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1951-11-20 第12回国会 参議院 地方行政委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十日(火曜日)    午前十一時二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     西郷吉之助君    理事            岩沢 忠恭君            岩木 哲夫君            中田 吉雄君    委員            石村 幸作君            高橋進太郎君            堀  末治君            安井  謙君            岡本 愛祐君           小笠原二三男君            吉川末次郎君            林屋亀次郎君            石川 清一君   国務大臣    国 務 大 臣 岡野 清豪君   政府委員    地方自治庁政務    次官      小野  哲君    地方自治庁次長 鈴木 俊一君    地方自治庁財政    課長      奧野 誠亮君   事務局側    常任委員会專門    員       福永與一郎君    常任委員会專門    員       武井 群嗣君   —————————————   本日の会議に付した事件委員長報告 ○愛媛県八幡浜市における街頭録音事  件に関する事件地方税法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○地方財政平衡交付金法の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送  付) ○地方行政改革に関する調査の件  (地方財政平衡交付金の増額及び起  債に関する件)   —————————————
  2. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは本日の会議を開きます。  最初に本日の理事会で諮りました点について御報告を申上げます。一つ只今衆議院を通過いたしました地方税法の一部改正案並びに地方財政平衡交付金法の一部改正案が本委員会にかかつておりますので、これに対してこれをどう取扱うかにつきましてお諮りいたしましたが、この二法案に対しましては本日岡野国務大臣出席を求めまして説明を聞いた上、これに対していろいろの関連質問をして頂く。その内容質疑応答に入るかどうかはその後において本委員会において協議の上きめる。もう一点は、先般の本委員会で取扱いました八幡浜市の警察の問題でありまするが、先般あの際に内輪でいろいろ御相談した際に、結論としては全警察に対して警告とまでは行かなくても、要望なり申入れなりをしたらどうかというふうなお話でありましたので、その案文を作りましたので、これを理事会に諮りました。お手許に配つてございますので、この案文について大体これでいいじやないかという御意見もございましたが、これを改めて皆さんにお諮りするというこの二件であります。以上が御報告でございますが、これについて御意見を承わりたいと思います。
  3. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 岡野国務大臣から提案説明聞くということについては異議ありません。ただ聞いたあと、どういうふうにこの案件を取扱つて行くかということは問題は別であります。それから八幡浜市の警察に関する件について全警察申入れをして、趣旨の徹底を図るということについては至極同感であります。ただここで私希望を申上げたいのですが、当委員会八幡浜市における警察関係証人を呼んで、その証言をとつた趣旨は、民主警察の意義を闡明して、警察行政の行過ぎのないように、又言論等に関する基本的人権は飽くまでも尊重さるべきだという前提に立つて、ああいう措置をとつたのでありまして、我々は警察或いは検察庁或いは裁判所とは趣きの違う委員会でありまするが、結果としてこういう委員会の行為が関係した具体的な、個人の進退影響するような結果を……或いは影響を及ぼすことは我々の本意でないのであります。従つてこの申入書案文を見ました場合に、具体的に八幡浜市の事件が取上げられ、それが契機となり、而もこの事件に関して遺憾である、行過ぎであるということで、警察結論としては具体的に批判しておるのであります。これが全警察官に行き亘るということになりますならば、八幡浜市の数十人の警察官は自粛することは無論でありまするが、その責任者である警察署長或いはそれを指揮監督する公安委員諸君進退影響なしとは言えないのではないかと思います。少くとも責任特つて警察行政を担当する責任者である署長は、当然これは引責辞職するであろうということが予見せられます。そういうことでは我々の本意からしますところとは非常に違つた形が出て来ますので、私はこの申入書のこの表現では田縁証人生活権の問題を憂えて、基本的人権尊重の立場から証言をとつたものが、今度は逆のほうのかたの生活権の問題にまで影響するということでは、私忍びないものがあるので、この表現についてはもう一度專門員室等において検討して頂きたいというふうに考えます。  