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1951-11-01 第12回国会 参議院 文部委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月一日(木曜日)    午後二時四十分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀越 儀郎君    理事            加納 金助君            高田なほ子君            若木 勝藏君    委員            荒木正三郎君            梅原 眞隆君            高橋 道男君            山本 勇造君            駒井 藤平君            岩間 正男君   国務大臣    文 部 大 臣 天野 貞祐君   政府委員    文部大臣官房会    計課長     寺中 作雄君   事務局側    常任委員会專門    員       石丸 敬次君    常任委員会專門    員       竹内 敏夫君   説明員    文部省初等中等   教育局庶務課長  内藤誉三郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育及び文化に関する一般調査の件  (教職員行政整理給與改訂、資  格審査等の問題に関する件)   —————————————
  2. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それではこれより本日の会議を開きます。  前回に引続き文部大臣に対する一般質問を続行いたします。
  3. 若木勝藏

    若木勝藏君 私は、この際、給與ースと、それから行政整理関連について、非常にはつきりしない点がありますので、その点をお伺いしたいと考えております。先般来いろいろ給與ベース文部省の案、或いは行政整理の案について伺つたのでありますけれども、それらについて考えて見ますると、先ず第一に、いろいろ説明を聞いても結局べース改訂においては三百七十五円の切下げになるという結果になる。こう考えざるを得ないのであります。それについては文部当局説明といたしましては、昇給の分であるとか、或いは定員関係であるとか、そういうことから実際においては切下げにならない。現在の実員に対しては現在の俸給に対して千五百のアツプになると、こういうふうな御答弁のように私は考えているのでありまするけれども、併しこれは結局そういう操作によつてなるのであつて、原則としてはこれは三百七十五円の切下げを認めたということになるのじやないか、この点は非常に私は重大であると思う。つまり定員切下げ人員整理をしてベース・アツプをするという基本線は何も変つておらない、そういうふうに私には考えられるのであります。そこで恐らくこの点から考えまして、文部省としては今回の行政整理を認めて、職員に対してもその上に立つて給與ベース改訂考える、或いは新らしいところの定員というふうなものについても考える。こういうふうに私にはとれるのであります。この点は極めて将来の教育上重要なことだと思うのであります。そこで今年度においてそういう操作によつて一応は解決がついたといたしましても、新定員になるということになれば、現在の定員切下げ定員になるのでありますから、今後におけるところの教育は、現在の定員切下げた、極めて不利な立場において教育が実施されるということになるのであります。この点については私は非常に今後の教育上大きな問題になるのじやないかこう考えるのであります。その点はそうなんであるかどうかということについて改めて一つ答弁お願いしたい。私は考えて見るというと、どうしてもそういうようにとれるのであります。先ずこの点を伺いたい。
  4. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私御質問ちよつとはつきりしない点があるのですが、行政整理ベース・アツプというものを関連させておつしやつているように思うのですが、今のベース・アツプ行政整理は無関係にされていることだと私は思つております。
  5. 若木勝藏

    若木勝藏君 そういうふうにお答えになりますけれども、事実は両者炉関連して来て、そうして今後におけるところの計画が今度のベース・アツプにからんで減らされて来る。現在では小学校ならば五十人に対して一・五、或いは中学校ならば一・八、こういうふうな定員になつている。ところがその定員から考えて行けば、小学校の例をとつて見るというと、今年度においては三十四万になつているのです。それが今度の場合においては三十二万であるから今の定員に対して首切りにはならないということは、余裕あるところの定員との開きの二万名が操作に加わつて来る、それで実員に響かないということになるのです。そうすると二万名を操作使つたということが、これは新らしい定員ということを考えた上に立つているということになる。そうすると、来年度においてはこの二万名少いところのものが定員になつて来る。だからそこに関連を持つ、そういうことになるかならないか、それをはつきりしてもらいたい。若し別別なものであるならば、来年度においてもやはり小学校において三十四万ということの根拠を御答弁願いたい。
  6. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) その点については政府委員から詳しく御答弁をいたさせます。
  7. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 只今の御質問でございますが、技術的な問題に亘つておりますので私から答弁さして頂きます。只今三十四万の一・五で計算しました定員数、それで予算を組んでおつて現実には三十二万、ですから二万人の操作で実質的にはベース敬訂支障がない、こういうふうに考えております。この点につきまして将来の行政整理を見越して考えなければならんじやないか、こういう御質問のように伺つたのです。そこでこれは私のほうといたしましては、すべての問題は大蔵省で検討いたします場合に、定員基礎計算しておるのであります。小学校中学校限つて一・五、一・八という定員基礎に来年の計算をいたしたのであります。高等学校或いは大学とか、その他地方公務員については一切定員基礎財源措置をいたしております。ですから私のほうといたしましては、財源的にはその操作で今年は何とかやりくりがつく。来年度のお話がございましたが、来年度につきましては従来は昇給財源というものは一応見ない、それは新陳代謝で賄うという大蔵省の方針でありましたが、来年度の、二十七年度の単価につきましては、これは大蔵当局と大体の話合いがつきまして、昇給財源として二・五%を更に見込み得る点で打合せいたしたのであります。ですからその財源の問題で単価の問題は一応解決する、かように考えておるのであります。只今行政整理の問題は、これは今年度の財源として間に合いませんので、二十七年度に新たに起る問題でありまして、一応切離して考えられる。ですからこれをどうきめるかという問題は、今後の問題でございますので、その点は只今関連がないと申上げて差支えないと思います。
  8. 若木勝藏

