○
政府委員(
鈴木俊一君) それでは
大臣の
只今御
説明申上げました二
法律案につきまして、若干補足的に
條文に基きまして御
説明申上げます。
最初に
地方税法の一部を
改正する
法律案に関しまして申上げます。これは「
現行法との対照」というのがございますが、これと
改正法律案と両方御覧願いたいと思います。
第十六條の四と第十六條の六、この
二つは
徴收猶予の
制度に関する
改正の問題でございまして、十六條の四は
現行法にございます
徴收猶予の
制度であります。これも
国税徴収法がございますが、この
国税徴收法の
改正をやはり
政府といたしましては
国会のほうにお願いをいたしておりまして、それと歩調を行わした
改正が第十六條の四であります。差当
つてこの十六條の四の一番
最初のところに、「第十六條の六」というのを加えておりますが、これは今回新らしく
徴收猶予の
制度を
法人税割及び
法人の
事業税について設け
ようという
関係から、この
徴收猶予の
制度を取消す場合の
一つの項目といたしまして、第十六條の六を加えたわけであります。十六條の四の第一項の二号、三号の
改正は、
国税徴收法の
改正に即応いたす
改正でございまして、字句をやや明瞭にいたした
程度の
改正でございます。
それから第十六條の六でありますが、これは先ほど
大臣から御
説明申上げました今回新たに認め
ようとする
徴收猶予の問題であります。これは今までの
徴收猶予の
制度は、すべての
地方税につきまして認められる
制度であ
つたわけでありますが、これは
法人税割と
法人の
事業税、この
二つについてのみ適用される
徴收猶予の
制度であります。そうしてその
程度は、
法人税割額又は
法人事業税額の二分の一に相当する
税額以下の額、こういうことであります。
徴收猶予の
條件といたしましては、
一般の
徴收猶予の
制度につきましてはそれぞれ
経済状態が非常に悪くなりましたとか、その他特殊な猶予すべき
條件がございまするが、この
徴收猶予の
制度につきましては、そういう
ような
條件は一切ないのでありまして、
事業年度終了後二カ月以内、即ち
申告納付をいたしまするその
申告書の
提出期限内に
徴收猶予をしてもらいたいということを
申請いたしますならば、すべての
法人事業税或いは
法人税割につきまして
徴收猶予をしてもらうことができると、こういう建前に
規定をいたしておるのであります。それからその次に
一般の
制度と違
つておりまする点は、期間が
一般の
制度は一年ということでありまするが、これは
申告書の
提出期限から三カ月と、こういうことであります。
従つて一般の七、八割の
法人の
事業年度は大体九月三十日で終るものが多いわけでありまするから、その
事業年度終了後二カ月以内に
法人税割或いは
事業税を納めなきやなりませんので、その
期限が十一月三十日であるわけであります。その
提出期限から三カ月を
限度としてやる。こういうことになりますから、結局来年の二月までに
徴收猶予をされた分は納めればよろしい。これを実質的に申上げますれば、結局
事業年度終了後二カ月前に二分の一の額を納める、
従つて十一月三十日までに二分の一の額を納め、残りの二分の一の額は来年の一月三十一日までに納めると、こういうことになりまして、結局
納期が、現在
事業年度終了後ですから、六カ月の
事業年度をと
つておりまする所は年二回でありまするが、それが実質的には年四回になる、こういうわけであります。第二項は特別に御
説明申上げるほどのことはないと思います。それから第三項におきまして、
徴收猶予をいたしまするのは二分の一の額、要するに
徴收猶予を受ける額以外の額、実質的に申せば二分の一の額は必ず
事業年度終了後二カ月内に完納しなければならんわけでありまして、若しそれを完納しないという場合においては、その
徴收猶予を取消して直ちに
徴收できる、こういうふうにいたしておるわけであります。
それから三十一條の二、七十二條、六十四條の二、この三カ條の
條文は
附加価値税に関する
改正でございます。
大臣の御
説明にありました
ように、
法人の
事業税にかかる附加価値額の
算定につきましては、控除法によりまするものと、
加算法によりまするものと、二
通りあるわけでございまするが、
加算法によりまする場合におきましては、
現行法におきましては
昭和二十六年の十二月三十一日までにこれを府県知事に届出でまして、承認を求めなければならん
ようにな
つておるわけであります。十二月三十一日ということは、来年の、即ち
昭和二十七年の一月一日から
附加価値税を実施いたす建前で、その
ようにいたしておるわけでございまして、附加加値税の実施の可否並びにこれに対する問題の根本的な解決につきましては、いま暫らく
政府に研究の時期を與えて頂こうということで、これを一応
昭和二十七年の三月三十一日まで延ばして頂くというのがこの三十一條の二の
改正案であります。七項は前の十六條の六との
関係で字句の整理をいたしただけであります。
第七十二條は今の期間の
関係でございますが、
昭和二十七年一月一日の属する
事業年度ということで始期を抑えておりまするのを、やはり延ばします
関係から、一月一日から三月三十一日までというふうに延ばしておるわけであります。その他後段のほうも同様であります。
