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政府委員(
小笠公韶君) 第一点の
本法自体の
制度論といたしましての
改正の要点が、いつでしたか腹案として考えておるときにお話申上げましたのと違
つておるじやないか、こういう点がお話の第一点だと思います。御指摘の
通りに、昨年の十二月の十五日から
中小企業信用保險制度が実施されておるのでありますが、九月までに
保險にかけられました
金額が約二十七億であります。従いまして
予定の、月十二億円というものに比べますと、非常に成績が思わしくないわけでありまするが、この成績が思わしくないよ
つて来たる原因はどんなところであるのだろうか、ということにつきましては、いろいろ検討を加えておるわけでありまするが、先ず考えられまする問題は、お尋ねの第二点の、
資金源の確保という問題が最も大きく響いて来ることだと思うのでありまするが、
制度自体につきましての欠点と申しまするか、そういうような点で
保險率の問題、それからもう
一つの問題は、
保險料負担の問題、第三点は御指摘の、
保險金支拂の時期の問題というふうな問題が一応考えられると思います。そのほかにもなおいろいろな問題があるとは思うのでありまするが、取りあえずそういうことが考えられるので、これらの問題につきましてどう
改正をして行くかということにつきまして、実は検討を続けておるのでありまするが、
保險率を、例えば御指摘のように現在の七五%から九〇%まで、九〇%に上げるか、或いはもつと低いところに上げるか、こういうふうな、少くとももう少し
保險率を
引上げるという問題が実はあるわけであります。それで私どもといたしまして、一応九〇%くらいがマキシマムというふうな考え方を一応持
つてお
つたのでありますが、部内の意見がまだ最終的な確定を得ないということは、この前にもお答えいたしたと記憶いたすのでありますが、そういうふうな事情で、この
保險率の
引上げの問題に結論を得なか
つたというような状況で、目下なお検討を続けておる、こういうふうな状況であります。同様に
保險金支拂の期間を六カ月を三月に短縮するということを私どもも一応一案として考えてお
つたのでありまするが、
保險率と同段に、部内の意見がまだ最終的結論を得ないというふうなところから、今日御審議を願うということにならなか
つたのであります。
保險料の転嫁の問題につきましては、現在約年々、
金融機関半分、
借入人半分の負担に相成
つておるわけであります。これは
法律論ではなしに、行政措置として、この
保險料を年分だけ借受人に転嫁できるというふうな通牒で、行政措置でや
つておるわけでありますが、これも
法律論ではなしに、成るべくもう少し転嫁率を多くするというような方向で考えたほうがいいというふうに考えておるわけでありますが、これ又まだ結論を得ていないわけであります。そういうような事情で現行の
中小企業信用保險制度全体の
改正、もう少し活用しやすいような形に
改正して行くという問題につきましては、検討中であるわけでありまするが、他方におきまして中小
企業金融の大きな支柱に
なつておりまする
信用保証協会、特にこれは
短期資金を多く賄
つておるわけでありまして、この
信用保証協会の活動が、各府県の状況を見ますると、もうぽつぽつその財政的負担等の関係から、限界に来ておる。そこでそれを国の力によ
つて少しすけて欲しいという要望が昨年来あるわけであります。これは
制度論から申しますると、
信用保証協会をいわゆる特殊な
法人にして、いわゆる
保証協会法というようなものを作りまして、その
保証協会を更に
政府が損失補償するというふうな形で以て行くことが最も素直な、私は
制度だと思うのであります。ところがこの
保証協会を法制化する問題につきましては、いろいろ各方面との折衝の結果、まだなかなかうまく行かない、こういうふうな実情にあるわけであります。従いまして一方から申しますると、
保証協会の実体は早急に
政府からの援助を要請されておる、いわゆる
政府による再
保証の実を要求されておりますので、そこでこの
信用保險法を借りて、これに
責任保險というふうな観念でその実を挙げて行きたい、こういうことを早急にやりたいと考えまして、今回の
信用保險法の一部
改正に相成
つたわけであります。従いまして従来の……、本来の
信用保險といたしましては、
金額を、一
企業が附保し得る
金額の
限度を
引上げただけで、多くの
改正の問題を他日に残した、こういうふうなものが現状で実はあるわけであります。できるだけ結論を、
政府部内の結論を得次第に、私は、
改正を早急にしないと御指摘のような点に私もなると思うのでありまして、部内の結論を急ぎたい、こういうふうに考えておるわけであります。それから
保險制度自体が動いて行く前に又今回の
信用保証協会の再
保証というふうな
制度を布きましても、これが活用を図
つて行くという
意味におきまして、
資金を流すという
資金源の確保の問題というふうなものが実はあるわけであります。
資金源の確保の問題につきましては、私どもといたしましては、できるだけこれに
資金を流して行くというような考え方を以ちましていろいろ
努力を続けておるわけであります。なかなか成果は御承知の
通り挙がりかねて恐縮に存じておる次第でありますが、先ず第一にどうしても財政的な
資金の導入というもの、或いは地方公共団体の余裕金の導入というふうなところに重点を置いて、この中小
企業金融の
資金源というものを確保して参るというような形で進めておるわけであります。この点につきましては御指摘がありますので、一層
努力を重ねて参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。以上
簡單でありますが……。