    若木勝藏君 その点について重ねて私は質問いたしまするが、今度の政府補正予算において、平衡交付金が百億増額される、こういうふうなことがすでに決定されて、議会にも提案されておるのでありますが、その百億の平衡交付金の増額というような場合において文部当局としてはべース・アツプについてどういう算出基礎を持つておられるか、こういうことをお伺いいたします。
  9. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 今度の百億の算出基礎は、教員につきましては本年の四月から九月までに千円ベース・アツプをしましたので、この千円ベース・アツプ不足財源として千七円を見込んだのであります。それから十月から三月までは若干の調整をいたしまして、八百五十円程度のものを見込んでおります。それから更に千五百円ベース・アツプ財源といたしまして、千六百五十円近くのものを見込んでおります。こういうものを見込みまして、あと年末手当の〇・八カ月、こういう一切のものを含めたものが百五十五億というふうに計算したのであります。その他共済組合と恩給の、こういう増額された経費を見まして大体百七十億、これは東京、大阪を除いた単価計算したのであります。これが今度の平衡交付金補正予算に伴う教育費財政需要、かようになつております。
  10. 若木勝藏

    若木勝藏君 それではそれからの点から総合いたしまして、私はこの点を確認したいと思うのでありますが、今回のべース改訂は、全くこれは今後におけるところの定員関係ない、今後においては定員は改めて来年度の予算において考える、こう確認して差支えないですか。
  11. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) さようでございます。
  12. 高田なほ子

    高田なほ子君 連日ベース・アツプの問題については大臣にも非常な御苦労をおかけしております。この点非常に恐縮に思つております。ただ、そのこととは別問題にいたしまして、私が御質問申上げたいことは、このたびのべース・アツプ財源措置によつて実質的に支障なくできるというようなたびたびの御回答でありましたし、私どももそのように信じたいわけであります。けれども財源措置による今後の見通しというものは決してこれは楽観できない。これが先ず私の御質問申上げる第一であります。それはなぜかと言いますれば、先ず三百七十五円という数字が一応明確に出て来ておりますし、その三百七十五円というものが教員給與を引下げる一つ基礎付けになつているということはこれは大臣もお認めになつておられると思うのであります。このマイナス三百七十五円ということが非常に問題になつて来るのでありますが、要するに、従来まで大臣はたびたび教育特殊性ということを考えられて、教員待遇についてはこの特殊性を十分に生かさなければならないということをおつしやつておられたわけでありますが、少くとも公式にここに出て来た三百七十五円という数字は、教員給與がほかよりも高いということを数学的に実証し、結果的に実証して来ておる。これは非常に大臣の今までの御意思というものと現実が反対になつて来たように思われるのでありますが、この点先ず私は非常に矛盾を感じるのでありますが、大臣にこの矛盾をどういうふうにお考えになつておられるのかということを先ず御質問申上げたい。
  13. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 高田さん、このことは詳しい数字関係しておりますので、政府委員からお答えさせることにして頂きたいと思います。
  14. 高田なほ子

    高田なほ子君 失礼でありますけれども数字の問題についてはたびたび内藤さんからもお伺いしておるのでありまして、数字の面については私も了承しておるつもりであります。その数字が三百七十五円引下げたということは、教員給與が高いのだという結果的な実証になつて来てしまつたと思う。このことは大臣がかねがね、主張しておられる教育特殊性というものを認めて、別表作成についても基本的な考え方としては教員を優遇するのだと言つておりながら、結果的に非常に矛盾が来てしまつた。この点について矛盾であるかどうかということを非常に私は憂えるわけであります。結果的の問題なんです。
  15. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私はこの前これは荒木さんにお答えしたから高田さんの御質問は別なことだと思つて頻りに考えたから、それでわからなくなつたのでありますが、三百七十五円というのは、決して一般公務員に対してじやなくして、国家公務員国家における公務員に対して、地方教育公務員が高いということでありますから、だからして、何も一般公務員に対して教育公務員を高くしようという私の説とは矛盾しないわけです。
  16. 高田なほ子

