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1951-11-07 第12回国会 参議院 予算委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月七日(水曜日)    午後一時四十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    理事            石坂 豊一君            平岡 市三君            佐多 忠隆君            藤野 繁雄君            櫻内 義雄君            東   隆君            木村禧八郎君            岩間 正男君    委員            泉山 三六君            小野 義夫君            深水 六郎君            荒木正三郎君            内村 清次君            小酒井義男君            松浦 清一君            高良 とみ君            小林 政夫君            前田  穰君            岩木 哲夫君            西田 隆男君            深川タマヱ君            堀木 鎌三君            矢嶋 三義君   政府委員    警察予備隊本部    長官      増原 恵吉君    警察予備隊本部    経理局長    窪谷 直光君    国家地方警察本    部総務部長   加藤 陽三君    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君    海上保安庁長官 柳沢 米吉君   事務局側    常任委員会専門    員       野津高次郎君    常任委員会専門    員       長谷川喜作君   説明員    国家地方警察本    部総務部会計課    長       三輪 良雄君   —————————————   本日の会議に付した事件昭和二十六年度一般会計予算補正  (第一号)(内閣送付) ○昭和二十六年度特別会計予算補正  (特第一号)(内閣送付) ○昭和二十六年度政府関係機関予算補  正(機第二号)(内閣送付)   —————————————
  2. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) これより会議を開きます。  本日は警察予備隊、保安庁、国警関係予算につきまして当局側から説明を聴取し質問することになつております。なお当局側としては警察予備隊本部経理局長窪谷君、海上保安庁長官柳沢君、海上保安庁経理課長の坂本君、国家地方警察本部総務部長加藤君が見えております。先ず国家地方警察本部総務部長加藤君に説明をお願いします。
  3. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 昭和二十六年度国家地方警察補正予算について御説明申上げます。  補正予算要求総額は、三十六億四千百余万円でありまして本年度国警当初予算額は、百二十一億五千八百余万円でありますので、この補正予算をお認め頂ければ、本年度国警予算総額は、百五十八億余万円になるわけであります。以下補正予算内容を申述べますと、先ず警察法改正に伴いまして必要となる経費であります。これには町村自治体警察が維持せられないこととなつた結果、国家地方警察のほうに必要となります経費が十九億八千二百余万円、警察官二千六百人増員のため必要となります経費が四億二千七百余万円その他があります。第一は、警察法改正により認められました警察官五千人以内の増員につきまして、諸般の事情に鑑み差当り二千六百人を増員することといたしたいのでありまして、その募集広告採用試験及び初任教育のために必要となります経費並びに増員分人件費装備被服費等を計上いたしております。第二は、自治体警察改正警察法によりまして住民投票の結果廃止になり、十月一日から国警に責任が移りましたものが一千二十四町村ありますが、それに伴い、警察吏員一万三千百八十人、一般職員二千八百六十人が、新たに国警職員となり、すでに新配置についておりますので、これらの警察職員人件費及び事務費として約十一億円を計上しております。第三は、自治体警察国警編入に伴いまして、これらの町村の従来の警察署廃止して、新たに国警地区警察署及び派出所を設置いたす必要がありますので、その新設地区署等に対する車両配備予算が計上してあります。即ち新設地区署等警察活動に不動に不可欠の機動力を完備いたしますため、輸送車、オートバイ、ビスモーター、ラジオカーを配備いたしたいと考えまして、一億八千余万円を計上いたしたわけであります。第四は、警察署増築等であります。廃止された自治体警察を統合して新たに地区警察署が設置されます関係上、引継庁舎増改築を行わなければ、狭隘で使用できないものがありますので、その増築費として五千四百万円及び引継した有線電話維持費回線変更費等として、一億七千九百万円を計上いたしました。第五は警察活動費であります。廃止された自治体警察管轄区域国警に編入されますため、当然事件の増加を来たすことになりますし、その上、警察官が増加しますのでそれに伴い捜査取締活動も多くなりますため、捜査旅費取締旅費及び捜査費といたしまして約一億五千万円を計上いたしました。  次に当面の警察力を増強いたしますための通信ならびに施設の整備があります。即ち先ず超短波無線装備でありますが、警察通信警察神経系統と考えられておりますが、警邏自動車に超短波を装置しまして、常時、本部緊密連絡をとりながら警邏し、事件発生の際は直ちに、現場に急行することができるようにいたしますために、昭和二十五年度において四府県を実施し、本年度において十府県に実施することといたしましたが、今後の治安情勢から見まして、更に本年度内に四府県に追加設置することといたしたいのであります。このための経費ラジオカー購入費を除きまして一億一千五百万円でございます。又警察が予測しない新事態に直ちに対処するためには、重要地点に多くの触手と有時即応の態勢にある集団警備力とが必要と考えまして、警備上の重要地点警察触手であります駐在所を、百カ所北海道各方面隊警備屯所を新設いたしたいと存じますので、その経費七千円を計上いたしたわけであります。  次に給與改善に必要な経費として十一億二千三百余万円を計上いたしましたが、これは政府職員全般に共通いたしますものであります。又行政整理に伴う退職手当の増として一億余万円を計上いたしました。これは一般職員九百五十五名を本年度内に整理するためのものであります。  なおこの補正においては、当初予算旅費及び物件費の一部を節減することとして一億一千四百余万円を減額いたしました。  以上が今回の補正予算内容でございます。
  4. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) 質問ございますか。
  5. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 簡単に御質問いたしたいと思うのですが、大体まあ我々の素人的な考え方で考えますと、以前に警察官吏がどれだけあつたか、全体として十二万五千人ございますか、あれは国警として前の自治警に移る前に、こういう制度が布かれる前に警察官が何人あつたか、その比較はどうなつているのか、そういう数量的な人間の数的な比較一つ。  それから当時の警察官裝備でございますね、と現在の警察官裝備とはどういう程度に差があるか、この二点だけを先ず第一にお聞きしたいと思います。
  6. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お答えいたします。御承知通り現在の警察制度昭和二十三年の三月から施行されておるのでございまするが、その以前におきましては、警察全国一本の国家警察でございまして、その総数は九万三千人余りであつたのでございます。それが警察制度改正されました際におきまして、国家地方警察自治体警察と分れましたが、国家地方警察のほうが三万人、自治体警察のほうが九万五千人というふうに枠をきめられたのでございます。今回の改正に伴いまして、町村警察のほうは住民投票によりまして、国家地方警察のほうに移つてもよろしいということになつたのでございまして、只今申上げました通り、その中の町村警察を持つておりまする町村の中の一千二十四町村警察官の数にいたしまして一万三千百八十人というものが町村警察のほうから国家地方警察のほうへ移つて来たわけでありまして、その関係におきましては数字の増減はないわけでございます。ただこのほかに先国会において御制定を願いました改正警察法によりまして、従前の国家地方警察定員の三万人というものを五千人以内増員ができるということに相成つておるのでございます。今回はその五千人の増員の中で二千六百人を増員するということで補正予算が計上してございます。  それから裝備の点でございますが、これは御承知つたと思いまするが、終戰の当時までは警察官はサーベルを持つてつたのでありまするが、その後これがやめになりまして現在におきましては拳銃を持つておるのでございます。車両なり何なりの点につきましては手許に詳しい資料を持つておりませんので、正確なことは申上げかねるのでございまするが、相当改善せられておると思います。殊に無電の設備のごときは、昭和二十三年以前の警察においてはなかつたものでございまして、現在これが我が国の警察における一つの大きな威力になつておということが申上げられるかと存じます。一応これだけをお答えしておきます。
  7. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 第二段にお聞きしたいことは、大体今度一万三千百八十人が地方自治警から国警移つたということでございますが、大体これでどの程度まで、八割くらいに相当するのですか。その点をちよつとお聞きしたいと思います。
  8. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お答えいたします。  現在町村警察を、現在と申しますか、町村警察を持ち得ることを警察法で認められております町村の数が千三百十二あるのでございます。千三百十二町村のうちの千二十四町村廃止になりましたのでございまするから七九%近く、約八割に相当いたすと考えております。
  9. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 今度予算的に御要求なつております、この補正予算の三十六億四千百余万円の内訳として主なるものの御説明がありましたわけですが、何と申しますか、例えば警察施設が狹隘であるとか、或いはその他設備の不十分さというような、そういうふうなものは実は既存の設備却つて十分になつて使えるのじやないか、こういう点のお考えはないのでしようか。或いは又実際の実情を地方で見ますると、地方町村自治警察にはあの制度が布かれたときに、実質的には相当能率のよくないような人のほうが向うへ移つた形勢がある。そうすれば、むしろ却つて全体に町村の八〇%も国警のほうに移つたとすれば、却つて能率的に言えば全体として経費が減るというふうな考え方ができて来るんじやないかという気もするのですが、そういう点の考慮が先ほどの御説明の中の一番おしまいに旅費物件費の一部を節減するとして、一億一千四百余万円旅費物件費の一部を節減する程度でいいのかどうかこういう問題について御説明願えたら結構と、こう思うのですが。
  10. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お答えいたします。  勿論経費要求なり、内容につきましては、効率的な使用ということを考えておるのでございまして、自治警廃止せられることになりまして国警に移るにつきましても、自治警察の持つてつた設備裝備で使えますものは国警のほうでそのまま使うことにしておるのでございます。ただ何と申しましても町村におきましては、その町村だけの警察規模を考えまして、設備裝備も持つてつたわけでございます。ところが国警のほうの管轄に移りますると、それらの町村のみでなく近隣町村の或いは自治体警察を持つてつたものもありますし、持つていないものもございましたが、それらのものを集めて警察署を設置し運営して行くほうが能率の面から申しましても有利であるということからいたしまして、どうしても一つ警察署の單位、規模というものが大きくなるのであります。人員の点から申しましても、今までの自治体警察時代庁舍では入り切れない。又七人や八人の警察署でありますれば、車両等につきましても必ずしもなくても済んだでありましようけれども近隣町村を統合いたしまして相当数定員を持つた警察署ということになりますると、どうしてもそこに車両というふうなものを持つて警察活動というようなものをより一層能率的なものにしたいということを考えておりまするので、今回の補正予算にはその点の考慮からいたしまして、設備裝備要求がなされておるのであります。
  11. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 お話はよくわかるのですが、あとに重要なのを控えておりますからもう余り質問いたしませんが、つまり町村自治警察がなくなつて国警に移されたときには、全体として見て能率上り国費が節減されるというふうな問題が、むしろそういうことすら御主張なすつたと私は思うのです。そういう点が今後警察立場から見まして、いろいろ新らしい経費の増額ということはまあ当然あるべきなんだが、この自治警が八〇%もなくなつて国警移つたということから見ますると、その分だけでは全体として考えるときには、もつと経費が節減され能率的の運営になるということが一つ理由であつたと思うのですが、そういう点は予算に現われていないように思うからお聞きするわけです。
  12. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お話の点は誠に御尤もでございまして、今回の補正予算におきましては、自治警の移り変りに伴いまして、当初の設備費と申しまするか、そういうふうなもの、移り変りに伴いまする当初の旅費と申しまするか、そういうふうなものも相当必要なのでございまして、将来の予算規模といたしましては、おつしやるような点につきましては私はだんだんと効果が現われて来るであろうと考えておるのでございます。
  13. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 昨年法務委員をいたしておりましたときに、全国を視察いたして参りましたときに、この地方警察かたがたが転任いたしましたときに、住宅難でございますのでどうしても住宅を手に入れますために地方ボス恩惠に浴する事情にございます。それからやはりお米が配給でございまして不足する物をボスの手から手に入れたりしておるわけで、その交換條件として警察官吏がどうも正しく職務を執行しにくいような事情にあつたのですが、この警察官吏住宅だけはやつぱり優先的に整えたいと思いますけれども現状がどういう工合になつているか。  それから警察官吏の人の加配米の状況がどういうふうになつているか。  それから第三番目は、警察予備隊かたがたは、一年か三年も勤めましたら三万円も五万円ももらつておるようでありますけれども警察官吏もなかなか危険な仕事でありますけれども、この人たち給與のほかに退職したときにどのくらいの手当をもらえるようになつておるか、若し万一殉職いたしましたようなときには遺家族に対しましてどのくらいの見舞金がもらえておりますか、現状の御説明を願いたいと思います。
  14. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お尋ねの第一点でございまするけれども住宅の点につきましては私どもお話通り考えておるのでございまして、何とかして警察官住宅を確保したいと努めておるのでございます。併し何分にも住宅の問題は国民一般公務員一般の問題でございまするので、なかなか思うように参りませず苦慮いたしております。只今のところといたしましては、国家公務員宿舎の枠の中からでき得る限りたくさん警察のほうにおさき願うように関係方面と折衝いたしまして、努力をいたして参つておるようなわけでございまして、大体警察の署長とか次席くらいまでは何とかやりくりがついておるのではないかと思いまするけれども、そのほかの人になりまするとなかなか都合よく手に入りませんで、私どもといたしまして苦慮いたしておるのでございます。お話の点は誠に御尤もと思いまして、今後ともそういう点につきましてはなお一層私どもとして努力をして参りたいと考えております。  加配米の点と危險手当の点につきましては細かい資料を持合わしておりませんので、後刻御答弁することをお許し願いたいと思います。
  15. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 自治警察国家警察になつた場合において全員が編入されたものではないと思つておるのでありますが、自治警察の者であつて国家警察に編入せなかつた者がどのくらいあつて、そうしてそれはどういうふうな理由でそういうふうなことになつたかということをお尋ねしたいと思うのであります。
  16. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お答えいたします。これは警察法改正法案が御審議になります際に、私ども自治体警察のほうでおやめになりますかたがたは原則としては全員国警のほうにお引受けをするということを申上げておつたのであります。只今も申上げましたが警察吏員が一万三千百八十名、それ以外の一般職員、これが二千八百六十名おるのでございます。警察吏員につきましては、本人の意思で来なかつた者、或いは他の自治体警察へ就職なさつた者もございます。  結局いたしまして八百四十四名というものは、当初予想いたしました数に比べて国警のほうに採用にならなかつた。これはいずれも今言つたような事情でございまして、そのうちの数人につきましては刑事事件について起訴されておるというふうな事情採用しなかつた者もございますが、大多数というものは、他の自治体警察に就職したとか、或いはこの際やめたいとかいうような事情で来られなかつたわけでございます。
  17. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 自治警察を現在存続しておるところの主なる理由はどういうふうなものであるか、その点をお尋ねしたいと思います。
  18. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お答えいたします。これは警察法改正をやりますると、市は全部自治体警察を持たなければならない、町村自治体警察を持つことが建前ではありまするけれども、その町村住民投票によつて維持しないでもよろしいと、こういうことになつておるのでありまして、やめたほうはいろいろ理由があると思います。財政的な理由でありまするとか、或いはどうもうまく行かないとかいうようなことがあつただろうと思いますが、残つたほうにつきましては、やめるという決議をしない限りは残るのでありますから、特別な理由というものは調査いたしてないのでございます。
  19. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 自治警察国家地方警察になるのについては、いろいろと理由もあるのでありましようが、一方においては経費節約ということも考えなくちやならないと思つておるのでありますが、従来自治警察使つてつたところの費用とその自治警察国家警察になつたために使用するところの全額との差はどのくらいの金額になるか、御調査になつたものがあつたならばお示しを願いたいと思うのであります。
  20. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お答えいたします。二十六年度のこれらの廃止になりました町村予算を調べてみますると、大体におきまして平年度警察吏員の一人当りが二十一万三千円くらい、正確な数字ではございませんけれども、それぐらいになつておるように私どもは計算しております。今回の補正予算におきましてこれらの職員国家地方警察のほうに受入れたのでございますが、その規模におきまして、臨時的なものを除きましては、大体二十一万二千円か三千円ぐらいになつておるのではなかろうかと思います。ただ私どものほうの補正予算給與ベース改訂等を織込んでございまするけれども、先ほど申上げました町村のほうにおける二十一万数千円というものは前に調べたものでありまして、そういう点は含んでおらんのではなかろうかと、かように考えております。
  21. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると国全体から考えてみまするというと、自治警察でやつてつたときよりも、国家地方警察でやつたほうが経費節約ができる、こういうふうなことを言つて差支えないのであるかどうか、この点をお尋ねしたいと思うのであります。
  22. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) この点は警察活動は極めて幅のあるものでございまして、若しもそういうことを抜きにいたしまして、同じような條件の下で同じような財政支出を考えるということになりますれば、私は経済的にやつて行けるということは申上げられると思います。
  23. 岩間正男

