見申出内容概略でございます。
  4. 東隆

    理事東隆君) 大蔵省のほうから一つ給与関係して御説明を願います。
  5. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 本来給与の問題につきましては、総理府のほうから御説明を申上げるのが穏当かと存じますが、給与予算という意味合におきまして便宜大蔵省側から御説明を申上げることにいたします。政府といたしましては人事院勧告を受けまして、最近におきまする生計費、その他民間賃金等事情を考慮いたしまするときは、この際給与引上実施するのが適当であるという考え方を以ちまして、極力人事院勧告を尊重いたしまして、十月一日から国家公務員給与引上をお願いいたしたいという趣旨を以ちまして、予算案審議をお願いし、又別途これに必要な決律案の御審議を願うことにつきまして只今手続を進めておる次第でございます。只今人事院のほうから、人事院勧告内容につきまして詳細御説明があつた次第でありまするが、今回政府といたしましてもでき得る限り人事院勧告趣旨に副うことに努めました次第であります。  ただこの給与改訂後におきまする給与ベースの問題でありまするが、先ほど人事院政府委員のほうから人事院俸給表等基礎にいたしました場合に、給与水準給与平均金額は一万一千二百六十三円の見当に相成る。こういうお話でありましたが、政府といたしまして一般会計予算特別会計予算、又は地方財政にこの給与改訂の結果及ぼしまする財政上の観点をもいろいろ検討いたしましたる結果、人事院勧告通りの一万一千二百六十三円という給与水準引上はできないという考え方を以ちまして、平均いたしてみますると一万六十二円の給与水準になりまするところの俸給表を用意いたしまして御審議を頂きたいと、かように存じておる次第であります。本年の一月から平均約一千円上げの給与改訂実施いたされておりますることは御承知の通りでありまするが、その後におきまする民間賃金上昇傾向、いわゆるCPI上昇度合を考慮いたしました場合に、今回政府が提案いたしておりまするところの一万六十二円、このうちから特殊勤務手当をとりますれば九千八百四十二円と相成りまするが、この六千八百四十二円が、九月までこの改訂前の場合、或いは昨年の五月、或いは本年の一月というものを基準にとりまして、民間賃金なりCPI上昇度合を考慮いたしました場合に、両者を決して下廻ることはない。従いまして給与水準におきましては人事院勧告を下廻ることにはなりまするが、何とかこの程度給与引上げを以て一般公務の耐乏を願いたいというのが今回の趣旨に相成つております。  俸給表の問題のお話のありましたときに、いわゆる標準生計費の問題と十四級六号と申しまするか、一番上をどうするかということが先ほどのお話にありました通り、極めて大事な点でありまするが、標準生計費の問題につきましては、根本的には人事院計算政府計算いたします場合におきましても殆んどそのままとつたのであります。ただ人事院のほうで標準生計費は四千百九十八円程度であるというような計算に相成つておると思つておるのでありまするが、政府のほうで計算いたします場合におきまして多少これと違いまして、結果は四千円、三千九百九十九円というふうに考えておりまするが、これは主として今回別途御審議を願つておりまするところの税制の関係から生ずる差違でございます。私どもの了解いたしておりまするところで、人事院の案におきましては所得税地方税を合せました場合には二百七十八円程度税負担が起るということに相成ろうかと思うのでありまするが、一応政府計算いたしました場合におきましては、この種標準生計費の適用のあるものにつきましては、今回は所得税はかからない、又は地方税におきましても相当減つて参るという計算をいたしております。  それからなお米価以外の物資につきましても、政府におきまして計算をいたします場合におきましては、百円程度のものでありまするが、一応これを標準生計費の中に算入いたして計算いたしております。さような出入りがございまして、三千九百九十九円というのが標準生計費として考えられる数字ではなかろうか、かような計算をいたしておる次第でございます。  又これを何号の人間にこの標準生計費を適用するのが適当であるかという点でありまするが、この点は人事院の御見解通りどもといたしましても、二級三号程度が適当であろうというふうに考えておるわけであります。先ほども申上げましたように、今回の平間約一千五百円程度引上げは主として財源の関係、又そうした生計費の騰貴、民間賃金等関係から考えましても適当であろうというふうに考えておるのでありまするが、この給与水準実施という点を一応別にいたしました場合におきましては、政府といたしましては人事院勧告趣旨をできるだけ尊重いたすということで、俸給表作成方法につきましては、いわば給与水準が下りましただけ機械的にその調整をいたすという方法とつておるのであります。ただ今申上げました二級三号の標準生計費はこれを下廻ることは許されないという意味におきまして、そのカーブを画きながらも、二級三号の点につきましては四千円に引上げるという措置をいたしておる次第であります。  なおその俸給表の十四級六号は三万三千六百円に相成るのでありまして、これは人事院の先ほどのお話に出ました御調査の中に、民間会社取締役級平均給与額が約三万四千円という結果に相成つておりまするが、ほぼそれに近い結果に相成るという俸給表に相成つておるわけであります。  それから地域給の問題でございまするが、これは去る五月でございましたが、人事院から勧告が出ました地域給に関する勧告、その後多少人事院側におきまして五月以降修正があつたかと承知いたしておりまするが、それをおおむね尊重いたしましてそれをそのままとり入れたい、かように考えておる次第であります。  それから企業官庁職員特別俸給表の点でありまするが、これも人事院勧告趣旨に則りまして、一般俸給表とは違つた特別俸給表を作るのが適当であろうということで、別途御審議を頂きまするところの法律案にはその用意をいたしておる次第であります。  それから年末手当、いわゆる〇・八の問題でありまするが、これも支給実施をお願いいたしたいという趣旨を以ちまして、これは別途これ又法律案の御審議をお願いいたしております。  奨励手当の問題でございまするが、これにつきましては本来企業関係に従事いたしておりますところの工員等給与につきまして、何らか企業にふさわしい特別の給与体系が必要であろうという人事院の根本の考え方には、私どもといたしましてもその趣旨に副いましていろいろと考慮いたしておる次第でございます。ただ奨励手当実施いたすということに相成りますると、特に非現業職員の賞与の問題でございまするとか、或いは特殊勤務手当の問題でありまするとか、或いは超過勤務手当の問題でありまするとか、この奨励手当制度創設と合せ考慮すべき点がいろいろあろう。従いまして今回御審議を頂きまするところの法律案には奨励手当制度創設は織込まず、政府といたしましては、後日適当なる機会に御審議を頂きたい。こういう趣旨を以ちまして、今回の法律案には奨励手当制度は織込んでおらない次第でございます。  簡単でございまするが、政府の御審議を頂こうと思つておりまするところの法律案内容、或いはこれに伴いまするところの予算金額給与水準問題等につきまして概略説明いたしました。
  6. 内村清次

    内村清次君 実は只今人事院からもそれから大蔵省からも説明されたのでありますが、議員の手許には俸給表あたりは来ておりますが、資料は、どうですか。これはどうしたものですかね。予算は衆議院のほうは通つたというのですが、給与法律案というものは出ていますか。
  7. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お答え申上げます。一般職公務員に関しまする給与改正に関しまする法律案は、只今司令部のほうにその了解を取りつけるべく交渉中でございます。いろいろの点に問題がございますが、政府といたしましては可及的速かに提出をいたさなければならない。こういうことで只今交渉中でございまして。速かなる機会にお手許提出をいたしまして御覧を頂けると、かように存じております。
  8. 内村清次

    内村清次君 これは実は毎回政府のほうでは予算通過後にこういう法律案を揃えて来る、これは全く政府の怠慢ですね。これは審議権を国会議員が持つておるのに、審議の対象になるところの、今言つたこれは重大な勧告はもうすでに人事院のほうでは八月にやつておる。而も又それを期待して公務員のかたがたは今日までその政府ベース・アップを望んでおる。こういう事態にまだ給与表が一つもきまつておらない、予算は出たが、その給与法もまだ国会に提出されておらないということは、これは全くの怠慢ですね。こういうことで国際国会の審議というものがなされて行くかということが本当に国民に知られたならば、私は大きな責任問題ができて来やしないかと思うのですが、大体いつ頃事務当局のほうではこれを出される見込がありますか。それから人事院のほうではこれは人事院だけで作つた俸給表というものはここに提出できますか。
  9. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 給与改訂に関しまする法律案提出が遅れておりますることは誠に恐縮に存じます。ただ目下問題になつておりまする点は、只今申上げました一般職公務員俸給表に関する点は事実上解決済みに相成つておりまして、別個のこの給与水準関係のない部門が実は只今多少まだ問題になつておるというのが実情でございます。お言葉の通りどもといたしましても、できるだけ速かに法律案提出を急がねばならないという考え方の下に努力をいたしておる次第でございまして、極めて近いうちに国会に提出ができるというふうに考えております。
  10. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 人事院といたしましては、人事院勧告内容を詳細に資料まで附けまして説明いたしました人事院月報というものを皆きんのお手許にすでにお配り申上げておるのであります。それから又最近申出ました法律に関する意見申出もお手許に差出してあるはずであります。只今お手許にお持ちでないかも知れませんので、早速取寄せております。
  11. 内村清次