    高田なほ子君 大臣はその点の矛盾ということについて肯定されないようでございますが、併し事実として三百七十五円という数字が出た以上は、これは事実として認めなければならないわけであります。これは水掛論になりますから、ここは省いて行きたいと思うのでありますが、要は三百七十五円マイナスという基礎的な算定によつて財源措置ができた。その財源措置によつてース・アツプできるというようなことは、これは数字的な表現であつて、数学的に解決ができたから実質的にこれが解決するとは考えられないのであります。その考えられない大きな問題は、これは内藤さんも数字を挙げられまして地方税自然増、それから百五億の地方債雑收入四十七億といつたような数字を挙げられて三百二十五億の収入の中でこれは賄われるのだから、実質的にアツプはできるのだといつておられますけれども、こういうこの地方税自然増というようなものについては、これは見通しであつて現実の問題ということとはやや違つて来るだろうと思うし、第二点に交付金というものの性格から見て、この三百七十五円マイナスというものが、地方に與える影響というものは非常に私は大きいと思う。つまり交付金性格から見て、優先的に教員のためにべース・アツプを獲得するなどということは、これは大変な私は見当違いだろうと思う。これは昨日地財委のかたにもお目にかかつたのでありますが、地財委のほうの御意見によつても、このベース・アツプが三百七十五円引いてもこれは実施できないだろうというようなことを言つておられるのでありますが、これに対してどういうふうに一体考えになつておられるか。
  17. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私はこういう考なんです。原理的に言えば、国家公務員地方公務員の間に待遇の相違がある理由はないと思う。国家教育公務員地方教育公務員との間に差別をつけるということは、これは原理的には成立たないと思う。併し実際問題とすれば、すでにそれだけ従来高いのですから、そういう現実の事実を尊重して、事実上それが低くならないように措置をするということで私はよいのではないか、どこまでも高田さんのような原理論をされるならば、何も地方教育公務員が高い理由はないと思う。だから現実を尊重して、事実現に成立つておることを尊重してそれが成立つようにするということで私はよいのでははないかという考えでございます。
  18. 高田なほ子

    高田なほ子君 私はこの問題は中央財政地方財政というものをこれは切離して考えることはできないと思う。これは釈迦に説法のようになりますけれども、ここにやはり大きく取出して考えなくちやならないのは、地方財政中央財政というものの私は関連だと思う。今の平衡交付金制度では必ずしも地方財政でこぼこ調整というものがされておらないわけです。されておらないところに先頃の知事会議あたりの問題があるわけであります。平衡交付金を増額しなければ、到底やつて行けない、こういうような声が出て来ておる矢先に、そういつたような地方の実情というものを無視して実質的にやろうと言つても、これはできないのではないか、つまり私の心配する点は、現在の平衡交付金制度によつて文部省考えておるように、三百七十五円引けば完全に教育者ベースアップができる、こういうことはどうしても考えられないのであります。ここらをどういうふうに一体考えになつておるのですか。
  19. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は高田さんのおつしやることにちよつとよくわからない点があるのですが、三百七十五円引けばできるとか、これを引かないでやろうという、併し私はこのことが決してやさしいことではない、非常一にむずかしいことだということは思いますが、計算上は文部事務官においてはそういうことができるようにしてあるということなんでございます。併し、事実は非常にむずかしいから、知事の諸君にも是非そういうようにやつてもらいたいということを、私のほうからもお願いをしたいと思つておるということでございます。
  20. 高田なほ子

    高田なほ子君 知事のほうにもそういうふうにお願いをしたい、そのお願いをするのにはどういうふうに具体的な措置をとつて行かれるか、それをお伺いしたい。
  21. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) それは一様にしないでも、現にこの間私は有力な知事に会つたときに直接お願いをしたこともありますし、どういう方法ということは、今ここではつきり申さなくもいろいろな方法があるだろうと思います。
  22. 高田なほ子

    高田なほ子君 地財委のほうの御意向というよりは、むしろこれは基本的な考え方てあり、又正当な方法だと思うのですが、この茎百七十五円、一応高いのを引下げて、引下げて行つた上に、そういう計算の基準を三百七十五円に引下げたところに組んで行つたわけでありますから、その組んだ予算地方配分する場合には、当然地財委がこれの内容についてのいろいろなことが指示されて来るだろうと思います。その地財委が、若しこの配分に当つて教員の分には三百七十五円低いのだというような数字を出した場合には、一体大臣知事に要請するというそのことと、その地財委配分の明細というものの指示が齟齬を来たして来ないだろうか、まして現在のように、地方財政が逼遣した場合に、單に知事に頼むということくらいでこれが解決するとは考えられないのであります。これをどういうふうにして一体つて行かれるかということをお伺いいたしたい。
  23. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 高田さんは、單に知事に頼んだつてそれは安心できん一というお話だけれども、それ以上の権限を持つておらないのです。文部省はだからして三百七十五円を減らすというのが建前なんです、原理的に言えばそうであるべきはずです。けれども、それを減らさないように文部省は配慮をしようというわけなんです。権限的には、私はそういうことをする力を持つていないのです。
  24. 高田なほ子

