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1951-11-12 第12回国会 参議院 人事委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月十二日(月曜日)    午後一時五十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     吉田 法晴君    理事            杉山 昌作君            千葉  信君    委員            加藤 武徳君            木下 源吾君            森崎  隆君            紅露 みつ君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    (内閣総理大臣    官房審議室長事    務代理)    総理府事務官  増子 正宏君   事務局側    常任委員会專門    員       川島 孝彦君    常任委員会專門    員       熊埜御堂定君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○一般職職員給與に関する法律の  一部を改正する法律案内閣送付) ○公聽会開会に関する件   —————————————
  2. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは只今より人事委員会開会いたします。
  3. 森崎隆

    森崎隆君 官房長官が来られておりますから、今日は多分この予備審査の劈頭に長官から提案理由説明がおありになろうと思うのですが、その前に一つお聞きいたしたいと思いますのですが、もう今臨時国会が始まりまして、すでに一カ月を経過しておるのでありますが、随分これは長い間私たちのみならず公務員かたがたも皆待つていたのですが、今まだ参議院では予備審査が今日から始まるのですが、会期はもうあと一週間足らずの会期ですが、この先の会期では私たちは実は十分に審議ができないような気がいたすのですが、こう遅れましたのは一体どういう関係で遅れましたか、その点御説明を願いたいと思います。
  4. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) この法案期日の遅れましたことにつきましては、私も誠に申訳ないと思つておるのですが、これは一般職職員給與につきましては政府で検討いたしまして、実は国会開会の前にすでに殆んど準備を整えておつたわけであります。ところがこれと一緒に特別職職員に関する給與改正しなければならんわけであります。その中には、例えば裁判所の判事とか検事とかいう人の給與も入つておるわけであります。これにつきましては大蔵省できめるのでありますけれども大蔵省限りできめるわけに行かないのでありまして、裁判所側とよく協議をいたしまして意見の一致したものを出したいという考えで話を進めて来たのでありますが、それが意外に手間取りまして、漸く先般意見の一致を見た、それで全部が済みましたので、そこで提出の運びと、こういうことになつたのであります。まあそればかりでありませんが、主たる理由はそこにあつたのであります。
  5. 森崎隆

