○森崎隆君 体系の取入れ方というのはこれはまあいろいろありましようが、これは三〇%を差引いても五〇%差引きましても、
人事院の
勧告案の体系は尊重されたとお喜びになるかどうか、私は大いに疑問だと思うのですね。そういう問題も一つありますが、もう一つは、私はこういう問題をお聞きいたしましたのは、
政府の意向がやはり
予算面その他で必らずしも
人事院の
勧告が尊重できない
建前もあ
つたろうと思います。そう際やはり最後まで
人事院といたしましては、
はつきりと自分が出した
勧告案には絶対の権威を持ち、信念を持
つて何とか徹頭徹尾これは頑張
つてもらいたい、それに対して如何なる拘束も受けない、勿論
人事院がさつきのように争議権はないから、争議をして
政府を屈服させることはできないと同時に、
政府も又
人事院に対してどうこうという手を打つことはできないというこの儼とした
人事院の存在、権威というものは私は信じたいのです。そういう意味の実は決意を聞きたか
つたのでございまするが、
総裁におかれましては、何か多少まあ一応尊重してもら
つたというような
考え方に立たれたのを意外に感じたわけでございます。で
勧告案を尊重すという問題、いろいろあの中には個々の問題はたくさんございましようが、奨励
手当もございましようが、
総裁は奨励
手当は非常に遺憾であ
つたが、その他の問題については一応という御発言がございましたが、然らば
人事院の
勧告案を尊重するという中心になるポイントをしぼりにしぼ
つて持
つて行きますると、結局このベース体系、そのもの以外には私はないと思うのです。結核休職者の問題、又将励
手当の問題、その他いろいろな面がたくさんございましようけれ
ども、このベースそのものをまあ決意されまして、それで
人事院の
勧告案がとにかく技術的に尊重されたから不満ながら満足したという
態度は私は非常におかしいと思う。もう一つは今
政府に対するところのこの
態度を実力で
人事院が屈服させることができない、これは私
どももわか
つておりまするが、その反対の場合も言えるわけですね。これまでたびたび開きました
人事委員会等に
総裁が出て來られましていろいろな話しをしましたが、これまで
勧告案のみならず、いろいろまあ
人事院から出されましたものにつきましては、
予算その他の
関係で
政府と折衝しておるということはわかります。本当にそういう意味で儼とした
人事院が
態度を堅持しておられまするならば、さつきも話題に出まして繰返したのでございまするが、今度の例の勤務地
手当地域の
指定のこの修正案、あれは今日のようにずれることは私はないと思うのですね。あれは私からみましても、やはり
予算折衝をやられたということは
総裁も
はつきり明言された、その結果出すべき期日が今度は延ばされた、言い換えれば
政府の実力の下に
人事院が当然すべきものを出さないで今日までずらされたということは明らかに力
関係で、
政府の力の下に
人事院の権威がそこまで落ちておるのじやないかと、非常に私この問題は小さいようなことですけれ
ども、非常に又重大に
考えておる。こういうような行き方が若し今後出て來ますならば、
人事院自体の存廃問題等につきましても強く、私
どもは微力ではございまするが、これに対して防衛といいますか、そういう抗争がなかなかできにくい
関係に立つわけであります。その点を心配しまして実はお聞きしたわけであります。だから私は最後に確認いたしたいのですが、
地域給の再
勧告修正案が今日まで延びたということは、さつき申しましたように、やはり
政府のお力の下に
人事院は屈服したと私
ども確認してよろしいかどうか、
はつきりお伺いしたい。