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1951-11-16 第12回国会 参議院 内閣・大蔵・農林連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月十六日(金曜日)    午前十一時十二分開会   —————————————  委員氏名   内閣委員    委員長     河井 彌八君    理事      松平 勇雄君    理事      溝淵 春次君    理事      山花 秀雄君            楠瀬 常猪君            郡  祐一君            横尾  龍君            上條 愛一君            成瀬 幡治君            楠見 義男君            竹下 豐次君            栗栖 赳夫君            三好  始君            三浦 辰雄君   大蔵委員    委員長     平沼彌太郎君    理事      大矢半次郎君    理事      清澤 俊英君    理事      伊藤 保平君    理事      木内 四郎君            愛知 揆一君            岡崎 真一君            黒田 英雄君            山本 米治君            岡田 宗司君            菊川 孝夫君            野溝  勝君            松永 義雄君            小林 政夫君            小宮山常吉君            田村 文吉君            菊田 七平君            櫻内 辰郎君            森 八三一君            木村禧八郎君   農林委員    委員長     羽生 三七君    理事      西山 龜七君    理事      片柳 眞吉君    理事      山崎  恒君    理事      岡村文四郎君           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            北村 一男君            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            鈴木 強平君            松浦 定義君   —————————————  出席者は左の通り。   内閣委員    委員長     河井 彌八君    理事            松平 勇雄君            溝淵 春次君            山花 秀雄君    委員            郡  祐一君            横尾  龍君            上條 愛一君            成瀬 幡治君            楠見 義男君            竹下 豐次君            栗栖 赳夫君            三好  始君            三浦 辰雄君   大蔵委員    委員長     平沼彌太郎君    理事            大矢半次郎君            清澤 俊英君            伊藤 保平君    委員            山本 米治君            菊川 孝夫君            松永 義雄君            小宮山常吉君            森 八三一君            木村禧八郎君   農林委員    委員長     羽生 三七君    理事            片柳 眞吉君            山崎  恒君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            小林 孝平君            三橋八次郎君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            溝口 三郎君            松浦 定義君   委員外議員    人事委員長   吉田 法晴君   国務大臣    厚 生 大 臣 橋本 龍伍君    農 林 大 臣 根本龍太郎君   政府委員    行政管理政務次    官       城  義臣君    行政管理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁管理    部長      中川  融君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○行政機関職員定員法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————    〔河井彌八君委員長席に着く〕
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣大蔵農林委員会連合委員会を開会いたします。行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、これが議題であります。  本日只今都合によりまして農林委員諸君の御発言を請います。
  3. 小林孝平

    小林孝平君 私は昨日この法案の附則第三項について橋本長官にお尋ねいたしたところ、長官から極めて不明確な御答弁を頂きまして非常に残念に思つておるのでございます。この頃につきましては農林大臣にお尋ねいたすより直接の責任者である橋本長官の明確なる御答弁をお願いいたすつもりであつたのが、只今申上げたように非常に不明確であり、更にこれに関連して御答弁ありました諸点につきましては私たち非常に納得しかねる点が多々あつたのでございます。これらの点についてはこの質問関連して更に本日お尋ねいたしたいと思いますけれども、差当りまして農林大臣にお尋ねいたしたいことはこの附則の三項に「米穀についての統制が廃止されるに至らなかつた場合においては、……七千九百六十一人を限度として、政令の定めるところにより、食糧庁職員定員を増加することができる。」要するに七千九百六十一名を米の統制を続けるならば食糧庁職員に戻すと、こういうことが明記されてあるのでありますけれども、この附則から考えますと作報統計調査職員食糧統制には関係ないと、こういうふうに解釈するのが至当であろうと思うのであります。この点農林大臣の明確なる御答弁をお願いいたします。
  4. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) この点は先日もいろいろと御質問がありました通り統計調査仕事作報事務が従来重点でございます。それと相関連いたしまして一般的な農業政策樹立のための各般の統計調査をいたしておるのであります。その意味におきまして従来は農業統計調査機構統制のための機関であるような印象を受けたために統制撤廃したならばこれを全廃してもいいのじやないか、こういうようないろいろな議論があつたのでありますが、我々はさように感じていないのであります。この統計調査仕事は勿論供出関係はあつたのでありますけれども、今回の我々の統計機構を存立せしめたところの最大の理由は、先日も申上げたように農業政策を樹立するための基本的な資料を確立するという意味においてこれは作つたのでございます。その意味において統計調査事務供出と全然関係がないというような考え方はございません。勿論これが基礎になりまして、統計調査基礎になりまして個人別調査割当、その意味においては関連がございまするが、併し統計調査の要員はできるだけ簡素化して、事務を簡素化すると同時に、而も各人の能率を下げないでやり得る限度でこれが定員を定めたのでございます。
  5. 小林孝平

    小林孝平君 農林大臣の昨日の午前中の御答弁でも統計調査職員食糧統制関係は、関係あるかのごとく、又なきかのごとき御答弁があつたので、特に私はこの点をお尋ねいたしたのでありますが、只今の御答弁によりまして少くとも統計調査職員食糧統制とは行政整理の面においては関係ないというふうに解釈して差支えないものだと、こういうふうに考える次第でございますが、この点を明確に一つもう一度して頂きたいと思います。
  6. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 今回の定員においては直接関係あるものとして考えておるのであります。
  7. 小林孝平

    小林孝平君 そういたしますと今度は統計調査職員を四〇数パーセントというふうに大量に整理されました理由につきまして、昨日も御答弁があつたのでありますけれども、私はそういうふうに大量に整理されるのが食糧統制関係なくおやりになつたということについてもう一回明確に、どういう事務整理してこの四十数パーセントというものを整理されるのかという点をお尋ねいたしたいと思います。
  8. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 今度の行政整理のうち一番大きな要素を占めておるのは作報事務でございます。他のほうの気象感応とか、或いは集計とか、こういうものについては一般の各機関と同様な程度でございまして、作報事務のうち特にこれが多く整理率が出て来ておるのは面積調査のほうが大分、これは過去二、三年のうちにおいて大体変動が少くなつておるということで、米についての面積調査がずつとそのウエイトを軽くしております。それから又単位の取り方でございまするが、従来は非常に細かい、従つて全国亘つてたくさんの単位を取つてつたのでございますが、二、三年間の統計実績から見ますとこの単位の取り方を減らしてもいいということで、それが減つたの一つでございます。それからもう一つは、雑穀、いも類、これらの調査作報事務として非常に重要な問題でありましたが、これがなくなつて来ておる。これはそれほど今後の農業政策については各府県における統計を斟酌して、集計してそれで大体できるということで、大体主食を中心としたところの調査方法に移転したのであります。こういうような観点からいたしまして、作報の第一線における機構を縮小した。従来一番精密に配置しておつた当時はたしか三カ町村くらいに一出張所でありましたのが、現在は五、六カ町村になり、今後は大体一郡に一出張所の形においてこれをやる。こういうような観点からいたしまして、提案いたしました定員状況になつておりますから御了承を願います。
  9. 小林孝平

    小林孝平君 昨日橋本長官に、例えばこの七千九百六十一名の御説明長官がされた際に、これは食糧配給仕事を担当している職員である。こういうふうにお答えになつたのであります。これは全く見当違いでありまして、これは他の委員から更に御指摘があると思いまするけれども、食糧庁食糧管理の、部では、食糧管理の全部の職員を合せましても現在六千八百人しかいない、それが長官の御答弁では七千九百六十一名という数字が、全部食糧配給関係する職員であるから、これを元に戻すというような御答弁があつたのでありまするけれども、これに関連して更にいろいろお尋ねしましたら、細かいことは農林大臣に聞いてくれ、こういうことであつたのでありまするが、私はこういう数千名も行政整理をなさることが細かいことだとはちつとも考えておらんのであります。この点をこういう重大な数字長官は少しも御存じない。その説明は誠にしどろもどろで、そのために遂にこの委員会を散会しなければならない、こういうふうになつたのでありますが、これに関連いたしまして、農林大臣は進んでこれだけの行政整理をする必要がある、これは食糧庁だけでなくて、全部の職員につきまして、農林大臣はみずから進んでこういう数字をお出しになつたのか、或いは他の方面から押付けられて止むを得ずこういう数字をお出しになつたのか、明確にして頂きたいと思います。
  10. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) この定員法につきましては、これは内閣全体の連帯責任でございます。その意味におきまして、押付けられたとか進んでとかいうことはこの際御答弁する範囲じやないと思いますが、この七千九百六十一名を整理するということの内容については、これは小林さん御存じのように、実はいわゆる管理事務検査事務が一緒に入つております。ここで一番大きな問題は、管理事務については統制撤廃になれば当然やる。併しながら検査事務については統制とは必ずしも直接関係しない、理論的に。然るにそれが約五〇%の減になつているということについていろいろの御批判を受けていることは私も承知しております。この点については私も随分心を痛めている問題でございまして、現在の状況におきましては、実は理論的には単純なる、単純なるといいますか、専ら検査事務だけをとつているように見えますけれども、実際は供米の殆んど大部分仕事というのは、この検査員の各位が各部落を廻り、農家を廻つてつている。こういう現状にあるのでありまして、その点は実は本来の仕事以上に多くの任務をお願いしているというような恰好でございます。而もこれらの諸君が、戦時中から、特に戦後の食糧の逼迫した当時におきまして、非常に農民政府との間に立つて苦衷をなめながらやつて来ている。然るに今回大量のこれらの人々を行政整理をしなければならんという状態になりまして、私も非常に心を痛めておるのでありますが、併し一面におきましてこれはいろいろ皆さんも申されておるごとく、財政的には何らこれにおいて大した節約にならんじやないか、而もこれを切るということについてはいろいろ御指摘がありました、これについてはすでに私は何回も申上げたことく、実は難きを忍んでこれを実行しようとしておるのでございますが、この問題についてはすでに衆議院のほうにおける修正も出て参りまして、我々も又これは附則の第三項は訂正せらるべきだということについては同感でございまするが、実は大体こういう附則自身つけるのが、私も実は橋本君も同様でありましたが、おかしなことでありまして、今までの立法形式にないことであります。然るにこの附則をつけた当時の情勢は、橋本大臣から幾度かお話がありましたように、その統制撤廃に関する基本的な問題が関係筋においてまだ結論を出さない、併しながら定員法予算については一応OKされてしまつた。ところがこれをそのままにしておきますというと、実質上は定員法予算との関係において、統制撤廃に関する本格的な認証を与えたというような結果になるから、この問題は近く基本的な問題について意見がまとまるであろうから、そのときまでの便宜措置としてこの附則第三項がつけられたものと私は報告を受けておるのでありますが、そういう観点からいたしましてこの附則三項はすでに御指摘のように、労働省の人員、或いは運輸省の人員についても当然やるべきであつたのであります。併しながらこれは統制撤廃に関する具体的な措置が出た場合においてこれがなさるべきであるが、基本政策についてはまだぺンデイングであるということだけを意思表示するために、向うとの間にこういうふうな了承が出たからこういうものが出た。そういう意味においては小林さん並びに他の委員のかたがたの御指摘した通り、これは甚だ体裁の悪いものでございまして、この点は私も非常に遺憾に感じておる次第でございます。
  11. 小林孝平

