○
説明員(吉岡俊男君) お
手許に「自家用
電源開発促進に関する件」という資源庁からの
資料がございますので御覧頂きたいと思いますが、現在自家用
水力発電所で
工事中のものは三カ所ぐらいでございまして、これは殆んど
隘路と申すものがございませんが、自家用の
水力発電所をやります場合に、これからやろうというものに対して、最も問題になる点を挙げてみたいと思います。お
手許の表に、二枚目にあります表は、現在各自家用の施設者が
着工を
希望し、早急に
着工したいと言
つて來ている
地点でございまして、これを早急に
完成することが現在最も必要なわけでございますが、これに対しまして第一の
隘路とな
つておりますのは、水利使用の許可の問題でございます。水の利用に当りましていろいろ各種の利権と競合いたす
関係上、県知事からの許可が遅れている実情がたくさんございます。この二枚目の表の日本鉱業の鮫川というのが
福島県にございますが、これは
東北電力とか、或いは日本水素等の競願
関係がありましたし、最近又常磐炭鉱からも出願の意思があり、日本鉱業としましては、これを茨城県下において使います
関係上、県外送電という
ような問題までからみまして、水の許可が遅れているわけでございます。それから
昭和電工の青木という
地点がございます。これは長野県にございまして、流域変更をして青木湖に水を落す
計画でございますが、流域変更をする結果、下流の農業用水の補償問題で引掛
つて遅れております。それから日窒鉱業の川又
地点、これは埼玉県にございますが、地元の漁業権の問題で許可が遅れている
ようでございます。それからあと
東北電気製鉄の石羽根
地点、これは
計画の変更がございましたので、許可の遅れているのは止むを得ないと思います。又同和鉱業の粕毛
地点、太平鉱業の小又川
地点、これはいずれも最初に出願いたしました
地点が、いろいろ地元の総合利水
計画等と一致しなかつたので、県の指示によ
つてそれをいろいろ変更いたしましたので、そういう手続の点で遅れたのでございます。それから電気化学の姫川第四という
地点がございますが、これは
上流に
中部電力が持
つている姫川第三という
地点がございまして、これと一緒に
開発しないと
開発が困難な
地点でございます。それで
中部電力に対して譲渡を要求しておりますが、これは
中部電力としては譲渡を肯んじない共同
開発の問題も出ておりますが、まだ
解決を見ていないのでございます。それから住友共電の兎ノ山
地点でございますが、これは倉敷レーヨンに対する工業用水の問題があ
つて若干遅れている
ようでございます。それから姫川
電力の姫川第七、これは許可がありまして、後で申上げますが、
資金問題で遅れております。それから新日本化学の木ノ本、これは三重県にございますが、流域変更をいたします
関係上、下流の和歌山県のほうで相当
意見がございまして遅れております。それから
東北興業の胆沢第一、猿ケ石第一、これは水利権の問題、或いは
資金の問題等で遅れているのでございます。第三枚目の
地点は、大体水の問題としては問題ないと思います。
次はこの自家用
電源開発を意図する場合に現実に阻害にな
つているという問題でございます。つまり自分のほうで自家用
発電をやろうか、やるまいかという決意を下す場合において阻害にな
つていると思われる点でございますが、それは第二に書いてございます
電力使用割当との
関係でございます。で自家用
発電を
完成いたしましても、それを
從來もら
つておつた割当
電力から減される
ようなことがあるまいかという
ようなことを心配して、
開発計画が遅れているという
関係でございます。
それから又第三番目には、工場と
開発すべき
地点との間が相当違い場合に、送電線を引くと金がかかる。
從つてこれを既存の
電力会社に委託してやれば非常に便利がいい場合に、それが円満なる
解決を見ないということで遅れているものもございます。又こういう
ような
地点関係につきましては、現在
関係方面といろいろ交渉しておりますので、何らかの打開策
はつけられると思
つております。
それからその他としまして自己
資金調達の見通しが困難であるために遅れておる
地点といたしましては、先ほど申上げました姫川
電力の姫川第七、それから工場の拡充
計画そのものがまだ政府においてその
方針が十分きま
つていないという
関係で、それに伴
つて行われる火力
発電所の拡充が遅れるというものが川崎製鉄の千葉工場がございます。それから賠償解除を要するもの、これは特別のものではございますが、日亜製鋼が現在呉元海軍工廠の
発電所を利用したいと考えておりますが、解除がきまりますればすぐに
工事にかかれるというものでございます。以上で終ります。