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1951-11-14 第12回国会 参議院 内閣・運輸・労働・経済安定連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月十四日(水曜日)    午前十一時八分開会   ―――――――――――――  委員氏名   内閣委員    委員長     河井 彌八君    理事      松平 勇雄君    理事      溝淵 春次君    理事      山花 秀雄君            楠瀬 常猪君            郡  祐一君            横尾  龍君            上條 愛一君            成瀬 幡治君            楠見 義男君            竹下 豐次君            栗栖 赳夫君            三好  始君            三浦 辰雄君   運輸委員    委員長     山縣 勝見君    理事      岡田 信次君    理事      小泉 秀吉君    理事      前田  穰君            石原幹市郎君            仁田 竹一君            内村 清次君            カニエ邦彦君            小酒井義男君            高木 正夫君            早川 愼一君            村上 義一君           前之園喜一郎君            大山 郁夫君            鈴木 清一君   労働委員    委員長     中村 正雄君    理事      一松 政二君    理事      原  虎一君    理事      波多野林一君            大屋 晋三君            宮田 重文君            赤松 常子君            重盛 壽治君            椿  繁夫君            高橋龍太郎君            高田  寛君            岩男 仁藏君            堀木 鎌三君            堀  眞琴君   経済安定委員    委員長     佐々木良作君    理事      永井純一郎君    理事      奥 むめお君            泉山 三六君            九鬼紋十郎君            野田 卯一君            山田 佐一君            下條 恭兵君            藤野 繁雄君            稻垣平太郎君   ―――――――――――――  出席者は左の通り。   内閣委員    委員長     河井 彌八君    理事            松平 勇雄君            溝淵 春次君            山花 秀雄君    委員            横尾  龍君            成瀬 幡治君            楠見 義男君            竹下 豐次君            栗栖 赳夫君            三好  始君            三浦 辰雄君   運輸委員    委員長     山縣 勝見君    理事            岡田 信次君            小泉 秀吉君            前田  穰君    委員            石原幹市郎君            仁田 竹一君            内村 清次君            小酒井義男君            高木 正夫君            村上 義一君           前之園喜一郎君   労働委員    委員長     中村 正雄君    理事            一松 政二君            原  虎一君    委員            赤松 常子君            岩男 仁藏君            堀木 鎌三君            堀  眞琴君   経済安定委員    委員長     佐々木良作君    委員            九鬼紋十郎君            山田 佐一君            藤野 繁雄君            稻垣平太郎君   国務大臣    厚 生 大 臣 橋本 龍伍君    労 働 大 臣 保利  茂君    国 務 大 臣 周東 英雄君   政府委員    行政管理政務次    官       城  義臣君    行政管理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁管理    部長      中川  融君    運輸大臣官房長 荒木茂久二君    労働政務次官  山村新治郎君    労働省基準局長 龜井  光君    労働省職業安定    局長      齋藤 邦吉君    経済安定政務次    官       小峯 柳多君    経済安定本部総    裁官房長    平井富三郎君    経済安定本部産    業局長     近藤 止文君    物価庁第一部長 渡邉 逸龜君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君    常任委員会専門    員       岡本 忠雄君    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会專門    員       磯部  巖君    常任委員会專門    員       高戸義太郎君    常任委員会専門    員       桑野  仁君    常任委員会專門    員       渡邉 一郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件行政機関職員定員法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)   ―――――――――――――    〔河井彌八君委員長席に着く〕
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣運輸労働及び経済安定委員会連合委員会を開会いたします。  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の審査を行います。諸君に申上げておきますが、本日はたくさんの委員会連合会でありまするから、関係常任委員長と御相談の結果、経済安定委員会が第一に質疑をなし、次には運輸委員会、次には労働委員会、こういう順序で質疑をして頂くことにきめました。而して午後は休憩をいたしまして、大体一時半から開会する予定であります。多少の変更はあるかも知れませんが、そのお含みで議事を進めたいと考えます。
  3. 佐々木良作

    佐々木良作君 私は本法案の特に経済安定本部に関する事項につきまして質問したいと思いますが、安本長官と、それから行政管理庁長官と、お二人に質問いたします。質問のポイントは、大体第一が一般的な安定本部仕事に関すること、それから第二番目に物資統制との関連において、それから第三番目に、特に今度の大幅整理が予定されておりますところの経済調査庁の問題について、三つの部類に分けて、でき得れば一問一答の形で質問したいと思います。  第一に安定本部長官にお伺いいたしますが、安定本部の今後の行き方につきまして、経済安定本部仕事長官が十分御承知のように、いわゆる統制事務だけをしておるものではないのでありまして、最近におきましては統制事務が減少いたしましても、これに代つて一般見通しとか計画の策定とか、特に最近の客観情勢の推移、講和に伴うところの経済独立に伴つて非常に重要な機関となつております。殊に金融、建設総合開発、貿易等々の面におきましては、今後むしろますます重要の度を加えて来ると思いますけれども、今度の人員整理問題と、それから今度は出されなかつたけれども機構整理関係と両方併せまして、今後の安本仕事の進み方、方針につきまして、先ずお伺いしたいと思います。
  4. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お答えをいたします。お話通り経済安定本部の持つ実質的な仕事についての重要さについてはお話通りであります。殊に今後におきましても施策の総合計画の樹立、調査国土開発、各官庁間の権限、仕事調整等、各般に亘りましての仕事の重要さは殖えこそすれ減ずることはないと考えておりますので、今後の問題としてもそういう面において必要な部分は随時それに応じて強力に、併し従来の姿のままで不要になつ部分は、これはやつぱりやめて、そうして順次必要なところに充足して行く、こういう考え方は持つておるわけであります。それらの点に関しては次に来るべき機構改革と併せて考えて行きたいと思います。
  5. 佐々木良作

    佐々木良作君 本来ならば機構改革と言いますか、こういう、こういう仕事をしなければならないということが大体前提になつて、それに当てはまるように人間考えるのがこれは常道であると考えます。どういう都合か知りませんけれども、重要な仕事が殖えて来るにもかかわらず、それは今後考えるとして、先ず人間切つて、と言われるお考えのようでありますけれども、私はそれは非常に逆な状態だと思います。安本長官としてはどういうつもりでそいつ調査されるのか知りませんが、特に行政管理庁のほうに、安本の今後の仕事を本当によく知つて立てられたのかどうかということをお伺いしたいと思います。中間ですが、行政管理庁のほうは、誰か見えておるのですか。
  6. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 政務次官が見えております。
  7. 佐々木良作

    佐々木良作君 それなら政務次官お答え願います。
  8. 城義臣

    政府委員城義臣君) お答え申上げます。今の佐々木委員お話、一応御尤もだと存じまするが、今回の行政整理考え方はすでに佐々木委員も御承知通り、前回は俗に申しまする現業、非現業の二割、三割というような整理をいたしたのでありますけれども、それでは合理性を欠くのではないか、もつと科学的な根拠に立つて、いわゆる事務分量に応じて整理することが正しいのであつて、いわゆる天引のような形をとることは、整理したあと、又いつとなしに人数が殖えて、結局闇定員と申しまするか、定員法本来の趣旨に相反するような状態が生れるというような非難もあつたのでありまするが、今回の整理におきましてはその根本的な構想におきまして、先ず事務整理いたしまして、細かく各庁各庁につきましての業務分量を見まして、不要不急のものを整理いたしまして、それに所要の人数をそれぞれ算出する、その集計せられたものを基底にする、こういうようないわゆる合理主義な立場に立ちました整理方針をとつておりますので、まあ経過的に更に詳しく申上げれば、いわゆる政令諮問委員会の例の田中案と申しまするか、大体その構想を踏襲いたして、官庁といたして作業を進めて参りました事情になつております。そういうわけで機構と必ずしも不可分ではない、こういうような建前をとつておるのであります。機構につきましては次の国会に提案したいと思いまして、今鋭意検討を進めている段階でございます。
  9. 佐々木良作

    佐々木良作君 まあそういう考え方が元にならなければできないのでありますから、時間があればもつと具体的に、それならば安本機構の中で今後どういう仕事が殖えて行つて従つてここに何人を増員するか、従つて又今こういう必要に応じてここを切るのだというお話が承わりたいのでありますけれども、恐らく今のところそういう本格的な御答弁も無理かとも思いますし、時間が非常に制約されておりますので、ただ私は安本一般仕事と今度の減員ということとが、殆んどマツチしていない点を十分お考え願いたいという下駄だけを預けまして次に進めたいと思います。  二番目に今の具体的な仕事関連いたしますわけでありますが、物資統制問題との関連において御質問申上げます。先ず安本長官に、この統制物資関係がだんだんと外されつつあることは一応認めるといたしましても、今米の問題と同様な意味で問題になつておりますところの、例として出しますが石油類の問題、油類の問題、石油統制撤廃の問題は、御承知のようにすでに今年の八月からやめるとか何とかいうお話が一応あつて、実際的にはやめられずに現在の状態に来ております。従いまして石油類、殊に原油重油軽油ガソリン等需給状態が緩和されたと見るのか、本年の下期及び来年の見通しをどういうふうに考えておられるか。従つて需要の九割以上を輸入で賄つている日本石油類状態において、特に外貨予算の問題も含めて確保される見通しがついているのか、或いは外貨予算は仮にあつたとしても、国際情勢などによつて実際の買付が相当困難と思われるのだが、その辺をどう見通しておられるのか。  従いまして今のような前提を置きまして、従つて石油類、殊に燃料油……、重油軽油ガソリン等燃料油需給及価格統制を続けるのか、切るのか、これの見通しについて長官にお伺いしたいと思います。
  10. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 御尤もなお尋ねでありますが、石油類需給関係は最近までずつと引続き大体戰前の九割程度、八割五分乃至九割程度のものが供給されて参つている。現にその通りであります。そこへむしろ統制があることから起るいろいろな点の不合理があります。十月の一日からでも外したい意向で政府は進んでおりました。むしろそれをちよつととめましたのは、配給をとられたのはいろいろな問題もありますので、やや大事をとりましてもう少し一、二月の状況を見て、同じような進み方で行くならば、はつきりこれは四月一日から外すという建前をとつております。このほうは米とは違つてややはつきりしておる。むしろ政府のほうで、私どものほうで少し愼重態度とつただけであります。実は只今お話通り価格の問題も、実はいつ外すのか、外せないのかというお尋ねでありますが、今価格公定があるためにいろいろな矛盾が起きておる。御承知のように原油で入れて日本で精製する数量が約六割強でありまして、製品で以て入れるものが四割弱という関係で、どちらも入らないと今の九割近くの需要に見合う供給ができないわけです。ところがここに価格がありますので非常に私ども苦心をし、折衝をいたしておりますが、製品輸入についてはガソリンなんかは今の内地の精製ででき上る価格よりは安く入るわけであります。今の内地のほうが高い。ところが重油のほうは製品輸入のほうが高いのでありまして、内地で精製されるほうが安いということは、結局御承知通り、私どもよく素人でわかりませんが、原油で精製されたもののコストをどうして賄うかというと、結局ガソリン軽油重油等に振分けて行くようであります。片方が高ければ片方を安いもので賄うというような恰好に相成るのであります。ところが今ガソリンについてはどうしても製品輸入が許されておらない恰好であります、いろいろな事情で……。そこでガソリンのほうは少し高くても或る程度入れる。重油のほうは許されておりますけれども内地のほうが少し安いのでその価格と調整されなければ輸入ができんという恰好になつております。今度も公定価格を又付けなくちやならんという段階になつておりますが、そういうことでこれが若し外されることになれば自然の形で安いものが入り、内地の精製されたものの製品との間に自然的な調和がとれるのじやないかと、こう思います。又そこに外貨予算が当分あるかという関係があるかと思いますが、これらにつきましてもどちらを輸入するかということは外貨獲得の範囲内において或る程度の一定の見通しがつくのじやないかと思います。実際上はそのほうがいいのでありますが、ただ私ども少し愼重国際情勢を見ておるという形でありますが、幸いにしてこの十―十二月の輸入数量も只今申上げましたような数量が大体確保されておりますので、まあ一、二月が大体同じような恰好に行けばこれははつきりと四月に外してもいいのじやないかというような態度で今進んでおる状況であります。
  11. 佐々木良作

    佐々木良作君 今も安本長官から需給見通し、それから外貨資金国際情勢等から見て来春早々には何とか外すことができるのではなかろうかという、むしろ私から見れば希望的な御意見のように感じるわけでありますけれども、実際問題としてこの八月からの情勢を見ましても私はそう簡單に来春早々にこの統制を外し得るかどうかということについてはまだ一応の疑問を残しておるわけであります。それであるのにかかわらず、今度は行政管理庁のほうにお伺いいたしますが、それであるのにかかわらずこれは完全に統制撤廃ができたと同様な状態でこれに関する各官庁安本はもとより物価庁も、経済調査庁も、通産省、資源庁等の各官庁石油類統制事務に従事する職員は殆んど一〇〇%整理ということに今度なつておりますが、今のような、ともかくも一応の来年早々という希望なり、見通しがあるにいたしましても、これはまだ確定していないことは事実でありまして、この確定していないことを前提にして今から人間だけを切つて行くということはこれは今の主食統制撤廃の問題とも実は僕は同じ意味だと思いまして、仕事に合せて人間整理するのが当り前だと思うのです。それだのに先物のために現物の人間切つて行く。この方式については何としても私は納得できないわけであります。今の、特に石油類に関するところの行政官庁の一〇〇%整理及びその他の統制物資需給事務主食の問題も、医薬品も、或いは塩、燐鉱石、ニツケル、コバルト等々の問題につきましても同様な問題が私は残つておると思うのでありますが、これに対して行政管理庁としてはやつぱり統制のこういうものは今のような恰好で外すことを前提としてこれを整理されたのか。その間の仕事をどうされるのか。或いはこいつが若し間違つて見込違つて延びた場合に仕事の円滑を期せさせるための自信があるのかないのか。とにかく問題が全然逆に取扱われておると思いますが、その考え方をお伺いしたいと思います。
  12. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 管理庁お答えの前にちよつと一言附加えておきたいのは、来春早々と、こういうことを私は申上げておりませんで、むしろ石油については米と違つて非常に愼重になつておるが、とにかく輸入数量も、需給関係戰前の八割五分乃至九割ずつと確保しておるから外しても私はいい時期に来ておると思う。それも十月一日ということもありましたが、最近の状況からするともう一期待ちたい。一、二月の輸入状況が今と同じようならこれは四月から外してもいいんじやないか、こうふうに大事をとつておりますが、幸いにして恐らく外貨予算から見ましても今の分量は一―三月も入るということは見込を立て得ると思う。そこで石油につきましてはいろいろの説がありましたが、四月一日からは外し得ると考え行政整理の形になつて現われておる。ただ單に希望でなくて、十―十二月の状況も幸いにいいような状況であります。一、二月も現在の数量ならばこれは確実という大体の見通しの下に一期延ばして四月から外して行きたいと、こういうふうに考えております。どつもいろいろ先ほど申上げましたように価格の問題なり、輸入数量についての製品種類別の問題なり不合理のことがいろいろありますので、むしろこれは外すことのほうがいいと、こういう見込でありますので、その点だけは申上げておきます。
  13. 城義臣

    政府委員城義臣君) お答え申上げます。先ほど私申上げましたように、基本的な考え方事務の縮小による整理をいたしたいという考え方で、大体大まかに分けますと、占領終結に伴う不要事務というものが相当あるのではないか。第二点としましては只今問題となつておりまする経済統制撤廃による事務の縮少、その他不要不急となつている内部管理等に関するいわゆる人事の関係だとかそういつたようなものを簡素化することによつて整理して行きたいというふうに考えておるわけでありまするが、只今お尋ねのまだ統制撤廃していないのに希望見通しだけでするのはどうも定員法を審議するのにもおかしいのじやないか、御尤ものお考えであります。併し管理庁といたしましてはそういう方針の下にこの成案を得ますまでは各省庁と十分協議をいたしまして、早く言えば管理庁とすれば総括的な作業を進めたと申しますか、そういうようなことになつておりますので、只今長官からのお話がありましたように、單なる希望というよりか、外したほうかいいという政府方針でもあり、而もそれを確実にやるのだというような前提に立ちまして、これは並行的に定員のほうも併せて、統制撤廃をされるのであるからして、これは事務分量が少くなるというような考え方の下に一応の成案を得た次第であります。
  14. 佐々木良作