    小林孝平君 私は先日からの、特に昨日の午前の農林大臣の御答弁で、農林大臣が非常に心痛され御心配になり、灘きを忍んでおやりになつたと、こういうふうに考えましたので、特にこれは橋本長官にお伺いしなければわからんだろう、こういうふうに考えて御質問したところ、細かいことは農林大臣に聞けと、こういうことであつたのでありますが、私は農林大臣がそのように心痛され、難きを忍ばれたなら、もう少し橋本長官が少くとも七千九百六十一名がどういう数字であるか、特にこんな不体裁な附則をつけるぐらいならば、それがどういう数字かぐらいは橋本長官に納得さしていないということは、余り真剣に考えたとはどうしても思えない。特にこの審議を国民が、特に整理される数万の人、その家族を合せれば、莫大な人たちがおるわけでありまして、その人たちがこの審議状態を見たら非常に残念に思う。こういうやり方整理されては私はたまらんだろうと、こういうふうに考えておるわけでございます。どうしても必要上整理されるというのなら私たちも納得し、又整理される人も喜んでその整理の対象になるだろうと思いますけれども、昨日来の橋本長官の御説明では、さつぱりいい加減な、大根でも切るような調子で整理される。こういう感じを私たちは受けるので、特に農林大臣は心痛するとか何とか言つておられますけれども、この整理内容などは各省通じても二日もあれば明敏なる橋本長官は御理解なさるだろうと思うのですが、ちつともそういう細かいことはわからんというような整理やり方では私たちは納得が行かない、こういうふうに考えておるわけでございます。なおお尋ねしたいことはありますけれども、他の委員発言もありますから、これで私の質問を終ります。
  12. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 昨日の質問が残つておりますから……昨日実は質問いたしましてまだ御答弁がないわけでありますから、もう一遍御質問をいたしたいと思いますが、実はこの七千九百六十一名は、昨日の橋本長官の御説明では米の統制が続いて配給が続くと、こういう意味から七千九百六十一名を復活したのである、こういうお話が出たのであります。ところが今日農林大臣の御答弁では、配給業務ではない、管理業務という意味で七千九百六十一名を復活したのだと、こういうふうに御答弁が多少違つておるわけですが、これは大した私は気にはいたしませんが、併しそうなりましても、やはり管理業務の現在の定員が依然としてやはり六千八百八十二名であります。それに対して復活員数が七千九百六十一名というのは、やはりこれは管理業務というふうに御説明になつても、やはりそこにはどうしても数の食い違いが出て来るのであります。これはどういうふうな関係になりまするか、重ねてお伺いいたしたい。  それからもう一つは、昨日も申上げたのでありまするが、統制が存続するということは、配給仕事が継続することは勿論でありまするが、又従つて管理業務が現在通り続くこともこれは勿論でありまするけれども、併し一番大きな問題は、供出仕事がですね、これは勿論これは継続するわけでありまして、そうなつて来ると、この検査員の解釈でありまするが、昨日の御説明では、検査員が或る程度供出関係仕事もやつておるから、一般検査の五%に対して相当高率な整理をするのだ、単に検査プロパーだけではないので、検査プラス一般供出関係等仕事もやつておるので、普通の率以上に切つたのだというお話があつたわけですが、ところが今度は復活する際には検査員供出仕事をやつておりながらその方面復活は殆んど考慮がされないと、こういうことはどうも、切る場合にはそういうようにして、復活する場合にはプラスアルフアーを閑却するというような、どうもそんな感じがするわけでありまして、昨日は、実は私は橋本長官の御答弁配給業務であるということで御説明なつた点を、私の推則を以てしますれば、そう言いませんと統計調査部職員復活するという関連問題が起きて来る意味からですよ、供出ではないので、配給意味で七千九百六十一名を復活したのだ、供出とは無関係であるということで統計調査部復活案を或る程度そこでカツトをしようという意思ではないかと思うのでありますが、私は今日農林大臣の御答弁を得て、やはり管理業務というお話で多少その点は了解いたしましたけれども、併し依然として検査員が併せて供出仕事をやつておるということでありますれば、統制が存続すれば、単にプロパー管理業務の人を復活するのに加えて、供出仕事も併せてやつておる検査員定員相当復活をしませんと、管理制度基本をなす供出はうまく行かない、特に今年のお米がああいうような経過でありますので、これはよほどその辺の努力をいたしませんと、供出もなかなか遂行できないということを実は心配をいたしておるわけであります。そういう点からどうも今日農林大臣の御答弁で、私は七千九百六十一名という合理的な理解はできないのであります。その辺につきまして重ねてお伺いいたすわけであります。  それからもう一つは、昨日も申上げたように、統計調査部職員に関しては、勿論これはお話がありましたように、供出と無関係に当然これは存続すべきものだと思いまするが、併し一部はどうしても現在の供出制度関連があるわけであります。従いまして従来の郡単位生産高調査府県単位でやつてよろしいというのは、これはやはり統制撤廃を前提としてのお話である、従つて米統制が存続すれば、やはり一定の員数は当然にやはりこれは復活をしませんと、これはおかしいというふうに思うのであります。以上の二点につきまして重ねて一つ答弁を願いたい。
  13. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) お答えいたします。今の片柳さんの復活の中には食糧管理のみならず検査員も当然入るべきだ、七千九百六十一名の中の過半数が検査員内容でございますので、復活するときには、そういう形になるのじやないかと私は考えております。  それから統計調査の問題については、御指摘通り、これは理論的には関連はなくてもいいということになりますけれども、実際上関係があることは事実であります。現実においてこの統計調査業務末端において非常に角度が正確でなければ個人割当、その他が非常に公平を欠くではないか、これについていろいろ議論がありまして、地方自治体においては、末端業務については、むしろ我々のほうが正確な数字を持つておるのだ、むしろそうじやなくて郡県の総量がわかりさえすれば、あとは我々の農業調整委員なり、町村のほうが正しいという、こういう主張もあるようでありますが、併し今日までの業務やり方は、こういうふうな供出という農民にとつては相当辛い仕事基礎を固めるものが、地方自治体だけに任せるということは、かなりそこに政治的数字が出まして、各町村間のバランスがとれないということで、こういう末端までやつてつたのでありまして、その意味においては、片柳さんの言つたことは私も是認いたす次第であります。
  14. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 ちよつとお話が又わからなくなつたのですが、七千九百六十一名は主として、と申しまするか、大部分検査員ということになりますと、又そこに別の疑問が出て来るのであつて、勿論検査員のかたも或る程度本来の仕事に加えて管理業務便宜つておりますが、併しやはり管理業務プロパーの人は、やはり六千八百八十二名の本庁なり、各食糧事務所の実際の買入れ売買をやつておる現業の職員であつて、それが片手間にやつておる検査員が大部分だということになりますと、ちよつと又ウエイトとしてもおかしいような気持がするのですが、七千九百六十一名の内訳というものはございますか、検査員が幾ら、それから本来の管理業務に従つておる者は何名という内訳はありませんですか。
  15. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) この定員は一本になつておるのでありまして、従いまして実際の運用面に当りましては、検査事務管理事務との関係の調整もとらなければならんと思いますが、私が先ほど言つたのは、言い過ぎでございました。全然検査事務は入つていないというような印象を受けられたので、これには相当入つておるということを申上げたので、大部分ということは言い過ぎの言い方であります。
  16. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 ですからそうなつて来ると、内訳がどうしても必要ではないかという、やはり理論的な結論になると思うのでありまして、七千九百六十一名から本来の管理業務の人が六千八百八十二名でありますから、その開きが千七十九名、これだけは検査員を切るということに……検査員復活するということでありますか、これは恐らくきまつて実施をする場合にはどこを切るかという問題はやはり或る程度はつきりいたしませんと、食糧庁でも最後の場合どこまで切られるかということになるとこれは大問題だと思うのでありまして、やはりこれはその内訳がはつきりしませんとこれは困るのではないだろうか。今言つた六千八百八十二名は全部復活して、更に残存の千七十九名を合せて管理業務をやつておる一万何千名の検査員の中からピツク・アツプして千七十九名を切るという、復活するのであるか、その辺はやはり実質上問題が起ると思う。更に意見としては、供出の第一線でやつておる何万名の検査員を五割切る当初の案から僅に一千七十九名を復活するのでは、これは私は更に困難を加えて来ておる今年の米の供出には私は相当の無理があるのではないかという実は感じを持つわけでありまして、その辺につきまして重ねて一つお考えを願いたいと思います。
  17. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 整理内訳の細部につきましてはまだ検討しなければならん点があると思いまするが、定員法のあれは、各省内においても流用を認めるという立場に立つておるのであります。大体片柳さんが御指摘なつたような点が一つの基準になつて考えておることは事実でございます。
  18. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それはその程度にしておきますが、今ちよつと省内で流用がきくという問題でありましたが、これはこの前の行政整理の際にも実は問題になつたわけでありますが、本省と外局との間に扉を立てまして、農林省一本ではないのでありまして、本省が幾ら、食糧庁が幾ら、林野が幾ら、こうなつておりますとやはり本省と外局との間では融通ができ得ない。これで実は相当必要以上に出血をするという場合が予想されるわけでありまして、これは主として橋本長官にお尋ねしたいわけでありまするが、これはむしろ私も農林大臣の言われたように、本省と外局との間の扉をなくして、農林大臣の管下にある全職員を彼我融通して整理するほうが整理がやりやすい。例えば具体的に言いますれば、この局では欠員が相当あつて殆んど、或いは出血しないでも済む、ところが或る局では始んど欠員がなくて全部出血するという場合においては欠員が多いところに或る程度そういう人を廻して、廻せばそれだけ助かるということが起るわけであつて、どうも本省と外局とかいうものをこの場合強いて扉を立ててやるということは私は実際上却つて無理があるのではないだろうか。ですから農林大臣のお言葉のように、省内で彼此融通できるということがむしろ私はいいのではないかと思うのでありますが、これは一つ橋本長官から関連してお答えを頂きたいと思います。
  19. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) その問題は簡素化本部で仕事をやつております間にもいろいろ意見が出まして、これは本省、外局の間における融通を認めないという建前でやつております。何故かと申しますると、本来事務の繁閑に応じて定員整理をするという建前から申しますと、私は実際はこの何千という外局の中で申しますと、事務当局及び主管大臣と交渉しております間に、仕事の建前自身としてはこれは或いはもうちよつと人が多く要るとか少く要るとかいうふうな関係も個々の部門について欠員が多いからということであつてつて事情を私どものほうに言われないで承認されたとか何とかいう事情は稀にはあるかも知れないと思いますが、併し本来的な建前から言いますと、この仕事の繁閑に応じて定員を考えるべきものであつて、たまたまそこへ欠員が多いとか少いとかいうことで按配しますと、そうすると整理の過程において話の筋が非常に通りにくくなる。建前といたしまして、やはり事務の繁閑に応じて定員を考え、そうしてそれに従つて定員法の実施をやつて行く。ただ各省において、今片柳さんの仰せのような事情がありますれば各省庁の長官は適宜人員の配置を変更して、そうして適当な人事異動をやれば実質的には同じような結果を起すことができる。で、今言つたような欠員等を考えてやるということになりますと、そうするとたまたまその仕事自身としては、欠員が多く仕事自身としては相当ある。たまたまそこへ欠員があるというと多くかぶつているというような形で話の筋が通りにくくなる。一応の建前といたしましては、少くとも本省外局の融通は、認めないという建前で仕事をやつて、必要に応じてどこの配置において整理するかということは異動をやめればできるんじやないかという含みを持つて本省外局の融通は認めていない建前になつております。
  20. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 まあそういう手のこんだ本省から外局へ人を移してやるという手を打つ趣旨ではないと思うのでありますが、仮に農林省を考えて見ましても食糧庁の人を林野庁へ、仕事の性質が全く変る、すぐ食糧庁職員を林野のほうへ廻す、これはやはりそう簡単に行かないのではないかということもまあ一応考えられますが、併しこれはまあ私はやはり扉を取つたほうが大臣としてはやりやすいという意見を持つております。それだけ申上げまして私の質問を終ります。
  21. 三好始

    三好始君 先ほど来の片柳委員政府側の質疑応答の内容は、実は政府側がぼんやりしておりまして、説明すべきことを説明しないから非常に議事の進行がおかしなものになつております。私野党の立場で政府委員に代つて説明するのは非常におかしいのでありますけれども、一応作られている資料に対して昨日説明のあつたものでありますからこういうことになつていることを申上げて政府側に確認して頂きたいと思いますので、附則を本分に直したために七千九百六十一人が食糧庁関係復活している。その内訳がこうなつている。食糧管理で二千六十四名、検査で五千八百八十三名、技能関係で十四名、合計七千九百六十一名復活している。これは昨日大野木次長から説明のあつたものですけれども、私は違う表現ではつきり申上げたのに過ぎないのでありますが、これを片柳委員内訳としてお聞きになつているのを農林大臣がきまらないような御答弁をされるので非常に議事進行がおかしなことになつていると思いますので、政府委員に代つて説明申上げまして確認して頂きたいと思います。
  22. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 只今言われましたことは、これは一応大体こういう構想を持つているということでまだはつきりきまつておりませんので、これは先ほど片柳さんが御指摘になりましたように、実は実際やる場合におきまして、先ほど橋本大臣と私が若干表現の方法が違いましたが、配置転換等でいろいろやる場合もありますし、一応又特にその食糧管理検査方面は彼我融通すべき点は相当多いのであります。なおこれにつきましてはそういう意味におきまして明確に検査員は何人切る、管理事務は何人切るということには実際上は何人切るということには実際上はなりにくいと思う。大体の人員割当、こういうふうなことになるということでありますけれども、これは食糧庁が全部一本でやるわけでありますので、人体こういうふうな内訳が一応妥当じやないかというようなことを参考にいたしておるわけであります。
  23. 三好始

    三好始君 政府から提出されております資料の内訳がいい加減なものであつて、一応こうだという程度であるというなら又話が違つて来るのじやないか。提出されておる資料は確実なものとして私は了解して審議を進めて来たのでありますが、この資料が又そういういい加減なものであるとすると、審議を進めて行く場合に改めて考えなければいけないことになるのでありますが、そういう一応のといつたような非常に弾力性のある、変更の余地の多い資料なんでありますか。それを伺つておきたいのであります。
  24. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) この復活のこの資料は衆議院で修正されて参つたものでございまして、従いまして我我のほうといたしましては、これについてはまだ政府としてかくきめたということでありませんので、我々としては只今申上げたような説明をしておるのであります。実際やる場合におきましては、先ほど申上げた通りに一応のこういう割当整理の基準として、或いは又復活の基準としてはこういう数字になつておりますけれども、運営に当りましては、一本の定員法の下に運営するのでございます。その意味におきまして、これだけの数、検査員は五千八百八十三名はつきりと切る、或いは又管理については二千六十四名必らず切らなければならんという厳格なものでなく、復活並びに整理基礎数字はこういうようになつている、こういうことでございます。
  25. 三好始

    三好始君 衆議院できめたのは総体の七千九百六十一人を復活するということだけでありまして、先ほど私が申上げた内訳政府がきめたはずなのでありまして、政府の部内できめたはずなのであります。その説明は昨日行政管理庁からあつたのであります。これは私が個人的に計算したことを申上げたのではありません。政府側が責任ある答弁として申されたそのままを私申上げたのでありまして、これは不確定だとか、非常に弾力性のあるものだという説明をされますというと、先ほど申上げましたように、私たちのほうでも改めて審議に当つて考えて行かなければならんということになるので、確認をされたいということを申上げたのであります。もう一度お答え願いたい。
  26. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 只今申上げましたように、これは衆議院で修正されて復活のあれになりまして、その内容事務当局が、これは行政管理庁だと思いまするが、衆議院の七千九百六十一名のその内容について質したところ、かくかくの数字である、こういうことであつたのでございます。従いまして我々はこれを基準として、今後行政整理の実際にこれを立法化された場合にはやるわけでありますけれども、その趣旨は尊重いたしますけれども、先ほど申上げましたように整理に当りましては基準が、算出の基準が個個に示されたのでありまするが、実際運営におきましては、本省並びに食糧庁は、食糧庁として一本の定員の間において操作できるものと考えております。それだけの行政上の便宜措置は許されるものと、かように考えておるものであります。
  27. 三好始

