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1951-11-20 第12回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十日(火曜日)    午後一時五十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     栗山 良夫君    理事            石原幹市郎君            古池 信三君            結城 安次君            三輪 貞治君            小川 久義君            須藤 五郎君    委員            秋山俊一郎君            石坂 豊一君            岡田 信次君            小野 義夫君            高橋進太郎君            加賀  操君            高木 正夫君            山川 良一君            清澤 俊英君            境野 清雄君            水橋 藤作君   政府委員    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君   事務局側    常任委員会專門    員       林  誠一君    常任委員会專門    員       渡邊 一郎君   説明員    建設省河川局次    長       伊藤 大三君    経済安定本部総    裁官房経済計画    室長      佐々木義武君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電源開発計画に関する件)   —————————————
  2. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 委員会を開会いたします。  本日の調査案件は公報で通知申上げました通り電源開発に関する調査を続行いたしますると同時に、請願、陳情の問題につきまして処理を併せていたしたいと存じます。先ず電源開発調査を続行することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ではさよう取進めいたします。  お手許に過日電源開発について計画をせられておりました公益事業委員会経済安定本部、非公式ではありますが、その計画を伺いました自由党並び建設省通産省等の案を説明を伺いましたままに、そのまま一覧といたしておきました。先ずそれぞれの部署に対して質疑をいたしまする前に事務当局からこの一覧表につきまして一応の説明を申上げたいと存じます。
  4. 林誠一

    專門員林誠一君) それではこの表の作り方について及び各般の主要な点を御覧頂きながら御説明申上げたいと思います。  先ず計画機関でありまするが、各省の案がはつきりしない点も大部分ありまするし、建前の相当違いもありますからこの表そのものが非常に正確なものとは言いがたいと思うのですが、一応の主要の点だけを申上げたいと思います。  先ずRBの案でありますが、RBの案はここに出ておりまする需用想定の面から言いますと一九五五年末を目標にいたしております。併し工事そのものは五十五年度以降に跨がつて進めるという態勢になつておりますんで、目標のところの需用想定と、それから進行します年度とが違いがあります。で、工事費のほうは一応竣工までの全部の資金をこれに上げておりますが、需用想定の分につきましては五十五年末をとつてあるということを申上げておきます。先ず公益事業委員会の案につきまして特権という欄は特にこの前の報告書には書いてありませんから、白紙にいたしてありますが、勿論見返資金とか、外資とかいういろいろの資金関係のほかに各種特権をお考えにはなつていると思いますが、表面は出ておりません。それから需用想定、一番最初の需用想定でありますが、この面につきましては公益事業委員会の案は一番明確に出ておりまして、一九五五年末において需用想定四百四十三億、これでバランスするという計画になつております。但しその次の欄に増加電力量というのがございますが、これによります増加電力量と言いますのは開発計画を主にして書いておりますから、この増加電力と言いますのは電気事業開発をいたしまして、一九五五年末に発生電力増加する部分を書いております。そのほかに、表が複雑になりますから省いてありますが、ロス軽減工事、それによつて二十七億を浮かすことにしております。それから自家用の完成による受電増加によつて約十五億増加することになります。ですから今の申上げました二十七と十五とを百五十二に加えて頂きますと、丁度五十五年末には需給関係がバランスするという、はつきりした計画になつています。その次の電気事業開発関係でありますが、これにつきましては他の案がおおむね送配電というような改良工事、又は附帯の工事を含めておりませんので、この数字水力発電所及び火力発電所開発費だけをとつております。その下の欄にございますように、合計出力は七百三十二万六千幾らですか、その増加出力水力火力だけで自家用の分は括弧してありますように、経費もこれには入つておりません。従つて括弧で書いてありますが、受電増加分をこれだけ受けるということに考えております。それから次の平均年増加出力、これは只今申上げました水力火力増加出力工事計画期間で割りましたのですが、この場合には冒頭に申上げたように、五十五年度出力は考えておりますが、工事は六年乃至は七年に一部かかるという形になりますので、一応六年として平均を出しますと、年百二十万キロの割合でできて行くということに相成ります。それから所要資金の点に参りまして、ここに水力四千三百九十二億、火力四百九十九億とありますのは、先ほど申上げましたように改良工事や何かは除いており、純然たる発電所資金だけを書いております。それからその次に国営又は公営を一部含むと書いてありますが、この辺はまだ案そのもの十分練つてないようでして、部分的には公営又は国営でやる分のうちの電気工事を含むものもあり、含まんものもありということではつきりいたしておりません。今後これは政府側調整をして頂かねばならんと思います。合計にいたしまして四千八百九十一億というのが発電、つまり水力火力を含めました開発費に相成ります。その下に括弧として参考に書いておきましたのは、七千八百四十九億円というのはロス軽減工事であるとか、送電線工事であるとか、配電線工事、そういうものを含めました全体の五十五年度までの所要経費になります。そういうことにいたしましてあとほかの案との比較にもと思いまして、今申上げたうちの水力の分だけを引出しまして平均單価を出しますと、公益事業委員会の案では七万三千円というような数字が出ます。それから資材御覧になれば結構だと思います。ただ資材の面では次に申上げる経済安定本部の案だけが比較対照が出ておりますが、セメントの面において相当の違いがある。この辺は今後もう少しはつきりせなければいかんことだと思います。次、一つ飛びまして電気銅が安本案に比べまして多いというのはこれは肯けると思うのです。配電線工事まで含めておりますから当然に計画そのものが銅を余計要するということで余り不思議はないと思います。  次に経済安定本部の案でありますが、これはまあ開発主体というものがこの前お聞き及びのように多方面に亘つております。それから特権としましても必要な法的措置を講ずるということで、内容はまだ国会に対する報告には載つておりません。それとまあ関係機関協力、これは例えば建設省であるとか、公益事業委員会であるとか、電源開発に関する各省協力を要請するという意味であると思います。それからその次の目標でありますが、ここに一つ問題があるのでして、公益事業委員会の案と安定本部の案との目標数字大分違つております。それとの関係が又次の開発計画との面においても出て参りますから、それを一応申上げますと、水力火力別はどうもはつきりした数字が掴めませんで、これは一緒にしております。それから特殊法人特殊法人の分がこれは要するに大規模開発特殊法人にやらせるという構想であると思いますが、次の自由党の案との比較において後ほど申上げたいと思います。それから国又は地方公共団体の分と地点別はつきりわかりませんので、ちよつと比較はつきり申上げられないと思います。それから次の自家用でありますが、自家用公益事業委員会のときには先ほど申上げましたように、自家用ができて、そのうちの三十七万キロ分くらいは電気事業のほうに受電ができるだろうという思想ですが、これから後申上げるのは自家用として利用し得る出力を書いておるようであります。そこに大分性格の違いがあります。で、これによりましてできる出力は六百十二万七千キロという数字になりまして、公益事業委員会の案よりも数字は少くなります。発電所の竣工したときの出力公益事業委員会の案よりも小さくて而も増加目標のところにありまする需用想定幾分高くなるという点はもう少しはつきりしたいと思います。それから年平均増加出力はこの安本案も五十五年までということに非常に疑義がございますが、一応五十五年という表面をとりますると、年百二十万キロになります。併しこれも公益事業委員会と同じように一、二年尻が延びるということになりますと、当然に年百二十万キロが百万キロ以下に下つて行くと思います。それで所要経費のほうもそちらに書いてあります通りですから一応省略をいたしまして、所要経費最後の欄で水力単価とありますが、これの計画内容水力火力別出力の区別と、それから工事費の水、火力別というものが現わされておりませんので、この場合には総合として特にまあ注意をしてありますが、全体として申上げられることは、電気事業開発分については送電線をも一部含むということで御了解願いたいと思います。資材関係ちよつと先ほど申上げたようにセメント大分違いますからここが少し問題だと思います。  それからその次の自由党でありますが、自由党も今後まだ折衝をして内部的に作業をなさると思いますので詳しいことは望み得ないと思うのですが、先ず特殊法人にするということ、それから開発主体特殊法人中心をおいて電気事業者自家用と三者で並進する。特権についてもこの前お聞き及びのように、水利権優先確保とか、税金に対する各種免除措置税金免除は必ずしも特殊会社だけではないように聞いております。目的は大規模水力急速開発ということでありますが、その結果として次に申上げますように、特殊法人開発規模が大きく違つて参るのはその大規模水力急速開発という点がこの違いの起つている理由であろうと解釈されます。と申しますのは、例えば只見川にいたしましても自由党案に入つておりますのは、沼沢沼の上流の所ですか、奥只見田子倉という大きなものは除かれております。差当り着手しやすくて而も工事の進みやすいというものをとつて一九五四年に完成するという目標でありますから、大規模と言いながら本当の大規模のものは一部落ちているという点で違つていると思います。これに対して経済安定本部の案は内容の件名は聞いておりませんが、恐らく上流の大きい地点を含めてその結果百万キロの違いが出ているのだと解釈されます。その辺から……。次に年平均増加出力でありますが、只今申上げたように範囲が多少狭くなつておりまするので、一年当りの増加出力というものは八十一万キロと、前の二者に比べまして大分小さくなつております。それからあと資金関係はまあ調書をそのままとりましたのですから大したあれもないと思います。それから次に水力単価数字を申上げますと、RBの案が七万三千円になつておりまして、自由党の案が七万六千円になつております。これも多少拾いどりで検査をして見たところによりますと、自由党特殊法人開発するという説明にあります地点について公益事業委員会側の資料と照らし合せて見ますと、多少そういう地点RBの案よりも幾分自由党案は高くとつておられます。その点がここに違いが出ておるのじやないかと思われるのです。  次に建設省の案でありますが、これは大きな違いは目標のところに書いてありますように、河川総合開発ということに重点をおいて、まあその案によりますと、その結果電気にも大いに利用できるのだというふうに重点ちよつと違つて参ると思います。従つてその計画に現われました増加電力量といいますものは五十億キロワットアワーで、規模としては大分小さくなります。当然電気事業のほうでやります分は勝手に電気事業で考えるというので、総合開発の面だけを上げている結果小さくなると思います。特権といいますか、これはむしろ治水の面でこういうことをしたいというのでしようが、貯水池及び水の国家管理をやる、ダム運用発電本位でなしに治水面本位でやるという点に大きな違いがあると思います。それから従つて開発合計キロワットも当然部分的のものになりますから小さくなりますが、それはもう御覧通りであります。それから所要資金の点ではこれも一部未定のものもあるようですが、公共事業費で負担する分と、その他という区分が出ておりますから参考にそこに書いておきました。大体の目度といたしましては約四分の一くらいが公共事業費の負担になつているようでありまして、その他の経費、これは将来電気事業者工事をやらせるとすれば電気事業者のほうで負担しなくちやならんものではないかと思つております。水力の單位としましてはやはり地点の取り方の結果かと思われますが、幾分前の二者よりも高目になつております。  通産省自家用関係はこれは御説明するまでもないと思いますが、当然自家用中心にしてやつておられますから、全般の計画としては勿論部分的になる。ただここで申し上げておかねばならんと思いますのは、自家用開発計画そのもの安本或いは自由党の案に比べまして多くなつております。これは今後融資希望のもの、未確定のものまでも含めて通産省としては一番先がよくわかつておられますから、その数字をそのまま載せたのだということで大きくなつているのだと思います。  それから資金調達方法でありますが、これはまあ御覧下されば一応わかると思いますが、非常に資金の面ではつきりしておりますのは、この案のように三本建で特殊会社財政資金を八割投入する、それから電気事業に見返資金を向ける、自家用開発銀行という線が一番はつきり出ております。公益事業委員会のほうは外資を非常にまあ望んでおられますから、調書には書いてありませんが、括弧で示しておるということであります。それから安本の方策としては、そこにも書いてございますが、非常に広汎なことを考えておられるようですが、まだはつきりと現われていないようですから、今後又おきめになると思います。  以上のようなわけでありまして、数字的には、今後関係官庁でよほど調整して、内容を明示して頂かないと、直接の比較はむずかしいと思います。
  5. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 一応事務当局から各案に対して説明を申上げたわけでありますが、各議員からそれぞれ御質問を続行願いたいと存じます。只今政府側からは、通産省安定本部建設省それぞれ御出席になつております。公益事業委員会はもとよりであります。自由党のほうの内容につきましては、前回説明を願いました石原議員が、今日はお見えになつておりませんが、その点お含みおきを願いたいと思います。  ちよつと一点、事務当局只今一覧表の中で伺つておきますが、数字の問題ですけれども、「平均年増加出力」で、経済安定本部がR・Bと同様に、百二十万キロワット・パー・イヤーということになつておりますが、これは経済安定本部計画の第一期工事だけですと、これだけにならないように思いますが、その点は如何ですか。
  6. 林誠一