    高田なほ子君 結局、私は、問題はこういうふうになつて来るのじやないかと思うのですが、それは文部省には権限がないとはおつしやいますけれども併し、一つの法律にしろ、それを運営する場合の大きな指針となつたり、或いは一つの結論を出すその過程において、文部省意見というものが非常に私は大きな力を占めて来るのじやないか、こういうふうに思うわけであります。従つて地財委引下げ通牒というものが出た場合に、これをどういうふうに一体阻止されて行くかというようなことも十分に私は大臣としてお考えにならなければならない。権限があるとか、ないとかいう問題ではなくて、そういう問題に直面した場合に、どうして行くか、これを一体阻止しなければ、私は今度の教員の、ベースアップというものは、非常に文部省考える楽観論とうことは許し得ないであろうし、先ほどの若木委員の御質問にも関連いたしまして、当然行政整理ということも出血を見て来るのじやないかというようなことを憂えるわけでありますが、この点を私は具体的に大臣からお伺いしたい。
  25. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は高田さんのように教育のことに詳しくないのですが、非常に私の不思議に思うことは、何か高田さんのお話を伺つていると、教育委員会とか、そういうものは全く力がないような、文部省指図をすればすぐできるような、そういうように伺えるのですが、若しそういうものなら、多年苦しんで私たちが標準義務教育費を確保しようとか、今度新らしく一つ国地方と両方で教育費を負担する方法考えようとか、そんな苦労は何も要らないのです。文部省がそういう指図をしたつてそうできるわけのものじやない。そこが又一方から言えば地方の自治ということじやないかと思う。そういう点について、私は高田さんばかりでなく、一般世人文部大臣は何でも地方のことは皆できるように考えておることにしばしば出会うのですが、エキスパートである高田さんからまでそういうことをお伺いするのは非常に何か不思議のような気がいたします。
  26. 高田なほ子

    高田なほ子君 決して私は専門家と任じておるわけでもございません。ただ私は率直に、文部省中央教育委員会を極度に拘束する力を持つておるとも考えておらないし、又そうしてはならないと考えておる。けれども、御承知のように、地方教育委員会そのもの財政権というものを持つておらないわけであります。特に今度のペースアップの問題などは、どうしても財政の問題になつて参りますので、教育委員会の主張がどうありましようとも、これが押し流されて行つてしまう危険がある。そういう危險は、私は大臣も十分にこれはお考えになつていらつしやるのではないか、それで私はこういう御質問を申上げたわけです。もつと具体的に申しますれば、文部省がこの三百七十五円引いて、つまり給與を引下げて操作するというような実質的な効力を出すような通牒を出される、通牒でないにしてもそういうものが出されるというような危険性を多分に私ども考えるわけです。こういうことをされたのでは、弱い教育委員会が余計にこれは弱くなるし、逼迫しておる地方財政というものが更にこれに便乗して、折角の大臣の御好意というものが地方行つた場合には、これは全然無視されて行く危険性があるので、そういうことが裏付になるような通牒のようなものを一切お出しにならないというような御意向も、又私はここで伺いたかつたので、こういう質問をしたわけであります。
  27. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私も一応そういう予算措置はしたと言つても、地方でそういうようにやつてくれるかどうかと、うことについては、非常な心配を持つておるものでございます。その上に、若しそれを指示するような通牒文部省が出すならば、これは非常によくない結果を招来する。若し原理的に言うならば、私はそういうものを出すべきかと思う、原理的には……、併し実際の事実を尊重するために、是非そういうものは出さないようにしようと考えております。
  28. 高田なほ子

    高田なほ子君 もう一つはつきりしたいのでありますが、これは給與千五百円ペースアップに伴う給與法というものが、当然これは出て来ると思うのですが、これは地方教職員に対しても、これは国家公務員に準ずるというような形になつて行くわけでありますが、現実的にほこれは地方條例で以てやはり給與の問題がきまつて行くだぢうと思いますが、この場合に、地方條例がきまる場合に、教職員の現在までの既得権を確保しなければならないと思うのでありますけれども、この場合に、こういう点を明確に一体させて行くためには、大臣としてどういう措置がとられたらいいかということはお考えになつていらつしやると思います。その点をお聞かせ願いたい。
  29. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は原理的に地方教育公務員のほうが高くてよいのだということを、はりきりと根拠付けるということは私はむずかしいと思つております。ただその事実を尊重して、その事実が成り立つような措置を、実際的の措置をとろうという考えであります。
  30. 高田なほ子