    岩間正男君 私も二、三点お伺いしたいと思います。  第一に自治警察国家地方警察の場合、警察官教養とか、そういう程度とか、そういう点に差違がありますか、どうですか。国家地方警察のほうに收容してからのちこれを統一するためにどういうふうな方法か何かとつておられるかどうか、その点を伺いたいと思います。
  24. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 御承知だろうと存じまするが、警察官初任教養につきましては、東京の警視庁は独立した学校を持つておりまするけれども、それ以外の自治体警察自分のための、初任のための教養学校というものを持つておらないのでありまして、全都道府県国家地方警察におきまして初任教養をいたすのでございます。その警察学校を卒業いたしました者が、或いは国家地方警察のほうに配属をされ、或いは自治体警察配属をせられるということになるのでございまして、初任教養終つた過程におきましては全く同様でございます。国家地方警察のほうにおきましては、初任教養終つて実際の仕事に携わりました者を更に再教養を毎年やつております。自治体警察のほうにおきましてもこれと歩調を合せて今まではやつておられたのでございます。併し今後とも同じ方針で行くかどうかわかりませんけれども、若し同じ方針で行かれまするならば、少くとも形式の上においては同じような程度であるということは申上げられるかと思いまするが、それ以上の細かい実態的な調査というようなことにつきましては、この席で只今申上げるような資料を持つておりません。
  25. 岩間正男

    岩間正男君 国家地方警察自治体警察の間に、收容後にいろいろなそういうようなことは別に行なつていないわけですね。で非常に立場が今まで違つており、その後いろいろな情勢が違つていたためにちよつと性格的に変つておるところがある。そこを統一されとか何かそういう問題はないのでしようか。
  26. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) おつしやる通りに十月一日から一緒になつたのでございまして、只今のところまだ何も聞いておりません。
  27. 岩間正男

    岩間正男君 警察学校は現在どのくらいあるのですか、全国で。
  28. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 警察学校初任の者のためといたしまして、各都道府県一つずつございます。そのほかに管区警察学校というのが全国に六つございます。その上に警察学校というものが東京一つございます。
  29. 岩間正男

    岩間正男君 最近も起つた問題で八幡浜街頭録音の問題が起つているのですがね。ああいう事件、これはしばしば耳にするのでありますが、つまり警察一般大衆が批判した、それに対して警察がこれを警察に呼びつけてそうしてこれを尋問した、こういう事態が起つているのでありますが、こういう問題については先ずどういうふうに考えておられますか、伺つておきたいと思います。
  30. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 八幡浜市の事件につきましては、御承知通りあれは自治体警察八幡浜市の警察で起りました問題でございまして、国家地方警察といたしましては全然関係がないのでございます。事件についての批判はいろいろあると思いまするけれども、私の立場上申上げがたいと御了解願いたいと思います。
  31. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 十月一日から自治体警察廃止になりまして、国警に編入されるようになりましたから、千二十四カ町村だけが国警に編入されるのだそうですけれども、その他の町村はどうなつておるのか。  それから町村自治体警察が維持せられないようになつたために国警のほうに編入されるのであるといたしますと、この維持されないというのは財政的な理由で、どうしても自分の村では維持できないと申出たらいつもすぐ国警のほうに編入してくれる、こういつてそのように進めて頂けるのか。
  32. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 先ほども申上げましたが、自治体警察の現況は、全国の市はこれは法律上自治体警察を持つておることになつておりまして、現在二百六十九ございます。そのほかに自治体警察を持ち得るのは人口五千以上で、市街的町村という認定を下されたものでございまして、これが千三百十二町村あるのでございます。その千三百十二町村のうちの千二十四町村が今回自治体警察の維持をやめたのでございまして、残りの二百八十八町村は依然として自治体警察を引続いて維持して参つておるのでございます。この自治体警察を維持しないことにいたしまするためには、その当該町村の議会におきましてこれを住民投票に付するという議決をいたしまするか、或いはその町村の選挙権を持つておりまするかたの三分の一以上の連署を以ちまして、投票者から住民投票をやつて頂きたいということを選挙管理委員会に請求をいたしまして、その結果として行われるのであります。この投票を当りましては、町村議会は如何なる経過で、如何なる理由でこういう議決をしたか、又今申上げました直接請求の場合におきましても、どういう理由町村警察を維持しないということの住民投票を求めるのかということを理由を掲げまして、それを投票所の入口にかけて、それを見て判断した上で投票するという手続に相成つております。
  33. 内村清次

    ○内村清次君 関連して。手続問題は大体わかりますが、この問題は例えば国家警察と、それから自治警察が並行してその町村内にあるという場合のときには、それはそういう廃止住民投票がなされて、そうして今後これを国家警察のほうに吸收されるというようなことになりまするというと、国家警察だけはその町村に残りますが、そこに料立しておらない町村が幾らかありはしないかと思いますね。そういうような所に対して何か派出所的な問題を増設をして行く傾向がこの予算の中に織込まれておるかどうかという問題が残つて来ますわね。その点につきまして御説明を願いたい。
  34. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お話の点はその通なんでございまして、従来同じ町村の中に国家地方のほうの地区の警察署と、自治体の警察署とありました所は、地区の警察をそのまま残して、自治体の警察のほうを警察署をやめればよろしいのでありますが、そういう地区の警察署のありませんでした町村におきましては、従前の自治体警察署に代えまして、国家地方警察のほうの派出所、駐在所を地区ごとに設けなければならないのであります。これにつきましては大体において今まで各町村使つておられました建物なり装備というふうなものを、国家地方警察のほうで讓り受けるということになつておりまして、どうしても足りない所は数町村を合併して警察署を作りましたために、従前の一つの既設の警察署だけでは足りんというようなところの増築費或いは電話の回線に変更費というものが、今回の補正予算に計上してあるのでございます。駐在所、警察署について申上げますると、今回の町村警察国家地方警察のほうに編入になりましたことに伴いまして、全国で二百二十六の地区警察署を増加いたし、派出所、駐在所について申しますると、二千百二十殖えております。これらはいずれも従来の町村警察の持つておりました町村のほうに主として持つて行かれたものであると、かように考えております。
  35. 内村清次

    ○内村清次君 現在住民投票がなされて、そういう一つの整理形態が今回の法案でなされたんですが、従来やはりこの自治警察が残つております以上は、人員の交流といいますか、そういう点が今後残されなくてはならない。先ほど誰かの質問にありましたように、国家警察のほうではその再教育をやるのだとか、或いは又集団的に計画的に、あなたのほうでは中央なら中央に寄せてそうして新教育を施して行くという制度が確立しておるようですが、自治のほうにおいてはやはりこれは町村の費用その他で、そういう関連関係においてやや劣るところがこれは認められる。そうしますると、その人員の交流という問題で、自治警察が自然町村の負担増加と相待つて国家警察のほうに吸收されつつあるような、そういう雰囲気が釀成されて行くのですね。こういう点につきましては、何かあなたのほうでは計画があるかどうか、この点をお聞きしたい。
  36. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) この人の交流の問題でございますが、これは現在法律上は別に交流をいたしてはいけないということはないのであります。ただ国家地方警察のほうについて申上げますると、国家公安委員会の規則で、国家地方警察の基本規定というのが出ております。自治体警察のほうでは、それぞれ自治体條例を作つておられまして、警察職員の人事についての基本的な事項をきめていらつしやるのでありますが、その国家地方警察の基本規定なり、各市町村の條例の中にこの人事の交流が困難になるような事項が書いてあるのでありまして、この点の問題が早く解決しませんければ現在のところでは何ともならんということになつております。  教養の点は、お話通り非常に重大な問題でありまして、国家地方警察のほうといたしましては、警察法の條文にも明瞭に書いてございまするが、自治体警察のほうから依頼がありました場合におきましては、あらゆる教養施設警察大学以下都道府県警察学校とか、すべての教養施設自治体警察のほうの職員教養のためにこれを利用させるということになつておるのであります。
  37. 内村清次

    ○内村清次君 この警察裝備関係ですがね。特に又科学的な犯罪捜査のそういう問題ですが、これは今回の予算面の補正に対しまして、どのような例えば現在の裝備関係の拡充をやつて行くんだと、或いは又科学的な捜査上の器具の設置、そういうような構想が盛られてこの補正予算というものができておるか。その内容の点について説明をして頂きたいと思います。
  38. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お答えいたします。これも先ほど申上げましたが、今回の補正予算におきましては、先ず裝備の点につきましては超短波無線裝置でございます。これを四府県に拡充いたして実施するということになつております。又受入れました自治体警察のほうの警察裝備といたしましては、人員を輸送する輸送車でありますとか、オートバイ、ビスモーターというふうなものを相当数新規に備えつけるような予算に相成つております。
  39. 内村清次

    ○内村清次君 最後に一点申しますが、一応今回の補正予算に、先ほどの自治体警察吸收即ち増員関係予算はこれに盛られてありましようが、総体的にあなたのほうでは国警増員を今後考えておられるかどうか。又今後の独立後におけるところの国内治安の問題に対する国警が対処して行こうという、これは事務的な問題でいいのですが、そういうような具体的な方針が今なされているかどうか。若しなされているとすれば一つ発表して頂きたい。
  40. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 実はこのような問題は非常に重大でございまして、折角のお尋ねでございまするけれども国務大臣なり他の政府委員なりにお答をして頂くほうがよろしいかと思います。
  41. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 以前は警察に、急ぐ用事を以て参りましても、管轄違いだというので忙がしい国民に大変迷惑をかけておつたようですけれども、この頃は警察署同士の間で速かに連絡でもとつて国民に迷惑をかけないで保護ができるように、手はずをして下さつているのでしようか。
  42. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 前々からその点につきましては私どもといたしまして熱心に考えているのでございまして、昔に比べますれば相当通信の機構なり設備なりは改善せられて参つておりますので、あとはお互いの親切心、熱意だけで相当の成績を挙げられるものだと思うのであります。国家地方警察のほうにおきましては、その点は絶えず国家公安委員の皆さんはもとより、本部長官も熱心に主張をしておられまして、機会あるごとにお話通りの趣旨を徹底するように努めているのでございます。実効のほうにつきましては、いろいろ御非難もあろうと思いまするけれども、私どもとしては著々とお話通りによい結果になつて行きつつあるというふうに考えております。
  43. 岩間正男

    岩間正男君 これは素人質問であなたたちのような專門家から言うとおかしいことに思うかも知れませんが、出動の場合、ああいう人数とか、そういうものを決定するのはどこで決定するのですか。
  44. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 出動の場合と申しましてもいろいろあると思うのでありますが、相当多人数出る場合もございましようし、
  45. 岩間正男

    岩間正男君 例えばこの前の国会のデモのような場合大部隊が出ますが。
  46. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 警視庁のほうは存じませんけれども国家地方警察のほうについて申上げますると、各県の隊長が県の公安委員会の運営管理の下に出動して行くということになつております。
  47. 岩間正男

    岩間正男君 それで人数なんか、そういうものは指定して来るわけですか、何人くらいというふうに。
  48. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 指定と、お尋ねの意味は私誤解しているかわかりませんけれども、現在の警察制度におきましては、各県ごとに県の公安委員会というものがございまして、その公安委員会が運営管理をするという建前になつております。そこで公安委員会が自分の責任において管理をするのでございますから、自分の判断でそれを決定する、事態の何なりに応じまして具体的に判断するのであります。
  49. 岩間正男