    專門員林誠一君) 只今の点は、一期、二期の時期の区分も明記しておりませんし、多少不備とは思われましたが、通算して出しましたためにかようになつております。それから年百二十万キロワットという数字の出し方も、一応五十五年度までと考えておりますから、五で割つたという單純な理由でありまして、これが後年度に延びるというふうに考えますと、R・Bの案を六で割りましたと同様に、これも六で割るほうが妥当ではないかというふうには考えられます。
  7. 結城安次

    結城安次君 建設省のところで、増加電力量が五十億キロワットアワーで、それが建設すべき水力は、百七十三万八千キロ、これで五十億という非常な桁違いの少い数字のように思いますが、如何ですか。
  8. 林誠一

    專門員林誠一君) お答えします。只今の御質問を、安定本部の分と比べますると、約四分の一ぐらいになりまして、安定本部計画通り括弧で書いてあります百九十八億ということになりますと、やや近いものにはなると思いますが、幾分キロワットアワーは少いかと思われます。その点はダム運用そのもの発電本位で考えてもおられないようですし、その辺はどういう貯水池回転率をお使いになるか、建設省のほうのお話をもう少し伺いませんとお答えいたしかねます。
  9. 結城安次

    結城安次君 お尋ねいたしますが、この「目標」のところの、例えば安本の四百六十二億というのは、年六百十二万七千キロワットに対して、四百六十二じやないですか。六百十二万七千キロに対しては、百九十八しか増さんという意味ですか、これは……。
  10. 林誠一

    專門員林誠一君) 只今の点は、こういうふうに申上げたらいいかと思います。「目標」の欄で見まして今お話安本で見ますと、昨年、一九五〇年度末の需用電力が二百六十四億である、それが五年乃至六年後には四百六十二億になるのである。従つてその中間が増加キロワットアワーを現わすということで見て頂けばよいと思います。
  11. 結城安次

    結城安次君 私の伺つておるのは、今後増設すべき水力火力が、安本計画によると六百十二万七千キロワットというのが増設されるものと了解していいですか。それに対して百九十八億増すのだと、こう了解していいのですか。
  12. 林誠一

    專門員林誠一君) さようでございます。その通りでございます。
  13. 水橋藤作

    水橋藤作君 資金調達方法につきましてちよつと伺いたいのですが、自由党案のみが見返資金を見ておりまするが、経済安定及び建設、通産のほうでは見返資金に頼つていないというところから見まして、自由党案としての見返資金調達には相当の自信がありますかどうか。それから又官庁側のこの三者の案には、見返資金を全然当てにしていないでやれると見込み、又見返資金当てにしないのは見込ないからか、或いはほかの方法によつてやれる見通しを持つておられてか、その点各省及び安定本部自由党側からそれぞれ説明願いたいと思います。
  14. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) この表の最後にある、安定本部の、「資金調達方法」のところの内容がよくわからないのでありますが、この前に御説明申上げましたように、今までの資金を出すルートといたしましては、見返資金からは電力会社に……、專ら政府資金説明をいたしたいと思いますが、見返資金からは電力会社に一本で出すというルートになつております。それから自家発電に対しましては、日本開発銀行から資金を出すというルートになつてございます。それから建設省関係には、これはまあ国営のもの或いは県営のものがございますが、それに対しては公共事業費或いは資金運用部資金からの地方債の引受で賄うという資金ルートになつてございます。それからもう一つ特殊法人の問題でございますが、この特殊法人資金に関しましては、一般会計から一部出しまして、残余の一部は資金運用部資金から出したい、こういうふうに考えてございます。
  15. 小川久義

    小川久義君 この五つの案がありますが、通産省自家発電重点を置いて考えておりますが、建設省治水、利水の面から重点的に考えた附随した電力を考えておる。まあこれは特殊なものだと思いますが、あと三つはおのおの計画されておるが、国内で発電個所というものは相当数あるのですが、その地点が殆んど重複することになるのじやないかと思いますが、この点どうなんですか。例えて申しますと、只見川なら只見川というものが一つある。あと三つはどうなるか、只見川発電計画とタブつておるのじやないかと、こう思いますが、どうなんですか。
  16. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) この前にも申上げましたように、公益事業委員会の案並びに建設省通産省、農林省、運輸省の案をそれぞれ安定本部といたしましては聞き取りまして調整した案になつておりますので、その原案のままで公益事業委員会なり、建設省なり、通産省なりと並べますと、当然ダブつて出て来ることになります。
  17. 小川久義

    小川久義君 そのダブつておるのじや困るので、いずれにしても結局は一つなんで、同一になるわけなんですが、その、ダブつた案ではなく、どの発電を一番先にやれば最も金がかからないで電力が余計出るかとか、それからいろいろの條件のいいもの、特にこの九分割によつて御承知の通り條件の極めて悪い所とさほど悪くない所とある。三十年来にない渇水だと言われても、いい所と悪い所とでは格段の差がある。そういうことを勘案されてやるにはいろいろの角度から見て、こういうばらばらのあつちでもこつちでも案を立てるのじやなくて、一本にまとめて実態に即したような発電計画をお立てになるほうが一番いいのですが、それに対してどうですか。
  18. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 先ほど説明いたしましたのは、この事務局のほうから出した案自体がダブつていないかという御質問かと考えておりまして、先ほどのような御説明を申上げたのでありますが、安定本部総合いたしました案では勿論地点的にはダブつておりません。調整してございます。その調整方法といたしましては、この前にもお話申上げましたのですが、一定基準を設けまして、少し詳しく申上げますと、水力に関しましては大体五つ基準を設けて調整してございます。Aと申しますのは、現在継続工事中のもの及び二十六年度着工予定のもの、或いはB1といたしましては、附帯的な諸問題が主に解決いたしまして、且つ電力的効果の大きいもの、B2といたしましては、企業形態水利権の諸問題が未解決であるけれども、民営電気事業としてすでに計画が立案されておるもの、又は総合開発の意義の大きいものの中から中規模水力発電を選ぶ。C1としてはその他の地点中大規模地点を選ぶ。C2としてはそれ以外のもの。火力に関しましてもそれぞれ一定基準を設けまして各省の案を調整いたしまして重複しないように、而もどの地点を優先的にやつたほうが一番効果があるか。それを資金の面、それからさつき申しましたいろいろ開発を伴う諸情勢を吟味いたしました上で序列をきめて秩序正しく案を作つております。
  19. 小川久義

