○
国務大臣(
橋本龍伍君) 先ずその御質問の前に、
事務職員の
お話がありましたから、
ちよつとお答え申上げておきます。今はつきりした数字を記憶しておりませんが、私立学校の
事務職員と、それから官公立学校の
事務職員と分けて見ますと、これはまあ比較にならないほど官公立のほうが多くて私立学校が少いのであります。勿論これについては、私立学校のかたならば学校の経営をよくすると、それだけボーナスがあるのかも存じませんけれ
ども、政令諮問
委員会でいろいろ
お話を伺
つておりました間にも、中山先生その他国立の学校にも
関係せられ、私立の学校にも
関係せられておるかたのお
考えを伺いまして、で、私はいろいろな面において、殊に学校と申しまする所は、生徒の授業時間が二時なり三時なりに済むということになりますと、教官その他
事務の
職員は五時までいるのが筋でありましても、まあ割合に夕方にな
つて手薄になることであるし、
能率を再検討する余地はないのじやないかと実は
思つているのであります。文部省のほうでそうお
考えにな
つたのもそういう趣旨だと思います。それから
能率の点に関しまして一番
考えておりますのは、戰後、学校の
職員については、やはり学校行政の管理面に専念する人は、これは管理といいましても
事務、
会計でなく、教育内容の指導もございますが、そういう学校行政に専念する人と、それから授業をする人と分れているようであります。原則として中学校、小学校は校長さん、教頭さんは今はたしか講座を持
つておられないと思います。私
どもが子供であつたときのように校長先生が修身を教えて下さつたり、或いは地理を教えて下さつたりするということは、必ずしもいいとは存じませんけれ
ども、そういう面でなお若干の余裕というものはあるのじやないかということで、そういつた点を主眼にしているわけであります。
教育の問題にいたしましても、私
ども教育法案をできるだけ充実いたしたいと思いまするし、
政府も挙げてそう
考えております。ただ
行政整理全体を通じで私の痛感をいたしますることは、前にも申したかと思いまするが、幾ら
政府がぼやぼやいたしておりましても、全く無駄な
仕事をしたり、全く無駄な
人員を置いたり、ましてや甲斐のないような
仕事をするということは絶対にないので、必ずその人のいることによ
つて何ほどかの益のある
仕事しかないはずでございますから、それをできるだけセーブできないかということは問題であろうと思います。教育の問題にいたしましても、私は何も今日アブラハム・リンカーンが学校へ行かないで、而も本も買えないで、よその人から借りて来て、夜読んで、大統領に
なつたと、みんながそれで行けるじやないかということは私は決して申しません。併しそれを申しませんけれ
ども、やはり今日国がこれだけ衰えて、そうしてその間において日本民族が真に起上るためには、私は今日のような、これは
政府の責任だと言われるかもしれませんが、いささか教育に魂の入れようが足りないのではないかと実は
思つております。で、私はむしろ
仕事の面についてもなおこれはいろいろ
改善の余地というものはないでもないのじやないか、ただ先生が食えないとお子さんの教育がよくできません。或いは又
物的設備ができないと子供の教育ができないから、子供は馬鹿にもなるし、病人にもなるといつたようなことで全部やられるということは私は必ずしも教育の将来についていいかどうかわからない。私は勿論教育費をできるだけ充実いたしますることと、それからその充実する必要があればあるほど、できるだけ安い費用で内容の充実を図ることができれば、私はそれだけいろいろや
つて行けるのじやないかと
考えております。
なお、これは今日
定員法の御審議を願います上において欠員
問題等は
余り問題にしないで実は
お話をしているのですけれ
ども、実際は話をまとめる上において欠員
関係の問題というものは、具体的に相当考慮された面があると思うのです。例えば
拡充の予定であつたものが実際はなかなかいろいろな事情があ
つてできなくな
つてしまつたりするような部面の問題はあるわけでありまして、国立学校の場合でも現在欠員が二千八百七十九名でございますが、別にこれは病気欠勤者というのがあるわけであります。
整理人員は三千四百七十二人でありますが、先般衆議院の
内閣委員会において文部省の
政府委員が参
つて答弁をいたしておりました際にも、
整理人員は総体としてきまるので、そうして内部的なやり繰りの面で必ず機械的にどこの小学校でどれだけ減らすというようなことをするのではないので、総体的な
人員の操作の上で国立学校についてはこれくらいの
整理はできるというつもりでや
つているのです。という
答弁をいたしておりました。これは極く具体的になりますので、私も
余り自信のある内容説明はできませんけれ
ども、それもお含みを願いたいと思います。