    森崎隆君 只今お話も一応私もわかるのでございまするが、今の特別職かたがたの問題にいたしましても、これは今急にこういう問題が最近出たわけではありません。当然やはり国家公務員全般給與改正ということに伴いまして、これは出て来ることは当初からわかつてつたことだと私は思うのです。私は給與法につきましては、やはり給與に関する改正を要するいろいろな法律案は一括まとめて当然出されるものだと実は考えておりましたし、今官房長官の御説明もやはりそういう趣旨従つてお話のように私は理解いたしております。そういうことで特別職かたがたの問題がきまらなかつたから一般職のかたのも出なかつたということはよくわかりまするが、それならばどうして、例えば年末の手当のある法案をあれだけ切離して先に出したかというような問題も実は言いたくなるわけなんであります。私ここでこういう予算を伴う法案審議と、予算そのもの審議と、この二つの関連性について特に要望申上げたいのでございまするが、これはやはり予算委員会審議、これは予算が決定するということは私は予算そのもの関係する審議予算を要する他の委員会でいろいろ審査をする、こういう法律案と時間的にはバランスをとつて並行して行くべきものと私は考えるわけなんであります。その間に予算修正の必要があればそういうこともやつて行く、少くとも最終的に各法案がだんだん審査終つて修正なり、原案通過なり、賛成なりということで盛り上つて行きまして、それが大体まあこの辺りに落着くということになりますが、総合的にこれが予算の中に盛り込まれまして、相前後してこれが国会を通過するというように是非待つてつてもらいたいと思うのです。現在これまで行われておるところの順序は、御承知通り衆議院でもう予算が通つてしまつておる、これを通してしまつてからこういう法案を出されて、これまでもう数回国会にも出し、たびたびそういうことにぶつつかつてつたのでありますが、もうすでに予算も通つておるし、もうこれ以上動かしがたいから、このたびはこの法案はこの程度にするかといつたような、非常にそういう空気が支配する虞れがあるわけなんです。それでは私たちまじめに、例えば給與に関するこの法律改正案をこの人事委員会で、まあ予算ということを一応おいてまじめに審議するということに対して、一つの別からの大きな圧力というものが、何か不可避の條件というものが、その条件、いわゆる枠の中でこの審議をしなければならないといつたような、非常に私らとして不満極まるようなことになつて来る。それは若し政府にそういう意思があるといたしますれば、戰術的には政府としては利常に便利かも知れない。予算を通しておいて、あとから強力に、各法案修正かなんかをやらないような意味で、こういうような出し方順序政府で若し考えられとおるといたしますれば、これは政府としては便利かも知れませんけれども、私たちといたしましては、少くとも国会議員といたしましては、これは実に遺憾な順序顛倒出し方じやないかと実は私考える。勿論最近は各方面に亘りましてお忙がしいのはよく私心得ておりますが、少くともこういうような大きなウエイトを当然置いておるはずである重要な法案につきましては、もう少し予算と並行して進む観点からいたしましても、少くとも同時にはこれを提出して頂かないと、私たちとしてどうしても割切れないものがあるわけなんです。衆議院議員各位は一体どういうようなつもりで予算審議されたかわかりませんが、勿論その中で給與に関するところの予算についていろいろ審議されたと思いますが、少くとも衆議院人事委員会などで一体どういう意思でこれをまじめに審議なさるのか、私はその点わからない。その点は衆議院の私たちといたしましては、そういう点では参議院の我々の正しい行き方が非常に悪い意味の力に左右されるという虞れが非常にあるわけなんですね。こういう点は特に一つ考え頂きたいと思うのです。今までのような御説明頂きました理由では、とても私たち納得しがたい。今から出されまして一体これをあと一週間かそこいらで果してまじめに審議できるかどうか。又これに対しましていろいろ修正のことを我々考えるといたしましても、予算との関係はどうなるかということになりますと、ますますいろいろな面の困難が生じて来る。そのことはやはり長い間待望しておるところの公務員各位の気持に伝わりますと、それがやはり政府に対して、何と言いますか、必要以上の麻擦ということにも私はなると思うのです。こういう点は特に一つ政府においては責任を以て善処して頂きたいと思います。で、もう今日から予備審査、これが始まつたのですが、あと一週間とそこらで一体これをやれとおつしやるのですか、どうなのですか、その点一つ意見をお聞きしたい。
  6. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 今いろいろおつしやつたお話趣旨はよくわかりました。できるだけ只今の御要望に副うようにいたしたいとは考えておりましたが、この今度の法律案につきましては、先ほど御説明したようにやつて見ましたところが、なかなか意見が合わないのでつい遅れてしまつたというのが実情であります。そこで甚だ時間的には短い時間しかないわけでありまして、その点は申訳ないと思いますが、政府としては、公務員側でもこの月末にはこの給與改訂に伴う十月以降の分の手当が出るものと非常に期待しておりまするし、又生活費が非常に高騰しているからというので、繰上支給さえやつてくれというような声もあるくらいでありますので、非常に時間的には短くて申訳ないのでありますが、是非これは至急に審議を進めて頂いて結論を出して頂きたいということを切望するものであります。
  7. 千葉信

    千葉信君 今度の給與改訂法律案提出が私どもびつくりするくらい遅延いたしましたことについては非常に承服しがたいものがありますが、一応併し只今の遅延した理由については承わりましたので、この点について私は触れませんけれども、一体こういう予算にも大きな影響を持つておりますし、又国内的にも單にこれが公務員諸君給與を決定するだけではなく、これの決定がやはり一般民間賃金にも或る程度関連を常に持つておるという点から言いますと、私どもこの法律を非常に重要に考えているわけでありまして、従つてできれば私どもこの給與法案に関しましては公聽会を開いて、そうしてできるだけ一般の輿論というものを私どもとしては参考にしたい、そう考えておるわけでありますが、私どものこの法案を重視しているように、岡崎さんもこの法律は非常に重要な法案だとお考えなつておられるかどうか、その点を先ず承わりたいと思います。
  8. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) それは当然のことであります。
  9. 千葉信