具体的に申しますならば、この契機となりました八幡浜市の事件その他は一切この表現から削除してしまう。そうして一般的に最近頻々として起る云々というようなことで、一般的な事件概貌と、それに対する我々の心配の点を掲げて、そうして申入れる、口頭を以て八幡浜事件を引張り出して申入れるということにすれば、全警察関係は、このことによつてこれが出て来たということは確実なんですから、部内の問題としては如何ほど八幡浜事件が取上げられようとも、私は穏便にこれが済むのではないかと考える次第であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)で、この点お取扱い願いたいと思います。
  4. 安井謙

    安井謙君 只今小笠原委員の御意見は誠に御尤もだと思うので賛成したいと思います。それから地方税法の一部改正に関する、理事会において何か方針でおきまりになつたことがあれば具体的に御説明願いたいと思います。
  5. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 最初小笠原君の発言がございました。それに対して安井委員より賛成意見の開陳がございましたが、これは私も誠に御尤もな点であると思いまするが、各位においても御異存がなければその趣旨でもう一度この案文を練りまして、再びお諮りいたし、そうして口頭関係者に申したいと、さように存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それではさよう八幡浜市の問題は取扱います。   —————————————
  7. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 安井さんの今のお尋ねでございますが、実は最初に今御報告をした通りでありまして、改めて申上げますが、地方税法改正案並びに地方財政平衡交付金法改正案、この法案は本日の理事会で、今日岡野国務大臣出席を求め、提案理由説明を聞くことにして関連する質問大臣にする。二法案内容質疑応答をするかしないかは、大臣に対する質疑応答終つた後に、皆さんにお諮りして決定する。そういうことになつておりまするから、さよう御了承願います。  只今岡野国務大臣が遅蒔きながら出席になりましたから、最初お諮りいたしました通り地方税法の一部を改正する法律案並びに地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案、この二件につき岡野国務大臣提案理由説明を求めます。
  8. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 只今議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきましてその提案理由及び内容概要を御説明申上げます。  御承知通り現行地方税制は、両次に亘るシヤウプ勧告趣旨とするところに則り、地方財政自主権強化拡充及び住民負担合理化を目標として従前の地方税制を根本的に改革したものでありまして、その施行以来漸次所期の成果を挙げて参つたのでありますが、何分にもそれが根本的な改革でありましたことと、最近における社会経済事情の変化とによりまして、これに相当の修正を加える必要があるものと認められるに至つているのであります。  政府におきましては、これらの問題について鋭意研究を重ねているのではありますが、現行地方税制全般に亘る改正は、更に愼重な凖備を以てこれを他日に期することとし、今国会においては、差当り必要な最少限度改正を行うことといたした次第であります。  次に、本法律案内容について御説明申し上げます。  改正の第一点は、市町村民税法人税制及び法人事業税についてであります。即ち、市町村民税法人税割及び法人事業税納期限は、法人税の場合と同じく、事業年度終了後二月以内となつているのでありますが、最近における金融及び取引の実情に鑑み、その徴收の円滑を期するため法人税法改正に準じ納税者申請に基き、その税額の二分の一の額以内において、三月を限度としてその徴収を猶予することといたしたのであります。  改正の第二点は、附加価値税についてであります。附加価値税現行地方税法において初めて創設されたのでありますが、その実施の結果が我が国社会経済に及ぼす影響が甚大であることに鑑み、施行準備の万全を期するため現行地方税法制定の際、二年間その施行を延期することとされたのでありまして、いよいよ、明年一月一日から施行されることとなるのでありますが、今日の我が国社会経済の情勢及び地方税制全般との関連上、予定通り附加価値税を実施することについてなお暫らく愼重な検討を必要とするものがあると認められるのであります。  よつて附加価値税施行に関する結論を得るまでの間、附加価値税課税標準について加算法を採用することについての届出の期限青色申告書により申告することについての承認申請期限等昭和二十七年三月三十一日までに延期して、混乱の発生を防止することと致したのであります。  