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説明員(菊池明君) それでは補足的に御
説明申上げます。延長は
只今大臣から言われたように五百二十七キロというふうにな
つております。それはその掛けてあります図面のような計画でありまして、この計画につきましては、まだ今後検討する必要もあるかと思いまするが、
只今案として試案を練りましたものは、
東京から神奈川県御殿場の所を抜けまして、それから現在の東海道の山川を伝いまして、そうして名古屋から岐阜県のほうに入りまして、米原の南のほうから滋賀県に入りまして、それから草津、大津の所でトンネルで京都府に拔けまして、宇治の所を通
つてここで淀川を越えまして、それから高槻の辺を通
つて大阪の北部を抜けて、西宮から神戸に着く。この線について検討を進めております。この線につきましてはもう私どもとしましては、十年以上も前からしばしば問題になりましたので、
相当練
つては参りましたが、まだ精密なる測量までは至
つておりませんので、今後検討いたしまして、更に本当の経過地はきめなければなりません。この構造をどういうものにするかということですが、お手許に差上げました第三頁に書いてありますが、大体構造をきめますのに車の速度を予定いたします。それで大体日本は御承知の
通り山国でございまして、狭い所を参りますので、そう早くは行けませんが、大体一時間
平均百キロというスピード、B区間としてあります。いい所はA区間、これは非常に平坦部で直線的に走り得る所で、最高百二十キロ。それから山間部に参りますればそれを七十キロに落す。これ以下では走れないというふうなことに将来はなると思います。
平均百キロ、最高百二十キロ、最低七十キロ、こういう標準でいろいろの構造を設計いたしております。幅は、標準断面といたしましては、次の頁に概要を書いてありまするが、総幅が二十二メーター。車道としまして往復おのおの七メーター。追抜きの線を
考えまして七メーターで一つの方向に向う。それから中央の三メーターの分離帶で両車線を分離するようにしてあります。両側に二メーター五十の路肩と書いてございますが、これは駐車等をしますときの余裕に二メーター五十をと
つたのであります。合計二十二メーター。ところが非常に狭い所もございますので、橋梁とかトンネルとかそういう所に参りますと、これは
相当落ちます。それからもう一つ、その次の図面は、当初からこういう二十二メーターというふうな広い断面にいたし得ない、
経費等の
関係或いは工程の順序等を
考えますと、当分はもう少し狭くしていいのではないかという部面もございましようと思いまして、次の図の幅十五メーターというものを
考えまして、これは将来二十二メーターになり得るように一応十五メーターという部分を置きます。それは三メーター五十という標準の車道で、その間に三メーターというものを置きまして、両方の行き違いをここでやろう。路肩はやはり二メーター五十をとりまして、合計十五メーター。これで当分間に合う部分がある。
割合交通量も少い所ではこういうものでや
つたらいいのじやないかというので、こういう十五メーター分も
考えております。それから半径、勾配等は、
只今申しました百二十キロ、百キロ、七十キロという速度に応じまして、それに適当なような半径を理論上きめまして、A区間では五百七十メーター、B区間では三百五十メーター、C区間では百六十メーターというふうに最小半径を規制いたします。それから縦の勾配は、A区間では二%、これは五十分の一、それからB区間では五%、これは二十分の一と申します。一番急な区間でも六%、十六、七分の一というようなものを最低勾配といたしまして七十キロのスピードが確保できるようにいたそうと思います。それからこの
道路の最も特徴は、次の交叉点、接続路の問題で、どこからでも他の交通が入りますると高速度では勿論走れませんので、鉄道及び他の
道路とは全然平面交叉はしない。約二、三十キロごとにこれに入
つて来ます、或いはこれから出て行きます連絡のできるような接続路を作りまして、それ以外では出入できないようにするということにいたします。そのためにおおむね盛土を三—四メーターいたしまして、交叉路以外はすべて立体交叉をいたしますよう計画いたします。これが普通の
道路とは非常に違
つておるのでございまして、
経費を多く要するのも、主としてこういう土工が非常に大きくなるという点でございます。これに入れる所は二、三十キロごとに、或いは大
都市の入口等、或いは他の重要な幹線に接続する附近にのみ作りますので、やや鉄道に似たような
道路になるわけでございます。
それから
先ほど大臣から申しました千百四十一億と申したのは、全体も広い幅で施工いたします場合の
工事でありまして、当初初めからそれほどのものはできないかも知れないというので、一期二期に分けまして一期計画は、交通量を睨み合せまして幅をきめまして、それを八百六億七千二百万円という
経費で一応は通れるようにする、例えば静岡から名古屋附近までは今の狭い幅で行くというようなことを
考えまして、これを完成しようという案が一期計画でありまするが、それが六頁に書いてあります。
その前に、
先ほどのABCという速度の分け方を六頁の下のほうを御覧願いますと掲げてございます。例えば多摩川から厚木までは百二十キロで走れるようにする。こういうふうに各区間に分けまして模準のスピードと区間の分け方をしております。これに要します
工事費、資材の
只今の單価での見積を一応挙げてございますが、第一期
工事としてやります
工事費は、ここにありまするように八百六億七千二百万円、それから鋼材が二十二万六千トン、セメントが六十九万五千トン、アスフアルトが一万七千トン、木材三百三十三万三千石、
砂利が四百四十一万立方メーター、砂が百四十二万立方メーター、燃料が五万二千七百キロリットルというふうにな
つております。それから
機械と
労務者の数でありまするが、
機械はブルトーザー。キヤリオール等の数量を一応計算いたしまして、これはもう少し
調査いたしまして精密な施工計画を作りまして検討をいたしまするが、先ずこれくらいは是非必要であるという数字を挙げてあります。それから
労務者は熟練、非熟練合計しまして延八千四百八十二万人というものを必要とします。それから例えばこれを五カ年でやるとしますればどういう年次計画になるかということを八頁に掲げまして。交通量の非常に多い部分から早くやるということであります。一年、二年、それに必要な
労務者、資材の量を掲げました。それから第二期計画、全幅員にしますものを次の頁に掲げました。次は今仮定いたしましたスピードで以
つて走ります場合に、おおむねどれくらいの所要時間で走れるかということを掲げました。その他参考
資料を出してありますが、これは今まで我々が普通の
道路を
工事いたしましたときの基礎知識を元にいたしまして、主として机上におきましてや
つたものでありますので、本当の
工事を三年なり五年でやります場合には、
相当の
調査を必要とします。特に非常に長い橋梁或いは長いトンネルがございまするので、地質
調査と、それから土工にいたしましても、土の量が大変多うございますので、土工の方法、土の掘場等につきましては精細な
調査をいたしませんと、今日までやりました程度の
仕事の知識では予定
通り参りませんので、できますならば是非来
年度相当の
調査費を
公共事業費なりで頂きまして詳しく
調査いたしまして、どういう形でこれを施工するか、或いは企業体という恰好にするにいたしましても、一応こういう
調査は
政府資金でやるべきじやないか、財政資金で以
つてや
つて行きたい、こういうふうに思
つております。