    内村清次君 これは今回の講和條約の委員会にちよつと出席いたしましたときに、淺井人事院総裁は給与に関する法律案を近く出します、こういうことを淺井人事院総裁は言つておるようですが、これはどつちのほうから出て来るのが当り前ですか。
  12. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お答え申上げます。法律案提出政府提出すべきものと考えております。
  13. 内村清次

    内村清次君 そうすると実はこれは先国会にも問題になつたことでありましたが、政府のほうが勿論財政的な振り合いをつけて、そうして法律案を出すのがこれは筋であろうかとは思いますが、人事院総裁が近くこれを出すというようなことは、又只今の説明の中におきましても相当ベースの間に齟齬に来しております。人事院のほうでは別の即ち案を提出いたしまして、そうして相当これは問題になつた経緯もあるわけでありまするが、人事院のほうとしてはすぐに勧告をした線というものは、現在の物価の情勢の間において生計費に及ぼすところの現在の給与は、やはり勧告の線が正しいものであるというところで、現在の政府の将来におきまして対立的な案を提出するというような肚組みができておるかどうか。
  14. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 人事院は先ほど御説明申上げましたように、本年五月の水準につきましては、平均的に申しまするならば一万一千二百六十三円、こういう水準が適当であるというふうに確信いたしておるのであります。従いまして先ほどお話がございました人事院総裁がこの法律案提出をいたすというようなことを申したということは、それは人事院は直接国会に対して法律案提出する権限はございませんが、ただ人事院勧告を実現するためにはどういうような法律案にして頂いたらよろしいかということにつきまして、これは内閣総理大臣並びに衆議院、参議院の議長に対して申出る権限があるわけでありまするから、その法律案はこういうふうにして頂きたいという意見申出を去る十月十八日にいたした次第であります。
  15. 内村清次

    内村清次君 人事院のほうでは、今回のベース水準を五月を基礎として標準生計費を設定したということを言つておられますが、これは昨年の勧告のときからすでに数カ月ならずしてこの生計費に及ぼす物価のパーセンテージは五%を超したはずであります。そこで今年五月の水準を出した際におきまして、先年のベース改訂勧告をせられましたときどれぐらいの物価のいわゆる高騰がなされているか、生計費に及ぼすところの高騰がなされているか、この点の御説明を願います。
  16. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 人事院勧告をいたします際には、例えば昨年の五月を基準といたしまして、その後物価がこの程度上昇しておる、従つて給与というものはこの程度上げるべきであるというような見解はとつておりません。即ち本年の五月の標準生計費は一体幾らであるか、こういうことを基礎計算いたしておるのであります。念のために申上げまするならば、昨年の五月におきまして標準生計費というものは三千三百四十円でございました。我々が極く最近、即ち本年の五月に出しました計算によりますと、四千二百円が適当である、こういうふうに考えておるわけでございます。従いました人事院は本年五月の標準生計費、尤もこの中には八月一日に改訂された主食の価格の改訂は含まれておりません。この四千二百円を基礎として作りました俸給表というものを勧告いたした次第でございます。
  17. 内村清次

    内村清次君 これは私も少し異なことを聞いたわけですが、公務員法のこれは二十八條でしたかこの中には五%の生計費の増減のあるような物価改正をしたときには、人事院勧告しなければならん、政府及び国会に勧告しなければならんという法律規定があつたはずですよ、これによつてやはり勿論あなたのほうでは例えば物価庁の出したところの物価の変動というものが五%になつた。併しながらこれにはやはり水引の点もあるであろう、それには又人事院の権威も考えて、民間の賃金の状態もこれは調べなくちやならんだろう。こういうようなことで総裁はここで答弁されておつたわけですね。そういうようなつまり法律に基いて勧告というものがやはり随時なされなくてはならない。併しながらあなたのほうではただ一年間の状態をみて、現在の物価情勢の点におきましては、単身が四千二百円が大体標準生計費だ、こういうようなことで出されるということは、全然その基礎の観念が私は誤つておりはしないかと思うのですが、どうですか。それでいつでも時期的に遅れてしまつておる。
  18. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 公務員法の二十八條には、「情勢適応の原則」というのがございまして、これで人事院が五%以上俸給表を上げ下げする必要があるというふうに認めた場合には、速やかに勧告をするという趣旨のことが書いてございます。俸給表を五%以上上げ下げするということになりますると、この俸給表を作成する基礎になつておりまする標準生計費並びに民間給与民間給与一般民間給与ではございません。人事院が今やつておりまする職種別、職級別民間給与調査、こういうものの結果に基かなければ的確な判断はできない、こういうことになろうかと思うのであります。従いまして人事院物価庁で出しておりまする統計でありますとか、或いは統計局で出しておりまする消費者価格調査、CPS、CPI、こういうようなものを勿論参考には見ておるのであります。併しそれに頼つて、それが五%上つたから俸給表のほうも五%上げるということを機械的にはやらないのであります。我々は昨年から、只今申上げましたように一番基礎になりますものは標準生計費でございまするから、昨年の五月に計算いたしましたところによりますと三千三百四十円であります。これが六月には三千百七十円に下つておるのであります。七月には三千五百四十円、八月には三千三百五十円、九月には三千四百三十円、十月には三千四百九十五円、このときに五月に比べまして約四・六%こういう上昇になつたのであります。従いまして、これは大体機械的に申しましても、五%に近い数字でございますから、その頃から準備を始めまして、そうして本年の三月に民間給与調査も行なつて見る、こういうことをやつた次第であります。又標準生計費は昨年中はカロリーの増減がありませんでした。一応一定したカロリー計算いたして参つた次第でありまするが、本年になりましてこのカロリーの増加ということもあつた次第であります。従いまして我々はそういう我々が端的に俸給表作成の場合に基礎にいたす数字から的確に判断した次第でありまするが、それによりますると、大体それでも必要があるというふうに感じたときに俸給表計算基礎になる資料を作成するということを迅速に開始した、こういうことになるのであります。
  19. 内村清次

    内村清次君 人事院のほうではどうですか、今回の一万一千二百六十三円の勧告で現在の公務員定員についてどれくらいの財源が必要であるかということの見通しはされておりますか。
  20. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 一万一千二百六十三円にして頂きまするならば、予算の増加分は、政府機関の一般会計におきまして九十八億円程度増加になるのではなかろうか、又特別会計におきまして九十六億円程度増加になるのではなかろうか、従いましてそれの合計で百九十四億円、この程度の増加になろうというふうに考えております。尤もこの予算の推論ということになつて参りますると、人事院は十分こういうことは専門でございませんから、まあその数字は的確だというわけには参らんかも知れませんが、大体の概算でございます。それから政府関係機関、これは人事院が申上げることではないかも知れませんが、一応計算いたして見ますると、政府関係機関で国鉄とか専売その他を含めまして、やはり九十三億円ほど必要となるのであろう。又地方公務員のことまで言うべき限りではございませんが、これが三百二十億円くらいかかるのではなかろうか、従いまして、総計で年間を通じますと六百七億円くらい増加になるのではなかろうか、こういうふうに思つておる次第であります。
  21. 内村清次

    内村清次君 それから五月基準での標準生計費をきめられておりますが、これには先ほどの説明では米価の借上りは考えていないということでありますね。ところがその後物価はこれは漸騰の形になつております。勿論ガスも上つた。電気も上つた。或いは又運賃も上つた、こういう現状ですね。やはり人事院のほうでは操作が続けられておると思いますが、あなたのほうからは八月にこれは改訂すべきだという勧告になつておりますが、その後の物価上昇のパーセンテージはどれくらいになつておりますか。
  22. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) その後の物価上昇ということも勿論我々のほうで研究をしております。併しながら今回主に上昇いたしまするものは、電気でありまするとか、ガスでありまするとか、或いは鉄道料金、又郵使料金、こういつたものが主に上るわけであります。そういうものまで上つたといたしまして、どれくらい家計に影響があるだろうかという計算をして見たのであます。我々の計算によりますると、おおむね四・二%くらいそういうものが家計費に影響するのではなかろうかというふうに考えております。又最近大分確定的になつたようでございますが、勿論国会の御審議ののちに決定になることではありまするが、減税というものも、今政府案として伝えられるところが若し実現いたしまするならば、これは平均的に四・七%くらい家計費の支出が下るのではなかろうか。従つて両者をかみ合せて見ますると、おおむね減税ということで賄い得るのではなかろうか、尤もこれは収入階級によりまして違いがあるわけであります。従いまして、そういう点まで考慮して見ますると、大体上のほうでは減税の影響が大きいのであります。ところが下のほうになつて参りますると、二級三号という辺は四千二百円というようなことで、特にこれは民間一般的な給与水準よりは高く押えてございまするから、従いまして、おおむねこれは均衡がとれておるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。で、物価も現在八月頃まで各種の経済指数によりまする指数が出ております。そういうものを見てみますると、少しずつ上つておるという事情はあるのでありまするけれども、併しそれは只今申上げましたようなものが全部織り込まれてそういう指標に出ておるものだろうと、そういうふうに考える。従いまして、現在我々は一万一千二百六十三円の勧告を直ちに又改竄して、もう一遍勧告しなければならないというような事情は認めていないのであります。
  23. 内村清次