    岩間正男君 公安委員会がそういう人数をきめて来るのですか、何人くらいとするとか。
  50. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 公安委員会がきめると申しまするか、隊長が公安委員会の承認を得るなり連絡をいたしまして人数を決定して出すことになるかと思います。
  51. 岩間正男

    岩間正男君 これは予算とも関係して来るのですが、最近は出動の回数が非常に多い。それから非常に人数が多人数になつている。こういう点が指摘できるのではないかと思いますが、こういう場合の、これは勤務上の、例えば超勤のようなものの支拂は、これはどうなつておるのですか。そういうものは予算の枠内で縛られるのか、或いはそういうものを超過するような場合にはどういう処置をとつておるのですか。その点伺いたい。
  52. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 只今までのところ予算の枠内でかれこれ操作して参つて来ております。
  53. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 この頃警察の留置場におります人の食費は一日幾らになつておるのでございますか。それから男女同じ部屋なんでしようか。相当えらい豚小屋だの南京虫だのということを聞いておるのですが、この頃少し立派になつておるのですか。
  54. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 留置場における賄費は一食十五円ということに相成つております。それから留置場の設備は、これは私ども申上げると手前味噌のようでありまするが、昔に比べますと非常に清潔になつておる。男女を同じように入れるということは私はないと思つております。留置上、当然どうしても房が足りないという場合には、これは極く短時間あるかもわかりませんけれどもそんなことは万々ないであろうと考えております。
  55. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 人権擁護の手前、一食十五円の食費はなんとか上げなくちやならんのじやないかと思いますが、どういうお考えですか。
  56. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) これは予算関係もございますし、よく研究いたしまして考慮したいと思います。
  57. 岩間正男

    岩間正男君 先ほど伺いましたことと関連するのですが、大体どれぐらい手当が出るのですか、出動の場合ですが。そうして予算の範囲内ということですが、予算の範囲を超えるというようなことはないわけですか。そうしてそうなりますと出動回数が非常に多くなつて来ると、こういう場合にはその負担はどこに行くのですか。
  58. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 出動と申しましても、勤務時間内の場合におきましては、別に手当を出すというふうなことは極く多くないであろうと思うのであります。超過勤務ということになりますると、超過勤務のほうでそれを支拂う、超過勤務を何時間いたすことになるかわかりませんが、それに応じて支拂われるということに相成るのであります。若し予算が総額として年度の終り頃になりまして足りないということになりますると、それは予備金の支出を願うようにいたしまするが、その場合に具体的に考えなければならないと思つております。
  59. 岩間正男

    岩間正男君 これは超勤はどれぐらいになつておりますか。
  60. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) 三輪説明員から御説明申上げますが、よろしうございますか。
  61. 三輪良雄

    説明員(三輪良雄君) 超過勤務手当でございますが、只今府県警察官にいたしますと、一人平均八百円ほどになつておると思います。
  62. 岩間正男

    岩間正男君 月額ですか。
  63. 三輪良雄

    説明員(三輪良雄君) 月額です。これで各署の宿直、日直その他出動用に使いますので、お尋ねのような出動回数が多い等の場合には、全国的な予算の操作で、その県に特に予算を配付するというような措置をいたしておりますけれども、全体としてもとより十分でございません。そこで日直、宿直等の人数を減しますとか、或いは実際の勤務時間はともあれ、超過勤務の基礎になります超過勤務を命ずる時間を制限いたしますとかということで、予算内で賄つておるわけでございます。よんど事件その他のために超過勤務等が不足をいたします際には、大蔵御当局にお願いをいたしましてこれらの流用等を認めて頂いた例もございます。
  64. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 只今深川さんのお尋ねに対しまして一食十五円と申しましたが、二十六年度から二十円になつておるということでございますから訂正いたします。
  65. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) まだいろいろ御質問ございましようが、一応この国警のほうの御質問はあとにして頂きまして、警察予備隊のほうで見えておりますから、警察予備隊本部長官増原君から警察予備隊に関して説明を求めたいと思いますが如何ですか。
  66. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) それでは警察予備隊本部長官増原君に説明をお願いします。
  67. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊関係は、このたびの追加更正予算として、約百五十億をお願いいたしておるわけであります。これに関連をしまして、若干御説明をいたしたいと思います。警察予備隊は昨年の八月十日に発足をいたしましたので一年数カ月を経過いたしたのであります。発足をいたしましたのが朝鮮事変の勃発の直後、国内的に治安関係につき相当考慮すべき時期であると認定をされまして、連合軍総司令官の書簡に基いて発足をいたしたものであります。隊員の募集等につきましても、従いまして急速にこれを充足すべしという命令が又総司令部より発せられまして、当時としては相当にむずかしい條件の中を強行をいたしましたようなわけであります。併しながら志願者は相当数に達しまして、七万四千名の一般隊員を比較的満足すべき状態で選拔任命をすることができたわけであります。約一千名は幹部の採用といたしまして、そのうち二百名を特別選考任用、八百名は幹部としての一般募集任用というふうな措置をとりまして進めて参つたわけでありまするが、当初は幹部の任命が遅れまして、一般隊員は昨年の十月上旬に七万四千名揃いましたが、幹部は当時はまだおらないというふうな状況でありまして、一般部隊の編成並びに統率、教養、訓練など、非常に困難をいたしたのでありまするが、その後幹部の一般募集及び特別任用に努力をいたしまして、十二月の初めには各部隊の長、これも正規の任命というまでにはまだ至りませんでしたが、一応任命をすることができまして、その後本年の五月一日に編成を完了するというふうな手続になつて、事態を進行して参つたのであります。  訓練は第一回を十三週訓練ということで基礎訓練を行いまして、第二回、第三回は十八週訓練、この第三回の訓練を終りまして、只今は第四期の訓練に入つておるわけであります。第一期は基礎訓練を行いまして、第二期は小部隊の訓練、第三期に大隊までの訓練を行いまして、現在の第四期は、いろいろの特技、通信、経理、医務等、いろいろの特技と総合訓練をやる段取りで進行いたしておるわけであります。各種学校を造ることが従いまして必要になつて参つたのでありますが、現在までは、当初部隊を全面的に置いておりました久里浜に総隊学校を設置いたしまして、この総隊学校で各種の科目について学校としての教科訓練を行なつているほか、越中島にありまする総隊本部にも学校としてのコースの開設をいたしたいという状態であります。そうしてこれは第四期訓練及び以後の訓練に即応いたしまして、各種の学校をなお急速に整備をして行かなければならんというふうな状態になつているのであります。幹部編成につきましては、当初は只今申上げました約七万四千名は一般隊員として募集をいたしましたが、その中で試験をいたしまして、試験に合格をした者から幹部を任用をいたしたわけであります。約これが三千名であります。二百名の特別採用と八百名、幹部としての募集者の中からは約八百名くらいを今まで採用いたしたのであります。そのほかに八月四日に旧陸士、海兵等の卒業者で、昨年暮にパージの解除になりました人たちを約二百五十名を採用をいたしまして、この人たちは二カ月の講習を終りまして、今各部隊等に配属をされておるわけであります。そのほかに旧陸軍、海軍等の正規将校で、七、八月に解除になりました人々、中佐、少佐、等の階級にありました人約四百名を十月一日に採用をいたしまして、これは予備隊の階級としては一等警察正、二等警察正、警察士長という階級に採用をいたしまして、二カ月の訓練を久里浜において只今執行中であります。なおこれに続きまして、旧正規軍人で最近解除になりました大尉、中尉、少尉の諸君を約四百名採用をいたすことになりまして、現在その手続進行中でありまするが、十二月五日久里浜の総体学校に入隊をせしめたい、そういう運びに相成つておるのであります。こうした人々を採用いたしましたのは、幹部の採用を従前とも特別の採用、或いは幹部としての一般募集等を行なつて参りましたが、これを以て十分に幹部の充足ができない実状にありましたのと、幸い追放が解除になりましたので、そうした人たちのうち思想堅実、将来予備隊の幹部として適当な人々を選拔をいたしまして採用をし、予備隊の幹部陣の充実をいたしたいという意図に出たものであります。現在予備隊は発足の当初、今申しました非常に急いで一般隊員七万四千を充足をし、その後関係方面との連絡その他でいろいろ手間取つた関係もありまして、或いは給與のことがなかなか本きまりにならないとか、幹部の選拔試験、一般隊員として募集した人の中からの採用と、幹部の選拔、その他或いは隊長たるべき人々の選拔等がいろいろの事情でだんだんと遅れましたために、当初は隊員の中にも不安、不満、動搖等が見られまして、編成、訓練上相当心配をいたしたのでありますが、幹部選拔を終り、本年五月一日全体の編成を終り、その後引続き訓練を実施いたしておりますし、現在においては各部隊ともおおむね秩序も立ち、士気も旺盛になり、毎日の訓練にいそしんでいるのでありまして、大体隊員の訓練についてはほぼ期待するところに達している状態であります。部隊の配置は現在四十一カ所になつておりまするが この部隊の配置は当初予備隊の編成を急ぎました関係上、最初は主として米軍の用いておりまするキヤンプで不用のものを借りてこれに入つたというふうな状態でありました。その後その借りておつたキヤンプの返還をしてもらいたいという申出が、それも時間的な余裕が余りないという申出がありまして、急いで既存のいろいろの建物を利用するということの配置替えを行なつたのであります。その後四つの管区総本部はいずれも予算を頂きまして新設をいたしまして、東京は練馬、北海道は札幌、近畿方面は伊丹、九州は福岡、大体竣工、及び竣工に近い状況であります。十二月初め頃までには全部これに移転できるような運びになつておりますが、この四つを新設いたしましたほかに、函館と青森と秋田に営舎の新設をいたしました。秋田を除く二カ所は竣工いたしまして、只今転換配置をいたしておるのであります。そのほかは旧工場等を利用いたしましたもの、或いは旧国家施設、旧軍施設が多いのでありますが、国家施設の利用をして入つておるのであります。従いまして、予備隊の配置は当初より治安関係、治安警備関係、交通の情勢、附近の産業、その他の重要度等を勘案をして計画的に配置をするというわけに残念ながら参りませんで、既存の建物をそれも時間的な余裕もなく早急に活用するというふうなことであつたわけであります。従いまして、その後新設の七つのものにつきましては、諸種の点を考慮して新設をいたしたのでありまするが、その他のものについても配備の関係が恒久的な理想的なものとは残念ながら言えないのでありまするが、予算その他の関係上急速にこれを転換するというふうな運びはなかなかなしがたいような状態になつているのであります。  現在装備として持つておりますのは、武器は全部米軍のほうから、貸與をされておるのでありまするが、カービン銃という騎銃が大体これは全員に渡つております。そのほかは昔の日本の小銃のようなMRライフルというものと、数種の機関銃、それから六十ミリの追撃砲、二・三六インチの普通バズーカ砲と言うておりまするが、携帯無反動砲というふうな種類のものでありまするが、そういう軽装備をいたしておるわけであります。これらのものはいずれも米軍から貸與をされ、射撃に使いまする弾薬等も支給をされておらない状態であります。装備の中で相当経費のかかりまするものは車両でありまするが、現在普通トラックが一千六百五十両、ダンプ自動車が五十両、トラクター十両というふうなものを現在備え付けておりまするが、これは本年度予算及びお願いする追加更正予算で更に充実をいたさなければならんというふうに考えておるのであります。  隊員の健康維持の関係は、当初はなかなか思うに任せなかつたのでありまするが、次第に整備をされて参りまして、各部隊に医務の幹部を配置をしまして、おおむね自隊において診療をいたすような配置になつて参つたのでありまするが、非常に残念なことには医務の幹部がいろいろと手を盡してやつておりまするが、志望者が少くて、我我の所要目標からいたしますると、一部分にしか当らないという現在の状態であります。この点はなお努力をして参りたいと思つておるのであります。医務の幹部の揃いません間は、所在の国立病院、療養所その他の病院等と医療契約を結んで医療に当つておるのであります。現在は軽患者は自隊の医務官において治療をする、入院を要するようなものはやはり最寄りの国立病院その他の病院と契約をして、そこに收容をするという方針をとつておるわけであります。  このたびお願いをいたしました百五十億の追加更正予算でありまするが、予備隊の予算は御承知通り当初昨年政令によりまして二百億円を国債費から移用をして初年度経費を賄つたわけであります。これによりまして、一般隊員の募集費用も馬鹿になりませんで、一人頭一万円見当を要したのでありまするが、被服、個人装備、寝具、事務用品などの調達、それから隊員を收容するための宿舍施設の応急修理、増築等を実施をいたしたのであります。これは非常に事情上急を要し、いろいろ困難があつたのでありまするが、一部は米軍の好意によりまして、接收中のキヤンプを利用したり、一部は国有財産である旧軍用施設、若干のものは民間工場等を利用をして入つたわけであります。現在まで昨年度経費で行いましたものは隊員の居住施設を応急的に賄うということが重点でありまして、武器庫、彈薬庫、倉庫などの整備であるとか、射撃場、訓練場、通信施設、補給厰、病院、学校というふうなものは挙げて二十六年度以降に讓らざるを得なかつた状態であります。なお居住施設も十分とは参りません。二十六年度以降におきまして、補修、建増し、その他をしなければならん部分が相当にあるわけであります。物品の調達は昨年度当初におきましては部隊の幹部が揃わないうちに事を始めなければならん状態に追い込まれまして、極く最初の調弁は国家地方警察において調弁をしてもらつたのでありまするが、次の段階は事実上顧問でありまする関係米軍の民事局の人たちでありまするが、この人たちの手によつて調弁をせざるを得ないという時期があつたわけであります。昨年の十二月一応幹部の充実を終りまして、総隊総監部におきまして、予備隊の物品を計画に従いまして調達をするという段階をとるように相成つたわけであります。本年度二十六年度の当初予算は百六十億でありまするが、この予算の計画を立てまするのは昨年の十月、十一月という候でございまして、発足当初の諸種の事情に追われ、又予備隊の編成、装備についての十分の研究と成果が得られない事態でありましたので、一々細かい資料に基いて予算を組み上げ、これを大蔵省に提出をする、国会の御審議を仰ぐということがまだ十分にできがたい状態でありました。総額百六十億というふうになつたわけであります。このうちで物品の調達費は四十四億円、施設費は十七億円であります。物品費は車両、被服、工具、通信機械、衛生材料というふうなものを昨年度二百億に続いて装備の充実を第一義として当つてつたわけであります。昨年度の二百億でかかりました営舍の新設につきましても、二十六年度引続いて工事を追加すべきものもありまして、十七億の中にはそうした継続工事費約四億円を合せまして、既設の各営舍の修理改造、これはボイラーであるとか給水であるとか、簡易診療室、隊員の宿舍間切りというふうなもの、或いは有線、無線の通信施設を予定いたしまして、現在予算執行の途上にあるわけであります。本年度予算編成後装備の充実、施設の整備につきましてだんだんと研究をいたしまして、部隊装備の充実の促進、各種の訓練用の資材、車両、被服等の修理器材、その他所要物品の整備、それから射撃場、訓練場、補給厰、病院、研究所などの整備計画を緩急順序に応じまして具体化する必要を痛感をいたして参つたわけであります。時、丁度講和條約が調印をせられ、この時期に処して国内治安態勢の整備を要請をせらるるときにも際会をいたしましたので、予備隊におきましても、訓練の向上、装備の充実、施設の最小限度の整備等の速度を早める必要を認めまして、補正予算を提出して審議を願うわけであります。補正予算の総額は百五十億円でありまするが、うち五億四千万円は給與改善費でありまして、これは二十六年度予算におきまする欠員等のため生じました給與財源の余裕等を合せまして、一般公務員の給與改善と釣合いのとれました給與改善を行うためのものであります。物品費は総額百四億六千万円であります。これは前に述べました装備費の充実を計画したものであります。主なものを申しますると、有線、無線の通信機械器具、測量用具、空気圧搾機、クレーン・ブルトーザ等の施設、工具用具、トレーラー、トラツクなどの車両、各種修理用機械器具、衛生材料、その他部隊活動に必要なテント、背負幕、野外幕、その他の備品類であります。火器、彈薬等は先ほど申上げました通り米軍のものを貸與され、或いは使用をしておりますので、計上をいたしておりません。施設に要する経費は四十億でありまして、各部隊及び補給厰における装備修理工場、その他各種施設の整備、学校の新設、射撃場、訓練場の整備などに必要な経費でございます。大変簡單でございますが、以上御説明をいたしました。
  68. 内村清次

