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1951-10-18 第12回国会 参議院 人事委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月十八日(木曜日)    午前十一時一分開会   ―――――――――――――  委員氏名    委員長     吉田 法晴君    理事            加藤 武徳君    理事            千葉  信君           大野木秀次郎君            草葉 隆圓君            西川甚五郎君            森田 豊壽君            木下 源吾君            森崎  隆君            小野  哲君            杉山 昌作君            西田 天香君            紅露 みつ君   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     吉田 法晴君    理事            杉山 昌作君            千葉  信君    委員            加藤 武徳君            木下 源吾君            森崎  隆君            紅露 みつ君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    人  事  官 山下 興家君   事務局側    常任委員会專門    員       川島 孝彦君    常任委員会專門    員       熊埜御堂定君   説明員    日本国有鉄道職    員局長     吾孫子 豐君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○理事辞任及び補欠選任の件 ○国家公務員給与問題に関する調査  の件  (地域給に関する件)  (給与改訂に関する件)  (石炭手当に関する件)   ―――――――――――――
  2. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは只今から委員会を開会いたします。  初めに理事辞任並びにこの補欠選任についてお諮りいたしたいと存じますが、当委員会理事加藤武徳君より理事辞任願が出ておりますので、これを許可いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  3. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 御異議ないものと認めます。理事加藤君の理事辞任の許可をいたします。  それでは次に理事補欠選任を行いたいと存じますが、前に理事伊藤保平君が委員辞任されておりますので、この際同君の理事補欠選任をも併せて行いたいと存じます。先例によりまして理事二名のかたの選任委員長より指名選任いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  4. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 御異議ないものと認めます。それでは委員長より加藤君の補欠といたしまして大野木秀次郎君、伊藤君の補欠として杉山昌作君両名を理事補欠選任いたします。   ―――――――――――――
  5. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 続きまして石炭手当に関する件について審議を進めたいと考えます。公報には国家公務員給与問題に関する調査給与改訂に関する件)、(地域給に関する件)、(石炭手当に関する件)という議題が御通知申上げてあるわけでありますが、都合によつて石炭手当に関する件から始めたいと存じます。異議ございませんか。
  6. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは石炭手当に関しまして御意見、御質問がありますれば……。ちよつと速記をとめて下さい。
  7. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 速記を始めて。それでは官房長官に対しまする質疑から始めたいと存じます。
  8. 木下源吾

    木下源吾君 官房長官一つ地域給の問題について。この間長官からいろいろお話を伺いましたけれども、この前の人事院勧告が尊重せられて今度の補正予算で何か解決がつくらしい。その後の修正というか勧告が、まあ理窟からいうと五月に勧告したばかりで、事務的にはそう追加するというようなことも余り芳しくないように考えられるけれども、実質はもう官房長官も又議員もよく知つておられるのですが、非常に不公平な、不均衡なところがあるわけなのであります。こういうところを一つこの委員会でも申合せをして、人事院で何とかしてこの際差の甚だしいところは修正したらよかろうというような申合せ申入れをしてあるわけであります。いろいろ政府は心配しているようなお話でありますし、甚だしい不合理は、一つ標準をこの前のように定めて、修正というか修正勧告というか、そういう形式で、政府一つ何とかして是正して行くようなことに努力願えないだろうか。
  9. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは地域給というものの性質から言いまして、或るところが二級であるとか三級であるという場合、その隣がどうしても一級下のところが出て来るわけであります。地続きでありますからして、あそこが三級ならここも三級でなければならないというようなことはどこまで行つても起るわけです。そのほかに或る特殊の事情で当然四級なら四級になるものが三級に落ちているところもありましようが、それらを是正するのは当然としましても、境いのところをいじつて行きますと、いつまで行つて切りのないことは切りがないのです。併しながらこれは恐らく各党の関係委員からいろいろ申入れがありまして、殆んど超党派的に申入れがあるわけです。そこで人事院のほうでもいろいろお考えになつているようでありまして、我々のほうも非公式には多少考え方も表示しているわけであります。ところが一方において今給与改訂を出しておりますが、これもいろいろ批評はありますが、財政的にはかなり奮発してやつたつもりでいるのですが、新らしくそういう勧告が出ますのはどういう形になりますか、いずれにしてもこれは給与総額全体としては予算増額になると予想されますので、その点もやはり考えて見る必要があると思います。併し原則的に言えば、この間の勧告から時日はないにしても、是正すべきところがあとで発見されたのに、それをそのまま放つて置くのも理窟には合わん。成るべく理窟に合うような方法で、財源が許せば進めたい。こういうふうに考えているのであります。併し政府としてまだ正式にも或いはかなり正確にも人事院でどういうものを持つているかということは知りません。極く非公式にこんなふうに考えているらしいということは知つております。が、政府としては別に人事院に新らしい勧告を出すなとも言いませんし、出せとも言いません。全く自由にしてあります。出た場合には成るべく理窟に合うように解決したい、こう考えております。
  10. 木下源吾

    木下源吾君 まあ長官お話もお聞きして、大体そういうような見当は我我も了承しております。今お話のように極めて合理化というようなことは面倒ですが、この前の勧告も、二、三重要な標準でやつている、大都市周辺とか、それから朝鮮動乱の経済的の変動によるというのは、今度はもう著しく誰が見ても、例えば横須賀なら横須賀とか、或いは飛行場というふうに、まあ数字としてはたくさんでなくてもそういうところでは実際に物価が高くて、そうして公務員の生活が圧迫されておる。事実申しますと、北海道の千歳というところは、十一月までに三十数億も建設しておる。そういうようなところは説明するまでもなく非常に物価が高くなつておるということがわかるわけです。そういうところは全国にたくさんにはないとしても、あることは事実なんで、是非一つこの際身を入れて考えてやつて頂きたい。人事院政府は、形式から行けば別に政府からどうこうということは、そういう筋合いではありませんけれども、御承知通り最近のベース問題等は、必ずしも勧告通りには政府はやられない事情もある。かたがた人事院との公式なり何なりの折衝はしなければならんような時勢になつていると私ども考えておるのでありますから、その点一つ政府でお考え願つて、この際何とかしてもらいたい。人事院はそういう点についてはいつでも用意しておるらしい。先達てもこの委員会で最近のいろいろの事情に基いて事務的な調査をした結果は、年間約六億ぐらい要るであろう。今度の勧告以上ということを話されておりますが、その準備は常にできておるらしいです。そこで国会のほうの側としましても、先ほど申上げましたように、こちらではいろいろそういうことを言つて申合せをして、人事院申入れしておりますが、衆議院のほうでもこの問題についていろいろ議員が心配しておる。人事委員会でお互いに不合理と思うところを一つ掘出そうじやないか、出したところが非常に多くなつて来た。どうも手が著けられんというので、今そのままにしておるけれども、実際は不合理は何とかして是正したいというのが全会一致意向なんです。という情勢を一つ勘案されて、あなたのほうから又大蔵省あたりにも十分に一つ国会意思或いは実情等考えて頂きたい、折衝してもらいたい。そういうふうに考えるわけです。今度の補正予算で何とかしてその点の一つ運びをやつて頂きたい。こういうように考えておるわけです。
  11. 千葉信

    千葉信君 只今地域給の問題について木下委員からいろいろ質問と要望がありましたが、私もその問題に関連して官房長官にお尋ねしておきたいと思うのは、只今官房長官の御答弁では、何か非公式にそういう問題について話合いがあるらしいという非常に緩かなお話でありましたけれども、私どもこの委員会でいろいろこの問題を取上げて審議し、或いは人事院との折衝の中で判明しておることは、今木下委員からもお話がありましたように、大体において年間六億円度の予算を要する修正勧告を行いたい。而もその勧告については淺井総裁はつきり私どもに対して、この国会審議に間に合うように提出する。こういうふうに私ども聞いておるのであります。更に重ねて、地域給の問題については他の給与問題、全般の問題と意味を異にするため、勿論その意味というのは、昨年十一月岡崎官房長官が私の質問に対してお答えなつたように、政府としては人事院ほどのスタッフを持つておらないから、地域給等に関しては人事院勧告が出ればそのまま実施するつもりである。こういうお答えがありました経緯から鑑みて、修正勧告が出れば、その内容について政府がこれを変更するということはあり得ない。そういう立場から人事院としては、今度の修正勧告については政府と事前に内交渉なり折衝を行いたいというために、その経過の中で、現在人事院修正勧告は遅れておるわけです。今の御答弁では、何かそういうような内交渉が行われておるというふうなことを知つておるという御答弁でありますけれども、その経過から見ますと、今人事院のほうでその修正勧告を出す出さないということについて愼重な態度をとつておるのは、これは政府のほうでその補正予算を組むとか組まないとかいうことについて、政府のほうから何らかの意思表示なり、或いは又極端に言えば、政府のほうでは圧力とは考えないとしても、これを圧力という形に考えておる傾向さへも出ておる。そういう状態になつておるわけでありますが、一体若し修正勧告が出た場合お伺いしたいことは、政府としては補正予算に追加計上する御意思があるかどうかという問題と、それからもう一つは御承知通り財政法によりますと、地域給支出については、これは予備金から支出できるという条項もあるようでありますし、又閣議でも予備金から支出するということは決定されておるようでありますから、こういう条項もありますから、組むことのできなかつた場合には予備金から支出する用意があるかどうか、こういう点についても一応この際お尋ねしておきたいと思います。
  12. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 今のお話のうちで、私は自分では人事院と何ら交渉をいたしておりません。従つていろいろのお話は仄聞する程度に過ぎません。まだ私が話をするような段階には来ていないんで、人事院勧告があつた場合は、地域給には殊にそうですが、ここが悪いからこうしろとか、ここが悪いからこう直せと言うことはなかなかむずかしいと思います。でありますから勧告一つ全体として受けるか受けないかという問題に多くの場合はなるだろうと思いますが、これは国会修正する場合は別ですが、政府としてはなかなかいじり切れないと思います。ただ勧告が出た場合は、それがどの程度金額になるかということになると、金額の問題にはこれはどうしても予算ということがありますから十分考慮しなければなりません。予備費で出すか出さんかというようなことも、予備費は必ずしも地域給を優先的に支出するんだということにはなつておりません。これはやはり額の問題にも関連して来るだろうと思います。その場合になつてみないと分りません。併し先ほど申しましたように、我々のほうは人事院に対して干渉がましいことは言つておりません。これは私は無論話もしておりませんから、政府として干渉がましいことを言つておるはずはないと確信しております。
  13. 千葉信