    内村清次君 この地域給の問題ですが、第一次勧告はなされた。政府のほうでは、今法律案もどうも手遅れになつているようですが、予算だけは組まれたというお話がある。そこで第一次勧告後の各地の要望というものが相当熾烈に、その調整関係におきましても、或いは新規にこれを認めてもらいたいという関係においても、これは人事院は耳の痛いほど聞いておられるはずでする。この予算額は含めて又第二次勧告でもやられて、それをひつくるめて国会のほうに持つて来られるというような手はずでありますかどうか、この見通しは。
  24. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 人事院は、先ほどちよつと私申上げるのを落したわけでありまするが、十月の十八日に給与法をこういうふうに改正してもらいたいという意見申出でをしたわけであります。その中にはおおむね去る五月の十七日でしたかにいたしました地域給改訂区分をそれをおおむねあれと殆んど同じものをして頂きたいというふうに申出たわけであります。尤もその中で、従来人事院がやります前に官署指定ということで、特定の官署に地域給を付けられたということがあるわけなんであります。それを人事院は一応別表の中に皆盛り込みまして、その官署のありまする字を、村ということでなしに字というようなことで書き上げたわけであります。ところがこれは十分説明すればわかつて頂けるわけでありまするけれども、卒然と別表だけを御覧になりますると、まああの県でどうしてあの欠のあの字だけが地域給支給対象になるのであろうかというような一般的な疑念があるわけです。我々はこの従来地域給をもらつておられた所はやはりまあもらわれるのが適当であろうという一つの方針に従いまして、そういうことを一応考えたわけでありまするけれども、併しこれは非常に疑念を生じまするから、従いましてそういう字は一応別表の中から消しまして、そうして従来通り官署指定というものをして頂きまして、例えばそういう官署は人事院規則によりまして指定して行く、こういう方法にやらして頂きたい。こういうまあ意見申出をしておるわけであります。それにいたしましても、十月の十八日に申出ました意見では、去る五月の十七日にいたしました地域区分の勧告通りになつておる次第であります。その後の問題をどう処理するか。勿論人事院は法律によりましても、絶えず地域区分につきまして研究を続けなければならないということになつておりまするから、そのつもりで勉強しております。併し今直ちにこれに追加して勧告するという段取りまではまだ結論を得ておりません。  現在事務的にも相当程度結果をまとめておるのでございまするが、これは近くまとまる予定であります。従いまして、これは恐らくは遅くも通常国会までにはこの追加いたしまする地域勧告を申上げる段取りになるというふうに考えております。
  25. 内村清次

    内村清次君 大蔵省のほうに聞きたいのですが、その人事院のほうから勧告をされました地域給の問題については、そつくりそのまま一つ予算措置をするというようなお話でありますが、今回の第一次勧告の分の予算額と、それから今政府が出しております予算額との間には幾ら予算上の余裕があるかどうか、この点を明確にしてもらいたいと思います。
  26. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お答えいたします。先ほど地域給の問題につきまして申上げましたのは、去る五月でありましたか出されました地域給に関する勧告は、政府といたしまして、そのまま実行できるように予算の中に織込んでおるという趣旨のことを申上げた次第でございます。目下人事院で御研究中の今後の勧告にかかる分につきましては、人事院勧告内容を十分拝見いたしまして、改めてその際如何いたすか検討いたしたいと思います。  それから予算に余裕があるかというお尋ねは、ちよつと或いは趣旨を取違えたかもわかりませんが、今回の平均千五百円給与引上げの中には、去る五月の地域給改訂に関する分を実施する財源を含めたものが一千五百円と相成つた次第であります。五月の地域給与改訂に必要な財源の分が千五百円の中に入つておると、さようなわけでございます。
  27. 内村清次

    内村清次君 委員長もせいておられますからこれでしまいますが、最後といたしましては、大蔵省のほうの法律が出ないと、勿論私たちはこの大蔵省ベースアツプに対しては不満です。こういうようなことで常に大蔵省が折角の人事院の機能を抹殺するような方法給与をきめて来られるということに非常に不満があります。何分政府のほうではこれを出して来ておられないいわゆる号俸の比較もできない。こういうことでは議員といたしましては、推測の下にいろいろ質問しても何にもならないことであつて、これは強く一つ委員長からも折角こうやつた予算の予備審査といたしましてお互い研究しようということで、政府説明を聞こうとする機会において、資料も出て来ないという状態ではこれは議員侮辱も甚だしいですよ。この点は注意して頂きたいと思います。
  28. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 人事院勧告基礎は標準生計算費であつて、而もその標準生計費基礎になるのはカロリーであつて、今回の場合は二千三百三十六カロリーだそうでございますけれども、そのカロリーは一体何からとることになつているのでしようか。と申しますのは、同じくカロリーと申しましても、数字の点では同じ結果になりましても、やはり含水炭素からとる場合と、脂肪や蛋白質からとる場合ではお金の面では随分違います。脂肪は御存じの通り一グラムの中にカロリーが九・三含まれておりますし、蛋白質それから含水炭素の中には一グラムの中に四一カロリーした含まれておりません。同じ含水炭素の中からカロリーをとるのにいたしましても、お米からとる場合と「いも」からとる場合と、お金の面が随分違います。又蛋白質からとります場合に、牛肉からとる場合と大豆からとる場合では随分違いますが、一体食物はどういう食物からとるようになつているのですか。
  29. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) お答え申上げます。  只今お手許に差出しました第十七号の人事院月報でございまするが、それの第九ページをお開き願いますと、そこに成年男子一人世帯マーケツトバスケツトというものがございます。このマーケツトバスケツトが、即ち只今申上げましたようなカロリーをとりますための品目でございます。こういうふうになつておりまして、特に二千三百三十六カロリーさえとれば、よろしいと、従つて成るベく安いものというようなことで、このマーケツトバスケツトを作つておりませんので、これは先ず経済安定本部で作られておりまする食糧バランス・シートというものがございまして、これで大枠があるわけであります。幾らいいものを食おうとしてもやはり国民の配分量に従わなければならないわけでありまするから、それによりまして、大枠がきめられておるわけです。その中は厚生省の栄養調査でありますとか、或いは内閣統計局でやつておりますCPSの調査でありますとか、そういうもので非常に多く皆さんが消費されるような食品をとりまして、そういうもので標準的なマーケツト・バスケツトというものを作つておりまするから、これでまあカロリーにいたしましても、或いは蛋白にいたしましても、脂肪にいたしましても、これは国民的な平和的なものがとれるというふうにマーケツト・バスケツトは作つたわけであります。
  30. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 給与局長にお伺いいたしたいのでありますが、人事院の浅井総裁は更に又山下人事官も常に申されていることは、給与勧告するに当つては、人事院としては、公務員の立場も考え、政府予算的な方面も考え、両方満足ができるような線を勧告の線として打出すことに常に苦慮しており、従つて勧告案を出すに当つても相当に努力を要するし、時日も要するのだということを常々言われておるわけでございます。従つて勧告案に出されたものについては、使用者側に立つ当局も、更に使用されるところの公務員も、共に満足して必ず実施されるという信念の下に、人事院は常に置かれているように我々は了承して行つているわけでございます。ところが今度の政府給与法案によるというと、おおむね千五百円のベース・アツプも人事院勧告に遠ざかること大きいのでございますが、こういう場合にですね、現在官公労組では人事院勧告というものを一応呑んで、それを是非とも実施して欲しいという、こういう態度に一般には出ておるように私了承しております。ところが政府側はこれを受入れない。こういう場合にですね、こういう計数を算出した事務当局の局長、更には人事院としては、公務員のほうはこの勧告を涙を呑んで了承しておる、ところが政府側は必ず受入れるべく信じて勧告した人事院勧告を受入れない、こういう場合、政府に対しては、どれだけの努力をされて来られたかどうか、その点を承わりたい。
  31. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 浅井人事院総裁が申上げたということは、この納税者たる国民が、その程度であるならば、これはきつと不足は言われないだろうということを浅井人事院総裁は申上げたのであります。即ち人事院計算いたしましたものは、国民一般生活水準より上の生活水準公務員に得ようとか、或いは民間一般的な給与水準よりもより高い給与水準公務員だけに与えるというようなことは、何ら考えておりません。生活水準国民一般も、一般並みであつて、又給与水準民間と同程度ということで打出しておるのでありまするが、これは納税者といえども不足は言わないだろう、こう申しておるわけであります。勿論政府側に対しましても、我々が計算いたしました基礎等におい、十二分に説明いたしておるという次第でありまして、この上は国会でやはり人事院勧告というものが正当であるということをお認め願つて、そうしてこれが行きまするように、お願い申上げたいというふうに思つております。
  32. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 数字はその通りであるが、人事院としてもう少し腰を据えてやるだけの決意はありませんか。もう少し極端に言えば、人事院人事院設立の経過から考えても、更に人事院で作業をして来るところの態度なり、或いは政府の態度なり勘案したときに、人事院の存在価値というものをはつきりと意識されるなら、ゼネストでもしてこれに対処するくらいの決意がなければ、現在の政府人事院勧告なんか受入れるわけはない。それだけの決意があるかないか。給与局長にお尋ねするのは御無理かと思いますが、どの程度の決意を持つておられるか、それを先ず承わりたい。
  33. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 人事院は、人事院計算いたしました基礎につきまして誠意を以ちましてあらゆる機会に、政府側並びに組合側にも、この正当性ということを御認識下さるように十二分に説明いたすということにつきまして、今までも努力して参りましたし、今後もいたしたいというふうに思つております。
  34. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 次に大蔵省の主計局長にお伺いいたしたいのでありますが、政府としては人事院の計数を科学的に認めるのか、認めないのか。若し認めるならば、認めるが財政上止むを得ずこういう線を出したのか、その点はつきりと承わりたい。
  35. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お答え申上げます。先ほども簡単に御説明申上げたと存じまするが、人事院勧告内容は十分尊重いたしております。ただ例えば標準生計費の問題でございますると、人事院計算しておられますることは大体その通りと考えておりますけれども、例えて申しますれば、主食以外の物資につきまして或る程度その後やはり値上りを見込むべきであろう、政府の提案いたしておりまするところの税制改正によりますれば、この程度税負担が軽くなる、人事院勧告せられました当時におきまして、又そのお立場は極めて自然又当然の御勧告でも、政府といたしまして、政府の施策に伴いまする部分につきましては、人事院勧告を十分尊重いたしつつも、更に一応の検討を加えるということは政府として許されることであろうと存じております。又人事院勧告を尊重しつつも、全般の財政状況その他からこれは更に考慮を加えるということも許されることであろうと存じております。
  36. 東隆