    佐々木良作君 どうも時間が制約されておりますので、今の御答弁に満足するわけではありませんが、そう言われたところで、要するにもう一期様子を見てというのは、そこにまだ不安定の要素が残つておるので、そいつを見て先に行こうというので、その仕事の不安定のやつだけをほつておいて人間のほうだけ先に切るというのは何としても理窟が合わないと思う。併しながら時間が制限されておりますので、特にその統制物資の問題につきましては、各関係委員から具体的な御質問もあるかと思いますので、一応終えまして、最後の調査庁の問題について質問申上げたいと思います。調査庁の問題はこれは非常に微妙といいますか、特殊な問題であると思いますから、そういう意味で先ずお考えを願いたいと思います。  第一にお伺いしたいのはいろいろこれまで数度問題になりましたところの行政監査機構統一化の問題、御承知のように経済調査庁は勿論のこと、行政管理庁監査部仕事もあり、大蔵省の財務局の仕事、それから地財委監査課仕事安本建設交通局監査課仕事、更にその上に会計検査院の仕事等々がありまして、これらを一本化、或いは統一化するということがたびたび言われておるのでありますが、今度の人員整理の問題に当りまして或る程度のこういう監査事務機構改革の形を画いてそれに合せるようにして今度の人員整理案考えられたかどうか、そしてその中で現在行われておるところの経済調査庁仕事をどういうふうに考えておられるか、そうしてどういうふうに考えておられるから今の一般の二、三割に対して五割というような非常に大幅な整理案ができて来たのか、この点二点。一般機構改革前提とされた場合、それをどういうふうな構想を持つてせられるかどうか、その中で現在の調査庁のやつておる仕事に対してどういう比重を占めて、従つて今の五割なら五割という案が出て来たのか、それを一つお伺いいたします。
  15. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 第一の点については御指摘の通りの方向に向つて今後行政管理庁、或いは経済調査庁、こういう関係のものを統合した上で、行政監察の形に万全を期したいということから考えて今度の整理ができたわけであります。従つて行政監察と申しますか、行政調査と申しますか、そういう形の一つ機構を総合統一した形できるだけ早く考えて行きたいと、こういうふうに考えております。それから今の数の問題でありますが、いろいろこの経過につきましてはお聞き及びかと思いますが、初めは全部要らんというようなことになつたりしておりましたけれども、今の統一総合するという場合ができたにしても相当しつかりした有能な人間がおつて今日まで好成績を挙げておる、この人を一旦やめて、できたときに採用したらいいじやないかというようなことじやなくて、やはり残して、それが残つて基幹になるような、中心になるような形に進んで行くべきではなかろうか、こういうことであれを残しました。而うして従来の形からいいますと経済調査庁の官制と申しますか、何といいますか、機構の制度の中にあるいろいろ統制事務が相当外れました。経済統制に基く違反事件経済調査というようなものが、これらのものが、大部分なくなつて参りました。新らしく積極的に行政運営の実態を調査し、そうして監査して行くという建前からいいますと、或る程度今の人員は無用になつたと見て、そうして一応の整理案ができたわけであります。従つて今後の問題として新らしい機構のできますときにはそれぞれについての必要な部署にだんだんと必要なものが実際的に現われて来るときには自然それに応じた人員の整備が必要になつて来ると考えます。
  16. 佐々木良作

    佐々木良作君 安本長官お答えでありますが、どうも安本長官の今のお答えの中では私は現在経済調査庁がやつておる仕事を余り御存じが薄いのじやないかと思うのです。で、すでに先ほど言われましたように、二番目の問題の中で、調査庁のやつておる仕事の中で行政監査仕事と、それから経済統制に連なるところの経済取締、摘発を中心とするところの取締、この部分がだんだん減つておるので、半分くらい減らしてもよろしかろうという感じらしいのですが、これは本来御承知のはずで、すでに昨年五月の経済調査庁法の改正のときに、実際にはこの統制関係仕事は殆んどといつていいほど放擲しておつて、そうして残つておる仕事は殆んど全部この統制とはむしろ直接の関係がないところの重要経済施策の一般についての円滑化、この運営の確保という点におかれておると思います。御承知のようにこの調査庁の中の機構監査部、或いは査察部、それから物資調査部と三つだけなのにかかわらず、あの改正以後実際には監査部関係というのは、行政監査をやるのではなくて、農林関係行政監査をやつておる。それから査察部というのは、経済取締をやるのではなくて、通産関係仕事をやつておる。そしてこの物資調査関係は物調とか、專売関係仕事をやつておるとかいうように、すでに経済取締という統制前提とした取締の仕事は、実際にもう調査庁から外れておる。で、現在やつておる仕事は今言われたところの行政監査の実際の仕事をやつておる。而もこれは御承知のように、これは現在やつておる仕事は独特なそのやり方で以て、特別の意味の業績を挙げておることは、私ども委員会でたびたび聞いているからよく知つておる。そいつを今改めてもう半分に減らすということは、今やつておるところの統制関係仕事でない仕事もこれをやめさせるということであるならば、私ははつきりと話は通ると思う。そいつをやることを前提にして、まだ半分くらい、統制関係仕事をしておるような前提に立つて切るということは、どうしても理窟が合わないと思う。一体現在やつておる経済調査庁仕事をやらせるつもりなのか、又これを全部やめるつもりであるか、どうかはつきりとしたお答えを願いたいと思います。
  17. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 現在の仕事において、新らしい機構を作る場合において、やらせるべき仕事と、やらんでもいい仕事というものははつきりわかつて来ると私は思う。今のお話のように、成るほどこの前の五月の改正に一部機能が追加されておるが、併し現在の人員はやはり統制経済違反関係についての査察関係を中心としたときにできております。従つて今度の問題については新らしく行政運営に関する監査というものをやらせるについては、例えば行政管理庁のごときものとも二重に行かないように、そういうふうなところを著しく総合した立場において人をきめる、機構をきめるということになつておりますので、それらを見合つて大体今の数に整備いたしたわけであります。
  18. 佐々木良作

    佐々木良作君 これはもう押問答になるのでこの辺で時間も来ましたし、やめたいと思いますが、今のお話安本長官としては、まあそれくらいのことしか言えないと思いますが、実際問題として、経済調査庁のやつておる仕事は、経済違反摘発を中心とした前の仕事と全然変つてつておる、而も今のやつておる仕事は非常に……、先ほど申しましたように独特のやり方で以て、実績を挙げておると私は思う。むしろこいつを実際に五割くらいに切るということは、この機能を停止するつもりじやなかろうか。むしろこれはどうも余りほじくり過ぎるものであるから、いたい所に触れられ過ぎるものであるから、そういう意味で、これは邪魔なものであるからこの仕事をやめさせてしまえという所に重点があるような気がいたします。これは否定されるであろうと思いますが、そういう気がいたします。私はそうであるならば一つこれは男らしくやめてしまつたほうがいいと思う。それならば、そうしないと一応の権限とか、一応の仕事の任務があるとしておいて、五割首切り、それから先それはどうなるかわからんという恰好でおいておくならば、蛇の半殺しみたいな状態に私はなると思う。そういう意味で、私は特に調査庁に対して五割の減員ということは、どうしても理窟が合わないと思います。若しそういうふうな行政監査の一本化のために、やられるということであるならば、先ほど言いました、この行政管理庁の監察部から始まつて、会計検査院まで全部引つくるめたやつの平均五割なら五割を首切るなら話がわかる。そうでなくて、この部面の仕事をしている、而も統制的な仕事でないところの、今の調査庁だけを半分に切つて行くということは、どうしても理窟が合わない。私は、どうしても現在の政府の性格からして、こういう穴ほじりみたいな仕事はやめたほうがいいということであるならば、早く引導を渡されることをむしろ希望する。そうでないと却つて私は不安化の元になると思います。私の本来の主張は、こういうふうになればなるほど、自由主義、自由主義なんといつたつて実際自由主義経済でなくて、例えば物価の抑制を考えたり、或いは電力の割当がうまく行つているかいないかということを見たり、ロスがどうなつておるかということを見たり、そういう仕事のための、特別な仕事を私は経済調査庁はしておると思いますから、そのためにはむしろ増員こそ必要であつて、この機能を停止すべきでないという考えでありますけれども、今の内閣の性格から、そういう穴ほじりみたいな仕事はやめたほうがいいということであるならば、生殺しのような五割でなくて、十割、一〇〇%切られることを、むしろ内閣のために私は申上げたいと思う。私の考え方は逆でありますけれども、要するに今のような中途半端な行き方は、特にこれまで一般の大衆と接触をして仕事をしておつただけに、私はマイナスが殖えることを一番心配するわけであります。それから同時に、先ほどの説明によりますと、半分の削減という中に、統制撤廃という問題も含まれておるらしく聞こえるのでありますが、それならばなお更のこと、主食統制撤廃の場合に、現実に食糧庁のやつは五〇%、五割から二割五分ぐらいに修正になつておるわけです。これを片方だけこういうふうに修正して、片方は修正しないということであるならば、なお更これは片手落も甚だしい、そういう意味で両々相待つて私はどうしても理窟が通らんと思う。まあ時間がありませんので、この辺で質問は終了いたしますが、何よりも私は申上げておきたいことは、人員整理は飽くまでも仕事と合せてやられるべし、特に安本関係におきましては、大体余りいろいろなのを集めて、そうして本来自分の本国を別な官庁に持つているのが多いために、従つて何か出先機関みたいな状態があり、一番安定を掌らなければならない機関が一番不安定な状態の下に経済安定をやろうというところに一番元がある。一番おかしくなつておる元があると思う。一つ安本長官はその辺の事情を十分に御承知だと思いますから、この問題と関連して、仕事関連する人員配当を十分お考え願いたいと思います。特に調査庁の問題は、私は先ほどから繰返しておりますように、特別な虐待、特別な、仕事と離れた虐待の感情的な印象を受けてならない。それが特にこれが数年前まで経済摘発というような仕事関連しておつたがために、特に私は社会不安にプラスするようなマイナス面が出ることを最も恐れるのであります。どうかそういう点を十分考慮せられんことを希望いたしまして質問を終りたいと思います。
  19. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 私は前に質問があつたか存じませれけれども政令諮問委員会についてお尋ねしたいと思うのであります。政令諮問委員会の設置の目的と権限というものはどういうふうなものであるか、又その人選はどういうふうな方法で人選されたのか、これを先ずお尋ねしたいと思うのであります。
  20. 城義臣

    政府委員城義臣君) ではお答え申上げます。後刻長官が参りますので、長官から直接御説明申上げるほうが穏当かと思いますので、さよう計らいたいと思います。
  21. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それならばあとに延ばします。
  22. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次は運輸関係に入ります。
  23. 山縣勝見

    山縣勝見君 具体的の問題につきましては、各委員が担当いたして御質問申上げますが、総括的に御質問を先ず以ていたしたいのは、運輸関係といたしては一番の問題に、石油需給関係と、殊に中央気象台の定員の問題でありまするが、累次の委員会において運輸当局等に御質問いたした結果、気象台の定員等の問題につきましては、昨日も気象台長の意見を求めたのでありまするが、現在の定員を以てしても、中央気象台の現在の任務を果すに相当の遺憾があるという答弁でありましたのであります。然るにこの定員の表を見ますると相当の、更に減員を見込まれておるようでありまするが、この際先ほど安本委員長から御質問があつて安本長官の御答弁がありましたが、果してこの中央気象台の減員について、運輸当局と行政管理庁の間に、先ほど次官から御答弁がありましたような、完全なお打合せがあつたのかどうか。なお又殊に石油統制撤廃等に関しましては、陸運、海運筋で非常に大きな問題でありますのであります。この点に関して、果して気象台と同様の完全な打合せが両省間になされましたかどうか、その点について先ず運輸当局から、なお又行政管理当局から御答弁を願いたい。
  24. 城義臣

    政府委員城義臣君) 当局間に十分な連絡をとつたかというお話でございますが、先ほど申上げましたように、もうこれは数回となく連絡をいたしまして、各省庁の実情を伺つてその上決定したことでありますので、詳細について具体的には政府委員から又御答弁申上げます。
  25. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 気象台の問題に関しましては、現業でございますので、非常に困難である旨をしばしば申上げまして、行政管理庁と折衝したのでありますが、結果におきまして、あの数字が閣議において決定されたのでございます。なお石油関係につきましては、閣議におきまして石油統制は四月一日より撤廃されるということに決定になりましたのでございますから、統制廃止されれば、それに関する人員は理論上当然減員しなければならん、こういうことになりますので、その数を減らすことになつたわけであります。
  26. 山縣勝見

    山縣勝見君 この中央気象台の定員の問題につきましては、後ほど委員から詳細に御質問申上げますが、昨日の運輸委員会における中央気象台長の証言といいまするか、御発言に対して、運輸当局並びに、昨日は行政管理庁の御出席がなかつたのでありまするが、果して昨日の証言、或いは発言に対して、更に只今官房長官お話のように、確信を持つて将来運輸省はこの気象台の機能の発揮に対して遺憾のないことを更に確信を持つておられるかどうか、更にお答えを願いたいと思います。
  27. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) あれだけの数が減員されるということになりました以上、我々といたしましては人員のやり繰りその他あらゆる能率の向上、その他あらゆる手を用いまして気象業務に支障のないようにする覚悟でおるわけであります。
  28. 高木正夫

    高木正夫君 私も石油統制撤廃等に関する人員整理につきまして質問を申上げたいと存じます。先ほど安本長官から石油統制撤廃についての大体のお考えを拜聽いたしまして私の感じたことは、相当これは甘いお考えであるように思うのであります。現在の実情から考えまして、そうやすやすとこれはできるものではなかろうというように私ども考えるのであります。御承知通り石油はあらゆる方面に使われておりまするが、その大部分運輸関係であろうと思うのでありまして、約八五%以上は運輸関係に使われていると思うのであります。これに対する判断が大よそ大宗をきめることになると思うのであります。従いまして先ずその最も多く使われておりまする自動車関係について例を挙げて申上げたいと思いまするが、昭和十三年には自動車の数が十五万四千台、それが二十六年になりますと二十六万五千台というように非常に飛躍いたしておるのであります。それに対してガソリンは、これは軽油もありまするが、話を簡單にするためにガソリンだけをとつて申上げたいと思いまするが、十五万四千台に対して百六十五万キロ・リツターというものが使われておつたのであります。ところが二十六年度におきましては二十六万五千台に対しまして、僅かに七十六万キロ・リツターしかないのであります。丁度戰前のこの例に比べれば三倍、四倍が必要であるにもかかわらず、その三分の一、四分の一くらいしかまだ現在のところは行つておらん、こういう情勢にあるわけであります。最近の年度につきまして考えましても、二十五年度は需要が百六十八万キロ・リツターに対して、供給量が僅かに三十九万キロ・リツター、従つてパーセンテージが二三%しか行つておらない。二十六年度になつてややそれが好転いたしまして百九十六万キロ・リツター、それに対して供給量が七十六、つまりパーセンテージから言うと三九%、現在約四〇%くらいしかまだ行つておらんのであります。而もその中には国内事情といたしましては例の木炭、薪というものが使つちやいかんということになりまして、その転換がまだ大分残つております。約四万俵以上です。まだこれの転換を要するのでありまして、これに対するガソリンが相当厖大なものであろうと思うのであります。のみならず最近問題になつておりまする電力不足によりまして、各電力会社がだんだんと重油とか石油類を非常に多く使うようになつた。そうするとますます国内事情として非常に石油類需要が多くなつて来る。そうするとなかなかこれは容易なことでないのでありまして、少くとも二十七年度におきましても百万十万キロ・リツターくらいは欲しいわけであります。ところがそれがなかなかそうは行かない。今のところでいろいろ勘案いたしましても九十六万キロ・リツター、つまり四五%くらいしかなかなか容易に得られんというのが今日の実情であると思うのであります。こういう際にこれを撤廃することができるのかどうか。先ほど安本長官がおつしやつたようにこの一月、二月の見通しをつけるとか、或いは四月からもう撤廃をやるんだというようなことは甚だ私どもとしては無謀なやり方じやなかろうかというように考えるのでありまするが、若しこれを断行するということになれば、政府としては実に思い切つたこの方面の処置をとらなければならん。つまり結局ドル資金を十分にこれに廻さなければならん。ほかのほうを削減してもこちらのほうに十分廻して行かなければならん。こういうふうになると思うのでありまするが、この間承わつて見まするというと、最近一億五千万ドルぐらいの要求に対して、その筋の査定が七千万ドルということになつておるようであります。そうするとなかなか先ほどのお話と比べて見ますると甚だ道が遠いような感がいたし、食い違いが非常に大きいと思うのであります。これをあえてするということになれば、先ほど申上げました通り政府としてはほかのほうの何を削つてまでもこれに重点的にそういうことをやり得る自信がおありになるのかどうか、この点を一つお尋ねをいたしておきたいと思います。又事実上船腹の関係、或いは又中東亜方面における国際情勢からして事実上なかなかこれは困難なことでなかろうかと思うのであります。それらに対してそれを打切るだけの非常措置を政府のほうでお考えになつておるのかどうか、この二点について承わつておきたいと思うのであります。これはガソリンの実態についてのお尋ねであります。統制をやるのについてはこの二つの御覚悟が十分におありであるかどうかということを念のために伺つておきたいと思います。  それからもう一つはこれに関連して今の行政整理をやるというのでありまするが、先ほど佐々木委員からもお話のありました通りに私どももそう考えるのであります。行政整理はつまり事務の簡捷によつてつて行く、こういうことであるならば何も一斉にやらないでもよろしいのであつて、その事実がはつきりしてから要らん人を首切れぱいいので、首切ることを先にして実体をそれに合して行こうというのは非常にそこに無理がなかろうかというようにも考えるのでありますが、その根本のお考え方が私どもと違うのでありまして、何もそう一斉に頭を揃えて急にやらなければならんことはなかろうと思うのでありまして、事務が自然に余つて来たときにそれこそ行政整理をやつて行けばこれはスムーズに行く話じやなかろうか、別に看板を掲げて、その看板のためにやつて行くということは甚だ腑に落ちない、こういうふうに考えるのでありまするが、その点についでのお考えを承わつておきたいと思います。
  29. 三好始