改正の第三点は、固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、本税創設以来評価基準作成等所要の事項について努力を重ね、本税運営の最も重要な点である評価適正化に万全を期して参つたのでありますが、何分にも固定資産評価ということは初めての試みでありますため、まだ完全とは言い得ないのであります。従つて、来年度におきましてもなお評価につき十分な調査をいたし、適正なものとして行く必要が通感されるのでありますが、これがため、昭和二十七年度分の固定資産税に係る固定資産価格決定期限を六月末日まで四ケ月間延期し、それまでの間は、前年度分の固定資産税課税標準なつ価格に基いて仮徴收し、八月以降の納期において本決定価格に基いて差額を清算することとし、評価の適正と徴收合理化とを図ることとしたのであります。以上が本法律案提案理由及びその内容の大要であります。何とぞ愼重御審議の上、速かに議決せられんことを希望する次第であります。次に只今提出いたしました地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及び内容概要を御説明いたします。  本法律案は、地方財政平衡交付金の額の算定基礎に用いた数について錯誤があつたことを発見いたしました場合において、簡易に必要な調整的措置をとることができるように、所要規定を整備しようとするものであります。以下本改正法律案内容概要について説明申上げます。  改正の第一点は、地方財政平衡交付金の額が決定した後において、その額の算定基礎に用いた数について錯誤があつたことを発見した場合においては、当該地方団体基準財政需要額又は基準財政收入額について増加し、又は減少する額は、錯誤があつたことを発見した年度又はその翌年度において、当該地方団体に交付すべき交付金算定に用いらるべき基準財政需要額又は基準財政收入額加算又は減額する方法によつて調整し、この調整したものを当該地方団体基準財政需要額又は基準財政收入額とすることができるようにいたそうとするものであります。  改正の第二点は、錯誤にかかる数を用いた年度後の年度において、以上のよう措置を行うといたしますとき、たまたま当該地方団体基準財政收入額が、基準財政需要額を超えている地方団体又は以上の措置を行なつた結果、そのようになる地方団体において交付金交付不足額があるときは、これを限度として当該年度地方財政平衡交付金のうちからこの部分を交付し、又、交付金交付超過額があるときは、これを限度として別途に返還させることといたしたいのであります。  以上の二点について今回改正をしようといたしますのは、今回の補正予算成立後に行うことを予定しております。地方財政平衡交付金の本決定の際に、すでに発見いたしました昭和二十五年度分の地方財政平衡交付金算定における錯誤を調整いたしたいからであります。何とぞ愼重御審議の上、速かに可決されんことをお願いする次第であります。
  9. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 補足説明等もして頂けるかと思うのでありますが、その前にお尋ねして置きたいのですが、これは委員長に対してであります。この二つ法案は、先週の、その前の土曜日からかと思いますが、参議院においては予備審査に付せられておつたのであります。然るに本日初めて本審査になつて提案理由説明を頂いたのでありますが、その間委員長のほうに対して政府側からどういう御連絡があつたのか念のためにお伺いして置きます。
  10. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 只今小笠原委員にお答えいたします。実は今回の臨時国会が召集されまして、最初委員長会議かありまして、その際、政府より官房長官も御出席になりまして、各法案の大体のことを伺いました。その際、本委員会に対しましては提出すべき法案決定しておらないというお話でございましたので、私は委員長といたしまして臨時国会における本委員会運営方針決定する上に必要であるから、政府が若し本委員会法案提出ようとするならば、あらかじめ前以て委員長予告をして頂きたいということを要望して置いたのであります。然るにその後何らの政府からの連絡もなく、突如としまして会期切迫してから、去る十日並びに十二日におのおの法案が一件ずつ提出されたのであります。委員長といたしまして、先ほど申上げました通り要望してあるにかかわらず、何らの予告もなく突如として会期切迫して出されましたので、誠に遺憾に思つたのであります。従つて私は直ちに政府に対してそういう申入れをしたのでありまするが、会期も切迫しており、殊に十日の朝には委員会の開催前に理事会を開きまして、その後の方針決定した、その日の午後に法案が出ましたので、御承知通りその間この法律案審議余裕がなかつたわけであります。私はこういう点を誠に遺憾に思つた次第でありまして、今小笠原委員が申されましたよう予備審査余裕もなく、直ちに本審議に入らざるを得ないような結果になつた点であります。その点は委員長といたしまして岡野国務大臣に対して誠に遺憾であるというふうなことを申上げざるを得ないのであります。