    理事東隆君) 矢嶋君に申しますが、大分この問題で時間をとつておりまして、あとにまだ行政整理関係のもありますから、簡単にお願いします。
  37. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 少しぼかされたのでありますが、私がお伺いいたしたい点は、人事院の計数というものを政府は認めるのか。若し認めないならばその計数で誤りがあるという点が少しでもあつたならば、それらの点については人事院政府側とはその究明に共にデイスカツシヨンをやつたのか、或いはやられるのか、その点を私は伺いたいのであります。
  38. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 人事院計算は非常に精細なる基礎の上にでき上つているのでありまして、私どもといたしましても敬服するところは勿論十分あるのであります。只今も申上げました通りに、その後の状況変化等に伴いまして、更に検討を願う点があれば検討すべきであると考えております。人事院の当局と特に大蔵省とは接密なる連繋を以て事務を進めております。
  39. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 次にお伺いいたしたい点は、大蔵省は、地方公務員国家公務員よりも給与が高いという結論を出されているようでありますが、どういうふうにして結論を出されたか、その経過並びに結果を要点だけ承わりたい。
  40. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 先般地方財政平衡交付金の問題につきまして御説明をこの席から申しましたときに、一応申上げたのでありまするが、従来国家公務員と地方公務との給与の間に、給与を決定するに必要な過去の経験年数でありますとか、或いは学歴でありますとか、そういうことは十分計算をいたしまして、いわば同一の基礎の上に立つて計算をいたしました場合に、地方公務員のほうが割高ではなかろうかということを政府といたしましてはかねがね考えておつた次第であります。従いまして先般地方財政委員会と協力をいたしまして、全国のうち約七万人につきまして個人別にそれらの点につきまして詳しい個人別の調書の提出を願つたのであります。一例を申上げますと、府県庁につきましては課長以上は全部出してもらう、それから係長、係員につきましては、それぞれ一課三人程度出してもらう、又小中学校等でありますると、各学区ごとに百人程度出して頂くというような標準を設けまして、そのサンプルのとり方は各地方団体にお任せをいたしまして、誰を出すかということは各地方団体にお任せをいたしまして、約七万人ほど御提出を願つたのであります。数は少うございますが、御承知の通り給与は、同じ役所でありますれば相互のバランスの問題が極めてやかましい問題でありまするので、一応各階層を或る程度つておけば、それで以て全体を推計してもそう大きな誤差は出ないであろう、こういう考え方を持ち、かたがた経費の関係もありますので、七万人程度を取つたのでありまするが、その結果私どもの一応の結論といたしましては、相当割高であるということに相成つた次第であります。従いましてその結果を地方財政委員会を通じまして、今回政府の一応考えましたいわゆる切替えた基準給与の決定基準、各府県ごとに現われました結果を都道府県にお示しをいたしまして、若し政府計算に間違いがあるならばお教えを願いたいということで、只今再検討を願つているわけであります。一応出ました結論におきましては、国家公務に比べまして従来相当割高であつた、かような結果が出ております。
  41. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 その割高というのは何ぼ割高です。
  42. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 府県の一般職員につきましては、平均的に申上げて四百六十二円、教育職員につきましては三百七十五円、市町村職員につきましては五百七十六円程度割高になつているという結果に相成つております。
  43. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 現在中央公務員においてはそれぞれの役所で、一人当り、事務費と称するものを六千円見当でありますか、何ぼか計上しているわけであります。この事務費というのがいろいろの場合に分けてと申しますか、流用、転用されて本人に現金となつて入る場合がかなりあると見ているのです。地方の公務員の場合には、地方公務員は地方のそういう役所でそういう事務費と称するものは、平均何ぼ計上されているかという点を一つ伺いたいと思うのです。
  44. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お答えいたします。地方団体におきまして、いわゆる一人に伴う基準的単価をどの程度組んでおられるか、私たちの立場では的確にわかりませんが、聞くところによると大体国家の予算の組み方に準じて組んでいるというふうに大ざつぱには承知しておりますが、詳細についてはよくわかりません。
  45. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 その辺が重要な問題で、大ざつぱに堂々と言われておりますが、我々の承知しておる範囲内では、かなり地方のほうが事務費と称するものが低いのであります。こうした点において実質収入においては相当の開きがあると、逆に地方のほうが少いという声を地方自治団体からは聞くのでありますが、その辺を正確に調査を仕上げてもらいたいと思います。    〔理事東隆君退席、理事櫻内義雄君委員長席に着く〕
  46. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 私ども国家公務員につきましても、地方公務員につきましても、事務費のたぐいは、実質上給与に代つて使われるというごときことがあつてはならない、かように思つております。それから地方財政予算調査でございますが、手許にございます資料でまとめますれば、資料提出いたしますが、御承知の通りに、大蔵省は直接地方財政調査をいたしたことがございませんので、私どものほうから地方財政委員会に連絡をいたしまして、どの程度のものができますか、調査をいたして見たいと存じます。
  47. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ついでにもう一点だけ政府に伺つておきたいと思います。今次長のほうから承わつたのでありますが、私は地方公務員国家公務員に比しての給与を、理論給与と実体給与の両方から考えるときに、どうも納得できぬところがあるのですが、従つてこれを私は納得できる程度資料として、はつきり調査方法なり、その出て来た数字資料として出して頂きたいと思うのですが、頂けるでしようか。
  48. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) できます程度資料でございますれば提出をいたします。
  49. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 もう二点、すぐ済みますから。先ほど人事院給与局長は、先の質問者に対してこういうことを答弁されたのでありますが、即ち十一月以後、例えば郵政関係或いは鉄道関係というものが値上げになつた、それらの影響を考える場合に、減税で大よそパーになるということを申されたのでありますが、免税点以下のほうは減税が響かないので、我々の考えでは当然物価高だけ苦しくなる、こう考えるのでありますけれども、それに対して給与局長は先ほど、給与体系民間給与に比して下のほうを厚くしてあるから、やはりパーになる、こういうような答弁をされたようでありますが、一体官公労の給与表において、下のほうが民間給与よりどの程度に厚くなつておるから減税の影響を受けなくても、而も一部特別会計のほうが値上げになつても依然としてパーとなる、こういうふうに主張されるのか、その点承わりたいと思います。
  50. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 免税点以下の者がどうなるかという点につきましては、現在我々が調べて見ました結果によりますると、東京におきましても、又勤務地手当のつかない地域におきましても、おおむね免税点以上でございますから、免税点以下というものがないわけであります。従いましてそういう点の免税点以下が残されるから不利になるのではないかというようなことにつきましては、事実そういうようなものがないように我々の調べの結果はなつております。それから下のほうが厚くなつておるからパーになるというように的確に申上げたのではないのでありまして、民間給与調査の結果から出ましたところよりも、二級三号を四千二百円と抑えますことで高目にしてある、こういうことを申上げたのであります。従いまして的確にそこのところがパーになるというふうにはつきり計算をいたして申上げたというわけのものではございません。大体そういうことになるであろう、こういうふうな民間給与調査平均というものを標準に申しまするならば、大体その辺をカバーできるはずである、こういうことを申上げた次第であります。
  51. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 もう一点、給与局長にお伺いいたしたいのは、先般の地域給勧告、いわゆる五月勧告の今度法律案として政府から国会に提案されたのに、さつきお話になつた字が落ちておる。これを人事院規則でやられる、こういうことを申されておりますが、少し小さいようでありますが、具体的に問題を取上げた場合、その字には丁度国家公務員が勤務しておるような官公署があるが、地方公務員が勤務しておる、例えば役場とか学校というのは、その字の隣りにあるというような実情が起るかと思うのでございますが、そういうのはどういうふうにお考えになつておるか、その一点と、もう一点は、先ほど五月勧告を若干修正追加する意味において、通常国会には遅くとも地域給の件について勧告が行われるであろう、こういうことを答弁されましたが、その実施の時期はいつ頃と、人事院としては予想しているのか、その二点について承わつて、私の質問を終ります。
  52. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 五月の勧告におきまして、或る特定の、従来、地域給をもらつておりました官署のある定を指定したわけであります。その中に地方の官署、例えば学校でございますとか、役場というものがあるかもわからんということになる、この問題を、今後どう取扱うかということは、これは非常に大きな問題で、我々としましても、慎重に考えてみなければならないというふうに思つておるのでありますが、いわゆる字を指定をいたしました趣旨は、従来、地域給をもらつておりましたところの官署、そういうものを隠しておかないで、表面に出すということが趣旨であつたわけでありまするから、それが主体になるものであろうというふうに考えるのであります。で、現実に人事院勧告をいたしましたけれども、それが未だ実施されておるわけではございませんので、我々は成るべくその字というものは、従来そういうものがそういう所にあります官署で地域給のついておつたものの実績を保持するという趣旨であつたわけでありますから、たまたまそこにあつたほかの官署にまでそれを及ぼすということは、これは余ほど問題があるのではないか、この問題は今後十分考えてみなければならないというふうに思つております。それから勧告の時期でございまするが、時期等につきましては、私から、人事院の方針ということをまだ詳細に承わつておりませんので申上げかねると思うのでありますが、これが先ほど申しましたように、通常国会には出るであろうということは申上げられると思います。
  53. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それは実施の時期ということを予想して勧告しようとしているのかということを伺つておる。
  54. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 実施の時期は、成るべく早いほうが結構だろうというふうに思います。従いまして、この問題はどうも今のところ我々は何とも申上げられないのでありますが、でき得れば来年の一月一日からにでもできるということになれば非常に結構ではないかというふうに希望しておる次第であります。
  55. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 人事院に先ずお尋ねしますが、成年男子標準生計費四千四百九十円、東京都、これの食費が二千五百円、それを一日当り食糧費に入れると八十二円二十銭ということになつておりますが、これはまあ先ほどの御説明で、マーケツト・バスケツトと、そのときの時価によつてお見積りになつたのでしようが、計算的には八十二円二十銭と出ておりますが、実際の、現在公務員諸君が生活している態様、特にまあ我々自身の生活経験等々から考えて、八十二円二十銭というので、一日の食糧費として足りると、平均的に……、こういうお感じを持つておられるかどうか、先ずその点を。
  56. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) この八十二円二十銭と言いますのは、マーケツト・バスケツトから計算した数字でございます。国民一人当り攝取いたしまするカロリーというものに従いまして、即ち平均的な、国民として上でもなく、下でもない、平均的に攝取をするといたしますれば、八十二円二十銭となる、こういうわけであります。
  57. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 私が聞いているのは、計算的には成るほど八十二円二十銭として出るのですが、出たその数字を改めて、直接の経験として振返つて見たときに、余りに現実離れのしている数字という感じはないかどうかという点をお聞きしたい。
  58. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) この問題につきましては、私は、私の感想を申上げることは差控えたいと思うのです。ただ国民的な標準に従いまして計算いたしますれば八十二円二十銭になる。
  59. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 じや、この問題は水掛論になりますから次に移りますが、人事院ではいつも五月をとつておられるのですが、これは季節的な変動その他を考えれば、ここにも季節的な変動の表、数字が出ておりますが、大体において五月という月はむしろ平均的な月ではなくて、一番低位な月じやないか。特に主食については別として、それ以外の副食物については、大体日本の現在の価格情勢では五月というのは最低ではないか。そうだとすればその最低を、適当に季節的な調整をやるべきだと思うのだが、その調整はできているかどうか、その点をお伺いしたい。
  60. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 今御覧頂いております表は、恐らく十一頁の表であろうと思いますが、消費水準における変動がございまして、成るほど御指摘のように年間を一〇〇といたしまするならば、五月はそこに示しておりますように九六・八というような数字になつておりまして、多少低目であるということは御指摘の通りであります。併しながらこの問題は、十二月という異例な月に一三四、一三五というような数字になりまするので、そういう異例な月を除いて考えまするならば、五月という月は平均的な数字であるというふうに考えてよろしいというふうに我々は思つております。
  61. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 その十二月平均を作られる場合に、十二月は非常に異例だとして除かれているのですが、平均をとられる場合、如何に異例なものであろうともそれを入れてなさなければ本来の意味での平均にならないのではないか。というのは十二月といえども公務員諸君は生活をしなければならないのだし、そういう点から十二月を強いて除いて平均とつておられるのかおかしくないかと思いますが、その点はどういうふうに……。
  62. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 十二月という月は、これは異例な月でございまするが、先ほども申上げましたように、我我は、十二月という月は特例の支出がある国民的風習がございまするので、この民間等におきましても、賞与というようなもので支給されておりまする実情がありまするので、特にこの年末、即ち特別手当といたしまして、年末〇・八カ月分、普通の給料計算基礎になつておりまするもの以外に、そういうものを頂きたい、こういうことを申上げているわけであります。
  63. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 その次には、食糧二千五百円に比較しまして、その他の経費が、被服費光熱費住居費等々が上つているのですが、それらを加えて四千四百九十円、仮に税を引いて考えれば三千五百九十二円となるかと思いますが、三千五百九十二円の生計費の中で、食糧費が二千五百円占めるという生活態様は、一体標準的な生計費と言えるのかどうか。エンゲル系数その他からいえば、最低生活費にも、最低生計費にも満たないようなものになるのじやないか、そういう感じがするのですが、その点は人事院はどういうふうにお考えになりますか。
  64. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 食費が二千五百円といいますのは、これは東京の計算でございます。東京の計算によりますると、食費まで見込みまして全体が四千四百九十円となるのであります。今御指摘の三千五百九十二円というものは、東京に二割五分の地域給がつく、即と二割五分の地域給が東京についたときの価でありますから、それより二割五分低いところでは、この生計費は三千五百九十二円でよろしい、こういうことになろうかと思うのであります。従つて四千四百九十円のうち二千五百円というものが、食費が非常に多いということを御指摘ならば、これはどうも止むを得ないことでありまして、日本の全体の生活水準が低い現在におきまして、このエンゲル系数というものが五を超えているというようなことは、誠にどうも工合の悪いことであろうかと思うのでありますが、併しこれは国民水準平均だろうということでございます。
  65. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そういう意味ならば、国民平均なんだという意味であつて、我々が普通標準生計費とか最低生活費とかいう観念とはおのずから違つたものだというふうに考えておいていいのですか。
  66. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 標準生計費というものを、どういうふうに定義するかということにかかろうかと思うのでありまするが、我々は現在の日本の国におきます、即ち日本の食糧需給計画の範囲におきまして、そういうところが平均的なものが取れるということを一応基礎にいたしまして、そうして作られたものを標準生計費というふうに呼んでいるのであります。
  67. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうすると、もう一遍重ねてお願いしますが、ここに出されている標準生計費なるものは、税込の四千四百九十円のうちに二千五百円の食糧費を含んで、非常に食糧費の比率が高いので、エンゲル系数その他からいえば標準といえども、生活態様としては非常にみじめなものだということだけは一応お認めになりますか。
  68. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) それはまあ表現の問題でございまするが、この食費が全生計費の中におきまして三・五とかいうふうになつておりますると、非常にいい生活であろうというふうには考えます。それから又従来いろいろな人が言つておりますが、エンゲル系数の程度において生活態様は、十分か、或いは不十分であるか、或いは困窮の程度であるというようないろいろまあ種々分類があるようでございまするが、そういうものに当てはめて行きますと、余りいい生活とは言えないだろうというふうに思います。併しこれが現在の日本の実情であるというふうに考えます。
  69. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それから食費以外の、例えば被服費光熱費住居費、雑費等の八千五十八円水準の場合と、新給与水準の場合とを比較する場合に、光熱費だけは別ですが、それらのものは殆んど値上りを来たしていないのですが、これはこの間の、この期間の値上り率を考えると、非常に低いものになつていると思うのですが、そういう意味では食費はまあ千八百七十三円から二千五百円に上つているのに、その他の費用においては価格的に上つていないということは何を意味するのか。
  70. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) この標準生計費の中におきまして飲食物費はいわゆるマーケツト・バスケツトというものによりまして算出しております。そのほかのものにつきましては、これはCPSから一人世帯の場合を推定いたしまして、そういう統計資料から算出して使つておるのであります。ところで現在CPSの平均世帯というのは大低四人乃至五人の間に大体ございまするが、まあ四人とか五人というふうにかつきり数字は出ておりません。四・二人とか四・三人、こういうふうな数字が出ております。内閣統計局で行なつておりますCPSを仮に一人世帯、二人世帯というふうに分類いたしまして、そうして費目別に、一体どういうふう平均金額になつているかというようなものを算出して見ました。それを今度又数学的に補正して見まして、そうして四・二人の場合の数字がどうである、一人世帯の場合はどうであるというふうな換算計数というものを作らなければならないわけであります。八千五十八円のときに使いました換算計数というものは、従来余り統計が十分でありませんために、少し粗雑なものであつたのであります。今回はその点は十分注意いたしまして、更に信頼し得るような、即ち第十頁に第八表として掲げておりますような換算率表というものを十分研究して作つたのであります。この換算率表、即ちCPSの現実の調査に適応いたしまして機械的に算出した結果、従来のものをいささか計数上の違いがあるというように考えております。
  71. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 私のお尋ねしたいのは、そういう計算上の違いもさることながら、より正確になつて、こういうふうに引下げたというだけでなくて、CPS自身が過去の生活生計費の暴騰のために、食糧費に相当な部分をとられて、そのために食糧費以外のものは、むしろ数量的に消費水準が引下げられているのだ。そこで価格は非常に上つているにかかわらず、数量的に引下げておるから、両者の総乗積としての結果は、例えば被服費として以前は三百七十円であつたものが三百九十円になつているのだ。そういう意味で対比すれば、前の水準に比べて現水準は非常な消費水準の引下げになつているのじやないか、その点をお尋ねしているのであります。
  72. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 御指摘の点につきましては、これは内閣統計局あたりでやつておりまする消費水準指数というものが出ているわけでありますが、こういう指数から見ますると、昨年の五月を基礎にいたしまするならば、本年の五月には九六・八というふうな数字が出ておりますから、御指摘のようなことは幾らかあるかと思います。併しながら本年七月には一〇三・一というような数字になつております。又八月は九七・二というような数字に落ちております。この辺の割合は数字的に多少動いておりますが、御指摘のような点は幾らかあると思いますが、この消費水準というものは昨年の五月以降大体同程度に保たれているのではないかというふうに考えております。
  73. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 幾らかという程度で済むならばいいのですが、例えば被服費は去年の五月が三百七十円であつたものが三百九十円になつておる。この間の被服費の値上りというのは御承知の通りのことであります。その他雑費についても九百九十円が千円になつて十円だけしか上つていないというようなこと、この間の雑費と称せられるものの内容の費用は相当に上つていると思うのであります。そういう意味から見れば、やはり消費分量が下つたために、ただ計数的にこう出て来ている。この点は非常に生活水準の引下げであるということをやはりはつきりと正確に一つ認識して頂きたいと思うのであります。そこでその問題については、大体そのくらいにしておきますが、それでは現在の公務員平均給与をば、人事院のほうでは大体どれぐらいと見ていらつしやるか、現在のベースは……。
  74. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) この給与水準と申しますか、平均的な給与と申しますか、我々人事院給与水準というものに、余り重きを置くことはどうかというふうに思うのであります。俸給表自体が問題であろうと思うのであります。併し一応これが目安になることでありまするから、我々が計算しているものを申上げまするならば、現在のベース、現在の俸給表で申しますならば、人事院が推定いたましたところによりますると、八月一日では八千四百七十七円ぐらいになつているだろうというふうに考えております。
  75. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 八千幾らですか。
  76. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 八千四百七十七円でございます。
  77. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 その点でちよつとお尋ねしたいのですが、お示しになつた六頁によりますと五月くらいだと八千八百一円、公務員平均給与額が八千八百一円、それから三十頁の予算から見て平均をお出しになつたときには、その三十一表に書いてあるように、職員の基本給にして七千八百二十八円、これに特殊勤務手当の二百五円を加えると八千三十三円ということになるのですが、これと今お話の八千四百七十七円と、これはどう相互に関連するわけですが。
  78. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 先ほど申しました八千四百七十七円と申します数字は、これは人事院へ報告から集計いたし、或る部分は推定を加えたものであります。従いましてこれは実員についての話でございます。それから三十頁に掲げておりまする予算からという部分は、これは予算総額を定員で、その註のところに書いておりまするように、この年度を通じました予算定員の延月人員、こういうもので除した数字でございますから、そこに若干食い違いがあろうかというふうに考えております。
  79. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それから六頁のほうは八千八百一円という数字は……第一表の一番上にあります。
  80. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) この六頁の八千八百一円という数字は、切換えのときの七千九百八十一円というものに超過勤務手当の八百二十円というものを加えました数字であります。七千九百八十一円、超過勤務手当の八百二十円というものを加えました。
  81. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 超勤が入つているのですか。
  82. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) はあ、民間と比較いたしますから……。
  83. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それで大蔵省にお尋ねしますが、大蔵省では現在の給与水準幾らと見ていらつしやるのですか。
  84. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 本年十月一日のこれは推定でございまするが、特殊勤務手当を加えまして、切換え前におきまして、八千五百六十九円と推定いたしております。
  85. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それは特殊勤務手当を加えて八千五百六十九円に千五百円アツプするというふうにお考えでございますか。
  86. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 仰せの通りでありまして、千四百九十三円に乗つかりまして一万六十二円になるという一応の推定をいたしおります。
  87. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうしますと、大蔵省のほうでは若し人事院勧告通りにやるということになれば、給与改善費として補正計上しなければならない金額をどれくらい必要だというふうに算定しておられますか。
  88. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 先ほど人事院給与局長からお答えになられました数字と大分違いますので、念査を要するのではなかろうかと実は先ほど来思い続けておるのでありまするが、二十六年度、本年度の問題といたしましては、一般会計におきまして約六十二億、特別会計におきまして約六十五億、合せまして百二十六、七億程度の追加財源が要るのではなかろうか、かように存じております。併しながら先ほど人事院給与局長からのお話もございますので、この辺のところ、大分違いがございますので、つき合せて見たいと思います。
  89. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 年末手当は……。
  90. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 只今申上げました数字の中には、年末手当共済組合負担金等を含めてございます。
  91. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 その場合に、年末手当〇・三カ月分でなくて、〇・五カ月分を増加する場合の一カ月分というのは、この基準金額はどういうふうになつておりますか。
  92. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 今申上げておりますのは、高い給与水準でございます。
  93. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 新給与水準……。
  94. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) それからなおお尋ねではございませんが、御参考までにこれも申上げておきますと、地方公務員につきましては、昭和二十六年度の問題といたしましては、百十億乃至百二十億見当ではなかろうか、かように考えております。
  95. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 園数字一つ政府のほうで、大蔵省のほうの数字と、それから人事院数字とを対比しながら一つ資料にして、至急に御提出願いたいと思います。
  96. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) そう大きな違いの出るべき数字ではないように存じますので、よく人事院当局と計数のつき合せをいたしました上で提出を申上げます。
  97. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そこでお尋ねしたいのですが、千五百円アツプするということになつておりますが、この千五百円という上げ分は、どういう根拠に基いて、どういう算定から千五百円なるものが出て来たのですか。
  98. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お答えを申上げます。先ほども簡単に御説明申上げたのでありますが、政府といたしましては、全般の財政状況をも重要視いたしました次第であります。昨年の五月乃至本年の一月以降のCPI上昇傾向、それから民間賃金上昇度合というものを考えました場合に、千五百円給与引上の場合は、決してそれが両者上昇歩合を下廻らないという結果も出ておりまするし、又財政状況からいたしましても、特別会計におきまして若し独立採算制をとる場合におきましては、郵政、電通、鉄道等におきまして今回実施せられておりまするところの料金の改訂以上の料金改訂実施いたさなければならない。又地方公務員給与を更に引上げるといたしまするならば、地方財政負担も更に殖える、かれこれ全般の財政状況のことを考え合せなければなりません。いろいろの観点を総合いたしました結果、千五百円程度給与引上が適当であろうということの結論に相成つた次第でございます。
  99. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 いろいろな人事院勧告を尊重し等々というお話でございますが、人事院勧告が出たのは、八月二十日ですが、だかと思うのですが、大蔵省のほうで千五百円アツプというのは、我々は実はずつと前から聞きました数字なんです。今年の地方選挙のときにも、自由党或いは大蔵大臣もそうだつたと思いますが、しきりと言つておられた数字である。そういう意味では何ら人事院勧告と関連なしに、ただ単に大蔵省のほうで適宜につかみ金的に投げ与えられたものに過ぎないという感じしかしないのであります。時期的にその点をどういうふうにお考えになるか。
  100. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お答えを申上げます。生計費上昇傾向民間貸金の上昇状況等を勘案いたしますると、国家公務員給与引上をいたさなければならないという大方針は、すでに大分前から決定をいたしておつたというふうに私も仄聞をいたすのでありますのでありまするが、具体的にどの程度金額引上が適当であるか、又引上をいたすとするならば、それが各方面に与える影響はどうであろうか、又飜つて幾許の正確なる給与引上をいたすのが適当であるかという決定は、人事院勧告が出されましたあと、いろいろと検討の結果到達をいたしました結論であると存じております。
  101. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうでなくて、大蔵大臣が講和会議に行かれるときに持つて行かれたと言われる政府案等々においても、更にその前からさつき申上げたように、地方選挙のときから、すでに千五百円というのはちやんときまつて、揚げて宣伝にお使いになつたことは、周知の事実だと思います。そういう意味では、千五百円なるつかみ金が先ず投げ与えられて、その後人事院勧告が出ようと、何があろうと、そういうことはおかまいなしに、あとからただ説明の材料として、その後のいろいろな資料なり計数を集めていろいろいじつておられるというに過ぎない性質の数字じやないか。それは先ほどのお話にあつたように、人事院勧告を非常に尊重したとおつしやるが、それならばその勧告従つて給与改訂に要する補正額が幾らになるかということは、非常に綿密に御調査になつた上に、いろいろあらゆる智慧をしぼつてどうしても出ないというようなことでその金額の検討がなされていなければならないはずにかかわらず、今初めて両者の聞きがあることがわかつたり、これから念査して見なければならないというような数字であるのならば、ちつとも人事院勧告は尊重されていないのだという結論以外にはあり得ないと思うのです。これらの問題は更に本審査のときに討議することにいたします。
  102. 岩間正男