    ○内村清次君 只今の御説明では、先ずこの予備隊の定員関係におきまして七万四千名が一応予定せられた。その後御説明によると、パージの二百五十名の人がたや、それから中佐、少佐級が四百名、それから大尉、中尉級が四百名、こういうような幹部級の、これは増員になるかどうか知りませんが、そういうような人がたが今入つておられるが、現在の実員はどれくらいでありますか。そうして又法規的に認められたところの実員数はどれくらいであるか。又第三番目には今後このようなページ解除者の幹部級の増員に対してはどういう方針が立てられておるか。この三点について一つ説明願います。
  69. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 隊員の現在の実員は七万四千八百幾らという数字であります。最初一般隊員を七万四千と見まして、幹部をそれぞれの形で更に補充したと申しましたが、このうちでその後欠員もだんだんいろいろな事情が生じました。それで昨年の十二月に五百名ばかりの一般隊員の補充も行なつたわけであります。そうしたものを全部合せまして、部隊に入りました以後離職をいしました人が約一万名になります。それで現在はパージ解除の人たち、その他をいろいろ入れまして、現在の実員が七万四千八百五、六十名というところであります。現在でも一週間に約七十名程度、最近の一週間にもいろいろな理由で離職をする者があります。パージ解除者のうち尉官の人たちは十二月五日に採用するわけでありますが、それまでに大体七万四千六百名程度になるのではないかという見通しを持つておるわけであります。定員は七万五千名であります。そのほかに本部を形成しておる制服を着ない連中が百名ありますので、予備隊の定員は七万五千百名であります。解除者の採用は最近に佐官級を約四百名、十二月五日に尉官級を約四百名採用をいたします。これを以て大体打ち切りというつもりであります。
  70. 内村清次

    ○内村清次君 これを以て打切りというお話でありますが、ただこのパージ解除者の採用ですか、これは選考に勿論條件があるだろうと思います。先ほどでは大分思想堅実というようなお話ちよつとあつた。とにかく選考の基準がある。その選考に当りまして、これは例えば予備隊関係かたがただけでこの選考をなさつておるか。或いは又これは総司令部との関係にどういうふうな関係なつておるか、この点を一つ明確にして頂きたい。
  71. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 選考の基準はもとより思想堅実であり、又身体の強健ということを十分重視いたしておりまして、身体検査で不合格になつた人の率が相当多いわけであります。そうしてこれを選考いたしますものは、予備隊の現在の幹部が当つたわけであります。現在幹部を選考いたしまして任命をしまする際には、私どもの予備隊では一応総司令部の了解を得るという手続をとつておりまするが、選考に当つて総司令部のほうから出て来て選考するということは全然ありません。
  72. 内村清次

    ○内村清次君 そうすると、カー関係は皆総司令部のほうにデータが行つておるということになりますかどうですか。
  73. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 何のなにがしを採用するということはないと思います。
  74. 内村清次

    ○内村清次君 それから最初の予備隊募集の際におきまして、勿論これは給與の問題も相当国会の問題にもなりましたのですが、勿論退職の規定も年限関係が入つてつたようでありますね。そういうようなことが今度の予備隊の何と申しますか、持続に伴いましてのその規定というものはやはり存続されるものであるかどうか、その内容の点を、これは非常に現在予備隊に入隊しておる者でさえも不安を持つた問題でありまするからして、少しく詳細に説明して頂きたいと思います。
  75. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 予備隊員は御承知のように一応幹部と幹部以下というふうに呼びならわしておりまするが、幹部と言いまするのは警察監、警察監補、一等警察正、二等警察正、警察士長、一等警察士、二等警察士という階級であります。それ以下は一等警察士補、二等警察士補、三等警察士補、警査長、一等警査、二等警査、こういうふうに分けておりまして、幹部以外を一等警察士補等と呼んでおりますが、この人たちは一応任用期間を二年というふうに政令で定めておるわけであります。併し二年たてば必ずやめさせるというのではありませんで、一応の期間は二年であるが、更に本人が志望するならば引続き任用をされることがあるという定めになつておるのであります。まじめに立派に勤務をしてもらう人たちは、我々のほうでは引続いて勤務をしてもらうことを希望し、期待をいたしておるわけでありまして、二年たてば必ずやめてもらうという建前はとつておらないわけであります。幹部、二等警察士以上の幹部はそういう期限等はありませんで、永年勤続という建前を持つておるわけであります。
  76. 内村清次

    ○内村清次君 退職金の問題はどうなつておりますか。
  77. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 一応二年の期間を以て任用されます一等警察士補等は、二年間勤務を無事に勤めた際には、六万円の特別退職金を支給する。今年の十月一日に約八千五百名の欠員補充をいたしました。その人たちは一応最初に入つた人たちが来年の十月頃に期間が切れますものと歩調を合せて、一応一年の期間の採用とし、一年間無事に勤務を終つたならば、三万円の特別退職金を與える。まあ大体比例はとれております。そういう特別退職金を與える、こういう制度なつております。
  78. 内村清次

    ○内村清次君 今回の給與改訂が五億四千万円とありますが、これはまあ一般公務員との給與の釣合いを考えるということになつておりますが、これは予備隊関係だけにおいてこういう先ほどあなたが言われましたような等級によつて給與額というものがきめられて行くのであるかどうか、これはやはり給與法の一環といたしまして、警察官給與というようなものと同じような方法できめられて行くかどうか、この点どうでしようか。
  79. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 給與改善はいわゆるベース・アツプでありまして、他の公務員がベース・アツプになりますのと同様の率、その他の方法を考慮して定めたのでありまして、平均額から言いますると、予備隊は四千五百円、五千百円という警査級が多いために、一般公務員が伝えるところによれば千五百円平均くらいのベース・アツプになるということでありますが、予備隊は九百円余りのベース・アツプになるし、方法は大体同じような方法でやつておるわけでありまして、予備隊は特に冷遇をされておるわけでもなく、厚遇をされておるわけでもありません、今度のベース・アツプで……。
  80. 内村清次

    ○内村清次君 どこできめるのですか、あなたのほうできめるのですか。
  81. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 私のほうで計算をしますが、大蔵省と話合いをしまして、大蔵省のほうでも了承をしたという線できまるわけであります。
  82. 内村清次

    ○内村清次君 それからこれは訓練の関係から来る問題であろうと思いますが、相当入隊者において結核患者が多い、又その結核患者に対するところの手当問題で、これは以前予備隊関係では相当大きな問題も起つたはずですね、これに対する今こういう疾病患者の発生の状態ですね、又その病種の特異的な現象、こういう点について御説明を願いたいのであります。
  83. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 当初結核患者について皆さん多少の御迷惑をかけたことがありましたが、これは実は予備隊の幹部が各部隊にまだ充足されておりませなんだために、手違いを生じたわけでありまして、その後この問題は適正に解決をいたしたのであります。現在におきましても、入隊後結核発病をいたした者はいま正確な数を覚えませんが、約千名くらいはあると記憶しております。これはやはり訓練の関係がもとよりあると思うのでありまするが、栄養補給の関係、或いは住居の設備関係等にも十分でなかつた点もあるわけであります。住居施設もだんだんと改善をいたして参り、又医療関係も先ほど申上げましたようにまだ決して十分ではありませんが、各部隊に医務官を配置することができまして、健康管理をいたしておるのであります。なお一層この点は充実するつもりであります。  訓練のほうは徒らに過激な訓練をやるというような方針は絶対とらしておりません。漸を追つて体をならし、だんだんと強度の訓練に進んで行くという建前をとりつつあります。現在罹患しておりまする人たちは、予備隊そのものの病舎というふうなものは完備しておりませんので、当人の希望等もあり、俸給、療養費等は勿論支給いたしまして、自宅療養をいたしておる者もあるし、最寄りの病院等に收容をしておるのもあるという状態であります。
  84. 内村清次

    ○内村清次君 まだ二、三点……施設の拡充の点ですが、勿論予備隊配置の個所につきましては、どうかすると、各地方から提供する、土地を提供する、家屋を提供するというような担当な運動も展開されたという事実も私どもは聞いておりますが、一応そういう候補地関係も整理もつき、一応の現在の実員数というものが各所に配置せられたということで、これが最後に終りを告げたのか、又そういうような希望地に対してまだ未決定の点があるならば、それを又今後は考えるのだというような計画でもあるかどうか、その点について伺いたい。
  85. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) その点は率直に申しますると、しかとしたまだお答えができないのでありまするが、先ほど申上げましたように、現在の部隊の営舎は既設の建物に取急ぎ收容するということで出発しましたので、理想的なものではない、併しながらこれを御破算に考えて理想的な配備をするということは、予算関係も一方にありまするが、部隊を配置した近隣のこれによつて治安上の安心感を得ておるという既存事実を白紙の立場で検討するということは実はなかなか困難なので、我々としては警備その他の点を考えて配備をするということにしたいと思いますが、それを急速にどうしても行わなければならんというふうにまでは、現在考え得ないという実情にあるのであります。
  86. 内村清次

    ○内村清次君 それから装備関係は現在軽装備である、而もこれはアメリカのほうで全部費用を出しておるのだ、こういう御説明ですが、これは何ですか、ただ軽装備程度で今後終るものであるかどうか、この点につきましての見通しはどうですか。
  87. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 予備隊の任務は御承知のように国内の治安を維持する、公共の福祉の保障に任ずるということでありまして、国警自治警の力を補うというふうな意味を持つておるのであります。普通想像しまするならば、相当規模の大きい騒擾、動乱等に出動して対処するというふうなことになると思いますので、そうした状態の認定に基きまして、裝備を充実をして参る、そういうふうに考えております。
  88. 内村清次

    ○内村清次君 これはまあ大臣が責任者に聞かなくては、その認定という問題は今日実に重大な問題であつて、その認定の判定が一体どういうふうな判定をしておられるかということを聞かなくちやならんのですが、これはあなたがたには又あとで、自分のほうでは無理だ、こういうような答弁でもあれば、同じですから、この程度でやめておきますが、問題は最近予備隊が普通民主的な労働組合の、何ですか、集合あたりに対しましても予備隊が出ておる、こういうようなことはどういう要請で予備隊が出ておるか、特に又これは訓練の一つの何と申しますか、実演みたいな考え方で希望して予備隊自体が出ておるのかどうか、こういう予備隊出動の回数あたりが、あなたのほうで御記憶があれば一つ申して頂きたいと思います。
  89. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊が総理大臣の命によりまして出動したのは、つい先般山口県下におきまして風水害の跡始末に食糧、その他の運搬、秩序保持という役目で広瀬町の方面に出動したのが一回だけであります。ほかにはまだ出動をいたしておりません。新聞に予備隊出動というのがときどき出ますのは、東京では警視庁に同じ名前の予備隊というものがありまして、その予備隊が出動をするのであります。私の警察の予備隊が出動しましたのは、まだ小月部隊という山口県にある部隊が先般の風水害で出ましたのが一回だけであります。
  90. 内村清次

    ○内村清次君 これは私は根拠のある風説かどうか知りませんが、とにかく予備隊が朝鮮のほうに出動したという噂を聞いたのです。これに対してあなたのほうでそういう事実があつたかどうかということについてお話を願いたいと思います。
  91. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) これは国会の他の機会に総理大臣から御答弁があつたようでありますが、朝鮮に予備隊が出て参つたことは一つもありません。その際総理がお答えになりましたように、そういう要請があるものとも考えておらないという総理大臣の御答弁でもありました。
  92. 内村清次