    高田なほ子君 最後に一つ行政整理の問題でありますが、大臣は実質的には出血がないであろう、こういう非常に楽観的な御答弁でございます。私も又そうあつて頂きたいと思うし、又そうなければならないと思います。けれども、これは五%という数字が出ておりますが、この中には、枠外に結核教職員の二・五%というものが入つておるから、数字の上においては二・五%だと、けれども実際的にはそうはならないだろう。これは飽くまでも数字的な計算であろうと思う。これは申上げるまでもなく地方教員定数というものには非常にでこぼごがございます。このでこぼこ調整するような機会もなかつたし、又日本の地勢から考えても地方教員定数でこぼこがあるということはこれは当然のことだろうと思う。こういう全国的に見て教員定数でこぼこであるという前提の上に立つて、一応ここに二・五という数字を出したにしても、或る地方は一〇%も出血しなければならないだろうし、或る地方一つ出血しなぐとも済むと、こういうような問題が文部省の出した計数的な文字とは別個に私は現実に出て来ると思う。こういうことに対してどういう一体措置を講じられて行くのか、私はこの点を非常に憂うるものであります。ここは非常に事務的な点になりますので、私はとくと内藤さんから納得の行くように一つ聞かしてもらいたいと思う。
  31. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) その前にちよつと高田さんの先ほど御質問があつた具体的な措置についてお答えしたいと思いますが、一つは私のほうで、この度の補正予算に伴う財源につきまして全国の教育長をお集めいたしまして、詳細に財源の問題を検討しました。もう一つは今度平衡交付金を分配する場合に教育費単位費用の問題もございますので、この場合に十分にできるような教育費単価を設定いたしたいと、目下地方財政委員会と折衝中でございますから、その点は私のほうとしてはできるだけの措置を講じて遺憾のないように措置いたしたい。  只今の整理の問題でございますが、これはどういう基準を作りましても、全国画一的なことは非常に困難でございます。そこで現在各県の実情に合うような考えの下に、小さい学校の場合には小さいような計算をいたしまして、できるだけ各県の実情に合うように、従来のように、五十で割つて一・五と、こういうような数字を使いませんで、実際学級に合うような基礎の上に教員数というものを算定いたしたわけであります。そこでこの私ども計算で参りますと、大体全国的には出血にならない、実際出血にならないような計数が出るわけであります。只今お話のようにこれを全国画一にそういう方式をとりますと、或る県においては殖えるところもございますし、或る県においては減るような県もあるわけでございます。そこでこの問題は先ほど大臣ちよつとお触れになりました国庫負担制度の問題とも関連がございますのですが、来年度は私どもとしてはできるだけ国庫負担制度の実現を図りたいと努力いたしておりますので、国庫負担制度の実現が期せられた際には、何らかの方法で補正計数によつてそういう実情を加味いたしまして、各県に教員出血の起きないように措置したいと考えておるのであります。
  32. 岩間正男

    ○岩間正男君 高田君からいろいろ質問されたことは非常に当面した問題で、これについては現実的な措置として、只今大臣答弁を総合しますというと、要するにその既得権については飽くまでこれを尊重する。そしてその限りにおいて文部大臣はそれに善処する、こういう御答弁であつたのであります。この点は我々としては確認したいと思うのですが、問題はもう一つ今の内藤課長からの説明がありましたように、実際これを交渉するのは地財委なのでありますから、地財委からそのような一つの通知が出た場合にどうするかという問題が、これは文部省の対策の中では非常に重要だと、又我々としても非常にその問題について、これはもつと実相をつかむ必要があると思つて、実は今日出席を求めているのでありますが、これは今日見えない、そこで明日に延ばされるのでありますけれども、ここで文部省にお伺いしたいのでありますが、大体文部省の方針は貫かれる見通しであるかどうか、地財委との交渉で。これが非常に困難だという場合において文部省のとるべき措置としてはどういうふうなことを考えているか、無論我々としては地財委とか大蔵省に対して今後十分なる、そういう点についての問題を明らかにするという努力はする考えでおりますけれども、それにしても文部省が今の考えておられるところの精神を貫くというお考えに立つとされれば、権限問題は、形式上の法的な権限問題は別としまして、どういうような政治的な交渉を今後おとりになるか、この点一応急のために伺つておくことが重要じやないかと思うのであります。この点お伺いします。
  33. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) それは私なども実は苦慮しておる点でございます。意見が一致しないというようなことがあると非常に困る。だから事務当局に十分向うの事務当局と折衝をさせ場て、特にそういう通牒を出さないように行きたいと思つております。原理的に言えば私は出すということが主張できると思います。けれども実際の事実からいつて、事実を尊重して、そういうものは出さないでくれということをよく相談させようという考えです。
  34. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは今後問題の発展の中でまだいろいろ具体的な措置をとられなくちやならないと思うのでありますが、あくまで事務折衝の段階でその要求が貫徹されることが望ましい。今の権限の問題というような立場でなく、文相としては飽くまでもこれを政治的な、殊に教育を擁護するという基本線を大きく打出して今後やつて頂きたいと思います。我々もこの問題につきましては、やはり既得権侵害の問題というふうに考えられますので、地財委並びに大蔵省に対しましては、即日これについて飽くまでこの要求を貫徹しなければならない。その点はそれでよいのでありますが、ただ問題は現在のべースアップ、この問題が私はこういう技術的な問題に落されて来ることによりて問題の本質がともすると小さい枠内に追込まれ、現在教職員の五十万の諸君が要求されておるどころの基本的な要求から外れて来ることを恐れる。この点についてはそういう意味で恐らくこれは先ほどからも質問がなされておるのではないと思う。すでに政府案の千五百円の案を一応承認した形で、この分配をどうするかという問題を高田君は恐らく質問しておるのだというふうには我々は絶対考えられないのでありまして、この点について一昨日も文相に伺つたのでございますがへ少くとも現在教員諸君並びに今官庁労働者の諸君が最低として人事院の勧告案、これは一昨日もお話しましたように、民間の給與に比べまして、平均賃金において我々の計算、いやそれよりも政府の示した資料によりますと少くとも八百円低い、こういうものをしも現在の情勢においては最低として止むを得ずごの人事院の勧告に従うという立場で要求しておる。そうしますと、この問題に対して文部省が検討されることが非常に重要じやないかと思う。一昨日の御答弁では人事院勧告はむしろ低いというふうに考えておる。従つてこれに対する要求は現在も五十万の教員諸君の要求は当然だと思う。併し国家財政の立場から何ともならない。先に行つてその要求を貫徹したいというふうに、明らかに文相は御答弁になつておるのであります。そこで私はお伺いしたいのでありますが、こういう問題についてどういう対策を持つておられるか、少くとも文相の御意向がそういうところにあるとしますと、仮に人事院勧告によつてース・アツプを行なつた場合にはどれだけの財源が要るか、これに対する検討をされておるのであるかどうか、この点が私は非常に重要だと思うのでありまして、單に技術的操作の問題では恐らく今度の問題は解決しない。仮に千五百円程度のベースアップというようなことでは焼石に水であり、それから実質的な賃金内容から見ますときには、これは政府の示した統計によりましても、恐らく生活水準というものは今までの八・三%程度にこれは落ちるのであります。そういう資料を予算委員六袋で我々は実際につかんでおる。そういう点から考えまして、これはどうしてもやはり私は重要な問題と考えますので、文相においてどういう御検討をなしておられますか、この点を伺いたいと思うのであります。
  35. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私はそういうことが望ましいというので、少くとも人事院勧告の線に行くことが望ましい。けれどもそれが財政の当局者ばかりでなく閣僚の中の干キスパ—トの諸君が今はこれで仕方がないのだと言われれば、それを私は信じてもいいのだと思う。六三制とかそういう教育の問題に立つたならば、自分は自分の所管としてどこまでも主張しますけれども、併しそういう財政の問題になれば、私は財政当局の意見を信ずるより途はないと考えております。
  36. 岩間正男