    三好始君 議事進行についてでありますが、只今高木委員からお話のありました石油類需給の実態についての数字は先ほどの安本長官の説明と大分食い違いがあるのでありまして、政策問題でなくして事実の認定の問題でありますから、正確に事情を明らかにしなければいけないと思いますので、安本長官の出席を要求いたしまして、この問題を本委員会で明らかにして頂きたいと思います。
  30. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 小峯次官に伺いますが、長官はまだ見えませんか。
  31. 小峯柳多

    政府委員(小峯柳多君) 大臣は今條約委員会に出席要求されまして席を外したのでありますが、御指摘のようなことでありますれば、私のほうで材料を揃えまして、大臣の出席を得て御答弁申上げたいと思います。暫らく時間をかして頂きたいと思います。
  32. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 諸君に申上げます。只今政府答弁経済安定本部長官が見えませんから、便宜上次の質問を出して頂こうと思います。さよう御承知願います。
  33. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 ちよつと私長官が見えなくても、政府の責任を以て御答弁になられる人に、長官の代りでよろしいから一応今の高木さんの御質問と同じような、私は主として海運の関係のことを申上げたいと思うのですが、丁度陸運と同じように、海運においても、機帆船その他大型船も勿論でありますが、重油その他の油が現在統制になつておるのであります。それを安本長官のほうのお話だと、一つ希望的観測で人員を一応整理しておるのだというような、恐ろしい無謀な御発言が先刻来あつて、あれでありますけれども、油の数量なり、油の重要性というようなことは、あなたがたのほうが本職だから私は今くだくだしく申しませんが、ともかく四百何十人という人間を、統制のことに携わつておる人を、一体多分統制撤廃されるんだろうというような予想で首を切つてしまうというような無謀な政府のやり方に対しては、私は憤激を感ずるのであります。だからしてこれは的格にその事業はなくなつても差支えかないのだから、人間を一〇〇%やめさせるというのならばこれは同意すべきであるし、同意せざるを得ないと思うのでありますけれども、現に政府は米の統制撤廃することは確実だから、それだからして運輸関係の船員の主食米の配給や何かに関する人間は一〇〇%やめさせてしまうのだ、で運輸省はそれに同意したのだ、こういうことであつた。ところがもうすでにそのほうはおじやんになつて、そうして一部分復活する、こういうことです。その米のほうはそういうふうに行くが、油類のほうは俺の言うことを信用しろとお言いになつても、今高木さんからいろいろお話なつたと同様に、信用するのには余りに今の御答弁では私どもは納得しかねるのでありますが、それであつても、いずれにしても、人間のほうはやめさせてしまつても、海運の需給調整というような意味においては支障なく運航できるのかどうかという確信のほどをどなたからでもいいから政府を代表して御答弁を願います。安本長官が来ないから返事が遅れるというようなことだけれども……来ていらつしやるのならば、安本長官が先ず先刻おつしやつたような確信を伺いたいと思います。
  34. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 途中からですから、意を盡さなければあとで又お答えいたしますが、需給の数字につきましては産業局長から数字を以てお答えをいたしたいと思います。大体今日までの状況においては、海運に関しましても、これは私が申上げるより、御専門家であられるあなたのほうがよく御存じかも知れませんが、だんだんと船は増強いたして数は殖えつつありますが、これに対しましては、今日までのところとにかくその運航には支障のないように動いておると私は存じます。
  35. 三好始

    三好始君 さつき私動議を出した関係上、長官が来られる前に私申上げた趣旨をちよつと申上げておきます。  先ほど長官の御答弁では、石油類統制撤廃の根拠として、需要の約八、九割が賄われておる状況であることが述べられております。ところが先ほど長官の不在中に高木委員からのお話では、ガソリンに関して、二十五年度は需要に対して二三%しか賄われておらない、二十六年度になつて三九%程度なつたに過ぎない。こういうような意味の数字的な例を挙げての御質問が出たのでありますが、この両者の間には細かい数字を引出すまでもなく、余りにも開きが大き過ぎるのであります。私はこういう実状について調べたことはありませんけれども政府側と高木委員の申された数字に余りにも開きが多過ぎるので、これは政策問題でなくして、全く事実の問題だからこれを明らかにして頂きたいと、こういう意味長官の出席を求めた次第であります。
  36. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 需給の数字は先ほど申しましたように、産業局長から数字を出させてお答えいたしたいと思います。  高木さんの御趣旨も私はわからないことはないのでありますが、併し自動車の数はどんどん殖えるばかりでありまして、これが活溌に動いておる実情は、私は思い半ばに過ぎるものがあると思います。表て向の関係におきましてもかなりな需給関係は、先ほど申しましたはずでありますけれども、最近あることは私も聞いております。それからもう一つガソリンの問題なんかは一番自動車には必要なものでありますが、むしろ私は統制というものがあるためにいろいろそういう制限を受けておるのではないかと思います。高木さんは自動車関係について非常に御関心のある立場におられるのでありますが、まあ重油あたりは輸入させるのに、どうしてガソリンだけを輸入させないかということについて政府は非常に苦心をしておるわけです。まあざつくばらんに申上げますが、原油を入れての製品からの供給量というものは、先ほど申上げましたように大体六割強ぐらいです。それであとやつて行けば四割近くは足らないのですから、むしろ私はこういうこともできれば自由にしてもらつて、そうして製品輸入を自由にしてもらいたい、こういう考えを持つております。而も打明けた話ですが、そういう形におりながら自動車がどんどん殖えてどんどん走つておる。必ずしもこれは木炭の燃料ばかりじやないと思う。そこらを私は打明け話ですが、民間と政府と協力して、何とか打開する必要かあるのじやないか、そうして高木さんのおつしやるような事実ならば自動車は動かんはずだと思います。そこに国営自動車なりなんかの又動かし方についての問題もありますが、どうもガソリンの点はそこをしつかりと解決する必要があるように私は思いますので、いろいろと苦心をいたしております。数字についてはよく産業局長からお話のように材料を出して御相談をいたしたいと思います。
  37. 高木正夫

    高木正夫君 長官お話一応御尤ものような点もあるように思いまするが、その開きが非常に……先ほどおいでがなかつたので、私の話を聞いて頂けませんでしたが、相当その数量が開きがあるのです。自動車の数は御承知通り先ほど申上げた通り、約六割くらい殖えているわけであります。それに対してその当時のガソリンから比べて、昭和十三年のガソリンから比べまして約半減しておるわけです。自動車の数は六割殖えて、そうしてガソリンのほうはむしろ半減しておる。逆になるからどうしてもそいつは三倍、四倍というものが必要になつて来るわけなんです。それだけの開きがあるわけなんですから、これは議論の余地がないのではないかと思うのですが、どういうわけでそういうことになつておるかというと、これは今までいろいろ木炭とか何とかでやつておると思いますし、又入れた原油から精製する、その間に何かがあるのじやないか、こういうことを私は申上げたくないと思いますが、そういう点もお上のほうで相当御愼重考えて頂かなければならん点もあるかと思うんですが、いずれにしてもこれが現実であるんですからして、これを押切つて一月、二月とか、四月から撤廃されるということは非常に無謀じやないかと私ども考えるわけなんです。この数字の食い違いの点はどなたか局長さんからでも承わりたい。私どものほうは私自身の調べじやないのです。実は運輸省から材料をもらつたわけですから、同じ官庁間に食い違いもなかろうかと思うんであります。その点を申上げておきます。
  38. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 さつき安本長官お答えは私の伺つておることと大分的が外れておるようですからして、私くどいようですが重ねて申上げます。  私は日本の船が油が潤沢で動くのに差支えないかどうかというようなことを伺つたわけではなかつた。今、現在統制をやつておるのに対して先刻佐々木さんの御質問に対してのお答えによると、大体今の自分たちのいろいろの見通しから見て統制撤廃されると思うといういわゆる安本長官希望的観測に基いて行政管理庁なり、運輸省なりはその配給にかかわつておる人員を一〇〇%なくしてしまうということに原案がなつておるようであるから、そういうようなことをして、希望的観測じやなしに、現実にそう行くんだという確信の上に立つておやりになるのならともかく、その希望的観測というものは米の例に対しても私どもは甚だ心配しておるから、その点をはつきりしておきたい。而もこの船に関係するだけでも四百八十三名ですか、運輸省並びに各海運局、そのほかに陸運局のほうにもいろいろな相当な数字の開きになつていますが、そういう人をやめてしまつて、そうして配給事務が若し撤廃にならなかつたら、やはり円滑に行けるかどうか。運輸省の運輸委員会における説明によると、どうもそういうふうになつて来れば人間の配置転換でもやつて一生懸命にやるんだと言う。一生懸命やるという御熱心は非常に国民として諒としますが、事実一生懸命やるにしても、ものには限度があるんで、四百人近くの人間を而もそれに携わつておる堪能な人を全部やめて、そうして統制撤廃はあのときは安本長官希望的観測だというようなことであつて希望的観測が当らなかつた時分にはどうするんだということに対する大きな不安があるから、私どもの意見としては先刻高木さんの言われたように、はつきりしたときにやつてもいいじやないかというのが結論なわけなんですが、その意見の食い違いに対してどこからでもいいから責任のある御答弁を願いたいというのが私の質問の要旨であつたのであります。改めてお伺いします。
  39. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 先ほど申しましたように、あとから来ましたんで、丁度その船のところだけ聞いておりませんから先ほどのような答弁になりまして失礼いたしました。問題は御心配の点私よくわかります。実は先ほど申しましたように、十月一日の撤廃ということでありましたが、愼重を期するために私どもは一、二月の輸入量の状況を見て四月頃からということにいたしておるわけであります。併しそれも実はただ希望だけでなくて、先ほど申しました数量的に、数字的にはもう一遍産業局長から御説明すると思いますが、今日までのところ、とにかく毎四半期ごとに順調に入つて来ております。いろいろのいきさつはありますが、他の油類全体を通じて見て先ほど申したような状況でありまするので、その意味におきまして十―十二の油の輸入量も実は初め一応少し削減されましたが、重ねての要求によつて重油等の増加もできております。従つてこの十―十二の外貨予算での輸入量というものは一、二月に入つて来る。従つて一、二月の外貨予算の編成という面に立つて四月以降に入るものをこうした意味考えたいというのが私ども考えであります。それは恐らく今日までの状況から言うと、一、二月も外貨予算の必要量は相当のものは入れ得る見込を立てております。従つてもう一期愼重にするということは、見込だけでなく、大体少しずつそのはつきりした数字をもう一遍確かめた上で行きたいが、大体見込はある。こういう建前で一応四月ということをきめておるのであります。十月から延ばしたというのは不安だからというのでなくて、大体もう一期実際に当つて見たいと言うのであります。大体そういう観測の下に見込ありということで一応計画を立てて、それに従つて一月からの撤廃を目途として整理考えたわけであります。然るに先ほど附加えて申上げたのはそういう数量的な点以外に、統制があるためにいろいろな矛盾が起きておることが価格の面にも、配給の面にも、各業界にいろいろな不公平な形が現われておる。又輸入にしても製品輸入については特殊な製品を入れない、こういうことが起つておるからこれはどうしても統制があることから来ておるんじやないかとも考えるのです。その一つが、むしろ外したほうがいいんじやないか。こういうこともあるのであります。石油についてはいろいろとむずかしい問題は私はたくさんあると思います。むしろ統制があるために、一部のものは特に利益があつて、一部のものが不利益をこうむる点がある。こういうことも考えられますので、そういうことを併せ考えてできるだけ早くというのを来年の四月まで延ばして考えたのであります。
  40. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 私はその統制撤廃論の可否をここで論議しようという気持は一つもないんです。おのずから私は私なりの意見があるので、私は安本長官が折角統制を外してもうまい工合に行くのだという御見解に立つていることは敬意を表します。併し要するに今のところは統制撤廃できるのだ、或いはするのだという確信のないものの上に立つて、法律で以てその係の人間を四百人も八百人もの人を首を切つてしまうというそのことが、一体行政管理庁長官ですか、そういうふうなところから何でそんなにかたきのように仕事をしておる人を不安定の前提の下に、そのほうがいいのだからという、いいことはいいからというのでやつてしまうという、確信があるのならいいのですが、その点に対して幾らお伺いしてもそのほうがいい、見込もあると言う以上に御意見がないという長官お話であれば、人員整理をするほうの側でももう少し前に、法律できめるというようなことをしない手がありそうなものだ。万一統制を外さずにやはり油の需給をやつて行くのだというときになつたら、折角法律でやめてしまつた人間を今度又法律を改正して復活するというようなことは非常に手数がかかるのじやないか、又煩瑣じやないか。又そういうことは政治としては随分妙な政治だと私たちは思いますので、まあそういう今のような御説明に立脚しての人員整理であるならばもう一遍お考えし直して頂きたいという希望を述べて、行政管理庁長官が折角いらつしやつたから、どういうことでそういうふうに行くのか、一応御質問申上げたいと思います。
  41. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) 安定本部長官からお話があつたかと思いますが、ガソリン統制撤廃はこの秋するつもりでありましたが、なお愼重を期するために来年の四月まで延ばし、四月には確実にこれは撤廃しようということで、この定員法の中に定員を組んだのであります。
  42. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 これ以上申上げても余計なことでありますから、私は御両相の御答弁甚だ不満でありますからその点だけ申上げて質問を打切ります。
  43. 小酒井義男

    小酒井義男君 今の問題に関連して、この石油統制撤廃ができるできんという議論が先ほどから続けられておりますが、私ども見通しでは、これからの国内需要、それから不足の中で統制撤廃をするというようなことは非常に無謀な行き方で、国民生活全体に與える影響を考えて見ますると、到底不可能だろという見通しを持つている。従つてこれをやられる、四月にはやれるという見通しだというふうに政府はおつしやつておられますが、それは若し四月にそれがやられないということになれば、これだけの人員整理はこれはやらないのだ、こういうことをお考えになつているかどうか。
  44. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) 裏腹の話でございまするが、先ほど申上げました通り、四月にはやるというつもりでおるのであります。
  45. 小酒井義男

    小酒井義男君 それで四月にはやれない場合には、これだけの整理はやらないのかということをお尋ねしているのであります。
  46. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) これはもう政府といたしまして必要な事務に従事する所要人員の必要なことはこれは当然でございまするので、これはもうその仕事が要るということになれば、仕事を問わず必要な人員の整備をいたさなければならないと思つております。ただ飽くまでもこのガソリン統制撤廃は格別法律とか政令とかいうものは要らずに、物調法に基いて政府考え方でできますので、四月には撤廃をするという方針定員の中に計上いたしたものであります。
  47. 楠見義男