    三好始君 そうすると、先ほど来の私の指摘しておることは一向に解決できないのでありますが、ここには政府提出資料として今回の整理案が実現した場合には法律の条文に現われておるこういう大綱が具体的にはこういう形で整理されるのだということで資料を頂いて、私はこれを基にして審議を進めておるのであります。それが実際に法律ができたならば各省庁内部で適当にやつて行けるのだということになると、頂いた資料が無意味になつてしまうのであります。もう一度はつきりお聞きしたいのであります。
  28. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) この整理基準の問題についてはもうお話がおわかりだろうと思いますから、この資料は政府出したものについては、政府はその資料を我々の信念として実行に移すつもりでございます。(「さつきと違うじやないか」と呼ぶ者あり)
  29. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 私は今度の整理の問題について橋本長官にお伺いしたい。整理の基準は事務の繁閑に応じておやりになるという前提のようでありますが、特に農林省の整理については最近一番大きな世論の焦点になつておるのは米の統廃問題だとか、目下の情勢は少くとも米の問題を中心にして考えれば、それに関する事務は繁であるか閑であるか、長官一つ御意見をお伺いしたい。
  30. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) これは当初この案を作りましたときには、主食の統制撤廃をやるつもりでおりまして、それを基本にしてずつと八月以来作業をやつて参つたわけであります。今日主食の統制撤廃はやらないということになりましたので、これはもうそれの存続に必要なだけの人員は勿論政府部内として必要だと考えております。
  31. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうするとこれは繁であると断定して差支えありませんか。
  32. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 要するにその繁閑というと何かおかしいような気がしますが、必要だと考えております。
  33. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 繁閑に応じてとおつしやつたんですから必要という言葉ではこれは繁ともとれるし、閑ともとれるので、私は少くとも米の問題の統制を外さないということに問題が還れば、誰が考えても馬鹿でない限りはこれは繁、こう判ぜざるを得ない。そういうことを、これは私は橋本長官があいまいな言葉で逃げられることは甚だ心外なのであつて、これは明らかに米の統制が外れないという現在においては、事これに関する事務は明らかに繁である、こう明確にお答えになつたほうが後のために私はなると思う。これはお隣りの青年根本大臣にもあえて念を押しておきたいと思いますが、根本大臣はどうお考えになりますか。
  34. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) どうも禅問答みたいになりまして、(笑声)必要な事務はこれは当然残さなければならんと思います。
  35. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それではもう一歩話を進めて申しますが、私は他の委員のかたがたから実に微細な数字亘つて質問があつたのであえてそれは繰返しませんが、ただ私が申上げたいことは、食糧検査に関する事務についてであります。これは極めて新らしい過去を振返つて見ると、昭和十七年に食糧管理が開始される直前の検査人員を調べて見ると、これが常時職員だけで一万七千七百名になつている、臨時の職員が更にこれに千五百名、こういう数字でやつておつた。検査内容はというと、これは根本大臣には釈迦に説法の嫌いがあるかも知れませんが、この当時は米麦を主といたしまして、極めて検査内容等も現在に比べれば疎漏の検査であつたと申さざるを得ない。然るにその後検査がだんだん緒について参りまして、或いは最近における検査内容は輸入食糧検査だけでも年に三千数百万トンを新たに検査しなければならないし、なお製品について精麦、小麦等の検査も昭和二十二年以来新らしく加わつて来ておる。その上に検査規格が設定されたので、現に麦についてはすでに本年から銘柄を設定された。こういう事務も加わつて来ておるし、その上に検査の方法等については、曾つては主として肉眼検査であつたのが、その後は機械器具、薬品等を用いて極めて科学的に検査が行われて今日に至つておる。最後に私は特に強調して、今度の検査に関する人員が一番論議の焦点になつておりますので、あえて私はこれを念を押したいのでありますが、この検査の歴史と、日本における農産物の増産は密接不可分の関係にあつたと考えます。検査は飽くまで生産に直結して発達して来たわけでありますから、検査を除いていい品物をたくさん生産せしむるということは、曾つてもなかつたし、今後もあり得ないと考えるわけであります。そういうつまり指導的の役割を持つておる検査、以上のような数々の理由によつて検査が、つまり昭和十七年以来新らしい角度でこれだけの人員を擁して今日に至つたのでありますが、それを米の統制が外されるということで半減する、大幅に切るという建前であつたのを、米の統制を外さないということになつたわけでありますから、理論的に考えて見ても、少くとも元の数に復するのが、これは理の当然だ、これを元の数どころではない、計算の根拠も示されないでおいて七千九百六十一人、二割五分幾らついて見てもしどろもどろの答弁をする以外に途はない。そういう答弁の仕方をしておいて、そうして而もこの米の統制に関する、なかんずく中心になつておる検査人員を元に返さないということでは、これはどう考えても我々農業関係に携わつておるものとしては、この七千九百六十一名を元に戻すという程度のことでは、私どもは承知できない。従つてこの人員については、我々としては少くとも農林大臣に期待するところのものは、大臣が今なお私は記憶に新たなところがあろうと思うのです。大臣が就任をされた第一回の我々農林委員会の席上において、新らしい抱負経綸を伺つたときに、食糧関係についてはこれはできるだけ予算も取るし、一貫して重点的に食糧の増産については一つ骨を折るということを言明されたわけでありますが、私はそれを実は今日も特に根本大臣のために疑わない。そういう見地からいたしまして、この米の統廃問題は別にいたしましても、こういう平和になり、日本の食糧増産に更に新らしい見地から拍車をかけなければならないというときに、こういう大幅な農林人事を断頭台に載せて、世間並みならいざ知らず、ほかの向う三軒両隣に比べて見ると、とにかく比較にならない四割、五割、六割だという途轍もない率でやつてのけるということは、これは私は気違い沙汰だとしか受取らざるを得ないのであります。こういうことをあえて農林大臣は別に押付けられるのではないということで、実に苦しい答弁をしておいでになるが、私はやはり大臣は、御覧の通り童顔で如何にも青年らしい雰囲気を発散しておいでになる、その青年根本大臣がひそかに心を痛めておられる必要はない。農林大臣のうしろには微力ながら我々がついておる。少くとも農林委員会は根本農林大臣をいじめることを以て本務たりとしているわけではない。而も我々の背後には六百万という生産者、農家が常に一言一動を見守つておるのである。こういう時期に何も一人だけ心を痛めて血を出すことはないと思う。そこで農林委員としては実に大幅な修正をして、何とか大臣の心痛も軽くして上げたいと考えるし、而もここにおいでになる赤札を付けた傍聴のかたがたも、これは実に重大な関心を持つておいでになりますので、我々としてはそういう見地からひとり農林と言わず、日本の再建のために、この農林行政の推進のために、我々としてはどうしてもこの数字は呑めませんから、とにかく検査統計或いは農地その他、こういう重要な数字については大幅に修正をして、日本農業をして危殆に瀕させないという確信のある修正の数字出しますから、これは一つ是非橋本長官も殊に英気溌剌としておいでになりますので、特に青年両大臣においてこれは文句なしに我我の出し数字だけは呑んで頂きたい。決してこれは苦い薬ではありませんので、ちやんとオブラートに包んで差上げるつもりでありますから、少くともこの数字だけはここ極めて最近のうちに河井委員長の許に提出をする用意をしておりますので、これについては少くともつべこべおつしやらないで、是非ともこれは呑んで頂いて、衆議院自由党さんもこれは勿論歓迎されるに違いないわけでありますから、是非ともこの点については最大の考慮を払われんことを要望いたしまして、私の質問を終ります。
  36. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと諸君に申上げますが、橋本厚生大臣が、厚生大臣として十二時からどうしても行かなければならん用事があるということで、今暫らくここに残つて頂きますが、十分か十五分ぐらい橋本行政管理庁長官に対する御質疑ならばこの際特にお願いいたします。なお申上げますが、時間もありませんから、できるだけ簡潔にお願いいたします。
  37. 江田三郎

    江田三郎君 委員長に先にお伺いをいたしますが、お答えの如何によりましては、時間が、そう簡単には済まんと思いますが、そのときにはやはりその次の機会を与えられんことをお願いいたします。
  38. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それはそのつもりであります。
  39. 江田三郎

    江田三郎君 今飯島委員からお二人の大臣の青年らしいということで礼讃されたのでありますが、私はちよつと違うんでして、先ほどの七千九百六十一名という内容についても、根本農林大臣自体はこれは衆議院のほうで作つたんだから、おれのほうはわからんということを言われておる、そうしてあと追及されるというと、そうではなしに、政府のほうで出した案ならば責任を負うということを言われて、一体この七千九百六十一名の内容については、農林大臣としては知らなかつたんじやないかというような印象を我々としては受けるわけです。少くともあの答弁から受けるわけです。ところがその片方の行政管理庁の橋本長官のほうは、昨日の質疑応答に見られるように、細かいことはわからんが、大きなところは、間違いましたけれども、(笑声)細いところはわからんから、根本農林大臣に聞けということでありまして、一体このお二人の大臣のうちでどちらが最後の責任を持つた答弁をして頂けるのかわからんので伺つておきたいと思います。
  40. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) これは閣議でもはつきり検討いたしまして、申合せをいたしておりますので、総体の取りまとめは私がいたしておりますが、各省所管の中の仕事のしぶり、それに対する人の配置という問題に関しては、所管大臣が責任を負うという答弁を申上げました。
  41. 江田三郎

    江田三郎君 そうしますと、さつきのように七千九百六十一名の内容は、行政管理庁のほうの政府の提出資料としては出して来ておる。併しながら農林大臣はそれを三好君から言われるまでは、これは衆議院のほうでやられたのだから私のほうは知らんというそういう食い違いは何故起つて来るのでありますか、或いはそう言われた農林大臣答弁が間違つた答弁をしておられたのか、そういう点は一体どうなんですか。
  42. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 先ほど申上げたのは七千九百六十一名の定員が残ることになると、その内容についてはどうなつておるかと、こういうことなのであります。これは復活衆議院の修正によつて出て参つたのでございます。従いまして衆議院の修正がどういうふうな内訳になつておるかということに関連するのでございまして、これにつきましてはここに資料が出ておるところの数字に相成つておるのでございます。然るところ、この数字は行政管理庁におきまして衆議院内閣委員会と連絡した結果、これ又然るべきものと言われて、又私どものほうの事務当局もこれを只今私に報告して参つたのでございまして、その意味におきまして、私が最初申しましたのは片柳さんの質問関連して申上げておつたつもりでありますので、その間若干の齟齬が出たと存じます。そのときにおきましては、整理をする場合におきましては、一応本省並びに外局と分れておる、又外局におきましてもいろいろと細部に亘つて配分されておるけれども、現実に実行する場合においては、その間彼此お互いに融通してやることが至当ではないか、こういうふうな御意見があつたときに当りまして、私として実際やる場合にはさようにいたしたいと思つておると、こう申した関係上、ここに出ておる数字と現実に実施する場合においては、若干の相違が出て来るが、彼此融通する、こういうような意味答弁したことが、混乱したことと存じます。従いまして、この資料につきましては総額において復活した限りにおいて、その内部をなす資料について、これは我々の責任において出したものと申上げる次第であります。
  43. 江田三郎

    江田三郎君 あとからいろいろな理窟がつきますからそれも結構ですが、ともかく今の答弁でわかりますように、先ほどやつと政府委員のほうからあなたのほうに連絡があつたということです。少くともこういう七千九百六十一名という内容は、昨日から問題になつておる。それを今日に至つてもなお野党の委員から指摘されなければ、それに気が付かんというようなことでこういう人員整理をせられるということは、私は非常に遺憾でありまして、まあそれをどこまでも食い下ろうとは思いません。あなたのほうが間違つたら間違つたでよくわかりますから、私も追及しませんが、さような態度であつては困ると思うのであります。  そこで、私は本格的に質問したいのでありますが、どうもこの食糧庁関係のこの内容については、第一最初の政府原案の出し方からして、両大臣が認められておるように、極めて不体裁な出し方であり、只今の七千九百六十一名をめぐりましても、どうもそこに混乱があり、内容のはつきりしない点がありまして、昨日から私も答弁を聞いておりますけれども合点が行かんわけです。そこで昨日橋本大臣のほうから言われたときに、司令部のほうとも交渉して米の統制撤廃ぺンデイングになつていたからああいうようにしたんだ、麦については問題がないのだ、来年度の米は供出しないのだ、そういうところからああいうような案が生れ、更に又その後のドツジ氏との関係統制撤廃の問題が変つて来ましたから、今度のような修正になつたのだというように受取れるのでありますが、これをもう一つ具体的に説明して頂きたいのでありまして、つまり昨日から橋本さんのおつしやることから、具体的に我々が解釈するというと、麦については来年早々にこれは統制を撤廃する、米についてはこれは橋本さんが昨日言われましたように、来年度の米の供出はしないと、こういうことで今度の政府原案なり、それの衆議院の修正案というものを与党のほうでおやりになつたのか、この点は一つ具体的にお尋ねいたします。
  44. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それではいろいろな都合がありますから、連合委員会は三時まで休憩をいたします。    午後零時十八分休憩    —————・—————    午後三時五十八分開会
  45. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより引続いて連合委員会を開会いたします。
  46. 江田三郎

    江田三郎君 午前中お尋ねいたしまして、そのお答えがないままに休憩になつたわけでありまして、簡単に繰返しますと、昨日以来の橋本長官答弁、それから根本農林大臣答弁というものはなかなかはつきりしない点があるのでありますが、大体昨日橋本さんの言われました麦の統制撤廃についてはもう問題がない、そうして来年度の米の供出はしない、こういう点からして今度の食糧庁人員整理というものは、一応来年早々から表の統制を撤廃し、そうして米の統制を撤廃して、来年の供出のときには行う、こういうようなことから出ておるのだとしか我々は考えられないわけでありまして、その点を一つ率直に具体的にお答え願いたいというのが午前中の質問でございました。その点からお願いいたします。
  47. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) その通りでございます。
  48. 江田三郎

    江田三郎君 そこで麦について来年早々に統制を撤廃するということになりますと、言うまでもなくこの間参議院におきまして自由党の反対がございましたが、その他の各会派の足並みを揃えた決議案が通つているわけでありまして、即ち米麦の統制撤廃は飽くまで国会において法律の改正として行うべしと、こういう決議案が通つているわけでありますが、この決議案というものは農林大臣は一向にお構いなしにお進めになるのかどうかということをお尋ねいたします。
  49. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) お答え申上げます。決議の旨は私も列席いたしまして十分拝聴いたしました。なおその際政府の見解として申しましたように、麦の統制撤廃に関する決議につきましては、行政措置でなし得るものと、立法措置を必要とするものとあると存じまして、その点は目下検討中でございます。
  50. 江田三郎