    千葉信君 まだ実はこの問題については人事院のほうから修正勧告も出ておらない今の段階で、官房長官にこの問題について御質問申上げること自体が少し時期尚早の感もあるのですけれども、ここまで話が進みましたので、なお重ねてお尋ねしたいことは、大体今度の人事院修正勧告では、これは年間に六億程度、十月一日から実施ということになれば三億程度という、こういう程度の非常にスケールの小さい、私どもとしては非常に不満に堪えないスケールの小さい修正勧告用意されておるようであります。こういう支出の上では二十六年度においては三億程度予算を必要とする場合、一体官房長官のお見通しとして、別途予備金から最後には支出するとお考えになるかどうか。その点についてのお見通しを重ねてお尋ねいたします。
  14. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 三億とか六億とかというお話は、今実は正直なところ初めて伺う話でありまして、予算関係いたしますことは大蔵省側意向確めなければ、ここで即座に何ということをお答えすることはできません。又今確めたところで、これは出てから研究してみるよりほかに仕方がないということを大蔵省は言うだろうと思います。ちよつとお答えはできないと思います。
  15. 千葉信

    千葉信君 それでは次にお尋ねしたいことは。
  16. 木下源吾

    木下源吾君 ちよつと今の点もう一つ……。私は今官房長官質問して言質を取るとか、そういう気持で言つておるのじやないのです。お話のように国会修正をするというような場合もありますが、いずれにしても予算の問題があるわけなんです。で、ただ国会でそれだけのみを修正しても予算裏付がないことになるのですから、そのことに一つ御盡力を願いたい。お話のようにそのことはあなた今初めて聞くというように言われているが、副長官は一生懸命やつておるらしいのです。是非一つこの点については内部で我々の意向のあるところを、状況をよく察せられて、できるだけ一つ非公式であろうと何であろうとよろしいから、この国会意思のあるところを察せられて、一つ善処してもらいたい。それだけ要望しておきますからお願いします。
  17. 千葉信

    千葉信君 次は給与ベースの問題でありまするが、今日人事院のほうから給与法改正に関する意見書国会政府のほうに提出されたようでありますが、一体政府としては給与ベース引上げに関する給与法改正案いつお出しになるつもりであるか、これを最初お伺いいたします。
  18. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これはずつと研究してみまして、殆んど用意が済んだのじやないかと思います。併し御承知のように非常に細かい計数でありまするし、それから特別職関係もあり、判検事の問題もありますので、もう予算用意してありますので、日はどうもまだはつきり私ここで言えませんが、そう遅からざる機会に出せると思います。
  19. 千葉信

    千葉信君 只今の御答弁のようにもうそろそろできているのだなどという御答弁では、余り具体的な問題をお尋ねしても官房長官としてはおわかりにならないわけですか。
  20. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 具体的のことは私も存じません。併し大体の方針は、例えば曲線をどういうふうに描くとか、基準をどこに置くとか、上のほうはどの程度民間給与との比較はどうかというふうな程度方針は知つております。
  21. 千葉信

    千葉信君 それではその大体おわかりになつておられる具体的な、只今お話の点だけでも結構でございますから、簡單で結構ですから御説明願えませんでしようか。
  22. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これはまだ案が出ておりませんから、案が出てからでないと正確には説明はできないし、又余り意味のないことと思いますが、我々の考えておる極く原則的なことを申上げると、たしか人事院勧告は十八歳・六ということを標準にしておつたと思います。で四千二百円じやないかと思いますが、これを十八歳きつかりにして四千円という基準で、そうしてあと人事院勧告のようなずつと曲線で行こうと、こういう原則と承知しております。そうして上のほうも大体民間取締役級幾らということになつて、それとの差があるようです。それで今までのところは、例えばはつきり数字は覚えておりませんが、この一月一日ですか、あのときには民間給与との比較が七八%、ちよつと数字は覚えておりませんが、この前はかなり低かつたわけです。それが五月頃になると又それが低くなつて来て、それが七八%ぐらいになつたのですが、民間との比較が今度政府の案で考えておりますのは、大体民間給与との比較は九〇%ぐらいのところまで行く、今までの過去の公務員給与民間給与との比較に比べると、かなり民間給与に接近して来ておるという考えであります。そうしてその基準から上のほうに行く曲線は、人事院と初めが二百円違えばそこだけは違うと思いますが、大体ずつと同じような曲線で行き得ると、こういう予定で勘定をいたしておるはずであります。詳細なことは一つ給与法が出てから御覽願いたいと思います。
  23. 千葉信

    千葉信君 それではそういう具体的な問題はあとに御質問申上げることにしまして、原則的な点について、これは大体御答弁なれると思うのですが、只今官房長官お話では、民間給与状態調査して、それと併行する形においていろいろ操作されたと、こういうお話でありましたが、御承知通り今度の人事院民間給与の実態の調査は従来といささか趣を異にしております。官公職員の職種の内容、それからその地位、責任、こういうふうないろいろな角度から分類して、そうしてそういう民間給与状態をできるだけそれと同じような仕事、同じような条件にある公務員が、その給与状態余りにアンバランスを生じないような形において勧告されておりますが、政府としても只今お話では民間給与状態というお話でございましたが、一体そういう民間給与というものを、人事院のお調べなつたような調べ方を一体政府のどこでされたのか。これは勿論当面の責任者としては官房長官のところにあると思いますけれども、この前の委員会では大蔵省のほうから説明員おいで願つてお尋ねしたところが、その答弁の中で、私どものほうでは千五百円程度増額という形において調査をして今作業を進めておる。而も人事院勧告とはそれほど大きな開きを持つておりながら、その説明員答弁によると、私どもの今度の給与引上げ民間給与と殆んど同じような状態において作成されておる、こういうお話です。そうするとその民間給与調査のやり方だとか或いはその結論というものは、相当これは人事院と違つておるということであります。その結論が出て来ておる。一体官房長官としてはそういう民間給与状態等をどこで誰に調査さしたか、そうしてどういう程度結論を今度採用されたか、その点を一つ承わりたい。
  24. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 今の第一の御質問について、つまり民間給与調査をどこでやつたか、これは私のほうの副長官が中心になりまして、大蔵省通産省安本等数字調べてもらいまして、各省の援助を得て結論を出したのであります。我々のほうではそういう正確な数字を取る手段は統計局しかないのであります。統計局はそういうものを專門にやつておりませんから余り正確というわけには行きません。まあいろいろ通産省意見を聞いたり大蔵省意見を聞いたりして、各省考えのまとまつたところであろうと思います。そこで第二の御質問については、民間給与については、これは各省共意見が違います、数字ですから。これは人事院とも、無論独立して調べれば人事院と同じ結果になるかどうか、まあ違うのは当然と思いますが、私どもの了解しておるところでは、今度の千五百円程度上げたいと考えておりますのは、民間給与に持つて行きたい、これは同じようにしたいという考えはあつても、一方に財政上の制約がありますので、まあできるだけ奮発して千五百円程度と思つておりますので、今度その千五百円を人事院勧告のようなことで、人事院とは基礎の金は違いますが、その勧告のように割振つて行つたらどうなるかという数字を出して見たら、民間給与と我々の考えておるのとはどういう比例になるかというような計算をして見まして、遺憾ながら同率にはならないので、今申したようにまあ九〇%くらい、一〇%足らず低い、こういうように我々は結論的には思つております。
  25. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) ちよつと、官房長官十一時半くらいまでに向うの条約委員会に参りたいというお申出でありますので、その点お含み願います。
  26. 千葉信

    千葉信君 官房長官おいでになるのは珍らしいから是非一つ時間を少々長く拜借したいと思います。
  27. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 実際今まで特別委員会に出ておつたのですが、こちらからの要求があつて参りましたので、私に対する質問申入れ回答申入れもありますし、それからほかの、総理その他の回答に対しても私ども資料を与えたりなんかする必要もありますので、成るべく早く帰りたいと思います。
  28. 千葉信

    千葉信君 了解。それでは只今の御答弁から言いますと、予算上の問題等については、これは具体的に法案が出ましてからの問題になるのですが、今の御答弁でわかりましたことは、大体この前の政府説明員が言いました、いわゆる民間給与調査というものは、これは大体が各省寄せ集めで、而も内閣統計局のほうの頼りにならない調査の結果を基礎にされたということに大体結論が出て、私どもとしては余り御信頼申上げることができない民間給与状態というものが、今度の給与案の作成には使用されたというそういうことになるのですが、併しこの問題はもうこれ以上お尋ねしてもしようがありませんから、具体的にお尋ねしたいことは、この前の菅野副長官の御答弁でも、千五百円くらい引上げることによつて公務員平均給与が一万円くらいになる、こういう御答弁つたのですが、私どもの算術では、今の給与に千五百円足しても、これではどうしても一万円にならない、大体一万円どころか、私ども計算では千五百円足して九千五百三十円くらいにしかならない。政府予算のない金を出せるわけはないのですが、一体政府のほうでは今の公務員平均賃金を実質的に幾らくらいにお考えになつて算出されておられるのか、その点について承わりたいと思います。
  29. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは御承知のようにこの前の改訂以来昇給もあります。いろいろありまして、一千五百円程度、或いはちよつと上か、そういうところと考えております。
  30. 千葉信

    千葉信君 これが非常に重大な問題と思うのですが、これは一般国民にしても公務員にしても予算総額なんかはわからない、政府のほうから誰々を昇給したとか誰それがこういう増額があつたという形で八千五百円になつているとか八千三百円になつているとかいう放送があると、その信憑性如何にかかわらず国民が鵜呑みにする虞れがある。ところが実際政府の今のとられている予算等基礎にいたしまして公務員の一かための賃金を見ますと、どこから計算しても八千三十三円にしかならない。今の予算年間支払うとすれば八千三十三円にしかならない。これは若し御希望であれば、実際政府予算に組まれている一般会計特別会計総額、それから俸給、扶養手当勤務地手当等項目ごと金額はつきりここにありますから読上げても差支えありませんけれども、それよりももつと具体的に言えることは、大体今の予算の中で公務員諸君に対する給与というものは、これは一般会計特別会計を含んで一般職職員に対しては本俸が六千百七十六円にしかなつていない。予算がそのぎりぎりなんです。それから扶養手当の場合には八百九十三円ぎりぎりである。勤務地手当七百五十九円、この合計が七千八百二十八円になつて、それに特殊勤務地手当が二百五円ぎりぎりしかない。  そうすれば金額の合計は八千三十三円、御承知通り今度の人事院勧告にも平均このぐらいの給与は含むということをはつきり勧告しております。又政府もそういう人事院勧告に含んでいるものを基礎として平均賃金計算されているはずである。そうしますとぎりぎりの現在の予算では八千三十三円にしかならないので、それに千五百円追加して、それで一万円近くなるというのはちよつと腑に落ちかねる。例えば昇給されるとか何とか言われても、これはごまかしのできない数字である。若し御希望であればこの際合計の予算額をはつきり挙げてもいい。その点……。
  31. 加藤武徳