    小川久義君 先般の九つ電力会社の様子を聞きますと、九つ電力会社がそれぞれ五ヵ年計画、大体五ヵ年計画つたと思いますが、発電計画をした。それをぶち壊してここにまとめるつもりか。これはよほど……自由党のほうに言わせると新らしい会社のようなものを作つて、そこで発電をやらせると言う、公益事業委員会公益事業委員会計画がある、実際の電力会社は先ほど申上げました通り九つがそれぞれ少くとも二百個所ぐらいの発電計画がすでに立つておると思う。そこで今まで三つの案がある、先ほど申上げました二つは主たる目的が違うのですから、これを別にいたしましても三つの案がある。これをどういうふうに……今聞きますと調整してあるとおつしやいますが、電力会社のすでに計画し、事業に着手しておる分に対してはどうも僕は何ともしようがないのじやないかと思う。而もこの三つの案には安本の案は調整してあるかも知れんが、これは自由党の案にしても地点が可なり重複しておるように患われる。これを調整するのはどこでやるのか。又具体的な実施計画をそれぞれ立てるのには発電所に支障がある。又今年のような電力の危機に直面しては間に合わないと思う。そういう点は政府内においてあつちでもこつちでも案を立てるのでなく、又営利会社である電力会社が足らんだけ自分の需用家に満足を與えようとする計画を立てることも当り前のことであるそういうものまでもぶち壊してこの一つの案にまとめるつもりなのか、その点を伺いたい。
  20. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 前段の問題から申上げたいと思いますが、御承知のように各省でそれぞれ従来立案をしておりまして、その各省の立案に従いまして計画を実施しておつたのでありますが、今後統一的に、総会的に開発を速めるとなりますと、各省のそれぞれの案をどつかで統合し、調整する要があるという首脳部の御意向がございましたので、各官庁総合官庁たる安定本部がこれをまとめるのが至当であろうということになりまして、先ほどから申上げたように各省の案を一応調整した次第であります。それから九電力会社並びに公益事業委員会の案との関係如何という問題でございますが、公益事業委員会のほうではあとで御説明があることと思いますが、九電力会社のそれぞれの案を取りまとめまして、公益事業委員会の案になつておるものと承知しております。そこで公益事業委員会の案と安定本部の案と、従つて公益事業委員会の五ヵ年計画安定本部の今度の案とはどういう差異があるのかという御質問かと思いますが、殆んど公益事業委員会の案はそのまま採用してございます。ただ資金面で若干御要望通り資金というものは政府資金としてなかなかつきかねるのじやなかろうかというふうな懸念もございましたので、若干これを調整いたしまして、政府資金といたしましてはたしか四百二十億と記憶しておりますが、四百二十億ぐらいで組んだらどうだろうかと、併しもつと努力する要がありますので、大体政府資金として五百億というふうな目安で公益事業委員会の五ヵ年計画案の初年度或いは爾後の案をそれぞれ調整したらどうだろうというような観点から調整してございます。
  21. 小川久義

    小川久義君 これは余り案いじりのようになつてしまつて、金さえ出せばどこでもできるわけだ、その点を十分御検討願わないと、九つ会社がそれぞれ真剣な計画を立てておると僕は信じておる、こないだの話を聞いても……。これは自分の会社自体が営利会社である、金を儲ける会社である。従つて需用家に対して満足を與えるという熾烈な気持も窺われる。ところがそれで足りないのは、金だけなんだ。こういう計画いじりであるとか、又総合調整をするのは、今考慮するのはおかしいと思う。金だけあればできると思つておる。九つ電力会社は口を揃えてそうして需用家に満足をさせ得ると言つておる。その金さえ出せばいいのであつて、人の計画をしたものまでも喙を入れて、却つて僕はその発電の促進に支障を来たすように思われる。政府がやつたから、安本がやつたから金が出るというものでないはずなんであります。電力の安定のためには国が金を出すことは当然なことであつて安本がやると政府資金が出やすいとか、電力会社に貸すことはむずかしいということであつては、需用家が困ると思うので、この点はどうも私納得行かないのです。金さえあればできると言つておる。一方には日本中の九つ電力会社が金だけで困つておるので、金さえあれば完全にあなたがたの御期待に副うようにすぐできる。又需用者に満足を與えることができますと言つておる。そうすればそこえ金を出すほうが一番近道じやないかと思います。その点に対してどうなんですか。余りにも計画いじりに目を暮しておつては……。
  22. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私もそれでは政府にこの問題に関連してちよつと伺つておきたいのでありますが、これはこういうふうに解釈していいのじやないでしようか。今小川委員からもいろいろ言つておられまするように、各電力会社でもいろいろ事業計画し、又現に遂行しつつある。それから建設省でも国でやつておるものもあり、或いは都道府県公営相当いろいろ開発計画も立ててやりかけておる、こういうものはできるだけその筋でやらして、只今話がありましたように、その資金面において見返資金をできるだけそれにつけてやるとか、或いは開発銀行のほうから融資ができるようにするとか、まあそういうことで押して行つて、今回国で大いに考えたいということは、急速に大きな電力一つ起したいという意味でそういうところへ任しておいてもなかなかやれそうにもない、而もこれをやることによつて相当電力を出し得るというところを国家資金財政資金でこれを強力にやつて行こう、同時にそれと併せて河川総合開発であるとか、各省計画を併合してこの際できれば調整をとつてつて行きたい、こういうふうな考え方のように私は理解したんでありまするが、それでいいのじやないでしようか。
  23. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) その通りでございます。
  24. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 どうですか小川さん、それならいいんじやないでしようか。
  25. 小川久義

    小川久義君 今石原委員の言われたのはこうなんですか。九つ電力会社なり、他の建設省建設省で治山治水の面から主に考えて自由に電力を起すという考え方、通産省自家用発電開発したいという考え方、これは別なんですね。そうして今石原さんの言われるようにそういう電力会社に任しておいてはできにくい、これは僕は原則的には電力会社でやるのは当然だと思うのです。九つに分けたことがいいか悪いかに対しては議論はありますけれども、一つの区域に指定してそこの需用量もはつきりし、供給量もはつきりしておる以上は、その電力会社個々に真剣にそれを遂行させるのが建前だと思うが、それはそれでやる、その手に合わんものを国が援助してやる、金を出してやるということなんですか、それならわかるのです。
  26. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 電力会社で本来計画いたしておるのでありますが、先ほど申上げましたように五カ年計画と思つておりまして、それぞれ九会社電力を合せましてやつている分、その部分に対しましては勿論そのまま実施したいという意向でございます。それから建設省並びに通産省でやつておりますのはそれぞれ目的がありますので、その点も資金その他でき得る限り合せまして……但しそのいずれでもなかなかできかねるのでありますが、或いは種々総合利用等の観点から国の資金主体とした別途の会社でやつたほうがこの際適当だと思われるものに関しましては、特殊なる会社を作りまして別途にやらす、こういう考えでございます。
  27. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 小川君の御質問の要点がちよつと答弁者のほうに理解されていない点があるのじやないかと私は推測するわけです。それは小川君の御発言の内容は、結局九会社個々に計画を立てているという意味は、ここで一応全国的な需給バランスのとれるように計画はされておりますけれども、相当重点的な開発になるために、この計画でやつた場合に各ブロックの需給バランスが果してとれるかとれないかということが非常に御懸念になつているのじやないかと思うのです。従つて例えば或る地区で計画を立てている。ところがそのうちの主だつたものを重点的に国が特殊法人を以てやるという場合に、そういうように大規模開発をされた電力がその地区の会社の需給バランスの枠から外れてしまう。そういうものをどういう工合にしてその地区へ結びつけるのか。結局電力の将来の配給の問題になるわけです。具体的に申しますれば、只見のああいう大電源を開発した場合に、その起された電力は東北へ行くのか、東京へ来るのか、或いは北陸へ行くのか、中部へ行くのか、そういうことが非常に御懸念になつているので、その点を明確にして頂ければいいのじやないかと思います。
  28. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) この特殊会社発電いたしました電気の融通の問題でございますが、現在までのところでは、この特殊会社電力の建設のみにとどめまして、できた電気設備その他は貸與又は売渡すという考えが一つと、そうでなくて電力そのものを売るという売却制度、従つて爾後の運営まで特殊会社がやるのかというその問題に関しましては、まだはつきり見当がついてございません。併しいずれにいたしましても、案の組み方といたしましては、大体今の日本の主な電源の所在地はどちらかと申しますと、需用の緊迫とた個所には余りなくて、需用の余りないと申しますか、それほど窮屈でない地帶に多いように見受けられます。或いは東北地帯、或いは四国等には非常に電源としての適当な地帯がございまするが、需用といたしましてはそれほど現在大きくございません。そこでそれでは地区別の需給のみを優先してその地区に需用が多いからそこだけを発電すればいいのかという問題になりますが、この作りました案では、できるだけ電源のある所は、有利な所は、先ず電源を起しまして、爾後足らないところにそこから融通してやる。例えば四国では四国で電源を開発いたしまして、その電気を中国或いは九州のほうへ送電したらどうだろう、こういうふうな建前をとつてございます。
  29. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 私は先ほどからの質疑応答に関連して、大体原則的な考え方としては、石原委員のおつしやつた御意見に賛成なんですが、この際具体的な問題で一つ聞いておきたいと思うのです。と申しますのは、この前の委員会公益事業委員会からの電源開発の御説明に松永委員長代理が立たれた際に、これは九州電力に関連してでありますけれども、刈田の発電所をやめて宮崎県の綾南川の開発をやることにしたという御発言があつたわけであります。ところがこの綾南川の発電所開発は実は県で前にもう計画をいたしておりまして、今年は調査費を組みまして、実際調査を県で始めているわけであります。こういうふうに地方公共団体計画をしているものと、一方又電気事業者をして開発せしめるという公益事業委員会計画がダブつている一つの例でありますが、この今日頂いた一覧表の中で、建設省開発計画でありまする百七十三万数千キロの中には、一体これは今の綾南川の公共団体の公営として開発をしようとする計画が入つているのかどうか。又それが一面公益事業委員会電気事業者をして開発せしめる六百万キロの水力の中にあるものが入つているのかどうか、或いはダブつているのかどうか、この点を一つ具体的な問題でありまするが、伺つておきたいと思います。
  30. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 私のほうに出ております百七十三万八千、この計画というのは、実は安本の六百十二……全国の水の問題に対する検討となつているわけではないのでありまして、実は私どものほうの観点は、実は総体論といたしまして地方的利水或いは一般利水に関係するような多目的な堰堤についてはどうしても一元的な監督が必要である。又ダムの創設が必要であるということで、大体その県営という点を主張して参つているわけでございます。実は具体的な今の綾南の問題は、実は今お話通り私どものほうへも、県からいたしましてその計画を今調査し、自分のほうがやりたいと、こういう意見が出て来ているわけでありまして、これをどういたすかという問題については、目下県といろいろ話をいたしているわけでございます。
  31. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 実はこの件は、県のほうでは、公益事業委員会のこの計画が、それにつきまして寝耳に水で実はびつくりいたしまして、知事が先日上京して来られたのであります。実は九州電力としては、水利権の許可者である知事に対して、そういう具体的な申出がまだ出ていないのに、宮崎市、或いは県、旭化成工業といつたような三つ開発をしたいというものがありまして、競願しているという形になつているわけであります。それにこういうふうな突如として公益事業委員会電気事業者をして開発せしめるという案であるということで、県では非常にびつくりしているわけであります。こういう場合に、実は水利権の許可者は知事である、それに何らの御相談なしに電気事業者をして開発せしめるという計画をされた場合に、これは、この前自由党の案であります特殊法人の案を見ましたが、これによると、或る場合には公益事業委員会が権力を以ちまして水利権をば何々の会社にやれというふうに命ずることができるようになつておるようでありますけれども、実際にはそういう会社はできておらないのでありますが、そういう場合には水利権関係はどうなりますか。
  32. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 水利権の許可問題は先ほど仰せの通り、知事においてこれを許可いたすのでありまするが、許可するに当りましては、建設大臣の認可を得る。それと共に一方電気事業といたしましては、一般供給の問題につきましては公益事業委員会がその電気事業の問題について許可せられるわけであります。自家用の問題になりますと、通産省関係電気事業の問題が入つて来るわけであります。ただその許可を受けるものの主体でございますけれども、全然架空なものに許可するということはこれは到底できないことであります。現にある会社でありますれば、これは問題ないのでありますが、新たに会社ができるという問題になりますれば、その会社の設立のいろいろの手続を経ました書類と一緒に  これを出して頂きまして、それと併せて見て行くという方法に出るよりいた  し方ないと思つております。
  33. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 この地方公共団体公営の問題につきましては、さつきも石原委員から言われましたように、これは絶対量が足らない今日でありますから、理想的に言えば小川さんが言われたように餅屋は餅屋で電気事業者にやらせるというのが或いは理想的かも知れませんが、絶対量が足らない、応急の開発をしなければならんという必要性に迫られている現在でもありますし、又県といたしましては、或いはその他の公共団体といたしましても、帝に電力開発するという以外に総合的な河の開発等の計画を持つているわけであります。そういう場合には一つどこまでも電気事業者で、或いは特殊会社にやらせなければならんというような考えでなしに、石原委員の言われたような考え方に立つて地方公共団体のほうへ、或いは自家用事業者の自家発というような面も一つ推進できますように一つ御指導願いたいと思います。これで私のこれに関連する質問を終ります。
  34. 結城安次