第七十四條の二のほうは、
附加価値税につきまして、青色申告の
制度をとろうという場合におきましては、都道府県知事にあらかじめそのことを届出まして、承認を受けなければならんわけでございますが、その
関係の
期限を変更いたそうというわけであります。
それからその次の第三百二十七條、これは
市町村民税の
法人税割に関する
規定でございますが、新らしく設け
ようという「第十六條の六第一項の
規定によ
つて徴收猶予を受けた
法人がその
徴收猶予に係る税金を納付する場合を含む。」というふうに入れまして、延滯金は
徴收猶予を十六條の六によ
つて受けましてもこれを納めなければならない。要するに
納期限後に納める場合に延滯金を付するわけでありまするが、その原則は今回新らしく設け
ようとする
制度につきまして
徴收猶予を受けることになりましても、これだけは納めなきやならん、こういうわけであります。
それから第三百二十九條は、やはり今回新らしく認められまする
徴收猶予というのは、普通の、要するにそれを合法的に
納期を延ばすことを認めるわけでございまするので、
納期限後、納めないということのために督促状を発する
一般の滯納処分の督促手続はとらない、つまり督促状を発しない、こういうわけであります。
第三百六十四條の二、これは
昭和二十七
年度分の
固定資産税の
徴收の
関係でございますが、
固定資産税の
徴收につきましては、先ほど
大臣から御
説明を申上げました
ように、一応
昭和二十六年分、即ち今
年度分の
固定資産税の
課税標準として
固定資産課税台帳に登録された
価格を
基礎にいたしまして、来年の二十七年七月以前の
納期、即ち四月、六月の
納期につきましては
固定資産税をとる。即ち六月三十日までに
固定資産の
価格を
決定いたしまして、それ以後の、八月以後の
納期におきまして精算をする、こういう
関係の
規定であります。第三項はそういう
趣旨を
納税者に交付する徴税令書の中に明確に書上げておけ、こういうわけであります。
それから第三百七十三條は、これは字句の
関連規定の整理であります。
第三百九八十九條、これも第三百九十二條の
規定を新らしく挿入いたします
関係の字句整理であります。
第三百九十條の二、これは二十七
年度分の
固定資産税につきまして三百九十一條第一項の
規定に準じて、
関係市町村に地方財政
委員会が
価格を配分し、それを三月三十一日までに当該市町村の長に通知しなければならない。これはいわゆる大規模の
固定資産でありまして、
関連のある市町村に
価格を配分いたすものでありますが、これに対しましても全体の
価格決定の時期を遅らす
関係で、三月三十一日というふうに遅らしておるわけであります。
第三百九十二條の二のほうも、
価格の通知の時期を六月三十日までに、
一般の
価格決定の時期と同じ
ように延ばす、こういうわけであります。
第四百十一條の二、四百十六條の二、四百十八條の二、四百二十九條の二というのは、いずれも期間の変更に関する
規定でありまして、
固定資産の課税台帳の縦覧期間、それから
固定資産の
価格概要調書の送付の
期限、
固定資産評価審査委員会の
審査のための
会議の開会の期間、これらをいずれも変更をいたそうというわけであります。
第七百六十三條の三は、
法人事業税につきまして
徴收猶予をいたしまする場合におきましては、延滯金はやはりこれは取るのであるということを念のために書き加えておるだけであります。
第七百六十五條のほうは、
徴收猶予をいたしました場合におきましても、
一般の督促処分によりまする督促状の発行はいたさない。要するに滯納処分をいたさないと、こういうわけであります。
以上が大体
地方税法の一部
改正法案の概略の
説明であります。
次に
地方財政平衡交付金法の一部
改正法律案につきまして申上げます。
これは先ほど
大臣から
説明を申上げました
通りでございまして、特に附加えて申上げる点はないと存じますが、要するに
現行法のままにおきましては平衡
交付金の
基準財政需要額、或いは
基準財政收入額の
算定に
錯誤があ
つた場合におきまして
当該年度におきましてこれを
措置する。そしてその場合におきましては返還いたしまする場合には新らしくそれだけのものを、やかましく申上げまするならば予算に計上してやらなければなりませんし、返還をいたしまする場合におきましても、これを
一般の雑收入として国の
一般の歳入の中に入れなければならんということになりまするので、却
つて手続が面倒でございます。そういう
関係で
錯誤を発見した
年度だけでなく、
錯誤を発見したその翌
年度、その両
年度いずれかにおきまして直接に返還を要求するとか、再交付するとかいうことでなく、先ず
基準財政需要額なり、基凖財政收入額に
錯誤をしました額を
加算をし、或いは減額をいたしまして調整をいたしましたものを
基準財政需要額、或いは
基準財政收入額としてその年の平衡
交付金を
算定する、こういうふうにいたそうというわけであります。これも
昭和二十五
年度の、即ち昨
年度の平衡
交付金の交付に際しまして若干の
錯誤がございまして、今回
昭和二十六
年度の平衡
交付金の本
決定の際には、その
錯誤の点を調整をして処理することにいたしたいということが、今
国会に特にお願いをいたすゆえんであります。