    加藤武徳君 先ほどから官房長官は他の委員会に出席の時間も来ておられるし、特に両条約に関する特別委員会は恐らく官房長官の出席を待つていると思うのです。千葉君の只今の発言でありまするが、この件に関しましては去る八日のこの委員会において菅野副長官が成るほど一月現在の切替は八千五十八円、その後一月、三月、六月の三回の定期昇給、並びに新らしく設けられた特別昇給の方法等、相当の昇給があつたのであつて、大体八千五百円程度という答弁もあつたわけでして、従つて今度のベースは約一万円、一万六十二円という答弁もあつたわけですから、この問題に深入りをして論議していると、官房長官もますますここに席を落付けざるを得なくなるわけで、この件は一応この程度で切上げて、なお改めて、或いは後刻おいで願えればそのときに御論議をするということで、他の委員会行つてもらうことは、これは我々の委員会としては忍びない点でありますが、官房長官にはこの程度で御退席を私はお願いしたいのです。
  32. 千葉信

    千葉信君 今加藤君の御希望もありますけれども、一応私の今質問申上げたことが問題の動向に影響がありますから、この点だけでも御答弁を願いたい。それから考えたい……。
  33. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) どうも私は数字は甚だ不得手でありまして、その数字でも頂いてよく研究してみなけりやわかりません。ここに何も私どもは持つておりませんから太刀打はできませんが、我々の了解しておるところでは八千五十何円ベースという、今年一月からの定期昇給と、それからあそこの枠の中で、今までと変えて、少し長くいた人は昇給するというようないろいろな規則がありまして、その結果は八千五百円程度になつているというように了解をいたしておりますが、各省の俸給を一々全部取寄せて自分で当つたわけではありませんからして、こういう点は大蔵省給与局なり或いは私どもの副官房長官なり、一々数字で以てやつている者をお呼びになつて、一々計数を照し合せてやつて頂かないと、私には今そらでどうということは申上げられんし、あなたのほうは数字を持つており、私のほうは持つておりませんから、ちよつと太刀打はできないのですが……。
  34. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでこれは時間の御都合もございましようし、今の千葉さんの御質問の要旨は、官房長官の言葉で言うと、民間給与に比べて九〇%程度にとどまつている、この点からいたしましても千五百円上げというものについての議論と、もつと上げるべきであるという議論が含まれていると思うのです。八千五十八円ベースが実施されなかつたことはこれは明らかであります。その出発からもう問題があります。それから官房長官の認められた九〇%程度、これが九〇%程度であるかどうかということははつきりしませんが、民間給与より低いということだけは認められた。予算は、補正予算の中には財源があるようでありますが、この生計費については、今後十一月からの郵便料金の値上げ或いは鉄道運賃の値上げ、その他物価の値上げは目前に迫つておる。或いは電力値上げは給与勧告の中に織込んでなかつた。こういうものを考えますと、これから食つて行く公務員の生活給として、千五百円程度では食つて行けんと、この問題を政府としてはどう考えておるんだ、どうするんだという御主張が入つておるんだと思うのですが、その点についての官房長官のこの際御説明願つておきたいと思います。
  35. 千葉信

    千葉信君 委員長、重要な問題があります。私今その数字の問題について、官房長官の立場から言えばここで御答弁できない立場でございましようし、又これを重ねて私追求する意思はございませんけれども、私はこの際官房長官に申上げておきたいことは、そういう現在の賃金水準が非常に安い。八千三十三円というような状態の中で、而も殊更に八千五百円になつておるとか或いは昇給がどうのこうのというようなことを言つて、まやかしの数字を根拠にしているし、而もそういう数字を羅列して発表されたりすると、これは非常に問題の解決がむずかしくなつて来ると思う。従つてそういう点については、私は数字の点について官房長官に追求する意思はありませんけれども、少くともそういう問題の解決に影響のある問題については、もう少し良心的な態度を政府のほうでおとりになるように官房長官のほうからお取計いを願いたい。これを官房長官にお願いしておきます。
  36. 森崎隆

    森崎隆君 私もこの給与水準引上げの問題についていろいろ質問をしたいのでございますが、時間が限られておるようでございますから、この問題はあとにお伺いする機会があると思いますから、今日は質問をいたさないことにいたします。ただ二、三分お伺いしたいと思いますが、如何でございましようか。二、三分だけでございますが……。
  37. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) できればこの次の機会にお願いしたいと思います。十二時までということに向うはなつておりますから……。
  38. 加藤武徳

    加藤武徳君 実は昨日の運営委員会におきまして、厚生委員長から運営委員長に対する要望が実はあつたのであります。それは大臣の各委員会におきまする出席の件に関しまして、申合せとしては、かつちり時間を守つて、他の委員会に迷惑をかけない、こういう申合せになつておるのであります。すでに約束の時間を十五分もオーバーしておりますので、この際官房長官の御退席を願いたい。いろいろ質問したいことがありますが、これは次の機会にお伺いすることにしたらと思いますが……。
  39. 千葉信

    千葉信君 只今加藤君のような発言を許しておけばますます時間がかかつてしまう。三分ぐらいと言つておるのだから、默つておれば話が済んでおるはずだ。
  40. 加藤武徳

    加藤武徳君 委員長みずからそういうことをやつてはいけませんよ。
  41. 木下源吾

    木下源吾君 今加藤君が約束をしたと言うたのは、これは向うさんでそういうことを言つておる。そういうようなことを言わんで、成るべく早くと言つておられますから……。
  42. 加藤武徳

    加藤武徳君 向うは十二時までで終るのですから、官房長官としても答弁しなければならん。十一時半が約束でしよう。
  43. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは官房長官一つ……。
  44. 木下源吾

    木下源吾君 私は二分ほどでいいのですから……。あとは用はありませんから……。
  45. 加藤武徳

    加藤武徳君 十一時半の約束だろう。約束を破つちやいかん。
  46. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それじやいいですか。それじや官房長官いいですか。
  47. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 甚だ恐縮ですが、これで退席さして頂きますが、私今千葉君の言われたことについては、政府のいろいろな計算がでたらめだというような印象を与えまして甚だ残念です。そんなことはないのでして、決してでたらめでやつておるつもりは全然ありませんが、今後とも十分それは注意いたします。
  48. 木下源吾

    木下源吾君 二分でいいから……。この間副長官答弁では、今度のベース改訂に際して地方公務員の場合を考慮しておるようなことを言つておられます。これはどの程度まで考慮しておるか。これが一番心配な重大な点であるから、このことだけちよつと……。
  49. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは予算中に平衡交付金を百億計上しております。
  50. 木下源吾

    木下源吾君 紐つきで……。
  51. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 紐つきということは法律上できません。それは地方財政委員会で適当に考慮して分配すると考えます。
  52. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは官房長官の時間も若干過ぎましたので、これは委員会の要望、気分をよく御了知だと思いますから、次の機会に成るべく時間を取つて来て頂くようにお願いして、これで御退席願います。
  53. 千葉信

    千葉信君 山下人事官もお見えになつておると思いますが、職員局長もお見えになつておりますか。発言中、発言中。
  54. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 千葉委員の御提案は石炭手当の問題についてさつき質疑を始めかけられたのでありますが、国有鉄道の職員局長も来ておられるし、これに関する問題について質疑に入りたいという、こういう御意見でありますが、どうですか。
  55. 木下源吾

    木下源吾君 僕は議事に関してちよつとその前に。どうも今加藤君も言われたのですが、これは与党としてはそういうことは止むを得んだろうと思うが、私は与党野党を問わず、全体として、委員会として、人事委員会は最近非常に政府が軽視しているような傾きがある。この前あたりも大蔵大臣を呼んでも来やせん。それで委員会は皆対等であるので、両条約であろうが何であろうが、もう少し私は人事委員会としては権威を持つてやらなければいかん。そういう意味一つ加藤君もこの委員会に出席させるのはどしどし出席……、大蔵大臣であろうが何であろうが、官房長官でも……。ただこう聞いていると、何だかこの委員会のようなものには用がないので、向うが重要だからこちらはいいというように取られては、非常に人事委員会としては不満な点がたくさんあるわけであります。そういう点を考慮して一つつて頂きたい。
  56. 加藤武徳

    加藤武徳君 関連いたしまして、只今木下君の御発言、その通りでありまして、私もこの委員会に対しまする出席状況は、これは必ずしもよくはないと、こう思つているのであります。ところが、これはお互いがやはり今後の努力すべき点でありまして、その大臣諸会の出席は、極力各委員会に十分サービスするということで昨日申合せしたわけであります。同時に委員会も嚴格に時間を守ろうということでありまして、それで私は今日退席願うように発言いたしましたが、我々みずからが委員会を軽視するような気持はないのでありまして、つまり今日の約束が十一時半というわけで発言したわけでありまして、一つ御了承を願いたいと思います。
  57. 千葉信

    千葉信君 加藤君は自由党だから立場上仕方がない。
  58. 加藤武徳

    加藤武徳君 これは党派の問題じやなくて……。
  59. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) この委員会の運営の問題については双方から意見が出ましたし、希望として十一時から半頃までだろうということでありましたが、若干長引くことは従来の例から見ましても……、私としてもそういう約束であるという工合には考えはなかつたわけであります。適当に運用をいたしたいと考えます。
  60. 森崎隆

    森崎隆君 一言上げますが、今の場合三十分の約束で官房長官が来られた、それは一体どこに問題があるのか。若し午前中三十分しか出られない、十二時に終るというのに、あれは午後一時からやるというのに、それの連絡ができないのですか。そういうようなふうでさつきは自分の質問を保留いたしましたが、大事な質問なんですよ。そういう保留をしなければならないという制限付の出席は、委員会を軽視していることにあると思います。その問題は委員長にも責任があると思います。もう少し連絡を密にして、来られたら一時間二時間はおつてもらわなければ困る。三十分経てば帰るという前提をつけるからこういうことになるのです。これは大事な問題でありますよ。最近大蔵大臣が来ましたが、あと忙しいから、三十分とか四十分とか向うから制限を付けて来ておりますが、これは最近大臣連中の間の約束事のようになつておりますが、加藤君は一つ与党で十分そういうことをやつて頂きたい。一旦委員会に出たら委員会の一応の質問は全部受けてもらわなければならん。研究してもらわなければならん。
  61. 加藤武徳

