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説明員(
平井寛一郎君) それでは二十六年度の
下半期の
需給対照表につきまして御
説明いたしたいと思います。
この
需給対照表におきまして、特に表紙の裏のところに一体の亡の前提條件が書いてございまするので、それを中心としてお話して行きたいと思います。先ず水力は、これは九カ年平均の出力によ
つて、そして利用率は当初
計画の利用率を乗じて出しております。それから貯水池式は、現在大分水位が下
つておりますので、それを考慮いたしまして、別々の発電所を考慮いたしております。
石炭につきましては、今回の輸入懇請資料に基きまする
下半期四百七十万トンの決定数を、膨れた
数字を以て出しております。受電は、これは年度初めの
計画通りであるのであります。これはどうしても現段階におきましては制限量が殖えておりますので、この
程度が穏当と認めたわけであります。需用につきましても、年初の
計画よりも結果的に約七%膨れましたことにな
つているのでありまして、扱い方といたしましては、第一四半期の
実績が丁度
伸びが七%ありまするので、その
伸びだけ膨らしたのであります。特別大口につきましては、
割当に対して第一四半期中の最も火力料金率を余計使
つた月の率をと
つて計算いたしております。それから送電損失は、これは年度
計画通りの
数字ができております。この表の一番下の欄に差引
不足量及び
不足率という欄がありまするが、ここにマイナスとありますのが過剰でありまして、プラスが
不足のことを示しているわけであります。ただこの過
不足は、地帶間には
融通契約があるのでありますが、その会社間の
融通契約を差引いたすという意味でなくて、生の地帯間においてのその地域自体の供給力と発
電力から見た過
不足量を出しておるのでありまして、これらが
融通計画その他の操作によ
つて運用されるわけであります。で、御要求は、一体具体的の実際のこの
下半期の
見通しは、出水率を幾らと見ればいいのか、或いは
石炭は幾ら入るという
見通しを立てたらよいかという確実な予想を組んで出せというふうなお話があ
つたのでありまするが、この
下半期なら
下半期を通じての毎月の出水の予想が、例年に比べましてどういうふうになるかということの予想、
見通しということにつきましては、まあいろいろと仮定は設けます石ものの、なかなかこれは予測しがたいのであります。一月前には非常に渇水であ
つても、翌月はうんと豊水になることもあるのであります。下中期を通じて毎月の予想ということを今日において予断することについては非常に我々としましても危険を感じまするので、一応判断の基礎資料としましては、九ヵ年の平均の出水の場合における
需給のバランスを出しておいて、そうしてこれが渇水によ
つてどの
程度影響するかというのを渇水率の割合によ
つてこれを修正して見て行く、物差を以て行くという判断で、そのときの
状態に即した
措置をとるより
方法がないのであります。そのいう意味におきまして、一応この調書としましては毎月平水、九カ年平均の出水があるという想定で水力の供給力を弾いております。
それから火力につきましては、輸入懇請その他によりまして通産省、安定本部のほうでもいろいろとこの線において
努力をして参
つておりまするのて、一応その
数字が入
つたものとして計算をいたしております。今後実際には
輸入炭或いは
国内炭の振向けにしましても、いろいろな事情によりましてその
数字がどの
程度に達成されるかということは、今後のいろいろな推移を見なければ結論的にははつきりいたしませんので、これも一応四百七十万トンとして揮いておいて、そうしてその場合の炭の入りが惡か
つた場合に、どの
程度来たならばどれくらいの影響があるかという判断で以てそれぞれの月の
対策を立てて行かざるを得ないのであります。この
石炭四百七十万トンを下期に見ましたのは、
上半期の実際の結果が、
計画しましたよりはおおむね月十万トン
程度の発電増加を火力において出し得た、そうした事情から見まして、下中期におきましてもこの
程度の炭は焚くるものと
考えておるのであります。で、これが実際には設備の現状においてこれ以上焚くということは少し無理じやないかと思うのであります。
そこでこの表は、一々の
説明を省略いたしまするが、毎月の
数字が出ております。同時に四半期別及び
下半期通算の
数字が出ておるのでありまするが、上のほうに横に会社別を書き、そうして上のほうに供給力、下のほうに需用を弾きまして、そうしてその地帶自身の、地帶間
融通をやる前の裸の姿における過
不足を出し、同じく過