    江田三郎君 これは具体的にどうしたらできるとかできないとかいうことでなしに、さようなことは皆考えた上で、飽くまで行政措置でなしに法律の改正としてやれと、こういう決議案が可決になつておるわけでありまして、それを無視せられて農林大臣がお進めになるということになりますと、やはり今回の定員法の改正の審議に当りましても、相当お互いに考えなければならない問題が出て来ると思うのでありまして、私はその問題のどうこうということは申しませんけれども、さような御決意であるというと、少くとも参議院において自由党以外の各会派が同調した決議まで踏みにじつてやられるということになりますと、いろいろな意味で影響があろうということだけを申しておきます。  そこで次にお尋ねするのは、米の統制についても今度の米の供出からは外されるというお答えだつたわけでありますが、私の質問に対してその通りだということでありますが、私はこれは非常に危険なやり方ではないかと思うのでありまして、すでに最初片柳委員から実体法の主体になるところの法の改正と、こういう定員法で初めから定員を改正するというのと、このどちらを先にするかという問題がありましたが、これはただ議論としてそういうことを言うだけでなしに、政府のほうで今回のこの定員法の改正をなされるのに、一応四月一日から米の統制を撤廃するということを言つておられた。ところが私は農林委員会におきましてこの点について根本大臣にお尋ねしたことがありますが、若し米の統制撤廃政府の所期のように行かなかつたらどうするのか、そのときにはどうするのかというお尋ねをしたときには、さようなことは仮定の問題だから考えられない、答弁もできないということを言われたわけです。又そういうことはないと信ずるということを言われたわけです。ところが現実にはやはりそういう問題が起つて来たわけでありまして、一度あつたことが二度ないとは言えないと思うのです。本年度のこの供出の問題についても、あなたが先だつて来大変なこのてんやわんやを繰返されたわけでありまして、果して一体この米は出るのか出ないのか、或いは国際情勢がどうなるのかということは、これは非常に簡単に予測を許さん問題でありまして、そういうようなことを予測して、そういうようなことがあるのにかかわらず、今飽くまで今度の米の供出時期から統制撤廃をやるのだということで、この人員整理をやられるということは、又同じ結果を繰返す虞れがないとは断じて言えんと思うのです。而もこれは大事な人の首切りの問題でありまして、一応そういうことを予想して首は切つておく、それができなかつたら一体どうするのか、そういうことは考える必要はないということをこの前言われたけれども、現に考える必要にぶつかつたわけです。ドツジさんが来られて一遍やつたのだから、今度も又同じことになつたらどうせられるのか、その点お尋ねしたい。
  51. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 江田さんの申された点について若干違いがあると思われまするのは、本年の供出については現行通りにやりますので、これは本年から供出をやめるという考えはございません。明年につきましては橋本長官からも言われた通りに、政府といたしまして二十七年度産米については統制を撤廃すると、こういう前提に立つてこの定員法ができておるのでございます。なおその際若しその運びに至らなかつた場合においてはという問題がございまするが、そのときには当然必要なる人員は増員しなければならないということを考えます。
  52. 江田三郎

    江田三郎君 その際の必要なる人員というものは、具体的にはどういう人数になるかということです。なおそれと関連いたしまして、仮に麦を来年早早から統制を撤廃するとしたときには、現在までの定員の中で、どれだけのものが一体外すことができるのか、そうして米の統制撤廃が行われなかつた場合には、具体的には今の政府提出案及びこの衆議院における修正案の数字と比べて、どれだけのものを復活して行かなければならんか、そういう点についてお答え願いたい。
  53. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 若し明年度におきましても統制撤廃に至らないという場合におきましては、この復活いたしました者のうち、一般整理を除いた者は復活するというような形になるだろうと思いまするが、詳細に亘りましては、まだ検討いたさなければならんことと存じます。
  54. 江田三郎

    江田三郎君 一般整理を除いた者ということになると、現在の農林省の食糧庁定員から他の各省なぞの事務について何%、現業について何%というあの一般的な数字ということを言われるわけですか。
  55. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 大体そういうふうな基準におきまして、なお事務の簡素化並びに能率の増進において整理し得る者は除外した者として、復活をする必要があると存じます。
  56. 江田三郎

    江田三郎君 そういうようなことになりますと、ここで七千九百六十一というものを減らすということは、ちよつとおかしなことになるんです。七千九百六十一の具体的な内容については、午前中に委員会で五千幾らが検査員であるとか、管理事務が幾らかということになりましたが、若し統制の継続をやるんなら一般的に他省並みの五%、一〇%というような数字になるということになるならば、ここでいきなりこれだけのものを首切られるということは、ちよつとおかしなことになりはしませんか。或いはこの首切られる者は全部麦にだけ関係するというものなら、まだ筋は立ちますけれども、そういうお考えでありますか、どうなんですか。
  57. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) お答えいたしまするが、麦も関係いたしまするが、米の統制を明年十一月から外すということが、この整理の前提になつておりまするので、そのように考えておる次第であります。
  58. 江田三郎

    江田三郎君 統制を明年から外すといつたところで、それまでの間の必要な人間は変らんわけでしよう。麦に関する分だけは違いますけれども、外れるまではやはり今の人間が要るんじやないのですか。現にこの間知事会議のときに、たしか知事側のほうから、今年の食糧事情の供出の実情に鑑みて、食糧事務所は強力にしてもらいたいという要望があつたということを私聞いておるわけなんでありまして、その点は一体どうなりますか。
  59. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 知事側における要請は、現在食糧事務所職員の人々が、非常な不安定な状況であり、供出がうまく行かないから、安定するような措置を講じてもらいたい。こういう要請でございました。
  60. 江田三郎

    江田三郎君 だが、私はその点もう少しはつきりして頂きたいと思うのでございまして、米の統制は今政府が企図される通りにやられましても、来年の供出からなんです。それまでは今やつておる仕事というものは違わない、米に関する限りは……。ただ違うとすれば麦についてだけ違つて来るわけなんです。麦のほうを今大臣が言われますように来年早々からやるということになると、麦についてだけの人数が違つて来るわけなんです。それでは今度食糧庁関係の大量の整理というものは、麦だけの整理、麦だけに関した整理と考えなければならんわけなんですが、この私の考え方はどこか違つておりますか。
  61. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) これは先ほども申しましたように、麦の統制撤廃が一番大きな要素をなしておりまするが、なおこの政府原案による整理は、明年の十一月からは米についても統制撤廃するという前提でこの定員出した次第であります。
  62. 江田三郎

    江田三郎君 どうもはつきりせんと思います。米について政府が企図されるような来年の供出から撤廃することができないとしたならば、その際この食糧庁関係整理率というものは、他の官庁並みの五%、一〇%といいますか、五%、二〇%といいますか、その一般率で行くんだ、そこへ復元して来るんだということを言われているわけなんです。そうしてその撤廃ができるまでは要するに今と同じことなんです。ただ違う点は、政府の言う通りにできたとして違う点は、来年の早々から始まる麦の統制撤廃だけなんです。だからここで整理される人間というものは、具体的には麦が外れるからこれだけだというように解釈する以外には途がないと思うのですが、それがどう違うのですか。
  63. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 現在の復活した数についてはその通りでございます。
  64. 江田三郎

    江田三郎君 そうすると、復活された数と現在の定員との間の人員減というものは主として麦の関係、こうですね。
  65. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) さようでございます。
  66. 江田三郎

    江田三郎君 それでは今度は具体的にお尋ねいたします。麦の管理方式が違つたために、一体食糧庁業務内容というものは具体的にどう違うかということです。麦の統制が外れましたところで、全然麦の関係はゼロで済むというわけじやないわけなんです。いろいろ今度加工の問題がありますし、或いは政府の、やはり農林大臣が言つておられましたように、支持価格制度による買入の問題、或いは売却の問題もあるわけなんです。或いは輸入麦の関係もあるわけなんです。そういうような問題がたくさんあるわけでありますし、又取扱うところの政府食糧の中で、麦が全体の総石数の何%かということも考えなきやならんわけなんです。そういう点から考えて、仮に一月から麦の統制が撤廃されたとしたときに、具体的に業務内容というものはどう違つて来るのか。その具体的に違う業務内容と、今度の整理とをどういうように説明がつきますか、その説明がつくならやつて頂きたいと思います。
  67. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) お答えいたします。麦の問題については、麦の供出とそれから配給の面がずつと減つて参ると思います。なお管理事務が残つておることは、これは主として相当大きな製粉業者に対して今度は売渡業務をやる、こういうようなことになりますので、その点は従前に比べて非常に事務が簡素化される、かように考えております。
  68. 江田三郎

    江田三郎君 今の大臣のお話を聞いておりますと、大体供出というようなことがなくなれば関係がゼロになるようなお答えに承われるのですけれども、実際問題としてそれじや今年の麦の相場が闇価格が幾らしておつたか。大抵の所におきまして麦の間価格はマル公より下つておる。そうなると、今度支持価格制度によつて政府農民の申告によつて買取らなきやならん麦の石数というものは、現在の供出石数と余り大差のないことになるのじやないかということになると思うのです。そうなるというと、この検査なり、或いは管理事務に要するところの人間というものは、具体的には大して違わんはずだと思うのです。多少クーポン券の問題がどうとか、或いは委託加工の問題がどうとかいうことがありますけれども、主として食糧検査のほうに要する人間というものは具体的に大して違わないように私思うのでありまして、若し私の考えが違つているのなら、どこが違つておるかということをおつしやつて頂きたい。
  69. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 管理事務については御指摘通りであります。なお検査につきましてもこれは相当程度緩和できる、事務量においてできる。それから又これは米の供出時期と麦の買入時期が相当変つておりますし、なお又この定員においては非常に困難なことも私も実は痛感しておるのでありますが、それらはついては非常勤職員等の要員をも考えておるのでありまして、これによつて操作をして行きたいと考えておる次第であります。
  70. 江田三郎

    江田三郎君 検査の問題については、なお昨年度から銘柄の設定がされたわけでありまして、恐らく銘柄の設定は今後一層強くなる、而も自由商品になればなるほど銘柄の設定ということを強力に行わなければならんのでありまして、従つて私はこの検査に要するところの人手というものは余り変らない。こう思うのでありまして、その点は大臣も今のお答えでやや認められたようでありまして、ただそれを臨時職員でやるというようなことを言つておられるわけです。そこで一体こういう問題が出て来ると、いつでも臨時職員に逃げて行かれるのでありますけれども、今日でも臨時職員というものは相当私はおると思うのであります。一体今日臨時職員というものは具体的になんぼおるのか。一方において人員整理をする、而も他方において臨時職員を更にこれ以上に増加して行く。そういうような不安定なやり方がいいのかどうかということを一つ根本的に考えて頂きたいと思うのです。特に食糧検査の問題につきましては、これは統計の問題でも同じでありますけれども、なかなか臨時職員というようなものでは私は行かんと思う。昔のように二十年も三十年も検査の経験を持つた人が年をとつてやめられて、そういう人が季節的に二カ月なり三カ月臨時職員として出て来られる、そういうことならばまだいいのでありますけれども、大体これは失礼な話でありますけれども、今の検査職員のレベルにいたしましたところで、終戦以来相当下つておると思うのです。本当に銘柄の検査ができる人が何人いるかということになると思うのです。その主体になるところの職員検査のレベルが落ちているところへ、今日でも多数の臨時職員を入れておつて、更に臨時職員を殖やして行くということになつたら、本当に商品としての検査が的確に行われるかどうかということは非常に疑問だと思うのでありまして、そういう点一体どれだけの臨時職員を使つておられるのか、更に将来どれだけのものを使おうとせられるのか、臨時職員と本定員とは一体どういう比率になるのかということをお示し願いたい。
  71. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 現在臨時職員はたしか一千名そこそこだつたと思いまするが、現在事務当局で考えておりまするのは、約二千名ぐらい臨時職員が殖えなきやならんのではないか、というような見当で今進んでおります。
  72. 江田三郎

    江田三郎君 その数字は私は違いやしないかと思うのでありまして、これは正確を期するために、あとでよろしいから、文書でお答え願いたいと思います。それから一体この検査のことについて、仮に将来米も自由商品になつたとしましたところで、米も麦も自由商品になつたところで、検査というものは要るわけなんです。而もそういうときには、自由商品になつて来れば、当然検査は自由検査になり、従つて検査手数料というものの収入があるわけでありますが、そういうときにどの程度検査手数料を取るかということは一応問題になりますけれども、若し将来米や麦が自由商品になつて、そうして検査手数料を取つた場合に、現在の定員で独立採算は可能か不可能かということを御説明願いたい。
  73. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 現在の手数料では独立採算が困難ではないかと思われるようであります。この点も十分調べて申上げたいと思います。
  74. 江田三郎

    江田三郎君 現在の手数料というと、現在きまつておらないのですけれども……。今手数料を取つていないのです。
  75. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 訂正いたします。私の申したのは、現在供出したものについて手数料を取つておりませんけれども、その他のものについては手数料を取つております。従いまして自由になつた場合におきまして、現在行われておる手数料を勘案してやつた場合において、独立採算制がとれるかどうかは検討して見たいと思います。
  76. 江田三郎

    江田三郎君 はつきり願いたいと思うのでありまして、供出対象になつていないものは手数料を取つておる、それはもうほんの微々たるものでありまして、検査の大部分供出対象なんです。これとこれとを混同されるような頭で答弁されては困ると思うのです。私はそういうことは別にいたしまして、とにかく今の人員であつても将来米麦が仮に政府の言われるような自由な形になつても結構独立採算制はできる、そういうものを無理に首を切つて、そうして而もその間の繋ぎができないからして臨時職員をこれ以上に殖やして甚だ不健全な、甚だ農民に対して不親切な、或いはそれを買うところの商業機関に対しても不親切な検査をやつて行くことが当を得た政策かどうか、その点はどうお考えになりますか。
  77. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) これは完全に自由になつた場合において手数料を独立採算制をとることができる程度に高めて行くということになりますれば財政上何ら支障がないのであります。従つてその点については適当に定員についても考えるべき必要が出て来る場合もあるだろうと存じます。
  78. 江田三郎