    加藤武徳君 大臣も体のことやいろいろなことがありますから……。
  62. 木下源吾

    木下源吾君 ただ問題は、人事委員会を軽視している傾向に対して、これは与党と野党とを問わず……。
  63. 千葉信

    千葉信君 それは悪い癖だ。
  64. 加藤武徳

    加藤武徳君 それはお互いの努力でうんと時間をこの委員会のために割いてもらうようにしましよう。
  65. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 雑談は一つやめて進みたいと思いますが、委員諸君の御意見、御要求はよくわかるのです。官房長官は約束して来てもらつたわけではないので、さつきのような取運びをやつたわけです。運用についてはこの程度にして、質疑に入りたいと思います。
  66. 千葉信

    千葉信君 職員局長にお尋ねいたします。たしか今北海道の国鉄の諸君に対する石炭手当の問題が調停委員会にかけられたようであります。ここへ出席するまでにその調停が出されたかどうか、私わからないままに出席をしましたので……。まだ調停は出ませんですか。
  67. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) まだ調停案は出ておりませんです。
  68. 千葉信

    千葉信君 そこでその調停の結論がどういう形に出るかどうかは、私どもまだ予想の限りではありませんけれども、併し御承知通り北海道の場合には、もう先月の下旬に零下三度というような状態がございました。而も又輸送事情が今後ますます困難になつて、家庭用暖房石炭の輸送が思う通りには市町村には入つて来ない。こういう恰好になるところへ、御承知のように寒冷の場合、而ももうどしどし雪の降る時節が近付いております。今月の二十日頃、これは大抵北海道としては雪が降り始める時期なんです。そういう状態になつているにかかわらず、一方石炭手当に関する調停が今日まだ出されておらないという状態になりましたので、これは国鉄の職員諸君にとつて非常に大きな問題になるのじやないかと思うのであります。御承知通り本年度は特需用の石炭なんかも北海道から二十万トン以上も運ばれようとしておりまするし、而も産業用炭なんかに重点的に向けられるために、煖房用石炭の入手が困難なばかりでなく、価格が七月に上つて、又十月にも三百円くらいに値上りしている。こういう状態で調停が延びておりますが、この点は非常に遺憾ですが、いずれにしても大体国鉄としては、どんな場合でも一般職員の諸君の給与が一人当り四千七百円という金額だけは下廻らないということは明かだと思うのです。そこでこの際国鉄としては、こういう状態を救済するために条件を附けずに内払いを一応認めるという考えはないかどうか、この点をお尋ねいたします。
  69. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 只今のような北海道の実情については、よく組合のほうからも聞いておりますし、私どももよく承知いたしております。急がなければならないこともよくわかつているのでございますが、調停委員会のほうが極めて近日のうちに調停案をお出しになるというようなことを承わつておりますので、まあ一両日のことのようでございますから、折角調停委員にお願いしていることでもございますので、調停案を拜見いたしましてから早速手続をいたそう、そういうように考えております。
  70. 千葉信

    千葉信君 その調停でうまく最終結論を出してくれればいいのですが、その調停で直ちに問題が解決するということは、これはまだ今のところ全然見通しがつきません。そういう場合に、若し調停の結果、それが直ちにこの問題の解決をすることなしに遷延されるような場合に、国鉄としては今申上げている内金払の形で支給する意思があるかどうか、この点を……。
  71. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 私どもといたしましては、調停案が極めて近日中に出るというようなふうに承わつておりますので、それをお待ちしているわけでございますが、若し調停案の出ました結果、又それが元になりましていろいろ問題が紛糾するというような場合には、千葉委員のおつしやいますようなことも考えなければならないかとも思つております。併し只今のところでは極く近日中に出るというようなお話でございますので、それを待つているような次第であります。
  72. 千葉信

    千葉信君 これは非常にお立場上御答弁になることがむずかしいかと思うのですが、一体国鉄としては四千七百円から幾らくらい殖やした金額で支給するという肚がまえを持つているか、差支えなければこの際おあかし願いたいのであります。
  73. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 今の御質問は非常にむずかしいのでございますが、私どものほうの石炭手当予算の上で縛られておりますので、今回の補正予算では、不足額は先に払つてあります三千五百円に対する千二百円分だけが計上してあるだけでございまして、それ以上に出すことは只今予算ではむずかしいと思つております。
  74. 千葉信

    千葉信君 ただ一般職職員の場合と違つて問題になるのは、今日まで或る程度のものは支給されておりまするが、全額受取ることができなかつたためにその間に石炭の値上りという現実の問題が起つておる。これに対しては当然これは国鉄当局としても考慮を要する問題だと思うのです。できるだけ職員状態を十分お調べになつて、気の毒な状態ですから救済という気持で結構ですから、この際何とか是非一つ考え願いたいと思います。
  75. 木下源吾

    木下源吾君 三千五百円払つておられるのを四千七百円の予算を組んでおつたから今すぐでも千二百円だけやれるのじやないですか。
  76. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 石炭手当の支給につきましては、昨年度の仲裁委員会の裁定というものがございまして、その際に一律に必ずしもやることが適当ではない、或る程度の地域に、地帶によつて格差をつけてやるのがよろしい。こういうような一応結論と申しますか、そういうようなものが出ておりますので、恐らくそういうような点についても今後調停案の内容如何によりましては、やはりそういうことも考えなければならないかと思います。それで一律に予算に計上してあるからといつて出すわけに参りませんし、第一その予算は今度の補正予算でございまして、まだ国会の御承認を得ておらないわけでありますから、そういうようなわけで只今すぐ出すわけには参らない。
  77. 木下源吾

    木下源吾君 今のお話であるというと、何か地域的に差をつけようということも考えられる、こういうことですか、北海道中で……。
  78. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 北海道の中でも或る程度地帶によりまして差をつけるということがこの前の裁定の際に考えられておるわけであります。
  79. 木下源吾

    木下源吾君 大体国家公務員に準ずるようなことがあるときには、都合のいいときにはいいけれども、そうでないときには、国鉄独自のことをいつておるのですが、どこに一体標準があるかわからないので、元来国鉄は従来公務員であつたのですが、そうしてだんだん国鉄に分れてから従業員諸君の不利益になるように、不利益になるように国鉄は持つて行つておる。正規の場合でも公務員が二割五分というのに二割、これは団体交渉の結果だつたかもわかりませんが……。それで北海道の場合に今度の石炭手当でも地域的に差をつけるということになれば、これ又国家公務員あたりにも又非常に影響があるのですよ、実際のところ……。やはりほかのことも少し考慮してもらわんと、成るほど暖いところと寒いところは多少北海道でもあるけれども、それらのことは組合内部で自治的にいろいろな面で、その而でなくてもいろいろ解決できておる。実際において函館は暖いから二トンやる、或いは稚内は寒いから四トンやるなんというようなことを、そういうことをきめてやりますと、大体組織が弱体化して来るのです。これは国鉄の当事者はそういう組織が弱体化して来ることを希望するかもわからんけれども、そういうことは一体政策上としても我々は容認することができない。実際において一体どういう標準でそれの一体差をつけるか。
  80. 千葉信

    千葉信君 関連質問……。吾孫子さんからこの前の裁定はどうとか調停はどうとかおつしやいましたけれども、これははつきり我々御認識願つて置きたいことは、北海道の国鉄の職員諸君が或る程度の格差をつけてもよろしい。というのは今支給されておる最低三トン、これを確保して、その上に増額するという格差ですから、この点についてどうかお間違いないように願いたいと思うのです。
  81. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 今いろいろお叱りも受けたわけでございますが、国鉄の職員に対する待遇が悪くなるようになんということは毛頭考えておりませんので、少しでもよくなるように努力を重ねておるつもりでおるのでございます。それから格差のことにつきましては、今千葉委員からも御発言ございましたのですが、私どもといたしましては、ともかくこの問題の結論を出すことが調停委員会にお願いしてあることになつておりますので、仲裁機関なり調停機関なりの御提案というものによつて処理いたすのが当然であるかと考えておりますので、その調停案のお示しも極めて近くあるというような予想でございますので、それを待つておるというような事情でございます。
  82. 木下源吾

    木下源吾君 今極めて近くあるそうだということはそれはまあ了承しますが、あなたの立場からももつと早くやつてもらわなければ困るじやないか。今石炭が焚けんで北海道はところによつては随分寒いのですよ。年がら年中、一年のうちに僅か二月くらいしかストーブを外す時期のないようなところもある。これは自分たちが使つておる従業員は現実に困つておる。到底この石炭は石炭饑饉ですよ。非常に煖房用石炭などもないだろうといわれておる。皆心配しておる。まあ東京のまん中で調停をするといつたつてあなたがたは現業でしよう。そんなことはあなたがたは早くやれと言わなければならん。あなたがたができなければ我々のほうでやる、そのくらいの親切でやつてもらわなければ困る。
  83. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 私ども不親切で放つたらかしておるというようなことはないのでございまして、お言葉を返して恐れ入りますが、全然この冬に対する石炭手当をまだ支給しておらないのではないのでございまして、先ほども申上げましたように、三千五百円という額につきましては、すでに八月末に支給いたしております。今問題になつておりますのは、それにプラスする千二百円の額でございますので、勿論急いでやるつもりではおりますが、もう少しの間に解決する……。
  84. 木下源吾

    木下源吾君 そこの問題が違う。三千五百円というのですから、一トン買えればまあまあですよ。四千七百円で買えればいい。そうではない、これは皆が考えているこの單価では半分より買えない、半トンより買えない、四千七百円では場所によつてはそういうところがある。であるからして我々が言うのです。三千五百やつてあるからいいというのじやない。そういう考えではない。実際上に北海道のものは、我我北海道ですが、北海道のものはいつも雪解けから燃料のことを心配しておる。これは非常に心配しておる。そういう気持をよく一つ汲取つてつてもらいたい。三千五百円では一トンか、或いは四千七百円で買えればまだあなたの言う通りだが、そういう事情です。
  85. 森崎隆

    森崎隆君 国鉄のベースの問題でございますが、以前に或いは一万六百円とかという数字が出ておつたらしいが、それを呑んだとか呑まないという話があつたのですが、これは国鉄の組合の末端では当然実施されるものであつて、七月の中旬ですか、私官房長官に党を代表しましてベースの問題全体の折衝をしたのですが、そのときに、いやあれは別に呑んだのでも何でもないというような反対のはつきりした御意見岡崎さんにお聞きいたしました。そういうことから、これは悪い意味考えるわけじやないのですけれども、あなたがたが組合に対するときの態度、政府折衝のときの報告なり、そのお話合いの言い方ですね、その間に何かちよつと二重人格的な話があるのじやないかというようなことをちよつと私ども実は考えるわけですが、まあなかなか熱心にいろいろ折衝なり努力もされておると思いますが、これまで政府との間におきまして、予算折衝その他で、どういうような御盡力、御努力、折衝をされて来ましたか。経過の、何といいますか、要点だけでもお聞かせ頂きますれば結構ですが、具体的に……。
  86. 吾孫子豐