    ○楠見義男君 先ほど来の質疑応答を通じて、特に両政務次官の御答弁関連いたしまして二つの問題をお尋ねいたしたいのであります。そのお尋ねする意味は、実は内閣委員会として昨日まで審議をいたしておりました過程において了解しておつたことと違つた趣旨の御答弁がありましたので、これから内閣委員会独自に審議を進める上において参考にもなることでありますから、この際明らかにいたしておきたいと思うのであります。政務次官の御答弁関連してでありまするから、政務次官から御答弁つても結構でありまするし、又長官もお見えになりましたから、長官からでも、いずれでも結構であります。  一つ行政整理のやり方の問題、実は今回出て参つておりまする各省庁を通じての整理を見ますると、大体非常に必要であるということで整理率がゼロのもの、それから又現業関係では大体五%というふうに、ゼロ、五、一〇、中には五〇%というように、やや一律整理のような、そこに数段階を設けておりまするが、大体同様の整理率を掛けているようであります。ところが先ほど安本委員長の、或いは質問に対する両政務次官の御答弁によりますと具体的に事務を検討し、その事務にどれだけの人間が要るかという所要人員を出して、極めて今回の整理合理的な基礎の上に立つている。即ち具体的の事務の一々について必要な人員を算出し、それを積み上げた結果が今回の行政整理になつているというような趣旨の御答弁がございました。これから内閣委員会として審議をいたします場合に、むしろそのほうが適当であると思うのでありますが、今まで了解しているところでは、四階段、或いは五階段に分けて整理されておつたように了解しておりますので、その点を先ず第一点に伺いたい。  それからその次の問題は、中央気象台の問題に関連しての答弁でありますが、大体昨日までの政府側の御答弁の趣旨は、具体的に各省庁とよく話合いをして、その話合いがついた上で今回の案ができている、こういうふうなことであります。問題は具体的に一つの中央気象台の問題でありますけれども、中央気象台については内閣委員会としても非常に重大な関心を持つておりまして、たしか第一回の一昨年の整理のときに、これは非常に無理だということで整理を取りやめたようなことがありますが、そういうような具体的な問題とは別にいたしまして、一般的な問題としてお尋ねするわけでありますが、先ほど運輸省の荒木官房長のお話では、しばしば整理困難の旨を申入れたけれども、それが閣議でいわば天降り的にきまつたと、こういうようなお話があつたのでありますが、一体行政管理庁としてはどういうふうなお話を聞かれて、そうしておきめになつたのか、行政管理庁側で受入態勢として取上げられた理由についてお伺いいたしたい。
  48. 城義臣

    政府委員城義臣君) 今回の整理を通じてはいわゆる天引ではないかというような声がよく巷間にあるのでありますが、そこで私そういうことを頭に画きながら御答弁申上げたのでありまするが、先ほど私がお答えいたしました通り、今回の整理は飽くまでも事務整理を中心として起つたのであることは終始一貫私ども申上げている通りであります。従つて事務整理縮小いたしまして、それに所要の人員を先ほど積み上げというような言葉で表現いたしたと思いましたが、所要人員を細かく検討いたしましてやりたいという方針の下にやつたことは変りないのでありまして、今お話の中にありました運輸省の官房長の御説明と私どもの言うこととが何か天降り式というようなお言葉をお使いのようでしたけれども管理庁としては少くともいわゆる天降り的、或いは天引というような考え方を排除して、いわゆる科学的な合理的な基礎に立つて定員をきめて行きたいと、こういうつもりで考慮をして参つたことには変りはないのであります。ただ今お示しもございましたように、全然今度の整理の対象外にしたものであるとか、或いは五%、一〇%乃至一五%というような趣く低位なものと申します趣旨は、いわゆる行政管理庁等の一般整理をいたしましたものについて大体そういうような一応の目安と申しまするか、そういうふうな基準と申しまするか、それは一応頭の中に考えながらきめておりますが、最終的には一定の天引、天降り的な考え方においてやつたのではないということには変りはないと思います。
  49. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 大分時間が経過いたしましたからこの際連合委員会を休憩をいたします。    午後零時三十二分休憩    ―――――・―――――    午後二時十二分開会
  50. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより引続いて連合委員会を開会いたします。
  51. 前田穰

    前田穰君 私は運輸省の定員改正についていろいろ疑問を持つておるのでありますが、時間の関係上細かいいろいろの点につきましては午前中に佐々木委員が述べられたように、今後この改正法が実施されました場合に、実施に当つて再検討をして頂いて国務の遂行に遺憾なきを期して行きたいというネタをお預けするにとどめたいと思いますが、單にそれだけでは済まないとこう考えます点だけについて橋本行政管理庁長官お尋ねしたいと思うのであります。それは主として気象台の定員改正の問題であります。実は昨日運輸省の当局に対しまして、この気象台の定員改正を如何にして運輸省が認め、どういうふうにこの改正された定員で気象台の仕事を遂行して行くつもりであるかということについて、縷々お尋ねしたのでありますが、私は一々了承することができなかつたのであります。昨日運輸省の政府委員答弁によりますと、気象台の定員についてはいろいろ意見を申述べたのであるが、閣議できまつたので一抹の不安は持つておるけれども止むを得ず協力した。こういつた意味に私は運輸省の答弁を聞いたのであります。本日荒木官房長の述べられた点も大体同じ意味であつたように了承するのであります。そうして、一方行政管理庁政務次官の御答弁によりますと、運輸省とはしばしば連絡をしてこういうことにきめた。事務の内容を見てそうして適切にきめた。こういう御答弁を同僚議員に対して、しておられるのでありますが、この二つの御答弁を併せて考えて見ますと、成るほど行政管理庁の言われるごとく、しばしば連絡協議をせられたのでしよう。併しながら運輸省はこれを如何にして遺憾なく仕事をやつて行くべきかということについて納得するところなくして、かような法律案をおきめになつたのではないか、かような疑いを持たざるを得ないのであります。気象台の仕事日本におきましては極めて不完全であるということは、これは殆んど輿論であろうと思うのであります。気象台の台長自身もそれを認めておられる。殊に最近暴風雨がしばしば日本を襲いまして、その災害復旧に非常に国を挙げて困つておる。気象台の完備ということは、この暴風雨の災害を多少とも防止するについて役に立つのであつて、気象台の整備ということは我々が喫緊の仕事としてやらなければ、年々襲来する暴風雨に対する備えとしては甚だ遺憾であり、現に最近四国、九州地方を襲つたルース台風の結果に対して視察に出られた同僚議員の報告にも、気象通報の不完全ということがどの視察団の報告にも見えるわけでございます。気象台においても鋭意機構を整備し、予報その他通報上の完全を期するように計画をしておられるのであつて、それに対してそれぞれ経費並びに定員の増加を要求しておる。而も運輸省もそれを認めて、しばしば機構の整備、若しくは定員の増加を政府に対して要望しておられる。でありますから、この気象台の定員を二百七十八人減ずるといことを運輸省が納得せられるはずはないと思います。現に新らしいいろいろなサービスのために昨年でありましたか、五百何十人の増員を要求して、それは是非気象台の仕事を完全にして行くためには必要なる人員であるということを運輸省は認めておられるのであります。今度の二百七十八人の減というものは、この現業の五分という行政管理庁がおきめになつておる基準そのもののように私は思うのであります。従つてその他の各部局の減員の比率なんかをよく見ますと、飽くまでもこれは事務を一々細かく調べて、こういうにきめられたのだと言われるけれども、一応天引案を作つて、そうしてそのうちで多少とも事務の内容を見て按配せられたというのが本当のこの査定された実情で、気象台においては非常にここが、私どもの臆測かも知れませんが、非常に弱いところでは基準そのまま残つた、何ら按配をせられないで、残つたのである。こういうふうに感ぜざるを得ないのであります。私はここで気象台の増員を要求するものでもなし、又気象台の新らしい施設の行き方に対して論ずるという時期でもありませんので、増員についてはもとより触れないのでありますが、この二百七十八人の減員はなすべきものではない、かように私は考えるのであります。運輸省は熟議の上でやられたということは、それは單に連絡協議されたということに過ぎないのであつて運輸省の実質的の了解を得たということはないのではないか。かように考えるのでありますが、実際の状況並びになぜこの気象台の定員を五分という基準の率をお引きになつたかということについて御説明を願いたいと思います。
  52. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) お答え申上げます。私はこの仕事に当りまして先ず行政簡素化本部におきまして主として事務当局からいろいろ話をいたさせました。それで私といたしましては運輸省というものを運輸大臣と理解しておりまして、運輸省の事務当局は運輸大臣が統括いたしておりますから、運輸大臣との間に話合いをまとめたわけであります。事務当局といたしましてはこの問題のみならず、ほかの面、いろいろの面で不満のある面もあろうかと思います。実は率直に申しまして、最初政令諮問委員会の答申案を参考にしてということを向うから言われましたので、初めはただ默つて各省の意見を求めまして、これは或る程度積極的に、それではこういうものを整理いたしましようということを申出られたところは殆んどなくて、抽象論だけで回答のあつたようなところが多かつたような状態でありまして、それからあとはずつと話合いを進めたわけでありまするけれども事務当局としてはいろいろ意見もございましようが、積み重ねて行つて、最後は閣僚懇談会を数回重ねて閣議できめたものでございます。中央気象台の場合におきましても、勿論気象観測というようなものは観測網もできるだけ網の濃いほどいいわけでありますから、勿論程度の問題があるかと思いますが、運輸大臣がこれでよろしいということをきめられた。どういうふうな定員の配置をなさるとかなんとかいうことにつきましては、これは所管の運輸大臣のほうから御返事を申上げることにいたしたいと思います。まあ中央気象台の話では二百七十八名の整理に対して、今日欠員が八十七名と長期欠勤が三十三人であるといつたようなことも或いは運輸大臣としてまとめられる対象であつたかも知れませんが、各省の仕事の按配の具体的な内容に関しましては、これは所管の大臣のほうからお答えを願いたいと思います。
  53. 前田穰

    前田穰君 それではこの二百七十八名の内容は運輸大臣が主としてきめたのであつて行政管理庁長官は知らないのだ、だから運輸大臣がこれに対して更に意見の変更等があれば行政管理庁長官としてはそれに応ずるという意味に解釈していいのでありますかということをお伺いしたいのと同時に、行政管理庁長官はとにかくこの定員法改正の主管大臣であられるわけなんですが、二百七十八人の減員をしても気象通報その他に遺憾なく、遺憾なくといいます意味は、無論万全という意味じやありません。万全を期するためには更に増員を要することは無論であります。現在の状況において遺憾なく気象事務の遂行ができるということをお認めになつてこれを立案せられたのだろうと思うのでありますが、さように解釈してよろしうございますか。
  54. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) さようでございます。それで国の仕事と申しまするものは、もう仕事を分類いたしますれば、これはもう何千にも何万になるわけでありますから、この中身を我々が初めから一々検討してどうこう裁量するというふうな行き方は、おのずからこれはもうやりようがあるのでありまして、この案を作ります過程におきましても行政管理庁において、従来から各省の仕事をよく仕つております者でありますとか、或いは大蔵省の予算関係をやつておりますところとか、或いは又いろいろな行政の実体に関する仕事をいたしておりました者を私の参考人に使いまして具体案を作りまして、大体まあこういう種類の仕事はこれくらいの能率化はできよう、或いはこの仕事は殆んどもうすでに用がなくなつている、或いはこういう仕事はこういうふうな整理ができるというふうにいたしまして案を立てたものを各省と相談をいたしまして、そうして各省のほうで、それでよろしいということになりますれば、そのよろしいと申したときの仕事の按配というものは、これはもう何千万の仕事に対してよろしいといつても安心ならんから、やり繰りを教えてくれといつて聞くだけのものもございませんから、これは所管大臣の職権に従つて、これで行けるというところで私も安心をいたしておりますし、閣議できめまするときも、そういうことで安心をいたしてきめたものでございます。先ほど何か運輸大臣が意見を変えたらどうかという話がございましたが、いろいろ審議の結果さように閣議で決定をいたしましたので、運輸大臣がこれでは困るといつたような話はこれはないと私は思つております。
  55. 前田穰

    前田穰君 行政管理庁長官としては内容についてまあ詳しく答弁ができないという意味でありますか、やはりとにかく主としてはこれは運輸大臣がこういうふうにきめたのだというような御答弁でありますので、それでこれ以上行政管理庁長官お尋ねしても無意味だと思いますので、それはこの程度で打切りたいと思います。私も運輸大臣に一応聞くべきだと思つたので、昨日それをやろうと思つたのでありますが、運輸大臣御旅行中かなんかで欠席であつたので、止むを得ずいきなり行政管理庁長官お尋ねしたのであります。只今の御説明だけでは私としては満足いたしかねますので、従つて運輸大臣に機会を得て御質問をいたして納得が行けばともかく、どうもこの案に対しては賛成できなくなるような立場に立つかも知れんと思いますが、本日はこの程度でこの問題については打切りたいと思います。  ついでに一つ午前中の石油統制撤廃関連いたしまして、これは余り大きな問題ではないかも知れませんが、やはりこの法律案の内容に関する問題でありますのでお尋ねしたいのでありますが、附則の第四項、この定員改正法案の附則第四項によりますと、平たく言えば一月から六月までの間毎月六分の一ずつ定員を減らして行くというふうに実際の取扱がなるようにできておると思うのであります。而も午前中確たる期日は安本長官お話ではなかつたのでありますが、大体私どもの先般来聞いておるところでは、四月から統制撤廃したい考え方で行くのだ、こういうお話なんでありますが、それの要員が一月から六分の一ずつ減つて行くのである。こういうことはやはり事務の遂行と、それから定員法の改正ということとががつちりとお話のようにできていないことを意味するのじやないか、かように実は考えるのであります。それで昨日運輸省の政府委員にその点を質問したのでありますが、若しこの附則第四項の通りに実行せられて行くならばこの石油統制撤廃によつて整理する人間の一月分、二月分というものは、それ以外の仕事整理のほうへしわ寄せをして行くのであります。即ちこの予算の指定通りにやらないで、ほかの仕事のための整理のほうへしわ寄せをして行く以外に方法はないと思う、そうするのかという質問をしましたところが、方法としてはそうするよりほかはないようであるが、折角予算に指定されたことであるから、できるだけ予算通りに遂行して行きたい。こういう答弁があつたのでありますが、この整理の時期とそれから統制撤廃をされる時期とのズレがあつた場合にどうなさるか、そして先刻の安本のほうの側の御説明と比べ併せますというと、まあできる限り愼重を期して、そうして万大丈夫というときを期して撤廃するのだといういうお話でありますが、それが一月以後でありますというと、統制撤廃をせられる前に、すでに公務員の若干は整理をされておるということになるのでありまして、その点若干矛盾する点があるようにも思うのであります。その点につきまして行政管理庁長官の御説明を願いたい。
  56. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) 政府部内で整理の順序等については決定をいたしておりませんので、政府委員答弁は、こうもなろうかという想像で御答弁を申上げたのだと思います。この法律にございまするように一月から六月の間に整理をいたします、併し毎月六分の一ずつ整理をするというようなことを考えておりません。昨日も御質問がございまして答弁をいたしたのでありますが、定員法が通過いたしませんうちに整理の時期方法等をきめまするのも行過ぎだと思いまして、まだその相談をいたしておりません。大体考えておりますることは、一月から六月の間に整理をする、そうして一月―三月の間は、一般行政整理による退職金の八割増を支給いたしまして、成るべくこの間に自発的に退職者が出るようにしたいと思つております。従つて一月―三月の間はできるだけ自発的な退職者を募るということになりまして、そのほかのかたがたは成るべく長くおられて、まあ自発的退職者がこれ以上出ないで、欠員の補充、又長期病欠者等、これくらいという目途が立つて、残余これだけはどうしても定員法従つて整理しなければならないということになつたところで整理をするということに相成るかと思つております。予算のほうの組み方といたしましては、もう一つの見積りを立てなければなりませんから、ただ極めて機械的にこの定員法整理する人員の半数が前半にやめるものと仮に仮定をいたしまして、それが二月一ぱいでやめるものと仮定して、三月分の俸給とそれから半数の人々の八割増の退職金が計上してあるわけです。御承知のように退職金と俸給とは同じ項目の中で処理をされておりまするので、退職者が非常に多くなつて参りますると、仮にもう各省別にきめましたものの全員が一月にやめてしまつたというようなことになりますると、補正予算を組みませんと退職金が年度内に払えませんから、なかなかそこまでに自発退職者が出るということにも行きかねると思いまするので、半数の内部の問題でありまするならば予算の見積りの金額は余りが出て来るわけであります。今日のこの行政整理の方法といたしまして項目ごとに一応定員積算の基礎になりました事務の項目別に、その半分ずつを一月に六分の一ずつ落すというようなことを考えておりません。
  57. 前田穰