  11. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 事情はよくわかりましたが、それならば岡野大臣にお伺いしますが、これは本日漸く本審査になつたのでありまするが、本日は会期延長後に属するほうの本日なんです。会期延長しなければこの法案はどう措置されようとして参議院側のほうには今日まで御連絡がなかつたのであるか、この点お伺いします。
  12. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 私は衆議院通りまして、早速こちらのほうえ廻つておるものと考えておりました。誠に遺憾であります。
  13. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 じや、遺憾だということはわかりましたが、この法案をどうしようと、どういう御予定を以てこれを結末付けようとお考えになつたのか。会期延長しなければ、これは審議未了なり、継続審査に移るべき運命にあつたものなのです。だからそうなつてもよろしいというお考えであつたということを私は肯定しているのではないかと思うのですが、その点を伺つておるのです。
  14. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。極く簡單法案でございますから、衆議院でも二日ばかりで御審議を願えたものでございますから、ぎりぎり一杯に御審議願えるものと実は考えておつたわけであります。
  15. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それは当該大臣としては、そういうふうに手軽くそれだけでお考えになるかも知れませんけれども、これは参議院常任委員長懇談会或いは議院運営委員会等で以て会期の後半にはこういうものを、この法案提出については愼重扱つて欲しいと再三の要望もし、官房長官においてもそれを諒とせられておつたのが、この法案は後半に出て来て、出て来たならば少くとも委員会に対しても政府に協力して欲しいとか、或いは審査を促進して欲しいとか、いろいろ御連絡があつてもよかりそうなもの、それがない。而も二、三日前の議院運営委員会において官房長官に、かかつている法案の問題についていろいろ、お尋ねしました場合に、この二つ法案法案性質上、その内容から言うて十二月三十一日までに法律となればいいのであつて、今国会における成立を期待しなくともいいという御発表があつたのであります。従つてやはり岡野さんのほうでもそういうお考えがあつてゆつくりした手順でこういうふうになつて来たのであろうか。そうなれば私たちのほうもやり方があるという考えから、こういうことをお伺いしているので、何もやかましいことを追及しているのではないのであります。従つて官房長官が言つたこの程度考え行つていいのかどうか、ちよつとお伺いしたい。
  16. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 手違いで非常に遅れまして恐縮でございます。官房長官のほうでどう申しましたか、実はあなたから伺つて初めて知つたわけでございまして、新聞ちよつと見たことで疑問に思つてつたのでございます。当該所管大臣といたしましては無論これは提案します以上は、是非御審議願つて会期中に御決定を願いたいということは、もう初めから考えておりまして、通つても通らなくてもいいような、そういう簡單考えを以て臨んではおらなかつた。事ここに至りましたのは、全く私のほうの手違いで非常に遺憾に存じます。
  17. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) そのほかに御発言はございませんか。
  18. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私、実は内容について発言があるのですけれども、ところが、それをお尋ねすると、関連してみんなお尋ねしなくちやならんので、多分同じ考えで、皆さんも総括的な、前提になるようなことでとどめておくわけにはいかんものですから、じつとしておられるのじやないかと思うので、これは委員長においても本日ずつと入つて行くのでない限りは、もうこの程度にしておいて頂かないと、進まないのじやないかと考えますが。
  19. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それではお諮りいたしますが、今小笠原君からの御発言がございましたが、今朝の理事会でも提案理由説明を聞き、いろいろの総括的な問題について国務大臣に尋ねたいというふうな、民主党の理事のかたから御意見がありましたが、只今委員会におられませんので、それでは今後質疑に入られる前に、内容関連しての総括的なことを、この際岡野国務大臣に尋ねられるか、如何いたしますか、お諮りいたします。
  20. 安井謙