    説明員吾孫子豐君) 実は私自身が予算折衝をいたしたわけではございませんので、詳しいことは存じませんが、国鉄当局は、調停委員会が六月に調停案を出しました際に、調停案の線に副うてこれを実現することに努力をする、こういう同答を申上げました。その言葉通り補正予算の編成に当りましては、一万八百二十四円という示されたベースを四月から実施するという案で大蔵当局のほうに要求をいたしておつたわけでございます。それが、途中の折衝でいろいろいきさつがございまして、結局十月から一万八百二十四円の要求を認める。そのほかに、御承知のように、国鉄職員については年末手当はやらないということが予算総則に謳われておるのでございますが、この際給料の〇・五に相当する程度の年末手当を支給できる予算を組んでやろうというようなところへ話が大体落ちつきまして、国鉄といたしましては、いろいろお願いいたすこともあつたのでございますが、只今のような結論になりますというと、実質的に見まして、大体八月初めに遡つて差額を追給し得る程度のものにそれがなりまするので、〇・五という年末手当がないものと考えれば、八月からベースを上げた形に一応なりますので、止むを得ないのじやないか。そういうことで補正予算只今こちらのほうに廻つております。大体のいきさつはそうでございます。
  87. 千葉信

    千葉信君 次に山下人事官にお尋ねいたします。今日給与法案改正に関する意見書をしぶしぶ出されたようですが、この国会が始まつてもう九日も経つているし、この臨時国会余り会期が長くないということもわかつておりながら、十日近くも経つてから出された。こういう態度は、私は少くともこの意見を全面的に実施させるという迫力が最初からもうないし、その点では私は非常に誠意がないと思うのです。併しこの問題は、又あと審議をすることにしたいと思うのですが、特に今問題になつておりまする、又淺井総裁も明確に臨時国会審議に間に合うように勧告をするということを言われていた地域給修正勧告を、なぜこれと同時くらいに出さなかつたか。この修正意見書を見ますと、この前の勧告についても、殆んど事務的な修正と思われるようなものが附帶して出ておりますが、これと一緒に出すことが問題の解決に有利だつたということは誰でも考えることなんですが、なぜ間に合わなかつたか。それから、どうしてこんなに遅れておるか、その点を先ず最初に御答弁承わりたいのです。
  88. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 勧告によりまして意見申入れをするというのに、たびたび申上げましたように、給与準則を一緒にやりたいというつもりで急いでおりました。併し、給与準則は、これは我々だけでできませんので、人事院において、人事主任官会議というのがあつて、毎週一回ずつ集まつております。それからなおまた細かくたびたび集まりますのに、給与委員会というのがありまして、非常に骨を折つてつたのでありますけれども、なかなか結論に達しなかつたのであります。それで最近になりまして、どうもやはり給与準則とは離すほうがよかろうというので、今度のようなベース・アツプということに至つたのであります。このベース・アツプにつきましては、前に御承知のように、勧告がしてありますから、内容は何ら変りがないのであります。これを何とかして予算に組んでもらいたいというような折衝も大体やつたのであります。それで、今度のは全く給与に関する法律案として出すわけであつて、根本的に我々の意思表示をしていないというわけではないのでありますから、これは少々遅れましても、実害は私はないと思つております。そうして、又今のような経過によつて遅れたのであります。それから、地域給修正はどうしてしないかということは、これは私ども修正はできるだけ早くやりたいと思つたのですが、これについては、一般問題であるなら話合がつかんうちに実は出しても悪くはないと思うのですけれども、事が地域に関係しまして、どこの村がどうだとか、どこの町がどうだということになりますと、やはり予算がこれに伴うので、確信を持たないで出しますと、その町とか村が残されて、ほかのものだけが先にきめられるという虞れがあるわけであります。そうすると、これは国会審議をせられますのに、一般的な問題でないから、まずい状態になるだろう。それだからこの際には一応今までに勧告したのを先ず通して、そうしてそれからすぐ続いて今度は通常国会に追加勧告をいたそう。そうすれば、この前に勧告をしたのが、どんな場合があつても実現はできる。それから今度は、その次の予算はこれは確保して、了解がついてからそれで行こうという思いやりがあつたわけであります。実はそういうものを町だとか村だとかを棚ざらしにすることは、私どもはやりたくなかつたものですから、今度の意見申入れの中にも、過去において七月の何日ですか、出しましたですね、あの勧告通りを先ず実行する。そうしてそれからあとあとで又考えるというような方針をとつたわけであります。
  89. 千葉信

    千葉信君 そうすると、人事院としては、この前国会に対して、臨時国会審議に間に合わせるように勧告するということはほごにしたのですか。
  90. 山下興家

    政府委員(山下興家君) そのつもりであつたのでありますが、今のような事情のために、やはりそうしないほうがよかろうと思つて今度は追加勧告だけはあとに廻すという方針にきめたのであります。
  91. 千葉信

    千葉信君 そんな独断的な考えつてないよ。あなたは今若し人事院から予算上の折衝が成功しないうちに出して、それが潰れれば、その地域に実害を与えるからというお考えで、延ばされたと言つておりまするけれども、一体人事院としては、予算上の折衝とかまでをやるということは、国会修正が出された場合に、これが政府に対して要望する大きな力というか、そういう点を計算に入れると、人事院予算折衝なんかするより遙かに問題の解決に有利だと思うし、又あなたがたはそういう独断的な見通しに立つて地域給修正をやらないということは、その地域の指定を受けたり、級地の引上を受ける地域に対して知らなきや知らないままに、そういう不利益はおれのほうは知らんという態度になると思うのですが、その点はどうですか。
  92. 山下興家

    政府委員(山下興家君) ベース・アップのような場合でありますと、これは予算折衝をすると妥協に陷る虞れがあるからしない。その独立性をはつきりするゆえんでありますが、併しこの場合は、地域給の場合は違うのであります。今きまつたものを、折角予算通りそうなものは先ず通して置かないと、次の通常国会まで、それが予算関係でどうしてもいけないという場合に待つということがあつたから、それは非常に迷惑をみんなに及ぼすわけでありますから、先ず予算の措置がつくものは先ずやる、そうしてあとあと。この追加というものは全般的の問題でないから、それでこれは別に離したほうが結局そういう地域給の支給を受ける全般に対して利益があると私ども考えたわけであります。
  93. 千葉信

    千葉信君 そうお考えになられたことが間違いだと言うのです。山下人事官は少し遅れて来られたようですから官房長官と私との質疑応答を聞いておられたかどうかわかりませんけれども、併し地域給の問題については、先ほどもその質疑応答にあつたように、まさかの場合には、補正予算に計上されない場合でも、最後の一つのきめてとしては、予備金から支出できるという財政法の条項があるのです。閣議でも決定しておる、そういう方法をとることについて……。そういうことになりますと、これはもう人事院として、この問題に対して今考えておられる只今答弁は、非常に思慮の足りないやりかただということ。それからもう一つは、山下人事官は地域給の問題については、ほかの全般的な問題と違うから、予算上の折衝をどこまでも前提としなければならないというふうな御答弁でありまするが、前の人事委員会でも問題になりましたように、これは必ずしも意見は合致しなかつたけれども地域給の問題に関しても、我々としては人事院予算上の折衝を前提としなければならないという考えには賛成できない。これは国家公務員法の建前からいつても、公務員の利益を擁護する人事院の立場からいつても、そういう予算上の問題に縛られたりして、人事院はつきりと、国家公務員の待遇はこういう状態でなければならないという意思表示は、これは地域給の場合においても何にも変えることはないと思うのです。例えば一つの地域がどういう物価状態にあるかというその状態を見て、地域給を支給しなければならないという事実については、これは人事院としては予算上の問題等に縛られて勧告を延ばしてみたり、或いはその地域を指定しなかつたりするような態度は、これは公務員法上の建前からいつても決して地域給だけが違うという意見はこれは成り立たないと思うのです。而も人事院はそういう我々の意見というものを何ら考慮しないで、今度の場合なんか特に……今山下さんはこの前の勧告を出した部分が実施されないようなことがあれば困るからという、かようなことを巧みに言つておられますけれども、こういう言い方で以て、今の段階の中で、五月十七日の勧告が十月一日から実施されるということについては、これはもう国会審議以前の問題でありますけれども、行政上はもう確定的な事実だと思うのです。そういうふうなことを人事官、知らないことはないと思う。そういう事実があるにかかわらず、この前の勧告が実施されないような状態が起れば困るから、修正勧告を通常国会に延ばしたなんということは、これは盗人たけだけしいわざだと思います。至急この際人事院としては、できるだけ早く、できるだけ適正にその地域における公務員給与を正当な状態に引戻すように、臨時国会審議に間に合わせるようにこの際勧告を出してもらいたいと思うのです。一体そういう、通常国会に持ち込むなんということは、人事官会議で決定したのですか、どうですか。
  94. 山下興家

    政府委員(山下興家君) まだ決定というわけではありませんが、私どもはその地域給についての考え方は、千葉さんとは違う立場に実は立つておるのであります。なぜかというと、前の勧告については皆了承をして、予算もこしらえ、そうして大丈夫これは間違いなく通るというところへ持つて来て、新たにこれだけ追加ということになると、そうすると地域給としての予算が不足するということになつて来る。不足して、それは何とかこの際やろうとしてやつてくれれば結構です。併しそこに非常に危險が併う。予算の措置ができなければ仮に地域給を延ばそうかということに仮になつたとして、仮定しますね。そうするとすぐできるものが半年くらい遅れるということになる。その地方全体に対して随分大きな不利益を来たす。それじやそのときに、全体じやない、そのあとの追加だけ残そうかということになつても、これは非常に工合が悪い。その地方について非常に工合が悪いことだと私は思う。それですからこれは別に通るものは先ず通して置いて、それからあと追加は追加としたほうが私は公務員に対して、全体に対して利益だと思う。併し又これは人事院でそういう決定をしたということではありませんから、それは、御意見は十分に研究をいたしますが、併し私自身の考えとしてはそういうことであります。決してインチキでも何でもない。それで変なことを言うわけもない。私はこれを信じておるからそれを言うのです。
  95. 千葉信

    千葉信君 第一只今の御答弁のように、若しも通常国会までこれを延期するということになると、明らかに国会に対して人事官がでたらめな答弁をこの前しておることになる。極端に言えば、公約違反ということにもなると思うのです。それから又実際問題としての立場から、今度の十七日付で提出された補正予算の中には、五月七十七日付の勧告を全面的に実施するということは、これはもうすでに予算国会審議に残されておるだけであつて政府の態度としては確定しておる。而もああいう提出された補正予算の問題が地域給の問題だけに関して補正予算を延ばすなどということを山下人事官は考えられますか。
  96. 山下興家