    千葉信君 そういう重要な法案だということを知つておられながら、あともう会期剩すところ九日しかない十日なつてからこの法律を出されたようでありまするが、政府としては一体この法律が十八日までの会期中に審議できるものというお考えで出されたのか、それともまさかの場合には国会会期延長してもいいじやないかというふうにお考えなつて出されたか、その点を承わりたい。
  10. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 国会会期を延長するかどうかということは、これは国会でおきめになることでありまして、政府としてはとやかく言うべきものでないのでありますが、今申したように政府としては提案期日が遅くなつたのは甚だ申訳なかつたのでありますが、是非とも会期中に上げて頂きたいという希望は強く持つているわけであります。
  11. 千葉信

    千葉信君 政府としては、若しこの法案がまじめに審議されるためには或る程度日程もかかるでしようし、そういう場合には国会会期の延長を希望されるおつもりであるかどうか、この点も併せて承わりたいと思います。
  12. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 政府は常に会期を決定する場合でも、或いは会期を延長する場合でも、政府意見は差控えることを通例といたしております。国会ですべてきめてもらう、政府がそれに対して、いや、それは長過ぎるとか、もうこのくらいでいいとか、或いは延ばしてもらいたいとか、そういうことは申述べることを差控えるのが適当であると考えて、常に意見を差控えております。
  13. 千葉信

    千葉信君 国会会期等については、政府としてはできるだけ意見を申述べることを差控えるというふうに、会期の問題については国会立場を尊重しておられる政府が、はつきりと今月の十八日までにきまつておるその会期考えずに今頃になつてからこの法律を出された政府やり方は私は非常に承服するに堪えないのですが、私この問題は押問答に終る虞れがありますので一応この辺で打切ります。
  14. 加藤武徳

    加藤武徳君 本法案の遅れました理由等につきましては、若干異論等もあるようでありまするが、いずれにしても官房長官、こうやつて本日提案理由説明の御準備もなすつたのでありますから、今日これから提案理由説明を伺いたい、このように考えるわけであります。
  15. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) ほかに御発言もなければ、官房長官提案理由説明を承わりたいと思います。
  16. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 只今議題なつておりまする一般職職員給與に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明いたします。  政府職員現行給與は、御承知のように本年一月から実施されたものでありますが、政府におきましては、その後における経済事情の推移、殊に生計費増嵩によりまする職鼻の困難な生活事情に鑑みまして、速かにこれらの給與を改訂して、その生活の安定を図ることが、当面最も急を要する問題の一つであると考えて、これを取上げた次第であるます。これがために政府としましては、先般来適正な給與水準の研究と、それに要する財源の捻出に努力を続けて参つたのでありますが、この神御承知のように人事院から政府に対しまして、職員給與改訂に関する勧告が行われたのであります。申すまでもなく右勧告に示されました政府職員給與改訂案につきましては、政府として愼重な検討考慮を重ねたのでありまするが、目下の財政経済等の諸事情を総合的に考えますると、遺憾ながらこれをそのまま実施することは極めて困難であるという結論に達したのであります。併しながらこれら職員給與改訂は、一日の遷延を許さない情勢に立至つておるのであります。従いまして政府は、生計費民間賃金その他諸般の情勢を勘案いたしました上、財政の許す限度において、努めて人事院勧告を尊重する建前の下に給與改善を図ることにいたしまして、これを本法律案作成基本方針といたしたのであります。  次に本法立案要旨の大綱を御説明いたしますと、第一に、この法律案一般職員に対しまして昭和二十六年、十月以降における職員総平均の給與額を月額約一千五百円程度引上げて、おおむねこれを一万円程度にすることといたしたものであります。なおこの給與改訂に伴う所要経費の増加は、本年度分、総体として一般会計から七十四億、特別会計から七十八億、計百五十二億でありまして、別途今般国会提出いたしました昭和二十六年度補正予算に計上しております。第二に、俸給につきましては、先ず従前に比しましておおむね一八%程度増額いたしますると共に、廉行の俸給表のほかに人事院勧告従つて、造幣、印刷、国有林野アルコール專売、郵政、電通の各企業特別会計現業職員について、その職域の特殊性考慮しまして、新たに特別俸給表を設けることといたしました。第三に扶養手当につきましては、人事院勧告に従い、なお暫らく間現行の六百円、四百円をそのまま据置く方針をとりました。第四に、勤務地手当につきましては、本年の五月十七日附人事院勧告通りその支給地域区分を改訂すると共に、新たに官署指定の途を開くことといたしました。第五に、今回の給與引上げとは別個の問題でありますが、現地無給なつております休職者に対しても、新たに一定條件の下に給與支給ができることといたしました。  以上本法律案提案理由並びにその要旨の大要を御説明申上げました。何とぞ速かに御審議の上、御賛成あらんことを希望いたします。
  17. 千葉信