    安井謙君 今小笠原君から御質問がありましたように、法案が非常に参議院正式審議が遅れたことは非常に遺憾なんでありますが、ほかに官房長官談として新聞に出たような多少行き違いがあつたことがある。これも非常に遺憾だと思いますが、この取扱について、この法案自身を、今御説明伺つてみますと、どうも今国会中にできれば我々は審議したいという感じを今持つたわけなんです。そういうような運びになるかどうかを一つこの委員会で、なるかどうかでなくて、できるよう一つ意見のあるところも伺つて、その取きめを先にしたほうがいいんじやないかと思うのですが、お諮り願いたい。
  21. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 只今安井委員より御発言がございましたが、それに関連して御意見がございますれば伺いたいと存じます。
  22. 林屋亀次郎

    林屋亀次郎君 只今安井さんの御提案通り、我々は今国会会期中にこれを審議いたしたいと存じます。さよう一つ皆さんお取計らいを願いたいと思います。
  23. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私も今会期中に上げたいという努力を以て、議員としては進むのが至当であろうと考えます。ただ問題の性質上上らなくなる場合もあるかも知れません。併し私たちとしてはそういう努力をするように次回からは質疑を展開して進めて行くというふうにしたいと考えます。
  24. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 個々の質問は次回に願つて政府委員から補足説明を詳しく、今次官もおられますから、してもらつておいたらどうですか。
  25. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは只今岡本委員からの御発言がございましたので、只今岡野国務大臣提案理由説明に補足して、政府委員説明を求めます。
  26. 鈴木俊一

    政府委員鈴木俊一君) それでは大臣只今説明申上げました二法律案につきまして、若干補足的に條文に基きまして御説明申上げます。  最初地方税法の一部を改正する法律案に関しまして申上げます。これは「現行法との対照」というのがございますが、これと改正法律案と両方御覧願いたいと思います。  第十六條の四と第十六條の六、この二つ徴收猶予制度に関する改正の問題でございまして、十六條の四は現行法にございます徴收猶予制度であります。これも国税徴収法がございますが、この国税徴收法改正をやはり政府といたしましては国会のほうにお願いをいたしておりまして、それと歩調を行わした改正が第十六條の四であります。差当つてこの十六條の四の一番最初のところに、「第十六條の六」というのを加えておりますが、これは今回新らしく徴收猶予制度法人税割及び法人事業税について設けようという関係から、この徴收猶予制度を取消す場合の一つの項目といたしまして、第十六條の六を加えたわけであります。十六條の四の第一項の二号、三号の改正は、国税徴收法改正に即応いたす改正でございまして、字句をやや明瞭にいたした程度改正でございます。  それから第十六條の六でありますが、これは先ほど大臣から御説明申上げました今回新たに認めようとする徴收猶予の問題であります。これは今までの徴收猶予制度は、すべての地方税につきまして認められる制度であつたわけでありますが、これは法人税割法人事業税、この二つについてのみ適用される徴收猶予制度であります。そうしてその程度は、法人税割額又は法人事業税額の二分の一に相当する税額以下の額、こういうことであります。徴收猶予條件といたしましては、一般徴收猶予制度につきましてはそれぞれ経済状態が非常に悪くなりましたとか、その他特殊な猶予すべき條件がございまするが、この徴收猶予制度につきましては、そういうよう條件は一切ないのでありまして、事業年度終了後二カ月以内、即ち申告納付をいたしまするその申告書提出期限内に徴收猶予をしてもらいたいということを申請いたしますならば、すべての法人事業税或いは法人税割につきまして徴收猶予をしてもらうことができると、こういう建前に規定をいたしておるのであります。それからその次に一般制度と違つておりまする点は、期間が一般制度は一年ということでありまするが、これは申告書提出期限から三カ月と、こういうことであります。従つて一般の七、八割の法人事業年度は大体九月三十日で終るものが多いわけでありまするから、その事業年度終了後二カ月以内に法人税割或いは事業税を納めなきやなりませんので、その期限が十一月三十日であるわけであります。その提出期限から三カ月を限度としてやる。こういうことになりますから、結局来年の二月までに徴收猶予をされた分は納めればよろしい。これを実質的に申上げますれば、結局事業年度終了後二カ月前に二分の一の額を納める、従つて十一月三十日までに二分の一の額を納め、残りの二分の一の額は来年の一月三十一日までに納めると、こういうことになりまして、結局納期が、現在事業年度終了後ですから、六カ月の事業年度をとつておりまする所は年二回でありまするが、それが実質的には年四回になる、こういうわけであります。第二項は特別に御説明申上げるほどのことはないと思います。それから第三項におきまして、徴收猶予をいたしまするのは二分の一の額、要するに徴收猶予を受ける額以外の額、実質的に申せば二分の一の額は必ず事業年度終了後二カ月内に完納しなければならんわけでありまして、若しそれを完納しないという場合においては、その徴收猶予を取消して直ちに徴收できる、こういうふうにいたしておるわけであります。  