    江田三郎君 私の言うことをお認めになるならそれでよろしい。従つて食糧庁関係人員整理についてはこれは政府としても、少くとも農林大臣としてはこの政府提出の原案よりも相当違つた誤りをお認めになりましたから私は一応その問題を打切ります。  その次は統計調査部の問題でして、別に政府のほうから本国会へ提案されておりますところの国際連合食糧農業機関憲章を受諾するということの承認を求められておりますが、この国際連合食糧農業機関憲章を受諾することになりますというと、機関の任務のところに「この機関は、栄養、食糧及び農業に関する情報を収集し、分析し、解明し、及び頒布する。この憲章において、「農業」という語及びその派生語は、水産業、水産物、林業及び一次的林産物を含むものとする。」ということがあります、その次にたくさんこのやるべきことが書いてありますが、こういうようなこの農業機関憲章を受諾せられたときに果して今の農林省のこの統計調査機構でここに言われるところの「情報を収集し、分析し、解明し、及び頒布する。」ことができるかどうかということです。
  79. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 現在の定員においてこれをなしたいと考えます。
  80. 江田三郎

    江田三郎君 現在、整理されたあとじやありません、現在の陣容でも先だつて農林大臣はだんだんこの内容はよくなつたのだから人を減らしてもいいということを言われましたけれども、現に今年の米の供出問題でも先だつての知事会議において幾多の問題を起しているじやありませんか。面積についてもそうだし、数量についてもそうだし、一番大事な米がそれほどのごたごたを起して、事務の能率化ということを言われるところの農林大臣があんな何日も何日もごたごたして会議をやられる、甚だ非能率的な事務を遂行しなければならんような状態にありながらこの新らしく憲章を受諾したときに結構やれるのだということは少し厚かましい言い分じやないかと思うのですが、どうですか。
  81. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) これは見解の相違になりそうでありますが、今回の憲章に参加するところの国がどれだけの職員を持たなければならないという、これは具体的な案ではございません。大体サンプル・システムをとつて、そうして国として国際的な一応の確率を持つているところであるならばこれは認められるというような立場に立つておるものと我々は考えておるのでありまして、その意味におきまして今回インドとか、或いはイタリアとかそういう国々も新たに加入したようでありまするが、これらの国々の統計機構その他を勘案して見ましても今度整理されてから後の日本の統計調査人員並びにその性質を比べて決して日本のほうが劣つておるものとは考えておらない次第であります。
  82. 江田三郎

    江田三郎君 若しそういうことをおつしやるならば、それならばあの先だつての米の供出について司令部の出し数字、あなたのほうの出された数字、県知事側の出すところの数字、農業委員会が出すところの数字、皆違つた数字出してあれだけてんやわんや繰返されたというのは一体どういうふうに説明したら逃げられますか、ちよつと逃げられないと思います。
  83. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 逃げるとか逃げないとかという問題でございませんで、現在全国的にサンプル・システムによつてつておるのは農業統計調査事務所の資料だけであります。府県方面におきましてはかなりこれは政治的な意図が含まれておるのが今までのようであります。農業委員会におきましても組織的な現在の農業統計調査事務所でやつておるほどのものではないと見られておるのであります。この意味におきまして我々は現在のところは農業統計調査事務所において出て来る数字が一番信頼性の高いものと考えておる次第でございます。
  84. 江田三郎

    江田三郎君 政府のほうは来年から供出を外すということを言つておりますけれども、私はこの問題はそう簡単に行かんと思うのでありまして、その際今政府のほうでは統計調査部を通じてやる数字が一番確実だと言われましたが、併しそれの確実性をこれを知事に納得せしめ、農業委員に納得せしめることができないでなおあれだけの混乱を繰返しておるのであります。併し将来において面積調査をやめるということになつたときに果して今日でさえも混乱しておるのにこれを本当に混乱なしに納得さすことができるかどうか。特に面積調査の場合に私の聞いたところによりますと、最初の五カ年計画をおやめになつておると思うのであります。一体統計というようなものを、ここまでやつて来てもここまで行かなければならんものをここで打切つてしまえばやつたことは全部御破算になる。五カ年計画でやつておるものを、三カ年計画で打切つてしまつては今までやつたことはどうなりますか。将来それを以て証明することができますか。三年目の今年でこの間の知事会議に北海道は千二百町歩近く各府県に非常に凸凹ができて知事がそのやかましく言われておるのではありませんか。そういうときにここで面積調査は切つてしまつて、どういうことをやるのでありますか。いろいろ大蔵省との折衝のとき心の中ではそうは思いながらも大蔵大臣にぴしやつとやつけられるとどうにもならない。そういうことはやつつけられては困ると思います。
  85. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) お答え申上げます。これは先ほどのしばしば申上げましたように、この統計の角度というものはいろいろ正確にやるとすれば一筆々々調査しなければならないものだと思います。併しながらそういたしますと、非常な人員と時間もかかりますので、そうしてサンプル・システムをとつておるのであります。面積調査にいたしましてもこれはいろいろ議論があるところでありましよう。正確を期するとなりますれば本年のみならず毎年々々調査をしなければなりませんけれども、大体三年間におきましておおむねの基礎ができておるのでありまして、あとは年々の変化を見て行きたいと、こういう観点に立つておる次第でございます。
  86. 江田三郎

    江田三郎君 三年間でおおむねの基礎ができたと言われまするけれども、農業条件の変化のないところについては或いはそれに多少の修正を加えて行けばいいかはわからない。この地帯別に非常に塩害をこうむるとか、災害が多いとか、いろいろな変つた条件の地帯が非常にあるのでありまして、そういうときに三年間やつて来たものをここでほつてやめてしまつたならば一切御破算になつてしまうと思うのであります。又食糧事情が窮迫したときもう一遍食糧統制をやかましく言わなければならんというときになれば又初めから御破算にやつて行かなければならんのでありまして、私はそういうことは非常に危険だと思うのであります。特にこの点については農林大臣は就任早々初めて参議院の農林委員会へ来られましたときに、私は将来の日本農業というものを確たる統計基礎にしてやつて行くのだ、従来の農業政策というのははつたりが多かつた、科学性を欠いておつた、飽くまでも統計を尊重して行くのだということを言われて、楠見さんから、あなたは誠に知性のある大臣だということを言われたわけです。それが近頃になつてすつかり方向転換したのでありますが、どうも私の見るところでは、他の方面の圧力を受けて方向転換された、かように思えるのでありまして、今更私、あなたの信念が変つておるとは思えない、この点については橋本さんも、知性の人であつて統計というものは本当にわかつておられるのじやないか。そういう意味で大体余り強引なことをおつしやらんで、もう少し統計のことをお考になる気はございませんか。
  87. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 私の信念は変つておりません。国の財政が豊かになりますれば、ますますこれは当然大いに拡充いたしまして、そうして精密度を上げて行きたいと思つております。
  88. 江田三郎

    江田三郎君 なんかというと経費の問題と言われるわけでありますが、昨日のあなたの御答弁の中にも、統計事務については、地方自治というものが確立したからして、従つて地方みずからに統計をやらせ、これに指導を加えて行きたい、こういうことを言われたわけです。だからこのことから見ましても、あなた自身も統計の必要ということは非常にお考えになつておる。ただ経費の問題だけで今のような答弁が出るわけですが、その際に、あなたが言われましたように、地方自治体が確立したからして地方へ統計事務を任すということは、そのときの経費は地方自治体で果して支出する能力がございましようか。そのときには補助金を出すのでありますか。平衡交付金を殖やすのでありますか。なお又今日までの、今の段階におきまして、各地方がばらばらで統計をやつたときに、それが全国的に集計したところでどれだけの信憑性があるか。そういう点はどうお考えになりますか。
  89. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) これは昨日も申上げましたが、私は地方に全部統計事務を委譲するという考えは持つておりません。やはり全国的に現在の農業統計調査の方式とその機構は持つべきである、併し各自治体におきましても、自治体本来の仕事をするためにも統計が必要でございまして、現在でも要員があるのでありまするが、これが十分に訓練もされないし、又統計調査の方法についてもこれは任意にやつておる、従つてそのために信憑性が非常に少いのでありまして、漸次政府がとつておるサンプル・システムをこの職員の人々に修得せしめまして、政府のやつておるところのものと近付けて参りたい、かように考えております。
  90. 江田三郎

    江田三郎君 大臣が統計の重要性を認められたということは、私も満足するところでありますが、ただその地方へ持つて行き方です。今おつしやるように、地方の、例えばそのために人がおりましたところで、それが何ら訓練を受けておらない、経験もない、訓練もない者を……、中央におきまして大きく統計調査関係整理をして、この地方を指導してやると言つたつて、これはできないじやありませんか。もつともつと訓練の期間が要るじやありませんか。時間が要る。時間だけでなしに、金も要る。地方財政のあの平衡交付金増額がやかましく言われておるときに、人がおると言われましたところで、それは本当に統計に専念のできる人がおるわけじやない。そういう人をいきなり使おうつたつてこれは時間と金をかけなければできない。だからそういうことを実際言つて見たところで不可能でありますから、この統計調査部について、一方において整理するけれども、片方においては臨時職員を使うというようなことを言つており、検査もそうですけれども、およそ統計というような、地道な仕事をするのに、而も百のうち九十人正確にやつたところで、あとの十人が正確にやらなかつたならば、これは百の仕事が全部無駄になるようなときに、これを臨時職員でやるというようなことは私は非常な危険な行き方であり、恐らく農林大臣自身もその点は認めておられるのじやないかと思うのでありまして、そういう点はもつとこの統計調査整理についてはお考えを改めて頂くわけには行かんでしようか。
  91. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 先ほど申しましたように、財政が豊かになりますれば十分にこれの充実に当りたいと思います。
  92. 江田三郎

    江田三郎君 自分の信念とは違つて大蔵大臣の意見に屈服したというようなことの別な言葉の表現であるというならばこれ以上追及しませんけれども、もう少し日本の農業ということをお考えになつて基礎的なものだけは間違いのないようにして頂きたいと思うのです。妙な補助金を出すとか何とか、そんなことはどうでもよろしいが、農業の基礎になるところの調査とか、研究とか統計、こういうことについては確固たる方針を持つて頂かんと、農業全体がとんでもない方向に行くと思うのであります。あなた自身の信念に基いて、一方的な財政論でやられたということになるならば、それ以上申しませんけれども、別にお考え願いたいと思う。  それからその次にお伺いしたいのは、林野庁関係の問題でありまして、林野庁関係では申すまでもなく、先般森林法の改正があり、或いはこれと並行いたしまして、国有林野の整備の法律が通つたわけでありますし、又それに伴いまして今回の補正予算につきましても森林関係予算が大きく組まれておるわけでありますが、そうすると一体この林野庁の関係職員を減らして仕事に支障がないものでありますか。事務の分量が同じであつてそうしてこの事務の分量が違いないのだからして、能率の増進或いはその他によつて人員を減らすというならまだわかりますけれども、事務の分量が殖えておる、仕事の分量が殖えておる、然るに一般率、或いは一般率以上に整理をされて、果してそれでそういうふうな仕事ができるでしようか。
  93. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 林野庁の仕事は非常に現場の仕事が多うございまして、今まで直接直営の仕事も相当あつたのでありますが、これは請負にいたすとか、或いは立木払下げとか、こういうような方法で相当程度これは合理化ができるし、簡素化ができるものと考えております。なお森林法の制定に伴いまするところの措置につきましては、これは大部分が民有林に関する問題が多いのでございまして、この点につきましては指導監督のほうはこの定員で十分やれるのじやないかと考えておる次第であります。
  94. 江田三郎

    江田三郎君 そう簡単に言われますけれども、簡単には行きませんよ。民有林の問題といつたつて、なかなか国のほうの仕事も殖えて行きますからそんな簡単な問題ではないと思います。そこは水掛論になりますから余りしつこく聞きませんけれども、私もう一つお聞きしたいのは、営林局の一部と営林署の職員は人事院勧告に対する同意書によつて現業官庁と認められておるように思うのでありますが、若しそうであればこれについては現業関係整理率を当てるべきであると思いますが、その点はどうですか。
  95. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 林野庁の仕事につきましては、実は非常にいろいろの要素がたくさんございますし、払下げの事業とか、或いは造林の事業とかいろいろございますし、又管理の仕事も相当ございますので、管理部面については相当程度これは整備してよろしいということに考えております。なお又現場の仕事につきましても従来、実は先ほども申しましたように営林署が直接伐採をやつておつた、これがだんだん立木払下げとか、そういう方面をやりましたので、これが相当程度出て来ると思います。なお又営林署の配置も相当今度は変らなければならないような状況になつて参りまして、それから相当前に設置したものが、実は相当山を払下げてしまつたために、或いは又仕事を或る地方においては営林署を合併してやつておるところもありますので、そういう点をも勘案して今回の定員法を作つた次第であります。
  96. 江田三郎

    江田三郎君 私のお尋ねしておるところの現業関係という点はどういうふうになるわけですか。
  97. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 地方庁の現場の仕事については現業官庁と見て結構でございます。
  98. 江田三郎

    江田三郎君 それならばはつきりと他の現業官庁並みに五%の整理率を適用されるのが当然でありまして、今のように局の廃止とか何とかでは、一体どういうことなのか、ただそれだけではわかりませんから、具体的に出して頂きたい。
  99. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 局の廃止は今言われた通りなのであります。末端の営林署の統廃合をも考えておる次第でありますが、その具体的な計画については只今つておりません。漸次これはできるだけなし得る限りにおいて統合いたしたいという考えを持つておる次第であります。
  100. 江田三郎