    千葉信君 簡單な総括質問二、三いたしたいと思います。先ず第一番にお尋ねしたいことは、今度の政府のほうから出た法律案を見ますると、従来の給與法の第一條にありました「人事院国会及び内閣に対し勧告した給與計画を原則的に尊重し、」、こういう字句が削られているのでありまするが、先に人事院のほうから法律改正意見書として出されましたものにも、この点については「昭和二十六年八月二十日附人事院国会及び内閣に対する勧告に基き、」という條文人事院としては挿入してありましたのに、どうして政府としては、今度の法律案にはこういう字句を削除されたか、今お話提案理由説明の中でも、努めて人事院勧告を尊重する建前の下にと説明している態度から言いましても、私はこういう字句を殊更に削つた政府考え方というものに非常に疑念を持つているわけでありますが、どうしてこういう條文をお削りになつたのですか。
  18. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これはもう私の考えでは、この内容を御覧になれば自明の理でありまして、できるところはすべて人事院勧告に従い、できない場合にも成るべく人事院勧告の筋で行くことにいたしておりまして、今度の法律案が一番政府としては人事院勧告に副つた法律案であると考えておりますので、わざわざそういうことを入れなくても、もうはつきりわかつていると思つた次第でありまして、特に意味があつてその字を除いたということではないのであります。
  19. 千葉信

    千葉信君 特に私は人事院勧告にしても、或いは仲裁、裁定等にしても、今まで曾つて全面的に尊重したことのない政府でありますから、なお更こういう字句を削除された政府態度に対して疑念を持たざるを得ないわけでありまするが、この点はあとで又御質問申上げることとして、その次には、年末手当について、どうして今度の給與法改正の際に、一般職の年末手当法律案については人事院勧告もあつたのにかかわらず、統一するという態度をおとりにならなかつたか、その点を御説明願います。
  20. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) ちよつと御質問趣旨がよくわからないのですが。
  21. 千葉信

    千葉信君 年末手当、これは勧告或いは人事院法律案意見書等では、特別手当ということになつておりまするが、この年末手当の点について、今度の政府のほうから出されました法律案には、年末手当條文はこれの中に入つておりません。これは御承知のように、年末手当に関する法律は、特別職その他を含んで一本の法律があるのでありますけれども、なぜ一般職に対する年末手当の分については、こつちの給與法のほうに一般職の分を統一しなかつたかということをお尋ねしているわけであります。それは御承知のように、一般職職員に関する給與は、殆んどこの給與法の中でその給與全体が包含されております。包含されておりませんのは、御承知通りに年末手当の分だけでございます。勿論その他にも寒冷地給等あるにはありますけれども政府のほうから出されている法律案としては、通例一般職職員に関する給與法の中に包含されているのに、今度も又年末手当條項がこの給與法から除外されております。その点についてお尋ねしたいのであります。どうして除外されたのか。
  22. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私は実質的に年末手当を〇・五から〇・八に上げることにはいろいろ努力しましてやつて見ましたが、今おつしやつたことは、いささか技術的の方面のことのように思つておりますが、それは私も一、二考えたことはありますが、間違うといけませんから後ほど担当官に正確に御説明させることにいたします。
  23. 千葉信