    ○岩間正男君 僕も只今の点が非常に佐多委員から言われたのは問題であると思うのですが、これは先のほうに譲ることといたします。ただ、一、二点だけ伺いたいのですが、できるだけ人事院勧告趣旨をこれを尊重して、副うようにやつたというのですが、その点説明してもらいたい。どの点ですか、さつきあなたの答弁の中で。
  103. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お答え申上げます。人事院の今回の勧告内容は、極めて技術的に申上げますると、広汎に亘つておるわけであります。先ず標準生計費の問題であります。私どもといたしましては、標準生計費のとり方、計算方法人事院が極めて精細なる計算をいたしておることでありますからして、これを殆どそのまま採用いたし、ただ先ほど来申上げておりまするように、税制改正、或いは八月以降の主食以外の値上りにつきましても考慮すべきであろうというような点につきまして、検討を加えたにとどまつておるのであります。又これを標準生計費を二級三号にするという点でありますが、従来の人事院勧告におきましても、必ずしも標準生計算の該当号俸は二級三号でなかつたと存じておるのでありますが、今回の人事院勧告がいろいろと今御検討の結果、二級三号になつておるということでございまするので、これに従つております。それから企業官庁職員に対しましては、勤務の特殊性に応じまして特別の俸給表を設けよう、こういう趣旨でございますので、この点も金額におきましては先ほど来申上げておりまするように、相違を生ずるのでございまするが、その原則には従つておるわけであります。それから勤務地手当支給地域区分につきましては、本年五月の人事院勧告通りにいたしたい、かように存じております。それから前後いしたまするが、俸給表作成のカーブの問題でありまするが、この給与の曲線につきましても、金額の相違によりまする差異はこれは止む得ませんが、あとは人事院給与曲線にそのまま副つております。尤もその給与曲線に副いながらも、標準生計費を二級三号を維持するということのために、下のほうに参りまして多少の相違を生じておりまするが、止むを得ない、この点は人事院給与曲線に副いながらも、而も標準生計費という建前をとりまする限りにおきましては、止むを得ないのではなかろうかというふうに考えておる次第であります。極めて技術的な点が多うございまするが、可能な限りにおきましては、人事院勧告を尊重いたしておる次第であります。
  104. 岩間正男

