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羽生三七君
行政機関職員定員法の一部改正法案については、
内閣委員会と
農林委員会との
連合委員会は終る段階に来ておると思いますので、この機会に一口希望意見を申述べさして頂きます。恐らく他の機会には、もう
発言の機会がないと思いますので、
質問ではございませんが、私ども恐らく
農林委員全員が考えておる問題という前提で、希望意見を申述べたいと思うのであります。
私どもといたしましては、如何なる場合においても、過剰
人員を国家が抱えてお
つていいということを承認するものではないのであります。これはもとより不必要なる
人員がある場合には、特に
整理が行われるということは、止むを得ないことでありますので、この前提は我々としても認めるにやぶさかではありません。又そういう
意味において、
橋本長官等が今立たされておる地位というものは、極めて困難なものであるという事実も
了承いたします。飜
つて私どもが同じ立場に立たされたならば、非常な困難な事態を経験するであろうと私は率直に考えております。併しそれにもかかわらず、同僚議員が今日までしばしば
指摘されましたように、特にそれぞれの省内、特に
農林省所管の
事務につきましては、
食糧庁関係といい、或いは
統計調査事務関係といい、必ずしも
政府の
説明によ
つて納得したものでないということは私が多くを申上げる必要がないと思うのであります。これらの点につきまして、
基本的な論議を私はここでいたそうとは思いません。併し私が心から願
つて止まないことは、例えば
食糧の
統制撤廃にいたしましても
議論はあるでありましようが、これは問題のあるところでありまして、経済的合理性は或いは
統制撤廃によ
つて行われるかも知れませんけれども、社会的合理性は絶対貫かれません。従いまして、当面若干の外国
食糧の輸入の好転等の事情がありましても、社会的合理性を強く堅持するという立場に立ちますならば、近い将来においてこの
統制撤廃等が行われていいという
理由は成立たないと思うのであります。或いは
統計調査事務にいたしましても、
作報の、つまり
供出に
関係のある
作報等は別個に日本農業が今後国際的な激烈を予想される国際的な競争等に対応するための
基本的な姿勢を堅持して行くために、各般に亘り
調査を行な
つて行かなければならないことは私が申上げるまでもないことであります。そういう
意味の
基本的な
統計事務の必要性というものは大臣自身も恐らく認識されておることと思う。或いは
溝口議員が
指摘されました農地
関係にしても、或いは林野
関係にしても同様だろうと思うのであります。併し先ほど来私が申上げますように、どのような場合においても
人員が過剰だということは申上げないのです。併し一番問題は、それではどうしても過剰である場合に
整理しなければならないということが仮に起つた場合でも、その場合においても私はまだ問題があると思う。なぜならば一人や二人の
整理ならば格別、何万を数えるようなこの大規模な
整理の場合にどういうことが予想されるかと申しまするならば、例えば私のような一国会議員に対してすらたくさんな履歴書が来ております。恐らく大臣の手許にはたくさんな履歴書が山積しておるでしよう。併し私がどのように奔走いたしましてもその知人から託される履歴書によ
つて就職の可能性をかなえる機会というものが殆んどない。ましてや十万とか十何万という人が
整理される場合に、僅か三万や五万の退職手当をもら
つてこの年末どうして新らしい生活に希望が持てるか、これは非常に大きな問題であります。こういう場合に私どもは
政府が、例えば五カ年計画、或いは十カ年計画を立てて電源の開発を、将来五カ年或いは十カ年の間に何十万、或いは何百万キロワツトの電源開発を行い、それに要する
人員は幾ばくである、或いは日本の
基礎的な産業について新らしい計画を立ててそれに要する配置転換の
人員は幾ばくである、こういう想定の下に徐々に過剰と思われる
人員を他の部門に吸収して行くということは不可能なことではないと思う。そういう
基本的なこの
政府の立案計画に基いて徐々に過剰な
人員が他に配置転換されるならばとにかく、何らそういう根本的な施策がなく、一律に今日のように大量な
整理を見るということは私
たちとしてはどうしても納得が行かないのであります。のみならず費用がないと言われておりますが、これは先ほど来各議員が
議論されましたように、
大蔵大臣の要求によ
つて、或いは
大蔵省主計局かそれは知りませんが、とにかく
大蔵当局の要求によ
つて各省それぞれ苦境に立たれると思いますが、若し費用の点で言いますならば私は根本的な
議論があります。併しそれは
予算の根本的な問題に触れますので私はかれこれ申しませんが、明らかにそれが例えば昭和二十六年度
予算にしましても、或いは二十六年度補正
予算にしましても、それを検討いたしますならばそこに新たなる費用の捻出を見ることは決して不可能ではない。併しそれは今申上げます
通り予算の根本問題で、当
委員会でかれこれ論議する性質のものではございませんので、私はこれには触れません。従いましてこの費用の、経費の国の財源の点について言いますならば、それについても考える余地はある。而も先ほど来申上げますように、
農林関係においてこのような大量
整理が行われるといたしましても
食糧関係といい、或いは
統計調査関係といい、それぞれ私どもは単に
農林委員であるが故に、その範囲にある
人たちの意見だけを代表してやるだけでなしに、全く一個の国会議員として公平な立場でこれを検討いたしましても、私どもとしては十分承服しかねるものがあるのであります。こういう点を十分お考え願
つて、大臣等も、先ほど
江田議員から話がありましたように私的な、プライベートの
意味におきましても十分今後御考慮を願いたいのであります。その
意味で今日午後一時から
農林委員会は
委員会を開きまして、私ども
農林委員が
農林省所管について関心を持
つておる
部分について十分な検討を加えまして、
内閣委員の皆様に若し見て頂いて御参考になるならばと思いまして若干の試案を作成いたしまして、明日
河井委員長宛にお届けしようと思いますので、どうか我々の採決は
内閣委員の権限でありますので、私どもといたしましてはただ試案を皆さんに参考として見て頂くに過ぎませんが、我々の意のあるところをお酌み取り願いたいものと思うのであります。なお今当
連合委員会に御参加の
予算委員会の皆様にお願いいたしておきたいことがあるのであります。それは私昨日
大蔵大臣に若し
定員法が修正によ
つて元に復した場合においては
予算の点はどうするのかと言つたときに、それは流用で賄い得るというお答えがありましたが、その場合に項目についていろいろ
大蔵大臣は言われておりますが、私ども寡聞ではありますが、聞くところによりますれば、この項目の流用のきくのは食管特別会計だけではないか、こういうような意見もあるわけで、果して大量なこの費目流用ができるかどうかということは私ども相当疑点を持
つております。これは私専門的な知識がありませんので、正確なことは申上げられませんが、この点は十分
予算委員会等において
関係のある皆様によ
つて御検討を得たいと思うわけであります。勿論ここで繰返して申上げても際限のないほど私
たちは多くの疑点なり意見を持
つておりますが、私はもう時間の
関係もあり、又
内閣委員会自体に余り時間を我々が取
つて御迷惑をかけてはいけませんので、これを以て終りたいと思いますけれども、どうか以上申上げました私どもの意のあるところを酌まれまして、大臣におきましても、十分善処されんことを希望いたしまして、我々の意見といたす次第であります。