不足の率を出しておるのでありまするが、平水の場合には、この設備も一ぱいに、こういうふうに火力も皆一ぱいに動員し得たとしますと、
全国の平均について見まするならば、十月については二・五%の
不足である。十一月が四一、十二月が三・七%、大体第三四半期を通算しで約三鬼の
不足となり、そうして一、二、三におきましても、
数字がそこにありますように、大体この
下半期を通じ三%弱
程度の
不足で済むというところまで
数字の上においてバランスが出るのであります。一方において需用を七%大きく見ましたにかかわりませず、
石炭をうんと使い得るという仮定を設けましたことと、出水を九カ年平均によ
つて弾きました
関係上、こういうふうなバランスが一応予想されるのでありまするが、例年の川の水というものが毎月その平均
通りに出ることはないのでありまして、どうしても出入りが激しいのであります。そうしてその月々の平均にしましても、或いは渇水となり或いは豊水となるのでありまするが、ここでそれでは出水率が一割下
つたり二割下るという場合には、一体どれくらい
不足の割合が出るかということを、これは時間がありませんで印刷しておりませんので、口頭で申上げまするので、メモでお取りを願いたいと思うのでありまするが、これは下期を通算して見ました
数字について申上げます。横に出水率としまして一〇〇%、九〇%、八〇%、三つほどお書きを願います。
あとで印刷して差上げることにいたします。
石炭が四百七十万トン
計画通りに入
つたとして、渇水だけの影響を見ますと、一〇〇%の場合には、
下半期の通算は
不足率が二・七形でありまするが、九〇%の場合には八・八%の
不足になります。八〇%の出水率の場合にはこれが一五・四%となるのであります。過去の記録簿をいろいろ見ますると、下期を通じての総平均ではまあ一割渇水
程度の場合がせいぜいの記録であ
つて、二割というほどのところへは余り行
つておらないのでありますが、月々の
数字で見まするというと、やはり二割、三割というような渇水の月はしばしば出るのであります。それから今度はそれぞれの欄の下にもう三つばかり欄を書いて頂くのでありますが、
石炭が仮に五十万トン
計画より下廻
つてしか入らなか
つたとした場合を申上げます。横に一〇〇%の出水の場合には、マイナス五十万トンのときは六・四%、出水率一〇〇%の欄の下には六・四%であります。それから出水率が九〇%となりますと一二・五%、八〇%の場合には一九・一%になるのであります。更にもう
一つ下の欄に、今度は百万トンだけ
不足した、
石炭が四百七十に対して百万トンだけ少く入
つた、少くしか取れなか
つたという場合を仮に計算をいたしますると、一〇〇%の場合で一〇一・九〇%の場合で一六・二%、八〇%の場合に二二・八、もう
一つ百五十万トンという
数字もあるのでありまするが、大体一応私どもとしましてはこういうふうな出水率と
石炭の獲得し得る数量との両方を今申上げましたようないろいろな場合が予想されるのであります。細かくはこれは当然別々に
数字を出して、そうして作業をしておるわけなのでありまするが、これを以て下期通算の
見通しもいろいろ立て、いろいろな仮定の上に判断をし、又その当月を予想する場合においても、その直前における
貯炭状態或いは貯水
状態、或いは
石炭のそのときにおける入る
見通しというようなものを見ながら先の
見通しを立てて行かなければならんのでありまして、いずれを見ましても、少くとも第三四半期の現状におきましては、昨日現在で出水率が
全国平均が約八〇%で、本州中央部は七〇%
程度であ
つたのでございますが、本日は晦日の雨で以てちよつと盛り返しまして、本州中央部の平均が九九%まで上
つております。特に北陸とか東北
方面が相当潤
つた報告を得ておるのであります。これで二、三日はちよつと息ができるかと思うのであります。
お手許に差上げました
需給バランスのほうは、
只今申上げましたような物差をあてながら御覧を頂きたいと思う次第であります。それからなお
只今お手許に差上げました一枚の表は、今年の十月現在までの今年度の完成発電所、それから今年度の、丁度来月の三月までの間に運転開始を予定されます
水力発電所、火力発電所が地点別に書いてございますし、大体水力におきましては、最大出力が全部で二十三万九千九百キロワット本年度中に増加するのでありまして、その
電力量で年間においては約十億四千四百五十万キロワット・アワーの増となるのであります。ただ今年度といたしましては、期の途中においてこれらが順次完成いたします
関係上、この約三分の一の三億四千四百万キロワット・アワーが供給力として期待し得るわけであります。火力のほうにおきましても同じような
数字が出ておるのでありまして、火力全体で十八万キロワット・アワーが今年度に完成することにな
つております。