    ○岩間正男君 大変いろいろな点を挙げられたんでありますが、お説のように全部これは技術的な問題だろうと思う。そこで肝腎のベースの点ですね。この点については一番肝腎の、何と申しますか、画竜点睛のところでは従いかねた。こういうことは確認してよいであろう、それで約千二百円の開きが出て来た、これは先ほども言われましたように、先にもうベース・アツプの総枠というものはきめられて、それで人事院勧告の中であとで説明、或いはそこのところを説明上都合のいいところだけを取上げたというような感じを非常に持つのであります。  そこで私は人事院にお伺いしたいのでありますが、こういう形でいつでも今まで人事院勧告というものは尊重されたことはない、実際の問題として……。まあその中で原則として、そのプリンシプルだけは二、三そういうものは取上げられたことはありますけれども、肝腎の問題は先ほど申上げましたように、ベースの問題なんです。こういう点でもいつでもずらされて来ておる。今度は最も甚だしいものだと思う。これによつて当然人事院としては、これは公務員の生活に非常に大きな欠陥が生じて来るだろう、こう考えておられるのでありますが、先ずこの点伺います。
  105. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 人事院人事院勧告いたしました一万一千二百六十三円というものが実現することを希望するものでありまして、従つてまあ政府案ができたと申しましても、これはまだ国会に御提出にもなつていないような状況であります。これが決定的なものとは言えないと思うのでございます。従いまして我々はあたう限り、人事院勧告の正当性を御説明申上げたいというふうに思つておるのでありまして、国会におきましても何とぞ一つ人事院勧告を御支持願いまして、このベースの実現をお願い申上げたいと存じます。
  106. 岩間正男

