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成瀬幡治君 誠に恐縮ですが、この一齊罷免というものは追放にかか
つてやられたことですね。私たち非常に
心配することは、私どものほうの知人でも
特高においてあなたのおつしやつた
人権蹂躙の取調べを受けておられる人は事実あるし、証人でや
つてもらうならば幾らでもあると思います。そういう点を非常に
心配しております。そうして而も
調査される点とか、それはそういう必要はたくさん認めます。併し過去において私は竹下さんがおつしやつたようにいい点もあつたということはこれは認めなければならないと思いますけれども、余りにも痛ましいことがあ
つたのですから、非常に
心配をしている。この点は私は事実だから、今後大いに運営と申しますか、そういう点においては注意もしておいでになると思いますが、今後も厳重に私はや
つて頂かなければならないと思
つております。そこで
特審局の
仕事は、大体四千名一齊罷免をされてお
つたのですから、私はこれは戦争中で、而もああいう時代ですから殖えた数だと思
つております。やはりもつと昭和六年以前などに比べれば私は
少い数じやなくちや嘘だと思います。ですからやはり今戦争中におけるああいう国家総動員法とか、或いは
治安維持法というようなものができて、そうして、
特高の
仕事が殖えて行
つて、そうして人数が莫大に殖えて来た、そうして戦時立法などの
関係で四千人あつた。ですから私は平常に
考えて見まして、大体この一千百四十五人というのは大体において私は限界の線じやないか、こう思うわけです。そこでこれを殖やさなければならないというようなまあ御
意見に伺うわけですけれども、それについては前の規則であり、又
法律の上においては
特審局が受付けなければならないことにな
つておるからそうやるのだ、こうおつしやるのですが、数は確かに人はそうな
つておるかも知れませんけれども、まあ世上言われる言葉で申しますと、余りにも員数を殖やされると、何か
特高警察の又復活になるのじやないかというようなやはりこうおびえた声もあると思います。ですから私は
法律は確かにそうな
つておる、市町村の要望もあるかも知れない、私はそれは経費の問題だと思います。ですからそこら辺のところを私はよくお
考え願いまして、
人員を殖やして行くというようなことについては、非常に慎重にして頂きたいと思います。こういうようなものは本当を言えば、言論とか、或いは結社の自由というものは憲法で認められておる。併しその憲法で認められておりますことをそれを破る人も私はあるだろうと思います。従
つてそういつたものを
調査しておかなければならないという点は認めますが、余りにもどんどん員数を殖やして行くというようなことについては、
法律はこうな
つておる、併しこうだというような点で、余り拡大解釈して員数を殖やされないように私はここが限界である、こういう点で実は賛成をして、これを実は修正も
考えたいのですけれども、まあそういう意味でどうか今後の取扱について
一つ慎重にや
つて頂きたいことを心からお願い申上げまして、私の
質問を打切ります。