    前田穰君 これは予算委員会質問するほうが本当だと思いますので、本日は只今の長官予算に関する御説明に対して私は満足はしないのでありますが……一般の單なる事務を管掌するとか何とかいう行政整理ならば、或いは一年の分を、半年給與を予算に組入れてやるというような方法はこれは当然だと思います。併しながら、この四月一日なら四月一日というところを期してやる仕事整理を、前からやつて行くということは、非常におかしなことである。もう一つ、その上に一月から六月までという期間が同一年度内に属するならば、一つ予算の組み方だと思います。併しなから真中に年度の変る時があるのでありますから、どうも一月から六月までということで、六分の一ずつやめて行くという方法、今の説明では今度の予算にそういう組み方をしてあるんだということでありまするから、私はそういう説明を信ずるのでありますが、年度途中に跨がるときは無理があるんじやないかと、かようなことを考えておりますので、只今の御答弁では満足いたしませんけれども、これは予算委員会に讓りたいと思います。それで、これ以上行政管理庁長官と問答を重ねても無益のように私は思いますので、これで打切りたいと思います。
  58. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止〕
  59. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記をつけて……。
  60. 小峯柳多

    政府委員(小峯柳多君) 午前中高木委員石油需給率の問題と、私ども長官の御答弁との間に開きがあるというお話でありますが、お約束通り業局長数字を持つて参りましたから御説明をいたさせます。私ども考え方は、原局と多少考え方が違う点もあるようであります。原局では成るべく十分に車を動かしたい、代燃車の切替もできるだけこれを早目にやりたいというふうなお考えだろうと思いますが、私どもでは今までやつて来ました切替と同じようなテンポを一応考え、又車の殖え方も今までの大体の速度というものを、それを伸ばして行くという考え方が中心になつております。なお貨物の輸送量をも勘案いたしまして私どもの立てました数字を、産業局長から説明いたさせますので、お聞きとりを願いたいと思います。
  61. 楠見義男

    ○楠見義男君 何か印刷物を頂けますか。
  62. 近藤止文

    政府委員(近藤止文君) 今ありませんが、後ほど差上げます。只今政務次官から申上げましたガソリン需給関係の概要につきまして説明を申上げます。ガソリンのみならず一般石油類の供給の面につきましては本年の第二四半期以降、相当原油処理の能力も殖やしまして、かなり大幅な増加を見ておるのでございますが、それに対しまして、来年度即ち二十七年度にどの程度の供給を見込んでおるかということについて御説明申上げます。  二十七年度につきましては経済安定本部といたしましては、ガソリンの全体の需要量を一応百五十二万二千キロ・リツターと想定いたしまして、これに必要な原油或いは製品輸入を図るということで、現在輸出入の資金計画を組む予定でございまして、大体只今の想定によりますと、明年度の外貨総額は約一億二千二百万ドル程度になるかと考えておりますが、この点は現在の作業の過程にございまして、今後為替資金を得ます場合に、これが四半期ごとにどういうふうに開いて来るか、又この予定されました数量がこの通り入りますか、或いはこれよりも減少いたしますか、その辺は今後の問題に属するのでございますが、只今のところでは、只今申上げましたような百五十万キロ・リツターの一億二千二百万ドル程度のものを見込んでおる次第でございます。それで、この来年度の予想と本年の実績とにつきまして簡單に数字を比較して申上げますと、本年度は外貨の全体の予算の問題は、これはまだ第四四半期分が確定いたしておりませんので、推定の数字が一部分入るのでございますが、大体輸入外貨総量が九千万ドルということになつておるのでございまして、明年度はこれに対しまして三千二百万ドル程度の増加ということを予定をいたしておる次第でございます。そこで数字の問題でございますが、明年度ガソリン百五十二万キロ・リツターを予想しておりますが、本年度におきましては約九十万キロ・リツターという供給の実績に相成るかと思うのでございます。そこでこういつた本年度、明年度の供給の見通しの問題に関連いたしまして、需要の問題に相成るのでございますが、これは勿論本年度はやはりガソリン需要量が明年度に比べますと、比較的低いということは当然考えられるのでございまして、やはり車両の数の問題、或いは輸送量の問題等につきましては、明年度は相当伸びて参るということが予想されますわけでありまして、特に自動車の関係につきましては、かなり大幅に増加するということが予想されるのでございますが、この増加の度合いの算定の問題になりますと、実は非常にむずかしい点が多いのでございまして、一体どの程度増加し、又その車が使います油の量にいたしましても、或いは稼働日数或いは走行キロ等の問題につきましても、これは想定の如何によりましては、非常に結果的に数字が違つて参るわけであります。それで安本といたしまして、一応百五十二万キロ程度考えました需要は、本年の大体初めの各般の交通関係の実績等から推算をいたしまして、そうして算出をいたしました数字でございまして、細かい点になりますと、いろいろまだ関係各省との間でも話が一致していない点がかなりあるだろうと思いますが、大体最近におけるまあガソリン需給状態等を勘案いたしますと、明年度百五十万キロ・リツター程度の供給を確保するということにいたしますれば、需給関係は大体均衡は得るものじやないかというように考えておる次第でございます。大体そういうような状態であります。
  63. 楠見義男

    ○楠見義男君 ちよつと産業局長にお伺いしますが、本年度の供給実績九十万キロ・リツターですね。これは安本で当初お考えなつ需要見込量ですね。需要見込量はどのくらいなんでしようか。
  64. 近藤止文

    政府委員(近藤止文君) 当初の考えました需要量は百十三万六千キロ・リツターでございまして、約九十万キロ・リツターの供給は需給率から申しますと、七六%という大体想定になつております。
  65. 楠見義男

    ○楠見義男君 それで今年の九十万に対して、安本のほうでは明年度は百五十二キロという想定をされておつて、その金額、外貨予算が大体一億二千二百万ドル、これだけあれば、百五十二万キロ・リツターが入ると、こういう供給ができると、こういうお話でございますか。
  66. 近藤止文

    政府委員(近藤止文君) お話通りでございます。
  67. 高木正夫

    高木正夫君 運輸省のほうからお聞きしたのと大分数字が違うようでありますが、二十六年度の実績が、三九%にしかなつていないようですね、配給が。そうすると将来のこの車両の殖えることは別といたしまして、現在約四十四万の車両があるわけでありますが、これに対して十分なる配給がまだできないわけであります。そういう観点からいたしまして、先ほどお話通りに百二十万キロ・リツターあたりでは、到底少いのじやないかという感がいたすわけであります。  それからもう一つ私がここで申上げておきたいと思いまするのは、この米でも同じであろうと思うのでありますが、大体統制を外すときには、供給がかなりの程度まで行つておると、そうして関係者の人が大体安心をしているということになれば統制を外してもスムーズにものが行くんじやないか、米の統制でもそうで、いろいろの理由があつて反対も賛成もありまするが、一つ忘れられておることは、経済心理というものが忘れられておるんじやないか、大体の程度まで持つて行けば、皆が安心する、ところが今日のように米の統制についてもとかくの議論があるということは、将来に対して不安があると、こういうことなんです。不安があればそこにおのずから買占とかいうものが一時的に必ず起るものであろうと思うのであります。そうするとこのガソリンについても私どもの見たところでは、相当まだこれは開きがある、これに対して十分なる供給が見込まれて、初めて皆が安心したときにやれば、闇が又再びなにするということはなかろうと思うのでありますが、そうでなしに、この不安を押切つてやられるというと、そこに非常な又闇が出て来るんじやないか、そうまでして時期を急ぐ必要がどこにあるであろうかということが私ども非常に心配になる点であるのであります。行政管理庁長官は先ほどはつきり言われておつたようで、四月から断行するんだと、こう言われまするし、安本長官のほうでは時期を見て一月、二月の様子を見てやると、四月になつたらどうかということははつきりおつしやらなかつたようでありますが、政府委員の御意見ももう少し、きちつと行つてないような点もあるようであります。先ほど申上げた通りに、業界において多少不安を感じるときに、そう急いでやる必要はないんじやなかろうか、又人員におきましてもこれがいよいよ片付いて、統制撤廃してから人員整理なさつてもちつとも遅くはないんじやなかろうか、これが自然の歩み方じやなかろうかというようにも考えるのであります。この点どうも今の数字の説明は、私どもまだ納得行かんのでありまして、これはここでつらつらと聞いただけでは、どうも頭が惡いのか、きちんと入らんのであります。数字をよく書いたものを頂戴いたしまして、彼此研究、比較してからのことにしたいと思います。
  68. 三好始

    三好始君 二十六年度のガソリンの供給実績について、只今の安本当局の数字では七六%だと、高木議員の出した資料によりますと、運輸当局では三九%だと言つているそうでありますが、調査方法の相違によつて極く僅かの数字の違いが生ずるのは、これは想像できないことはありませんけれども、この数字の開きは余りにも多過ぎると考えますので、一つこれは運輸当局にも出席して頂きまして、運輸当局の出した数字の説明を求めて、どちらが正しいのかを明らかにする必要があると思います。
  69. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) この需給のパーセンテージをきめますのは、供給量のほうは、自然今申されましたような数字によつてきまるわけでございます。需要量を如何に算定するかということによつてこの率が変つて来ると思うのであります。我々運輸省のほうとして考えますと、十二分に油を当てがいまして、自動車が動くということを考えまして作つた数字でございまして、安本的見地から考えますると、或いはその需要の計算が大き過ぎるという考え方も成り立つと思うのでございまして、この点につきましては、需要量の想定の問題でございまして、その問題は我々のほうとしては要求側に立つものでございますからして、安本の査定については安本の査定が誤りであるとは毛頭考えておりません。
  70. 小酒井義男

    小酒井義男君 今の需要率の点でありますが、七六%という御説明があつたわけでありますが、これは最近の電力、或いは石炭事情の惡化に伴なつて、油をこの方面へ廻した場合でもこういう率が確保できるのか、そういう場合には、この率は私は相当下廻つて来るのじやないかと思うわけですが、その点についてどのくらいこれは率に影響をするか、数字をお持合せでしたら一つお願いいたします。
  71. 近藤止文

    政府委員(近藤止文君) 実は只今申下げておりますのは、揮発油、ガソリン関係でございまして、電力石炭の不足によりまして油がそのほうに転化されますのは重油、まあ極く僅か軽油がございますが、主として重油関係でございます。従つてこのガソリン需要率の関係には影響いたさないのであります。なお重油の転化いたします分につきましては、特別に外貨予算を数回に亘りまして追加要求いたしまして、本来の計画のほかに重油を余計に入れるという措置をいたしているわけでありまして、それによつてつている次第でございます。
  72. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから私どもが知る範囲では、最近の国際情勢などの点で、特にイギリスなどは石炭や石油の再統制をやる、そのためにクーポンの印刷の準備さえしているというような情報も聞いているわけなんですが、こういうような情勢の中でガソリン統制撤廃というようなことが、果して可能だというお見通しはつきりお持ちになつているのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
  73. 近藤止文

    政府委員(近藤止文君) 実は油の輸入見通しの問題でございますが、これはお話通り国際情勢その他極めて困難な問題が将来に多いと思うのでございます。ただ問題は油につきましては、国際的なトラストと出しますか、極く僅かの会社によりまして世界的に油がコントロールされているような状態にございますので、大体特に最近の日本とこれらの外油社との関係等から考えて見ますと、今後どういう問題が起るか、これはちよつとはつきりいたしませんが、従来の推移で考えますならば、只今申上げました明年度の見通し程度数量輸入いたして参りますことは、余り大きな困難はないというように考えておるわけでございます。なおイギリスの問題にいたしましても、実は油の問題につきましては、私どもに入つております情報から申しますと、最近スタンダードが相当大きな製油所を作りまして、これを一手に英国に供給をするという契約をいたしましたために相当参るようでございますが、イギリスは油の従来やつておりました統制を解除したような事情がございまして、これは国家的な統制の問題と、いわゆる国際的なカルテル、トラストというような非常に強力な会社との提携がなされておるというような点があると思うのですが、これは今想定いたしております程度原油輸入は可能じやないかと思つておるわけであります。
  74. 小酒井義男

    小酒井義男君 それでは最後にお尋ねしたいことは、これは主食統制撤廃でも例のあつたことでありますが、政府がそういう見通しの下に総司令部と折衝をせられましたその過程では、果してその統制撤廃が可能であるような折衝の内容であつたかどうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
  75. 近藤止文

    政府委員(近藤止文君) 司令部と政府といたしましては油の統制の問題につきましては、数回いろいろな折衝をいたしておるわけでございます。第一段の問題は、輸入量の増大、特に原油の処理能力の関係につきましても、これを現在の能力一ぱい認めてもらうというような点、或いは製品輸入の増量の問題等も数次折衝いたしまして、逐次増加はいたして来ておるのでございますが、一面外貨資金関係等がありまして、必ずしも政府の予定した通り数量につきましての輸入の承認を得られなかつた例もあるわけであります。なお統制の問題につきましても、実は数回司令部関係の意向を打診したことがあるのでございますが、この点につきましては今までのところでは、統制撤廃という問題につきましてはつきりした関係方面の御意見が聞かれない状態でございますので、只今はつきりどうということを申上げる過程には至つておりまん。
  76. 楠見義男

    ○楠見義男君 産業局長にお伺いしますが、実は石油の精製関係等の技術的関係は全く私わかりませんので、或いは極めて幼稚な質問になるかと思いますが、先ほどのお話の本年度の九十万キロ・リツター、明年度百五十二万キロ・リツターと申しますと、大体七〇%ぐらいの供給増になるわけなんですが、外貨予算のほうは本年度の九千万ドルに対して明年度は一億二千二百万ドル、大体三五・六%増になるのでありますが、この三五・六%増によつて七〇%増の供給量を確保し得るというのは精製関係から来るのでしようか、どういうことなんですか。その事情をお伺いしたいと思います。
  77. 近藤止文

    政府委員(近藤止文君) 実は明年度輸入計画におきましては、ガソリンそのものを輸入するという数字が相当量入つておりますので、そのために為替金額に比例しないでガソリンが殖えるということになるわけでございます。
  78. 楠見義男

    ○楠見義男君 その原油ガソリン製品としての輸入の割合は一億二千二百万ドルにおいてはどういうふうなお見込になつておるのか、それをお伺いいたします。
  79. 近藤止文

    政府委員(近藤止文君) これは実は価額の概算でございますので、多少数字が動くかと思いますが、只今一応予定いたしております数量で申しますと、原油におきまして二千六百万バーレル、ガソリンのほうは四十一万八千キロ・リツターというものを一応予定しておるわけであります。それで大体価格関係から申しますと、原油からのガソリンの得率に比べて見まして、約二倍程度の單価がガソリン輸入の單価になるという恰好になるわけであります。その関係から今百五十二万キロ・リツターという数字になるわけであります。
  80. 三好始

    三好始君 先ほどの運輸当局の答弁ちよつと私腑に落ちないのでありますが、本年度のガソリンの供給実績は三九%だということは、私高木委員から承わつただけなんでありますが、運輸当局は、それはお認めになつておるのでありますか、それを先ず承わりたいのであります。
  81. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 私のほうで各地ごとにつきまして安本に要求をいたしますときに作ります需要量を十分に計算しますというと三九%、こういうことになるわけでございますが、この需要需要量を想定するキヤツチの方法によつてこの供給率はいろいろ変つて来るのだ、こういうふうに考えられます。
  82. 三好始

    三好始君 運輸当局の需要量のキヤツチの仕方は非常に水増を意識的にしておるのですか、それとも良心的にやつておるのですか。(笑声)
  83. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 水増ということではございませんけれども運輸省といたしましては、あらゆる自動車というものが何らの不足を感じないで自由に動けるという理想的数字を一応需要量と考えておることになつております。
  84. 三好始