    結城安次君 ちよつと建設省にお伺いしますが、県の申請、こう某に許すべしという申請と、東京の建設省或いは公益事業委員会との意見の一致を見なかつた場合には、これは結論はどうなりますか。
  35. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 只今の許可権の問題は先ほど申しましたように、知事にございますのであります。そこで知事から、まあ手続を申上げますと、電気事業者電力のほかに、水利権の許可の申請がございますると、知事はそれにつきましていろいろの意見を附してこちらへ申請があるわけであります。その場合に一通は一般供給の問題とすれば、例をとりますればこれは公益事業委員会、一通は建設省のほうへ出て来るわけでございます。そこでこの問題につきまして両者で相談いたします。私のほうといたしましては、大体水利権の問題につきまして他の水利権の問題がございますから、これとの調整問題を第一に又考えなきやならん、もう一つ治水の問題も考える。これらの観点からいたしまして、その水利権を許可していいか惡いか、なおその條件について、知事が附けておる條件が又いいか悪いかを検討いたすわけでございます。その場合知事の條件について苛酷なものがありますれば、これは知事にいろいろと勧告いたしまして、そうして又監督権を発動いたしまして、そうしてこれを是正するというような方法をとります。なお他の水利権の問題で、他省に関係のありまするもの、例えば漁業権とか、その他の問題がありますれば、これを他の官庁に照会いたしまして、そうしてそれらの関係調整に当つておるわけでございます。それで知事と国との間に意見の相違がございまする場合には、これは事実上の話合いをいたすのと、ときによりましては監督権を発動いたしまして、そうして知事の権限にも修正を加える場合もあるわけでございます。
  36. 結城安次

    結城安次君 只今私は意見の一致を見なかつた場合、建設省或いは安本あたりの勧告を知事が聞かなかつたという場合に、結局はどこが最高の権限を持ちますかということを伺つたわけです。
  37. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) これは水利権最後の監督権は建設大臣が握つておりまするから、建設大臣において知事に対して必要なる命令を出しまして、それに合うようにいたして行くわけでございます。
  38. 小野義夫

    ○小野義夫君 今のに関連しまして、関連質問でありますが、今の水利権最後に意見の調節という権限が果して建設大臣にあるのかどうかという問題をもう少し明瞭にして頂きたいと共に、ここに今の大体考え方、石原君の御意見のような考え方でいいのでありますが、私は技術士に大きな問題が残ると思うのであります。それは各電力会社若しくは建設省の公共事業等が銘銘の所見を以てやりますと、今度は皆それぞれ一番安くて都合のいいものをやるということになります。而して今度は特殊の、つまり国家的の企業をやる場合には、大企業をやるということになるのでありますが、これが当面の企業のみをやりますと、今度は大企業をやる効果を非常に減殺する虞れが多分にあると思う。それぞれ小さい企業をことごとく生かすというようなものもありましようけれども、場合によりましては小企業を潰さなければ大きな企業ができないというような場合も起ると思うのです。かかる技術上の見解の相違というようなものに対して、どこが電気事業に対して最後の決定権を與えるのであるか。今の水利権の問題と、この技術上の見解の相違に対して、最後的の判断は一体どこがするということに、今の法制上ではなつておるか、それを一点伺いたいのです。
  39. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 水利権の問題については、最高の監督権といたしましては、建設大臣が持つておるものと私は確信するのであります。ただ水利権の問題につきまして、その水利権内容発電事業でありまする場合におきましては、現在におきましては一般供給の問題といたしては、公益事業委員会におきましてこの問題を取扱つておられるものと信ずるのであります。
  40. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 只今の御意見は、公共事業令の第五十九條の3にありまするその前に委員会報告しなければならんように都道府県知事がなつております、申請しなければならないように……。その場合に第三項では「委員会は、発電水力開発を効率的に行うため必要があると認めるどきは、都道府県知事に対し、河川法の規定による処方に関し必要な勧告をすることができる。」この條項とは……これではこの委員会が勧告をするようになつておる。最後的に建設大臣がするようになつておらない。その第二項に、委員会は意見を求められた場合には、建設大臣に協議するとあつて、建設大臣が最後的に勧告するようにはこの公共事業令ではなつておらない。この條項との関係はどうですか。
  41. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 この問題は私は前に公益事業委員会事務総長と応答したことがあるのでありまするが、そのときは事務総長の御意見では、最後の決定権は知事が持つておるが、知事が言うことを聞かないでいろいろなことをやつた場合には、必要な勧告なり或いは国会に報告するなり、そういうことができるのである、こういう御答弁であつたように記憶しておるのでありまするが、重ねて公益事業委員会事務総長からもう一度御意見を聞いておきたいと思います。
  42. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 只今水利権の問題につきましては、河川局の次長から御答弁になりましたのですから、或いはそれで間違いないかと思いますが、私の考えておりまするところでは、水利権に対する許可権限は知事にあると思うのであります。と申しまするのは、特にそういうことまで申上げてどうか知りませんが、今日の知事は各地方におかれていわゆる自治体として選挙せられてなつておるのであります。昔のようないわゆる内務省の管下に置かれておる知事じやないのであります。そういう意味からしまして、仮に今次長のお話しになりましたような意味で監督権がありまするのはありますかも知れませんが、ありましても、実際的には知事の権限というものは強い、又実際問題としましても公共事業令の上から申しましても、私は知事にその権限があると思つておるのであります。従いまして知事とせられては、一つ水利権を許可する必要があるかどうかという場合には、この公共事業令の第五十九條にもございますように、いろいろなそれに対する意見を附けられまして、そうして委員会のほうに御相談になるわけであります。委員会といたしましては、それに対して建設大臣のほうと協議をいたしまして、そうしてその結論を県知事のほうに御回答を申上げる、こういうことになつているわけであります。その場合に若しも先ほどお話のように、或いは建設省委員会との間で話がつかん、或いは又知事さんのほうと、委員会のほうとの間に話がつかんというような場合には、やはり私は最後の決定権は現在におきましては知事さんにおありになると思う。その意味で先ほど石原さんからもお話がありましたように、この前そういうようなことであれば折角の電源開発というような問題を取上げる場合に、大局的に見てまずいことがあるのじやないかという強い御質問がありまして、少くとも現行規定の上においてはそういう恰好になつているので、強いて申すならばこの公共事業令の第五十七條にございますように「委員会は、発電水力開発上必要な調査を行い、その結果及び開発に関する意見を、毎年一回内閣総理大臣及び国会に報告しなければならない。」という規定もございますので、そういつたような点については、やはり委員会としては国会に報告しなければならんではないか。そういう際に国会のほうとして輿論を通じられてそういう点について委員会の意見がよかつたか、或いは知事のお考えのほうがよかつたかというような点は、そういうところで御判断頂くより以外にないのじやないか。それが現在の法令の解釈だと信ずるということをこの前御答弁をしたつもりでおります。
  43. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 さつきの私のは今のでいいのですか。建設省側はいいのですか。河川局次長さんのほうは……。
  44. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと待つて下さい。重要問題ですからもう少し審議をいたします。
  45. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 先ほどの知事との問題でございまするが、現在の私の申上げましたのは少し行き過ぎであるかと存じまするが、その点は訂正いたします。法規の上におきましては、知事が勧告に服さん場合には、現在の河川行政の国家事務に関する限りは委任事務かと存ずるのであります。従つてそういう問題は地方自治法におきましても、この知事に対する問責の規定があつたと思います。ただこの規定によりまして知事をどうこうするというような問題はなかなか困難な問題でありまするので、そういう問題についてはなかなか実行が不可能だと、こう思います。先ほど来の話は訂正を申上げます。(「了承」と呼ぶ者あり)
  46. 古池信三

