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説明員(
小林英三君)
只今の
カニエ委員の御質問の東海財務局と近畿財務局の汚職
事件のことでございますが、この真相と申しましようか、事実といたしまして先ず近畿財務局におきまして大阪陸軍造兵廠の枚方製造所でございます、ここでは被害の物件といたしましては鋼屑、スクラツプでございますが四十三トン余、価格にしまして八十七万円でございます。これが
事件がそういう被害があ
つた日は本年の四月二十四日から五月十六日に亘
つております。で、その内容といたしましては日鉄工業株式会社というものがこのスクラツプの拂下で、これはもう競争入札できめたのでございますが、この日鉄工業株式会社というものが落札しましたそのスクラツプを搬出すると、そのときにその会社の代行業者があ
つたわけですが、これが株式会社豊円鋼管製造所、この代行業者がそこにございまする
管財局の出張所の雇いをしております山田豊治というのでございますが、これと共謀いたしまして契約の物件以外に四十三トン余スクラツプを不正に持出したと、こういう
事件でございます。でこの
措置といたしまして、私
どものほうといたしましては、被害物件のうちの二十八トン余につきましては、代行業者の豊田のほうから返還して来たのでございまするが、残りにつきましても、これは適正な価格でそれだけを取戻すということをやろうということにな
つております。
それから名古屋の問題につきましていろいろ複雑な問題があるわけですが、大体の犯罪の概要を申上げますと、先ず鑄鉄管その他のスクラツプでございますが、これを数量にいたしますとまあ約十トン程度でございますが、これを太洋工業株式会社久野英雄と申しますが、これがやはり売沸われたスクラツプを搬出する場合において、余計にその物件を搬出して取
つたという
事件でございまして、これは今年の五月頃でございます。ですでに起訴にな
つておりますが、私のほうといたしましてこれを適正な価格で計算しまして弁償金を取ろうと、こういうことにしております。
それからやはり同じような問題でございますが、これも太洋工業の今申上げました久野というのでございますが、これがこのスクラップを今申上げた不正搬出するというために、財務局の雇いをしております小嶋某に贈賄したと、こういう
事件でございまして、
昭和二十六年三月十日でございますが、その時に調停いたしました拂下の鑄鉄管百トン、それからガス管六十五トン、
金額にいたしまして約八百七十一万円、でこの価格で実は拂下たのでございますが、この会社はその代金のうち二百万円を
拂込んだだけでございますので、私
どものほうとしては
金額が入らないのでその後搬出をとめたのでございます。でとめられたために会社といたしましては小嶋に取入りまして、そうして実際の搬出した数量は百二十五トンでございますが、これを少く報告させるということにしたわけであります。これが百二十五トンを搬出したにかかわらず九十五トンということにまあ報告させた、こういうようにな
つております。この未納の
金額はまだあるわけでございますが約六百七十万円でございます。これについては契約を取消しまして、すでに搬出済みのものにつきましてはその分だけ更に取るということにしております。これが不正持出しの收賄
関係にな
つております。
それから又同じような問題になるわけですが、ケーブル屑を株式会社の佐藤電気商会という名義で指名競争によ
つて入札受拂いしたものでありますが、この
金額が二十六万三千円と調定したわけであります。この調定して売拂いましたケーブルを搬出するというときに、
先ほど出ました財務局の雇い即ちそこにおりました小嶋某と、それから更に大蔵
事務官にな
つておりますが奥村某にやはり贈賄をいたしまして、搬出量が実際六十九トンであ
つたものをこれを四十一トンということで少く報告させるというようなことでやはり不正に持ち出し、同時に贈賄したという
事件でございます。でこのうち四十トン分につきましては代金はすでに完全に入
つております。私
どもといたしましては、更にこの今計算いたしました残りのものを更にこれから取るというように
考えておりますが、なかなかこの問題も複雑なようにな
つております。
それからその次の問題は四級機械の屑、その機械をスクラツプとして売
つたわけでございますが、この買受人が川崎製鉄でございますが、これの代行会社が中京金属ということにな
つております。でこの中京金属がやはり余計に搬出しようということでございますが、この搬出する際に同じようにそこの小嶋に金をやりまして、不正な報告をさせたという
事件でございます。
それから次はやはり同じようなケースでございますが、同じ財務局の小嶋と奥村が国有の屑鉄を五トンばかり売りまして、その代金を著服したという
事件でございます。
それから次に機械のやはりスクラツプでございますが、これを奧村、小嶋が同じように近藤何がしに売りまして代金をやはり著服したとこういうケースでございます。大体今申上げたのは名古屋のうち千種の製造所の
事件でございます。
それから次に鷹來製造所の
事件でございますが、これは川崎製鉄代行会社といたしまして中京金属が当
つておりますが、これに拂下を内定いたしまして四級機械の、スクラツプでございますが二百二十四トンの拂下げにきめましたそれに乗じまして、余計なやはり予定数量以上のものを搬出してその代金を会社のほうで贈賄に使
つたのでございます。いずれもその役人
関係は全部起訴されておりますが、なお次に起
つておりますのは豊川にありました旧海軍工廠でケーブルの屑等の二件の問題でございまして、これはいずれもそこに監視をしておりました者が国有の今申上げたケーブルの屑を、ほかの音羽電気商会というものに売りましてその代金を
横領したということでございます。で、会社のほうにはその贈賄收賄
関係があ
つたわけであります。それからなおこのほか直接そうしたケーブル等に関連いたしませんでしたけれ
ども、なお名古屋、東海財務局の管財部第三
課長をしている小山傳藏そのほか賠償第一係長とか賠償第二係員、賠償係員、文書係員という者がいずれも收賄の
関係で起訴されております。この相手の会社といたしましては、小山傳藏につきましては中京金属
関係でございまして、このスクラップの搬出の問題に関連がございます。それからなお音羽電気商会に売
つた問題にからみましてこれはやはり收賄しているということにな
つております。なお賠償第一係長の鬼頭でございますが、これは丸繁産業のほうからやはり金を受取
つておるようでございます。それから杉山六藏も丸繁産業から金を受取
つておるようであります。なおそのほかのものにつきましていろいろ壽産業や或いはいろんな所から金を受取
つておるようでございます。なおいろいろなこれは財務局でございまするが、そのほか熱田出張所、豊橋出張所の管財の者が所長以下やはり中京金属以下から饗応、接待、收賄を受けております。東海財務局と近畿財務局の汚職
事件の概要は以上の
通りであります。