    三好始君 運輸当局は三九%の供給実績だという数字を自分で出しておきながら余りにも開きの大きい安本の計算した七六%の供給率を、需要量の算定の仕方が違うから必ずしも間違つておるとは考えておらない、こういうことをさつき言われたのでありますが、そんなに自分のところで作成する数字に自信が持てないことは非常におかしいと思うのです。そんな権威のない、自信のない推定だつたならばしないほうが遥かにいいということにもなるのであります。この数字が僅かなパーセンテージの開きであれば、私は問題にしないのでありますが、余りに開きが大きいので、運輸当局に重ねてこの点お伺いするのでありますが、自分のところで作成した三九%という数字を現在でも正しいものとお考えになつておるのか、安本の計算した七六%を正しいとお考えになつておるか、この点お伺いいたします。
  85. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 非常にきつい御質問でございますが、揮発油と私のほうで申しますと、先ほどの自動車関係でございますが、船舶部門につきましてはこの供給率は多額な供給ということはございます、従つて我々として一応想定しますものは、今自動車が自由自在に石油に対する何らの拘束を受けないで走るという数字を一応構成するわけでございますから、現在の状態におきまして、それに対して或る程度のデイスカウントを行なつて考えられるということも止むを得ないことだと考えております。従つて我々の作ります数字が水増であるとか、インチキであるということでなくて、本当に理想的に、曾つて円タクが走つたときのような状態において自動車が走つたならば幾らになるという数字であります。
  86. 楠見義男

    ○楠見義男君 運輸省に伺いますが、一体それではあなたのほうは三九%で満足しておられるのですか、しておられないのですか。その点が一点と、統制撤廃なつた場合に現在以上によくなるとお考えになつておるのか、惡くなるとお考えになつておるのか、その点をお伺いいたします。
  87. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 先ほどお話しになりましたように、将来の輸入量にかかるものだと思うのでございまして、輸入量が非常に殖えて参るということでありますれば問題はないと思いますが、ただ潜在しております需要が顯在化して来るということもありますので、果して運輸事業、特にバスに対する供給力或いは機帆船に対しまして現在の値段で以て値上りがしないで供給が可能であるかどうかについては、我々としては目下のところ確信を持つておるという段階には来ていないわけであります。
  88. 楠見義男

    ○楠見義男君 答弁漏れがありましたが、第一点の現在の三九%で満足されておるかどうかということがお伺いしたいのと、もう一つ、ついでですが、今のお話のように、明年度の供給見込について若し満足すべき供給量が確保されればというようなお話がありましたが、そこで先ほど安本の産業局長から明年度の需要量は百五十二万キロと見ておる、こういうお話がありましたが、運輸省側において従来と同じような方式で行つた場合に、一体百五十二万キロに相当する需要量はどの程度に見ておられるのか、それをお伺いいたします。
  89. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 現在の配給状態が、運輸事業に対して十分に供給されておるとは思つておりません。なお今の百五十二万キロ・リツターという数字で十分であるかどうかということにつきましては、今その数字を拜聽いたしましたのでもう一遍検討して見たいと思います。
  90. 楠見義男

    ○楠見義男君 私の伺つているのは、明年度の需要量を百五十二万キロと見ておるのは安本見通しなんですね。私はそれを聞いているのじやなく、安本の百五十二万キロに相応する、即ち一方では今年安本では七六%、ところがあなたのほうでは三十何%ですか、三九%、こういうように供給量は同じでも需要量が違うものだから、そういう比率があるわけです。そこで恐らくあなたのほうも車両の増加とかいろいろのことをお考えになつて明年度の所要はお考えになつておるのじやないかと思います。そうでないと、仮に安本のほうで統制撤廃しました場合であつても、需要官庁としては明年度の需要はこれくらいで、或いは供給量がこれくらいであれば統制撤廃は可能であるとかないとかという、こういうことは担当部局としては当然そういうことを考えないと、安本統制撤廃方針について賛成とか反対とか言い得ないはずだと思います。従つてそういう意味から安本で想定しておる百五十二万キロ・リツターに対応する運輸省の側の明年度の需要量はどのくらいに見ておられるか、この数字をお伺いしたい。  運輸省のかたに申上げます。どうせ内閣委員会としては運輸省の関係の審議をするときがありますから、それまでで結構ですから、今わからなければそのときで結構ですから。
  91. 山花秀雄

    山花秀雄君 先ほどの前田委員質疑関連して長官にお伺いしたいのですが、運輸省の気象台の整理の問題について質疑をいたしましたときに、多数の長期病欠者がいるというような質問がありました。又長官もそれを肯定するような答弁がございました。それでお伺いしたい点は、この原案説明のときに長官は、長期病欠者が整理対象とされる弊を除去し得ることになります、こういうように説明をされたのでありますが、今度の整理には、長期病欠者が全然整理されないと解釈してよろしいのかどうか。この点を一つ答弁を願います。
  92. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) 或いは長期病欠者のほうは何と申しましても一般行政整理の退職金に対して八割増で、税金も低くなりましたので、特に或る程度勤続しておられるかたはかなり大きくなります。自発的な退職者は別であります。今一般職の給與に関する法律の中で、長期の病気欠勤者は定員外にして、有給休暇が二年間できることになつておりますが、これは特別にこの際やめてしまおうという人のほかは、恐らく定員外で給與することに相成ろうかと思います。
  93. 山花秀雄

    山花秀雄君 政府の対象には全然ならない。整理を全然しないというふうに解釈してよろしうございますか。
  94. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) そうなろうかと思います。
  95. 山花秀雄

    山花秀雄君 先ほどの長官答弁の中に、長期病欠者は定員外にこれを数えると、新定員外にこれを数えるという答弁でございましたが、そうしますと現在の八十九万人のこの定員がございますが、長期病欠者、これに対して何人ぐらいお有りになろうか、おわかりになりましたら、一つ教えて頂きたい。
  96. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) これは人事院で調べたものがあるのですが、非常に数が少うございまして、数千人ということになつております。多分そういうことはないんじやないかと思いまして、今の規定で行きますと、九十日以上休んで一応休職にはなりますが、月給がもらえないという形になつております。報告自身無理があるのではないか、もう少し内容を調べて見ます。成るべく早く各省庁で様子を見たいと思つております。
  97. 山花秀雄

    山花秀雄君 そうしますと、定員外にこの長期の病欠者が休職しておりますので、これに対する一応のその期間が来るまでの予算的措置というものは、できておるのでしようか、どうでしようか。
  98. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) 期間が来るまでとおつしやいますと、定員外でやつておる間の俸給、それを予算に組んでおるかという意味ですか。
  99. 山花秀雄

    山花秀雄君 そうです。
  100. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) それは組んであります。
  101. 小酒井義男

    小酒井義男君 最後にちよつと長官に申上げておきたいのですが、今ここに一つの例としてガソリンの今後の見通し等の折衝過程をお聞きしても非常に不確定である、こういう印象を受けざるを得ない。そうして国際情勢に対する見通しも非常に甘いと思うのです。こういうような状態で、私は人員整理だけが先行するというようなことは、これは十分再考して頂く必要があろうと思います。更に運輸委員として委員会のこの中における今度の行政整理の問題を見ましても、やはり実情を十分に取入れた政治であるという印象を私どもは受けることがどうしてもできない。やはりこれは現場の実情が非常に圧迫されておる。事務当局にしてもこれを強く反撥するだけの意欲がない。止むを得ず押付けられて泣き寢入りをしておるのではないかというような印象を私どもは受ける。こういう恰好整理がどんどんやられてしまつたんでは、運輸行政の円滑な運営ということは、私は非常にむずかしくなる。ですからこの問題の検討には十分愼重に私は今後の問題を取扱つて頂きたい。これだけのことを希望に申上げて、私の質問を終りたいと思います。
  102. 山縣勝見

    山縣勝見君 運輸委員会といたしまして、定員法質問はこれで終りましたが、運輸委員会定員法の問題を取扱うについては、将来各委員質問にありました通り、審議を進めるについていろいろな具体的な問題につきましても、まだ明確でない点があるのであります。殊にこの自動車用の石油の問題については百五十二という数字を又運輸省で考えて多分おられると思う数字と開きが相当あるのでありまして、又気象台の問題につきましても、運輸委員会でいろいろ検討いたしました結果、まだ腑に落ちない点がありますから、これらの点についてはできるだけ今後なお行政管理庁或いは運輸省或いは安定本部の更に政府委員に出席を求めて愼重に審議いたしたいと思いまするが、なお運輸委員会といたしましては、本日の合同委員会の結果、更に愼重に審議をいたしまして、内閣委員会に対して多分何らかの御審議の御参考に供するために、意見をまとめたいと考えておりまするから、その際には適当に御参考になつて審議を願いたいと思うのであります。
  103. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 承知いたしました。次に労働委員会のかたから御発言を願います。
  104. 原虎一

    ○原虎一君 労働関係労働大臣お見えになりますか。
  105. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつとお待ち下さい。橋本長官はおりまするし、今労働大臣は呼びにやつておりますから、ちよつとお待ち下さい……。只今申上げたのでありますが、労働委員から御質疑がありますれば、只今労働大臣が御出席になりましたのでこの際お願いいたします。
  106. 原虎一

    ○原虎一君 大臣に質問いたします前に、安定局長にお伺いいたしたいのでありますが、極く最近安定所の職員が殺害された事件が起きたのですが、その場所と日時、理由、当時現場における職員の勤務状況、こういう点について御説明を願いたいと思います。
  107. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 私からお答え申上げます。事件の起りましたのが八月十三日でございまして、大阪の布施の公共職業安定所の八尾の分室で事件が起つたのでありますが、安定所の職員は横田と申しまして雇のかたでございますが、当時職場を乱し、多少怠業的な性質のありました者につきまして失業対策事業への就労を停止いたしました、そのことに関連いたしまして、本人に恨みを持ちまして兇器を以て横田という職員を穀害した、こういう事件であります。当時八尾の分室には職員は三人おつたと考えております。大体以上がお尋ねの点の概要でございます。
  108. 原虎一

    ○原虎一君 一つお伺いした点で落ちておりますのは、八月十三日の何時ですか。
  109. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 八月十三日月曜日の午前七時十五分頃加害者が八尾の分室に現われまして、就労手帳を取上げた問題に関しまして抗議に来たりいたしておりましたが、その後加害者が一時分室から出まして、間もなく七時四十五分頃加害者が再来いたしましてその殺害事件が発生いたしております。
  110. 原虎一

    ○原虎一君 なおこの分室には定員は何名であつて、当時その現場には局長答弁では三人おつたと思うというのでありますが、そのときに殺害されるような状況にある場合に、これを予防し得なかつたというこの点か私はお聞きしたいのであります。予防し得なかつた事情というものをお聞きしたいのであります。
  111. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 先ほどもお答え申上げましたように、午前七時十五分頃加害者が現われまして、そこで抗議が行われて、いろいろ議論等もあつたようでありますが、一応その際に加害者のかたが部屋から出ましたので、本人並びに勤務しておりました者も、これが再び再来して来るということを考えていなかつたということも、一つの原因じやなかつたかと考えておりますし、御承知のように日雇労働の分室は割合労働者のかたがたが自由に出入りできるような構造になつておりまして、そういうことで誠に申訳のない遺憾な事件が発生した、かように考えておる次第であります。
  112. 原虎一

    ○原虎一君 その八尾分室の定員は何名でありますか。
  113. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 本省におきましては、布施の職業安定所として一括定員を配当いたしましておるのでありまして、失業対策事業が拡大されまして、施行の場所が殖えて参るに従いまして、労働者のかたがたの就労の便宜を図りまして、時々分室を拡充しておつたという形になつておりまして、分室への定員の配当は府県に一応お任せしておりますが、この八尾の分室は三人の定員であつたと、かように考えております。
  114. 原虎一

    ○原虎一君 労働大臣にお伺いしたいのでありますが、実を申しますれば閣議で定員を減ずるという問題を決定いたしておるのでありますから、総理大臣御出席の上にお伺いいたしたいのでありますが、なかなか総理は麻生代議士の催しになる会合にはおいでになるけれども、国会にはなかなかおいでにならぬので、責任を以て労働大臣にお答え願うよりほかはないのでありますが、なお必要に応じましては、内閣委員会のほうにおいて総理をお呼びになつて質問する機会を作つて頂きたいと思います。  大体今度の定員法に基きまして、十万乃至十二万の失業者が短期間に出る、これは誠に行政整理は不必要なところの人員を減ずるのはこれ又当然ではありましようが、天引率をきめて、そうして十万以上の失業者を短期間に作つて、それには幾分か割増した退職手当金を支給して事足れりというようなお考えではないでしようけれども、いわゆるこれらの諸君の失業対策、完全雇用という点から考えますというと、何ら施策がされておりません。そこで失業対策に当らなければならないところの職場の職員諸君も首切られる。こんな不合理なことはないのであります。と申しても誤解されては困りますが、他を首切るのは当然だと私は申しておるのではありません。この点私は総理の考え方労働政策というものが何らない、この点を私はお伺いしたい。そこで先ず労働大臣はこういう点について、一体一方には日雇労働者のためにあたら青年が殺されるという事件さえ起きておるにもかかわらず、職安関係職員を多数首切つて、而も十数万の失業者の職業斡旋、失業対策が果して完全にできるのであるか、この点をお伺いしたいのであります。
  115. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) 御尤もな御質問でございまして、ほかの席でも、又内閣委員会でも申上げていることでございますが、ただ政府は天引整理を以て事足れりというような容易な考えで今回の行政改革を思いたつたわけではございません。行政改革により、できるだけ行政費の占める負担を軽くして、よつて以て国民負担を軽減して参るということは、これはもう殆んど全国民的な要請であると考えておるわけでございます。併しながら行政改革をいたしますれば、必然的に余剩の人員を生ずる、その余剩の人員整理するにどういう措置をとるか。行政改革前提として、よつて生ずる余剩人員に対するその対策を同時に、むしろ先決して政府として十分考えて行かなければならんじやないかということが政府の基本的な態度であつたわけであります。従いまして整理を受けられる今回の退職者に対する一連の措置を先ず決定いたして、そうして行政改革に入るという態度をとつて、それぞれ申上げておりますような措置を講じておるわけでございます。当然或る程度の失業者が出られる。その失業対策の実施をなすべき職業安定関係においても整理をするということは、非常に矛盾しておるようにお聞き取りになることもけだし無理からんと思いますが、その点につきましては行政管理当局にも特別の配慮を願いまして、実際紹介業務にたずさわるところの第一線のそういう人々に対しては今回は一切手を触れない、内部事務、管理事務等に関する定員を若干減らす。大体今日の安定職員は中央地方を合せまして、一万一千八百七十名、そのうちで今回只今御審議願つております案によりますれば、三百九十六名の定員を減ずるということに相成つておりますが、現実の情勢から、事実から申上げますと、実人員としては殆んど変りない。これは行政管理長官を前においてでございますが、そういうふうに何しております。失業対策の関係、職業紹介業務の上におきましては、大体現状と変更のないようなところに落ち付いておるわけであります。それによつて御了承願います。
  116. 原虎一

    ○原虎一君 今御説明がありましたのは、資料にもありますが、職業官署で一万一千八百七十人が現定員でありまして、八百四十七名を減ずる。そうして新定員は一万一千二十三名、この中には例の労務加配米を扱つている職員諸君がおる数字のように伺いますが、事務当局にお伺いしますが、この点の明確な御説明をお伺いしたいと思います。
  117. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 只今お尋ねの現在の定員一万一千八百七十名から八百四十七人の減員というお尋ねでございますが、これは当初の政府提出案によりますると、日雇労働者の加配米に従事しております職員の数六百七人を全部落した場合のものであつたのでありますが、その後の衆議院の修正案によりまして、六百七人のうち全部を落すということになつておりましたのを、二五%だけ落す。即ち物調関係で六百七人のうち百五十六人だけを落すということに修正せられることとなりましたので、安定所におきまして整理いたしまする数は、一万一千八百七十人のうち三百九十六人になるのでございます。
  118. 原虎一

    ○原虎一君 そこでなおこれは局長にお願いしたいのでありますが、現在長期病気欠勤者が四百六十一人おる。これは整理の対象外になりまするが、現定員の一万一千何人かのうちの四百六十一人という病気長期欠勤者はこれは四二%に当る。人事院が調べているころを見ましても、普通長期欠勤は二%程度のものであります。安定所の従業員諸君がかくのごとく長期欠勤、殊にその四百六十一人のうち三百五十二人が肺浸潤であるというような事実、こういう点から考えて、三百数十名の減員が果して正しいのであるか。現状においてすら他の官庁よりも倍以上の長期欠勤者が出る激務ともいうべき仕事をやつておる諸君が、なお今後数百人減員されるということで十分なる失業対策をなし得るのであるか。先ほども大阪の八尾安定所の分室においてかくのごとき悲慘なる事件が起きましたことは、ただ三人の職員しかいない、そこに何十人かの日雇労働者が来ている。こういう実情、やはり我々は実情を十分考えなければならないと思うのであります。この点を先ずお伺いしたいのであります。
  119. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 長欠も只今お尋ねになりましたように、安定所職員に相当多いことも事実でございますが、なお今回の整理につきましては、先ほど大臣からお話のありましたように、職業紹介の現業業務に従事する者は一人も実は減員いたしておりませんのでございまして、管理事務が中心になりまして、御承知の安定所庶務係、そういつた方面の内部事務だけを、僅か三百九十六人だけ一応整理することにいたしておるのでございまして、現業の事務につきましては安定所の職員のかたがた非常にお忙しくてお気の毒だと思つておりますけれども、まあまあ更に御奮発を願つて、この程度で能率を上げてやつて頂けるようにしたい。かように考えておる次第でございます。
  120. 原虎一