    千葉信君 それから今度の法律案で初めて條文に入つておりまする企業官庁職員別俸給表の問題ですが、その條文の中で、人事院勧告では、單に「左の各号に掲げる職員(但し、庁務職員を除く。)」とありましたのを、今度の政府の原案では、「守衛、給仕、小使及び雑役に従事する者並びに人事院規則で指定する者を除く。」という恰好で、非常に嚴格規定なつておりまするが、どうしてこういう嚴格規定を設けなければならなかつたか、その点をお尋ねいたします。その尋ねする意味は、例えば各省なんかを見ますると、守衛というような職種の中には、看視員とか或いはその他の名前で事実上非常に混同しやすい職種がかなりあるところへ、こういうふうに嚴格な言葉を入れたということは、実施上困難が起つて来はしないかと思うのですが、その点についての御見解を承わりたい。
  24. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これも担当官でいろいろ研究しまして、人事院意見も聞きまして、私も非常に細かいことは存じないのですが、このほうがいいということになつたようでありますが、そういう点は一つ担当官を出しますから、そのときに一つ説明をお聞き願いたいと思います。
  25. 千葉信

    千葉信君 それからこれも同様なことを承わることになるかも知れませんけれども休職者給與について、その休職者給與のうちでも、大体人事院勧告が尊重されたのは、国家公務員法の第七十九條の第一号に掲げる職員だけの場合で、その他の例えば結核性疾患に罹つた者の場合には、人事院勧告では全額であつたものを百分の八十に削つていますし、それから又二年とありまして、三年の場合にも所属長が必要と認めた場合にはできるという條項も、これ又不利益な形に改められておりますし、それからそのほか七十九條第一号に掲げる職員のうちでも、結核以外の職員の場合には、これ又全額とありましたのを百分の八十に減額されております。ところが一方では第七十九條のうちの人事院規則に基いて休職になつた者の場合には、人事院勧告が六〇%であつたのを七〇%に改められている。こういうふうにどういう趣旨でやられたかわかりませんけれども、一体こういうやり方をされたのは予算上の理由からされたのか、それともその休職の事由の重い軽いという判別に従つて行われたものであるか、この点を承わりたいと思います。
  26. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは閣議でもいろいろ議論のあつたことであります。つまり八〇%の問題でありますが、一方において結核に罹つた職員というものは非常に気の毒な立場にあるし、又うつかり減額をすると、無理に出て来て体を無理するということもあるから、成るべく安心して休ませるほうがいいという考えもあつたのであります。他方において、療養費のほうは別としまして、これは共済組合とか何とかあるのでありますが、とにかく生活の面から言いますと、通勤をしないのであるからして、電車賃とか汽車賃とか、そういうものもかからないし、或いは靴とか洋服、シヤツ、そういうものの減り方も少かろうし、いろいろの点で毎日通勤している人と費用の点では違いが起る。一般生活費についてはただその滋養分をとらなければいかんとか、療養費は別といたしまして、他方において病気になつたのは気の毒には違いないけれども、とにかく家で療養している。片方は体が丈夫であるが故に毎日定時に出勤して、場合によつて超過勤務もやつて働いておる人、これと全然同額に取扱うのはどういうものであろうかというような考慮もありまして、それから各国例等も調べて見たのであります。各国には日本の制度のようないろいろの手当が、勤務地手当とか、家族手当は別として、いろいろな手当が付いておる所は殆んどないのですが、主として本俸給與しております。手当のほうは勤めてないときは出さないというのが原則のようになつております。そこで今考えまして本俸だけという意見もあつたのでありますが、本俸全額というと、全部の手当を含めたものの八割よりは少し減る勘定になつて来るものでありますから、大体八割程度にしておこうということになつたのであります。尤も私の説明は十分でなくして、担当官はもつと詳しい御説明をすると思います。  それから第二の点は多分あれだと思います。今おつしやつたのはよくわかりませんが、例えば起訴をされたとか、何とかされた人は六〇%である。それから外国等行つた家族に対しては、やはりこれは六〇%である。こういう問題だつたと思いますが、若しそうだとすれば、外国に行つているような人の手当が、起訴されておる人と同じにするのは如何かというので一〇%増しにしようじやないか、こういうふうに考えたわけであります。
  27. 千葉信

    千葉信君 その起訴をされたとか、係属中の問題については、六〇%であつたのを逆に七〇%に殖やしておりますが。
  28. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) そうじやなくて、留学したとか何とかしたのを七〇%にしたと思います。
  29. 千葉信