    ○岩間正男君 それはそうです。それは我々やりますが、併しそういうような要素が貫徹されないで、政府案というものが通過した場合には、はつきりこれは欠陥を認められるわけですね。そこでそういう欠陥について一体人事院としてはどういう対処を今後されるのですか。ということは、今までもそういうことが二三回あつたのでありますけれども、そのあとの措置について人事院としての十分な措置、或いは権限をそれによつて発動して赤字の問題について善後措置を考えたということは余り聞かれないのであります。今度はどうされるつもりでありますか、この点伺つておきます。
  107. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 今のお話は、もう政府案が実現して人事院案は実現しないということを前提としておるお話のように思うのでありますが、我々は飽くまで人事院の案が実現いたしまするように、我々としても努力いたしたいと思いまするし、又国会でも十分の御努力を頂きましてこの案が実現いたしまするようにして頂きたいと思います。赤字の始末を今から考えるのは早いというふうに思います。
  108. 岩間正男

    ○岩間正男君 今後の問題じやなくて、今までどういうことをされたか、今まで政府によつて人事院勧告実施されなかつた、そういう場合には人事院としてはどういうふうなあと始末をされておるか、この点伺つておきたい。これが今後のあなたたちの必掛にも関することであります。
  109. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) あと始末と言われますけれども、国会で御決定になるということは、やはりその水準でよろしいということを国会が意思表示をされて御決定になるわけでありますから、やはりこの問題につきまして人事院だけが責任があるというふうには考えられないと思います。
  110. 岩間正男

    ○岩間正男君 無論これは人事院だけの責任というふうに考えて申しておるのではありません。併しながらやはり人事院勧告が、勧告のしつ放しということによつて政府案によつて何回もそういうことが入れられなかつたのが実情であつたのであります。これに対してやはり人事院としては、先ほどそちらのほうでストでもやつたらどうだという話もあつたのですが、もう少し強硬な態度で、国民の生活を譲るという立場で勧告するのが自分たちの職務なんだから、これをやるというのと、一応やつたらやり放しということでは非常に違う。その必掛について私はお聞きしておる。尤もこれは局長だけでは非常にむずかしい御答弁になるかと思いますが、事務的な決心でもいいのでありますが、この点を一つお聞きしたい。
  111. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 我々は国家公務員法に規定してありますところに従いまして懸命にやるつもりでおります。
  112. 岩間正男