    ○内村清次君 最後にこの訓練関係から見てみますると、第一期、第二期の訓練が小部隊から大部隊の訓練、現在の第四期が総合訓練、而も又特殊訓練がなされておる、こういう訓練の形態を見てみますると、その性格というものが、これは過去にやはり徴兵関係で軍隊におりました者の経験からいたしましても、だんだんと軍隊関係と全く同じような訓練の経路がなされている、而も又今回の追放解除者の幹部任用によりまして、この幹部の任用というものが今後どの程度に発展して行くかは、これは別問題といたしましても、こういうような旧軍人関係がこの部隊訓練の先頭に立つて行く、或いは計画、或いは又その指導部に携わつて行くというようなことになつて参りますると、どうもこれが一つの軍隊化されたような傾向になるように考えますが、この性格につきましてあなたのほうの指導理念、いわゆる予備隊設置の指導理念というものがどういうふうになされておるか、その具体的な方針について御説明をお願いしたいと思います。
  93. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊の任務は先ほど申上げましたように、国内の治安を維持し、公共の福祉の保障に任ずる、警察の目的を達する、そうしてその順序は第一に国警及び自治警がそうした任務を行う、その力を補うというのが警察予備隊の任務であります。従いまして、通常例えば騒擾、暴動というふうな事態でありましても、小規模のもので自治警なり国警なりの力でこれを取り鎭めることができるという場合には、予備隊は出動をいたさないわけであります。従いまして、予備隊が出動しまする場合は、これは相当規模のものであつて国警自治警のそうした治安力の手に負えないという場合でありまするので、そうした場合に対処する予備隊の訓練の方法、編成の基礎理念といいますか、方針としてはやはり部附編成をし、部隊訓練を中心とすべきものであるという考えを持つておるわけであります。従いまして総隊総監部の下に四管区隊と一管理補給隊を置きまして、管区隊は三つの普通科連隊、一つの特科連隊、一つの主計大隊、一つの衛生大隊、一つ通信大隊その他の附属の大隊、中隊を持つというふうな部隊編成をいたしておるのでありまして、その具体的な力を有効に発揮できるように訓練を行うという方針を持つておるわけであります。従いまして、これは外形的に軍隊らしさを持つということは、部隊活動、部隊訓練をしておるということの一方からする見方であるというふうに考えるわけであります。これは他の機会に総理或いは国務大臣等からいろいろ申上げておる通りであります。警察予備隊は政令に示された通り警察の任務に限られるべきものでありまして、国内の治安保持に当る、国際紛争処理のために国外に向つて武力を行使するという目的は我々には與えられておらないのであります。
  94. 小酒井義男

    小酒井義男君 先ず第一に予備隊員一人に対して人件費裝備費及び手当等を加えますと、一カ年どのくらいの経費が必要か、この点をお尋ねします。
  95. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 一人当り経費と申しましても、訓練の度合によつて大分変つて参るのでございます。基本的な経費を申上げますと、大体人件費と申しますと、俸給、諸手当、それから旅費、それから隊員に対しましては現物で食糧を支給いたします。その食事代等を合せて申しますと、大体一カ月、俸給におきましては、平均五千八百円程度、それから食糧費で二千四百円、それから物件費でこの人の活動に伴います極く基本的な経費だけを見ますと約三千円、それで基本的な経費として見ますと、一月一万二千円から三千円程度というものが基本的な経費に相成ります。そのほかに車両でございますとか、通信機関でございますとか、裝備関係におきまして相当な経費になるわけでありますが、それらを入れますと、二十六年度の本予算では年にいたしまして十五万三千円程度、それから補正予算を合せますと、一人当り三十万近くに相成ります。併しながら補正予算内容は大体において諸度の調達のものでございますので、これを維持して参りますために大体それの三割程度のものが来年の維持費として物件費に計上されると思います。そうしますと、十五万円の三割でございますので、約四万五千、合せまして平常、今のところの段階では二十万前後ということに相成ろうかと思います。
  96. 小酒井義男

    小酒井義男君 最近採用になる幹部といいますか、尉官、佐官の旧軍人の採用條件はどういうことになつておりますか。
  97. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 佐官を採りましたときには中佐、少佐の階級で最近の、最近と申しますか八月下旬、九月にかけて解除になつた人々、それで尉官、経理等の人は全部解除になり、或いは全然初めから追放にならなかつた人も採りましたが、昔のいわゆる兵科に属する人々は八月下旬から九月初めにかけて解除になつた人々の中の中佐、少佐の旧階級にあつた人の中から選考をいたしたわけであります。
  98. 小酒井義男

    小酒井義男君 お尋ねしておるのはそれらの人の採用條件給與といいますか、それらの点をお尋ねしておるのであります。
  99. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 採用いたしまする際は旧中佐のうち、中佐経歴の長い人のうち若干名は予備隊における一等警察正、旧中佐と少佐の中で経歴の長い人若干は二等警察正、旧少佐の大部分は警察士長というふうに採りまして、俸給はそれぞれ一正、二正、士長の俸給を支給するということにいたしております。
  100. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 長官の御説明を補足いたします。今度お願いをいたしまして給與改善費を含めまして、一等警察正の俸給はこれは日額でございますが、八百九十円、それから二等警察正が七百六十円、それから警察士長が六百四十円ということに相成ります。これはそれぞれの階級の初俸でございますので、勤務年限に応じましてそれぞれ段階を踏みまして、同じ階級の中でも漸次昇給をいたして行くということに相成るかと思います。
  101. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) 小酒井君よろしうございますか。
  102. 小酒井義男

    小酒井義男君 はあ。
  103. 岩間正男

    岩間正男君 先ず最初にお伺いします。只今お話によりますと、旧軍人が再び採用されているのでありますが、旧軍人を幹部に採用した、或いは採用しなければならなかつた理由ですね、こういうところについて先ずお伺いしたいと思います。
  104. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 幹部は先ほど申上げましたように、最初七万四千の隊員一般募集、これは二十歳から三十五歳まででありまするが、二十歳以下の者でも特殊の者については採用いたしましたが、大体二十歳から三十五、この一般隊員として入つて来た人たちの中にもとより幹部適任者がおりまして、先ほど申上げましたように、試験の結果約三千名を幹部に採用したのであります。そのほか約八百名を幹部として一般募集し、二百名は特別任用ということで採りましたが、現在までにそうした一千名の中から特別の者が八百名足らずが任用になつた。その後幹部の充実ということを考えておりました際に追放が解除ということになりましたので、今まで幹部採用の機会を與えられなかつたこの人たちの中から幹部を充足することがよかろうということで、この人たちの中から採用いたしたのであります。
  105. 岩間正男

    岩間正男君 この警察予備隊については、これは軍隊の復活ではないか、或いは又外国のニユースなんか見ますというと、日本の軍隊として七万五千、こういう軍備がある、こういうようなことがしばしば見えており、非常に疑惑視されておる中でこの旧軍人を採るということは、非常に私はやはりいろいろの点で問題がある、そういうように考えております。こういう点については考慮されたのでありますか。三千人も一般から募集された中からすでに幹部が撰ばれておる、こういう話でありまするが、むしろこの旧軍人というような、ともするというとそういう色合いで見られる者をわざわざ、而も相当これは中佐とか少佐とか、旧軍人の中で相当な階級の人たちが相当高い地位に着いておるようであります。こういうことは非常にやはりいろいろな点で問題を投げると思うのでありますが、考慮されたかどうかこの点どうなんです。
  106. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) もとよりその点は考慮をいたした結果であります。予備隊の部隊活動を有効ならしめるために適任者を得るという意味合で、もとより予備隊は旧軍隊の復活ではありません。旧軍隊を復活しようというふうな意味合いで入つて来る人たちはこれは避けるというもとより方針はとつてつたわけであります。七万五千の予備隊が有効な部隊活動ができ、治安の維持を全うできるということを念願をして、この人たち採用いたしたわけであります。
  107. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、全然元の資格というようなものはこれは考えない、それからそういうような軍隊的ないろいろな特技を持つていたそういうものを予備隊の成長のために使う、こういう考えはこれは全然なかつたわけですな。そうしますと、そういうお話だとしますと、例えば旧軍人の、今お話がありましたように、中佐、少佐などを一等警察正にするとか、それから少佐はこれを二等にするとかですね、つまり元の資格というものは非常に今回の何と言いますか、就職をします場合に考慮されているのですね。そういうところはどういうことになりますか、こういう点は非常にやはり軍隊との関係はない、予備隊は飽くまで日本の国内の警察事務をやるのだとこういうふうに言われましても、そういう点はやはりこれは非常にそういう色合いを感じられる。併しここはまあ議論をしても仕方がないのでありますが、今度のこういう幹部任用の中で我々はこれは聞いたのでありますが、この追放幹部、或る旧軍人でありますが、そこへ幹部の募集が来ておる、その募集書の中にこういうことが書いてある、若しあなたがまだ追放解除になつていなければ、警察幹部の適用のときはこの問題については、解除の問題は如何ようにもこちらでこれは処置ができるのである、こういうことを考慮に入れてもらいたいというような意味のことがその募集文書の中に書いてあるのでありますが、これはどういう考えでなされておるか。解除されてすでにもう軍人としてのそういう資格がない、こういう認定の下で任用されたというふうな話でありますけれども、今申しましたような募集の案文によりますと、逆に追放解除というものは、こういうものに任用する。そうして旧軍人の持つておる特徴というものを新らしく活かすために先ず必要であれば追放解除もやるのだという、こういうふうになりますと、まるで建前があべこべだと思うのですが、こういうものについてはどういうふうに考えておられるか、この点を伺いたいのであります。
  108. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 追放解除になつた者採用するのがもとより建前であることは申すまでもないのであります。手紙を出します際に、一部追放解除になることがおよそ間違いないという見込の人に、一応追放解除になり得るものとして考えてくれという手紙を実は出したのであります。あなたのほうは入るつもりであれば追放解除は何とでもなるというような意味のことを書いたわけではございません。多少誤解を招いたかと思いまするが見通しを付けた部分に一部出した、こういうことはあるわけでございます。
  109. 岩間正男

    岩間正男君 どうもそういう点は、なかなか今の説明では私は理解しかねるのであります。どうも今度の追放解除というやつが、大体そういうような一つの目的を以て解除されておることが非常に多いのでありまして、警察予備隊のほうでもそういう形が非常に、只今説明にもかかわらず、どうもそういうような疑念を拂拭することができない。それから先ほどお伺いしました中佐なるが故に一等警察正とか、こういうような一つのやはり旧資格というものがここで相当尊重されておると思うのですが、こういう考えを警察予備隊の中で、今後の警察予備隊のいろいろな、何といいますか、行政といいますか、そういうものの中にこれは取入れられて考えられておりますか。私は、先ほどから長官説明されたような、新らしく生まれ変つた日本の国内治安を担当する警察の任務を飽くまで果すということが予備隊の根本的な精神であるとするならば、旧軍人との関係をできるだけこれは拂拭して、そうして新らしく発足する、そういう疑点を十分避ける、こういうことが非常に重要だと思うのですが、まるで火中の栗を拾うようなことをされておる、こういう点はこれはどうも非常に我々は納得できないのでありますけれども、この点をもう一度伺つておきたい。
  110. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 旧少佐、中佐等の階級の人で、八月下旬から九月上旬にかけまして解除されました人は、私今正確に覚えておりませんが、何千或いは万になるかと思います。予備隊に採用しましたのはそのうちの四百名でありまして、予備隊のために解除がどうこうというふうなことでないことは御了察願えると思うのであります。採用しました人たち、元の中佐を予備隊の大体二等警察正に採る、元の少佐を予備隊の警察士長に採るというふうにいたしましたのは、これは他のいろいろの経歴を持つておる人たちにつきましても、例えば他の官庁等から参りました人はその官庁における経歴、職歴と見合つて一応の階級を定めるというふうなことをいたしておるわけでありまして、この人たち採用についてもやはり便宜その措置をとることがよかろうということであります。もとより御承知かと思いまするが、六カ月間は仮採用でありまして、この期間に十分にその人たちの勤め振り、働き振り、能力等も見まして、そうした階級に不適当のものはこれを下げるということももとよりできる制度に相成つておるわけであります。もとより優秀の人は昇進もする。一応階級を與えまする場合に、そうするよりどころとして旧経歴を一応考慮に入れた、その他の方法でやることも一応考えておりましたが、なかなかこれに代るべきいい案がありませんので、警察予備隊というのは新らしくできましたので、順々に資格がよつて来るというわけに参りません。役所のほうからも、いろいろな官庁から参つておりまするし、民間からそれぞれ入つております。一応の基準を職歴、経歴等に求めた、これも併しもとより理想的に行つておるとは私ども申し切れません。暫らく、日がたつにつれて或いは昇進とかそういうふうな方法で落着けるところに落着かせるというよりほかいたし方ないと思います。
  111. 岩間正男