    江田三郎君 私はその営林署の問題につきましても、国有林野整備臨時措置法の関係からして、そう簡単に行けるとは思いませんが、その問題は別として、要するに只今大臣がお答えになりましたように、営林署関係では現業官庁ということをお認めになつたのなら、その署の配置等については別問題といたしまして、とにかく署の配置等がなければ、現業官庁並みの五%を適用するということは、これはそう解釈してよろしいのですか。
  101. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) ええ、他の官庁においても、現業でありましても五%以上のものもありますし、又五%のものもあるようでございます。で、いろいろ我々のほうといたしましては、一応画一的な考えはいたされないので、最大限度の簡素化並びに能率の増進によつて一〇%程度はなし得る、こういうふうな考えの下にこの線を出してわけでございます。
  102. 江田三郎

    江田三郎君 他の現業官庁が大部分五%でやつているときに、この林野庁関係の現業部面だけを五%でなしに一〇%としなければならんという理由はどこにありますか。特に林野庁関係仕事はそれほど暇なのでありますか。どうも納得できん。
  103. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 暇だという考えはございません。
  104. 江田三郎

    江田三郎君 先ほどの飯島君のように閑か繁かということを問答したつて仕方がありませんから、この点も先ほどの大臣の答弁から見て、現業官庁扱いにしていなかつたという結論が出て来ると思うのでありまして、この点についてもお考えを改めたほうがよかろうと思うのです。それから林野庁関係の森林司法の問題でありますが、この森林司法警察官を持つているところの森林司法の制度ということ、これは一体どういうような角度からおやりになつたのか。
  105. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 森林警察につきましては五%の整理率になつておるのであります。
  106. 江田三郎

    江田三郎君 それならばやはり何ですか。ほかの警察官のほうも五%くらい整理されるのですか。
  107. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) そういうように考えております。
  108. 江田三郎

    江田三郎君 警察官を……(笑声、「警察官はゼロだ」と呼ぶ者あり)いいですか。
  109. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 今管理庁のほうから説明をいたします。
  110. 江田三郎

    江田三郎君 それじやほかの問題をやつておりますが、大体この、ついうかうかと答弁するところにあなたが大体この人の首切りというものを真剣に考えていないということを私は感ずるのです。(笑声)それはまあよろしい、その問題は別にいたしまして、普通警察について整理をされんのならば、この森林警察についても整理さるべきでない。特にこれは現在の人員の配置の点から見ましたところで、これは減らす余地がないように私は思います。時間が長くなりますからして簡単にいたしたいと思うのでありますが、その次は農地局関係の問題でありますが、農地局については先輩の溝口さんがおられまして、公共事業関係その他について御質問なさると思いますから、私は時間の関係からその点は申しませんが、ただこの農地制度の改革の関係です。これはやはり相当に減らしておられるわけでありますが、実際に農地制度の改革というものは、仕事はどうなつているかということを私お尋ねしたいのでありまして、これは言うまでもなく今日まで数回に亘りまして而も大幅な整理をやつて来られたわけです。大体あなたがたは農地改革というものを打切ろうとされる、私は今日の国際関係からいたしまして、日本が民主化に逆行するような農地改革の打切り等をするということは、講和後における日本の国際的地位についても私は決していいことはないと思います。そういうような対外的な関係だけでなしに、対内的にも農地改革というものはなお重要に考えて行かなければならんと思いますが、そういう私どもの主張は主張といたしまして、現在農地改革の実情を見ますと、訴訟関係なり、或いは小作関係の契約解除の問題なり、或いは交換分合の問題なり、それらの仕事はこの二十六年の当初に比べて却つて殖えていると思うのでありまして、この二十六年度の当初の定員というものは、これは年々の整理によつて大幅に整理されているわけなんです。そのときよりも仕事は明らかに殖えていると思うのでありますが、而もなお整理をされるというのは、どこに一体お考えがあるのか、或いは今申しました具体的な仕事の分量というものが非常に減つているというのなら、そういうようにはつきりお示し願いたい。
  111. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 農地改革の仕事は大体完了いたしまして、現在は成果の維持というところに重点を入れて考えている段階だと存じております。
  112. 江田三郎

    江田三郎君 一般的な農地改革というものは終つたからして、人員をどんどん減らして来られた、その点は今まで減らして来られたところが、そういうような農地改革をやるについて後始末の問題がたくさん出ているわけでありまして、それが私が今申しましたような訴訟関係であるとか、小作契約の解除関係であるとか、そういう後始末をつけなければならん問題はこれは非常に殖えているわけです。これは統計を御覧になればよくわかります。はつきり殖えているわけなんです。それからもう一つは農地の交換分合ということは、これは政府のほうでも一つの方針として大きく掲げておられますけれども、今日交換分合というものはできていない。やつと県下で一つか、二つの模範村を作つてつておる状態です。日本の農業の将来のためには交換分合をしなければならん。そういう点から考えると、具体的な仕事は少くとも二十六年度当初の定員をきめた当時よりは、私はずつと殖えていると思うのでありますが、その点はあなたははつきりとそうでないと言い切ることができますか。
  113. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 先ほど申しましたように、農地改革のおおむねの仕事は完了しまして、今後はその維持ということが重点でありまするので、事務の簡素化によつて本省におきましては農地改革関係十八名減員になり、それから農地事務局で六十七名程度の減員をいたしておるのであります。これで大体やり得るという方針です。
  114. 江田三郎

    江田三郎君 大体自由党の大臣は農地改革は嫌いだから、その内容をよく知られんのであります。だからして抽象的な答弁だけで済まそうと思うのであります。私はその抽象的なことをあなたにお聞きしていない。具体的にこういうことを言えるのじやないかということは、政府出し統計資料によつてもちやんとそれが出て来るのじやないかということを言つている。違うなら違うとおつしやいというのです。抽象論で逃げても駄目です。
  115. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 詳細の点についてはいずれ事務当局から報告いたさせますが、我々のほうといたしましては、農地改革のその殆んど大部分仕事は終つているのであります。あとの事務的な措置の問題につきましては、本省のみならずこれは地方庁においてもその事務をやつておるのでございまして、そういう観点からして企画、指導、監督するという方面仕事は大体この程度でやれる、こういう考えでございます。
  116. 江田三郎

    江田三郎君 この点は昨日もたしか片柳委員からの御質問の中にありましたが、今度の整理に当つてそれまでずつと整理が続けられておるところとそうでないところとを同じように扱うのは無理じやないかということが、昨日の御質問の中に出ておつたわけです。こういう点はこれは一つ十分にお考え下さらんと、定員の変化のないところと、年々大幅に減らして来たところとここで又同じような、或いはそれ以上のこの過大な整理率を持つて行くということは、必ず無理が起ると思うのでありまして、これは一つ詳細は事務当局をしてお答えせしめるというのは、あなたが詳細を余りお知りにならんから今のような御答弁ができる、もつと内容をお考えになつたらこれはできないと思うのです。  もう一つお尋ねしたいのは、昨日の片柳委員の御質問の中にありましたが、試験場関係検査関係というのも、これも今日まで整理が続いて来たわけでありますが、これだけは私はこの農林大臣なり橋本大臣はよくわかつて頂けると思うのでありまして、一体試験研究のあの研究員というものは、一朝一夕にこれを得られる人かどうかということなんです。こつこつ下積みで悪いことも何もできないで、本当に下積みの研究をしておる人をそれをずばりずばりやるということは、これは私は大変な間違いだと思うのでありまして、特に試験研究機関のそういうところの庶務関係は別といたしまして、そういうところの研究員については一つ考え方を改めて頂きたいと思うのでありまして、それについては考慮される余地はございませんか。それも財政的な理由ということでお逃げになりますけれども、これは金には代えられん人なんです。一旦首を切つたらあとで補充はつかん人なんです。少くとも私はほかの大蔵大臣や或いは廣川前農林大臣のような人は知らないけれども、根本さん、橋本さんはこの問題だけはわかると思うのですが、どうでしよう。
  117. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) その点につきましては、先ほどお答えした通りでありまして、我々もできるだけこれらの人々は大事にしたいと存じております。
  118. 江田三郎

    江田三郎君 橋本長官にその点お答え願いたい。橋本さんもなかなか新らしい人でありますから、試験研究の研究員だけはどうですか。
  119. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 試験研究機関の研究員につきましても、これはもう十分に素質等について、長年慣れて来た人を、尊重しなければならんという御趣旨は、十分酌んだ上でいろいろ勘案していたしたいと思つております。
  120. 江田三郎

    江田三郎君 まあ形式ばつた答弁をしたつて仕方がないのです。もう少しこれはお考えになつて頂きたいと思います。私はいろいろ問題がありますけれども、他の同僚の委員質問がありますからしてこの程度で終りますけれども、今の私の質問に対するお答えを通じて見ましても、農林大臣自身もこの政府原案に対しては腹の底ではこれとは別のものを考えておられるようでありまして、そういうことはもつと率直にお出し願う、今更あなたのほうがこの面子上改めることができなければ、与党の手を通じてでも、或いは内閣委員長の手を通じてでももつと立派な日本農業を育てるような修正をするために私的にも御努力を願いたいと思うのです。
  121. 溝口三郎

    溝口三郎君 行政整理案の決定の順序やら方法等につきまして、食糧統制農林統計等に関連して、橋本長官、根本大臣等からいろいろ御説明があつたのでございますが、まだどこでどういうふうにされて決定されたかというようなことについては、私納得の行かないところがあるのです。食糧統制農林関係の大きな問題のみならず、農地局関係等の整理等についてもどういうふうにして行政整理案がきめられたか、これは整理されるほうから言うと甚だ不安心の点がまだ残つておるのでございます。橋本長官整理案は自分できめたのだ。何千という項目について各省の意見も聞いて、閣議でもこれはどうだ、あれはどうだというようなことについて十分に検討をしてきめたのだというように説明をしていられるのでございますが、何千という項目についてそれを長官がおやりになる余裕も私はないだろうと思つております。一昨日農林委員会で事務当局からの説明を聞いたのでございますが、どういう順序、どういう基準でやるのかということに対して、当初行政整理案については、人事、会計等については三割、現業は一割というような標準で一応数字整理して来た。そうして行政管理庁で各省の総定員をきめて、その範囲内で各省で各項目ごとについては修正等を認めたのでありまして、だから各省との間の人員と事業量とのバランス等についてはこれは違つているのだというような、私は生れは……この行政整理案が出たのではないか、というふうに承知をしているのでございますが、その点につきまして私は開墾、土地改良、農地の災害復旧等の所管たる農地局の問題に関連いたしまして農林大臣にお伺いいたしたいのでございます。農地局の定員は三千五百二十一人ということになつております。それを三百四十人減員するのだ、約一割の減員になつているのでございます。総定員が行政管理庁できめられ、そしてその中で細部については修正等を認めたということになつているのでございますが、その中でもやはり繁閑に応じて各局の定員をきめたというような御答弁があるようになるかも知れませんが、私どもの考えているところでは各局とも牽制し合つている、だからやはり一律に管理事務は三割、現業は一〇%とか五%というような画一的にきめられたのじやないかと考えるのでございます。事業分量と人員との関係等についてはこれは余り触れても昨日片柳委員からの質問と大して……種畜牧場、試験場等についてはこれはGHQの強い指示によつて非常に大幅に従来整理されて、今では最小限度に残つているんです、それをもやはり一律に整理をするような案になつておる。それらの過去の整理の沿革についても考慮したというお話でございますが、農地局関係のことにつきましてもこれはGHQの示唆で整理するのじやない。非常に食糧の問題については強化しろという示唆がありまして、現在のような農地局の機構ができましたのは、これは政府の原案に対して衆議院で修正可決されて現在のような機構になつて来たのでございます。それにもかかわらず人員の問題についてはこれは毎年画一的に整理されて来た。終戦後二十二年頃には農地局関係で四千三百人ぐらいの人があつたのが現在では三千五百人になつて来ておる。四、五年の間に大体三割四分ぐらいの整理をされているのでございます。そして又今度約一割の整理をしろ、食糧増産というようなことを言うていますが、人はだんだんに減つて来ておる。仕事の分量はどうかというと終戦後二十二年頃には約五十億ぐらいの開墾、土地改良等をやつてつたのが現在ではそれの四倍ぐらいになつておる。スライドをやりましても二十二年頃よりずつと仕事の分量は殖えておるのに三割五分も人は減つて来た。それで又今度一割を減らすというようなことで、本当に開墾、土地改良等による食糧増産、災害の復旧が農林大臣は円滑にできるお見込でかような案をおこしらえになつたのかどうか。この整理案ができました以後におきましても、まだ開墾、土地改良、災害復旧という事業は非常に実は殖えて行く情勢にあるのであります。現在におきましても単作地帯で二十億の補正予算が出ておる。農林漁業資金も六十億の補正が出ておる。その上になお最近におきまして、今朝ほども決議案が可決になつ通り、未曾有の大災害、農林関係におきましても百五十億の復旧を必要とするのだ、それに対しては初年度において、三割の事業を是非とも実行するようにという決議案も出ていたのでございます。現在二百億の事業分量のほかに、決議案の趣旨に副つて政府が復旧事業費を出すだろう、これは百五十億の三割、五十億ぐらいは出る、今やつておるものの半分以上の仕事もこれからやつて行かなければならんやつを、それを又一割も減少するというようなことをやつて、これは本当に過重労働を現在やつておる。災害地方等を見ますと、本当に夜も寝ずに仕事をやつておる。現在におきましても、災害だけでも約四万地区もあるわけであります。その上になおこれから新らしい災害の地区の設計をし、そうして事務局や農林省本省における極く少数な人で、その設計の審査をし査定をして、そうして且つ四半期ごとに何万地区というものの認証事務もやつて行かなければならん、査定をするにも、新らしい百五十億なんというものに対して、一々これらの人が行つて査定もできないような状態にある。その中の一割かそこらぐらいの地区を見て、そうして復旧予算を組んで行くというのが、実情だと思います。これくらいまでに行詰つておる仕事に対して、そうしてこういう整理をするというようなことになれば、当然私は農地局関係の土地改良、災害とか開墾とかいうようなものに対して、どうしても設計の審査とかというようなものに対しては、手を抜いて行くより仕方がない、そうして事務も遅れて来る、こういうような結果から工事も欠陥を生じて来る、将来もこういうような欠陥が誘因となつて、そうして国費の紊乱を起すような因にもなる虞れもあると思います。工事について科学性や技術性も欠けて来る。そういうような誘因をなす整理方針は、行政の簡素化、行政の合理化ということとは全然反対の方向に行くのじやないかと恐れをなすのであります。先ほど林野庁の問題について農林大臣は、直轄事業のようなものは請負のほうに廻すのだ、立木を払下げるような方法で整理をしたのを補うというような簡単な御答弁をしておられたのであります。この開墾、土地改良、災害の復旧等に対して、人員をかような案で整理をなすつて、そうして本当に事業が完全に施行できる確信を農林大臣は持つていられるかどうか、又非常に仕事が殖えましたならば、これはこの行政整理と別に増員を考えていられるかどうかということについて、農林大臣からお答えをお願いいたしたいと思います。
  122. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 農地局関係人員は大体一割平均の減員になる、これは事業量がどんどん殖えておるのに対しては非常に苛酷ではないかというような御意見のようでありますが、戦前におきましても、実は大体同様な仕事があつたものと存じます。戦前における機構と比べますれば、戦後は特に非常に厖大な人員を要するようになつたのでございまして、これは先ほど御指摘のような戦後の、特に占領下における国内食糧増産という観点からいたしまして、更には農村の民主化という観点に立つて、画期的な農地改革、開墾、こういう事業が行われたために、更に又先ほど御指摘のような統制経済に伴うところの諸般の事務が俄かに増大したのでありまするが、国の政治並びに経済も安定するに従いまして、やはり国力に応じた行政機構に漸次正常化して行くのじやないか、こういうような基本的の考えでございます。その意味におきまして御指摘のように、今回の整理に当りましては、行政整理に関する基本要綱においては、管理事務については三割、現業について約一割、こういう観点措置要綱がきまり、それに基いてやつたのではないかと言われますが、基本はその通りであります。併しながらそういう基本ではございまするけれども、各省の事務の繁閑に従いまして、この原則が修正されて今日になつておる次第でございます。なお御指摘のように、災害が本年非常に多い、而もこの災害に対する措置については急を要するのである。而も公共土木費よりもむしろかなり細分され、小さな単位仕事が農地局関係にある、従つて現地の職員が非常にオーバー・ワークしておるということは、私も存じておるのでありまして、この点については相当同情しておるのでございますが、全体といたしまして、この整理率は例えば先ほど御指摘になりました農地改革につきましても、中央について十八名、土地改良について十三名、或いは住宅、開拓については僅か一名ずつ、或いは又開拓地営農指導については、本省の中で三名、入植選定者について二名、こういうように相当実は減つております。ただ公共事業関係が二百四十名に対して四十名減つておる。これは今御指摘の重要なる点だと思いまするが、公共事業費の問題につきましては、実は相当程度これは地方において実施されるものがございますので、中央におきましては資格審査並びに監督という点で、この程度で大体できる、こういう見通しでございます。なお又農地事務関係におきまして、これが二百三十六名程度整理でございまするが、これも見方によりましては、非情にきついようでありますけれども、事務の簡素化と、更には能率増進によつてこの程度でやり得る、かように考えておる次第でございます。なお今後必要とある場合においては増員するかということでありまするが、これは政府といたしまして、新たなる事業を興したり、或いは実質上どうしてもこれは事業を執行するために人手が要るという場合においては、増員するということが当然であると私は考えております。
  123. 溝口三郎