それから三十一條の二、七十二條、六十四條の二、この三カ條の條文附加価値税に関する改正でございます。大臣の御説明にありましたように、法人事業税にかかる附加価値額の算定につきましては、控除法によりまするものと、加算法によりまするものと、二通りあるわけでございまするが、加算法によりまする場合におきましては、現行法におきましては昭和二十六年の十二月三十一日までにこれを府県知事に届出でまして、承認を求めなければならんようになつておるわけであります。十二月三十一日ということは、来年の、即ち昭和二十七年の一月一日から附加価値税を実施いたす建前で、そのようにいたしておるわけでございまして、附加加値税の実施の可否並びにこれに対する問題の根本的な解決につきましては、いま暫らく政府に研究の時期を與えて頂こうということで、これを一応昭和二十七年の三月三十一日まで延ばして頂くというのがこの三十一條の二の改正案であります。七項は前の十六條の六との関係で字句の整理をいたしただけであります。  第七十二條は今の期間の関係でございますが、昭和二十七年一月一日の属する事業年度ということで始期を抑えておりまするのを、やはり延ばします関係から、一月一日から三月三十一日までというふうに延ばしておるわけであります。その他後段のほうも同様であります。  第七十四條の二のほうは、附加価値税につきまして、青色申告の制度をとろうという場合におきましては、都道府県知事にあらかじめそのことを届出まして、承認を受けなければならんわけでございますが、その関係期限を変更いたそうというわけであります。  それからその次の第三百二十七條、これは市町村民税法人税割に関する規定でございますが、新らしく設けようという「第十六條の六第一項の規定によつて徴收猶予を受けた法人がその徴收猶予に係る税金を納付する場合を含む。」というふうに入れまして、延滯金は徴收猶予を十六條の六によつて受けましてもこれを納めなければならない。要するに納期限後に納める場合に延滯金を付するわけでありまするが、その原則は今回新らしく設けようとする制度につきまして徴收猶予を受けることになりましても、これだけは納めなきやならん、こういうわけであります。  それから第三百二十九條は、やはり今回新らしく認められまする徴收猶予というのは、普通の、要するにそれを合法的に納期を延ばすことを認めるわけでございまするので、納期限後、納めないということのために督促状を発する一般の滯納処分の督促手続はとらない、つまり督促状を発しない、こういうわけであります。  第三百六十四條の二、これは昭和二十七年度分の固定資産税徴收関係でございますが、固定資産税徴收につきましては、先ほど大臣から御説明を申上げましたように、一応昭和二十六年分、即ち今年度分の固定資産税課税標準として固定資産課税台帳に登録された価格基礎にいたしまして、来年の二十七年七月以前の納期、即ち四月、六月の納期につきましては固定資産税をとる。即ち六月三十日までに固定資産価格決定いたしまして、それ以後の、八月以後の納期におきまして精算をする、こういう関係規定であります。第三項はそういう趣旨納税者に交付する徴税令書の中に明確に書上げておけ、こういうわけであります。  それから第三百七十三條は、これは字句の関連規定の整理であります。  第三百九八十九條、これも第三百九十二條の規定を新らしく挿入いたします関係の字句整理であります。  第三百九十條の二、これは二十七年度分の固定資産税につきまして三百九十一條第一項の規定に準じて、関係市町村に地方財政委員会価格を配分し、それを三月三十一日までに当該市町村の長に通知しなければならない。これはいわゆる大規模の固定資産でありまして、関連のある市町村に価格を配分いたすものでありますが、これに対しましても全体の価格決定の時期を遅らす関係で、三月三十一日というふうに遅らしておるわけであります。  第三百九十二條の二のほうも、価格の通知の時期を六月三十日までに、一般価格決定の時期と同じように延ばす、こういうわけであります。  第四百十一條の二、四百十六條の二、四百十八條の二、四百二十九條の二というのは、いずれも期間の変更に関する規定でありまして、固定資産の課税台帳の縦覧期間、それから固定資産価格概要調書の送付の期限固定資産評価審査委員会審査のための会議の開会の期間、これらをいずれも変更をいたそうというわけであります。  第七百六十三條の三は、法人事業税につきまして徴收猶予をいたしまする場合におきましては、延滯金はやはりこれは取るのであるということを念のために書き加えておるだけであります。  第七百六十五條のほうは、徴收猶予をいたしました場合におきましても、一般の督促処分によりまする督促状の発行はいたさない。要するに滯納処分をいたさないと、こういうわけであります。  以上が大体地方税法の一部改正法案の概略の説明であります。  次に地方財政平衡交付金法の一部改正法律案につきまして申上げます。  