    岩間正男君 とかくすると古い制度が又ここで再現されて、今の世界対立の中に非常に使われておるんではないかということが論ぜられているさ中でありますから、こういう問題について今後予備隊の動きというものはこれは十分に愼重を要する問題だと思います。  その次にお伺いしたいのは、先ほどのお話では、約一万名の人がすでに発足当時からやめておる、これは七万五千に対して約一五%という非常に大きな数字だと思う。一週間七十人というお話もあつたわけなんですが、こういうやめておる原因ですな、このやめておる原因について大体調査ができておりますか、この内容ちよつとお聞きしたいと思う。
  112. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) やめました原因のうちで一番多いのは、二十歳から三十五歳までの人が一般隊員として入つて参りましたが、その従来の経歴等から見ますと、幹部たらんことを目指して入つて来たと思われる人が非常に多かつたわけであります。役人としていわゆる高等官の地位にあつたとか、学歴においてもまあ十分幹部になり得るだろう、或いは幹部候補生として昔の将校であるとか、自分は幹部になれるだろうと、幹部になることを目標として入つて来た人が随分多かつたんでありますが、試験の結果幹部になれなかつた、これは自分仕事をする上においてもまあ面白くないわけでありますが、一面俸給が警査では四千五百円ということで、家族を持つておる者は生活を維持することが困難である、二等警察士になれば一万円以上というようなことで家族を扶持することができるということで、試験の結果幹部になれなかつたのでやめたのが多かつたわけであります。これは幹部試験発表後大勢の人がやめたことで非常に明瞭であります。又もう一つは、警察予備隊というものを従来の警察と大体似たものと観念をして入つて来た者もあるようでありますが、予備隊はその任務遂行上、部隊編成をし、部隊訓練をする。最初新聞に発表され、募集をしました時分から、予備隊はカービン銃を持つのだということは新聞などにも全部出ておつたのであります。カービン銃、いわゆる機銃を持つことを意外とした人はなかつたのであります。部隊編成なり、部隊訓練のやり方が、自分たちの思つたものとは相当違うということでやめて行つたものもあるようであります。又それと関連をしまするが、訓練が、部隊訓練として相当肉体的に普通の一般警察に比べると高い、肉体的に病気になる者ももとよりありましたが、病気にならないまでも重荷を感ずる者が、肉体的の関係、試験の結果幹部になれなかつた、予備隊の性質が一般警察と大体似たようなものと思つたものが、部隊訓練、部隊活動が、自分たちの考えておつたものと実際のものと大部違うという意味でやめた者、そうした者が比較的多いのであります。それと給與関係理由にする人もあります。四千五百円では家族のある者は生活ができないという意味で、給與の少いためにやめるという人も相当数出ているわけであります。大体の理由は以上申上げたようなものであります。
  113. 岩間正男

    岩間正男君 次に装備の問題についてお聞きしたいのでありますが、現在はカービン銃だけじやなくて、機関銃、迫撃砲、ロケツト砲、こういうようなものがすでに持たされている、こういうことなんでありますが、その装備の点について、これ以上これを強化するという考えが建前として進んでいるんですか、それとも大体この装備はこの辺で打止めだ、こういうことなんでございますか。これは今後の予算審議の上においても非常に重要な問題であります。それからこの装備に関連してお聞きしたいのは、現在これは米軍から貸與されている、こういうことになつているようでありますが、大体この見積りですね、これは貸與されないで国の財政で賄なつて行けばどのくらいのものになるのであるか、そういうものについて大体の調査が出ておりますかどうですか。この二点を伺いたいと思います。
  114. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 予備隊の装備は、予備隊の任務達成と睨みまして、治安情勢に応ずるわけであります。現在持つておりますものは、先ほど御説明をした通りであります。将来これを充実するかしないかということは、今直ちに決定的なことは申上げられない状態であります。その経費は確としたことがつかみがたいのでありますが、一応ドル貨計算でカービン銃が何ドル、機関銃が何ドルというふうな資料はなくはないのでありまするが、今持つておりませんので細かいお答えをいたしかねます。
  115. 岩間正男

    岩間正男君 この装備の限度というやつがどういうことになるのですか。只今お話ですと予備隊がその任務を達成する限度内、こういうことでありますが、その任務の範囲がどんどん変つて行く、こうなりますと、どこまでもこれは予備隊が重装備を持つ、そういう段階にまで行くことも考えられるのじやないか、こういうふうに思います。というのは、去年このカービン銃の問題について、私はたしか大橋法務総裁であつたと思うのでありますが、そのとき説明を聞いたのでありますが、第一に持たされた方が、日本政府から別にカービン銃というものを持たしてくれと言つて要請したわけじやなかつた、併しいつの間にかこれは関係方面のほうからキヤンプのほうにいつかカービン銃が運ばれて配付された、こういう形で持たされた。実にこれはそういう日本の政府の意思というものによつて持たされたのではなくて、逆に、持つたのではなくて持たされた、別の意思によつて持たされた、こういう形が出ているのであります。こういう関係で、而もあの当時はカービン銃さえ非常に問題になつたのでありますが、今日ではすでにその当時の説明としましては、カービン銃程度であつて、それでこの警備の任務は達成されるというような話であつたのでありますが、今日ではそれがいつの間にか、先ほど申上げましたように、迫撃砲、ロケツト砲というような段階に進んでおる。そうしますと、どの点を限度として、将来こういうような装備を強化するという点について、一体自主的にこの問題を解決するかということが非常に重要だと思うのであります。若し今のようなものが私が今申上げましたような形でとられるとするならば、どこまでもこの警察予備隊というものは、これは外国の力というようなものによつてどんどん内容が変えられて行くのじやないか、これをどの限度で踏切つて、そうしてはつきりした自主性を確立するかということが非常に私は重要な段階だと思うのでありますが、こういう点についてどういうお考えを持つておられますか、お伺いしたいと思います。
  116. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 大橋総裁のお答えというものは私はよく見ておりませんのでわかりませんが、カービン銃を持つということは、予備隊発足という際から言われておりましたことでありまして、初めからの方針、計画に基いてカービン銃は持つようになつたというふうに私は了解をいたしております。その他の武器を持つことは、現在米軍のほうから借りておるわけでありまするが、米軍のものを使用しておるわけでありまして、我々のほうで何を持ちたいといいましても、米軍のほうで貸してくれませんと、これは持つわけに行かない。これは我々のほうで持ちたいということと、米軍のほうから貸與しよう、こういう意見の一致をしたところで装備をする、これは将来ともそういう方法にならざるを得ないだろう、こういうふうに考えております。
  117. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) 岩間君、海上保安庁がまだあるのですが、ほかにまだ二、三この予備隊について御質問のかたがありますから……。
  118. 岩間正男

    岩間正男君 この問題は時間の関係から先に保留してもいいと思います。併し大橋法務総裁の答弁は、はつきりこの予算委員会で、第十国会だと思いますが、はつきり速記に載つておる問題であります。私は日本の憲法の建前から、そういうような警察予備隊が軍備を持つというようなことについて、どういう形で持つたのであるか、そうしてそれを持たされるというような形だつたら、これは非常に問題であります。こつちから要請はできないはずであります。こういう点につきまして質しましたところが、いつの間にか何ということなしにキヤンプのほうにカービン銃が運ばれたというふうな答えであつたのであります。これは速記を調べて頂けば明らかであります。そういう形でこれは進められれば非常に重要な問題であります。この点についてやはり根本的にどの程度までという点は、今後大いにしつかりした自主性を持つて進むべき問題だと思います。  次にちよつと一、二点お伺いしたいのでありますが、越中島の只今本部が今度の予算との関係でどうなりますか。これは水産大学との問題がありまして、御承知のように久里浜の水産大学が警察予備隊並びに警察学校に校庭や校舎を貸りられて非常に困難をしている。そういうような問題で、大体今度の予算との関連で、こういうような建築が別のほうに移つてつて、越中島を引渡してもいいというようなことも大橋法務総裁の答弁があつたのですが、水産、文部両連合委員会で話したのですが、その時期についてはこれは明確でありませんでしたが、講和の発効時期、その前後というような話になつておるのですが、大体今度の予算によつてそのような問題は解決されるだろうというような法務総裁の答弁であつたと思います。この点どうなつておりますか、この点をお答え願いたい。
  119. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 越中島は御承知のように、米軍のほうで接收をしておりましたところへ、予備隊がこれを使用することを認めようということで、そこへ入つたのであります。我々としてもあそこを永久に予備隊の本部なり、総監部なりに使うことが適当とは考えておりませんので、他に適当な物を得るならば、これに移転をしても結構であるというふうに考えております。
  120. 岩間正男

