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説明員(林真治君) ルース台風の被害
状況でございますが、
只今お手許に差上げました資料は、私の所管しておりまする漁港
関係の被害につきましての表でございます。実は全体の模様につきましては、まだ余り的確な表ができておりませんので、目下作成中でございますが、取りあえずこの問題につきまして、御
報告を申上げたいと思います。御
承知のように、今回のルース台風は、本年度は多分あるまいと想像されておりましたにもかかわらず、非常に猛烈な勢力を持
つたものが参りまして、西
日本から殆んど一面総なめにいたしましたわけであります。この表でもわかりますように、九州、四国及び中国、この辺が最も大きな被害を受けたわけであります。まだ詳細なことにつきましては
報告を受けておりませんので、判明いたしかねますが、例えて申しまするならば、鹿児島県枕崎附近におきましては、瞬間風速実に六十四メートル幾らというようなものでありました。今まで余り前例を見なか
つたようなものであります。従いましてここに載
つておりまする
数字をちよつと見ましても、漁船等の
関係はまだ的確な
数字はございません。
従つて備考欄に参考
程度に載せて置きましたが、二千七百幾らという被害の漁船を出しております。これはまだただ一部の人の口頭による
報告から算定いたしましたので、果して的確かどうかはわかりかねるわけでありますが、こういう厖大な被害を受けておるわけであります。漁港の問題につきましてもここに二億という
数字が載
つておりますが、これは
只今のところ鹿児島県では主として薩摩半島を中心としましたものの見込額がわか
つておるだけであります。大隅半島におきましてはまだ通信不能でありましたために、今までのところ資料が参
つておりません。その他佐賀県、或いは山口県、広島県、島根県、そうい
つたところにおきまして相当な被害があるわけであります。なお又、高知、愛媛等におきましても、まだ詳細な
数字が参
つておりませんが、これも相当に甚大な被害を受けております。近畿から東乃至北におきましては比較的被害は軽少であ
つたであろう、こういうふうに想像しております。
只今までに受けました
報告が大体十六億余りが漁港につきまして被害を受けております。これらに対しまする処置でございますが、具体的には現地査定の上に計画を定めまして、や
つて行くことになろうと思います。取りあえず応急の問題といたしまして、どういうふうにするかということにつきましては、従前の例に見ますならば、予算
決定前の緊急措置といたしまして、補助金を見返りにいたしました応急融資の途が講ぜられて来たのであります。多分そういうことも
考えられるのではないかと
考えておりますが、ただ
只今丁度補正予算の時期に相成
つておりまして、その
関係についてちよつと御
説明を申上げておきたいと
思つておりますが、御
承知のように災害復旧費の公共事業費につきましては、二十六年度として八十億の予備費というものがあるわけであります。これは二十六年度に起るであろう災害のために取
つて置かれた金でありますが、
只今までのこのルースの参りまする前に、先ほど申上げましたように大体今年中におきまして起る被害がないであろうという想定で、マージ台風でありますとか、或いはケートでありますとか、或いはその前に起りました冬期風浪害でありますとか、そういうものだけの処置を
考えまして、それだけの余裕というと語弊がございますが、台風が少か
つたために予備費の中に多少余裕が出た。一方二十六年度におきまして法律改正、或いは主として法律改正の問題に伴いまして補助率等の引上があ
つたわけであります。そういう問題を解決いたします財源が補正予算には実は組まれなか
つたのでありますが、こういう操作はすべて
安本なり大蔵省なりでや
つておるわけでありますが、そうい
つた関係の予備費に多少の余裕が生じたということからいたしまして、補正予算の機会におきまして予算組替えをやりまして、両方の問題を解決しようということに相成
つてお
つたわけでありますが、八十億のうち約二十億ばかりをそういう補助率改正の操作に充てます。又四十億
程度を二十六年度のルースを除きましたそれより前の災害に充てる。それからあと十五億
程度の予備費を取
つておく、こういう話に実は大体な
つてお
つたのです。ところが、ルースがこういう大被害を及ぼしましたので、この復旧費につきましても相当多額に上るであろうと
考えられます。そこでこの問題はまだ私、的確に聞き及んでおりませんが、一応そうい
つた操作をしようということを差とめまして、再編成を
考えて、或いは予備費は予備費としてルースの復旧まで込めてやるようになりますか、或いは別の財源で以て補正予算の再補正を組まれるようになりますか、この点はまだ
決定しておりませんが、今
政府首脳部でお
考えにな
つておるのではないかと想像しております。いずれにいたしましても、今までの操作で
考えておりました十五億
程度の予備費の残りで以て、このルース
関係を処理するということは非常に困難にな
つて来ておると思います。総被害額につきましては今後の
報告に待たないとわからないわけであります。一応鹿児島県だけの問題として
考えましても、総被害額約五百億といわれておりますから、これを全国的に見ますと相当な
数字に上るのではないか、その応急復旧の問題につきましては相当に財源的にも
考えて、緊急支出をして頂かなければならんのではないかと
考えております。そうい
つた問題につきましては今後の進行に伴いまして、
水産といたしましても公共事業につきましては成るべく乗り遅れないように早く処理をしてもらいたい、こういうふうに
考えております。一応の御
報告を申上げます。