    政府委員(山下興家君) これは地域給というものに対する観念の違いだろうと思うのであります。これは国会全体或いは党全体の利益が一致するとか、考えが一致するものなら非常に楽なんであります。併し地域となりますと、どこやらの村がどうとかどこやらの町がどうとか細かな話になつて来ると、必ずしも国会審議されるのに非常に適当とは思わない。それですから、これだけの予算を組めないものをここに出して来て、そうしてほかの今までの折角きまつたものを壤す、或いはそれに対して多少の悪影響がありはしないかということを心配するのであつて、私は、私は今言つたことは国会審議されるのに不適当だとは言わないのですよ。国会審議されるときには、大きな問題で全般的のものは非常に取りやすいが、どこやらの村だとかどこやらの町だとかばかりに限定するものは、なかなかこれは多少全体としての賛成を得ることはどうか、むずかしいかも知れんから、或る程度の危險がある。だからこの際危險がないようにして行くほうが公務員に対して利益だと私は思つた。
  97. 千葉信

    千葉信君 山下さんの御答弁は、従来人事院がとつて来た態度と非常に大きく矛盾する点がある。地域給のこういう問題は地報的な利害等に結び付くから、なかなかこの問題を改善するということは困難だという御意見です。審議できないわけでもないのだけれども困難だということを山下人事官は言われる。そのために今度のような修正勧告の問題も遅らしたという理由にされておるのですが、そういうことになつて来ます。去年の九月に給与法改正に関する意見書を出されたときに、一体どうして、人事院では地域給の支給別の区分等については国会審議をするという態度をとられたか、この点について御答弁を承わりたい。
  98. 山下興家

    政府委員(山下興家君) これは私はそういう問題は当然国会審議をせらるべきものだと思うのであります。それは人事院の独断でやるべきものではない。但し、今申したのは提出時期が二つになつたから……、二つになる虞れがあるから、それを一つに今出すということは、前のにも多少の影響がありはしないかという心配もあつて、ただそれは想像でありますから、私は間違つておるかも知れませんが、併し私どもが今まで予算関係しないのだという立場とは矛盾しないと私は思つておる。何故かというと、予算関係するということになると、そこに闇取引が起る心配がある、世の中に……。この国民の前で全部さらけ出してその交渉をするほうが本当だと思つた。併しこれは予算関係しない、我々は関係しないで提案すると、こう言つたわけです。併し地域給に対しては、まだ地域給の全般の問題は別でありますが、併し地域給の追加といつたような局部的な問題については、私はもう少しはつきりした立場をとつてすればいいと思つたのであります。併し私は、これは人事院がそうきめた、私自身がそう考えたので、千葉さんが別の考えを持たれればこれは、又人事院の会議でよく審議を進めて行きたい。
  99. 千葉信

    千葉信君 そうしますと、関連して……、一体山下さんのお話しを聞いておりますと、昨年の九月に地域給の支給別区分等について、これは勧告されるということを聞いたので、どうせ人事院のほうから国会にこれが勧告をなされて、人事院勧告を出せば国会ではいろいろな地盤関係、地域の利害の関係があるから、国会修正なんかできないから、一つ国会でからかつてやろうという態度で、国会審議するという勧告を行なつたことになると思う。併しその問題は一応これ以上山下さんに食下つてみても仕方がありませんから、私はまあこの問題は讓ります。大体人事院としては、それでは今度の修正勧告はぎりぎりの、そういう人事院意見から考えた場合のぎりぎりの場合でも、臨時国会に間い合うということを勧告した手前からいいましても、今度の補正予算が成立する見込みが立ち、動かない立場が立ち、それから従つてその前の五月十七日の地域給勧告も一応の結論に達するという見通しが立つた時期には、ぎりぎりの線でこれは勧告を出さなければならない立場にあると思うのですが、そういう場合は勿論出すおつもりでしようね。それから又その場合と、それから今山下さんが言われたように、これは人事官会議では考慮するという非常に心強い今御答弁をされたようですが、どうかそういう点について、山下人事官が先頭に立つて、人事官会議で一つ頑張つてもらいたい。人事院としては、毅然として修正勧告を出してもらいたい。その理由は、山下人事官は個別的な、又小さい問題だから我々は問題にしなかつたというような御答弁でございましたけれども、併し承わるところによつては、年間六億程度地域給修正勧告したということを承わつております。そうすると、その六億が公務員の非常に少ない給与ベースの引上の一環として、これは非常に大きな役割を果すということになると思う。ただ直接的には決して少数ではない、その六億の地域給の増加、追加支給される公務員の諸君にとつては非常にこれは重要な問題だ。併し單に年間六億だけの問題でなくして、地方公務員或いは国鉄職員等の数を計算すると、これは決して年間六億だから小さいという問題だけで片付けられては有難迷惑千万だと思う。従つて至急に人事官会議で、人事官会議で私に力強く約束されたように行動してもらいたい。この点も併せて御要望申上げて置きます。
  100. 森崎隆

    森崎隆君 同じ問題で、千葉君から大体お話も済んだと思いますが、私は理窟でなくて確認して置きたいと思います。今度の御答弁がありましたように、新らしい修正というものが入つております。それで今結果的に今度は、修正は事実上法律化しなくてもいいという観点に立たれた。それでお尋ねいたしますのは、只今ベースの場合は別だ、それから地域給の場合は別だと、いろいろ複雑多岐な理論が展開されたのでありますが、私たちはやはり根本的には、今の御意見にはどうしても納得ができないのでございまするが、結果的に見まして、人事院はこの問題につきまして今予算折衝をされたということも聞いておりますが、それから今度の勧告を出さなかつたということになりますと、この問題だけに限りましては、政府予算折衝をした結果、どうもうまく行かなかつたので、人事院としまして公務員のまあ生活擁護の義務、その目的のために当然与えられておる人事院勧告の権利につきまして、これは放棄せざるを得なかつたというように、結果的に我々は考えるのですが、そう確認してよろしいですか。
  101. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 大体そうでありますが、これから先でも或いは予算に何とか盛れるといつたような明るい見通しがあれば、躊躇しないで出したいと思います。とてもそのここのところがもう少し目先がはつきりしませんと困る。それでその何を追加勧告をするかといつたようなことは用意はできておるのであります。用意はできておりますが、だからいつでも目先が明るくなれば、いつでも実行はしたいと思つております、それから修正は今のところ多少は違つたところがあります。それはどういうところかと申しますと、書き間違いとか、人の書き間違いとか、或いは村の違いとかいうようなことは多少の、とり間違えたというようなことは多少あります。それとこういう問題がある。官署指定がある。私どもは御承知のように、前は大体地域があつたけれどもどこそこに町があつて、一粁二粁離れたところに病院とかいうものが仮にあつたとすると、そうすると、大体の人はみなこの町から通つておる。併し国会に出すに対処してなかなか工合が悪いということで、この前はその官署のある字を指定したわけです。だから国家の機関としてのみ考えるとそれでわかつたのでありますが、ああ発表した結果によると、地方から非常な陳情がありまして、その字の中に含まれておる地方の機関がどうだということ、その地方と又その次がどうだということになりますと、地方公共団体のほうを考えると、やつぱりこれは無理だ、だからその官署指定に変えるほうがいい、よろしかろうということで、これは地方の機関に、地方公務員、地方公共団体に対するまあ思いやりから、今度はそういう字指定はみな取消しました。そしてそれを人事院規則で官署指定ができるようにという条項を入れたわけです。
  102. 森崎隆

    森崎隆君 今の予算折衝の結果、人事院の基本方針というものはこれは重大な問題で、私たちは実は人事院の存廃問題につきまして何とか講じようという気持を持つてつたのでありますが、そんな気持なら考え直さなければならないと思います。それは別といたしまして、この地域給の問題だけについては、予算折衝をして大体予算裏付の見透しがついたというときに初めて勧告するという御方針は、これまでずつと続けて参つた方針でありますか。最近にそういうような態度になつたのかお聞きしたい。
  103. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 地域給に対しては、非常に愼重に考える必要があつたために、当然一応予算措置を折衝いたしまして、それで予算措置については了承されたのであります。それで安心して実は出したわけであります。
  104. 森崎隆

    森崎隆君 それでは五月の勧告もやはりそういう自信を持つて出されたのですね。
  105. 山下興家

    政府委員(山下興家君) さようでございます。
  106. 森崎隆

    森崎隆君 それが今日まで法律化されていないのはどういうわけですか。十分自信を持つて初めて勧告されたのだと思う。あれだつて昨年の終り頃恐らく一月か二月に勧告すると言つたが、予算折衝その他の関係であそこまで遅れた。我々はじりじり待つたのです。予算折衝で大体見通しがついたので自信を持つて勧告されたが、今日まで法律化されておらない、その責任はどこにあるか。
  107. 山下興家

    政府委員(山下興家君) それは補正予算に組むか組まないかというような問題でありまして、これは法律化するそのためにわざわざ国会を召集してどうするとかいうことは私ども関係のないことでありますから知りません。御了承願います。
  108. 森崎隆

    森崎隆君 ちよつとそのあたりの理論が私わからないのであります。予算折衝をして目安がついたから、勧告するので、それは当然法律を出されまして法律化されなければならない。国会審議も勿論経ることであります。この前にそういう自信を持つて出されたが、それは補正予算関係とか何とかいうことで私たちに関係したことではないと言われますと、原則的に私たちの心理では、予算の問題は、人事院関係しない。今まであなたに会いましても淺井さんに会いましても、瀧本君に会いましても、皆そう言つておる。すでに、勧告に関する努力はするが、あとの問題は全部国会なり政府だと言われるが今度に限つて予算折衝をしてとうとうできなかつたからこれが追加修正勧告を延期するとか、無期延期というようなことになりますとどうも私にはわからない。  これをもつと具体的に言いますと、その都度々々政府圧力の前に人事院は常にのらりくらりと方針を転換せざるを得ない弱い人事院であると確認していいのですか。
  109. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 決してそうではありません。地域給に対しましては、別個の普通の考慮以外に愼重な考慮が必要なることは、これは御了解願えると思うのであります、それですから地域給についてはあらかじめ折衝しても決して公務員の損にならない。こう私は常識的に踏んだわけであります。これは裃を着てどうとか言われると困るけれども、大体御了承願えると思うのであります。それですから、今までの給与ベースを上げることとこれを一緒にされて、そうして予算との関係がないというのかと言われると実際困るのです。そういうところは御了解願いたい。
  110. 森崎隆