    岩間正男君 最後にもう一点伺います。これは今度の予算でそういうような移転の計画とか或いは新設の計画とかいう、こういうものはないのでございますか、その点お伺いしたいと思います。  それから最後にお伺いしたいのは、この警察予備隊の不正の問題ですね、これは随分やかましく問題にされておるのでありますが、どうしてこのような一体汚職事件が発生したのか、その経過がどうなつておるか、これに対してどういうような処分をとられようと考えておるのでありますか、この大体の形だけでいいですから、簡單にこれはお伺いしておきたいと思います。
  121. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 予備隊の本部の移転に関する経費は、このたびの補正予算には組んではございません。  予備隊に汚職事件が発生いたしましたことは、責任者といたしましても誠に申訳のないここと遺憾に存じます。申すと弁解になりまして誠に心苦しいのでありますが、先ほども簡單に調弁の経過を申上げましたが、当初は予備隊に調弁に当るべき幹部が揃いませんので、顧問の米軍の手で事実上調弁をやつてもらわざるを得ないという期間があつたわけであります。その後予備隊の調弁係官が任命をされましてから、十分に間違いのないようにそれぞれ本部においても、総隊総監部においても留意をいたして参つたのでありますが、現実には相当数の不正なものが発生をいたしました。誠に申訳ないと思つております。この人たちはそれぞれその非違の程度に応じまして、或いは懲戒免官をするとか、免官するとか、罰俸、譴責等の処置をするとかというふうな処置を予備隊としてはとつておるわけであります。予備隊の制度そのものとしては、こうした汚職をいたしたような者に対しては予備隊内の司法警察官で司法捜査ができる建前になつておるのでありますが、これは予備隊内の整備の都合上、現在、現実には具体的にその人がまだおりません。隊内における司法捜査ができないわけであります。従いまして司法的な問題は一般警察の措置を持つよりいたし方がない、予備隊としては行政処分として懲戒免官なり、免官なり、罰俸その他の処分をいたしておるのでありますが、そういう処分のほかに調弁の組織、方法としまして、現在は予備隊本部において、これは百名の、制服を着用せざるものでありますが、この本部において調弁の基本的な計画を立てまして、この計画に基いて総隊総監部の補給部において調達の事務を行う、その中に調達班がありまして、調達班において契約をいたすのであります。契約をいたしまする物品の仕様書は総隊総監部の各課にそれぞれ技術その他の専門的知識を持つ者がありまして、この方面においては仕様書を作り、これを管理部の調達班において契約を行う、契約を行う際、当初はいろいろの緊急その他の理由を以て随意契約、或いは制限された指名競争入札をいたしましたが、現在は広く一般会計法に基いて成るべく一般競争入札を行う、止むを得ざるものは相当広い範囲で指名競争入札を行う、もとより事情止むを得ざるものは随意契約をいたしますが、成るべく一般競争入札を行うことにし、指名競争入札を行いまする場合にも、指名の措置については十分に愼重に一、二のものの裁量によつてきまることのないように措置をとりまして、将来こうした事件の起りませんように十分戒心をし、措置をとりつつある次第であります。
  122. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 先般山口県広瀬に警察予備隊の初出動を見たようでありますが、初出動に当つての要因を申しますか、要素はどんなものでありますか承わりたい。
  123. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 要請をするほうの要因でありますか。
  124. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 いや要請に応じて総理大臣のほうで発動を命令したわけですね、そのときの発動を決意した要因ですね、それを承わりたい。
  125. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 予備隊の出動は、御承知のように最も典型的な形は、騒擾とか、動乱とかいうような際で、国警自治警を補うという意味でありますが、天災等に基きまする際の出動は、総理の旨もありまして、それはそうした騒擾、動乱等の際のごとく、極めて嚴格には解釈しなくてもいいという方針をとつておるのです。一般民心が不安であり、救助を要する、まあ公共の福祉を保障するという面におきまして、騒擾、動乱等の際よりは條件を緩く考えて参ろうという方針をとつておるのでありますが、先般は山口県知事からヘリコプターで災害地を視察をしたが、交通が杜絶して食糧も広瀬町方面はたしか二日分ぐらいしかないという状況で、非常に治安上困つた状態になつたから、警察予備隊を出動させて、主として食糧、医薬品、その他の物品の輸送及び関係地方の治安の保持に当つてもらいたいという意味の要請が参つたわけであります。受けました部隊では直ちに幹部が集まりまして、状況を相談をする一方、要員を出しまして状況を偵察をさせたのであります。要望通り、知事が要望された通り、交通杜絶をし、食糧も送れないという見込である、当初、まあこれは極めて大ざつぱな言い方ではあつたでありましようが、岩国のほうから参り、徳山のほうから参る道も二日以上要しなければ復旧できないだろうということが漠然として大ざつぱに述べられていたような状況で、偵察に参りました者も具体的な状況をつかむことはできなかつたわけでありますが、これはやはり民生の安定の上から予備隊が出動して、救護の応援をすべきものであるというふうに判定をしたのであります。そうしてこれを福岡の管区総監部に申出て参りました。管区総監部で状況の判断をしました結果、これはやはり出動をして民生救護に当るべきものであろうという判断の下に、本部に要請をして参つたのであります。国際大臣を通じ、総理大臣の指示を仰いで出動をさせたわけであります。ゆるやかに考えると申しましても、緊急状態の存在というものは何としても必要でありますので、予備隊員の相当数まとまつて輸送車両を持つておるから、都合がいいから応援に来てくれというような要請の場合には、やはり出動を命じかねると思います。緊急性を偵察によつて判断した結果、これは予測と大いに違つたわけでありますが、大体六、七時間で徳山からの分は一応のトラツクが通る通路補修ができたのであります。引続いて食糧その他の運搬をやつたわけでありますが、六日間広瀬町を中心にして応援に当つた結果、ここで一応緊急状態を脱したと判定をしまして、六日で帰隊をいたしたわけであります。
  126. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 出動して、引上げるに当つては如何なる資料に基いて、誰が判断して決定されるのか、それを承わりたい。
  127. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) このたびのような場合は、大体出動を命じます際に、向うの部隊からの内申後約一週間の出動という内容を以て要請をして参りました。命令も、直ちに出動して物資その他の輸送、治安の確保に当つて、そうして緊急状態が終熄すれば部隊に帰れという意味の命令を出したのであります。状況の判断は、部隊長が現地に参りまして、現地の知事の意見も聞きまして、これで緊急状態を脱したという判定を下して、部隊長の判定に基いて引上げさせたのであります。
  128. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 一たび出動した場合に、引上げる場合には、今あなたから発言があつたように、責任者の部隊長は当該公共団体の長あたりの意向を聞いて、そして決意するのでありますか、この点も聞いたのですが、どういうふうに報告しておりますか。
  129. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 知事の意向を聞いて判断をいたしました。
  130. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それでは次に、今度出動したことについての反省ですね、これは本部ではどういうようにお考えになつておりますか。
  131. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 部隊及び管区総監部から要請して来た当時、やはり出動すべき状態であつたと、事後にも判断をしましたし、出動によつて食糧その他の輸送等に貢献することができて、地方の民生安定の上に貢献できたというふうに考えております。
  132. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その点については、私現地に行つてつたわけでございますが、確かに現地では惑謝しているようであります。併し事の次第も十分知りませんが、現地としては出動を頂いた以上は、最初一週間の予定であつたが、繰上げて引上げたわけでありますが、現地では慾かも知れませんが、もう暫らくいて頂きたかつたというような声が地元の人並びに首長にはあつたようであります。この点十分連絡がとられて部隊を帰えさせられたかどうか、その仔細を十分知りませんので……。それで打切りまするが、時間が追つてつて申訳ありませんが、もう一、二点聞かして頂きたいのであります。それで警察予備隊の指導理念ですね、指導精神、言い換えますと、誰でも職業に就くときには一つの誇りというものを持つて仕事をすると思うのでありますが、警察予備隊の隊制は、隊の制ですね、隊制はどういう、その中心と申しますか、誇りと申しますか、警察予備隊精神というようなものを持つているのか、持たすべく教育をしておるのか、その点を承わりたい。
  133. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊は、国内の治安を維持する、維持された治安の上に国民がそれぞれの職域に応じて国家の再建に邁進するということであります。国内の治安を維持するという警察の目的を持つわけであります。でありますから、予備隊の考え方の基本は、国を愛し、民族を愛するというこの心持ちを中心にして行くべきものであるということを申しております。団体生活をし、部隊活動をする予備隊として、信條、信念を明確、簡潔に言い現わした信條が欲しいということも私も当初から考えておりますが、これは早急に作文をして作るよりも、予備隊の七万五千のお互いの日夜の訓練と努力のうちから、愼重に信條、信念を凝結させるという方法をとることが適当であろうと私ども判断をして、今数カ條に亘る信念、信條というものは、まだ作つておりません。
  134. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 曾つての日本陸海軍の軍人精神とそれとは違うのか、違わないのか、違えばどういう点が違うのか、それを承わりたい。
  135. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) どういう点が違うかと言われますと、誠にむずかしい問題でありますが、御質問の趣旨に合うかどうかわかりませんが、例えは軍人の五カ條というふうなものは、或いは忠節を盡すを本分とすべし、質素を旨とすべし、礼節を尚ぶべしとか、こういうような五カ條があつて貫くに一つの誠を以てするというふうな事柄は、例えば忠節というものが、国に対する、民族に対する忠節というふうに考えまするならば、予備隊にとつて以て一向差支えないものであるとも考えられます。従来の軍隊が天皇の軍隊として、天皇を中心として構成せられた、そうしてこの五カ條も勅諭として與えられた、忠節は天皇に対する忠節であるというふうな点は、現在の予備隊或いは現在の民主主義日本には当てはまらないのであります。私どもは予備隊員に対しては、国に対し、日本民族に対する、民族を愛する心持というものを中心に話をいたしておるのであります。そうした点については、従来の軍隊というものは、特に理念的な意味の軍隊と、現実に日本の軍というものが犯した過ちとの間にも又大きい問題があるわけであります。現在の予備隊はそうした国を愛し、民族を愛するという心持を中心にして行くという考え方をとつておるわけであります。
  136. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 警察予備隊はおおむね曾つて陸軍部隊或いは空軍部隊が設けられていた所に現在駐屯しているわけでありますが、そこの土地の中、小学校の生徒諸君に聞いて見ますというと、私は的確な科学的な輿論調査をしたものではありませんが、おおむね意見は、曾つては是非とも陸軍軍人或いは空軍軍人になりたい、こういうように申しておつた生徒、兒童諸君が、現在では一部には警官になりたいというのはあつても、警察予備隊になりたいというような希望と申しますか、そういう意見を吐く者は殆んど皆無だ。私の聞いた範囲内ではそういうふうに聞いているのでありますが、長官においてはそういうことをお聞きになつたことがあるかどうか。若しあつたならば、或いはなくとも、それをどういうふうにお考えになるか承わりたいと思います。
  137. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊は発足をしました際は、御承知のように総司令部の書簡に基いておるのでありまして、編成や装備についても当初いろいろと米軍の指示の下にあつた、こういう結果として一般国民に親しまれないという現状を生んであると私どもは反省をしております。これは占領下の総司令官命令によつて生まれたという一つのハンデイキヤツプがあつたわけでありまして、警察予備隊は飽くまで国内の治安維持をする日本の警察予備隊であります。国民を基盤とし、国民によく了解をされ、国民に又信頼をされ、国民に愛される予備隊にしなければならないと思うのであります。そうした面については我々が努力すべきところがこれから非常に多いと考えておるのでありまして、警察予備隊現状が十分満足すべきものであるとは私ども考えておりません。併し発足当初いろいろな意味で不安動搖のありました予備隊が、約一年二カ月の現在において当初とは見違えた体制整備の域にありますることは十分申上げて差支えない状態であります。国会の委員会の皆様がたにもときどき視察を頂いておりまするが、各部隊の現状を視察をして頂くと、予備隊員が普通は休暇その他で外部を散歩し、場合によると酒を一杯飲んでおるというふうな状態を普通一般の人に見せておりまするが、私ども警察予備隊現状を一般のかたにもよく見て頂いて、その足らざるを鞭撻をして頂き、よい面のあるところは激励助長をして頂くようにお願いをしたい、我々も十分努力を続けて行きたいと思います。
  138. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 時間がないのでその点はここで打切つて、もう一点お聞きしたい。先ほど岩間君のほうからも質問があつたわけでございますが、離職者が今まで約一万、一週間に七十人程度つて……という問題は、これは私は非常に重大だと考えるのであります。これと同時に、昨年八月警察予備隊が設置された当時を回顧するときに、最近旧軍人を尉官級、佐官級、そういう階級別にそれぞれ採用し、而も先ほど一応の説明がありましたけれども、曾つての陸軍の軍人におけるところの階級が警察予備隊における階級に横すべりしているというような点は、昨年の八月警察予備隊が設置された当時の状況とその精神からいつて、私もどうしても納得できないのです。こうなりますと、恐らく同じ佐官級或いは尉官級にしても、正系の軍人と傍系の軍人とは年齢によつてやはり差等があります。必ずしも年齢とか、人間としての総合的な価値と申しますか、そういう点で警察予備隊の階級がきまるのでなくて、曾つて軍人として正系であつたか、傍系であつたかということが、直ちに警察予備隊における階級にも影響して来ているのです。こういうことになりますというと、先ほど長官が示されましたように幹部になりたいと思つて希望して入つたが、それに落ちたからやめたというのがその一万人の中に非常に多い、こういう御説明がありましたが、今後先般行われましたような曾つての軍人を階級別によつて採用するというような傾向があれば、ますます私は今後隊員は離職する人が多いのじやないかということを懸念するものであります。そうなりますというと果してその警察予備隊というものが役に立つか、昨年から本年にかけてすでに五百億を使おうとしておるのですが、随分と国家の投資としては不経済なものになるのじやないか、こういうふうな私は考えを持つておるわけです。そこでこの点に対する長官の自信のほどを承わりたいことが一つ。  それからもう一点承わりたい点は、警察予備隊の性格というものがはつきりしないところに、私は国民から尊敬のされない大きな原因があるのではないか、こういうように考えるわけです。警察予備隊が設置されたその精神から考えるならば、私は迫撃砲とかそういう裝備をするほどの必要性があるかどうかという点に疑問を持ちますし、迫撃砲、ロケツト砲というようなものを逐次裝備して行く傾向から見ますというと、これは警察予備隊は設置した当時と随分違つて来ておつて警察とも軍隊ともつかないような合の子であるというところに、私は大きな問題があるのじやないか。それで、あなたがたがそういうことをやるに当つてこの必要性をどういうふうに把握されておるのか。本当にそういうものが必要だとあるならば、警察予備隊というようなものをかなぐり捨てて、かくかくであるからこれを軍にするのだと、はつきりそういうような性格を打出せば、それで警察予備隊の性格もはつきりして来るし、国民もそう認識するかと思うのであります。私はここでお伺いするのでありますが、第二点としては警察予備隊の設置された当時のことを回顧するときに、私は現在ロケツト砲、迫撃砲まで裝備して、曾つての佐官級、尉官級を階級別に採用してやらなければならないほどの情勢分析というものが、あなたがたに如何になされておられるかという点、以上二点で、私はこの質問を打切りたいと思います。
  139. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 旧陸海軍人を採用しましたのは、やはりそうした過去の経歴が部隊行動をとる予備隊の幹部としてよかろうという意味合でありまして、今まで追放で機会のなかつた人たちに、解除になつたからその機会を與えたという意味合でありまして、一応旧階級を或る程度斟酌をしたのは、他に適当な格付の方法がないので、仮採用の六カ月の期間なり、もとよりその後においても或る期間においてこれが適当に落着く、これは新設の、伝統のない予備隊としては止むを得ない方法であるという意味でやつておるのでありまして、旧軍隊、旧軍閥を復活しようというような意思のないことは御説明を申上げるまでもなく御了解を頂けると思うのであります。そういうものが入つて来たから更に離職者が多くなりはしないか。そういう心配は私どもはまずまずなかろうと見通しをつけております。もとより旧軍閥的なものを作るということであるならば問題は別でありますが、そういう意思を持たず、又そういうことのないように十分努力もし、配慮もいたして参りたいと十分心得ておるわけであります。  警察予備隊の性格の問題がございましたが、警察予備隊は私どもとしては政令によつて與えられたる任務を遂行するのでありまするが、国内の治安を維持して公共の福祉の保障に任ずる。併しそれは一般警察のいわば手に負えないというふうな場合に出動をする。これは何としても軍隊訓練をし、部隊訓練をする、そういう程度の課程を持つということが任務達成上適当であろう。任務達成の最もいい方法は、そういう予備隊があるから騷擾、暴動が起らないということになれば、これが最上の方策であるというふうに考えるわけでありまして、持つた火器を使用するというふうなことは、策としては次善のものと考えるわけでありまして、そういう意味において現在の程度の火器を持ち、その訓練に習熟して部隊行動の有効を期するということは、国内の治安維持の目的達成上適当な方策ではないかというふうに考えておるわけであります。
  140. 東隆

    ○東隆君 私は、先般越中島のほうに伺いましたときに、長官から予備隊は軍隊でもないし、警察でもない、こういうお話を聞いておりました。先ほどから軍隊化の問題で大分質問がありましたが、私はその軍隊化の傾向が非常に多いと思いますが、これに対して軍隊化しないような、どういう方法をとられておられるか、それを伺いたいのであります。
  141. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 軍隊にしないようにどういう方法をとつておるかという御質問でありまするが、私どもは軍隊というものは国際間の紛争を処理する対外的な奉仕を目的とした武力というふうなものが、その性格の骨子ではあるまいか、いろいろ附加すべきものはあるかと思いますが、国内の治安を保持する警察予備隊というものは、任務としても警察の任務を與えられておるのであつて、これは軍隊ではない、警察である。但し常識的な話をする場合には今の日本でほかに国警自治警が拳銃をせいぜい持つておるというふうなときに、予備隊は部隊編成をしてカービン銃なり迫撃砲を持つておる、部隊訓練に專念をしておる、そういうものは非常に軍隊みたいではないかと言われれば、いわゆる軍隊みたいなところではありますというお話をする場合もあるのであります。軍隊の本来の使命目的というものと警察予備隊の使命目的とは全然違つて来るのであります。対外紛争処理のための武力としては、現在の予備隊が迫撃砲やバズーカを持つておる程度では何らの用をなし得ない程度の貧弱なものであります。武力と軍隊、武力と呼ぶには誠にふさわしくないものであると実体においても観察できます。私どもは與えられたる任務の国内の治安維持のために、その最も有効な部隊編成なり部隊訓練をやるということを努力をしておるわけであります。
  142. 東隆

    ○東隆君 今の状態における予備隊の量と質で十分に治安の目的を果し得る自信があるとお考えですか、それとも将来もつと充実をして行かなければならん、こういうお考えがどちらか、お伺いをしたいのであります。
  143. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 只今のところ、国会における他の委員会において大橋総裁からも申上げましたが、予備隊増員のことは考えられておりません。情勢の見通しというものは状況の他化にもよることでありまして、その点については私のほうから今確たることを申上げることは差控えたいと思います。
  144. 東隆

    ○東隆君 私は今の状態において、国費の使い方等から考えても私は予備隊はネセサリー・イーヴイルの最たるものだと、こう考えますが、治安の問題は、これは非常に大切なことでありますので、これを相当充実をして行かなければならん、こういうふうな考えます。その場合に先ほども矢島君のほうからも話がありましたが、私はもう少し国民との連繋をとらなければならん、それは国民との連繋をとることによつて予算その他の面において、大きな両者の間に何と言いますか融通がきくのではないか、こういう考え方を持つのであります。例えば先ほどの災害の関係に出動された場合にも私は若し予備隊の中に技術部隊のようなものが仮にもあるとするならば、これは非常に効果を発揚すると思うのです。それで少数の予備隊がその効力を発生し、機動的な働きができるためには私は道具もこしらえんければならんし、通信網を相当整備をしなれば私はならんと思うんです、そういうような意味で予備隊の活動を前提におきますと、私は土木関係、建築関係その他の面に非常に関連を持たせることによつて、私は予備隊が單なるネセサリー・イーヴイルとしての治安上の問題をやらないで、そつちの方面に動き得る部面が多い、こう考えるのですが、アメリカの陸軍の技術部隊がTVAの設計をやつたり何かしたようでありますが、そういうような面から考えて来たときに、国費の中で非常に大きな部門を占めているところの公共事業費の中に関連を持たせめことによつて、相当な私は国民との繋がりにおける予備隊を考えることができる、こう考えますが、そういう面で、若し予備隊の充実その他のことをお考えになる構想がありましたら、お伺いをしたいまであります。
  145. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 只今の御質問誠に御尤もでございまして、現在までのところはまだそれぞれの本格的な職務の訓練が十分にできておりません。やはり施設関係においても各管区には施設大隊を持つておるのでありまして、或る程度の機械器具等を備える方針で進んでいるわけであります。そういう本面からも一般国民との連繋を十分つけまして、予備隊が平素事なきときにおいても、国民生活の向上の方面にも寄與できるように、そうした方面は我々も十分研究をし、実現に努力をして参りたいと思います。
  146. 東隆