    千葉信君 ああそうですね。それでは今度の休職者に関する給與の問題は、従来いつでも政府のほうでは一応原則的には人事院勧告を尊重するという建前をとつていても、理由としては通例どうしても予算捻出ができないとかね予算人事院勧告に副えないという理由で、いろいろの人事院勧告が完全に実施されなかつた、そういう状態があつたのに、今度初めて予算上の問題の理由がないにかかわらず、人事院勧告が、今度はそういう政府給與に関する根本的な考えに原因して、人事院勧告が尊重されていないというのは、これは今度の法律案で初めてのことなのです。なぜそういうふうに予算上の関係がないのに、政府のほうでは人事院勧告を尊重するという態度をとられなかつたのか、その点が私腑に落ちない。
  30. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私は言い落しまして、むしろ実質的な言訳ばかり言つてつたのですが、実はこれは予算関係があるのであります。あるのでありまするが、無論これは八〇%、全額では予算関係があるのですが、大蔵大臣のほうでは予算上も困るのだという説明であります。ただそれと同時にこれは実質的にこういうふうな意味があるからという、私はその実質的な意味ばかり説明したので誤解を招いたかも知れません。やはり予算関係があると同時に、先ほどの人事院勧告では両方とも六〇%になつた。テン・パーセント上げたというのは、これも予算のやりくりで、実質上これは何も悪いことをしたのじやない、外国に行つた優秀な人のことですから、少しやりくりをして、そこはテン・パーセントだけ殖やしたほうがいいのじやないか、こういうふうな意見でやつたわけであります。
  31. 千葉信

    千葉信君 もう一つ簡單に最後に政府に注文があるのですが、それは御承知のように政府のほうでは千五百円上げれば一万六十二円になるだろうと言つておられますが、いろいろ現在の人件費、それから今度の補正予算等を調べて見ますと、どうしても公務員の平均賃金は一万六十二円にならない。然るにこれに対する資料は人事院からも出ておりますし、それから大蔵省のほうも私の要求に対して資料が出ておりますが、非常に杜撰でわからない。これを官房長官のほうからできるだけ現在の公務員の平均賃金が幾らになつておるかということの正確な基礎数字を詳細にお調べになつて至急お出し願いたいと思います。どうぞ一つお願いいたします。
  32. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) それはできるだけ御要望に副うようにいたします。
  33. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) ちよつと速記をとめて下さい。    午後二時二十九分速記中止    —————・—————    午後二時四十四分速記開始
  34. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 速記を始めて下さい。それでは一般職職員給與に関する法律の一部を改正する法律案に関しまする公聴会を十一月の十六日に開催いたすことに決定して御異議ございませんか。
  35. 加藤武徳

    加藤武徳君 私先ほど申上げましたように、公聴会の開催日は法案審議全体の計画と睨み合せなければいかんということを繰返して申上げたのでありますが、十六日に公聴会を開くということで、これは一応了承いたしまするが、やはりこれをスケジユールに織込むということをここで確認して頂きたい、こういうふうに考えるわけです。
  36. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 如何ですか。十六日に公聴会をやるということをこれからの法案審議の日程の中に織込むことにしてもらいたいという……。
  37. 加藤武徳

    加藤武徳君 と言いますのは、私は十八日が会期の最終日ですが、それでスケージユールは十八日に法案審議が終了する、こういう目途で組みたいのです。又組まなければいかんので、尤も会期末になつて客観情勢が変化して会期延長等のことが起ればこれは又別個の問題ですが、一応ここでは十八日に法案審議を結了するということで、これを前提としての十六日に公聴会を開くということ、私は承知しておるのであります。
  38. 千葉信

    千葉信君 これはさつきからもここでいろいろ意見も出ておるようですが、こういう押詰つた段階になつてから法案提出して来て、而も政府のほうでも国会会期については、これは国会意見を尊重するという態度をとつておるのです。非常に見上げた態度です。従つて政府としても大体九日くらい前に法案提出したということは、言外にさつき官房長官も言つているのです。私どもとしては、無論これは十八日までの会期だということは知つておりますけれども、こう押詰つて来て出された法案を、会期末の十八日に結了する、審議を終るということを前提にすることは私はできぬと思うのです。勿論私どもは前提として可能な線は、十八日が会期の最終日だということを考慮に入れながら審議するということならば賛成しますけれども、その日までに審議を終るということを前提としては我々は承服できない。
  39. 加藤武徳

