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説明員(庄野五一郎君) 御
説明申上げます。統計調査部は、本省のほうは統計調査部でございまして、それから地方のほうの実際に調査をいたしておりますところは県に統計調査
事務所が四十九あります。その下に大体現在において五カ町村平均に二千百十三の出張所を設けて調査いたしております。それで今藤野
委員が申されましたように、この統計調査部におきましては農作物調査とそれから農林経済調査と農林統計と
水産統計、それからそれに関連いたします気象感応試験とか被害試験とか、そういうものを
担当いたしておりますが、現在において一番その重点を置いて調査しておりますものは農作物調査でありまして、これについては米、麦、甘藷、馬鈴薯、その他大豆、菜種等、合せまして八十三品目に亘る農作物の生産高を調査いたしております。それで今度の整理につきまして、特にこの農作物調査が現在中央地方合せまして一万一千百四十四名という者がこの農作物調査に従事いたしております。これにつきまして合せまして約五三%の整理率にな
つておりますが、これは米麦の統制を撤廃する、こういう前提の下に整理がなされております。それで二十六
年度は現在の陣容でや
つております。調査に対しまして五十三%の整理になりますと約半数以上になりますので、現在の調査の方法等を相当に簡素化しなければいけない、こういうことになりまして、この
政府の整理案によりまして我々が調査の設計を今検討をし研究をいたしておりますが、その大体の
内容について御
説明いたしたいと思います。
それで現在は食糧統制、特に米麦の統制ということで、米麦につきましては生産高調査が町村別に生産高の
資料ができるように調査いたしております。現在農作物調査でと
つております調査方法は標本調査と申しまして、任意に標本をとりまして、それを実測いたしまして、それによ
つて作付面積を調査いたしまして、そうしてそれに坪刈によ
つて反収を調査いたしまして、反収を作付面積とを相乗いたしまして生産高を推計する、そういうような方法をと
つて、そうしてそれによ
つて町村別
資料ができるような調査をや
つております。こういう五三%の整理になりますと、その標本数を大巾に削減しなくちやならない、こういうことになりまして、特に米麦につきましてはこの標本を大切に削減する、こういうことになります。先ず水稲から申しますと、水稲については作付面積の調査につきまして、作付歩合の現地調査と、こういうことをや
つておりますが、大体標本数を二町歩を一標本といたしまして、それを県で現在は二千四百単位を今平均いたしましてと
つておるわけでありますが、整理案が
通りますれば、それを約七割程度削減しなくちやならない、現在の三割程度でやらなくちやならない、こういうことになります。今までの現在の調査の設計では二千四百単位が五百単位、こういうことになります。それから水稲の作付面積の実側のほうといたしまして、やはり面積の平板側量を以て面積を実側いたしまして、台帳面積との違い、例えば縄伸び率或いは縄縮み、或いは実際に植付けてあります本地と畦畔の歩合、そういうものを平板側量で実側するわけでありますが、そういう平板側量による実側調査を全然廃止しなくちやならない、こういうことになります。それから作況のほうの調査でございますが、収量のほうの調査も今は予想収穫高を米につきましては二回や
つておりますし、それから最後に実収高を推計する調査をや
つておりますが、予想収穫の調査につきましても、標本数を筆数で約五割六分程度削減しなくちやならないし、それから推計実収高調査におきましても、坪刈をやる標本数を五六%現在よりは削減せざるを得なくなります。これは結局
職員が減りますので、労力の点からサンプル数がとれなくなるわけでありまして、こういうように水稲につきましても平板側量が実際やれなくなりますし、そういう坪刈数を減らすと、こういうことのために現在町村別
資料を作
つていたのが、大体県
段階の推計になりまして、その誤差も大体現行の府県別統計で誤差率が一・八%でございますが、これが整理後におきまして県
段階で約三%程度の誤差の大きなものにな
つて参るわけであります。それから陸稲、麦類、それから甘藷、馬鈴薯、こういつたものにつきましては、畑作でありまして、水田のように固定いたしておりませんので、相当に作付の転換がある。こういうようなわけで、畑作については水稲のように平板測量を全廃するということは非常にその精度を落すわけでありますので、陸稲と麦については作付歩合の調査と、それから平板測量というものを両方を継続することにいたしますが、やはりその人員の点から大体四割三分程度で、現在の二十六
年度の調査から標本数が減るわけになりまして、そのためにやはり県別
資料といたしましても二十六
年度に比べますと相当正確度が落ちると、こういう止むを得ない
状態になります。それから甘藷、馬鈴薯につきましては、従来
通り……、従来からすでに相当簡素化しておりまして、県
段階の推計をや
つておりますので、これ以上はもう統計としては精度を落すわけに行きませんので、ここは従来
通りどうにかしてや
つて行くと、まあこういうような
段階にありまして、農作物調査につきましては従来の正確なものが全国的にはやはり誤差率が1%くらいになると、こういうような設計でございます。こういうようなわけで、この統計といたしましては、従来五カ年計画で二十四
年度からや
つております耕地面積調査の町村別の耕地面積統計を作る、こういうのが丁度現在三カ年目で、もうあと二カ年継続いたしますれば耕地面積の町村別の推計ができる、こういう
段階にな
つておりますが、それが水稲でさつき申しましたように平板測量を全廃せざるを得ないと、こういうふうな
状態になりまして、この三カ年がどうしても中断しなければならんというような
状況で、何とかしてこれは我々としては現在工夫いたしましてや
つて行きたい、何とか出したい、こういうようなことで検討いたしております。そうしてなおこの五二%ということに削減になります場合には、やはりさつき申しましたような県単位に三%程度の誤差率を保つことについては相当程度非常勤
職員或いは常用人夫、そういつた労力補充をこれは今後お願いいたさなければならんのではないか、こういうふうに
考えて、目下
大蔵省のほうに
折衝いたしておる
段階でございます。