    ○原虎一君 大臣も局長も第一線に働く職員の減員はしないと言つておりますが、先ほど説明がありました加配米の仕事に当る職員を減らすということは、現にこの加配米だけに従事しているのではなくて、現に手が足りない、或いは超過労働になるというので、この加配米の仕事を担当する職員も日雇労務のほうに手伝つておるという事実、こういうことがあるのに、その第一線の日雇労務に当る、或いは第一線の安定職業の紹介に当る人間整理しないというお言葉は余りに事実を御存じないところの答弁のように思うのであります。この点は私は局長の御答弁には誠に不満足でありまして、事実私が今申したような状態ではないということが断言できるのならば、もう一度御答弁願いたい。
  121. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) この職業安定所の職員に対する非常な御理解の深い御質問に対して私どもは非常に感謝いたしますが、昨年の、非常に一時就労状態も極端に惡く、いろいろの又ほかの事情も伴つて昨年の春頃から職業安定所が特に日雇労務者の斡旋関係において非常に困難を極めて、そのために多数の安定所職員が非常な苦労をなし、そのために過重の事務のために倒れる者等、相当気の毒な状態を呈しておりました。これが恐らく御指摘の一般官庁における長期欠勤者よりも多数の今日長期欠勤者を抱えておる理由であろうと私は思つております。その頃から安定所職員の増員並びにこの待遇改善について十分とは参りませんけれども、とにかくできるだけの処置をいたさなければならないという考えから、関係当局にも特に深い御理解を願つて号俸調整等による若干の待遇改善もいたすと同時に、職員の増員も相当程度いたして参つておるわけであります。今回の整理は先ほど申しましたような内容でございまして、現状からいたしますと、私は無論安定所職員の今まで以上の御奮発をお願いしなければなりませんけれども、大体所期の目的を達して頂くには決して不十分ではなかろうと、こう考えておるわけでございまして、今後安定行政の合理化等にも努めまして、併せて万全を期して参るようにいたしたい。先ほどお話の布施の八尾分室における殺傷事件、これは私ども非常に心配いたしまして、手ぬるい調査ではいかぬからということですぐさま大阪の安定課長の上京を促しまして事情を聽取いたしました。如何ような面から見ましても、これは單純なる殺傷事件という以上には出ていないように私は報告を受けております。そういうふうに御了承願いたい。
  122. 三好始

    三好始君 質問の途中でありますが労働関係は衆議院で数字が修正されておりますので、配付して頂いております資料に基いて、どの部分がどのように修正されたか、それを御説明承わつてから質疑を続行して頂きたいと思います。
  123. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) お手許に提出いたしております各省の定員法の改正資料の労働省の部分を御覽願いたいのでありますが、その下のほうのこの大きい3の地方支分部局というところでございます。そこの職業官署、定員が一万一千八百七十、これは変りございませんが、その次の整理人員が八百四十七人となつておりますのは、三百九十六人になります。そして新定員が一万一千四百七十四。それから次の労働保護官署、そこの現定員が八千三百十人、それはそのままでありますが、整理人員が千百九十二人になります。そして新定員が七千百十八人。そして最後の計のところで現定員が二万一千八百二人、これはこのままでありますが、整理人員が合計千八百一人、そして新定員が二万一人ということになります。
  124. 原虎一

    ○原虎一君 労働基準局長にお伺いいたしたいんでありますが、近く国際労働機関にも日本は加盟することになるのでありますが、そういたしますと、今まで労働條約が決定されておりまして、加盟等に引続いて、加盟するだけでは義務を果さないのでありますから、当然この條約批准をしなければなりませんが、基準局関係におきまして直ちに批准を必要とするような労働條約はどういうものでありますか。その点をお伺いしたいと思います。
  125. 龜井光

    政府委員龜井光君) この問題は目下検討を加えておりまするが、国際條約の内容が非常に労働基準行政関係のものは複雑でございますので、その後十分国内法との関連を検討いたしました後、批准のできますものにつきましては速かなる批准の手続をとりたい。かように存じております。
  126. 原虎一

    ○原虎一君 誠に抽象的な漠たる答弁で、本委員会に必要はないようにお考えになるかとも思いますが、続いて基準監督局長にお伺いしたい点は、最近人身売買が又起きて来つつある。これはいろいろの原因もありましよう。経済上の原因もありましようが、やはり基準法を一般国民に理解せしめるという点に欠くるところが大きいと思います。一体現在の基準監督を全国の局関係におきまして一人の職員が受持たなきやならないところの職場の数、一人が幾つの職場を受持つことになるのか。この点を一つお伺いしたいんであります。
  127. 龜井光

    政府委員龜井光君) 一人で幾つの職場を受持つかというお話は恐らく監督官が幾つの適用事業所を分担をして監督するかという御質問と思うのでございますが、今昨年度の実績を申上げますると、昨年度は三十三万八千十四の事業所の監督をいたしております。適用事業所としましては昨年十二月におきまして六十八万の適用事業所があるわけでございます。従いまして現在千七百六十五名の監督官を以ちましてこれの監督を実施した次第でございます。一人当りで計算をいたしますると、実はこの中にも再監督をした部分もございますので、正確には把握はできませんが、二百程度のものを年間一人で監督しておるということになるのではないかと思います。
  128. 原虎一

    ○原虎一君 そこで先ほどからも安定所関係で申しましたのでありますが、一人の基準監督官が二百事業所を担当するというような状態で基準法の精神を徹底することができるのか。国際労働機関に復帰いたしますれば、日本のダンピングという問題は、すでに今日イギリスが取上げておる文字のそのままを我々は一〇〇%政治的意図があるか、ないかというところを考えずに、一〇〇%そのまま考える必要もないかと思いますけれども、やはりこの日本の今後の海外発展ということはこのダンピングによつてという声を聞かされるということは甚だ遺憾であります。従つてこの労働基準ということについては少くとも熱意と誠意を以て現政府はやつて行く、政府が、国がこれをやつて行くという事実を示して行くよりほかにダンピングの声を消すものはない。然るにやはり天引にここで以て何%かの人員を減ずる。果してこれによつて労働大臣は国際的にも大きな影響をもたらすところの基準行政というものが満足にやれるという確信を特つておるかどうか。この点をお伺いしたいと思います。
  129. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) この点は一つ原さんにも特にいろいろ教えて頂かなければなりませんけれども、ともかく終戰後労働法準法というものが決定されて、そうして何らの、何らということは言い過ぎであろうと存じますが、準備もなしにぱつと実施をしてしまつたのですが、随分この施設におきましても、或いは監督の方法、監督行政のとり方につきましてもだんだん慣れて来ておりますから、第一線に当られる人たちも監督の実施面については非常に熟達をして来られておることはこれはもう事実でございますが、顧みまして工場法が制定せられて実施せられましたのには少くとも数カ年間の実施準備の期間をおいて、そうして朝野この準備をいたされて工場法が実施せられた。これを顧みますと、基準法という相当この重要な、重大な法が、あけすけに申上げて無準備のまま実施せられた。ここから来るいろいろの改善すべきところを今後改善いたして行かなきやならんと思つております。同時にイギリス等におけるこの監督の実際、監督行政の実際というものもよく見極めまして研究いたしまして、今後先進国の長を取つた監督行政を実施して参りますように十分の努力をいたして行かなきやならん。決して監督官の人数が多いからこれ監督行政が十分であるというような考え方でなしに、一遍これは今日の問題ではございませんけれども、将来の問題として検討をして参りたいという考えで研究をいたしております。今回の整理につきましては決して天引を考えておるわけではございませんので、事務の繁閑によりましてできるだけ減らしても支障のないところを減らして参りたい。そういう点は行政管理庁方針としても各省の事務の実情に応じて或る程度の有無相通の彈力性を與えられておりますから、基準関係におきましても第一線の基準監督の面に当つている人たちにはできるだけその考えを持ちまして犠牲を少からしめるように処置して、而して基準監督の過ちなきを期して参るようにやつて行きたい、こう考えております。
  130. 原虎一

    ○原虎一君 労働大臣の言われることも一通り筋が通つておるように聞えますけれども、いわゆる人の数によつてのみ監督ができるものではないということは、この点は私といたしましても頷くものがありますが、然らば人を減らして少人数が能率を上げるだけの設備、それがなされるかというと今年度の予算も来年度の予算も我々望めない。補正予算一つもない。私どもが現地を視察いたしまして所員のこぼすことは先ず旅費がない、旅費がなければ自転車でも一所に二台ぐらい欲しい、自分の監督区間は十里、十五里とある、監督地域は自転車一台二台でどうして監督ができるか。こう言われれば我々国会予算審議に当る人間として誠に赤面する次第でありますが、政府は人を減らすときだけは人の数によつてのみ監督するのではないと言つておきながらその裏付は何もしていない。これでは私は諸外国に日本は能率的に基準監督をやつているということを幾ら説明されてもできない。この国会若しくは委員会を数によつて押切ることはできても世界は欺くことはできないと思います。でございますから労働大臣の言われますことは成るほど私は能率的にやることは所員も喜んでおります、人数の多いことを喜んではいませんが、減らすならばダツトサンであるとか、或いはオートバイを與えるとか、こういう予算があれば我々も納得できる。そのほうがいつおやりになるかわからないで、ここで今の御説明によりましても事業所は少くとも一人が二百事業所を持たなければならん、二百を廻らなければならんとすれば、一年に一回若しくは交通の便があつて一年に一回半しか職場を廻れない、こういう状態では、それでは数字的に人をして頷かしめることができないので、従つて私は天引の人員整理でないという、御説明がありましても、やはりこういう大きな問題を天引的に千人もの減員をされるということは不合理である、これはその裏付があつて初めて合理的な整理である、こう言わざるを得ない。ただ重ねて伺いますが、人を減じて能率的な基準監督業務をやられるという予算上の裏付、こういうものに対して然らば二十七年度予算においては十分に織込む、こういう御意思があるか、この点をお伺いしたい。
  131. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) 監督行政の能率化につきましては、いろいろの御意見、方途もあろうと思いますが、御意見を含めまして十分に努力をいたして参るつもりでおります。
  132. 原虎一

    ○原虎一君 私の質問はまあ時間の関係がありますから大体この程度で打切りたいと思いますが、今日労働委員長がまだ参つておりません。私は理事の一人でありますが、今申しましたような事情にありますので、内閣委員会におきましても決定される場合においては、只今質問いたしをした経過をお考え下さいまして、然るべく善処されますように要望いたしまして私の質問を打切りたいと思います。
  133. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 大野木次長から先刻の答弁がまだ不十分であつたから補充したいという申出がありましたが、この際大野木次長の発言を許します。
  134. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) ちよつと申し忘れましたので恐縮でございますが、この3の地方支分部局というところがございます。これは今の職業官署と労働の官署と合計になりますので、その地方支分部局のところをちよつと御訂正願いたいのでありますが、二万飛んで百八十人、これはそのままであります。その次の整理人員千五百八十八人、新定員一万八千五百九十二人ということになります。以上でございます。
  135. 楠見義男

    ○楠見義男君 大野木さんに伺いたいのですが、今の職業関係で減員になつて従つて職業官署で三百九十六人、それから労働保護官署で千百九十二人の整理なつたという、こういうお話ですね。その基礎になる職業関係定員ですね。この数字を示してもらいたいと思います。
  136. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 職業官署のほうで六百七人、それから労働官署のほうで七百十人、以上であります。
  137. 楠見義男

    ○楠見義男君 これはいずれも二五・七%の減になるわけですね。
  138. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) それの二五・七%が減員になるわけであります。
  139. 赤松常子

    赤松常子君 時間も大変ございませんので簡單に橋本長官に御質問申上げたいと思います。  終戰後日本の社会制度の改革が行われまして、殊に婦人の社会的地位の向上、例えば選挙権の獲得であるとか、教育の機会均等であるとか、或いは男女の同一賃金の原則の確立であるとか、非常に婦人の地位も尊重されて参りましたけれども、それは單なる法制上の点でございまして、内容実質的にはまだまだその美名にほど遠いものがあるのでございまして、今後一層そういう点の向上を考えて行かなくてはいけないと思つております。最近それに逆行する気配がしみじみと感じられるのであります。この行政機構の縮小が考えられますと、御存じのように真先に婦人少年局の廃止が取上げられて、我が国の婦人の輿論、労働組合婦人部の輿論が捲き起りまして大変な抵抗を示して、やつと喰止められたというようなこともございましたし、又労働関係でも婦人の保護の諸法律が経営者側から言えば改善、労働者側から言えば改惡が考えられておるような状態であるのであります。こういうふうに非常にまだまだ実質的に婦人の問題を取上げるという話になると、一向その便宜主義が考えられる。例えば今申上げましたように、婦人少年局の廃止が考えられまして、非常に婦人の抵抗が示されたということに驚いたのでございましようか、すぐにこの婦人兒童庁というものが総理府に置かれるというような誠に一時的な思い付きの構想がなされました。この点について労働委員会で、労働省当局にこの構想に参画なすつたのですかとお尋ねいたしましたところ、参画はしていない、何ら相談を受けていないという御答弁でもわかりますように、單なる婦人の問題が便宜主義で御機嫌取りに扱われているというようなことは、誠にこれは封建思想の又半面の現われでもあると思う次第でございます。そこでこういう行政整理の前になりまして、いつも整理の対象にされますのが婦人でございまして、私ども決して婦人であるから特に甘やかしてもらいたいというような、そういう気持で申してはいないのでございまして、誤解のないようにお願いしたいのでございますけれども、まだまだ官庁の非常に官僚的な封建思想が溢れておりまして、何でもこのそういう場合には婦人が直先に馘になるというような傾向が非常にございます。私も身近の者が官庁に勤めております、私の身内の者が官庁に勤めておりまして、最近こういう問題が起きて、いろいろ聞いて見ますとそういうふうなことを申しております。先ず女を女をという声がございますそうです。私は先ほどから申しますように、どうぞ婦人を甘やかして欲しいというのではないのでございますけれども官庁が民間に先んじてそういう婦人の扱いに対しまして男女平等の原則をはつきりとお示しを願いたいと思う次第でございます。で今度のこの整理に当りまして、一体婦人に対してどういうお考えを特にお持ちでございましたでしようか、この人員整理の性別の数字はどういうふうになつておりますのですか、十万人余りの整理者の中で婦人がどのくらい整理の対象になつておるのでございましようか。先ずその点をお伺いしたいと思います。
  140. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) 婦人少年局の問題は政令諮問委員会一つの参考意見を出しておられるのであります。私行政機構改革に伴つて、なお検討中でありますが、初からこの婦人関係行政整理につきましては、今日の行政機構というものが不備であると考えておりまして、各省関係に亘りまするものについてやはりもう少し掘下げて、総合企画なり調整なり、婦人の地位の向上という面に資するようなものを作りたいと考えておりましたのでございます。大体もう私就任いたしまして改造後の閣僚の間で七月頃から考えておりました趣旨でありまして、格別慌てて出したものではございません。なお只今のお話のありました問題でありまするが、今回の整理に当りましては、格別特定の整理基準というものを設けておりませんのです。これも前々から何遍も御質問がありましてお話を申上げたところでございますが、夏以来各省事務当局との関係におきましては、又閣僚間でもいろいろ相談をいたしまして、今日の行政整物に当りまして特にどういう人たちを整理するということは考えない。それで各省庁の実情に応じて最も適当で、そうして万人の見るところ最も納得をする方法がよろしいというふうに考えておるのでございます。特に婦人をどうこうということを全然考えたことはございません。現在の実人員の中で男女別がどうなつておるかということは御質問がございまして、調査資料を内閣委員のかたがたには配付をいたしておきました。なお御参考までに申上げまするが、昭和二十四年のあの整理の際におきましても、特に男女配分についての整理基準というふうなものを設けませんで、その後自然にまとまりましたところを集計いたしますと、大体男が三に対して女が一ぐらいの割合に相成つておるようであります。なお先ほどお話のありました行政機構の問題について、事務当局に相談を受けたかと聞いたところが相談を受けてないということを言つたというお話でありました。これは当然でありまして、行政機構改革の問題につきましては、まだ案をきめておりません。私の手許でいろいろな方面から意見を聞きながらやつておりまして、大体婦人兒童庁のようなふうに閣議で或る程度お話をいたしました点も一部はございますもけれども、総体的には閣議の中でもまだ話合いをするところまで至つておらないのであります。いろいろな方面で、例えば競馬の問題でありますとか、何とか部分的に考えますれば明瞭になつたものがございまするが、これも閣僚の間だけでお話をいたしておるものであります。
  141. 赤松常子