    ○古池信三君 この問題は非常に重要な問題だと思うのですが、私は今ちよつと伺つてつて、法律論と政治論がごつちやになつているのじやないかと思います。水利権の申請があつた場合には知事は規定に従つて建設大臣並びに公益事業委員会に稟申をするわけです。これに対して建設大臣及び公益事業委員会から知事に対して回答があると思います。従つてその回答によつて実際の許可は発動されるのですけれども、併し知事は必ずしもその回答に拘束されなくてもよろしい。法律上は知事が独断で許可してもこれは有効ではないかと私は解釈するのです。その場合に建設大臣の意見、或いは公益事業委員会の勧告をきかなかつたということになりますると、その点において政治的な問題が或いは起るかも知れない。併し法律上は飽くまで知事が自分の持つておる権限を発動したのであつて、その許可というものは有効であつてあとから建設大臣が法律上これを取消すというようなことは毫もできないのじやないかと私は考えるのですが、この点についてお伺いしたい。
  47. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) この問題につきましては、私は自治法の中に知事の罷免とか何か……罷免でなしに知事に対する問責の問題があつたと思います。その問題を発動するということそのことが現在の行政でなかなか困難であるとば思いまするが、法律上におきましてはそういう規定が入つておると思います。ただその命じた場合に、こちらがそれを取消せと、こちらで違反して許可した場合には、それは違反ではありますが有効である。それを取消せと言つた場合において、知事がきかなかつた場合、こういう問題に対して知事に対するいろいろの処分規定は載つておるのであります。これがなかなか発動が困難であるという点はあります。法理的にはそういう問題に対する対策は載せてあると思います。
  48. 古池信三

    ○古池信三君 そうしますと、これを結論的に端的に言いますと、水利権の許可権は飽くまで知事にあると、かように考えてよろしいですね。
  49. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) そうであります。
  50. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 ちよつとこの際このことに関連して、これは石原さんに聞いておきたいのですが、この前の特殊会社案というものが説明されたときに、これをいずれ詳細検討する機会があると思いますが、この中に水利権に関してどうしても今知事が最後的な許可権を持つておるものですから、これを拘束するために公益事業委員会の命令で以てやらせるという規定があつたと思うのです。これは現在現行法で知事がそういう勧告をしてもどうしてもきかなければやれないようになつておるのですから、それを拘束するためにああいう一項が設けられたのでありますか。
  51. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 これはどうも私からお答えすることはまあ非常におかしいのでありまするが、而もこの法案として正式に審議の対象にもなつておりませんので、ここでお答えするのはおかしいのでありますが、まあ今政府当局との間にいろいろ質疑応答があつたように、非常に問題が多々残つておるのであります。そこで急速に大電源を開発して行きたいというようなときに、そういうことのために半年も一年も延びるというようなことがあつてはいけないという意味で、こういう規定を考えておると思うのでありまして、これは私はそう思うということだけでありまして、何ら最後的解釈ではございませんが、一応お尋ねでありますのでそれだけのことをお答えしておきます。
  52. 小野義夫

    ○小野義夫君 これは本委員会で明らかにされたかも知れませんが、やはり令個々の電力会社が或るダムを作るとか、或いはそこに取入口を設定するとかいう場合におきまして、その地方の自治体、市町村のごときものが不当な損害、その他挨拶金と称するがごときものを電力会社に強要するためにその着手が著しく遅れておる事例が相当あるようでありますが、これらに対して何か法的な処置をする、例えば損害に対してはその公益事業委員会においてその損害を指定したものは非常に強力に施工することができるとかなんとかいうような適切な処置をとるのでなければ、いずれに、つまり私益を、私利を非常に強硬に主張するために、公益事業の着手若しくは竣工が遅れるというような場合に対してのお考えはどうか。御当局の間において考案されておりますかどうか。
  53. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 電源開発の場合に一番問題になりますのは、どう  いたしましても今の水利権の問題、或いはその他損害の場合に対する補償の問題の措置をどうするかという問題でございますが、非常にむずかしいことでありまして、いろいろ今各省つて研究中でございまして、まだ成案というところには至つておりません。但し目下研究は続けております。
  54. 結城安次

    結城安次君 私は目下の問題はここで議論するようなのんきなものでなくて、事業家は非常に困つておるのですから、ここで開発もしたいということで建設省安本それぞれの案を持つておりますが、これは私この前申上げました通り治水のための利水でなければならんというのが私の主義でありまするが、それの根本方針、これは建設省も同意見だと言つておられましたが、若し治水ということに影響のない所ならばすぐ開発に着手させる。只今小野委員からお話通り、私たち聞いただけでも東京管内で数カ所、中部管内でも二カ所あると伺つております。会社としては金の目途もほぼついた、併しその土地との関係が解決できない、或いは役所のほうの関係がうまく行かんということから着手できないというようなものがあるように伺つておるのでありまするが、安本としては、直ちにこれらの調整に乗出して、その発電所の建設が将来建設省案、或いはほかの案との関係に影響しないと見たならば、もう直ちに乗出して、開発に着手させるということぐらいにしなければ、これは到底たまらんと思います。今ここで開発主体特殊会社、或いは国、公共団体、いろいろありますが、自家発のごときは、これは殊に火力が多いのですが、これはすぐ始めさせる。それから九配電会社のやつも小さなもの、或いは極めて山嶽地帯から離れた所で、将来の治水にはここにはもう殆んど下しようのないというような所もあるようですから、それをすぐ始めさせるというようなお考えは、又これに対して努力して手伝つてやるというようなお考えは安本にはございませんか。
  55. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 只今のお説は御尤もでございまして、その通りいたしたいと思つて努力中でございます。
  56. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今水利権の問題は非常に重要な問題でありまして、今御論議されただけでもまだ相当な盲点を私は残しておると思います。併しながら今日の委員会では一応古池議員が法律論と政治論に分けて今日の段階において明快な質問をされたと思うのでありますが、この古池議員の御解釈、これが最も正しいと思うのでありますが、一応関係当局である公益事業委員会建設省とのほうにおいてもう一度確認をいたしておきたい、こう考えるがよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは公益事業委員会建設省のほうとでもう一度御発言を願いたいと思います。
  58. 結城安次