    森崎隆君 一言申上げたいのですが、修正勧告をするため全体が引延ばされて非常に公務員に損害を与えるというのですが、五月以降今日まで延びたこの損害は実に大きい。それから修正勧告というものは大したことではない。この間の折衝経過を今日は時間がないようですから今日は聞かなくてもいいが、どういう予算折衝人事院総裁なり、山下さんなりが誰といつどの程度何回やられてどこまで頑張つたかということをはつきり聞きたい。予算折衝についてはつきりあなたからお伺いしたい。又官房長官、大蔵大臣からもお聞きしたい、それからこの前の五月十七日の勧告につきましても予算折衝をされたという御発言でございましたが、これについては政府にも責任があるがそれは今日は聞きません。なお、もう時間がないから打切りたいが、まだ人事官の最後決定はなされておらないと思いますから、千葉君と同じように切に要望するわけであります。将来において修正勧告の大体予想はつきませんですか。今度の臨時国会中出すとか、或いは十二月末までに出すとか出さないとか、最悪の場合は三月までに出すかどうかという大体大づかみの予想を一つお聞きしたい。
  111. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 予算折衝と申しましても、これは御承知のようにどこの町をどう上げるとか何とかいうことを全部秘密にしなければいけないものでありますから、今度の例えば追加でも私ははつきりいくらのお金になるか知りませんが、大体おつしやつたように三億とか或いは全体で五億とか六億とかいうような数字を、今度何かやりたいのだけれども、それを考えてもらえるかどうかということだけであつて、どこをどうするということはどこにも知らせてありません。だからただ額の問題だけの話で、それは御承知のようにほうぼうから陳情がたくさん参りますから、だからその大体はわかるが、私どもは陳情を受けるとか受けないというのでなく資料として受けております。その内容はどこにも知らせておりませんから、そのところは御心配なく願います。それでとにかく総額においてどれだけ要るということは、これは予算折衝したのが悪いと言われても、大体これを予算のうちに織込む意思がありや否や、何億ぐらい入れるか入れないかという気持は、これは人事院と向うとが裃を着て折衝しないでも、その当局者の間に大体の話合いがなければ、無駄になると私は思うのであります。併しそれは地域的に皆情勢が違うから、特別扱いをしなければならんからそうしておるのであつて給与ベースを上げるとか何とかいうことについては、それはもう例えば内閣が何といつても問題はない。それだからそういうところは別な考えをやはりすることがまあ私は常識的に必要だろうと思います。
  112. 森崎隆

    森崎隆君 今の私の質問にははつきりお答えを頂いておりませんが、今の発言について一言申上げますが、私が実はお聞きいたしたいのは、予算折衝も結構です。すべての問題は、人事院が自信を持つて作られた案の予算折衝であり、すべてが公務員のためによくなる予算折衝でなければならん。予算折衝したがために出す意思であつたものが出せなくなつてしまつた。そういう弱い折衝なら初めからやめてもらいたいというのです。問題はそこです。予算折衝をしてはならんというのでなく、いろいろやつてもらいたいが、結果的にはすべてがよくなるようにやつてもらいたい。折衝してそれで喰いとめられてしまう。政府圧力の前に屈してしまう。それでは何のための予算折衝をしたかわからない。大蔵大臣の池田さんがそれでもいけないと言えばそれでは引込めますということでは、それでは我々が人事院にこれまで期待したところが大いに裏切られる、それでその根本問題について私は残念に思い確認して参つた。大体最後に私質問いたしますが、これはどんなになるのでしようか。
  113. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 私ども自分で折衝したわけでもないしわかりませんが、大体の予想というものがまああるでしようね。それは私は責任を持ちませんが……、けれども追加勧告というものを今ここへ出すと、今の予算の組替がいろいろの手数があるから、これはまあ通常国会なら何とかいうくらいな程度であると思うから、それで私どもは通常国会までには必ず間に合うように出すつもりであります。それは私の予想だから、当るも当らんも……。
  114. 森崎隆

    森崎隆君 それでは通常国会予算がないから駄目だと言われたらどうしますか、そこまで聞いて置かないとなんだから……。
  115. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 今まで予算がないからやめたというようなことはないのであつて、今度は何も出しておらんですから結局最後の今になつて、さて出そうか出すまいかというときに、三億とか六億とか要るがどうだというだけの話であつて、それで今度はきれいに引込めて出さんようにしようなどというようなことは毛頭考えない。それは時期の問題だと思うのですね。だから今度出なくてもこの次にまあできるじやないかということなんであつて……。
  116. 紅露みつ

    紅露みつ君 先ほどから四面楚歌で、山下人事官に同情しますけれども、やはり委員としては余り同情ばかりしていられないのですね。この長い時間がかかつたけれども、どこがつかみどころなのかわけがわからない。そうして今度は大変に親心を出しておられるということ、私はたけだけしいというような千葉委員の攻撃には、これは御同情しますので、親心でやつていて下さるのであろうけれども、これも出ましたように贔負の引き倒しで、この問題だけをそんなに私は切離す必要はないと思うのです。これは人事院総裁も先だつて言われましたのですが、これはあなたがおつしやるように、本当に数字計算の間違いとか、字がどうなんとかいうような、そんな小さな部分的な問題ではない。これは十分御承知通り、そんな小さい問題だけを取上げていらつしやるけれども、北は北海道から南は九州まで全般に亘つて新らしい改訂をしなければならないのだということは、これはもう総裁も言つていらつしやるのです。そうして人事官も十分御承知通り、山なすような陳情、請願が出ておるはずです。だからそんなに部分的な小さなものでなく、殆んど今は給与のベースと同じように考えていいのですよ、これは全く同じに考えられておる。だからこれだけの予算をそんなに特に切離して折衝されるというようなことは、御同情しますけれども、どうも納得が行きかねるのですよ。それで、それはやはり人事官の親心とまあ私は申上げたいのだけれども、どうも口実のように思うのです。どうもこれは有難くないのです。でおつしやるように、今までの勧告、再勧告をしてこれだけのことはもう当然通るものだから通してしまう。そうして置くほうが今度のために得だとおつしやるけれども、ここに入つているものなんかもう問題ないですよ。こんな小さなもの……こんなものは大変な大きな不公平があるので、こんなものは通つたつて恨みこそすれ、さつぱり有難いと思つておりはしませんか。ですからこれはやはり一緒に予算折衝とおつしやるけれども、或る程度見通しは要るのでしようけれども、これは大分もう疲かれていますので私は繰返す必要がないと思うけれども予算のことなんかお考えにならないで、ここいらはこれはもう適当な、妥当な線だと思つたら、なぜもつと毅然として人事院勧告をしませんか。それができないというようなことであれば、もうこれは政府となれ合いでやつておるとか、或いは人事院が今整理の対象になつておるので、ふらふらしておるとの、もうそれはいろいろの攻撃があるのを何とも抗弁の余地がない。これはもう給与のベースと同じです。同じに考えてもつと毅然としてやつてもらいたいと思うのです。それをどうですね、これは要望ですが、質問して置きたいことは、今もあそこで要求しておりましたけれども、通常国会というようなのは四月まで続くはずですが、五月までですかそれならなお更のこと、これはどうしますか。一体通常国会というものの、どの時期に出すかということですね、すぐにこれはまあ何とかなんかおつしやつていらつしやるけれども、まあ何とかという問題じやありません。実に切実な問題で、もうみんな非常な関心を以てこの問題を見守つておる。これはもう不安の状態というものは看過できないです。もう山下人事官十分御承知のことでしよう。人事院にもあれほど陳情がある。そうした不安の状態に置くということは、少しくらいの親心なんか発揮して下さつたつてさつぱり差引き何にもならないことです。ですからやはり一刻も早く出してもらいたいのですが、一体事務当局としては、人事院としては成案ができておるはずですが、幾通りかの成案ができておるはずですから、そのうちの一番妥当のものを予算等関係なく、早く勧告をして欲しいと思う。その時期はどのくらいと見通しをしていらつしやいますか。
  117. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 地域給は今更申上げる必要もないので、今までの地域給が、余り合理だから、これを何とかしたいというので、一年半もかかつて研究に研究を積んで、そうしてこれを五月に勧告をしたということは御承知でありますね。ところがそれがまだ実行できないうちに、又それを修正しろ、こういうわけです。これは次から次へ幾らでもあるわけです。ぼろ切れと同じで、片端を繕えばもう片つ端から破れて来るということと同じように、地域給というものは、本当に理論的にパッと出るものではない。だからこんなものをできるだけ早くやめてしまいたい。そして、給与のあるべき姿にかえしたいと私は思つておる。併しまだできないうちに又修正だ、又修正だと言われると、これは困るのです。だから修正はやれば一遍にやりたい。そうしてそれは臨時国会に間に合うようにやりたいと思つておつたんですけれども、併し今申上げたような事情のために、今のところ、これは次の通常国会にやる。併しそれは問題は先刻から申しましたように、これが予算の中に組込まれるであろうかどうかという見通しの問題であつて、それの見通しがつけば何も苦心する必要はない。いつでも出せるわけです。何でもやろうとすればやれます。ですから御心配は要らない。そんな御心配は要らないと私は思う。
  118. 紅露みつ

    紅露みつ君 御心配は要らないということはおかしい話なんで、見通しと言いますけれども、先ほどから御発言があつたようでありますが、今日官房長官は御出席されまして、この予備金の中から出すということについては、殆んどこれは額の問題だというところまで押詰めて行つています。だからそういうふうに、その細目がどうとかこうとかいうことにこだわらずに、これは妥当と認められれば、これは通過するもので、させなければならない問題だから、人事院としては、もうそういうようなお考え方が、ちよつと……、山下人事官が悪かつたと思いますので、そいつは一つ、もう解消して、新らしい考えの上に立つて、もう予算折衝ということは、余り心配をなさらないで、そうして早く勧告をして頂く、国会審議に移して頂くということが私ども要望です。  そういたしますと、じきに勧告はできますか。予算の問題を外せば……。
  119. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 先ほどの千葉委員質問に答えて、人事院会議において相談し直すというようなお言葉もございましたが、あの言葉はこれはもう一度通常国会でなくて、すぐにでも勧告をするという、勧告をし直すというように聞きましたのですが、その点を併せて一つ答弁を願います。
  120. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 私の申上げたのは予算に組込むという、あの最初の予算の中に組込むという操作が先ず可能であろうという明るい見通しがついたらばやるべきだと私は思つているのです。併し千葉委員はその見通しがつかなくてもなんでもやるべきだ、こういうお話である。だから私はこれを人事官会議にかけて、そうしてどちらであるかということを聞かないと、私一人では判断がつかないからそうしようと思うわけであります。それで決してその問題は私も繰返し言うように、その見通しが明るくてもどうでもすぐやれというなら、明日にもやりたいと思つているのです。だからその見通しの問題です。
  121. 紅露みつ