    ○岩間正男君 どうもいつでも文相は経済問題になりますと、そういうふうにお答えになるのでありますが、どうもこれは我々のやはり納得の行かない点で、やはり要求を持つておられて、そうして現実はそういう主張があるのだということを認められておるので、文相が認められておるよりも、もつと生活の実態に直面しておられるところの教員諸君のほうが遥かに必要性を痛切に感じておる問題なので、そうしますというと、どうも止むを得ないのだから、今のこの政府案でやらなくちやならんと財政通が、エキスパートがそう言つた、これについてはいろいろ我我は問題のあることで、ここでは論議しようとは思いません。これは予算委員会におきまして我々はこれからその闘いを開始しようとしているところでありますので、それについては問題にしないのでありますが、それだけ少くとも文相はそういうことを認めておられてそれについて少くとも検討くらいはなされておるのではないかと思います。そういうこともないのですか。大蔵省でそういうふうにもうやつているので、その線でどこまでも行く。上できまつたのでどうしてもこれを下に押しつける、そういう考えになるのですか。そういうことになると私は現在のはつきり政府の示したそういう数字が明らかに示している事実が示しております。そうなりますとそこに当然大きな無理が起つて来る、生活の上に……。そういうものが教育に大きく波及して行くということは現実の問題です。そうしますとどうも文相の考えておられるやはりそういう教育を守るという基本線に立たれるということが経済面から崩れざるを得ない、そういうふうに考えるのです。どうしてもそういう点の検討というようなことをなされて、これに努力される方向をとられることが私はどうしても必要だと思う。つまり話で言われたことと行動がそこに一致するということが必要だと思うのであります。その点如何でございましようか。
  37. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は教育公務員ばかりではなく、公務員も非常に悪いので、又は一般市民だつて非常に悪いので、私は今日も歯が悪くて歯医者に行つたのですが、歯医者のかたが私に言うのに、自分らは実に毎日々々働いている。そうして一様に高い税を拂つている。病気をしてもどこに行くか、かかりようがない。自分らのところは皆共済組合のをやつている。教員諸君は文部省へねじ込むことができるが、我々はどこへもねじ込むことができないということを、市民では言つていることがある。だからして私は決してこれがいいとは思はない。是非高くしたいと思いますけれども、併し大蔵当局その他のエキスパートが、今の日本の財政状態ではそれは是非必要なのだけれども、よいことだけれども、それはできかねると言えば、それに従うより私はいたし方がないと思つております。
  38. 岩間正男