    溝口三郎君 只今農林大臣から数字を見ながら詳しく御説明を伺いましたが、御尤ものような御説明でございますが、実情は私が申上げた通りでございます。統制経済等で厖大な人員が戦後増加したというような御説明でございますが、私は統制経済ということでなくても食糧増産等の事業量が非常に殖えて来た、それにもかかわらず人員は画一的な整理で毎年減少して来た、而も現在の農地局の機構は、これは技術行政として是非とも今の各専門の技術を入れて、総合的な、中央から現場まで一直線を通ずる一貫作業としての機構をこしらえた、それをばらばらにして整理をして、大工と左官を別々にしてしまうというようなことになつたら、これは一軒の家が建たんということをよく御承知になつて、もう一遍お考え直しをお願いしたいのであります。  橋本長官にお伺いいたしたいのでございますが、先ほど申しましたように、事務当局のお話では各省のアンバランスはそのままになつているのだ、細目は行政管理庁でわからんから、各省に聞いてもらいたいというようなお話でありますが、各省間では各局等の牽制もあつて、やはり画一的な整理案になつてしまつて、私が現在申上げたような結果になつておるのでございます。各省のアンバランスというふうなことをよく検討されて、そうしてそれを是正するのが、私は行政管理庁の本当の責任だと私は考えております。ただ総定員をきめて、その中で整理案を修正をしてもいいというような程度で突つ放してしまうということでなくて、各省のこの検討をするというようなことが、本当の私は責任ある行政整理案の作成をするべきじやないかと考えるのでございます。一例を申上げましても、農地局の事情は今申上げた通り、公共事業を主とした仕事でありますが、或る省においては同じような種類の公共事業をするに一人当りの作業量から見て、農地局の一人当りの事業量のほうが一・四倍ぐらいになつておる。一方のほうは十四時間働かなければ仕事ができない。而も勤務超過を毎日やつていても、勤務超過の予算がないから或る部分は棄権するのだというようなことまでやつて、先ほど申しましたように、災害等が起れば全員が下眠不休で仕事に従事しているような状況であるのでございます。こういうようなものについては、もつと各省間を通じて、そうしてバランスのとれた行政整理案を行うべきであると私は考えるのでございます。仕事の分量等からも言いまして、先ほど申上げましたように、農地局関係で約一割の均一、画一的な整理をするということについては、私はどうしても納得が行かないのであります。こういう事情から見ますると、これは人員関係、事業量の関係等から言つても、三分か二分くらいまでに私は引上げるべきが当然であると考えるのでございます。こういうことに対して橋本長官からの御意見をお伺いいたしたいと思います。
  124. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 先ほどお話がございましたから、先ずそれにお答えを申上げる前に、私実は自主性の問題についてお話を申上げたいと思います。溝口委員も役人をしておられたので、役所の中のこういつた事情を御承知だろうと思います。これは私自身も行政整理といつたような問題については慎重に自分でも考えなければならないし、それと同時に各省のそれぞれ主管者に対しましても、これはなかなか大変なことだと思つて仕事をいたしておるわけであります。で前々から申上げましたように、この定員法の改正案は政令諮問委員会において約二カ月に亘りまして事務整理を基準にいたしまして、一案を作り上げたのであります。で八月の末に退職者の待遇に関しまする定めをいたしますると同時に、つまり退職金の定めでありまするとか、或いは又長期欠勤の人たち整理をされることを防ぐために有給休職の制度を作るとかいう前提条件を作りますと同時に、この政令諮問委員会の答申案はすでに非常にたくさんの項目に従つて事務の繁閑に応じて人員を立てましたものを基礎にいたしまして、それを参考として簡素化本部において案をまとめるということにいたしたわけであります。でこれを各省に示しまして、それから各省の自発的な意見を求めまして、これはなかなかこれも前にも申上げましたけれども、自発的な意見としてはこれは抽象的な誤解等があつた向きが多くて具体案はできませんでしたので、この政令諮問委員会の答申案を基礎にいたしまして、それにこれはどうだろうか、いいか悪いかということを検討いたしまして、いろいろバランスをとり公平にするようにいたして、そうして総体の人数もやはりだんだん減らしまして、まあ諮問委員会の案が十八万でありましたのを十二万人ぐらいの整理にとどめたわけであります。その間において各省の間からこれは自分のほうは多過ぎると言つて、自分のほうがどうも甘過ぎるというようなお話一つもありませんでしたので、全部同じ率に、まあこういうときはいつでもそうでありますが、同一のような項目をとりまして、向うのほうは、実質的に見て、自分よりも甘過ぎる、逆のほうから同じ事項について、向うのほうは自分のほうよりも甘過ぎるというふうな話をしばしば受けたのでございます。いつでもそういう場合に、実質を見まして、凸凹ができますと、むしろ一律にするほうが公平であるというような意見が出ましたり、いろいろいたしました。で、これは私自身も行政管理庁を持ちますると共に、厚生省を持つております。行政管理庁自身につきましても、小人数のところでも行政整理をいたすわけで、その点やはり自分のところだといろいろと心配しながらやるわけであります。厚生省は更に大世帯であります。今の、何か行政管理庁長官がきめたということを溝口委員が言われましたが、これは私そういうことを申上げたこともないし、事実そんなことをしたこともないし、又実際できないわけであります。で、私がきめることによつてきまるというようなことは、事実それほど行政整理というものは生やさしいものでは決してございません。もう本当に関係省の間においてこれでよろしいということにならなければ問題というものは、私がきめたつてきまるものではない。で、各省の間に話合いをまとめて参つたのであります。で各省それぞれ御苦心がおありだろうと思いますが、私が察するのに、恐らく最後はこれで閣僚懇談会においてきまるという直前の段階までは大体において各省次官、官房長、人事課長あたりの間で苦心しておつた向きが多かつたのではなかろうかと私は想像するのですが、これは省によりましていろいろな事情がございましたのでしよう、恐らくずつとその前に省議を開いて、溝口委員のお読みになつたような、或いは部長さんか課長さんか知りませんが、そういうところまで呼び集めて農林省内で会議をしながら応待をされたということでは或いはなかつたのではないかと思いますが、これはそれぞれ各省それぞれのお仕事で違うので、私のほうで申上げるわけには参りません。農林省との関係におきましても、八月以来の主として事務当局案の折衝で大部分の場合は、了解に達することができた。それは細かい項目についてできた。で、最後に私は農林事務当局との間で了承ができないといつて閣僚懇談会にかかつたものが項目として多分三つあつたと私は記憶しておりますが、その点については、溝口委員の御指摘のものはございませんでした。そういたしまして、閣僚懇談会をすぐと開きまして、そうして決定に至りましたときに、これはまあ私としては、実は今日いろいろ工合の悪いこともありますが、各省のたつての御要請によつて仕事自身から考えるとこれでいいのだが、併しながら整理の実際ということに当りましては、たまたまそこに欠員の多いところもあるし、それから又、これから先の或いは拡充計画があつたり、なかつたりといういろいろな問題があつて整理をする次官なり官房長としては、いろいろな都合がある、従つて定められた枠の中で行政管理庁の了承を得て事務整理で積み上げた基礎数字をいじくりができるようにしてくれという各省の要望がありまして、それは御尤もだと思つて了承いたしたのであります。で総体の人数、各省別が幾らになるかという枠を頭からきめてかかつたところでしようがないから、そんなきめようができるものでもないし、そんなことで仮に私がどんなに才能がありましたところで、これはもうそういつたことはできるものではございません。恐らく若し農林省内でそういうお話が仮にあつたとしたならば、この八月以来各事務に従つてずつとお話をして来た結果の数字が閣議できまりました、そのつまり枠を最初からきめたのではなくて、本当にそういつたような数字を、算盤を弾いて全部計算すると、各省が幾らということが最後にはつきりと確定をいたしたわけであります。その範囲内において、恐らくはその段階において初めて農林省内においてそのお呼びになりました課長さんなり何なりが、自分の分はこういうふうにするようにしたいというお話農林省内の上司からお受けになつたのではなかろうかと私は想像をいたすのでありまして、これは恐らくは省によりましていろいろなやりようをなさつたと思います。ただ私は行政管理庁の長官といたしまして、仕事をまとめて来た過程はそういうことであるということを申上げておきたいのであります。従いましてその後閣議でもすつかり話合いをいたしまして、各省の御要望も入れて、内部の実効的な事務定員整理案を立てましたので、これに対する責任ある各省の仕事内容、これに当てはめられるところの定員に関する説明は、主管の大臣から御説明を申上げるということを先ほど申上げた次第でございまして、私はこの農林省の定員に関しまする説明に関しましては、農林大臣と同じ意見だということを御了承願いたいと思います。
  125. 溝口三郎

    溝口三郎君 いろいろ御尤もなような御答弁を伺いましたが、時間もありませんし、他の委員からの御発言もあるようでございますから、私はこれで質疑は打切りといたしたいのでございますが、まだ納得行きかねる点も多々ありますし、このような案ではどうしても私は満足することができませんし、この修正討議に関しまして将来考えて適当な措置をいたしたいと考えておるのでございます。ただ一言申上げますが、只今橋本長官の御答弁によりまして、一昨日の農林委員会で事務当局からの説明を聞いたということにつきまして、これは農林省の事務当局ではなくて、行政管理庁の事務当局から説明を伺つたのでございますが、その内容等については、これはよく速記録を御度になつて頂けば、私の申上げたことは誤りないと考えますから、その点を申上げましてこれで質疑を打切りといたしたいと思います。
  126. 山崎恒

    山崎恒君 時間ありませんから、農林大臣に簡単に御質問いたします。  今回の行政整理に伴いまして、先ず大きな波紋を起しましたのは、米の供出の問題であります。特に地方長官会議が、一旦招集したのが延期になり、再び招集いたしまして、結局地方長官はなかなか呑むことができなかつた、而も農業委員は意見がまとまらずして、解散の止むなきに至つたというふうなことは、これは大きな黒星と思わなければならないのでありまするが、特にこの今回の供出につきまして、知事側からいわゆる奨励金の要望が出ておる、又先ほど来からの各委員質問に対しましては、検査員管理事務に一部流用されておるというような関係からいたしまして、今年度の供出が果して二千五百五十万石完全に供出される見込があるかどうか、その点を先ず一つお伺いいたしたいと思います。
  127. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) お答えいたします。政府といたしましては二千五百五十万石は是非確保したいと存じ、又知事側におきましても非常にいろいろな条件が要求されておりまするが、これは誠意を以てやる、こういうことになると存じます。なお農業委員のかたがたが遂に退場の止むなきに至つたのは、基本的な線として非常に我我と大きな認識の違いがあつたようであります。本年度の作柄から見て二千万石以上はどうしてもこれは出ない、こういう見解でありまして、これは普通常識である。農業関係の専門家にとつてはこれは非常に大きな違いであると思います。併しながら最終日に至りまして農業委員の代表の諸君十四、五名と、知事の世話人十四、五名と一緒に私が二時間半ばかり会合いたしました結末、いろいろの点において基本的認識の一致を見たのであります。その結果農業委員の側が知事の供出に関するところの義務を遂行するについては全面的に賛成する、併し政府とは意見を異にする、こういうことで遂に全員の出場は見なかつたけれども、実質上は相当数の委員が知事会議には列席しておつた次第でございます。なお知事側におきましてもルース台風とか、或いは又病虫害の起つたところでは非常に困難な事態もあるようでありまするけれども、これは今後政府も万全の措置を講ずるつもりでございますし、知事の側におきましても同時に国の大きな政治であると共に、地方自治体にとつても大きなこれは民生安定の仕事なので、万全の協力をして頂けるものと考えておりますので、実収高がはつきりわかりまして減額補正をしなければならん場合においては、割当と若干違つたものが出るかも知れませんけれども、おおむね二千五百五十万石というものは確保できる、かように信じている次第でございます。
  128. 山崎恒

