○島清君 私も本
法案に対しまして結論的には賛成でございまするが、併しながら私たちが賛成をしなければならないというような表面的な理由に、私はこの
法案の成立後の危険性を感ずるものでございます。と申上げますのは、
只今境野委員、
佐多委員の両君から
指摘されました点御尤もでございます。そこで両君から申上げたことにつきましては重複を避ける
意味におきまして私は申上げませんが、いわゆる旧
商工中金なるものが
中小企業を
対象にいたしまするところの
金融機関といたしましての特殊性、その特殊性に基きまして、私たちは
政府なり
中小企業の金融に対して力強く或いは要請もし、要求もして参
つたのでございまするが、この金融
体系が
改正案に見られるように、これが
個人に或いは
預金或いは
貸出しをできるようになりますると、普通
銀行とちつとも変らなくな
つてしまう、そういたしますると、その特殊性というものが失われまして、私たちが国家に対しまして
中小企業の金融問題として強く要請することができなくなるという根拠を失う危険性があるのであります。從いまして、まあ形式的な金融
体系から申しまするならば、
中小企業の
対象にしまする
商工中金をかように枠を拡げたということにつきましては、非常に金融が
個人金融から
組合金融に移行しつつあります際に逆行であるというそしりを免かれないと思いますが、私はその中に含まれているところの将來のこの
中小企業の金融の特殊性というものが失われることについて非常に危惧を持つものであります。併しこの危惧を持ちながらもこの
法案に賛成をしなければならないというところに或いは
提案者のずるさもあると思いまするけれ
ども、どうか
一つ提案者におかれましては、本
法案の成立、施行に当りましては、強く監視を怠らないようにして頂きたい、そういうことの警告を発し、なお将來といえ
どもこの監視を怠らないようにというようなことの警告的意義のことを発しまして、本
法案に賛成をするものであります。