    赤松常子君 ちよつと簡單に……私今お尋ねいたしましたのは現在働いておられるかたの数、これはここにちやんと資料頂いておりますから存じておりますが、整理される人の男女別をお聞きしております。それは又あとで結構でございますから、各省別に整理される人の男女別をお聞かせ願いたいと存じます。  最後に私ちよつとお願いがございますのですが、最近婦人が働いております場合にも、非常にこの一家の生活の責任者となつて働いている人も随分ございます。或る調査ではございますけれども、全職場の三分の一はそういう生活の責任者として婦人が働いておる。又そのうちの八〇%は、一家の生活費の大部分をお家に入れているという人も八〇%占めているのでございまして、婦人の労働がそういう経済的な一つの大きな責任を持つてつております傾向にだんだんなつておるのでございますから、どうぞ婦人のそういう立場を十分御考慮下さいまして、單なる封建的なる考え方で馘首の対象にならざるように要望いたしておきます。
  142. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) 何か誤解しておられるようでありまするが、この整理人の中の性別というものはございません。総体の定員の中でこれだけ整理を要することになつておるのでありまするが、その整理は各省庁の実情に応じまして最も納得の行く方向にその所管の長官に任せてございます。私実は厚生省の関係におきましても、厚生省というのはああいうたちの役所でありますものでありますから、子供を持つておられる未亡人などの就職を頼まれて使つておるのでありますが、こういうものについては私配慮してくれということもぼつぼつ或るところから出ておるのであります。大体そういうふうなことも考えまして、そういつたような個々の人たちの実情等もございますので、整理の基準というものを機械的に男が何割、女が何割というふうにきめませんで、実情に応じて最も納得の行くような整理を行いまするようにいたしております。従いまして繰返して申しまするが、この男女別によつて封建的にものを考えるというふうなことは全然考えておりません。
  143. 楠見義男

    ○楠見義男君 ちよつと労働省の政府委員のかたにお伺いしますが、先ほど職業安定所の、安定官署の問題で労働大臣は主として内部の管理事務についての整理を行なつておるので、現業的な仕事に従事している人については整理を行なつていない、というようなお話がありました。実は收集いたしました資料によりますと、職業安定所で物資需給調整関係仕事、これは食糧関係で、或る程度復活増加いたしておりまするが、このほかに、連合軍労務供出関係が特に多いのは失業保險関係で三千九百九十名のうちで二百名の整理が行われるように承知いたしておるのでありますが、これらの仕事は全く管理事務で現業的でないのか、この点を政府委員のかたからお伺いいたしたい。
  144. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 失業保險特別会計におきましては、現在の定員二千四百五十九人につきまして百七人の整理を行うことになつております。百七人の整理を行うことといたしておりますが、その内訳は管理事務につきまして三十七人、日雇失業保險につきましては、御承知のような状況でありますので、全然整理はいたしておりません。ただ、一般失業保險関係におきましては、最近の失業保險金支給の状況等も勘案いたしまして五%、七十人だけをいたすということに相成つております。なお一般会計の終戰処理費の問題でございますが、終戰処理費も、これは僅かに十九人の整理、物調法関係が百五十六人、職業紹介の現状につきましては、管理の事務だけ百十四人、職業紹介の減員は一切いたさない、こういう仕組みに相成つております。
  145. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の一般失業保險について五%の減というお話ですが、一般失業保險の現況に鑑みというお話でありますが、それは件数が漸次減つて来ておるのですか、どういうことなんですか。
  146. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 一般失業保險の保險金の支給の事務に従事する職員でございまして、昨年の八月は月十四億五千万円程度まで支給いたしておりましたが、最近におきましては、保險金の支給額も漸次十億前後に減少して参つております。そういう現況であるということも併せ考えまして、五%という低率にいたした次第でございます。
  147. 赤松常子

    赤松常子君 龜井基準局長お尋ねいたします。労務加配米を扱つておられましたかたが千三百十七人でございましたのですが、主食統制撤廃が中止されましたので、この人員はこのまま存置するというふうに考えてよろしうございましようか。
  148. 龜井光

    政府委員龜井光君) 一千三百人は、これは基準関係と職安関係を合せました数でございます。私のほうの関係だけは七百十人でございまして、この整理率は、一般の食糧関係整理率の二五・七%、百八十二人減るという数字でございます。
  149. 楠見義男

    ○楠見義男君 ちよつと、今の基準局長と、それから齋藤さんですか、お二人にお伺いするのですが、今の食糧関係で、一般整理率二五・七%と同率にしておるという点についてのお話なんですが、これは多少意見になるかと思いますが、一方の食糧の統制撤廃ということが前提になつて、而もその方針政府は依然として維持しておられて、その基礎の上に立つた二五・七%の整理なんですか。そのあなたのほうの仕事は、従来通り食糧の加配事務とかそういうものが引続いておるということを前提としての存置なんですね。そこで加配の対象になる人間は、別に二五・七%減つたわけではなくて、むしろ先ほど来の話で行けば、殖えることこそれあれ減ることはないという状態ですね。それを一律に二五・七%で以て整理して、それを甘受せられておるという気持が実はよくわからないのですが、それはできるのですか。
  150. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) 只今のお話ですが、今回與党修正で直しました食糧管理庁定員は、米の配給統制は四月以降ずつと続けて参るということで一般事務の能率化と、それから麦の統制撤廃は是非行いたいと思つておりますので、それを織込んだ数字といたしまして、二五%、労働基準局の扱いまする、それから職業安定所の扱いまする労務加配米の関係、それから運輸省の船用米の関係は両方とも同じ前提に立つておるものであります。
  151. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は時間が長引くと思つてわざと管理庁長官答弁を求めなかつたのですが、管理庁長官がそういうことをおつしやると、少し議論がほかのほうに行つて又長引くのですが、それは政府主食統制撤廃というものを前提にして、そうして五割二部近い整理をお考えになつて、その整理する人を一月から三月までの間に半分、四月から六月までの間に半分、そこでああいう不恰好な附則がついて、若し統制撤廃にならないならば、復元するという、人間を半分を戻しただけなんで、基礎の二割五分という点については、これは同じなんですね。だから私は言つておるのは、飽くまでやはり政府としては統制撤廃のどこかに面子だけでも残したいというお気持があるかどうか知れませんが、そういう基礎の上に立つておられると思う。それでないと、二割五分というものの基礎は全く私は出て来ないと思う。そこでそういう問題になつておる。その率を、統制撤廃なしに現状で続き、而も対象の労務者も一向変つておらないというところがその同じ率を被せられて、それで甘受しておられるという気持がよくわからないのですが、これは寛大な気持なんでしようが、それを二割五分でやつて行けるという根拠をお伺いしたいというのが私の質問で、これは大臣じやなくて、事務当局の意向をお伺いしたい。
  152. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 二五・七%職員の数を減らしてやつて行けるかというお尋ねでございますが、私どもといたしましては、適当に事務は簡組化できるものもありますればそうした点を簡素にいたしまして、これでやつて参りたいと考えておる次第であります。
  153. 楠見義男

    ○楠見義男君 それでははつきりいたしたいのですが、現在の物資需給調整事務の人は、労務加配の仕事のほかに、日雇いのほうの仕事人員が非常に不足しておる。従つて恐らくこれは私どもよりもあなたがたのほうがその現状をよくお知りになつておると思いますが、そういうふうな忙しいところで以て更に二割五分余の削減をされるということは、私に大変な問題だと思つてつておるのですが、そうすると伺いますが、六百七名という人間は今までも食糧関係事務だけをやつておるのかどうか。この点を一つ伺います。
  154. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 御承知のように、物調関係安定所日雇六百七人でございますが、この人の事務といたしましては、物調関係事務として定員が入つておりますが、事務の繁閑に応じましてはやはり日雇の紹介のお手伝をすることもあります。それと同時に又一般の職業紹介の事務をやつておるかたがたが物調の事務のお手伝をすることもあります。従いまして安定所の総定員として彼此融通し合いながら費目別にはそういうことになつておるのでありますが、安定所としては総合的な機能を果すようにしておりますので、この程度の減員で十分やつて行けると、かように考えておる次第でございます。
  155. 楠見義男

    ○楠見義男君 そういたしますともう一点お伺いいたしますが、先ほどお話なつ事務の簡素化、或いは能率化等適当な方法を講じて、その減員はカバーできると、こういうお話なんですが、その具体的な、どういうふうなことをお考えになつておるのか、その点をお伺いいたします。
  156. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 具体的にというお尋ねでございますが、目下そうした線に沿うて考慮をいたしておる次第でございます。
  157. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、現在の職員で、実は私がこうやつてつておる意味は、日雇関係の人々は大変だ、朝早くから夜遅くまで、それから事によつては三交代すべきところを二交代でやつておるとか、大変だからというので、という話を伺つておるのだから、こういうことを聞くのですが、そういう前提の事実をあなたはお考えになつておるのか、なつておらないのか、その点を伺います。
  158. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 日雇の職業紹介の事務が非常にむずかしい困難な問題でありますることにつきましては、私も十分承知いたしております。なおそれと同時に、物調の六百七人の人々も事務の繁閑に応じて日雇の紹介にも従事し、又一般の人々も物調関係事務が忙しいときには、こちらのお手伝をするということで、彼此融通し合いながら、安定所の総合的な機能を果しておるという、この点につきましてはさように考えておるものでございます。
  159. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、それじや最後に、いずれ労働関係のときに詳細に又お伺いいたしますが、この席では一点だけお伺いしておきたいのは、職業安定局長ですかという立場で、この整理で完全に責任を持つて職業安定所の仕事がやつて行けると、こういう御確信を持つておられると了承していいですか、どうですか、その点を伺います。
  160. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 今日安定所の職員のかたがたが非常にお忙しい、困難な仕事に従事しておることにつきましては、私もそういうふうに存じておりますが、この定員の範囲内におきまして、役所の内部の事務だけはできるだけ簡單にして参りまして、特に現業関係につきましては支障のないように、安定所の職員にも更に一層御奮発を願いまして、現業事務に支障のないようにやつて参りたいと、かように考えておる次第でございます。
  161. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは労働関係質疑応答は、この辺で終了したと認めます。  先刻藤野経済安定委員質疑をされたのでありますが、政府側が出られなかつたので、この際藤野君の御質問を願います。
  162. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 別な機会に説明があつたのか存じませんけれども政令諮問委員会の設置の目的、その権限、又政令諮問委員の人選の方針、これを承わりたいと思うのであります。
  163. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) このことだけの御質問でしたら、本来なら内閣官房長官のほうからお答えしたほうかいいと思いますが、人選の方針等については私存じませんけれども、その他のことでは私の承知している限りでお話を申上げます。政令改正諮問委員会は、内閣総理大臣の私的な諮問機関とお考え下さればいいと考えます。ただこれには一つのいきさつがございまして、五月にリツジウエイ総司令官から、終戰以来連合軍総司令部が或いは指令を出したり、指示をしたり、勧告をしたりした結果、行われたところの諸般の制度等がありますけれども、これは独立も間近になつた今日、日本側でレヴユーしてくれておるし、その結果自分のほうも納得できるのならば変えるというお話がございました。でそれに応じまして、政府側としても総体的に終戰以来の諸般の制度をレヴユーいたしておりますが、これについてはいきなり政府事務的にこれを検討するというふうなことよりも、むしろ国内におきまして、或いは経済的な方面とか、或いは教育的な方面とか、文化的な方面とか諸般の学識経験者を選んで、そうして一応そういう人たちの意見を聞いて、その意見を参考にして、そして政府としての意見を出すほうがよろしかろうというふうに考えまして、政令改正諮問に関する相談の人々等を選んだわけであります。その場合の人選の方針としては、国内におきまするいろいろな面における有能な学識経験者を選ぶということが方針だつたろうと思いまするが、その点につきましては、これは私のよく存じないところであります。で、それ以来いろいろな、一等初めには追放令の関係等をやつておりました。その他いろいろな、例えば独占禁止法の問題でありまするとかいうような問題も扱いまして、行政組織機構及び事務人員に関しての問題でありまするが、これは終戰以来連合軍の指令でできたものである、或いは示唆勧告等でできたものも多うございます。で、本来リツジウエイ司令官の声明の趣旨から言えば、そういう部分だけをレヴユーすればいいようなものでありまして、これはもう御承知のように、行政組織というものは総体的な観念がございまするので、そこで従来の行政組織運営の能率化という観点から、それからもう一つ近く予想されまする日本の独立、民主化ということを織り合せまして政令諮問委員会で検討されまして、そうしてこの答申案をまとめられるということになる場合はそういう趣旨でこの委員会によつて行政組織の関係も取上げられるに至つたものであります。
  164. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 その人選は官房長官からやられたから御承知でないということでありますが、国民の半数を占めるところの農林漁業の関係者から人選していないということはこれでいいとお考えであるかどうか、長官の御意見を承わりたいと思うのであります。
  165. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) 実は私就任以前のことでありますし、どういう経緯で人選をされたかということも存じておりません。まあいろいろな問題に関しまして触れて行くわけでありますが、問題の内容に従つておよそ何にでも触れるということになると、例えば行政組織の問題に触れるならば、行政組織というのは国政万般に亘るのだから、或いは運輸、交通云々というような御意見が出るかと思いますが、本来の建前から言いまして、あの政令諮問委員会におきましては、余りに大きな人数の会議をやるというような筋でもない。要するに総理の一つのブレーン・トラストといたしまして、基礎になる参考意見を作る。そうして連合軍の司令部におきましても、政府がいきなり事務当局と一緒に事務的に作つたというものではなくて、一応学識経験者の意見を基礎の参考にしながら作つたものだというところに、一つの安心感というものがあろうと思うのであります。そういう趣旨からいたしまして、つまりこれが決定的にこれできめるというわけのものでもありませんし、非常に広い範囲の面がこれに触れて来る問題でもございますし、個々の問題によりますると、例えば今は主として教育制度のことをやつておられるかと思いますが、必要に応じて人を呼んで聞いておるわけであります。そういう点につきましては、所要の場合に所要の人々の意見を聞くというふうにいたせばよろしいので、たつてこの委員会の中にいろいろな意味における職業代表を入れなければならんという筋のものではなかろうと存じております。
  166. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 政令諮問委員会の答申に基いて、行政簡素化本部というものを設けて、橋本国務大臣が本部長となつて内閣官房、行政管理庁、大蔵省主計局、法務府法制意見局、地方自治庁及び労働省、こういうふうなものが土台になつて研究しておられるようでありますが、今向最も整理の対象となる人員が多いところの農林関係のようなものを、この非公式の連絡機関に入れられなかつた理由はどこにあるのであるか、お尋ねしたいのであります。
  167. 橋本龍伍

    国務大臣(橋本龍伍君) 行政簡素化本部は、これはもう極く中立的な立場のものでありまして、行政簡素化本部を作りまして、この簡素化本部というのは、これは一種の私の仕事を助けてもらう連絡だけでありまして、行政管理庁が当然それの中心になりまして、あとは行政全般に亘つていろいろな面で見ておる人という意味で、大蔵省の主計局は予算面で万般に亘つておりまするし、それから法務府の法制意見局は定員法、設置法というものに全部目を通しておるお役所でありますし、それから地方自治庁は各省の仕事の中で地方自治体に委任事務関係が非常に多く全面的に出て参ります。それから労働省は失業対策というような面から見まして、そういうような総体的な、中立的な人が主になりまして、私の相談役に頼んだわけであります。個々の例えば農業の問題をやるときには農林省を呼んで話を聞く、或いは電信のときには電通省を呼んで聞くというようなことをやつてまとめたわけでございます。私の仕事をまとめるための手助けをやつてもらつた、こういうわけであります。
  168. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは本日の経済安定、運輸労働、その三委員会との連合委員会はこれで終了することといたしたいと思いますが、御異存ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  169. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それではさように決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十五分散会