    加藤武徳君 まあ千葉君と僕がここで争おうとするものではないのですが、併し法案審議の常識は、これは審議の計画を理事会等で立てて、これを委員会で了承して、そこのスケジュールに乘つて審議を進めて行くというのが常識なのであつて、一応十六日は公聴会を開くという取決めで、これを考慮に入れ、なお会期は十八日だということも考慮に入れて、理事会等で法案審議の計画表をお作り願いたい、こういうふうに考えるわけです。
  40. 木下源吾

    ○木下源吾君 それはあなたの話はわかるが、この会期を延長しないという絶対のなにがあるならともかくも、いつも與党の諸君が、とことんまでこれくらい引延ばしたら大抵諦めるだろうと思うと、又会期延長をやるので、我々も容易にそれまでに上げるということに同意できぬのです、ざつくばらんに言えば。だからこの委員会に限つては、十八日以降はもう審議しないのだと、それまでは一生懸命やつて上げるつもりでやるのだと、こういうくらいの約束ならばできるけれども……。
  41. 千葉信

    千葉信君 加藤君が今変更したんだ。
  42. 木下源吾

    ○木下源吾君 そう変更したならよろしいけれども、そうでなければなかなかそれは十八日までやつても上げるなんということは今きめられん。それからもう一つは、そのことをきめるのは、理事会でももう少し後のほうがいいと思うのです。この委員会ばかりでなく、会期のことは全般のことに関係するので、ほかの予算なり、両條約なりの模様があるので、これはやはりそういうことについては、議運で全体から睨み合せて、いつものようにとことんまで持つてつて、ぱつとやるのではなくて、少くとも四日くらい前に、そのくらいのプランを立てて、これは議運できめて、それによつて我々のほうが委員会で又やつて行くと、こういうようにやつたほうがいいので、今ここできめるのは私は意味をなさんと思うから、今のあなたの意図を我々は了解しておくという程度で、そうしてやつてもらいたいと思うのです。
  43. 千葉信

    千葉信君 加藤君の言うのも委員長理事打合会のほうでやつてくれというわけでしよう。
  44. 加藤武徳

    加藤武徳君 委員長理事打合会でスケジユールを組もうじやないかというのです。
  45. 木下源吾

    ○木下源吾君 その組むときは、今言つたように、議運で一つ四日くらい前に会期の問題を取上げて考慮して、その一環としてそれも又考慮してやつて行く、こういうことで私はやつてもらいたいと思う。
  46. 千葉信

    千葉信君 加藤君、自由党のほうから理事が出ているはずですが、その理事の人出ていますか。
  47. 加藤武徳

    加藤武徳君 私が理事代理で……。
  48. 千葉信

    千葉信君 本当の理事は。
  49. 加藤武徳

    加藤武徳君 本当の理事は大物がいますよ。冗談はさておいて、会期は十八日までで、併し必ず十八日までに審議を結了するというスケジユールを組んでやるというのではなくて、会期の延長は院議によつて決定するわけですから、院議によつて会期延長がなされれば何をか言わんや、一応十八日が会議の末日であるということを念頭に画いてスケジユールを組もうじやないかという私の発言です。
  50. 木下源吾

    ○木下源吾君 その点は常識でわかつておりまして、改めてなにされるまでもございません。
  51. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 先ほどの十六日という日にちの期日の決定についても、これは今言われましたような点も考慮しての決定でありますので、あと公聽会のメンバー、或いは今後の審議等についても御要望の趣旨をよく考えまして決定して参りたいと思います。
  52. 木下源吾

    ○木下源吾君 会期延長のときはもう一度……。
  53. 千葉信

    千葉信君 公聽会の公述人の決定その他については、この前の委員会でも非公式に要望事項を申上げたのであります。委員長のほうに一任したほうがよいと思いますから、他に異議なければ……
  54. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 御異議ございませんか。
  55. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは御異議ないようでございますからさよう取計います。それでは今日の委員会はこれで散会いたします。    午後二時五十二分散会