    結城安次君 今のに関連して河川局次長からお話最後に、何か知事を抑えるというようなことがあるらしき口吻がありましたが、その根拠をこの次までで結構ですから、指令或いは條文その他お答え願いたい。
  59. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 電源開発問題とちよつと違うのでありますが、最近電気事業従事者がストと言いますか、事務ストをやつておる。聞くところによりますと、電源ストまで地方によつてはやつておるような話を聞いておるのでありますが、電力不足のこの事態におきまして、電源スト、或いは無効放流等があるということであれば、これは誠にいかん、重大なことであると思いますので、公益事業委員会のほうにおいてキャッチされておる実情はどういうことであるか。又それに対してどういう措置をとつておられるかにつきまして、一応承わつておきたい。
  60. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 先ほど私が古池議員の発言について確かめました点は、建設省公益事業委員会ともよろしうございますか。
  61. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) よろしうございます。
  62. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 只今お話の点につきましては、御承知のように只今賃金ベースの改訂という点で労使双方共に中労委に裁定を仰いでおるわけであります。中労委の先般一応裁定がございましたが、それに対しまして只今労使双方とも満足の意を表しておらん、そういう意味でこの電源地点の、或いは事務関係の、といつたような点についてのストをいろいろ計画をし、この間も一部それが行われたという実情でありますが、電力会社といたしましては、できるだけそういうことによつて御迷惑を需用者側のほうにかけないようにというので、極力非組合員を総動員いたしまして、電力の供給に遺憾のない措置を講じておるのであります。又公益事業委員会といたしましても、直接この問題に対しまして介入する権限はございません。従つて私のほうといたしましては、関係官庁である労働省のほうにお願いいたしまして、早くこの問題について解決点を見出してもらうように、中労委との間のお話合いもお願いをしておるのであります。今日の電力不足のときにこういうような事態が長く続くことは、おつしやるまでもなく遺憾の点でございますので、私どもといたしましてもできるだけそういう筋を通じまして、早く解決しますようにお願いをもし、これを期待いたしておる、こういう実情であります。
  63. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 事務ストならば格別でありまするが、電源ストといいますか、水を無効に流したりいろいろなことがあるようでありまするが、そういう事態は現在のところどういう考えでやつておるのかどうか。或いはやつたとすればそれに対して公共事業令を適用して何らかの措置に出られておるかどうか、そういう点についてもう一度承わりたい。
  64. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 只今のところはいわゆる無効放流というような点になつたところはないようであります。と申しますのは、先ほど申しましたように非組合員におきましてあらかじめこういう事情の起りますことが組合側のほうからも申出ておりますので、できるだけそういう点について処置をいたしております。それから又その場合にこの公共事業令の法律上どういう工合に解釈すべきかということは、これは非常にむずかしい問題であります。そういう点については、先般労働省のほうともいろいろお打合せをいたしまして、法律解釈については検討中でございますが、ここでまだ正確な法律解釈をちよつと申上げるまでに至つていないのであります。なお必要があれば労働省のほうからも直接聞いて頂きましても結構でありますし、なお私のほうも更に研究を進めて行きたいと思つておりますが、十分そういう法律的につきましては双方は研究をして行動はとつておるように考えております。
  65. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうすると、この次で結構でありまするが、電源ストとか無効放流とかそういう問題についての解釈ですね。そういうことを併せて聞かしてもらしたいと思います
  66. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) わかりました。
  67. 小川久義

    小川久義君 先般公益事業委員会から出水量と電気の融通の表を頂きましたが、私が調べた結果、間違いでないかということを念を押したのですが、絶対間違いがないという返事であつた。その後何か事務委員会のほうへ訂正の申入れがあつたそうでありますが、一旦念を押しておつたにもかかわらず、絶体間違いがない、そのあとで、そう言いながら又直しに見えたというようなことでは当てにならないのでありまして、今大分電力事情もよくなつたとは思いますが、一応最近の出水率と電気の流れておる工合を表にしてこの次の委員会にお出しを願いたいと思います。
  68. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 先ほどの質疑応答の中で一つ重要なポイントがまだ御質問に出ておりませんから、私から伺つておきたいと思います。それは佐々木室長の御答弁の中で、特殊法人を以て大電源の開発に当らせ、それが完成をいたしました場合に、その電力は各地区へ需給バランス等を勘案いたしながら配給をする。こういうことを言われたのでありますが、その場合にその配給の業務をいずこでやるかということが我々も関心を持つておるわけでありますが、先ほどのお話では特殊法人開発のみを專管するのが、或いは又更に経営の面までやるのか未決定である、こういうお話がありましたが、この点は非常に重要な問題でありまして、若し経営までもやるということになれば、この前の再編成の当時にすでに相当論議をされたことでありまして、相当な明らかな理由がなければならんと思うわけで、この点をもう一度はつきりとお聞きをいたしておきたいと思います。
  69. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 特殊会社開発いたしました電源の設備をそのまま従来の電力会社或いはその他の機関に貸與又は譲り渡すという限度で特殊会社の任務を終りとするのか、或いはもう一歩踏み込みまして爾後の電力の融通と申しますか、電力の売却までやるのかという問題に関しましては、先ほど御説明いたしましたように、いろいろその功罪或いは既存の給電会社をやりました際の建前等を考慮いたしまして、目下検討中でございまして、未だはつきりした結論には到達してございません。
  70. 小川久義

    小川久義君 お伺いしたいのですが、河川法の第十八條に「河川ノ敷地若ハ流水ヲ占用セムトスル者ハ地方行政庁ノ許可ヲ受クヘシ」と書いてあるのですが、そういうあとのややこしい、相談せいとか、地方長官に権利があつてなさそうだとかという規定がどこにあるのか、一応伺つておきたいと思います。
  71. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 今の十七條、十八條、地方行政庁において許可するということの案に対しまするその監督権が、終いのほうの監督の所に出て来ます。それは昔の勅令、今の政令によりまして、大臣に認可を受けるようになつておるわけです。それをその今の認可の問題に違反した場合の問題を私は先ほど申上げましたが、もう一度よく調べて来ますが、地方自治法の百四十六條かと思いますが、この問題でそれを抑えて行くという考えを今述べたわけでございます。
  72. 小川久義

    小川久義君 只今のお答えで、この河川法が優先するのか、後の政令とかというものが優先をするのか、これはどつちになるかその点もう一つ併せて明答を頂きたいと思います。
  73. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) それから先ほど私のほうのお尋ねかと思いますが、公益事業委員会水利権に関する地域との間の関係につきましては、公共事業令の第五十九條に謳つてございます。
  74. 小川久義

    小川久義君 政令だとか規則のようなものが優先するように窺われるのですが、そうするとこの河川法というものが結局ぼやけるのは、この法律が弱いということになるのですが、その点どうなんですか。政令やそのあとの公共事業令というものがこの法律よりも力が強いのですか、どうなんですか。この河川法には只今読み上げた通りのことを書いてある。これではもう動かすことのできんことなんです。地方行政庁の許可を受くべしと書いてある。そうすると公共事業令だとか、政令というものがこの法律を動かすことのできるものでなければおかしくなるのです。その点はどうなんですか。
  75. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) この公共事業令は御承知のようにポツダム政令でありますから、法律と演じ効力を持つておると思いますが、何もその点と矛盾している規定ではございません、ちよつと読み上げますと、第五十九條には「都道府県知事は、発電水力の利用について河川法第十七條から第十九條までの規定による許可又は認可の申請があつたときは、意見を附して委員会報告し、委員会の意見を求めなければならない。」第二項で「委員会は、前項の規定により意見を求められたときは、建設大臣に協議するものとする、」ということで、今の河川法第十七條の許可の権限は飽くまで知事にあると思います。そしてその知事が許可をせられます場合に、一応この公益事業委員会の意見も聞くということがこの公共事業令のほうで補足的に規定されておる。
  76. 小川久義

    小川久義君 僕は法律家でないものですからそこが納得行かない。この河川法に條件附で権利を與えてあるなら、許可権を知事に與えているなら、あと條件を附せられることはあり得ると思いますが、無條件で地方庁の許可を受くべしと書いてあり、そのあとから出た法律が既存する法律を縛ることになる。條件附になる。矛盾しているのはそこなんだ。無條件で許可権を知事に付與しながら、あとから出た法律がそれに條件を附けるということはですね、僕はどうもあり得ないと思う。私も法律家について研究を願いたいと思うのですが、これはこればかりでなくちよちよいこういう問題があると思いますが、既存する法律には無條件で権利を與えてやる、あとから出た法律がそれに條件を附けるということはあり得るのかあり得ないのか。それが効力があるのかないのか。これは先ほど申上げました通り僕は法律家でないから、いろいろ專門家に伺つて見たいと思いますが、そういう点は既存の無條件で許可権を付與してあるものに対して條件を附け得るかどうか。これは制定した我々にも責任があるのですが、決してあなたがたばかり責めるという気持でないのですが、これは他にもこういう例があると思いますので十分一つ御検討願いたいと思います。
  77. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) この問題は先ほども論議になりましたように、今日ここでやりましてもはつきりしないと思いますから、今小川君が発言せられた点も含めまして、勧告を受けた知事が服さなかつたときにその知事に対してどういう態度をとれるのか、そこまでも法的根拠を明らかにして公益事業委員会並びに建設省が次回のこの委員会に明快な答弁を願う、根拠を以て答弁を願う、こういうことにいたしておきたいと思います。
  78. 清澤俊英

    清澤俊英君 余り小むずかしい質問になるか知れませんかね、主務大臣の授與する認可権というやつと永利権というものが別らしいのですが、その点を一つ別のものであつたはつきりわかるようにしてもらいたい。
  79. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 水利権河川法によりまして地方行政庁、今では知事でございますが、知事の許可によつて與えられるものであります。その許可に対する監督の意味において認可というものがございまして、その許可が適正に行われるかどうかということを監督する意味におきまして主務大臣の認可というふうなものにかかわらしめているわけでございます。それで今の水利権を適正に整理するためには、今の許可を受くるに際して認可を得なければ適正な許可があつたというわけに行きませんから、そこに可否ができて来るのでございます。飽くまでも水利権は許可にかかわつているわけでございます一
  80. 清澤俊英

    清澤俊英君 同一のものと心得ていいですか。
  81. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 同一とおつしやる意味が私はつきりいたしませんが、今の水利権は何によつて與えられるかといいますと、それは許可によつて與えられる。併し今の認可という。は主務大臣がその許可を監督する意味におきまして、それが適正に行われるか否かを審議する意味において持つておる権限でございます。
  82. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そうなるとおかしいのですがね。第五十九條によつて都道府県知事はそういう許可又は認可の申請があつたときは何もそれを又主務大臣から認可してもらうのじやなくて、意見を求めなければならないということなんです。何も認可を求めるのじやないのです。
  83. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) この條文が両方今こんがらがつているように思いまするが、水利権の許可というものは飽くまでも河川法で行つているわけでございます。それから電気事業の許可というのは飽くまでも電気事業法によつているわけでございます。それとの関連がありますので、電気事業の許可につきましては今は公益事業委員会かと存じます。これは私の所管外で若し間違いがありますれば訂正さして頂きます。そこでその電気事業の許可するのと水利権の許可との間に食い違いがないようにするために、今の公益事業委員会か何かに行きましていろいろな意見を聞いたり、或いは勧告をしたり、或いは主務大臣に協議したりいろいろの問題がありまして、両者の間に不一致のできないようにそういうことがここに規定してあります。
  84. 清澤俊英