    ○岩間正男君 どうもエキスパート、エキスパートといいますが、どういうエキスパートかということが私は了解に苦しむ。これは予算の公聽会が今までなされて、私もついさつきまで予算委員会に会に入つてつたのでありますけども、公述人の述べたところを今朝からちよつと聞いたのでありますけれども、どうも問題にならているのは今度の政府財政投資の中で一つのクツシヨンがある。殊にインベントリー・フアイナンスの三百億とか、食管の繰入れとか、そういうような面で今これを出さなければならないというような必要は認められないので、こういうものを待遇改善のほうに廻すべきだというような意見が圧倒的に予算委員会の会場を占めている。少くとも文相はそういうところに耳を傾けて頂きたいと思うのであります。それからさつき歯医者の例を挙げられたのでありますが、これなんかも、これは財政的に見ますと、実にやはり一つの局部的な意見で、たまたま、歯医者がはやらないとか、そういうことがあり得るであろうけれども、現在実際官庁のこういう俸給労働者と、それから民間のいわゆる申告納税と、それから源泉納税、この点でのバランスがとれないことについては徹底的に論議されて、殆んどこれは通説になつておるのであります。誰でもこれに対しては恐らく論議はない。そういう点で今言つた歯医者の人がどこにもねじ込むところがないというようなことを言つていますが、これは一般的には全く問題にならない、たまたま偶然に起つた問題であります。何と言つても商人のほうが俸給取りよりまだいろいろの余裕がある。申告でもいろいろそう言つては悪いけれども、まだ隠匿もできる。併し俸給取りは一体どうしてごまかすか、どうしても本当に隠すところがない。これは文相自身が御存じでありましよう。そういうことではつきりしているのでありまして、当然これはそういう賃金労働者というものは当然これに対して要求するところは、こういう問題について起ち上るのは当り前だ、こういうふうに思うのでありますけれども、どうもその点が根本的に文相は今の吉田内閣のエキスパートがきめたこの財政経済の中で何ども主張する余裕がないのだ。こういうことで折角教員の生活をもつと高めたい、こういう問題について実際は努力されていないところが非常に残念な。でありますが、現在そうすると何ですか、そういう検討もされていられない。これは事務当局に伺つてもいいのですが、そういう何ですか、少くとも人事院勧告は一万」千何ぼという低いやつ、民間よりは八百円も低いこの案について、仮にこれを実施するとすれば、どれだけの財源的な措置が要るかということを検討もされていないのですか、どうなんですか。
  39. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は、そういうことは恐らく検討してあつても、私は是非それは必要だと思う。今の一般公務員つて殊に俸給取りは低いと思うのです。実際お気の毒だと私は毎日思つております。休みも何もない朝から晩までやつている。公務員は実にお気の毒だと思うのですけれども、だけれども日本全体の経済からそれができないと言えば仕方がない。自分らの文部省はそういう国家全体の経済を研究して、そうしてそれでこれがどうということをきめるところではない。それはやはり大蔵省とかその他の財政上の、あなたは余り好きでないけれどもエキスパートに聞くより仕方ないと私は思つております。
  40. 岩間正男

    ○岩間正男君 その点ここで論議しても仕方ないのですが、そういうところに根本的に我々と考えの違うところがある。それは止むを得ない。何とか金でも余ればやるのだというふうにお考えになつているのじやないか。私は教育は生産だ、そういう点から言えば国家財政の中で生産費として次の時代の優秀なる労働力を生産する。労働力という言葉が悪ければ、国民を生産する、こういう立場で国家財政の中で当然私は占めなければならぬ或る一定の、少くとも最低限度の。パーセンテージを以て生産費としてはつきり組まなければならぬ問題です。こういう積極性を持つておる。こういうことを主張するのがむしろ文部大臣の任務である。そうしてこれを国家財政の中に大きく主張を堂々と貫徹するのが我々は文部大臣の最大の任務であると考えておる。そうしますと、どうも今のところは向うのエキスパートという者があつて、その人たちがきめた案にどうしても従わなければならない、こういうことでは非常にどんどんいろいろな問題が崩れて来る。先ず第一に教員の生活が崩れて行つて、それが非常に大きく影響する。これをどういう線で一体お守りになるのか、こういうことを考えますと、どうしてもこれはもつとしつかりして頂きたい。それから財政当局も同時にその数字を検討しておるのですか、今文相は検討しているどいうふうにお答えになつておりますが、どうですか、持つていますか
  41. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 検討はしておりますが、ちつと今数字を記憶しておりませんから……。
  42. 岩間正男

