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木村禧八郎君 それはお話よくわかるのですが、併し上げ足をとるわけじやありませんが、若しお話で行くなら、
条約が通
つているのなら、どうしてこれを急ぐ必要があるかという問題が起る。それもただ時間的の問題で、対外的にもこれはやはり信義上守らなければならないけれ
ども、又国内的にも
国会のやはり自主性というものもこれも重要な問題です。それで
委員会自身としてこれは慎重
審議すべきである。これはやはりそれが
条約違反にならない限りこれは一向差支えないのじやないか、
条約違反にはならないのだ。私にはそれがどうしても信義に欠けるということは思えないのです。それからさつき予算の問題といわれましたが、やはり
法律案と予算案と、これは切離しては考えられないと思うのです。一応形式的には切離しできるかも知れませんが、そういうものではないと思うのです。これは
官房長官よく御存じだと思うのですけれ
ども……、ですから、どうしてもそんなに急がなければならないということは、それは
政府の面子とか何とかということとしてはそうでありましよう。併しそれは、
国際信義に欠けるとい
つて大上段に振りかぶ
つて来られますと、今度の
条約の結び方自体という問題にな
つて来る。第一調印しておいて、それでこれが
国会の承認を得なければならないと
なつたとき、
国会で否決されたらどうなんです、なお体裁が悪い。それなら
政府はもつとこの
条約調印に行く前に、
国会の意思をよく尊重してやれば、否決されるようなこともないわけです。そういう問題も起
つて来るわけです、問題を大きくすれば……。ですから私は、今の御
説明ではどうも納得できない。
国際信義に背く、そう大上段で来られる問題じやないのじやございませんか。