    清澤俊英君 それでは簡単でございますが、知事の認可権と水利権というのは二つに解釈して、別のものと解釈してよろしうございますか。
  85. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 今の知事の認可権といいますが、知事は許可権となつておりまして、知事の許可権によりまして水利権は與えられるのであります。
  86. 小川久義

    小川久義君 次回で結構ですか、この次見解を明らかにされると同時に責任ある法制官をお招き願いたいと思います。
  87. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 畏まりました。
  88. 古池信三

    ○古池信三君 先ほど三輪委員の御発言になつたことに関連してちよつとお尋ねしたいのですが、公益事業委員会にお尋ねしますが、宮崎県であるとか、神奈川県であるとか、こういう県へは発生電力電気事業会社に売つておるわけですから、これは公益事業即ち電気事業と認めておられるのでしようね、お尋ねしておきます。
  89. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) その通りでございます。
  90. 古池信三

    ○古池信三君 そうしますと、先ほど三輪委員の御質問の中にあつた宮崎県の河川を電事業業が開発するということは、これは必ずしも九州電力会社に限る意味じやなくて、その実際の具体的な事情によつて、或いは設計なり或いは又電力の供給関係なり、又資金関係その他を考えて現在の状態において最も適当だと思われる、或いは九州電力会社、或いは宮崎県、即ち電気事業者としての宮崎県、即ちどちらにこれを許されて、もこれはいいのじやないかと思うのですが、そういうお考えじやないのですかむ
  91. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 今綾川のお話が出ましたのでちよつと簡単に申上げておきますが、先ほど三輪委員からも御質問がございましたように、急に綾川のほうの問題を取上げましたのは、実は御承知のように見返資金がこのたび更に百億追加になつて参りまして、その百億を、どういう地点開発にこの百億を向けるかということについては委員会、それから経済安定本部と十分打合せをいたしまして決定したわけでございます。それで特に急に綾川のほうについて資金問題が出て、宮崎県のほうとしても非常に意外に思われたというようなお話がございましたが、実は当初このいわゆるワツト・アワー・メーターの設備を各電力会社としてもできるだけ速かに施設いたしまして、そうしていわゆるその電力の消費等の問題についての節約を図つて行くというような上から申しましても必要だというので、ワツト・アワー・メーターのほうの資金につきましても見返資金から考えておつたのでございますが、いろいろの事情からしてそのほうに見返資金をつけることはまずいということになりましたものですから、そこで急に九州地帶におきましては、今の綾川のほうに見返資金をつけようじやないかということになつたわけでございます。実は水利権の問題につきましては、日発当時と申しましても、いわゆる新らしく九州電力ができます直前くらいに一応宮崎県のほうには水利権の出願をしておりました。或いは九州電力のほうと宮崎県のほうとの連絡が十分でなかつた点は確かにあるのじやないかと思いますが、我々のほうとしましては、この際見返資金を最初つけますとあと又見返資金を来年度においてつけてもらう上においても結構なことであります。それから綾川は御承知のように八万から十万キロくらい出る、相当九州としては大きな開発地点でありますので、それで見返資金をつけてそうしてなお治水、利水という点からしまして、十分県のほうの御意向も参酌をして開発計画を具体的に立つたらいいのじやないかというので、宮崎県知事にも委員会のほうにおいで頂きまして、いろいろその点について御相談したのでありますが、宮崎県としてもいろいろ事情がおありのようで、そのときには知事個人の意見としてこれに対していいとも惡いとも言えん、なおその点については見解を十五日以降に開くから考えて見れるなら見たいというお話で、そういうような関係で取りあえずは綾川のほうに見返資金をつけたかつたのでありますが、つけられずに他のほうにその見返資金を向けたというようなのが現状であります。その場合にも問題は先ほどからお話のありました点と関係があるのじやないかと思いますが、この公益事業、特に一般需用者に対して電気を供給する事業者に対する許可は委員会が與えるのでありますが、併しながら水利権の問題につきましては、先ほどお話のように県知事がおきめになるのでありますから、そこでややもすれば公益事業としての許可を與える委員会の考えと、それから水利権を認可せられるところの知事さんのほうのお考えと違うんです、そういうのが現状の五十九條において調整をとつておるゆえんだと思うのでありますが、そういう点がやはりよほど強力な措置においてどこで調整をとるかということは勿論別でありましようけれども、そういうことを考えておかないと、今後の五カ年計画、大電源開発計画ということを仮に申しましても、その根本の問題がいつまでも縛れておるような状態に置かれておるというような現状では大電源開発ということもいわゆる絵に描いた餅に終るのじやないかというので、この点については我々としても考えを持つておりますが、又経済安定本部のほうにおいても、その点についてのお考えを持つておられるようであります。又先般自由党の御説明の中にも、特に特殊会社についてはそういう点について調整を試みたいというお話がありましたが、率直に申しますと、いやしくも最も短期間にあらゆる力を動員しまして、電源開発を営んで行きます場合には、その調整機関というものが何らかの形で必要じやないか、かように考えておるのであります。大体そういうような事情になつております。
  92. 古池信三

    ○古池信三君 この電気事業として直接なり或いは間接なりに需用者の供給に充てるという場合だつたらば、その主体会社であつても或いは県がやられても同じく電気事業であるからには、これにひとしく見返資金を出されてもいいのではないかと思うのでありますが、それはどうですか。
  93. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) その点は見返資金につきましては現在電気事業者に対してのみ見返資金が出るようになつております。それから先ほどのお話に関連しまして、委員会といたしましても、この際目的は、急速に電源開発しなくちやいかんのであります。従つてそれは各方面で総動員して行かなくちやならんのでありますから、何もすべて電力会社でやらなければいかんということは毛頭考えておりません。仮に県でおやりになる場合でも、その規模、或いは資金計画、その点から見て十分であればいいのでありますが、そうでないような場合には、やはり電気事業者が将来やつて行くというような場合に、その水利権その他の関係、或いは開発地点との関係においてあとの大きな開発の妨げにならないように、そういうような調整は十分考えて頂かなければならんと思いますけれども、本当に、技術を持ち、資金も見通しがつき、立派な計画でおやりになる場合は、これは公共団体がおやりになる場合でも、或いは自家発電としておやりになる場合でも、それは私この委員会として何らそれに対して口を挾むべき問題ではないし、又そういう考えは持つておりません。
  94. 古池信三

    ○古池信三君 只今のその見返資金電気事業者に限るとおつしやつたのですが、電気事業者といえばこの九電力会社以外にも、今お話のような宮崎県も公共事業であつても、一面電気事業者という立場からいつたらこれは等しく扱つていいものではないかと思うのですが、もう一度如何でしようその点は。
  95. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) その点は率直に申上げますれば、これは御承知のように見返資金をどこにつけるということは、最後は全部関係筋のほうで許可を受けなければならないのです。現状では関係筋のほうで見返資金を県のほうから、つまり公共事業体につけることは認めていないのでございます。そういう関係電気事業者のほうにつくという恰好になつておるようでございます。
  96. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 只今の古池委員質問に関連してですが、公共事業令の第二條の一号で「電気事業とは、」というので書いてあるわけですが、「一般の需用に応じ電気を供給する事業」、これはいゆる電気事業でありましよう。ところが「又はこれに電気を供給することを主たる目的とする事業」も電気事業者というふうに規定してあるのです。宮崎県或いはその他の県でやつておりまする電気事業の場合は、発電地点において電気事業者、即ち一般の需用に応じ電気を供給する事業者に電気を供給することを主とした事業を行なつておるのでありますから、この規定から行けばやはり一種の電気事業者であるという見方が成り立つのではないかというふうに考えられるのですが、如何でしようか。それでは電気事業者でなければ見返資金がつけられないというのであれば、その一般の需用に応じて電気を供給する事業家に電気を供給しておる公共団体の公営電気事業にも見返資金がつけられるという解釈が成り立ちませんか。
  97. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) その点の解釈は私が云々すべきものじやないと思いますが、つまりその筋のほうの解釈はそういう意味電気事業者を解釈するのでなくて、つまり県営とかそういうほうに出すということはまずいという解釈をとつておるように聞いております。
  98. 清澤俊英