    ○岩間正男君 これが問題なんで頭に入れて……今実際そういう要求が出ているし、それに対して少くともこのぐらいは必要だ、それが出せるか、出せないかというようなことは、これは事務当局として非常にやつぱり重要なんですから、こういう点についてはちやんと答弁ができるようになつていなければ非常に頼りないと言わざるを得ない。そうでないとどうしても今の要求しておる全国の五十万の教員諸君が非常に重大な決意をして、そういう問題について我々は教育を守るためにやつておるのだ。こういうことについて全然顧慮しておらないのだ、それは恐らくそんなのは駄目だろう、我々はこの案でどこまでも行くのだ、こういうことを裏書きしているようなことになりまして、これではいかんので、これは早速やつて頂きたい。と言いますのは、やはり今まで最初の政府案がきまつて出てから要求が出て来る。そうしてその要求が通つた例もたくさんある。これはやはり通さなければならない、これは現実の中に立つているその人たちの叫びは一番大切なものです。やはり教育においては現場を守つて子供と教師が接触して火花を散らしているところが、これが一番尊重されていいのであります。これは私が大体そういう覚悟を以て終戦後の教員組合運動に最初当つた。只今この考えは逆になつて来つつある、我々は少くともそこが第一に尊重されなければならない。そうして大臣とか次官とか、それから局長とか、そういう人はそれに附属したものだと考える。むしろそれが逆なんです。そういう言い方は大臣を前にして非常に失礼でありますけれども、少くとも教育者をしてそういうぐらいの覚悟を持たせる、それぐらいの教育尊重の意向を持つて当られたときに、私は初めて日本の教育が本道に乗るのだ、今日もこういう確信を失わないものであります。そういう点でこの問題は是非とも急速に、その要求が起つているのでありますから、この問題についてやつて頂きたいと考えます。そのほかに予算の問題でお聞きしたいと思うことはたくさん残つておるのでありますが、ついでにお伺いします。老朽校舎の問題、これは、我々九州に参りまして、今度視察をしたのでありますが、あすこは台風地帶であつて、而も白蟻の害が非常に多い、実に老朽校舎があります。併しこれは九州だけでなくて、到る所にありまして、殊に東北の地帶なんかは非常に多いと思います。統計によりますと、この前も示してもらつたのでありますが、これは百四、五十万坪というものがどうしても老朽校舎を復旧しなければならない、こういう事態が起つています。そのうち四十万坪取りあえずやる、何年かかかつてやる、こういうことになるのですが、来年度の予算関連する問題ですが、これはどうですか。これについてはここで深入りはしませんが、今の見通し文部省の出している案と、これについての見通しだけを簡単に伺つておきたい。
  43. 寺中作雄

    政府委員(寺中作雄君) 老朽校舎の復旧費といいますか、改築費につきましては、来年度の予算要求は四十四万坪、即ち四十年以上たつて使用禁止いたしておる最小限度の坪数のものを三カ年計画でやるということで、二十億の要求を提出いたしております。これにつきましても相当強くこの要求が容れられますように交渉はいたしておりますが、六三制の完成ということがありますので、それとの睨み合せにおいてできるだけ要求を、多額を獲得したいと思つております。
  44. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは先ほど申しましたように、文部大臣が三時半に退席されますので、明日一時から続行いたしますから……。
  45. 岩間正男

    ○岩間正男君 それではその問題は保留します。これはたくさん細かい問題がありますから保留します。  もう一点最後に伺つておきますが、もう一点だけお答え願いたい。それは教職員の資格審査法案の問題であります。これについてはまあこの前大体の案が出たらこれについて我々にも検討の機会を與えるというお話でありましたがこの中で現実的にお聞きしたいのですが、こういうのはどうなりましようか。例えば平和というものが日本の憲法で最大の根幹になつておるわけです。飽くまで平和を守るということで今日日本の教員諸君は相当な決意を固めて、飽くまで平和を守るという点から戰つておると思う。ところが今日の態勢の中では、ともするとそういうような運動をやると、これは何か政治運動だとか何とかいうような観点ではなくて、飽くまでもこれは自分たちの対象としての子供、この子供を再び戦争にやるなという一つのかけ言葉になつておりますが、こういう観点から飽くまでも戰つておる。こういうものが現状におきましては、日本の現実ではどうも平和を叫ぶ岩が強圧されて、戦争を口にする者が実は奨励せられておるというような、実に時代逆行の形が出て来ておる。木の葉が沈んで石が流れるというようなことが日本に起りつつある。こういう恰好が出て来ておるのでありますが、こういうものに対して、これは、この法案というものが実は文相はそういう意図でお作りになつておるとは思わないのでありますけれども、併し文相の意図というものが私は実はこの問題を決定しないと思う。現実は非常に、私たちの見るところでは、失礼でありますけれども非常に文相の意図というものが或る場合には運用されておる、政治的な面で運用されておる面が非常に多いと思う。一そういう点から申しまして、この法案もそういうようなものに対して将来一つのやはり大きな何といいますか、圧迫を加えるというような法案になる危険がある、可能性が現実の動きの中に非常にあるように思うのでありますけれども、こういう観点についてはどういうふうにお考えになつておりますか、お伺いいたしたい。
  46. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) そういう危險があるといけないから、それでこの法案をもつと愼重に考えるように、初めはこの臨時国会に提出するつもりであつたものを、これはもつと問題点が多いから事務当局で検討してくれろというので、今岩間さんのおつしやるようなことができるといけないからと言つておるわけであります。
  47. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは文部大臣は退席されます。事務官が残られますから、質問のあるかたはお願いいたします。御質疑がなければ明日午後一時から二時半まで文部大臣、一時から地財委委員長及び事務局長、大蔵当局が見えますので明日開きましようか。  それでは本日は散会いたします。    午後三時四十一分散会