これは先ほど大臣から説明を申上げました通りでございまして、特に附加えて申上げる点はないと存じますが、要するに現行法のままにおきましては平衡交付金基準財政需要額、或いは基準財政收入額算定錯誤があつた場合におきまして当該年度におきましてこれを措置する。そしてその場合におきましては返還いたしまする場合には新らしくそれだけのものを、やかましく申上げまするならば予算に計上してやらなければなりませんし、返還をいたしまする場合におきましても、これを一般の雑收入として国の一般の歳入の中に入れなければならんということになりまするので、却つて手続が面倒でございます。そういう関係錯誤を発見した年度だけでなく、錯誤を発見したその翌年度、その両年度いずれかにおきまして直接に返還を要求するとか、再交付するとかいうことでなく、先ず基準財政需要額なり、基凖財政收入額に錯誤をしました額を加算をし、或いは減額をいたしまして調整をいたしましたものを基準財政需要額、或いは基準財政收入額としてその年の平衡交付金算定する、こういうふうにいたそうというわけであります。これも昭和二十五年度の、即ち昨年度の平衡交付金の交付に際しまして若干の錯誤がございまして、今回昭和二十六年度の平衡交付金の本決定の際には、その錯誤の点を調整をして処理することにいたしたいということが、今国会に特にお願いをいたすゆえんであります。
  27. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは本日はこの程度にいたしまして……。   —————————————
  28. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 去る十二日に参議院で全会一致を以ちまして、地方財政の窮乏を救いますために平衡交付金と起債の枠を拡大いたしまして、地財委に善処するように全会一致を以て決定したわけでありますが、その後吉田内閣におきましてこの全国から起りました膨湃たる要望に対して、特に国民の代表である国会の両院から曾つて余り例のないような全会一致の決議がなされたのですが、どういうその要望に応えるような御処置をおとりであるかという点をお伺いしたいと思うわけであります。我々か大蔵省なんかに接しました限りにおきましては、なお地方財政には余裕があるとか、或いは自然増收が相当あるというようなことで、国会の両院の決議を尊重するような意向が見えぬでもないかと思うのですが、アメリカからドツジ氏がおいでになつて、大蔵大臣が折衝しては、余裕があるからそういう必要はないと言い、岡野国務大臣は大変だからと言つて是非粋を殖やしてもらいたいというようなばらばらの交渉では駄目だと思うのですが、我々としましてはやはり吉田内閣の閣議といたしまして統一した見解の上に立たれて、是非今国会中に善処して頂きたいと思うのですか、一つ閣内の動向、担任の岡野国務大臣がおとりになつておるよう措置を承わりまして、今後の運動の指針にいたしたいと思いますので、その辺の様子を一つ十分詳細に承わりたいと思います。
  29. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 速記を中止します。    〔速記中止〕
  30. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 速記を始めて下さい。
  31. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 岡野国務大臣要望しておきたいことは、参議院におきまして各会派一致して平衡交付金の増額、起債の枠の拡大の決議を満場一致でいたしたのであります。私ども各派におきましても、その責任を痛感しまして総司令部に対して是非ともこの増額ができますように、先ず第一義的には今提出してある補正予算、これを是非とも増額してもらわなければいかんという交渉をいたしております。過般私も緑風会を代表いたしまして、民主党の代表のかたと御一緒に予算課長のリード氏に面会をいたしました。又今明日に参りまして交渉するつもりであります。この交渉に当つて心配いたしますことは政府の態度であります。岡野国務大臣は、もとより地方自治庁の長官とされて、府県並びに市町村の財政状態もよく御存じのはずでありますから、我々のこの交渉に対して邪魔をされるはずはないと思います。併し大蔵当局のほうにおいては必ずしもそうじやないと思います。いろいろの国家財政の窮乏というようなことを理由にして、それほど必要ないというようなことを総司令部のほうに対して自分の意見を固執されるような虞れが多分にあると思うのであります。どうか岡野国務大臣においてはそういうことがないように、よく大蔵大臣お話をして頂きたいと、国会もできるだけの努力をいたしますが、政府は両院が決議をしたのでありますから、十分尊重されて、この目的が達成するように、而うして地方財政の窮乏を救うよう努力をされたい。それだけ附言して申上げておきます。
  32. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは本日は、この程度にいたしまして散会いたし、明日午前十時から開会いたします。本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会