    山崎恒君 只今の大臣の御答弁では確保できるという御意見で、誠に刻下の食糧事情から行きまして頼もしいのでありますが、それにつきましても政府といたしましては万全の策を講じなければならん。特に幾分でも出荷奨励の費用を支出しなければならんだろうと私どもは考えているのですが、その意思があるかどうか。又あるとしたならどのくらいの額を出す構想があるかどうか、その点をお聞きしたい。
  129. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) これは知事側の要求の第三項目でございまするが、現在の食管法に基くところの供出割当につきましては、これは出し得ない立場にあるのでございます。その意味におきましてこれはかなりむずかしい問題でありまするが、併し本年度の諸般の情勢を考え、知事側の強い要請もありますので、これは政府として誠意を以てこれにお応えしたいと考えておりまして、この点については更に一段の努力を傾注したいと思うのであります。従いまして本日、現在の段階におきましてどの程度出し得るかということは残念ながら申上げかねるのであります。
  130. 山崎恒

    山崎恒君 それと関連いたしまして、食糧管理庁に今回の措置等によりまして、そうした奨励金を出し得るところの余裕金が出得ると、私どもは観察できるのでありますが、大臣の御意見を一つお伺いしたい。
  131. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) これは予算の流用、その他を考えれば財源なしとは言えません。現在でも予備費は約二十億あります。更に又食管特別会計における資産の処分等が若しなし得るとすれば、相当程度の財源があるのであります。これは大蔵当局、又関係当局とも十分折衝しなければこれは流用ができないのであります。一般会計から繰入れなくてもでき得る財源を捻出する可能性があるものと考えます。
  132. 山崎恒

    山崎恒君 第一線におるところの町村並びに食糧管理或いは検査に携わつている諸君の協力なくしては、到底今年度の集荷は、大臣は確保できるということを公言されますけれども、今年度の食糧に限つては私どもは非常にむずかしいと、かように思いますが故に、その点を指摘したんでありますが、只今の御答弁によりまして、でき得る範囲の奨励金をこの際支出するという腹がまえを一つつて頂きたいということを要望しておきたいと思います。  次に同僚委員からいずれも質問された問題で、もう時間がありませんから申上げませんが、最後に別の角度で、この食糧方面統制にからんでの行政整理と同様に、今回とられておるところの畜産局の国営競馬の問題でありまするが、これは未だ立法化されないで、すでに先に人間の、人員整理が提案されておると、これはやはり食糧管理の問題と同様に見られるのでありまするが、この点はどういうお考えを持つておるか、その点を一つお伺いいたしたいと思います。
  133. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 国営競馬の問題につきましては、明年の九月までに実は民営に切替えたいと、かように考えておるのであります。ただこの問題についてはまだ成案を得ておりませんので、いずれ成案が出ました場合には、おおむね通常国会頃と思いますが、この国営競馬を民営に移す法案を提案いたしたいと考えます。
  134. 山崎恒

    山崎恒君 最後に、この農林統計機構の国際的な役割という問題につきまして、大臣はどういう御意見を持つておるか、その点を一つ大きい範囲で御意見を承わつておきたいと思います。
  135. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) お答えいたします。現在日本におきましては、主食も自給自足の段階には達しておりません。従いまして、今後やはり当分の間は外国の食糧を輸入しなければならないと存じます。こういう観点からいたしまして、小麦協定にも参加し、或いは国際農業機構にも参加いたしておるのでありますが、その際に輸入数量をどの程度必要とするか、或いは小麦協定においてどの程度まで日本に配当すべきかというような場合におきましても、やはりこの統計資料が必要でありまするが、その際にやはり国際的にその活動が認められる程度のものでなければならん。こういうような観点からいたしまして、政令諮問委員会なんかにおきましては、この統計調査機構をやめて、普通の方式による地方から上つて来たところの統計を、中央において集計確保するだけでいいじやないか、こういう意見が非常に強くあつたのでありますけれども、私は現在のサンプル・システムによる統計調査方法が絶対に必要であると考えておるのであります。なお又今後国際社会に復帰した場合におきまして、日本の農民の生活状況、或いは日本の農業経営の状況等、やはりこれはこうした権威ある統計資料に裏付けされて、初めて国際的な信憑性を持つものだと考えますので、この点は先ほど各委員会から御指摘になりましたように、日本の農業政策推進の羅針盤として、これは是非とも維持確保し、更に財政の余裕も生れた場合には、更にその充実を図りたいと念願しておるのでございます。
  136. 山崎恒

    山崎恒君 只今の大臣の御答弁で、今後我が国の農林統計機構の国際的の役割が非常に重要だというような御答弁があつたのでありまするが、特にこの日本の農業の将来の基礎ともなるべき統計問題が如何なる今後の役割を持つかというような点については、相当私ども大臣の御意見も聞き、我々の意見も申上げたいと、こう思いまするが、とにかく只今の御答弁で、非常に重要であるというようなことでありますので、先ず本日の質問はこれで打切りまして、次の農林委員会におきまして私は質問を続行したいと思いますので、本日はこれで私の質問を打切りたいと思います。
  137. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 ちよつと関連して質問しますが、今農林大臣は奨励金を流用で出すというお話がありましたが、そうでしたですね。お出しになるなら流用でやりたいと、こういうようなお話でありましたですね。そこをもう度はつきり……。
  138. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 先ほど私が説明した点が非常に不十分であつたようであります。実は知事会議で要請されたのは、奨励金と集荷委託費でございます。私実は集荷委託費と混同いたしました。集荷委託費につきましてはこれははつきりと出す。それから奨励金については先ほど申したように、知事の要請がありまするので、これは十分に検討した上、関係方面との了承を得てやらなければなりませんが、そうした場合における財源につきましては、一般会計から繰入れるか、或いは又その他の方法をとるか、これは全然未確定でございます。今後の研究事項でございます。先ほど申上げたのは集荷委託費と実は混同いたしまして答弁をいたしました。訂正をいたします。
  139. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 いや、それなら結構です。
  140. 羽生三七

    羽生三七君 行政機関職員定員法の一部改正法案については、内閣委員会と農林委員会との連合委員会は終る段階に来ておると思いますので、この機会に一口希望意見を申述べさして頂きます。恐らく他の機会には、もう発言の機会がないと思いますので、質問ではございませんが、私ども恐らく農林委員全員が考えておる問題という前提で、希望意見を申述べたいと思うのであります。  私どもといたしましては、如何なる場合においても、過剰人員を国家が抱えておつていいということを承認するものではないのであります。これはもとより不必要なる人員がある場合には、特に整理が行われるということは、止むを得ないことでありますので、この前提は我々としても認めるにやぶさかではありません。又そういう意味において、橋本長官等が今立たされておる地位というものは、極めて困難なものであるという事実も了承いたします。飜つて私どもが同じ立場に立たされたならば、非常な困難な事態を経験するであろうと私は率直に考えております。併しそれにもかかわらず、同僚議員が今日までしばしば指摘されましたように、特にそれぞれの省内、特に農林省所管の事務につきましては、食糧庁関係といい、或いは統計調査事務関係といい、必ずしも政府説明によつて納得したものでないということは私が多くを申上げる必要がないと思うのであります。これらの点につきまして、基本的な論議を私はここでいたそうとは思いません。併し私が心から願つて止まないことは、例えば食糧統制撤廃にいたしましても議論はあるでありましようが、これは問題のあるところでありまして、経済的合理性は或いは統制撤廃によつて行われるかも知れませんけれども、社会的合理性は絶対貫かれません。従いまして、当面若干の外国食糧の輸入の好転等の事情がありましても、社会的合理性を強く堅持するという立場に立ちますならば、近い将来においてこの統制撤廃等が行われていいという理由は成立たないと思うのであります。或いは統計調査事務にいたしましても、作報の、つまり供出関係のある作報等は別個に日本農業が今後国際的な激烈を予想される国際的な競争等に対応するための基本的な姿勢を堅持して行くために、各般に亘り調査を行なつて行かなければならないことは私が申上げるまでもないことであります。そういう意味基本的な統計事務の必要性というものは大臣自身も恐らく認識されておることと思う。或いは溝口議員が指摘されました農地関係にしても、或いは林野関係にしても同様だろうと思うのであります。併し先ほど来私が申上げますように、どのような場合においても人員が過剰だということは申上げないのです。併し一番問題は、それではどうしても過剰である場合に整理しなければならないということが仮に起つた場合でも、その場合においても私はまだ問題があると思う。なぜならば一人や二人の整理ならば格別、何万を数えるようなこの大規模な整理の場合にどういうことが予想されるかと申しまするならば、例えば私のような一国会議員に対してすらたくさんな履歴書が来ております。恐らく大臣の手許にはたくさんな履歴書が山積しておるでしよう。併し私がどのように奔走いたしましてもその知人から託される履歴書によつて就職の可能性をかなえる機会というものが殆んどない。ましてや十万とか十何万という人が整理される場合に、僅か三万や五万の退職手当をもらつてこの年末どうして新らしい生活に希望が持てるか、これは非常に大きな問題であります。こういう場合に私どもは政府が、例えば五カ年計画、或いは十カ年計画を立てて電源の開発を、将来五カ年或いは十カ年の間に何十万、或いは何百万キロワツトの電源開発を行い、それに要する人員は幾ばくである、或いは日本の基礎的な産業について新らしい計画を立ててそれに要する配置転換の人員は幾ばくである、こういう想定の下に徐々に過剰と思われる人員を他の部門に吸収して行くということは不可能なことではないと思う。そういう基本的なこの政府の立案計画に基いて徐々に過剰な人員が他に配置転換されるならばとにかく、何らそういう根本的な施策がなく、一律に今日のように大量な整理を見るということは私たちとしてはどうしても納得が行かないのであります。のみならず費用がないと言われておりますが、これは先ほど来各議員が議論されましたように、大蔵大臣の要求によつて、或いは大蔵省主計局かそれは知りませんが、とにかく大蔵当局の要求によつて各省それぞれ苦境に立たれると思いますが、若し費用の点で言いますならば私は根本的な議論があります。併しそれは予算の根本的な問題に触れますので私はかれこれ申しませんが、明らかにそれが例えば昭和二十六年度予算にしましても、或いは二十六年度補正予算にしましても、それを検討いたしますならばそこに新たなる費用の捻出を見ることは決して不可能ではない。併しそれは今申上げます通り予算の根本問題で、当委員会でかれこれ論議する性質のものではございませんので、私はこれには触れません。従いましてこの費用の、経費の国の財源の点について言いますならば、それについても考える余地はある。而も先ほど来申上げますように、農林関係においてこのような大量整理が行われるといたしましても食糧関係といい、或いは統計調査関係といい、それぞれ私どもは単に農林委員であるが故に、その範囲にある人たちの意見だけを代表してやるだけでなしに、全く一個の国会議員として公平な立場でこれを検討いたしましても、私どもとしては十分承服しかねるものがあるのであります。こういう点を十分お考え願つて、大臣等も、先ほど江田議員から話がありましたように私的な、プライベートの意味におきましても十分今後御考慮を願いたいのであります。その意味で今日午後一時から農林委員会は委員会を開きまして、私ども農林委員農林省所管について関心を持つておる部分について十分な検討を加えまして、内閣委員の皆様に若し見て頂いて御参考になるならばと思いまして若干の試案を作成いたしまして、明日河井委員長宛にお届けしようと思いますので、どうか我々の採決は内閣委員の権限でありますので、私どもといたしましてはただ試案を皆さんに参考として見て頂くに過ぎませんが、我々の意のあるところをお酌み取り願いたいものと思うのであります。なお今当連合委員会に御参加の予算委員会の皆様にお願いいたしておきたいことがあるのであります。それは私昨日大蔵大臣に若し定員法が修正によつて元に復した場合においては予算の点はどうするのかと言つたときに、それは流用で賄い得るというお答えがありましたが、その場合に項目についていろいろ大蔵大臣は言われておりますが、私ども寡聞ではありますが、聞くところによりますれば、この項目の流用のきくのは食管特別会計だけではないか、こういうような意見もあるわけで、果して大量なこの費目流用ができるかどうかということは私ども相当疑点を持つております。これは私専門的な知識がありませんので、正確なことは申上げられませんが、この点は十分予算委員会等において関係のある皆様によつて御検討を得たいと思うわけであります。勿論ここで繰返して申上げても際限のないほど私たちは多くの疑点なり意見を持つておりますが、私はもう時間の関係もあり、又内閣委員会自体に余り時間を我々が取つて御迷惑をかけてはいけませんので、これを以て終りたいと思いますけれども、どうか以上申上げました私どもの意のあるところを酌まれまして、大臣におきましても、十分善処されんことを希望いたしまして、我々の意見といたす次第であります。
  141. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 羽生農林委員長の御発言によりまして、農林委員会との連合委員会はこれで終了したものと認めてよかろうと思いますが、御異存ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  ではこれを以て連合委員会は散会いたします。    午後五時三十七分散会