    ○岩間正男君 これ以上は無理でしようから人事院総裁にお伺いすることといたしまして、その次にお聞きしたいのは、先ほど米価の値上げについては、一応見込んでおるという、こういうお話でありますが、その後電気、郵便料、それから運賃、水道、ガスと、こういうふうにもろもろの物価が上るわけであります。それについて今度の減税によつて、大体先ほどの説明では吸収できる、吸収できて而も大体〇・五%ぐらいは余剰が出るのじやないかという、こういうお話つたのでありますが、私はここで一つ大きな見逃しがあるのじやないかと思う。というのは直接上る電気とかガスとか、運賃についての単純な計算ではそうなると思うのでありますが、こういうような基礎物価が上るということによつて一般物価にこれがはね返つて来る。その点の値上りというものはどういうふうに、これは見ておられるのですか。この点を計算しなければ、私はこれは生活の実態に合わないと思う。而もこれは非常に一般物価の値上りというものが、我々がちよつとここで想像して見ても相当なものになると思うのです。物によつては例えば運賃によつて単に一度かかるのじやないそれを現地から製造所に運ぶ、二次製品、三次製品となる、そうしてそれが消費者の手に渡るまでに何回も運賃が加算されて来る。だから貨物運賃において三〇%値上げと言いましても、それを実際計算するというと、物によつては物淒いこれは運賃だけ考えましても大変な物価へのはね返りが来ると、こういうふうに思うのでありますが、これが而もいろいろ日常のこういう基礎的な物価が上るということによつて当然大きくはね返つて来る。この点については人事院はどういうような調査をし、そういうものをどういうふうに把握して今後のこういう問題に対処しようと考えておられるか。この点重要なことでありますからお聞きしたい。
  113. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 先ほども申上げましたように、人事院勧告におきましては減税の問題は取上げてなかつたわけであります。米価だけ考えておりました。そのほかに値上りのものがあり、又減税という、今度はそれを差引くようなものが出て参ることが予想されるわけであります。そういう予想も含めて見ますると、大体両方がとんとんになるのではなかろうかということを先ほど申上げたのであります。それではその以後においてどういうふうな、即ち我々は五月の水準勧告いたしたわけでありまするが、その以後消費財というものがどういうふうに指数が変化して参つておるかと申しますると、まだまだ指数におきましてはそれほど大きな変化はございません。今御指摘のようないろいろな、運賃が上るというようなことのためにいろいろなものに影響して来るということが若しありといたしまするならば、今後こういうことが現われて来るだろうと、そういうふうに思うのであります。併し今我々が指数等によりまして見ておりますと、余りそういうものが現われていない。従つてそれが現われるかもわからんということを基礎にしてお話を申上げるということは甚だ困難であります。人事院勧告におきましては、的確な資料に基きまして計算をいたすという方針をとつておりまするので、今後そういうものが現われて来るということになりますれば、又標準生計費計算もいたしまするし、それから民間給与調査も行いまして、そうして的確に把握いたしまして、その基礎に従いまして俸給表改訂勧告しようと、こういうふうに考えております。
  114. 岩間正男

    ○岩間正男君 一応そういう説明は成り立つと思いますが、そういう方法人事院勧告が推し進められて来たところに、今まで公務員の生活実態とこの勧告と合わない盲点が一つつたと私は思うのです。こういう点については、而も又この勧告がいろいろ作業をされて、来年の五月を基準として、又政治情勢と睨み合わせて勧告されるということでは大変なことになる。いつでもそのために大きな開きが出るので、そういうものをスライド制をとらない限りにおいては、一応把握して検討しておくということは非常に私は重要だと思う。ところがこの点につきましては物価庁さえ実際はまだ資料を持つておられない。そういうわけであります。  これは大蔵省のほうにお聞きしますが、大蔵省ではこういうところをどういうふうに見ておられるのですか、こういう表をもらつております。我々は今度の減税によつてこの物価の値上りは全部吸収できて余裕があるという表をもらつておるのでありますが、併しすでに運賃の値上りによつて市場の物価というものは現実の問題として上つておる。実際に生活を脅かしておる。そういうことが起つておるのでありますが、こういうものについて大体の予測を持つということは非常に重要だと思いますが、この点はあえて伏せておくのでありますか。そうでないとするならば、大体見当がつくと思うのでありますが、その点はどういうふうにつかんでおられますか。
  115. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 先ほど来人事院給与局長から御答弁を申上げておりのでありまするが、大蔵省計算をいたしましたその場合におきましても、電気或いは主食、或いはガス或いは運賃という定まりましたところのいろいろの騰貴率を基礎にいたしまして、そうしてその標準生計費の上にそういうものを加味いたしまして、片一方において減税も行われるというような計算方法計算をいたしておりまするが、お手許資料がどの資料か的確に知りませんが、計算方法は今申上げましたようなことでいたしておると思います。  それから今後の物価の見込はどうかというような御趣旨のお尋ねもあつたかと思いまするが、右に申上げましたような今日において予測し得る要素は、私ども計算におきましては、これを織り込んで計算をしておる。かように存じております。
  116. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは物価の値上りを織込んでおるという意味ですか、今言つたようなガスとか電燈とか、そういう直接なものだけじやなくて、それによつて当然起る一般物価の値上りをも織込んでそういう資料が出ておるという意味でありますか。
  117. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お答え申上げます。先ほど来標準生計費の問題の百三円という数字を申上げておりまするが、この百三円の中には只今申上げました各種の項目以外の一般物価騰貴は織込んでございません。私どもといたしましては将来の物価がどうなるかという極めて困難な問題につきましては、物価騰貴は今日予想せられております要素以外にさほど起らないという前提の下に考えております。
  118. 岩間正男

    ○岩間正男君 その前提の通り行けばいいと思うのですが、現実はそう行かない。すでに始まつておるのです。当然そうすると今の大蔵省並びに人事院の御答弁によりますと、又近い将来においてこれは勧告を出さなければならない。こういうことが前提とされておるような御答弁に伺えますが、そう取つてよろしいのですか。そういうところに当然追い込まれと思うんです。これは物価の騰貴が電力料金並びに主食以下非常にもう現実に起つておるのです。こういうことがもうあるのだ。これだけの、千五百円程度の焼石に水程度ベースアツプではいけないということが見えておる。この不安が犇々と来ておるのだ、勤労階級に。だから当然そうすると今の御答弁によるというそういうところが予想されておるように思うが、そう考えていいんですか。
  119. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 先ほど来申上げておりますように、標準生計費のほうの計算は今の例挙的に申上げましたものに尽きておるのでありますが、私どもといたしましてはこれはいろいろ計算方法がございますが、今回の減税を織込みますると、右の列挙いたしました以外の項目につきましても或る程度のものは吸収できると考えております。併しながらそれらの結果、今後物価騰貴があるというようなことは予想いたしておりません。
  120. 岩間正男

    ○岩間正男君 最後にもう一点お聞きしたいのは、今度の公務員ベース・アツプ、特に特別会計なんかではこの公務員ベース・アツプをやるためにいろいろの物価値上げをやらなければならないのだというような説明をされておるのですが、これはどうですか、こういうベース・アツプが非常にこれによつて大衆負担の大きな原因だというふうな説明の仕方、これについて問題があると思いますが、今度の財源なんかを見ましても、仮に補正予算だけ見ましても、ベース・アツプに必要なつまり財源というものは全体の、全予算のどれくらになりますか。どれくらいに計算しておりますか。
  121. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お答え申上げます。多少の時間的お暇を頂けますれば、例えば企業会計におきまして資材の値上り関係幾らの補正予算を必要としたか、給与関係について幾ら金額を必要としたか、その結果この程度の料金改訂が必要であるということをお答え申上げられるのでありますが、今資料数字を探しておりまするが、ただ私どもといたしましては、今回の給与改訂をいたそうといたしまするならば、若し資材の値上りがございませんでも料金改訂は必要であつたということは申上げられると存じます。
  122. 櫻内義雄

    理事(櫻内義雄君) 給与問題につきましてはこの程度にいたしたいと存じますが、行政整理について如何いたしましようか。政府委員は出席をされておるということでございますが、説明程度にしておきますか。それとも……。
  123. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 政府に対する質問は本審査に入つてやることにして、日程もあることですから今日は説明だけ聞いてこの会を閉じたら如何ですか。私はそう思います。
  124. 櫻内義雄

    理事(櫻内義雄君) 如何でございましようか、矢嶋君の御意見ですが。
  125. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 もう四時にもなりますから、行政整理のことについてはいろいろ問題がたくさんあろうと思つて、短時間にはどうかと思いますから、このまま一つ今日はこの程度で……。
  126. 櫻内義雄

    理事(櫻内義雄君) それでは矢嶋君の御意見もございますが、行政整理につきましては重要な問題でございますので、次回に譲りたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十六分散会