    ○東隆君 私は昔の軍隊の場合には非常にそういう面で遺憾な感じがあつたのでありますが、あの教育盛りと言いますか或いは働き盛りと言つたらいいかも知れませんが、そういう時代に予備隊に中に入つてもりまして、そうしてそれが一定の年限の後に予備隊を出ると、その後における予備隊員に生活方法、生きて行く方法というようなものを考えますと、私は一体何をなつたらいいのか、こういう問題を考えますと、非常に心配があるのであります。そういうような意味から考えても、予備隊を一つ学校、こういうような考え方で、あの中でいろいろな訓練をする、職業教育をかね合せる、こういうような形をとることによつて、私は予備隊そのものは治安の目的を果しつつ、立派な教育盛りの人間を訓練することができる。それならば私は大きく国費をその中に投入をしても、これは無駄ではない、そういう考え方を持ちます。従つて現在のままにおいて予備隊をやめた人は一体どんな職業に就かれるのか、それを一応お考えになつたことがあるか。それを伺いたいのでおります。
  147. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 予備隊の使命達成上、仕事のやり方はだんだん分化せざるを得んのでありまして、通信関係は有線、無線、車両相当数を機動性を持つためには裝備をするようになると考えられますので、そう訓練、いろいろな面に技術的な能力、技能を修得させれことは当面の必要事になるわけであります。これを今お述ベになりましたような趣旨において拡充した参りまして、若い世代の人が予備隊に入つて、予備隊の中において規律ある生活、正しい心身の練磨、技能、科学的知識の修得、そういうことをさせることは、これは誠に私どもも大事なことだと考えます。発足当初から実は総理からもそういう御意向があり、我々もそのことを念願をして参りました。只今までのところまだそうしたことを心掛けながらも成果が挙つたとはまだ申上げられない状態でありまするが、爾後においてはそうした面も十分に考えまして、身体を強健にすると共に精神の面においても十分修養し、又技能をいろいろな面において、身につけて将来次代の社会において適当な職業を持ち得られるように、これは我我としても十分そうした配慮を盡して参りたいと思います。
  148. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 講和会議以後になりますと、自衛力強化の意味で、警察予備隊が次第に増員されることになると存じます。そのとき警察予備隊を動かすに当りまして、やはり現状のままでよろしいとお考えでございましようか、成るほど最初はポツ勅でできたものでありまして、何でも内閣に直属いたしているそうでございますから、内閣の要請があつて隊長さんがよいと御判断になりましたら動かしてよかつたでしようけれども、これが次第に増員されるとなりますと、丁度防衛軍のような恰好にもなりますので、それが單に内閣の一存や予備隊長さんの考えで動かせるということになりますと、どうも以前の統帥権のようで、何かと弊害が出て来るのではないかと思いますが、将来予備隊を動かすに当りまして、国会の承認を得るように改正する必要があるとお考えになる必要はありませんでしようか。
  149. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊動くことになつておりますが、私ども現状においては、この制度で結構ではないかと思います。但し、今御質問の趣旨は将来防衛軍のようになる、或いは大いに増員をされるという場合にどうかという御質問だと思いますが、そういう場合の問題については、只今私からは御答弁を申上げかねます。
  150. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 安保條約が通過しますと、日本国内の暴動に際しましては、政府の依頼によりまして、アメリカ軍隊が出動することになるらしいのでございますが、先ほどの御説明の中にも、アメリカから武器彈薬など支給されている関係上、やはり訓練の都合もありまして、将来日本の警察予備隊の訓練はアメリカの指揮によるのであつて、日本が独立して警察予備隊の訓練に当るというようなことはなさそうでございましようか。
  151. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊は日本の予備隊でありまして、現在総理大臣の指揮命令の下に、私が指揮統率をいたしておりますが、進駐軍の指揮統率を受けておるわけではありません。進駐軍関係からはアドバイサーとして向うの兵器を使うことでもありますので、その使い方その他の教育援助受けております。こればアドバイサー、顧問という形でありまして、指揮統率というふうなことには関係をいたしておりません。
  152. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 最初、警察予備隊を募集されました頃は、退職金も随分多いと言われましたし、失業時代でもございますので、單に就職の気分で職に就く人が相当多いらしいから、まさかのときに命を投げ出して日本を守るだけの決心があるかどうかにつきましては、やはり一部の国民の中に疑惑を持つているようですが、隊長さんが御覧になりまして、現在の予備隊員の心理状態はどういうふうでございましようか。  それからなお、今日の訓練のほかに、精神教育と申しますか、そういうふうなものにどういう学課を選んでおいででしようか。
  153. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 予備隊員を最初募集しまするときに、どういう條件で募集するかということは、実は非常に急ぎました場合でもあるし、苦労をいたしまして関係者で協議をしたのであります。当初予備隊というものをどういう構想で作るかという構想を作つて後、隊員を募集するか。これは隊員を募集するよりも、先に幹部の募集をし、幹部が或る程度訓練がされ、指揮統率ができたところで、部隊員を募集するのが当然の行き方でありますが、御承知のように総司令官の書簡に基いて予備隊の発足が命令をされ、募集を極めて急速に行えという命令が出た関係で、そういう正常の手続を踏むことができなかつた。当時の見通しとしては、正規の七万四千の隊員をどうしたら募集できるかというふうに実は苦慮いたしたのであります。特別退職金六万円というのは非常にいい案であるとは、必ずしも唯一最善というふうに皆の考えが一致したものではありませんが、ほかにいい案もない、まあ止むを得ずこの方法をとろうかというふうなところできまつた案であります。これが一般にはいろいろに響きまして、これを取り上げて揶揄されたような形が随分多かつたのであります。非常にうまく詠んだ川柳もたくさん拜承したのであります。これも最初構想の明確でない、而もやはり内乱とか、騒擾とか、相当大きい治安撹乱行為に対処するという趣旨であつて、生命の危險を伴うという予備隊、そういうものに応募する国を愛する心持の人に対する一つの報償的な措置であるという考えで出たのであります。これは金ずくで人をとろうというふうな考え方は立案者にはなかつたのでありまするが、世間のほうには何か金ずくで隊員を募集したように誤解される面もありましたことは、私どもとしては誠に残念に考えるのであります。もとより募集條件が二年満足に勤務すれば六万円というのでありましたから、志望者の中に六万円が頭の中にあることは当然であります。そういうことを強く意識して入つた人も勿論ないとは申せません。併しその後いろいろな意味で除隊した人が約一万人ございまするが、現在隊務に精励をいたしております一般隊員は、私は概括、全面的に申して予備隊の任務をよく把握し、任務のために邁進してくれる隊員であると私は了解をいたし、信頼をいたしております。なお又、その信頼の更に固まるように私どもとしても一層努力をいたしたいと考えております。こういうふうに考えている次第であります。
  154. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 関連して質問を……。只今長官は、警察予備隊は日本の警察予備隊であつて、米軍の指導は受けていないと、顧問アドバイザーとしておられる、こういうお言葉でございましたが、一体この顧問、アドバイザーは日本政府で要請して就任されているかどうか。  それからもう一点は、何人現在顧問、アドバイザーとして就任されているのか、その点一応お聞きしたい。
  155. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 米軍関係の顧問は、根拠は御承知かと思いまするが、予備隊設置を命令してまた書簡の末尾に、予備隊の組織、編成、その訓練等については十分授助を與えるであろうというふうに言つております総司令官の意思に基いてできているものであります。これは現在日本が占領下にあるということの一つの方式であると考えます。向うのほうから顧問を出して来たわけであります。現在顧問は明確な数字は今覚えておりませんが、本部におります顧問は部局として民政局、シヴイル・アフエアーズ・セクシヨンが顧問団にそのまま当つておるという形をとつております。准将を長とし大佐、中佐階級の者が十数名おりましようか。そのほか少佐以下数十名、附属の職員等もおるわけであります。各部隊にも現在は大佐はいなくいなつたかと思いますが、或いはまだ大佐がおるかも知れませんが、或いは大佐或いは中佐、小さい部隊は少佐を長として三人或いは五人の顧問がおるわけであります。
  156. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私の聞いた範囲内では相当訓練の第一線に出られて警察予備隊の訓練計画等もそのサインを頂かなければやれないのではないか、従つて日本の警察予備隊の訓練の実権というものは、こういう顧問のかたにあるように私は聞き及んでおるわけでございますが、果してそうかどうかというのが一点。もう一つはこういう顧問とかアドバイザー、こういう形のかたは講和條約の発効後においては解消するものか継続するものであるか、その見通し、この二点を伺いたい。
  157. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 予備隊の発足は総司令官の書簡によつて命令をされたというふうな特異な発足もある関係もありまするが、現在重要な国務が総司令部の了承といいますかを得て、行われておることは御承知通りであります。予備隊の仕事も重要な問題は顧問団の了解を得るという措置を現在とるようになつております。そのことが今申されたような話を生んで来たのではないかと思いますが、建前は顧問でありまして、指揮、命令の権限を持つものではありません。併し重要な仕事については了承を得て、これを行うという手続をとつておることは現実であります。講和條約発効後にどういうふうになるかということは、現在の私のあれではまだ明確に申上げる資料を持つておりません。
  158. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 まだいろいろお聞きしたいことが各委員にあると思いますが、時間も非常に遅くなつておりますので、今日はこの程度で切上げて、もう一遍又の機会に御出席になるということに願いたいと思います。
  159. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) 只今佐多委員の御動議がございましたが、その前に簡單に三点だけ非常に簡單なことですが、私から最後にちよつとお伺いして置きたいのですが、第一点は今度の補正予算で各種学校急速整備という御説明がありましたが、学校の教課内容というものはどういうものであるかということが第一点、具体的に若しできれば何か資料が何かとつて頂けば結構と思います。第二に医務幹部が非常に少い、志望者が……。その理由はどうしてこうなのか……。第三は国内治安ということを警察予備隊の使令であると言われましたが、迫撃砲とかバズーカ砲というものを使わなければならないような治安の対策というものは具体的にどういうものか、今後の日本においてそういうことが国内的に具体的にどういうものが起り得ると予想されるか、大砲を使わなければならぬような治安の乱れ方というものには我々はちよつと考え及ばないのですが、どういうものを予想されるか、この三点について伺いたいと思います。
  160. 増原恵吉

    政府委員(増原恵吉君) 学校と申しますのは、予備隊の今任務を持つております各分科々々に応じたものでありまして普通科連隊というのがありますが、普通科連隊の幹部或いは士補等の訓練が一つ、特科の連隊、大隊がありまするが、こういう幹部、或いは士補等を訓練するもの、それから通信経理関係、補給関係、医務の関係、そうした予備隊の各分科々々に応じまして、これは幹部のうちの比較的下のほうの一士、二士というふうなもの、或いは上級の者等にそれぞれ分れ、又幹部を養成するための、これは主として士補から選拔をするようになりましようが、そういうものの養成をするもの、そうしてまあそういうふうに分れまして、各コースコースに分れて学校を作るわけであります。現任教養、養成教養、高級幹部教養というふうなものに大分分れ、それぞれの專門と言いまするか、分科に応じて学科目を編成する、こういうふうに相成るわけであります。医務官の志望者が少いということの理由は、これはまあいろいろ考えてみておるわけでありまするが、御承知のようにこれは昔軍隊がありました際に、陸海軍等でも医務官を得ることは非常にむずかしかつたようであります。米軍あたりでも医務官を得るためには、特殊の給與制度を考えておるようでありまするが、我々のほうでも特殊の給與制度を考えて折衝を少しやつてみたこともありまするが、なかなか現状ではうまく参らないというふうな一応の経緯もあつたのでありまするが、医務官は普通社会において職域を守つておられますると、相当收入がいいのでありまして、現在の公務員としての予備隊医官になると、非常な減收を来たすということが他の職域の人よりも著しいのであります。もとよりそれのみが原因であるとは考えられませんが、これが相当の原因であることはどうも動かせないようでありまするが、従いまして予備隊としてはでき上つた人に全面的に期待することは困難と考えまして、新らしく学校を卒業する人、そういう人を採用して、若干年月のインターン、その他の実務を経て一人前の医者としての勤めさしてもらう、そういう方法も現在すでに取りつつあり、将来も強化をしてもらいたいと思いまするが、原因の大きいものは待遇の関係ではないか。もとより医者としての仕事柄が部隊というふうな生活様式を好まないというふうなところも相当の理由にはなつておるかと思います。  次に現在の予備隊の持つておりまする武器が治安維持とどういうふうに関係を持つかということでありまするが、予備隊としては治安の乱れというものがどういうふうになるかということの想定は、これはなかなかむずかしい問題でありまして、もとより予備隊は相当大規模な騷擾暴動等に出て、国警自治警の力を補うということが目的でありますので、出動する場合には相当大規模な騷擾暴動である。それを鎭圧できる、或いは予備隊が断固たる鎭圧力を持つておるから、そういうものが起らないということになることが、最も策の得たるものであると考えるのでありまして、そうした点を睨み合つて、現在の程度の武器を持つておるわけでありまして、治安情勢の認定ということを箇條約に申上げることはなかなか困難な次第であります。
  161. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) 重要な問題でございますので、いろいろまだ御質疑もございましようが、先ほど佐多君の動議もございましたので、警察予備隊関係、及び海上保安庁関係の質疑は次の機会に廻しまして、本日はこれで散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  162. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) それではこれで散会いたします。    午後五時六分散会