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説明員(
田中弘人君) 講和條約の
調印が終りまして、而も條約の発効が非常に近い将来に見通されているという時期におきまして、この種
接收問題がどうして起るかという点につきましては、私どもの従来の
交渉の経過、それから調査の結果によりますと、大体二つの種類に分かれると思います。一つは申すまでもなく、朝鮮事変を契機にいたしました東亜の軍
事情勢に即応するための飛行場の擴張、その他であります。それから第二は
安保條約の行政取極の
話合いは現在始ま
つていないわけでありますが、
軍側で自発的に大都市の
施設を郊外と申しますか、大都市から他の
地域に移すと、こういう自発的な準備が進んでおるようであります。本件追浜問題はこの第二の範疇に属するものと従来の
交渉の経過から我々は判断をいたしておるのであります。この問題が起りましてから、
横須賀の連絡調整事務局長の報告により、横浜においてはJ・L・Cの本部、東京においてはGフオアと折衝を続けまして、すでに約十回
程度の折衝をいたしております。昨日までの
交渉の経緯を申上げますと、軍としては大体京浜
地区の
施設を他へ移すために
幾つかの候補地を物色、研究をして、追浜がその一つに当るということであります。なお総司部の
当局者といたしましては、
日本側の
操業中の
企業に対しましては、非常に同情的な態度をと
つておるのでありまして、これが本件の決定が延びている最大の
理由だと思います。昨日もこの問題について
話合いをしたのでありますが、
軍側としては、現在
操業中の
日本側の
企業に如何にして影響を与えないで済むかということについて目下研究中というのが最近の情報でございます。従いまして他にも候補地があるようでございますので、本件最終決定までにはなお若干の時日を要するかと思うわけでございますが、万一
追浜地区を
接收するということが決定されるといたしましても、それまでに十分
外務省その他
関係省との接触を維持いたしまして、
軍側としては
日本側の利益を如何にして保護するかということについては、十分の注意を拂うだろうと期待をいたしておりますし、我々のほうとしても今後とも折衝を継続するつもりでおります。