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委員外議員(羽生三七君)
大蔵委員会の貴重なる時間を頂きまして、一口農林
委員会からお願いがあるのであります。
それは当
委員会に付託にな
つておりまする
糸価安定特別会計法案についてでございますが、この法案は別個農林
委員会に付託されております繭糸価格安定法案に見合う特別会計法案でございますが、私ども農林
委員会では繭糸価格安定法案につきまして数日来審議を重ねており、本日総司令部へ多数修正部分についても
意見をまとめたわけでありますがそれと
関連いたしましてこの特別会計法案に若干のお願いがあるのであります。それは多少この経緯について申上げなければならないのでありますけれども、
政府が
最初意図しておりました法案の名前は、農林
委員会のほうに付託に
なつた繭糸価格安定法案の場合におきましては、
最初は糸価安定法案というものであ
つたようであります。ところがその後糸価だけの安定では困る、繭の価格も安定させるようにという要望が
衆議院の一部にあ
つて繭糸価格安定法案とこの
法律の題名をきめたようであります。そこでこの
法律は
政府の
考えでは糸価を安定させれば当然繭の値段も安定するという見地に立
つて趣旨説明をされたわけでありますが、農林
委員会といたしましては
法律の題名に明らかに繭糸価と謳つであるのでありますから当然別途繭価、繭の価格の安定というものが考慮されなければならないということを強く主張して来たわけであります。その
意味におきましてこの
法律の第十條、会計法でありません、この繭糸価格安定法の第十條に、「繭の価格の異常な低落を防止するため必要な
措置を行うものとする。」ということが規定されておるわけでありますが、これに基きまして糸価安定特別会計法を見ますと、この特別会計におきましては、この会計の中に剰余金が出た場合には
一般会計に繰入れること等を規定しておるのであります。ところが御承知のようにこの繭糸価格安定法が、最低の価格の場合に買入れて最高の価格のときに売渡すのでありますから、まあ大体絶対に損のない見通しであります。従
つて相当な剰余金が出るということが予定されますので、その
意味において大要次のようなことを当
大蔵委員会で御勘案願えたら非常に仕合せだと思うのであります。それは糸価安定特別会計法の第四條の歳出中に、繭糸価格安定法案、つまりこれは原案のほうでありますが、繭糸価格安定法案第十條の繭の価格の異常な低落防止のため行う必要な
措置の目的を達成するための経費にも充て得ることとすること、これが
一つであります。つまりこの第四條には、「この会計においては、生糸の売渡代金、
一般会計からの繰入金及び附属雑收入をも
つてその
歳入とし、生糸の買入、貯蔵及び加工に関する経費、事務取扱費その他の諸費をも
つてその歳出とする。」こうな
つておるわけであります。ここへでき得るならば、繭の価格の異常な低落防止のため特に必要な
措置を行うということが繭糸価格安定法案にありますので、その目的を達成するための経費にも充て得るようにと御規定を願いたいのであります。
それからその次は第八條であります、これは特別会計法案のほうの第八條でありますが、この第八條の利益金の積立の件でありますが、第八條の利益金による積立金は、これは損失補填のことが規定してありますが、損失補填のみならず繭糸価格安定法の
運用に必要な
一般事業資金にも充当し得ることとすること、この
二つがお願いであります。
繰返し申上げますが、前の
一つは、第四條の歳出中に、繭糸価格安定法案第十條の繭の価格の異常な低落防止のため行う必要な
措置の目的を達成するための経費にも充てるように規定して頂きたいということ、それから第八條の利益金による積立金は損失補填だけが規定されておりますが、それのみならず繭糸価格安定法の
運用に必要な
一般事業資金にも充当し得ることとして頂きたいのであります。以上の二点がお願いでありますが、只今申上げましたように、大体最低値で買入れまして最高価格で売渡すというのがこの繭糸価格安定法案の
趣旨であります。まあよほど突発事故の起らない限り絶対損のない特別会計でありますので、その剰余金を
一般会計に繰入れるということになりますと、それは養蚕業者の犠牲等において
一般会計に繰入がされるということになりますので、当然そういう剰余金が出た場合には、繭糸価格を安定させたり、或いは又その拡充のために必要な経費に充当し得る途を開いておいて頂きたいというのが農林
委員会のお願いでございます。
なおこの詳細は文書にいたしまして皆様のお
手許へお届け申して審査の御参考に供してお願いしたいと思うのでありますが、取りあえず
委員会が終
つたところでこんな
簡單なメモで御報告申上げましたので、まだ十分要領を得ていないと思いますが、後刻までに
委員長さん初め
委員の皆様に文書にして十分意のあるところを盡してお願いをいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。