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説明員(吉田五郎君) 大臣のお話を
技術的な点について少し補足させて頂きます。先ず電信の問題でございますが、電信の問題は先ほど水橋
委員からお話がありましたように、合理化の点を
考えまして、現在電気通信
研究所で電信中継機械化の試作をほぼ完成いたしまして、本年度の末に水戸の局を中心にしまして、土浦その他の局を小局としました総合的なネツト・ワークの第一次の
計画を始めることにな
つております。その成績に鑑みまして、二十七年度から全国に亘りまして、大体五カ年或いは七カ年でありますか、全国の中継をウエスタン・ユニオンが機械化しましたのよりも、もう少し完全な全自働につきましてやることにしました。それがまあ電信
関係では一番大きな問題であります。それからなお
東京都内、
大阪府内における大口の電信需要者に対しまして、模写電送を使いまして電信を送受できますように、現在通信
研究所が非常に簡単に、素人も扱える簡単な電信装置をほぼ完成しつつあります。来年度から採用できるであろうと思
つております。
次に電話でございますが、
東京初め特に大
都市におきまして障害の一番大きな問題にな
つております電話機の故障が非常に多いのでありまして、今電気通信省といたしましては、最近完成しました新型四号電話機に大量これを取替える
計画を進めまして、大分都内を初め各地方に普及しつつあります。この品質は
アメリカの現在大量生産しておりますウエスタン・エレクトリツクのものよりは少しよろしいのでございまして、これから出て来る
アメリカの新らしいウエスタン・エレクトリツクの製品とほぼ同等の
技術的な
内容を
考えております。交換に関連いたしまして、先ほど大臣から御
説明申上げましたように、先ず
東京の第二丸の内、千代田局と我々仮称しております。それが漸く建物が完成に近付きまして、これから本格的に局設備の工事及び丸の内から、数寄屋橋までの地下回路の整備その他に本格的にかかり出すところでございます。順調に参りますれば、来年の八月までには一万端子を収容いたしまして、あの界隈の新設ビルデイングの電話も相収容できる予定であります。これと同様ないわゆるマルチ・ユニツト局を
大阪及び
名古屋に着工を始めました。大きなところはそれでございますが、なお地方の全体の局も自働にいたしまして、いろいろな幾つかの自働化を図
つております。これに使います機械は終戦以来の非常に故障を起し勝ちでありました交換機械の性能を漸く脱却いたしまして、仙台の局も改式以来殆んど無事故でございます。非常に成績がよろしく、市民から非常に好評を博しております。なお
東京、
大阪の通話完了率が非常に悪うございますので、今年十一月までに大量の中継線の増加を
計画いたしまして相当進捗いたしまして、十一月十五日を期しまして相当電話完了率がよくなる予定でございます。長距離回線に対しましては、懸案の無装架搬送二十四通話路の
方式をいよいよ本年から
東京、
大阪間に亘りまして工事を完成いたしました。一応五十六回線、
東京に本年三月末には新設になる予定であります。来年の七月には市外交換台を整備いたしまして、準即時の取扱が開始できるのではなかろうか、かように
考えております。来年にかけまして、現在は六通話路なのでありますが、これを二十四通話路にまで拡張いたします工事を急速に整備いたしまして、
東京、
大阪間は従来特急で平均二時間幾らであつたのでありますが、これを二十分
程度まで早めたいという
計画でや
つております。更に七月に開通いたしました新潟、秋田間には超短波の十二通話路の
方式を採用いたしまして、積雪地帯に対します従来の障害防止ということに対しまして大いに貢献できるものと期待しております。この十二通話路の超短波の多重
方式を今年更に
東京、仙台間にとりまして、二ルート、二十四通話路を
東京、仙台間に施設いたします。これが完成いたしますれば、
東京、仙台間も準即時の取扱いになるのじやなかろうかという
考えでございます。来年にかけまして、仙台から札幌まで同様に二十四通話路の超短波を二ルート作るという
計画でございます。更にもう
一つ新らしい
技術的な問題といたしましては、四千マイクロウエーヴを通信
研究所がほぼ完成いたしまして、去る五月から
東京中央電話局の屋上と横須賀の大楠山との間で実験いたしておりましたのが成功いたしまして、この十一月から施設局の使用試験に正式に移しまして、これは二十四通話路でございますが、これが初めて実用になる予定でございます。引続きまして、来年は
アメリカがや
つておりますようなベル・システムの四百八十五通話というものを来年末には建設にかかれる予定で
研究を進めております。
対外通信の問題につきましては、昨日電気通信監からお答えいたしましたように、大体
アメリカ式の多重通信
方式を取入れましてや
つております。電話も同様の
方法でございます。なお申遅れましたが、長距離回線につきましては、終戦後初めて採用いたしました自働利得調整装置と申しまして、この長距離回線を安定する
方法でございますが、これは
アメリカの超距離回線も全部入
つております。漸く
日本中の幹線は全部今年で整備いたしまして戦前よりは長距離回線の品質は向上いたしました。大体主な点は
事業計画から見まして、そのように思います。