○
結城安次君
只今松田総長の御
答弁は、つまり
発電動力ということが目下の急務だからこれを本体と
考えての
お話でありましたが、併し私
ども考えることは、各
発電会社の各水源の
利用を見ますと、殆んどすべてが
利水の
限度というところでとめているという
計画のように思われたのであります。併しそれ以上大きくするということは
電力会社としては負担し切れますまい。
採算は合わんということがありましようが、併し国の大きな面から見れば、この際は非常な大きく或いは馬鹿らしいというぐらい大きくしてもいいのじやないか。併しその現在の
状態においては
採算ということは無視できませんので、そのために要する
費用はこれは国が背負うべきじやないか、
治水費として背負うべきものじやないか。ですから私の
考えは、若し例をとりますならば、百メートルが
利水の
限度だ。併し百五十メートルは
治水の極致だという場合に、五十メートル上げるためには
ダムの
建設費用は倍以上になりましよう。併し倍以上になりますが、
利水の面も又
相当に
利用率がよくなるはずでございますから、その差が或いは仮に百メートルが五十億、百億、百五十メートルが二百億とした場合に、百二十億或いは百三十億を背負う力はそこに出るはずだ。そしてその差の七十億でも八十億でも、或いは
治水費なり或いは別の何らの
費用で国が負担して行くようにしなければ、今後
石炭も或る
限度にな
つている。
折角の水をどんどんいわば
石炭の代用になるものを捨てる、無駄に流すということは国のためにもなるまいし、
治水として各
河川に出す
治水費は容易ならんもので、一昨昨年におきましては、利根川におきましては一千三百億の水害があつたという。そのときには、国としても何百億或いは千に近い金ぐらいはこの
ダムの
建設ということに
電力採算以外に放り出してやるべきじやないかということを私は申上げたのでありますが、
建設省のほうではそういうお
考えだという御
答弁がありました。又
安本も極くこれに近い御
答弁でありましたが、今後この
自由党案その他を皆さんが御相談する場合には、この点もやはり頭に置いて御相談願いたいという私の希望を申上げます。