    紅露みつ君 それでございますから申上げたいのですが、今日官房長官が出られて、あなたお聞きになつておつたかも知れませんが、予備金の中から、これを支出するということは、これは承知してお帰りになられたはずですから、それも御考慮に入れられまして、早速人事官会議を開かれて、そうしてその結果について一つ御報告願いたいし、同時に勧告も急いでして頂きたいと思う。そうすると期限はいつですか伺わなくても、およそこの臨時国会にもできると思う。できますね。できるわけですね。
  122. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 紅露さんのおつしやつたのは、私はここにやはりおつたのでありますが、官房長官の言われたのはそうは言つておられないと私は思つておる。なぜかというと、この予備金の中で地域給を優先的に考えるということは考えておらんのだと言われる。それだから結局問題はわからないわけでありまして、あのときに若しも年三億、よかろうそのぐらいは考えましようということであつたら、これは私どもは何ら躊躇するところがないのでありますが、ただそういう優先的考慮はしないのだと言われると、これではどうもどつちになるかわからん。
  123. 紅露みつ

    紅露みつ君 これは優先的に考えてもらえなくても、予備金から出してもらえるということが明らかになつておれば、金額の高だけが問題になつているのですから、そこまでむやみにお考えになるんだと言いますと、もう人事院というものの独立性はなくなるように私どもは思う。これだけの見通しがつきましたら、その上は不必要なのではないでしようか。その上の考慮は要らないと思う。
  124. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 私はそう思わないのです。それは優先的に考慮をするのではないんだということは、出すことは出すんだ、あとは額の問題だなどということを意味しているとは思わない。全然考えないかも知れないし、何かわからないのであります。そうして又我々も仮に六億なら六億要ると思うものを、三億で切れと言われると、これは困る。だから必要なだけは出してもらわなくてはいけない。殊に私はそういう措置をすることが、即ち人事院が何でもかんでも予算なんか考えないで盲目滅法に進むほうが人事院のやることだということなら、そんなことは私は余り簡單過ぎてそれはいかんと思う。やつぱり公務員の利益を考えて、そうしてうまくこの地域給が成り立つようにという考慮を払うことが我々の義務であると思う。
  125. 千葉信

    千葉信君 山下さん、ちよつと、今官房長官の私の質問に対して答えられた予備金の問題については、その後の希望的な観測に立つて、どちらも少しずつ自分のほうに有利に御確認になつておつたと思う。紅露先生の大体出すんだということを聞かれたという確認の仕方と、それから山下さんが優先的に出さないということになつているというような確認の仕方も、いずれもおのおのの立場に立つて自分のほうに少しずつ有利に考えた確認の仕方で、事実はこれは速記録を見てもらえばわかるように、岡崎官房長官答弁された要旨というのは、財政法によつて予備金から出すという場合であつても、その予備金地域給に優先的に出すということにはなつておらない。従つてどういう必要に応じて出すかということについては、その問題について各個に検討されなければならない、こういう言い方だつた。こういう答弁と、それからもう一つは仮りに予備金から出すということになつても、金額の高の問題が当然これは影響するであろう。大きな金額ならば出すということは非常にむずかしくなるけれども、併し逆に少い金額である場合には、それは出すことは可能であろう。こういう官房長官答弁なのです。従つてそういう官房長官答弁からいいましても、補正予算の問題だけに関連して、人事院地域給修正勧告の問題をお考えになられることは、余りにも人事官としての職責からいつて消極的な、我々としてちよつと納得できない態度だ、こういうことになつて来ている。ですから先ほど御要望申上げた通り、山下人事官が先頭になつて十分人事官会議に頑張つてもらつてできるだけ早く出すように御努力をお願いして置きます。
  126. 山下興家

    政府委員(山下興家君) それについてはもう黙つてもいいわけですけれども一つ本当に官房長官がそれじや五億なり六億なり出す肚なんだということがはつきりするかしないかで大きな問題があると思うものですから、今までのいろいろな話合いはどういう程度で話合つているか、私は知りませんけれども、その事務当局の間にいろいろなことは話合つているものと想像いたします。それですからもう少し確実になればいいと思う。それで私はこういうことが公務員の利益のためにならんと言われれば、これは仕方がない。みんなのこれは考え方によるのであつて、私はこれは特別な扱い方が公務員の利益のためだと思う、こう思つてつていることであります、私自身は……。ですからさよう御了解願いたい。
  127. 千葉信

    千葉信君 只今お話を聞いておりますと、例えば岡崎官房長官答弁は、やや不確定だから、そういう点についてもう少し具体的に、若しくは確実にならなければというお話でございましたが、遺憾ながら私の見解を以てすれば、そういう不確定な問題であればあるだけに人事院で今後の努力をなされるよりも、山下人事官は非常に国会の力なんというものをあまく、軽く見られているようですが、国会でその問題をやつた場合のほうが遙かに問題の解決に有利になるというふうに思う。この際山下さんのお考えを直してもらいたい。そういうふうな考えを持つてもらいたい。これも又併せて御要望申上げて置きます。
  128. 木下源吾

    木下源吾君 どうも人事院に我々は余り期待を過大にしているかも知れんし、過大にしているような傾向がある。今のあなたの話の要領は、公務員のためになるというのは、即定予算を今出そうという枠内であるから増額をしないというのは、今出しても同じだと考える。だからこれで千五百円アツプの、一つ予算の枠を取つておいて、更に新らしくそれだけを増額するようにやつたらいいのじやないかというように考えておられるだろうと思う。まあ一面から言えばそういうことも考えられるが、それはまああなたがたの考え方で、それも結構だと思う。我々としては予算増額というところに目標があるわけです。予算増額総額も基本給の中に、片一方から取つて片一方へくつつけるようでは何にもならん。その千五百円増額する中で操作をいくらやつても、我々は予算増額をどうしてもしなければならない。その点については国会が十分にやらなければならん。それで我々がやるのです。修正をやるのですこれから……。修正もやるし、取るまで我々かかつているのだから、そこで我々もあなたがたに協力してもらいたい。あなたも勧告した手前もあるのだから……。具体的にどういうことかというと、恐らく出せないということだろうが、この間うちのお話の六億円くらいの予算増額が要るのだという、その原案というか、その案を私たちに貸してくれればいいんだ。我々は参考にして、一つ修正するのだ、やるなと言つてもやるのだから、それはいけないなんというけちなことを言わんで、我々調査なんかするというとなかなか手間もかかるのだから、急ぐのだから、それを一つ貸してもらいたい。それは人事院つて一向差支えないと思う。そんなものをあなた出さないと言つていると、それこそ我々に協力せいと言つても我々できないということになる、人事院に……。だから人事院も我々に協力して少しでも予算増額を取つてやることが公務員のためなんだ、そのために国会において修正する。その原案として、修正する参考として、あなたたちの六億万円くらいの、事務当局だか、どこかでこしらえているのを貸してもらいたい、出してもらいたい。そうしてこの問題は何というても取らんければ承知しないのだから、ここまで来た以上はその覚悟をきめてもらいたい。人事院も今日も岡崎さんに私いいあんばいに頼んで置いたが、出すなとも言われんし、人事院に出せとも言わん。これは当り前だが、とにかく各党各派が弱り切つてつて、要望しておるのだから、何とかせにやならんという気運がだんだんできておるのです。この際我々と協力してあのけちな政府から取るという、この一点に集中してあらゆることを一つつてもらいたい。その第一番に参考になる資料を貸してもらいたい。そのことによつて人事院が一体国会に協力しているかどうかがよくわかると思う。
  129. 山下興家

    政府委員(山下興家君) どうもお言葉を返すようでありますが、これは先刻言つたように地域給なるものはやめてしまいたい。やめるにはどうしたらいいかというと全部二割五分にして、皆給与に繰込めばいい。そうすると一人当り千二百円くらいいる。そういう問題なら、それは非常に結構で、パツとやりたいのですが、ただ全体として大体六億かかるから、みんなで一つ協力してかかつて下さいということでやめてもらいたいので、その内容がこれだあれだとなると、なんだこんなものが俺のほうはまだ必要だ。あれが必要だ、これが必要だということになるかも知れん。だからやはりそうなると協力ということができなくなる。それだから協力がむずかしいだろうと想像するのです。  それだから内容を見ないで全体として五億なり、六億なりというところで取つてもらえば誠に結構です。だからその内容をみな見せろというようなことはこれは少し無理です。
  130. 木下源吾

    木下源吾君 それだからいけない。我々は、これは人事院勧告だから少しやれというような、そんなやぼなことは言わない。我々はあなたがたよりも合理的にやるためにこれを出してくれ、こう言うのです。それはその通りです。だからしてこれはどうしても我我は最も早い機会に国会でやる、そうしてみんなが政府が出さないうちは、何遍でも夜晝なしに人事委員会を開いてやるし、請願も出て来るだろう。何でもやる。だからそんな手数は余りかけないように一つ出してもらいたい。
  131. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 先刻千葉さんから言われました問題について追加勧告を本当にするかしないかという問題について、もう一遍人事官会議にかけようと申しましたのも、結局今の木下さんのおつしやるのの同じでありまして、勧告すればみな出すわけでありますから、一つの同じ問題であるからこれは私一人が矢表てに立つのも困りますから、それで一つ人事官会議にかけて話を……。
  132. 木下源吾

    木下源吾君 我々は国会でやるんだから……。
  133. 森崎隆

    森崎隆君 今日いろいろ申上げましたが、千葉君の発言も含めまして決しておいじめしておるのじやない、激励しておるのです。この地域給の問題はあなたも御存じの通りこれは出たが勝なんです。自由党だつてこれは政党関係じやない、地域関係だからどうしてもこれは実施しなければならん。これは人事院のほうで出さないでくれと言つたらしいが、その意味であなたは政府に親心を出して、公務員のほうを犠牲にしたような憾みがあるのじやないかと思う。  それからもう一つは、これは御存じの通り随分各地区から陳情団も来られるし、旅費も使つておるし、こういうかたがたにも一日も早く解決したい。これを見ておると人事院はああして陳情団の押寄せて来られるのを楽しんでおるような気がする。そういう考えならばつと打ち出して早くこの問題を解決すればほかの作業の能率も上るのじやないかと思う。そういう意味で激励しておるのです。悪く思わんで下さい。今日はこれでおきます。
  134. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは時間がございましたら、給与に関する法律の改正に関する意見書が出ておりますから、これの説明を聞きたいと思いましたが、別の機会にいたしまして、今日はこれで散会いたします。    午後一時十五分散会