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参考人(
小金井健男君) 只今の御質問にお答え申上げます。
警視庁の現状につきましては、御
承知の点も多々おありのことと存じまするが、御指摘頂きました
警察の近代化、科学化という点につきましては実に
お話にならない
事情でございまして、私
どもといたしましては、どうしても人の突き進んだ犯罪を追
つて刑事訴訟法の下で実績を拳げますのには、この面に金をかけなければならないということを日夜念願して参つたような次第でございます。今日まで特別に申上げるほどのことはございませんけれ
ども。先ほど
お話頂きましたラジオ
自動車、この点につきましては前
年度一般の
財源を以ちまして車輛二十台、
無線機二十一台それぞれ
承認せられまして、現在該当いたしまする台数が
東京都内に走
つて警戒に当
つておるような次第でございます。これを
警視庁五階の司令室から
自動車と
連絡をとりまして、都内のどういう
場所で
事件が起りましても指令を受けました瞬間に数台の車が現場に急行いたしまして、おおむね三分以内に現場に到着して事態を解決いたしまするために、どういたしましても更に三十数台の
無線機と
自動車を必要といたすのでございます。このために
起債として本年再三
お願いを申上げて今日に至つたのでございまするが、都におきましては
起債が不可能ならば
一般財源では、先ほど小笠原
委員の
お話になりましたように当面の運営をいたしますることが何と言
つても急で、まとまつたそういう金をそういう
事業に出すことは到底
一般財源では考えられないことであるという見解なのでございます。そういう次第を以ちまして、この継続
事業として欲を申しますれば、百三十台ばかり都内にこれが欲しいところなんでございますけれ
ども、
差当り講和前後の首都の治安維特上どうしても四十数台は確保しなければならない。こういう観点から実は三十数台の車輛を今年の
計画としてや
つて参つたのでございまするが、実は
一般財源におきましても
起債におきましても、その一台すらも認められないで今日に至りへ而してこれらの機械は一年使いますると、三交代二十四時間駆使しておりますので、
無線機も車輛も一年で大体
寿命が大半終るという危険があるのでございまするが、その
補充すらも全然できないという
状況でございます。なおいま
一つはやはり
お話のございました点と関連いたしますが、パトロールをや
つておりまする
警察官が街頭に一万三千数百名、これが三交代で二十四時間それぞれ与えられました受持区域を巡回しておるのでございますが、これらの者が受持の区域から一時間ごとに区域内の
事件の発生の有無を報告
連絡をすることに
なつておりまして、これらのために街頭に電話を敷設するということは制度上絶対に必要なのでございます。これが只今の計算で少くとも六百五十個必要なんでございまするが、昨
年度四百五十個頂きましたので残りの二百個本年
是非これも
起債で
お願いするところでございまするが、願
つておるのでございまするが、一部地域に街頭電話が設置されたほかは、パトロール実施の後廻しになりました
警察署の管内には実はこの街頭電話が全然ないのでございます。これは治安維持上、又管下一斉に
パトロール制度を実施いたしますという上から非常なる不都合であり、都民に対しましても非常に不公平な取扱をいたしておるということで、私
ども非常に心苦しく存じておるような次第でございます。それから車輛でございますが、車輛の
関係は
自治体警察になりまして以後今日までおおむね二百車輛大小合せまして増強をいたして参
つております。併しながら御
承知のような国内生産の
事情でもございまするし、必ずしも
警察に適しまする車輛を全部調達できたというわけでもございませず、乗用車輛のごときは
警察では緊急な
連絡用といたしまして不可欠なものなんでございまするが、これらのものにつきましても三十二年三年というような老朽車が圧倒的な数を占めておりまして、これらを更改することも
是非とも
一つ必要でございまするが、なお御
承知の
通り東京都内で最近でこそ
事件も少いのでございまするが、殆んど連日予備部隊を私のところで四千、三千五百名ほど確保いたしておりまするが、これらのものを縦横に都内に輸送いたしますということは、絶対に治安維持上必要であると考えておるのでございまするが、これすらも、この車輛すらも、今までこれらの人間を乗せまするのに、三分の一
程度を輸送する車輛ほかそれらの部隊は持
つておらない
実情でございます。合計いたしまして二万五千に近い
警察官を持
つておりまして、これらの者は必要によ
つていつでも出動の態勢を取り、輸送されなければならないのですが、昨年、一昨年前後の
状況から見ますると、事がありますと組合から
自動車の断りを受け、出かけて行こうと思
つても、急に
警察では車が手に入らないというような
実情でございまして、非常に困難をいたしたのでございまするが、その後各
警察署七十三につきましては、払下げのジープが、約十人ばかり乗れまするジープが一台ありますほかには一台のトラックも持ち合しておりませんものですから、急な場合にはそれぞれ民間から借り上げてや
つているというような
状態でございまして、
機動力を整備いたします
関係から、全部とは申しませんでも、予備隊三千五百名
程度のものがすぐに送れる車でも
是非整備してもらわなければならないと、かように考えておる次第でございます。
先ほど申上げました
通信と関連いたしまして、只今有線電話が従来からあるのでございまするが、これらにいたしましても非常に交換機の線が老朽でございまして、なかなかうまく聞えないことは皆さんも御
承知の
通りだと存じます。これらのものも本
年度起債を以ちまして三十数カ所取換える
計画でございますが、これらも
一つも無論認められないのでございます。それから科学化の点につきまして、新らしい刑事訴訟法の下において、犯罪鑑識の
設備でございまするが、これは一応六千万
程度の
計画を持
つておりますが、この分につきましては、
起債として格別まだ
お願いを申上げておりません。なお、先ほ
どもちよつと申上げたのでございまするが、これは科学化ではございませんが、先ほど来
お話もございましたが、
待機寮の問題でございますが、私
どものところで、現在
戦争中からまだ二時間以上の距離において通勤いたしております者、或いは明け渡しを
要求されて、追立てを食ら
つておりまする者というような、非常な緊急事態におります
警察官が五千四百二十名現在おります。これらの人たちを最寄りの所に居住せしめますということは、
警備力を用います場合に、絶対の要件でございます。これを
計画いたしまして、本年相当巨額なものでございまするが、五カ年
計画として二億七千万ばかり
起債を
お願いしておりまするが、その一戸すらも認められておらないという
実情でございます。非常に戦後でございまするから、今まで多少は
起債も認めて頂き、戦災の
庁舎を復旧いたしましたり、
改築をいたしましたり或いは
待機寮も或る
程度は建てては頂いておりますけれ
ども、
実情は未だ惨澹たるものでございまして、一度御覧を頂きましたならば、大抵御覧に
なつたかたは驚いてお帰りになるようなみじめな境涯に、環境の下に……、寮といたしましても農林省の倉庫を借りますとか、町の公民館の壊れたのを借りますとか或いは
警察後援会の三十年も使つた倒壊するような
待機寮を借りておりまするとかというような
実情でございます。これらの点を整備いたしますことは、どういたしましても都民が安んじて
警察を信頼されるのに絶対な条件だと考えまして、
お願いして参つたような次第でございます。御質問に十分副わないかと思いますが、一応……。