    清澤俊英君 ちよつと方向を変えましてお伺いしたいと思いますが、この電気事業の急速な開発について発電をやつて電力を増すという面だけが非常に強く取上げられておるが、同時にこれを使う面に対して何らか考えがこう一致したものがやはり計画せられておりますものでありますかどうか。こしらえて見ましても、それが今までもありましたが、電力は余つているからこんなものなら使つてしまえということで、資源には相当限りがあるのにそれを皆急速に使つてしまつてあとで困るようなことはないというようなことは考えておられるのか。
  99. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 只今の御質問の点は私は非常に重大な問題だと思つております。と申しますのは、今日御承知のようにいわゆる資金調整とか、或いは建築制限とかいうような統制措置がとられておりません。そういう関係でいわゆる発電施設等につきましても各産業界の発展せられるにつれまして、受電の設備を殖やしていいかどうかということもございます。それから又早い話が東京都内におきまして御承知のようにもう毎月と言つていいぐらいに大きなビルデイングが建つて参ります。こういう点について結局結論はすべて電力が欲しいということ、特に産業方面の発展という点から見まするというと電力の需用が殖えて来るということは、誠に私は結構なことだと思いますが、何分にも今日のように需用の増加が非常なスピードで進んでおりまして、それに対する供給が伴つておらん。そういう意味でこの供給力を速かに伴わせなくてはならんということは、先ほど来お話のようにその点に力を注ぐことが先決問題でありますが、やはり需用と供給のバランスがとれておりません過渡期におきましては、やはり何らかの措置を講じなくてはいかん。そこで現在唯一に残されております途は受電認可の規定でございます。これは公共事業令に基きまして受電認可は公益事業委員会がいたすことになるのであります。又極く小さい五十キロワット未満程度のものは各電力会社受電を認めていいかどうかということをきめるのでありますが、大部分におきましては公益事業委員会受電の認可をすることになつておるのであります。ところが実際問題としましては、今申しましたように、他の何らの制約がございませんから、いろいろなものができ上つてから最後にどうにも動きがつかんところで受電認可の申請をして来られるのであります。従つて委員会といたしましても、それをすべて不認可、仮に不認可にしなければならんような状況の場合でも、なかなかこれ不認可にするということは、折角他の工事ができ上つてしまつたあとでは非常にむずかしい。そこで我々といたしましては、できるだけ各電力会社におきましても、その際には電力会社として供給ができるかどうかということについて検討いたしまして同意書をつけて委員会のほうに受電認可の申請があるわけでありますが、その同意書をつけるにつきましても、最近は電力会社としても十分検討して、最小限必要な分についてだけ同意書をつけることにいたしておりますが、なお委員会といたしましても、更にそれを検討いたしまして、もう少し電力量を減らして使うものと、或いは又豊水期渇水期において相当の違いをつけてお許しできるものもあるわけであります。それから又特に最近のような渇水期におきましては、豊水期になつてから実際それを使つて頂くということで、お許しはしても、実際のその使用というものは豊水期になつてから使つて頂きたいという條件も附け得るわけであります。そういうことで現在のところでは何とか凌いで来ておるのでありますが、併しこの問題につきましては、根本問題として、やはり受電認可制度がございます以上は、大体どういうような業種については、特に優先的にこれを認めるとかというような点を、できれば私は安定本部のほうともよく相談をいたしまして、大体の認可の基準というようなものを作つて、そうしてあらかじめ各省におきましても、そういうような問題について、こういつた業種について、又こういうような電力の使い方になるような設備についてはできるだけ遠慮をしてもらいたいというような内面指導もできるようにし、又各需用者のかたもそういう線に沿つて自発的に御辛抱願うような線をどうしても設けませんというと、今お話のように今日の過渡期におきましては、ただ何でもかんでも電力を必要とする事業がどんどんどんどん殖えて行くということは、非常に供給の面からしてまずいのじやないかというので、そういう点についてはいろいろ苦慮いたしておりますが、御質問に対して十分なお答えではないかと思いますが、そういう点は私どもも今後経済安定本部のほうともよく打合せをして、何らか現在の経済事情の下において許され得る措置がないかということを今検討いたしておるような事情でございます。
  100. 清澤俊英

    清澤俊英君 松田さんのお話はよくわかりましたが、安本のほうで、何かこの睨み合せということを考えておられるのですか、どうか。折角の開発を、而も水利開発にしましても、資源はもう大体これをやつてしまえばいい所は盡きてしまうと思うのですが、而も又石炭の事情等からしましても、そう国内炭で無限大の開発もできない。こういうような事情にあることは、何でもかんでも需用があるからというので、初めから無計画作つて、無計画に使われてしまつてあとで非常に困るというようなことが出て来やせんか。大体日本の経済復興に対してどういう需用を先にして、どういうものをどうあと廻しにするというような、この間ちよつと岡田さんの言われるような国鉄の電化を図つて、石炭をどう出すかというようなふうにまで計画が進んでおるのかどうか、開発と共にです。それを安本のほうからお伺いしたいのです。
  101. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 受電の面に関しましては、只今松田政府委員のほうから御説明があつた通りでございまして、全般的な電力使用の問題に関しましては、特に今産業構造……各産業間における優先順位等を、今後どういうふうな考えで持つて行くかという問題に関しましては、まだはつきりした結論とまではなつておりませんけれども、現在のところでは、むしろ資金面と申しますか、信用等の重点的な活用によりまして、折角設備ができましても、電気その他の点で動かないというふうなことでは、非常にまあ、国家経済から見ますとロスが多うございますので、そういう損を来たさないように、何らかの措置をしたい、こういうふうに考えております。
  102. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) まだありますか。
  103. 清澤俊英

    清澤俊英君 それはあれだろうと思いますが、私は開発と共に、やはり使うことにも非常な統制というか、或いは計画性がなくちやならんと思うのですが、而も見返資金を出して見ても、一般会計から出して見ても、開発銀行から出して見たところで、国民の税金相当使つておるのですから、それで開発しようという計画ができ上る、それが粗相に使われておる、実際の産業復興の上に一〇〇%の効果を現わさんということだつたら、これはどうも妙なものができ上ると思うのですが、これはやつぱり開発と睨み合せてこれはやるべきものだと思います。至急そういう方法を考えてもらいたいと思います。
  104. 岡田信次

    ○岡田信次君 今の問題に関連して、東京大阪なりに盛んに建物ができますが、これに対して重油によるタービンの自家発電を作らせるというようなお考えはないか。それから更に天然ガスを利用して、火力発電所を作る計画をお立てになつたことがあるかどうか、その二点をお伺いしたいと思います。
  105. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 第一点の御質問につきましては、最近誠に遺憾な電力事情でございますので、各需用家のほうでも油を使つた、いわゆるジーゼル式による自家発を営みたいというお考えで、ジーゼル・エンジンの売行が今非常なもののようでありますが、ただ私も経済安定本部のほうにもいろいろお打合せをし、又そういう意味で別に気付きましことは、た御相談においで頂く需用家のかたにお願いしておるのでありますが、重油の将来の輸入の問題がどうなつて参りますか。現に資源庁あたりでは、重油については将来心配はないのだから、大いに電力会社におきましても、火力発電所に重油を焚き得る設備を並行して作つてもらいたいというお話もございまして、現在関西電力等におきましては、その設備をいたしております。又中部電力等におきましても、清水の発電所においてその設備をいたしておりますが、又一面聞くところによりますと、重油等の輸入ということが、将来どうなつて参りますかということについては、非常に不安なことも聞きますので、そういう意味で、委員会といたしましては、需用家のほうに御迷惑がかからんように、できるだけ将来石炭なり、或いは重油を使わずに電力が供給できるようにという意味で、今の電源開発計画は勿論でありますが、特に今日各電力会社にお願いしてやつてもらつておりますことは、いわゆる改修工事、つまり短期間に或る工事をすることによつて電力をできるだけ、特に電力量におきいて殖やして参る、例えば私も技術的のことはよくわかりませんけれども、除道の中を十分手入れをするとか、或いは発電所のいろいろな簡單な機構について取替えるとか、或いは修繕をするとかいうようなことで或る程度の量が殖える。そういうようなこともできるだけいたしまして、委員会のほうとしましては、将来のために、余り石炭とか重油を余計使わないで発電ができるようにということを念願いたしておるのでありますが、只今需用家のほうでは、そういうお考えでおやりになつておるところもありますが、それに対して私のほうとしては、何ら異存はございません。ただ重油等の見通し等をまく御検討頂いておかないというと、折角設備ができても、重油の輸入等について将来思わしく輸入されんというようなことになりますと、計画上の齟齬をお来たしになりはせんかということを懸念いたしておるのでありますが、それ自体については何ら異存はございません。  又第二の天然ガスのお話につきましては、これによつて電力関係と結び付ける点について、私技術的のことはわかりませんが、委員会のほうといたしましても、只今、最近東京地区におきましても相当天然ガスが出る所もあるようであります。そういうような問題につきましては、東京ガス等に、よくそれらの点を検討して、早く東京ガスとしても、その天然ガスを利用し得るような地位に立つことを話をしておるのでありますが、電力と結付びけるという点について、或いは開発課長も参つておりますから、技術的のことでございましたら申上げますが、大体の考え方を申上げました。
  106. 小川久義

    小川久義君 いろいろこの問題は相当研究も必要だし、この辺で打切つて散会にお願いいたしたいと思います。
  107. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 小川君から今御発言がございましたが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そこで今日の案件にありました請願、陳情の取扱方につきましては、相当たくさん問題が出ておりますので、処理するのに若干の時間を要すると思いますが、その処理の順序等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが……。    〔「異議なし」を呼ぶ者あり〕
  109. 小川久義

    小川久義君 ちよつと一言申上げておきたいのですが、請願の内容によつて、表題は同じことでも内容が異なるものがあるようなふうでありますので、具体的な條件を附けてあるもの、又たとえて申上げますと、電力危機打開に対する請願という表題がありましても、具体的に何か條件が附けられておるものというものを一つ区別して、この次までに出しておいてもらいたいと思います。
  110. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それから今日は非常に重要な水利権の問題と、それから小川議員から最近の出水率を提出せられたいということがありました。それから更に清澤君からは、新規需用に対して送電の順位等を定めてはどうかという御意見がありましたが、これについては成るべく早く一つ資料をお出し願いたいと思います。特に当面の新規需用の抑制問題については、この委員会がしばしば公益事業委員会に要請しておるのでありますが、当委員会には何らまだ具体的な措置についての発表はございませんけれども、すでに新聞にはその具体化の方針が二、三散見されたように思いますので、私も極めて遺憾に思つておりますが、極く最近の機会において細かく説明をせられたいと思います。それからこの電源開発の問題は、今日は重要な他の問題点について、殆んど触れる時間的な余裕がございませんでしたので、次回以後に続行いたしたいと思います。それでは本日はこれを以て閉会といたします。    午後四時七分散会